JPH071272B2 - 血液凝固促進剤 - Google Patents

血液凝固促進剤

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JPH071272B2
JPH071272B2 JP11268987A JP11268987A JPH071272B2 JP H071272 B2 JPH071272 B2 JP H071272B2 JP 11268987 A JP11268987 A JP 11268987A JP 11268987 A JP11268987 A JP 11268987A JP H071272 B2 JPH071272 B2 JP H071272B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は血液凝固促進剤,特にヘパリン投与を受けてい
る患者から得られる血液検体の凝固を促進する血液凝固
促進剤に関する。
(従来の技術) 検査技術の目覚ましい進歩とあいまって血清生化学検
査,血清免疫学検査,血球検査などの血液検査が広く普
及し,病気予防や早期診断に役立っている。血液検査の
多くは血清検査であり,その検査に要する血清は,通
常,血液検査用容器に採取した血液を凝固させた後,遠
心分離によって,比重の異なる血餅(フィブリンと血球
が混合したゲル様塊状物)から分離し,ピペットを用い
て,あるいはデカンテーションにより採取している。
被験者から採取された血液が凝固するには比較的長時間
を必要とする。例えば,血液凝固時間が比較的短いとさ
れるガラス製検査容器を用いても血液が凝固するまでに
40〜60分を必要とし,合成樹脂製検査容器を用いると,
実に4時間以上の放置時間が必要となる。そのため,検
査に必要な血清を迅速に確保できないという欠点を有す
る。これは,特に緊急に検査を実施する必要のある場合
に問題となる。
このように,従来の血清分取法によれば,血液凝固に長
時間を要するという問題のほか,凝固した全血を遠心分
離にかけて分離するときに血清と血餅とが良好に分離し
にくいという問題もある。分離状態が悪いと,血清部分
をピペットで吸い上げる場合および/もしくはデカンテ
ーションを行う場合に,たとえ細心の注意を払っても,
赤血球の混入が避けられない。その結果,臨床検査結果
に悪影響をおよぼしたり,再度遠心分離する必要を生じ
る。
人工透析を受けている患者や血栓疾患者の血液検体をあ
つかう場合は,さらに,別の問題が生じる。このような
患者は,血栓防止のためにヘパリン投与が行われるた
め,血液10mlあたり1〜20単位のヘパリンが存在する。
このヘパリンは,血液中のアンチトロンビンIIIと結合
して,トロンビンの作用を著しく阻害する。さらに,第
XII因子などの血液凝固因子の作用をも阻害するといわ
れている。そのため,フィブリノーゲンのフィブリンへ
の転化が起こらず,その結果,血液が凝固しない。それ
ゆえ,血清の分取が困難となる。
これらの問題を解消するため,発明者は,(a)下記一
般式(I)で示され,かつ,該式中の隣接するカルボニ
ル基が実質的に同一平面上に存在する環式有機化合物と
(b)アミン塩および/または,第4級窒素を有する有
機化合物とを含有する血液凝固促進剤を提案した(特開
昭60-27858号公報)。
(ここで,Aは環式化合物の残基を示す)。
(I)式で示される化合物としては,例えば,没食子酸
アルキルエステル酸化物,エラジン酸酸化物などが揚げ
られる。アミン塩および/または第4級窒素を有する有
機化合物としてはアルキルアミン塩酸塩などが用いられ
る。これらの化合物を含有する血液凝固促進剤を用いる
と,含有される上記アミン塩などがヘパリンを吸着・中
和して不活性化し,かつ(I)式で示される化合物が血
液中の血液凝固第XII因子を活性化して短時間で血液を
凝固させることができる。しかし,血液凝固後,時間が
経過すると血漿中に存在する分解酵素の作用により,フ
ィブリンの凝固塊が溶解され始める。そのため,凝固後
