JP4486999B2 - 凝固パラメーターを決定するためのキット - Google Patents

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Description

本発明は、主として、血漿検体等のフィブリノーゲンを含む試料について、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間等の凝固パラメーターを決定する方法を実施するためのキットに関する。
現在、血漿検体等のフィブリノーゲンを含む試料における凝固パラメーターの測定方法(もしくは決定方法)の多くは、反応容器内で試料に血液凝固試薬を添加し、インキュベートすることによって生じるフィブリン凝固を光学的又は物理的に検出することを測定方法の基本としている。具体的には、以下に説明するフィブリン凝固過程におけるフィブリンポリマーからの安定化フィブリンの生成に伴う試料の濁度上昇或いは粘度上昇をモニターすることによって凝固パラメーターを測定している。
即ち、フィブリノーゲンを含む試料に血液凝固試薬を添加したときに起こるフィブリン凝固は、概述すれば、(1)凝固カスケード反応が開始され、トロンビンが生成される過程、(2)生成されたトロンビンが触媒として試料中に存在するフィブリノーゲンに作用し、フィブリノーゲンのAα鎖からフィブリノペプチドAを、そしてBβ鎖からフィブリノペプチドBを遊離しそのE領域に重合部位Aと重合部位Bが露出したフィブリン単量体を生成する過程、(3)生成したフィブリン単量体同士がE領域に存在する重合部位AとD領域に存在する重合部位aとの間の相互作用により次々と非共有的に結合してフィブリンポリマーを生成する過程、及び(4)生成したフィブリンポリマーに対してトロンビンによる活性化を受けたXIII因子(活性型XIII因子)が作用し、隣接したD領域がクロスリンク反応により架橋結合(すなわち、共有結合)を形成して安定化フィブリンをもたらす過程からなっており、従来法は、上記(4)の過程の進行に伴う試料の濁度上昇或いは粘度上昇をモニターすることによって凝固パラメーターを測定している。
なお、このような方法によって測定できる凝固パラメーターの種類としては、外因系凝固経路の正常・異常を検査するためのプロトロンビン時間(PT)、内因系凝固経路の正常・異常を検査するための活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)等のいわゆる血液凝固時間、ビタミンK依存性凝固因子の正常・異常を検査するためのトロンボテスト及びヘパプラスチンテスト、凝固抑制因子であるプロテインC及びプロテインS等の活性%、凝固カスケード反応に関わる各凝固因子である第II、V、VII、VIII、IX、X、XI、及びXII因子等の血漿中含有率、並びにフィブリノーゲン等の血漿中濃度等が挙げられる。
しかしながら、上記従来の凝固パラメーター測定方法においては、その測定原理上安定化フィブリンを生成させる必要があるため、自動分析機を用いて測定することが実質的に不可能であった。即ち、生成した安定化フィブリンは、凝固して反応容器(キュベット、カップ等)に強固に付着するため、スパチュラで取り出すなどの手作業なしでは取り除くことができず、凝固パラメーターの測定に際しては、反応容器は通常1回だけしか使用できない。そのため、測定後の反応容器は「使い捨て」とならざるを得ず、反応容器を繰り返し使用する自動分析機に適用することができなかった。従って、凝固パラメーターの測定だけは、自動分析機で測定できる他の多くの検査項目(生化学試薬及び免疫試薬を用いての検査項目)と独立して血液凝固専用機を用いて測定しているのが現状である。
上記のような問題点を解決するための方法も報告されているが、実用化されるには到っていない。例えば、反応系に第XIII因子の阻害剤の添加により、フィブリン凝固をフ
ィブリンポリマー形成(フィブリン単量体がフィブリン網として析出する)段階で止めて凝固パラメーターを測定し、測定後フィブリン分子相互の親和性を失わせる溶液を添加してフィブリンポリマーを溶解させる方法が開示されている(特許文献1参照)。かような方法によれば、使用した反応容器が再利用できることも示唆されている。しかしながら、この方法で使用する第XIII因子の阻害剤はいずれも劇薬であるため、安全性の面で問題がある。また、該方法では、フィブリンポリマーを溶解させるためにフィブリン分子相互の親和性を失わせる溶液を添加する必要があるが、該溶液として具体的に例示されているのは塩酸等の強酸であり、反応容器(セル等)や測定装置を腐食、破損させる恐れがある。また、この様な溶液は凝固終了後に添加するため、測定装置においては新たな試薬添加ラインを設ける必要があり、既に普及している自動分析装置をそのまま使用することができないという問題がある。
なお、上記特許文献1には、測定データの再現性や、多検体を用いた従来の凝固パラメーターの測定方法との一致性等については記載されておらず、この点に関する信頼性は不明である。
特開平7−255497号公報
上述のように、本発明者らの知るかぎりでは、既存の自動分析機に適用可能で簡便な凝固パラメーターの測定方法は従来技術文献に未載である。そこで、本発明は、安全且つ簡便で、既存の自動分析機に適用可能な信頼性のある凝固パラメーターの測定方法を開発し、そのような測定方法を実施するに適したキットを提供することを目的とした。
本発明者等は、反応容器内でフィブリン凝固塊(もしくは安定化フィブリン)、さらにはフィブリン網を生成させずに凝固パラメーターを測定することができれば上記目的を達成することができるものと考え、フィブリン凝固塊及びフィブリン網を生成させずに凝固パラメーターに相関する物理量の変化を引き起こす方法について鋭意検討を行った。その結果、トロンビンによって触媒され生成されるフィブリン単量体間の非共有的結合の形成を抑制及び阻害することにより、フィブリン凝固、さらにはフィブリン網を形成させないが、フィブリン網の形成(すなわち、フィブリンポリマーが析出する)前の反応系における物理量の変化が、各種凝固パラメーターと極めて密接な相関性を示すことを見い出した。
即ち、本発明は、上記の相関性を利用することにより、試験すべき流体試料が完全な凝固を起こす前に、該試料の凝固パラメーターを決定することを可能にしたものである。
かような本発明は、トロンビンによるフィブリノーゲンの限定分解に随伴するフィブリンの凝固過程を含む凝固系における凝固パラメーターの決定方法であって、
A.試験すべきフィブリノーゲン含有流体試料を、前記フィブリンの凝固過程におけるフィブリン単量体からのフィブリンポリマーの形成を阻害する物質の存在下で血液凝固試薬と接触させ、
B.かような接触に基づき変化する前記試料における物理的変化量を検出し、そして
C.検出された物理的変化量を凝固パラメーターを表す指標として評価する、
工程を含んでなる。
特に本願では、上記本発明方法を実施する上で使用できる、フィブリン単量体からのフィブリンポリマーの形成を阻害する物質、血液凝固試薬及び、場合によって凝固パラメー
ターが既知の標準試料を組み合わせとして含んでなる凝固パラメーターを決定するためのキット、も提供する。
上記本発明方法は、従来の典型的な凝固パラメーター測定方法で得られた結果と、上述のように、試験された試料において、フィブリンポリマーの析出前の物理的変化量が密接な関係を有するので、例えば、凝固パラメーターが既知の標準試料から本発明の方法で得られる物理的変化量と、試験すべき試料から本発明の方法で得られる物理的変化量を比較することにより、操作系の凝固を伴うことなく、該試料の凝固パラメーターを決定することができる。
<発明の詳細な記述>
本発明の方法は、フィブリンポリマー(もしくはフィブリン網)の析出が生じているが、その析出物が反応容器(例、キュベット、カップ等)から容易に除去できる状態にある限り、所期の作用効果を伴って実施することができる。しかしながら、操作上の利便性を考慮すると、前記フィブリンポリマーに基づく析出が生じる前の試料における物理的変化量を検出することが好ましい。
