JP3401162B2 - 血液凝固促進剤及び血液検査用容器 - Google Patents

血液凝固促進剤及び血液検査用容器

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JP3401162B2
JP3401162B2 JP09751597A JP9751597A JP3401162B2 JP 3401162 B2 JP3401162 B2 JP 3401162B2 JP 09751597 A JP09751597 A JP 09751597A JP 9751597 A JP9751597 A JP 9751597A JP 3401162 B2 JP3401162 B2 JP 3401162B2
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blood coagulation
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hydrolase
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浩信 五十川
泰彦 三戸
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液凝固促進剤に
関し、特にヘパリン投与を受けている患者から得られる
血液検体の凝固を促進する血液凝固促進剤、及び血液検
査用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】病気の予防や診断の目的で血液検査が一
般に行われているが、血液検査の多くは血清検査であ
る。その検査に要する血清は、通常、血液検査用容器に
採取した血液を凝固させた後、遠心分離によって比重の
異なる血餅から分離し、ピペットを用いて、あるいはデ
カンテーションにより採取している。被験者から採取し
た血液が凝固するには比較的長時間を必要とし、結果を
知るために再来院しなければならなかったり、特に緊急
に検査を実施する必要のある場合には問題となる。そこ
で、従来より血液凝固を短時間で行える凝固剤の検討が
なされてきた。
【0003】また、人工透析を受けている患者や血栓症
患者の血液検体を扱う場合は、さらに別の問題が生じ
る。このような患者は、血栓防止のためにヘパリン投与
が行われるため、血液10mlあたり1〜20単位程度
のヘパリンが存在する。このヘパリンは、血液中のアン
チトロンビンIII と結合してトロンビンの作用を著しく
阻害する。さらに、第 XII因子などの血液凝固因子の作
用をも阻害するといわれている。そのため、フィブリノ
ーゲンのフィブリンへの転化がおこらず、その結果、血
液が凝固せず、血清の分取が困難となる。
【0004】これらの問題を解決するため、例えば、特
開昭58−1460号公報には、硫酸プロタミンまたは
蛇毒に含まれるトロンビン様酵素を凝固促進剤として用
いた採血管が開示されている。しかしながら、硫酸プロ
タミンはヘパリン中和剤であるため、凝固作用は十分で
なく、また蛇毒に含まれるトロンビン様酵素はヘパリン
中和作用と凝固作用を有するものの安定性が十分でな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するものであり、その目的は、血液、更にはヘパリ
ンを含む血液であっても、短時間で凝固させるととも
に、安定性に優れる血液凝固促進剤及び血液検査用容器
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明1の血液凝固促進
剤は、加水分解酵素としてセリンプロテアーゼ、並びに
グリシンを含有し、該酵素の安定化剤としての糖を含有
しない。また本発明1の血液凝固促進剤は、上記物質に
加えてさらにアミノメチル−シクロヘキサンカルボン酸
を含有することが好ましい。なお、本発明の血液凝固促
進剤は、血清検査用血液検体の凝固用途に限定される。
【0007】本発明1において、加水分解酵素はセリン
プロテアーゼであり、ペプチド鎖において、Argと任
意のアミノ酸残基との結合及び/又はLysと任意のア
ミノ酸残基との結合を加水分解しうるものが用いられ
る。上記加水分解酵素の量は、少なくなると血液凝固の
時間が長くなったり凝固が不完全になることがあり、多
くなると検査値に悪影響を及ぼす恐れがあるので、血液
1mlあたり0.1〜100単位が好ましく、0.5〜
50単位がより好ましい。