の経時的な安定性についての問題点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 発明者は上記血液凝固促進剤をさらに検討し,ヘパリン
を含有しない血液のみならず,ヘパリンを含有する血液
をも速やかに凝固させ得,かつ凝固後の安定性の高い血
液凝固促進剤の開発を試みた。本発明の目的は,ヘパリ
ン含有の有無にかかわらず血液を速やかに凝固させ得,
血清分離性がよく,かつ凝固後の安定性の良好な血液凝
固促進剤を提供することにある。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明の血液凝固促進剤は,(a)下記一般式で示さ
れ,かつ,該式中の隣接するカルボニル基が実質的に同
一平面上に存在する環式有機化合物(I)を配位子とす
る金属錯体,(b)アミン塩および/または第4級窒素
を有する有機化合物,(c)抗線溶剤および/または抗
プラスミン剤,および(d)加水分解酵素を含有し,そ
のことにより上記目的が達成される: (ここで,Aは環式化合物の残基を示す)。
本発明の血液凝固促進剤の主成分である金属錯体の配位
子である上記(I)式で表される化合物は,同素環式化
合物であっても異節環式化合物であってよく,また,単
環式化合物であっても,多環式化合物であってもよい。
このような環式化合物としては,上記2個のカルボニル
炭素を含む環が6員環または5員環であることが好まし
い。
同素環式化合物のうち好ましい6員環式化合物としては
下記一般式(II)で示されるo−キノン環を有する化合
物が挙げられる: (ここで,R1,R2,R3およびR4は,水素,炭化水素基,
極性置換基または多環式化合物における残基を示す)。
上記式において炭化水素基は特に限定されないが,アル
キル基,特に炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。極
性置換基も特に限定されない。例えば,カルボキシル
基,カルボン酸エステル基,水酸基,アミノ基,メルカ
プト基などがある。o−キノン環を有する化合物として
は,o−キノンをはじめ,下記式(III)〜(VII)で示さ
れる化合物が挙げられる: 没食子酸アルキルエステル酸化物 (ここで,R5はアルキル基を示す。) エラジン酸部分酸化物 エラジン酸完全酸化物 1・4−ジ(3・4−ジヒドロキシフェニル)2・3−
ジメチルブタン部分酸化物 1・4−ジ(3・4−ジヒドロキシフェニル)2・3−
ジメチルブタン完全酸化物 同素環式化合物のうち5員環式化合物の好ましい具体例
としては,下記式(VIII)で示される1・2・3−トリ
ケトヒドロインデンが挙げられる。
異節環式化合物としては,例えば,次の一般式(IX)で
示される化合物が挙げられる。
(ここで,R6は水素,炭化水素または多環式化合物にお
ける残基を示し,R7およびR8は水素,炭化水素基,極性
置換基または多環式化合物における残基を示す。炭化水
素基および極性置換基については(II)式と同様であ
る。) (IX)式で示される化合物の好ましい具体例としては,
例えば,次式で表されるイサチンがある。
錯体を形成する金属は,0,0−配位性を有するアルカリ金
属以外の金属である。特にFe,Co,Ni,Alなどを含む錯体
が取り扱いが容易であるため好適である。本発明の血液
凝固促進剤に用いられる金属錯体は上記配位子となる化
合物(I)に上記金属イオンを含む塩溶液を加えて得ら
れる。例えば塩酸塩,硫酸塩などの水溶液を単独で,ま
たはこれらの水溶液を混合して加えることにより,反応
生成物として得ることができる。この反応生成物は,溶
液のpHを適宜調整することにより,沈澱物として取り出
すこともでき,また,溶液状態のままで使用することも
可能である。例えば,没食子酸プロピル酸化物の鉄錯体
は,没食子酸プロピル酸化物を含む溶液に塩化第二鉄溶
液を混合することにより得られる。このような金属錯体
には,錯体内部の電気的中性を保つためにハロゲン根,
硫酸根,硝酸根,アンモニウム根の1種または2種以上
を含む配位子が含有されていてもよい。水が配位子とし
て含有されていてもよい。