本発明においては、理論によって拘束されるものでないが、例えば、フィブリノーゲンE領域に対する抗体又はフィブリン分解物D二量体等のフィブリン単量体(フィブリンモノマー)からフィブリンポリマーの形成を阻害する物質(以下、凝固阻害物質という場合あり)が存在することにより、1)フィブリン単量体のE領域に存在する重合部位A及び/又はBが塞がれる、2)フィブリン単量体のE領域全体が中和され、立体障害が起こる、或いは3)その両方の組み合わせが起こるといったことによりフィブリン単量体からフィブリンポリマーの形成が阻害されるか、ないしは遅延するものと考えられる。しかしながら、このときにフィブリンポリマーの形成は阻害されるものの、フィブリン単量体と上記凝固阻害物質との反応或いは該反応生成物とフィブリンモノマーとの反応等により、血液凝固試薬と接触後の液体試料において濁度変化等の凝固パラメーターに相関を有する何らかの物理量の変化が起こるため、該物理量の変化を検出することにより結果として上記目的が達成されるものと思われる。
本発明方法により凝固パラメーターの決定ができる試料は、血液凝固試薬と接触したときにトロンビンによるフィブリノーゲンの限定分解に随伴するフィブリンの凝固過程を包含しうる試料であれば、天然又は人口的なものであってもよい。しかし、通常、少なくともフィブリノーゲンを含有する流体であって、温血動物(例、ヒト、ウシ、ブタ、ヒツジ等)に由来する全血もしくは血漿又はそれらからの調製物(例、濃縮液、緩衝液等による希釈液)が本発明による凝固パラメーターの決定に供される試料となる。
本発明で使用するフィブリン単量体からのフィブリンポリマーの形成を阻害又は抑制する物質は、フィブリン単量体との相互作用により、フィブリンポリマーの形成を阻害又は抑制しうる物質であって、本発明の目的に沿うものであれば、その種類及び起源を問うことなく、如何なる物質であってもよい。阻害又は抑制は、フィブリン単量体が試料中で何等かの物理的変化を起こしうるが、フィブリンポリマーの形成を完全に阻止しうるか、或いはわずかに阻止して凝固もしくは凝集を遅延させる作用を意味する。しかし、かような物質は、フィブリン単量体のE領域に結合可能なペプチドもしくはタンパク質及びフィブリン単量体のD領域に結合可能なペプチドもしくはタンパク質からなる群より選ばれるものが好ましい。フィブリン単量体のE領域に結合可能なペプチドもしくはタンパク質の代表的なものとしては、フィブリノーゲン分解物E又はフィブリン分解物Eに対する抗体を挙げることができる。また、フィブリン分解物、より具体的にはフィブリン(もしくはフィブリノーゲン)のプラスミンによる限定分解によって得られる画分であって、Dセグメントを含む画分も上記フィブリンポリマーの形成を阻害物質として、好ましく使用するこ
とができる。
一方、フィブリン単量体のD領域に結合可能なペプチドもしくはタンパク質としては、フィブリン単量体のD領域に存在する重合部位a及びbに対するモノクローナル抗体、フィブリノーゲン分解物D(FgDP−D)に対するポリクローナル抗体、フィブリン分解物D(FDP−D)に対するポリクローナル抗体等が挙げられる。これらの中でも、フィブリンモノマーD領域全体に作用できることからフィブリノーゲン分解物D(FgDP−D)に対するポリクローナル抗体及びフィブリン分解物D(FDP―D)に対するポリクローナル抗体が好適に使用できる。
上記フィブリノーゲンE領域に対する抗体としては、より具体的には、フィブリン単量体のE領域に存在する重合部位A及び重合部位Bに対するモノクローナル抗体、フィブリノーゲン分解物E(FgDP−E)に対するポリクローナル抗体、フィブリン分解物E(FDP−E)に対するポリクローナル抗体等が挙げられる。これらの中でも、フィブリン単量体のE領域全体に作用できることからフィブリノーゲン分解物E(FgDP−E)に対するポリクローナル抗体及びフィブリン分解物E(FDP−E)に対するポリクローナル抗体が好適に使用できる。
なお、本発明または明細書で使用されている、フィブリン又はフィブリノーゲンのE領域、D領域、分解画分等の語は、例えば、Marder V.J.,Francis C.W.,and Doolittle R.F.(1982)Hemostasis and Thrombosis;Basic Principles and Clinical Practice,ed.R.W.Colman,J.Hirsh,V.J.Marder,E.W.Salzman,pp.145−63.Philadelphia,Pa:Lippincoffに記載されているような意味で用いている。さらに、具体的な内容については、後述する文献の一覧を参照されたい。
上記のフィブリノーゲンE領域に対する抗体の作製方法は特に限定されず、公知の一般的な方法が使用できる。例えば、フィブリノーゲン分解物E(FgDP−E)に対するポリクローナル抗体は、次のような方法により好適に作製することができる。
即ち、まずフィブリノーゲン材料に対する分解酵素であるプラスミンを添加・反応させることでフィブリノーゲン分解物を得て、ついで、該フィブリノーゲン分解物を精製することでフィブリノーゲン分解物E(FgDP−E)を得る。この場合、信頼性の高い凝固パラメーターの決定を行うためには、目的とする分解物の画分からフィブリノーゲンD領域由来の夾雑タンパクを取り除くことが望ましい。尚、分解物からフィブリノーゲンD領域由来の夾雑タンパクが取り除かれているかどうかは、フィブリノーゲンD領域に対する抗体を用いたウエスタンブロット法等により確認することができる。上記のFgDP−Eの精製方法は、まず、疎水性担体に通過させることで分解物中のリン脂質を除去し、ついで、得られた画分に対して疎水性クロマトグラフィーを施すことにより行うことができる。
この様にして精製されたFgDP−Eを免疫原として、公知の方法でヤギ,ウサギ等に免疫し、フィブリノーゲン分解物Eに対する抗血清を得、さらに、該抗血清に対して硫安分画、DE−52(Whatman,Ltd.製)等のイオン交換クロマトグラフィー等を施すことによって、フィブリノーゲン分解物Eに対するポリクローナル抗体を得ることができる。尚、フィブリノーゲンE領域に対する抗体は、一般に販売され容易に入手できるので、これを用いるのが簡便である。例えば、フィブリノーゲン分解物Eに対するポリクローナル抗体は、(株)医学生物学研究所(Medical Biological Laboratories,in Japan)、エンザイムリサーチ社(Enzyme
Research Laboratories)等から販売されている。
又、上記フィブリノーゲンD領域に対する抗体の作製方法は特に限定されず、公知の一般的な方法が使用できる。例えば、フィブリノーゲン分解物D(FgDP―D)に対するポリクローナル抗体は、次のような方法により好適に作製することができる。
即ち、まずフィブリノーゲン材料に対する分解酵素であるプラスミンを添加・反応させることでフィブリノーゲン分解物を得て、ついで、該フィブリノーゲン分解物を精製することでフィブリノーゲン分解物D(FgDP−D)を得る。この場合、信頼性の高い凝固パラメーターの測定を行うためには、分解物からフィブリノーゲンE領域由来の夾雑タンパクを取り除くことが望ましい。
尚、分解物からフィブリノーゲンE領域由来の夾雑タンパクが取り除かれているかどうかは、フィブリノーゲンE領域に対する抗体を用いたウエスタンブロット法等により確認することができる。
上記のFgDP−Dの精製方法は、まず、ゲル濾過精製を行い、FgDP−DとFgDP−Eとが共存している画分を得て、次いで、該画分に対して疎水性クロマトグラフィーを行いFgDP−Dが溶出している画分を得る。さらに、該画分をフィブリノーゲン分解物Eに対する抗体を固定化した不溶性担体に通過させるアフィニテイークロマトグラフィーを施すことによって行うことができる。
この様にして精製されたFgDP−Dを免疫原として、公知の方法でヤギ、ウサギに免疫し、フィブリノーゲン分解物Dに対する抗血清を得、さらに、該抗血清に対して硫安分画、DE−52(Whatman社製)等のイオン交換クロマトグラフィー等を施すことによって、フィブリノーゲン分解物Dに対するポリクローナル抗体を得ることができる。尚、フィブリノーゲンD領域に対する抗体は、一般に販売され容易に入手できるので、これを用いるのが簡便である。例えば、フィブリノーゲン分解物Dに対するポリクローナル抗体は、(株)医学生物学研究所等から販売されている。
また、上記フィブリン単量体のE領域、より具体的にはその重合部位A及び/又は重合部位Bに結合できるペプチド又はタンパク質としては、フィブリノーゲンD領域にある重合部位a由来のペプチド、フィブリノーゲン分解物D単量体、フィブリン分解物D二量体、該D二量体セグメントを含む分解画分等が挙げられる。これらのうち、上記阻害効果の強さの観点からフィブリン分解物D二量体を使用するのが好適である。
このフィブリン分解物D二量体の作製方法は特に限定されないが、例えば次のような方法により作製することができる。即ち、まず、XIII因子を含有するフィブリノーゲン材料に対してトロンビンを添加・反応させることで安定化フィブリンを生成させ、次いで該安定化フィブリンに対して分解酵素であるプラスミンを添加・反応させることでフィブリン分解物を得て、最後に、該フィブリン分解物を精製することで作製することができる。精製においては、信頼性の高い凝固パラメーターの決定を行うためには、目的とする分解物の画分からフィブリノーゲンE領域由来の夾雑タンパクを取り除くことが望ましく、その確認はフィブリノーゲンE領域に対する抗体を用いたウエスタンブロット法等によりすることができる。具体的には、まず疎水性担体に通過させることで分解物中のリン脂質を除去し、ついで、通過画分に対してゲル濾過を行って、フィブリン分解物D二量体画分を取得し、最後に得られた画分に対して疎水性クロマトグラフィーを施すことにより精製されたフィブリン分解物D二量体を得ることができる。
本発明では、上記フィブリン単量体からのフィブリンポリマーの形成を阻害する物質が
、血液凝固試薬と組み合わせて使用される。かような血液凝固試薬としては、異物表面を提供する物質(活性化剤)及びセファリン、トロンビン、各種血液凝固因子(例えば、II因子(プロトロンビン)、III因子(組織因子)、IV因子(カルシウムイオン)、V因子(不安定因子)、VII因子、VIII因子(抗血友病因子A)、IX因子、X因子、XI因子、XII因子(ハーゲマン因子)、XIII因子(フィブリン安定化因子)、プレカリクレイン及び高分子キニノーゲン)からなる群よりなる1種以上の因子を含むが、いずれかの因子を欠くもの)、プロテインC活性化剤から選ばれる少なくとも1種と、場合により無機塩又は緩衝剤を含有するものを挙げることができる。上記因子の起源はヒト以外のものであってもよい。これらの試薬の代表的なものは市販されており、それらをそのまま使用することもできる。
本発明に従って、決定できる代表的な凝固パラメーターとしては、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT);フィブリノーゲン濃度;トロンボテスト活性%;ヘパプラスチンテスト活性%;プロテインC活性%;プロテインS活性%;血液凝固第II因子、第V因子、第VII因子もしくは第X因子の濃度;血液凝固第VIII因子、第IX因子、第XI因子もしくは第XII因子の濃度等を挙げることができる。
決定すべき凝固ファクターと市販の血液凝固試薬の組み合わせの具体例としては、プロトロンビン時間(PT)測定用試薬としてはトロンボプラスチンCプラス(Thromboplastin・C Plus)(デイド社製:Dade Diagnostics of P.P.Inc.)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)測定用試薬としてはアクチンデータファイ・APTT(Dade Actin Activated
Cephaloplastin Reagent)(デイド社製)、フィブリノーゲン測定用試薬としてはデータファイ・フィブリノーゲン(Dade Fibrinogen
Determination Reagent)(デイド社製)、トロンボテスト測定用試薬としては複合因子・T「コクサイ」(Compound Factor−T Kokusai)(国際試薬社製:International Reagents Corp.)等が挙げられる。
通常、プロトロンビン時間(PT)は、健常人では、11〜13秒の範囲にあるが、PTがこの範囲より長いと、第II因子、第V因子、第VII因子、第X因子の欠乏、肝障害、ビタミンKの欠乏などが疑われる。活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は、健常人では、一般に25〜35秒の範囲にあるが、APTTがこの範囲よりも長いと、血友病疾患、肝胆道系の疾患などが疑われる。その他の凝固パラメーターもいずれかの疾患と関連付けられている。したがって、本発明は、各種疾患の診断において有用である。
本発明方法により試験されるべき試料は、必要により緩衝剤を加えてpHを調整した状態で取り扱われる。ここで一般的に使用できる緩衝剤としては、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、3−[4−(2ーヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、2−モルフォリノエタンスルホン酸等のGOOD緩衝剤と呼ばれる一連の化合物、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等が挙げられる。緩衝剤の濃度は、血液凝固試薬と接触した後においてもpHを一定に保つことができ、且つ血液凝固反応を著しく阻害しない濃度であれば特に限定されないが、一般的には、5〜200mMの範囲であるのが好適である。又、緩衝液のpHの範囲は、一般に6〜9の範囲であるのが好適である。
また、上記試料中には、イオン強度を調節するために塩化ナトリウム等の無機塩を添加することもできる。イオン強度は、血液凝固反応の速度に影響を与えることが知られてい
る。上記の緩衝剤の濃度もイオン強度に関与するため、無機塩の添加量は使用する緩衝剤の種類等に応じて適宜決定すればよいが、一般的には緩衝剤と無機塩の濃度の和が50〜900mMの範囲となるようにするのが好適である。上記試料は本発明の目的に沿う限り、さらなる処理が行われていてもよい。全血または血漿を例にとれば、採取した静脈血にクエン酸ナトリウムを加えたものを3000rpm、10分間遠心分離し、その上澄みを試験すべき血漿とすることができる。なお、この様な方法で得た血漿試料の保存期間は、通常室温で6時間、4℃で1日、−20℃で10日間程度である。
本発明に従う方法を実施する際に、フィブリンポリマーの形成を阻害する物質(以下、凝固阻害物質という)の存在下に液体試料と血液凝固試薬とを接触させる方法は特に限定されず、1)流体試料と凝固阻害物質とを予め混合し、次いで該混合液を血液凝固試薬と接触させる方法、2)凝固阻害物質と血液凝固試薬を予め混合し、次いで該混合物と流体試料を接触させる方法、又は3)三者のすべてを同時に混合する方法の何れの方法も採用することができる。具体的には、反応容器に液体試料及び凝固阻害物質を含む溶液をマイクロピペットで分取し、該反応容器にマルチピペッター等で血液凝固試薬を添加して接触させる方法、凝固阻害物質を含む溶液で予め希釈した流体(もしくは液体)試料を測定セルに入れ、血液凝固試薬を添加して接触又はインキュベートさせる方法、又は液体試料を測定セルに入れ、予め凝固阻害物質を混合した血液凝固試薬を通常使用する血液凝固試薬として用いて、通常の自動分析機により液体試料と血液凝固試薬とを接触させる方法等が好適に採用できる。なお、本明細書で用いる流体もしくは液体試料の語は、本発明に従う検出系に悪影響を及ぼす固形物を含まないものを意味する。
以下に、自動分析機を用いての接触方法の概略を簡単に述べる。
広く普及している通常の自動分析機は2試薬添加系で構成されており、測定セルは常時37℃前後の加温状態となっている。
又、自動分析機による測定は通常、以下の工程で行われる。
まず、測定セルに第1試薬(R1)がR1プローブによって分注される。次に、第1試薬が入っている測定セルに液体試料がサンプルプローブによって添加され、装備されている撹拌機構で撹拌される。次に該測定セルに第2試薬(R2)がR2プローブによって添加され、装備されている撹拌機構で撹拌される。そして、第2試薬添加・撹拌後の濁度
(吸光度)が通常約20秒間に1回、不連続に測定される。最後に約6分間の測定が終わった後、最後に洗浄機構のノズルによって測定セルから反応液が廃棄されるという測定工程である。