本発明の血液凝固促進剤に含有されるアミン塩および/
または第4級窒素を有する有機化合物はヘパリンを吸着
・中和して不活性化するヘパリン中和剤として作用す
る。アミン塩を構成するアミンは第1級,第2級および
第3級アミンのいずれでもよく,アミン塩を構成する酸
も無機酸および有機酸のいずれでもよい。無機酸として
は,塩酸などのハロゲン化水素酸,硫酸,亜硫酸などが
あり,有機酸としてはギ酸,酢酸などがある。アミン塩
の有機残基は通常アルキル基であるが,イミノ基やエー
テル基などの異種元素を含む炭化水素基であってもよ
い。アミン基は,分子内塩であってもよい。
好ましいアミン塩の具体例としては,例えば,(XI)式
で表されるヘキサデシルジメチルアミン塩酸塩や,(XI
I)式で表されるテトラデシルジ(アミノエチル)グリ
シンがある。
第4級窒素を有する有機化合物には,例えばテトラアル
キルアンモニウムがある。アルキル基の代わりにアリー
ル基を有する化合物やイミノ基,エーテル基などの異種
元素を含む炭化水素基を有する化合物であってもよい。
好ましい具体例としては,例えば(XIII)式で表される
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドがある。
このような比較的低分子量の化合物のほか,第4級窒素
を有する有機重合体も利用されうる。このような重合体
としては,一般式(XIV)で表される繰り返し単位を有
するポリカチオンが挙げられる。
(ここで,R9〜R12は水素またはアルキル基,Xはハロゲ
ン根または酸根,Yはアルキレン基または−アルキレン基
−SO2−を示し,上記単位の繰り返し数は5〜2000であ
る。) (XIV)で示される化合物のうち,特に(XV)または(X
VI)で表される繰り返し単位を有するポリカチオンが好
適である。
上記アミン塩および/または第4級窒素を有する化合物
(中和剤)は上記金属錯体100重量部に対し5〜10,000
重量部の割合で含有される。過少であるとヘパリンが中
和されないため血液が凝固しない。過剰であっても含有
量に応じた効果は得られない。
抗線溶剤および/または抗プラスミン剤としては,従来
より臨床で用いられているアプロチニン,大豆トリプシ
ンインヒビター,ε−アミノカプロン酸,p−アミノメチ
ル安息香酸,アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸な
どが,単独であるいは組み合わせて用いられる。これら
は,得られる血清を用いた臨床検査に影響を及ぼさない
程度の量で血液凝固促進剤中に含有される。例えば,ア
プロチニンは血液1mlあたり約100〜600KIU(単位)の割
合で,大豆トリプシンインヒビターは血液1mlあたり約5
00〜4000FU(単位)の割合で,そして,ε−アミノカプ
ロン酸,p−アミノメチル安息香酸およびアミノメチルシ
クロヘキサンカルボン酸は,いずれも血液1mlあたり約1
0-2〜10-8gの割合となるように,血液凝固促進剤中に
含有される。
本発明の血液凝固促進剤に含有される加水分解酵素はプ
ロテアーゼであり,ペプチド鎖においてArgと任意のア
ミノ酸残基との結合およびLysと任意のアミノ酸残基と
の結合を加水分解しうる酵素である。このようなプロテ
アーゼとしては,例えば,トリプシン,トロンビン,ヘ
ビ毒トロンビン様酵素などのセリンプロテアーゼ;カテ
プシンB,フィシンなどのチオールプロテアーゼ;キニナ
ーゼIなどの金属プロテアーゼがある。特にセリンプロ
テアーゼが好適に用いられる。これらプロテアーゼは,
単独でも血液凝固促進作用を有するが,上記金属錯体と
併用することによって血液凝固の活性化能が飛躍的に向
上する。
加水分解酵素は,血液1mlあたり10-2〜102IUとなるよう
に血液凝固促進剤中に含有される。酵素が過少であって
も金属錯体が含有されていれば血液凝固促進作用は得ら
れるが,酵素を上記割合で配合した場合に比べると,そ
の効果がはるかに小さい。過剰であっても含有量に比例
した効果は得られない。
本発明の血液凝固促進剤は血液1mlあたり1×10-10〜1