自動分析機を用いての接触方法をプロトロンビン時間(PT)測定系で例示すると、上記第1試薬(R1)を凝固阻害物質と組織トロンボプラスチンとの混合液とし、上記第2試薬(R2)を塩化カルシウム溶液として自動分析機にセットすることで接触させる方法あるいは上記第1試薬(R1)を凝固阻害物質、上記第2試薬(R2)をPT試薬溶液として自動分析機にセットすることで接触させる方法等が挙げられる。
反応容器は、物理量の変化がモニターできる測定装置で使用する反応容器、あるいは備え付けの反応容器が得に制限なく使用できる。例として、広く普及している自動分析装置備え付けのプラスチック製測定セル、ガラス製測定セル等が挙げられる。好適には、血液凝固因子の吸着、活性化が少ないプラスチック製測定セル等のプラスチック製容器が使用できる。また、接触もしくはインキュベート温度は特に制限されず、測定装置で設定可能な温度で行えばよいが、好適には凝固反応が円滑に進む37℃前後で接触させることが望ましい。また、接触条件についても得に制限されない。例としてマルチピペッター等で血
液凝固試薬を添加した後、測定装置備えつけの撹拌機構あるいは撹拌装置で撹拌・混合させることで接触させる条件等が挙げられる。接触時間も得に制限されなく、接触時間は物理量の変化がモニターできる測定装置のモニター時間の設定及び上限に依存する。例として、広く普及している自動分析機では、機種によって異なるが最長約12〜20分間接触できる。
このとき、使用する凝固阻害物質の量は特に限定されず、使用する血液凝固試料の種類や量、測定する凝固パラメーターの種類によって適宜決定すればよいが、一般的には、液体試料と血液凝固試薬とが接触した状態における溶液(以下、「反応系」とも言う。)中の濃度として1〜50mg/mlの範囲となる量使用するのが好適である。
例えば凝固阻害物質としてフィブリン分解物D二量体を使用してプロトロンビン時間(PT)を測定する場合では、十分な凝固阻害効果を得るためにはフィブリン分解物D二量体を液体試料由来のフィブリノーゲンの反応系最終濃度に対してモル比7倍以上の量共存させるのが好適である。例示すると、フィブリノーゲンの反応系最終濃度が400mg/dlの場合、フィブリン分解物D二量体を16mg/ml以上反応系に共存することが望ましい。
又、例えば、凝固阻害物質であるフィブリノーゲンE領域に対する抗体として、フィブリノーゲン分解Eに対するヤギ由来ポリクローナル抗体((株)医学生物学研究所製)を使用してプロトロンビン時間(PT)を測定する場合には該抗体は、ベッカー法に基づいて算出した抗体量として1mg〜10mg程度の量を、又、タンパク量に基づいて算出した抗体量として液体試料由来のフィブリノーゲンの反応系最終濃度に対してモル比9倍〜90倍程度の量を使用するのが好適である。
さらに、例えば、凝固阻害物質であるフィブリノーゲンD領域に対する抗体として、フィブリノーゲン分解物Dに対するウサギ由来ポリクローナル抗体((株)医学生物学研究所製)を使用してプロトロンビン時間(PT)を測定する場合には、該抗体は、ベッカー法に基づいて算出した抗体量として1mg〜10mg程度の量を、又、タンパク量に基づいて算出した抗体量としてモル比3倍〜30倍程度の量を使用するのが好適である。
本発明では、上記の液体試料と血液凝固試薬の接触後に変化する液体試料の物理的変化量を検出することによって凝固パラメーターを決定する。ここで、検出する液体試料の物理的変化量は、上記接触によって変化するものであり、且つその変化量が凝固パラメーターと何らかの相関関係を有するものであれば特に限定されない。この様な物理量としては、上述のごとく濁度(吸光度を含む)、粘度、誘電率、等が挙げられるが、検出の容易さから濁度(吸光度)を検出するのが好適である。
物理量の変化を濁度(吸光度)の変化量とした場合について、以下に具体的に説明する。
液体試料の濁度(吸光度)は光学的に容易にモニタリングすることができ、濁度の変化量の検出は、クイックターボ2(STAT IMUNO SYSTEM Quick TurboII)(A&T Corp.製)、自動分析装置502X(Multiple Chemistry Unit 502X)(A&T Corp.製)、自動分析装置7070(Automatic Analyzer 7070)((株)日立製作所製)等の市販されている装置を用いて容易に検出することができる。
以下に、クイックターボ2を用いて濁度の変化量を検出する例を示す。
まず、測定セルに液体試料及び凝固阻害物質を分注した後、保温部において一定時間加温する。次に、測定セルを測定部にセットし、血液凝固試薬を一定量添加する。添加すると同時に自動的に撹拌され、撹拌直後から波長405nmの濁度変化が自動的に1秒につき1回測定される。そして、その測定により経時的な濁度量の変化を知ることができる。
又、自動分析装置を用いて濁度の変化量を検出する例としては、第1試薬(R1)を凝固阻害物質とし、上記第2試薬(R2)を血液凝固試薬としてセットすることで自動的に濁度の変化量を検出する方法等が挙げられる。
自動分析装置502Xを用いての濁度測定の場合は、測定波長として340〜795nm間の計16波長のうち2波長を選択することができる。約20秒につき1回測定の不連続測定で、選択した2波長を同時に測定できる。上記の構成でR1、R2をセットした場合、濁度測定を約5分間行うことができる。そして、その測定により経時的な濁度量の変化を知ることができる。
自動分析装置7070を用いての濁度測定の場合は、測定波長として340〜800nm間の計12波長のうち2波長を選択することができる。
約20秒につき1回測定の不連続測定で、選択した2波長を同時に用いることができる。その他は、502Xの場合とほぼ同様な方法で経時的な濁度量の変化を知ることができる。
さらに、上記に示した測定もしくは検出方法は、トロンビンの発色基質(S−2238(Chromogenix AB製)等)を用いた系でも適用できる。トロンビンの発色基質を用いた系とは、前述に示したカスケード反応で生じたトロンビンの量と該トロンビンが該発色基質に働くことによって遊離される発色物質(S−2238の場合、p−ニトロアニリン)の量とが比例関係にあることを利用した方法である。このような方法は、凝固阻害物質として、フィブリノーゲン分解物D単量体に対する抗体、フィブリン分解物D2量体に対する抗体を用いた場合に特に好適に利用できる。しかしながら、トロンビンの発色基質を用いた場合は、前出に示した凝固パラメーターのうちフィブリノーゲンの定量は不可能である。
以下に、上記トロンビンの発色基質をS−2238とし、クイックターボ2を用いての測定例を示す。
まず、測定セルに液体試料及び凝固阻害物質を分注した後、保温部において一定時間加温する。次に、測定セルを測定部にセットし、血液凝固試薬とS−2238水溶液との混合液を一定量添加する。添加すると同時に自動的に撹拌され、撹拌直後から波長405nmの濁度変化が自動的に1秒につき1回測定される。そして、その測定により経時的な吸光度の変化を知ることができる。
又、自動分析装置を用いての測定例としては、第1試薬(R1)を凝固阻害物質とし、上記第2試薬(R2)を血液凝固試薬とS−2238水溶液との混合液としてセットすることで自動的に吸光度の変化量を測定する例等が挙げられる。この場合は、測定波長として405nmを選択する以外は前出の方法と全く同じ方法が適用できる。
本発明においては、従来法により測定され、凝固パラメーターが既知の液体試料(標準試料)について試験の対照となる物理的変化量を本発明方法により検出して、予め両者の相関関係を求めておき(例えば、検量線を作成し)、該相関関係(検量線)に基づいて実測された物理的の変化量から凝固パラメーターを決定することができる。
以下に、検出する物理的変化量が濁度を対象とする場合を例にとって、濁度の変化量から凝固パラメーターを決定する方法について詳しく説明する。
凝固阻害物質の存在下に液体試料と血液凝固試薬とを接触させると、その後の液体試料の濁度は図1に示す濁度上昇曲線のように変化する。尚、自動分析装置で濁度を検出する場合には、自動分析機によっては、10数秒に一回しか測定されない(例えば、上記自動分析装置502Xの場合、約18秒に1回しか測定できない)、しかし、短波長の濁度と長波長の濁度とを同時に測定し、それぞれの濁度上昇プロフィールから統計的に演算・算出することにより、図1のような濁度上昇曲線を得ることができる。該図1の濁度上昇曲線を利用して、液体試料の凝固パラメーター、具体的には凝固時間、フィブリノーゲン濃度及びトロンボテスト活性%等の凝固因子を決定することができる。
即ち、図1において液体試料の濁度が予め任意に定めた特定の値Aになった点を終点(B)とし、血液凝固試薬を添加してから終点までの時間を仮想凝固時間とする。この仮想凝固時間は、図8に示されるように従来法によって求めた凝固時間と良好な相関関係を有する。従って、図8によって換算することにより凝固時間を求めることができる。
尚、従来法と良好な相関関係が得られるということから、図1の濁度上昇曲線に対する一次微分曲線を作成し、該一次微分曲線のピークに相当する点の濁度をA点とするのが好適である。
又、仮想凝固時間だけでなく、単位時間当たりの濁度上昇の程度(いわゆる傾き)を使用しても従来法によって求めた凝固時間と良好に相関する。
この場合、単位時間当たりの濁度上昇の程度と従来法によって求めた凝固時間とは逆相関関係となる。逆相関関係とは、単位時間当たりの濁度上昇の程度が大きければ大きいほど、従来法によって求められた凝固時間は短いということを意味する。ここでいう単位時間の選択は特に制限がないが、相関性が良好なことから、濁度上昇開始時間(C点)から濁度上昇がフラットになる時間(D点)までの区間の任意な区間を選択すればよい。濁度上昇開始時間(C点)から任意の時間までの区間が特に好適に使用できる。尚、単位時間当たりの濁度上昇の程度を図1を用いて例示すると、A/(B−C)[単位;吸光度/時間]と表すことができる。
また、フィブリノーゲン濃度やトロンボテスト活性%を決定する際には、フィブリノーゲン濃度及びトロンボテスト活性%が既知の複数の検体(検体1、2及び3)について濁度を測定して図2に示すような曲線を得、該図2の各曲線について予め定めた任意の濁度Cに対応する仮想凝固時間(D、D及びD)と各検体のフィブリノーゲン濃度或いはトロンボテスト活性%とをプロットし図3に示すような検量線を作成し、該検量線を用いて濁度の変化量からフィブリノーゲン濃度又はトロンボテスト活性%を決定することができる。
なお、フィブリノーゲン濃度については、飽和濁度(例えば図2のC、C及びC)と各検体中のフィブリノーゲン濃度について同様に検量線を作成し、該検量線を利用することによっても決定することができる。
本発明では、フィブリン網が形成される前の試料中の物理的変化量により、凝固パラメーターを検出することができるため、これまで使用することができなかった自動分析機を用いて凝固パラメーターを決定することが可能である。しかも、本発明の凝固パラメーター決定方法は、その操作が安全且つ簡便であるため既存の自動分析機にそのまま適用する
ことができるばかりでなく、その測定結果は信頼性の高いものである。
このように、本発明は、臨床検査の分野において、これまで他の検査項目(生化学試薬及び免疫試薬を用いての検査項目)と同じ自動分析機を用いて行うことのできなかった凝固パラメーターの測定(凝固試験)を、他の検査項目と同様に単一の装置で測定することを可能ならしめるものであり、検査効率のアップと検査コストのダウンに多大に貢献するものである。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
なお、各実施例で使用した凝固阻害物質としては、フィブリン分解物D二量体(以下、「DD」と略すこともある。)及びフィブリノーゲン分解物Eに対する抗体である(株)医学生物学研究所製のヤギ由来ポリクローナル抗FgDP−E抗体(以下、「抗FgDP−E抗体」と略すこともある。)を使用した。以下に、DDの作製方法、並びにDD及び抗FgDP−E抗体のフィブリン凝固の阻害効果について説明する。
(DD(もしくはD二量体)の作製)
下記の各緩衝液を使用して、以下に説明する手順に従ってDDを作製した。
緩衝液A:0.15M NaCl、18mM CaCl・2HO及び0.01%NaNを含有した50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)。
緩衝液B:0.4M硫安、2mM ε−アミノカプロン酸、1mM NaNを含有した10mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)。
緩衝液C:0.15M NaCl、2mM ε−アミノカプロン酸、1mM NaNを含有した20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)。
緩衝液D:1M硫安、2mM ε−アミノカプロン酸、1mM NaNを含有した20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)。
緩衝液E:2mM ε−アミノカプロン酸、1mM NaNを含有した20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)。
まず、緩衝液A10mlを50ml遠心チューブ(岩城ガラス製)に入れたものを10組用意した。上記10組すべての遠心チューブにヒトフィブリノーゲン グレードL(American Diagnostica社製)150mg入れ、懸濁させた。ついで、緩衝液Aで溶解したトロンビン(Calbiochem−Novabiochem International,Inc.製)溶液100unit/mlを上記10組すべての遠心チューブに95μl添加・混合し、該混合物をTAIYO INCUBATOR M−100N(タイテック社製)にて37℃,2時間静置反応することで安定化フィブリンを得た。2時間経過後、スパチュラで安定化フィブリンに切込みを入れ、プラスミン(和光純薬工業株式会社製;2.06mg protein/ml)をそれぞれ100μl添加し、TAIYO INCUBATOR M−100N(タイテック社:TAITEC Corp.製)にて37℃、12時間振盪反応させた。反応後、分解物にアプロチニン(和光純薬工業株式会社:Wako Pure Chemical Industries,Ltd.製:2mgアプロチニン/5ml緩衝液A)溶液をそれぞれ200μl添加し、プラスミン分解反応を停止させ、該反応停止物を集めることでフィブリン分解物100mlを得た。
該フィブリン分解物100mlを緩衝液Bで平衡化したPhenyl−Toyopearl(東ソー株式会社:TOSOH Corp.製)が充填されているカラムにアプライし、その後、緩衝液Bを300ml流し、通過画分を分取することで、分解物中のリン脂質を取り除いた。尚、このときの条件は、カラム内径2cm,カラム長さ15cm,流速
20ml・hr−1,Phenyl Toyopearl量40mlである。
得られた通過画分400mlを限外濾過膜UP−20,限外濾過装置UHP−90(いずれもアドバンテック東洋社:ADVANTEC TOYO KAISHA Ltd.製)を用いた限外濾過を行い、20mlまで濃縮し、該濃縮液を透析膜(和光純薬工業株式会社製)に入れ、緩衝液Cで2時間透析し、さらにこの透析操作をもう一回繰り返した。得られた透析物20mlを緩衝液Cで平衡化したSephacryl S−300(Pharmacia社製)にアプライし、ゲル濾過法による精製を行った。なお、精製は、カラム内径4.1cm、カラム長さ120cm,流速32.5ml・hr−1(2.5ml・cm−2・hr−1)、Sephacryl S−300量1600ml,各フラクションの分取量5mlで行った。該精製で得られたフラクションを5本おきにA280(280nmでの吸光度)の測定をすることで溶出プロフィールを作製し、タンパクが溶出しているフラクションを透析後、非還元型のSDS−pageを行うことで、DD(190kd)が溶出している画分を見いだした。
上記のDDが溶出している画分を集め(100ml)、該画分を透析膜(和光純薬工業株式会社製)に入れ、緩衝液Dで2時間透析し、さらにこの透析操作をもう一回繰り返した。得られた透析物に対して緩衝液Dで平衡化したButyl−Toyopearl(東ソー株式会社製)にアプライし、疎水性クロマトグラフィーによる精製を行った。このときの精製条件は、カラム内径2cm、カラム長さ15cm、流速20ml・hr−1、Butyl−Toyopearl量40ml、各フラクションの分取量4mlで緩衝液D500mlから緩衝液E500mlの硫安濃度勾配で行った。