×10-1gの割合で使用される。過少であると血液凝固促
進効果が得られない。過剰であっても使用量に応じた効
果は得られない。
本発明の血液凝固促進剤を使用するときに用いる血液検
査用容器はガラス製であっても樹脂製であってもよい。
血液を凝固させるには,例えば容器中に採取した血液に
血液凝固促進剤を加えてもよく,血液凝固促進剤をあら
かじめ容器内部に付与しておいてもよい。血液凝固促進
剤は,例えば粉末状のまま利用してもよく,あらかじめ
適当な溶媒に溶解もしくは分散させておいてもよい。高
濃度の血液凝固促進剤が血液と接触して蛋白成分を変性
させるのを避けるために,血液凝固促進剤を比表面積の
大きい担体に担持させることも可能である。
このような担体としては,血液検査に有害な影響を与え
ず,大きい比表面積を有するものであれば,特に限定さ
れない。例えば,不織布,織布,樹脂ビーズなどが好適
に用いられる。このような担体に上記血液凝固促進剤を
担持させるには,例えば,その溶液や分散液を担体に塗
布したり,溶液や分散液中に担体を浸漬して含浸させた
後,乾燥させる。アラビアゴムなどの適宜の助剤を含む
血液凝固促進剤の水分散液を調製し,これを急速凍結乾
燥して血液凝固促進剤担持粒子状物を得ることもでき
る。
本発明の血液凝固促進剤がヘパリンを含有する血液に加
えられると血液中のヘパリンが,アミン塩などの中和剤
に吸着・中和されて沈澱するためヘパリンのトロンビン
や第XII因子に対する阻害作用がなくなる。そのため,
血液は正常な凝固機能を回復する。血液凝固促進剤に含
有される金属錯体は血液中の第XII因子に作用してこれ
を活性化させる能力を有する。第XII因子の活性化によ
り短時間のうちに連鎖反応的に血液凝固が進行し,最終
的にはプロトロンビンの活性化によって生成されたトロ
ンビンがフィブリノーゲンに作用し,不溶性のフィブリ
ン網を形成して血液凝固が完了する。血液凝固促進剤に
はさらにセリンプロテアーゼなどの蛋白質加水分解酵素
が存在するため,上記血液凝固因子の活性化が促進され
る。血液凝固促進剤に含有される金属錯体がこの蛋白質
加水分解酵素の酵素反応を促進することも考えられる。
その結果,短時間で血液が凝固する。血液凝固に要する
時間は血液凝固促進剤中の金属錯体や中和剤の種類,血
液凝固促進剤の量,使用する容器の材質,血液中のヘパ
リンの量などにより異なるが,合成樹脂製容器を用いる
と通常,10〜20分である。血液凝固促進剤中には,さら
に抗線溶剤および/または抗プラスミン剤が含有される
ため,血液の凝固反応過程で拮抗的に生成してくるプラ
スミンのフィブリン分解作用が阻害される。そのため血
液の凝固が促進され,さらに凝固後においても凝固状態
を安定に保つことができる。このように,正常血液のみ
ならずヘパリンが含有される血液も短時間のうちに凝固
し,凝固状態が安定に保たれうる。さらに,血清と血餅
との分離が容易となるため,分離採取された血清中に血
餅成分が混在する問題も解消される。血餅成分の収縮度
合も充分であるため,血清収率も高い。
本発明の血液凝固促進剤の主成分である化合物は,金属
錯体であるため,発明者が先に開発した血液凝固促進剤
に含有される環式有機化合物(I)に比べて,さらに熱
安定性に優れる。上記環式有機化合物を血液凝固促進剤
に用いたときには,血液中の金属成分と錯体を形成し血
清成分に変化を与えるおそれがあるが,本発明の血液凝
固促進剤に含有される化合物は血液中の金属成分と反応
することがないため,正確な検査値が得られる。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
実施例1 エラジン酸酸化物((V)式で示される化合物)の鉄錯
体,ポリカチオン((XVI)式で示される化合物),ア
プロチニンおよびトリプシンを含む水分散液をポリエス
テル系不織布に含浸させ,充分に乾燥させた。不織布1
cm2あたりの上記各成分の量はそれぞれ4×10-4g,4×10
-4g,500KIUおよび3IUであった。
市販の5mlポリエチレン製スピッツにヘパリンを1.0IU/m