フラクションを5本おきにA280の測定をすることで溶出プロフィールを作製し、タンパクが溶出しているフラクションを透析後、非還元型のSDS−pageを行うことにより、DD(190kd)が溶出しているフラクションを見出した。該フラクションを集めることでDD精製画分400mg取得した。
(DDのフィブリン凝固阻害効果)
PT測定で、DDによるフィブリンポリマーの形成の阻害効果を調べた。PT測定試薬としては、市販の「トロンボプラスチンCプラス」(デイド社製)を用いた。PT測定試薬は凍結乾燥品を通常の半分の量の蒸留水で再生することにより2倍濃度にして使用した。
添加するDD溶液は、上記方法で最終的に得られたDDの精製画分を限外濾過によって濃縮し、その後、濃縮液を透析膜に入れ、30mM HEPES緩衝液(同仁化学製;pH7.4)で透析して作製した90μMのDD濃縮液から調製した。該濃縮液と前出の30mMHEPES緩衝液とを用いてそれぞれ18,22,30,45,60,90μMのDD濃度を有する6種のDD溶液を作製した。
液体試料としては、市販のコントロール血漿である「サイトロール1(Dade Ci−Trol Coagulation Control Level I)」、「サイトロール2(Dade Ci−Trol Coagulation Control Level II)」(いずれもデイド社製)を使用した。尚、サイトロール1は、健常者由来の正常域血漿のコントロール血漿であり、サイトロール2は、中等度異常血漿のコントロール血漿である。又、上記コントロール血漿中のフィブリノーゲン濃度はそれぞれ8μM,9μMであった(装置;KC−10A(アメルング社:Amelung GmbH、Lemgo製)、試薬;データファイ・フィブリノーゲン(Dade Fibrinogen Determination Reagents)(デイド社製)を用いて測定した実測値)。又、上記2種のコントロール血漿と上記各DD溶液とを使用した際でのフィ
ブリノーゲン(以下、Fibと略す。)に対するDDのモル比を表1に示す。
Figure 0004486999
阻害効果の見極めは、KC−10A(アメルング社製)で行った。
測定は以下のようにして行った。7個のKC−10Aのサンプルカップにスチールボールを入れ、該サンプルカップにサイトロール1血漿100μlをマイクロピペットで添加した。その後、7個のうち6個のサンプルカップに異なるDD濃度のDD溶液を100μl添加し、混合した。また、残りの1個のサンプルカップには、対照として30mMHEPES緩衝液を100μl添加した。
7個のサンプルカップを測定部に移して、37℃で3分間加温した。最後に、上記に示したPT測定試薬を100μl添加し、凝固時間を測定した。各DD溶液を添加した場合で得られた凝固時間から対照で得られた凝固時間の差(以下、凝固時間延長度と略す。)をそれぞれ算出した。X軸にDD/Fibモル比を、Y軸に凝固時間延長度をプロットすることによりDD添加効果をみた。
尚、サイトロール2血漿を用いた場合も同様な方法で行った。
図4にその結果を示す。図4中、フィブリン凝固が起きなかった場合には「NOT CLOT」と記した。図4をみてもわかる通り、サイトロール1では、DD/Fibモル比7.5倍から、サイトロール2ではDD/Fibモル比6.7倍から凝固回避できることがわかった。これにより、DDのフィブリン凝固阻害効果が明確に示された。尚、凝固回避できた場合でのサンプルカップ中の反応終了物は、逆さにするだけで容易に容器から流出した。
(抗FgDP−E抗体のフィブリン凝固阻害効果)
抗FgDP−E抗体20mlを限外濾過濃縮器であるセントリコン10(Centricon−10)(アミコン社:Amicon,Inc.製、カットオフ分子量10000)10本に2mlづつ分注した。セントリコン10を遠心分離(3000r.p.m.、120分間)することで濃縮した。次いでこの濃縮抗体溶液を透析膜(Dialysis
membrane)(和光純薬工業株式会社製)に入れ、緩衝液(組成:350mM塩化ナトリウムを含有する30mMHEPES緩衝液、pH7.4)で2時間透析することにより測定に使用する抗FgDP−E抗体の溶液を得た。該溶液における抗体濃度は、280nmにおける吸光度を測定して、1%濃度の抗体溶液の吸光度係数を13.0、分子
量を144kd(日本生化学会編 生化学データブックII、1008ページ、東京化学同人、1980年発行)として算出したところ、174μMであった。これを透析に用いたものと同一の緩衝液で希釈することにより、それぞれ、20、30、50、70、80、100、120μMの濃度の7種類の抗FgDP−E抗体溶液を得た。
これら溶液を用いて市販のコントロール血漿である「サイトロール1」、「サイトロール2」を希釈した液体試料について、PT測定を行うことにより抗FgDP−E抗体のフィブリン凝固の阻害効果を調べた。なお、PT測定試薬として市販の「トロンボプラスチンCプラス」(デイド社製)を用いた。PT測定試薬は凍結乾燥品を通常の半分の量の蒸留水で再生することにより、通常の2倍濃度にして使用した。測定に使用した液体試料中のフィブリノーゲンと抗FgDP−E抗体のモル比は表2に示すとおりである。
Figure 0004486999
PT測定は市販のKC−10A(アメルング社製)を用い、以下のようにして行った。
8個のKC−10Aのサンプルカップにスチールボールを入れ、該サンプルカップにサイトロール1血漿100μlをマイクロピペットで添加した。その後、8個の内7個のサンプルカップに異なる濃度の表2の各抗FgDP−E抗体溶液100μlを添加し、混合した。そして、残りの1個のサンプルカップに対照として350mM塩化ナトリウムを含む30mMHEPES緩衝液(pH7.4)を100μl添加した。8個のサンプルカップをKC−10Aの測定部に移して37℃3分間加温した。最後に上記に示したPT測定試薬を100μl添加し、フィブリン凝固が起きるまでの凝固時間を測定した。
抗FgDP−E抗体溶液を添加した場合で得られた凝固時間から対照で得られた凝固時間の差(以下凝固時間延長度と略す)をそれぞれ算出し、X軸に抗FgDP−E抗体/Fibモル比を、Y軸に凝固時間延長度をプロットすることにより抗FgDP−E抗体添加効果を調べた。サイトロール2を用いた場合も同様な方法にて測定を行った。
図5にその結果を示す。尚図中でフィブリン凝固塊が生成しない場合は「NOT CLOT」と表記した。サイトロール1では抗FgDP−E抗体/Fibモル比が8.8倍から、サイトロール2では8.9倍からフィブリン凝固が回避できることがわかった。これ
により抗FgDP−E抗体のフィブリン凝固阻害効果が明確に示された。尚、フィブリン凝固が回避できた場合にはサンプルカップ中の反応終了物は、サンプルカップを逆さにするだけで流出し、容易に取り除くことができた。
PT及びAPTT測定において、抗FgDP−E抗体の存在下に液体試料と血液凝固試薬を接触させた後に起こる液体試料の濁度を測定し、濁度変化量から凝固パラメーターが決定できることを確認した。
(1) まず、上記濁度変化量と凝固パラメーターに定性的な相関関係(特異性)があることを確認した。
なお、使用した血液凝固試薬、液体試料、抗FgDP−E抗体溶液、濁度測定条件、PT測定手順及びAPTT測定手順はそれぞれ以下の通りである。
(血液凝固試薬)
PT測定用:トロンボプラスチンCプラス(デイド社製、凍結乾燥品)を通常使用する半分の量の蒸留水で再生したもの
APTT測定用:アクチンデータファイ・APTT(デイド社製)
(液体試料)
サイトロール1(デイド社製):正常域血漿のコントロール血漿(フィブリノーゲン濃度は8μM)
サイトロール2(デイド社製):中等度異常血漿のコントロール血漿(フィブリノーゲン濃度は9μM)
サイトロール3(デイド社製):高等度異常血漿のコントロール血漿(フィブリノーゲン濃度は8μM)
但し、フィブリノーゲン濃度はアメルング社製測定装置KC−10Aを用いデータファイ・フィブリノーゲン(デイド社製)試薬を用いて測定した実測値である。
(抗FgDP−E抗体溶液)
PT測定用:前記の抗FgDP−E抗体のフィブリン凝固阻害効果を確認する際に使用した濃縮抗体溶液を透析膜に入れ、350mM NaClを含有した30mM HEPES緩衝液(同仁化学製;pH7.4)で透析して調製した80μM 抗FgDP−E抗体溶液。
APTT測定用:上記濃縮抗体溶液を透析膜に入れ、20mM CaCl2、350mM
NaClを含有した30mM HEPES緩衝液
(同仁化学:Dojindo Laboratories製;pH7.4)で透析して調製した80μM 抗FgDP−E抗体溶液。
(濁度測定条件)
測定装置:クイックターボ2((株)エイアンドテイー:A&T Corp製)測定波長:405nm
測定頻度:毎秒1回
(PT測定手順)
測定セルに各液体試料100μlをマイクロピペットで分取し、該測定セルに抗FgDP−E抗体溶液100μlを添加し、37℃で5分間加温した。その後、PT測定試薬を100μl添加し、この時点からクイック・ターボ2で濁度変化の測定を開始した。なお、反応系における、抗FgDP−E抗体/Fibモル比は約10倍である。
(APTT測定手順)
測定セルに各液体試料100μlをマイクロピペットで分取し、該測定セルにAPTT測定試薬を100μl添加・混合し、37℃で5分間加温した。その後、抗FgDP−E抗体溶液を100μl添加し、この時点からクイック・ターボ2で濁度変化の測定を開始した。なお、反応系における抗FgDP−E抗体/Fibモル比は約10倍である。
図6にPT測定結果を、図7にAPTT測定結果を示す。これら図に示されるように、PT及びAPTT測定いずれでもフィブリン凝固を回避した系で濁度上昇が得られることがわかった。又、濁度上昇の推移と各液体試料の凝固異常度には一致性がみられた。
尚、測定セル中の反応終了物は、逆さにするだけで容易に取り除くことができた。
(2) 次に、同時再現性について確認した。即ち、抗FgDP−E抗体溶液を調製する際の透析に使用する緩衝液をPT測定及びAPTT測定についてそれぞれ次のように変える他は上記(1)と同様にして各液体試料について10回測定を行った。
PT測定用緩衝液:150mM NaClを含有した30mM HEPES緩衝液(同仁化学製;pH7.4)。
APTT測定用緩衝液:20mM CaCl、150mM NaClを含有した30mM HEPES緩衝液(同仁化学製;pH7.4)を用いた。
そして、各測定で得られた濁度変化のグラフから、測定開始時の濁度から0.02(光学密度)上昇するまでに要した時間を仮想凝固時間とし、各測定で得られた仮想凝固時間の再現性をCV値で評価した。その結果をPT測定については表3に、APTT測定については表4に示した。両測定結果とも良好な結果であった。
Figure 0004486999
Figure 0004486999
(3)また、液体試料としてヒト個別血漿40検体を用い、上記手順に準じて測定して求めた仮想凝固時間と従来のPT測定法により求めた凝固時間とを対比して両測結果の相関性を確認し、本発明の方法により凝固パラメーターが決定できることを確認した。なお、従来法によるPTの測定は、PT測定試薬としてトロンボプラスチンCプラス(デイド社製)を用い、測定装置としてはKC−10A(アメルング社)を用いて、それぞれの取り扱い説明書に従って測定を行った。
図8に従来法により得られた凝固時間と本発明の測定方法により得られた仮想凝固時間との相関図を示した。一次回帰直線はY=1.00X−0.4391、相関係数は0.9902となった。従ってフィブリン凝固を回避する測定系である本発明の測定方法は、フィブリン凝固を起こさせて測定する系である従来の測定方法と非常に良好な相関性のあることが確認できた。
実施例1(1)で使用したのと同じ血液凝固試薬、液体試料及び抗FgDP−E抗体溶液を用い、臨床検査用の自動分析装置である502X((株)エイアンドティー製)を使用してPT測定を行い、次のようにして凝固時間を測定した。このときの502Xの測定パラメータは、以下の通りである。
サンプル量 40μl
抗FgDP−E抗体溶液(R1) 60μl
PT測定試薬(R2) 60μl
測定波長 340nmおよび795nm
測定ポイント 16−36(18秒間隔)
502Xの取り扱い説明書に従い、上記の各パラメータを入力し18秒間隔で濁度変化の測定を行った。具体的な操作手順を以下に説明する。
サンプルカップに各コントロール血漿を分注し、R1(第1試薬)として抗FgDP−E抗体溶液、R2(第2試薬)としてPT測定試薬を装置にセットした。その後、以下に示す測定操作を自動分析装置502Xにより自動的に行った。即ち、サンプルである液体試料を測定セルに40μl分注し、次いでその約30秒後に該測定セルにR1である抗FgDP−E抗体溶液を60μl添加・混合した。次いで該混合液を約230秒間加温した後、R2であるPT測定試薬を60μl添加し、その後生じる濁度変化を測定した。
測定は、18秒間隔で波長340nm及び795nmを同時に測定する方法で行い、計21回測定した。測定後、測定セルから反応終了後の溶液を吸引することで除去し、洗浄を行った。尚、測定中にフィブリン凝固塊の生成は認められず、ノズルがつまる等のトラブルもなく、測定セルの洗浄も十分に行うことができ、何の問題もなく繰り返し自動測定を行うことができた。
自動分析機より得られた不連続の濁度データから濁度上昇曲線を得る方法は、2波長から得られたデータを合成し、合成したデータを後述する関数で近似し、修正マルカット法で微調整する方法で行った。
データの合成方法は、図9に示すように長波長(795nm)で測定した濁度は短波長(340nm)で測定した濁度と比較してより遅く応答するという特徴を利用し、795nmの濁度データを同時に測定された340nmの濁度データの6秒前の340nmの濁度データとして組み込む方法により行った。該合成方法によって、濁度変上昇曲線作成時に使用する濁度データを21個から42個に倍増することができた。また、合成したデータを近似するのに使用した関数は、次式で表される関数である。
Figure 0004486999
上記式中、A、B、C、D及びEは定数で、その詳細は以下の通りであり、定数A、D及びEは濁度データから直接算出したものである。
A=(合成した濁度デ−タの中の濁度最大値)−(濁度最小値)
B=修正マルカット法による微調整の係数
C=修正マルカット法による微調整の係数
D=合成した濁度データの中で隣り合うデータ間の濁度変化量が最大となる時間
E=合成した濁度データの中の濁度最小値
上記設定した関数に対して、修正マルカット法による係数B、Cの微調整を行った。修正マルカット法による微調整で得られた係数B、Cを代入した関数を使用して作成した濁度上昇曲線を図10に示す。図10は液体試料としてサイトール1を測定した場合の濁度上昇曲線の例である。
この様にして作成した濁度上昇曲線について、濁度が測定開始から0.02(光学密度)上昇するまでの時間を仮想凝固時間とした。
各液体試料について10回ずつ測定し、それぞれ上記と同様の方法により仮想凝固時間
を求めた。
上記のようにして求めた仮想凝固時間を、下記式により換算することにより凝固時間を求めた。なお、下記式は、凝固時間の異なる複数の同一の液体試料について従来法と上記方法との両方の測定を行って得た検量線から導かれたものである。
(凝固時間)= 0.1103 × (仮想凝固時間) + 3.6172
各換算値、再現性を評価するための標準偏差及びCV値を表5に示した。この結果から、自動分析機を用いても非常に良好な同時再現性が得られることが確認された。
Figure 0004486999
実施例1の(1)及び(2)において、使用する抗FgDP−E抗体溶液を下記のDD溶液に変える他は実施例1の(1)及び(2)と同様にしてPT測定及びAPTT測定を行った。
(DD溶液)
PT測定用:前記作製方法で最終的に得られたDD精製画分を限外濾過によって濃縮し、その後、濃縮液を透析膜(和光純薬工業株式会社製)に入れ、30mM HEPES緩衝液(同仁化学製;pH7.4)で透析して作製した80μM DD濃縮液
APTT測定用:前記作製方法で最終的に得られたDD精製画分を限外濾過によって濃縮し、その後、濃縮液を透析膜に入れ、20mM CaClを含有した30mM HEPES緩衝液(同仁化学製;pH7.4)で透析して作製した80μM DD濃縮液。