lの濃度で含む人新鮮血2mlを注入し,次いで,上記成分
を担持した不織布1cm2を入れ,緩やかに攪拌した後,20
℃で放置した。放置1時間後,および30時間後の血清を
それぞれ分取し,フィブリノーゲンおよびフィブリン分
解産物(以下FDPと略す)の測定行った。その結果を下
表に示す。1時間後および30時間後のFDP測定値に差異
はなく,血餅の分解反応がよく抑制されていることがわ
かる。実施例2〜10および比較例1〜2の結果も合わせ
て下表に示す。
実施例2 没食子酸n−プロピル酸化物の鉄錯体,テトラデシルジ
(アミノエチル)グリシン,アプロチニンおよびトリプ
シンをそれぞれ0.5重量%,0.5重量%,10000KIU/mlおよ
び40IU/mlの濃度で含有する生理食塩水分散液を調製し
た。
市販の5mlポリエチレン製スピッツにヘパリンを1.0IU/m
lの濃度で含む人新鮮血2mlを注入し,次いで上記分散液
を50μl添加した後,実施例1と同様に処理し評価を行
った。
実施例3 イサチンの鉄錯体1g,ヘキサデシルジメチルアミン塩酸
塩0.4g,アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸50mgお
よび平均粒径1.5mmのポリスチレンビーズ担体1kgに少量
のエタノールを分散助剤として加えて,充分に混合した
後,乾燥した。別に,トリプシン7000IUを少量の生理食
塩水に溶解させ,これを上記処理後のビーズ表面にさら
にコーティングし,乾燥させた。
市販の5mlポリエチレン製スピッツにヘパリンを1.0IU/m
lの濃度で含有する人新鮮血2mlを注入し,次いで,上記
血液凝固促進剤0.3gを加えた後,実施例1と同様に処理
し,評価を行った。
実施例4 没食子酸n−プロピル酸化物の鉄錯体,テトラデシルジ
(アミノエチル)グリシンおよびアプロチニンの代わり
に,o−キノンの鉄錯体,ポリカチオン((XV)式で表さ
れる化合物)およびε−アミノカプロン酸をそれぞれ0.
5重量%,0.5重量%,および0.1重量%の割合で用いたこ
と以外は実施例2と同様である。
実施例5 没食子酸n−プロピル酸化物の鉄錯体,テトラデシルジ
(アミノエチル)グリシン,アプロチニンおよびトリプ
シンの代わりに,1・2・3−トリケトヒドロインデンの
鉄錯体,ポリカチオン((XVI)式で示される化合
物),ε−アミノカプロン酸およびトロンビンをそれぞ
れ用いたこと以外は実施例2と同様である。
実施例6 テトラデシルジ(アミノエチル)グリシンおよびトリプ
シンの代わりにドデシルトリメチルアンモニウムクロラ
イドおよびトロンビンをそれぞれ用いたこと以外は実施
例2と同様である。
実施例7 没食子酸n−プロピル酸化物の鉄錯体,テトラデシルジ
(アミノエチル)グリシンおよびトリプシンの代わり
に,1・4−ジ(3・4−ジヒドロキシフェニル)2・3
−ジメチルブタン酸化物の鉄錯体,ポリカチオン((X
V)式で示される化合物)および蛇毒トロンビン様酵素
をそれぞれ用いたこと以外は実施例2と同様である。
実施例8 没食子酸n−プロピル酸化物の鉄錯体,テトラデシルジ
(アミノエチル)グリシンおよびトリプシンの代わり
に,エラジン酸酸化物(V)のコバルト錯体,ポリカチ
オン((XV)式で示される化合物)および蛇毒トロンビ
ン様酵素をそれぞれ用いたこと以外は実施例2と同様で
ある。
実施例9 没食子酸n−プロピル酸化物の鉄錯体およびテトラデシ
ルジ(アミノエチル)グリシンの代わりに,エラジン酸
酸化物(V)のニッケル錯体およびポリカチオン((X
V)式で示される化合物)をそれぞれ用いたこと以外は
実施例2と同様である。
実施例10 没食子酸n−プロピル酸化物の鉄錯体およびテトラデシ
ルジ(アミノエチル)グリシンの代わりにエラジン酸酸
化物(V)のアルミニウム錯体およびポリカチオン
((XV)式で示される化合物)をそれぞれ用いたこと以
外は実施例2と同様である。
比較例1 アプロチニンおよびトリプシンを使用しなかったこと以
外は実施例2と同様である。
比較例2 没食子酸n−プロピル酸化物の鉄錯体,テトラデシルジ