実施例1(1)に対応するPT測定結果及びAPTT測定結果をそれぞれ図11及び図12に示す。また、実施例1(2)に対応するPT測定結果及びATTP測定結果をそれ
ぞれ表6及び表7に示す。凝固阻害物質としてDDを使用した場合にも濁度変化には特異性があること、および良好な同時再現性を示すことが確認され、抗FgDP−E抗体を用いたときと同様に濁度変化測定により凝固パラメーターを決定することができることが確認された。
Figure 0004486999
Figure 0004486999
以下に示す液体試料、R1試薬、及びR2試薬を用い、フォトダイオードアレイ分光光度計(島津製作所製)を使用してPT測定を行い、試薬を接触させた後の液体試料の吸光度変化量と既存の方法で得られる凝固時間との相関を調べた。
(液体試料)
サンプルA〜Eの5種の実検体を液体試料とした。
なお、サンプルA〜Eの既存法で得られる凝固時間は、それぞれ13.2秒、17.7秒、19.4秒、20.5秒、23.3秒であった。ここでいう既存法で得られる凝固時間とは、試薬がリコンビプラスチン1.0試薬(オーソ・ダイアグノステイック社製)、装置がKC−10A(アメルング社製)で測定した凝固時間である。
(R1試薬)
まず、リコンビプラスチン1.0RPT試薬(オーソ・ダイアグノステイック社製、凍結乾燥品)を通常使用する量の蒸留水で再生して、組織トロンボプラスチン液を作製する。次に、anti−human FDP−D抗体(医学生物学研究所製)液を0.25MNaClを含んだ50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.6)で透析して、抗体液を作製する。最後に、蒸留水175μl、組織トロンボプラスチン液300μl及び抗体液100μlという割合で混合してR1試薬液を作製した。
(R2試薬液)
まず、テストチーム発色基質S−2238(第一化学薬品(株)社製)を通常使用する量の蒸留水で再生して、発色基質液を得る。最後に、発色基質液150μl、リコンビプラスチン1.0RPT溶解液(オーソ・ダイアグノステイック社製、カルシウム溶液)1
50μlの割合で混合してR2試薬液を作製した。
液体試料と試薬との接触、及びその後の吸光度の変化の測定は、次のようにして行った。即ち、測定セルにR1を575μl分注し、ついでサンプルである液体試料を測定セルに25μl添加、混合し、次いで、該混合液を180秒間37℃で加温した後、R2を300μl添加し、その後の反応系の405nmにおける吸光度変化をフォトダイオードアレイ分光光度計(島津製作所製)を用いて測定した。なお、測定したすべての液体試料の測定セル中の反応終了物は、逆さにするだけで容易に取り除くことができた。図13にサンプルAについての測定結果を示す。
反応系では、発生したトロンビンがS−2238に作用することによってp−ニトロアニリン(pNA)が遊離した場合には405nmにおける吸光度が変化する。凝固時間が短いほど、反応系にそれだけ多く反応系にトロンビンが発生すると考えられることから、両者の間に逆相関関係が見られれば吸光度変化量を検出することにより凝固時間を求めることが出来る。
試薬との接触後から600秒後までの間の吸光度の変化量(ΔOD)と既存法で測定された凝固時間の関係を表8に示す。表に示されるように、既存法で求めた凝固時間と上記吸光度変化量との間には、明らかな逆相関関係があることから、吸光度変化を検出することにより凝固時間を求めることが出来ることが確認された。
Figure 0004486999
文献の一覧
1.Kudryx,B.J.et al.,(1974)J.Biol.Chem.249,3322−3325
要約;フィブリンモノマー分子間の結合は、重合部位と呼ばれる相補的部位の相互作
用によって生じる。D領域に存在する重合部位aは、フィブリノーゲン分子に
元からあるものである。

2.Laudano,A.P.et al.,(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.75,3085−3089、及びLaudano,A.P.et al.,(1981)Science 212,457−459
要約;フィブリノーゲンは、トロンビンによるフィブリノペプチドAの切断・放出に
よってE領域上に重合部位Aを露出する。E領域は2量体構造をとっているの
で、重合部位AはE領域に2コピー存在することになる。

3.Fowler,W.E.et al.,(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78,4872−4876、及びHantgan,R.R.et
al.,(1979)J.Biol.Chem.254,11272−11281
要約;重合部位aと重合部位Aとで非共有結合し、フィブリンモノマーが半分子ずつ
ずれ合って結合した2本鎖のプロトフィブリルが生成され、該プロトフィブリ
ルが二次元、さらに三次元へと結合してフィブリンはゲル化する。

4.Chen R.et al.,(1971)Biochemistry 10,4486−4491
要約;トロンビンは、フィブリノーゲンだけではなく、血液凝固第XIII因子(X
III)をも基質とする。血液凝固第XIII因子(XIII)は、トロンビ
ンの作用によってトランスグルタミナーゼ活性をもつ活性型第XIII因子因
子(XIIIa)となる。XIIIaはCa2+存在下で、フィブリンモノマ
ー分子D領域に存在している(γ鎖C末端近くに配置している)リジン残基と
もう一方のフィブリンモノマー分子D領域に存在している(γ鎖C末端近くに
配置している)グルタミン残基との間にイソペプチド結合(−CO・NH−)
を生じさせる。この効果によって、フィブリンモノマー分子間は架橋されてい
き、安定化フィブリンをもたらす。

5.Pandya,B.V.et al.,(1991)Biochemistry 30,162−168
要約;トロンビンはフィブリノーゲンβ鎖のN末端から14番目のArgと15番目
のGly間を切断し、フィブリノペプチドBを放出し、重合部位Bを露出する
凝固阻害物質の存在下に液体試料と血液凝固試薬とを接触させた場合に起こる、接触後の液体試料の濁度変化を示す濁度上昇曲線の代表例のグラフである。 フィブリノ−ゲン濃度が異なる3種の検体を本発明の方法で測定し、得られる濁度上昇曲線から仮想凝固時間を求める方法を説明するための概念図である。 活性%が既知の3種の検体を本発明の方法で測定することにより得られた、仮想凝固時間と活性%との検量線である。 フィブリン分解物D二量体のフィブリン凝固阻害効果を示すグラフである。 抗FgDP−E抗体のフィブリン凝固阻害効果を示すグラフである。 凝固阻害物質として、抗FgDP−E抗体を使用して本発明の方法でPT測定した場合に得られた濁度上昇曲線を示すグラフである。 凝固阻害物質として、抗FgDP−E抗体を使用して本発明の方法でAPTT測定した場合に得られた濁度上昇曲線を示すグラフである。 凝固阻害物質として抗FgDP−E抗体を使用して本発明の方法でPT測定した結果と従来法で測定した結果との相関図である。 2波長同時測定によって得られた濁度デ−タから、濁度上昇曲線を作成する方法を説明するための図である。 合成した濁度デ−タから作成した濁度上昇曲線を示すクラフである。 凝固阻害物質として、フィブリン分解物D二量体を使用して本発明の方法でPT測定した場合に得られた濁度上昇曲線を示すグラフである。 凝固阻害物質として、フィブリン分解物D二量体を使用して本発明の方法でAPTT測定した場合に得られた濁度上昇曲線を示すグラフである。

Claims (3)

  1. フィブリン単量体からのフィブリンポリマーの形成を阻害する物質及び血液凝固試薬を含んでなる凝固パラメーターを決定するためのキット。
  2. 凝固パラメーターの既知の標準試料を更に含んでなる請求項1に記載のキット。
  3. フィブリン単量体からのフィブリンポリマーの形成を阻害する物質が、フィブリン単量体のE領域に結合可能なペプチドもしくはタンパク質である請求項1又は2に記載のキット。
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