(アミノエチル)グリシンおよびε−アミノカプロン酸
をそれぞれ0.5重量%,0.5重量%および0.1重量%の濃度
で含有する生理食塩水分散液を調製した。この分散液50
μlを市販の5mlポリエチレン製スピッツに収容し,乾
燥させた。このスピッツにヘパリンを1.0IU/mlの濃度を
含む人新鮮血2mlを注入し,実施例1と同様に操作し評
価を行った。
実施例11 各実施例1〜10の処方の血液凝固促進剤の調製を行っ
た。各血液凝固促進剤をそれぞれ採血用スピッツに収容
し,これにヘパリン含有人新鮮血を注入した。穏やかに
攪拌後,20℃で放置して,全血が完全に流動しなくなる
までに要する時間,すなわち血液凝固時間を測定した。
いずれの実施例でも10〜20分で血液が凝固した。血液凝
固後,直ちに3000回転/分の回転速度で5分間遠心分離
し,血清分離状態を観察し,さらに,ピペットによる血
清の採取状況を調べた。いずれの実施例においても血清
分離性および血清収量は良好な結果を示した。
比較例3 各比較例1および2の処方の血液凝固促進剤を調製し,
実施例11と同様に操作して血液凝固時間を測定したとこ
ろ,35〜40分の時間を要した。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,通常の血液検体のみなら
ずヘパリンを含有する血液をも速やかに凝固させ得,か
つ凝固状態が安定に保たれうる血液凝固促進剤が得られ
る。血清と血餅との分離状態も良好であり,しかも,血
液凝固促進剤が血清成分を変化させることがないため,
血清を用いた各種検査の検査値が常時正確かつ安定に得
られうる。血液凝固促進剤に含有される金属錯体は比較
的熱に安定であるため,血液凝固促進剤の長期保存も容
易である。このような血液凝固促進剤は,ヘパリン投与
を受けている人工透析患者や血栓疾患者の血液検査時の
血清の分取に好適に用いられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)下記一般式で示され,かつ,該式中
    の隣接するカルボニル基が実質的に同一平面上に存在す
    る環式有機化合物(I)を配位子とする金属錯体, (b)アミン塩および/または第4級窒素を有する有機
    化合物, (c)抗線溶剤および/または抗プラスミン剤,および (d)加水分解酵素, を含有する血液凝固促進剤であって, 該加水分解酵素がペプチド鎖においてArgと任意のアミ
    ノ酸残基との結合および/またはLysと任意のアミノ酸
    残基との結合を加水分解しうる酵素である, 血液凝固促進剤: (ここで,Aは環式化合物の残基を示す)。
  2. 【請求項2】前記加水分解酵素がセリンプロテアーゼ,
    チオールプロテアーゼおよび金属プロテアーゼのうちの
    少なくとも一種である特許請求の範囲第1項に記載の血
    液凝固促進剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021504705A (ja) * 2017-11-28 2021-02-15 シーメンス ヘルスケア ダイアグノスティクス プロダクツ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 鉄キレート剤を含むプロトロンビン時間試薬

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JP2021504705A (ja) * 2017-11-28 2021-02-15 シーメンス ヘルスケア ダイアグノスティクス プロダクツ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 鉄キレート剤を含むプロトロンビン時間試薬

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JPS63275953A (ja) 1988-11-14

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