【0008】上記セリンプロテアーゼとしては、例え
ば、トリプシン、トロンビン、蛇毒トロンビン様酵素
好適に用いられる。
【0009】本発明1の血液凝固促進剤に含有されるグ
リシン、本発明においては上記加水分解酵素の安定化
剤として用いられ、その量は、少なくなると加水分解酵
素の安定性を保つ効果が不十分となり、多くなると検査
値に悪影響を及ぼす恐れがあるため、加水分解酵素1単
位当たり0.01〜10mgが好ましく、0.05〜5
mgがより好ましい。
【0010】本発明2の血液凝固促進剤は、さらにアミ
ン塩及び/又は第4級窒素を有する有機化合物を含有す
る。本発明において、上記アミン塩及び/又は第4級窒
素を有する有機化合物は、ヘパリンを吸着・中和して不
活性化するヘパリン中和剤として作用する。上記アミン
塩を構成するアミンは第1級、第2級及び第3級アミン
のいずれでもよく、アミン塩を構成する酸も無機酸及び
有機酸のいずれでもよい。無機酸としては、例えば、塩
酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、亜硫酸などが挙げら
れ、有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸などが挙げら
れる。アミン塩の有機残基は通常アルキル基であるが、
イミノ基やエーテル基等の異種元素を含む炭化水素基で
あってもよい。アミン塩は、分子内塩でもよい。好まし
いアミン塩の具体例としては、例えば、(I)式で表さ
れるヘキサデシルジメチルアミン塩酸塩や、(II)式で
表されるテトラデシルジ(アミノエチル)グリシン等が
挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】上記第4級窒素を有する有機化合物として
は、例えば、テトラアルキルアンモニウムが挙げられる
が、アルキル基のかわりにアリール基を有する化合物や
イミノ基、エーテル基等の異種元素を含む炭化水素基を
有する化合物でもよい。好ましい第4級窒素を有する有
機化合物の具体例としては、例えば、(III)式で表さ
れるドデシルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げ
られる。
【0014】
【化3】
【0015】このような比較的低分子量の化合物のほ
か、第4級窒素を有する有機重合体も用いることができ
る。上記有機重合体としては、例えば、(IV)式で表さ
れる繰り返し単位を有するポリカチオンが挙げられる。
【0016】
【化4】
【0017】(ここで、R1〜R4は水素またはアルキル
基、Xはハロゲン根又は酸根、Yはアルキレン基又は−
アルキレン基−SO2−を示し、繰り返し数は5〜20
00である。)
【0018】上記(IV)式で表される化合物のうち、特
に(V)式又は(VI)式で表される繰り返し単位を有す
るポリカチオンが好適である。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】上記アミン塩及び/又は第4級窒素を有す
る有機化合物(中和剤)は少なくなるとヘパリンが中和
されないためヘパリンを含む血液が凝固しなくなり、多
くなると検査値に悪影響を及ぼす恐れがあるので、血液
1mlあたり0.005〜10mgが好ましく、0.0
1〜5mgがより好ましい。
【0022】本発明1又は2の血液凝固促進剤は、血液
1ml当たり1×10-10〜1×10-1gの割合で使用
される。少なくなると血液凝固促進効果が得られず、多
くなっても使用量に応じた効果は得られず、血液検査に
種々の影響を与える可能性がある。
【0023】血液凝固促進剤中には、さらに抗線溶剤及
び/又は抗プラスミン剤が含有されてもよい。これらに
より、血液の凝固反応過程で拮抗的に生成してくるプラ
スミンのフィブリン分解作用が阻害される。そのため血
液の凝固が促進され、さらに凝固においても凝固状態を
安定に保つことができる。上記抗線溶剤及び/又は抗プ
ラスミン剤としては、従来より臨床で用いられているア
プロチニン、大豆トリプシンインヒビター、ε−アミノ
カプロン酸、p−アミノメチル安息香酸、アミノメチル
シクロヘキサンカルボン酸等が、単独であるいは組み合
わせて用いられる。これらは、得られる血清を用いた臨
床検査に影響を及ぼさない程度の量で血液凝固促進剤中
に含有される。例えば、アプロチニンは、血液1ml当
たり約100〜600KIU(単位)の割合で、大豆ト
リプシンインヒビターは血液1ml当たり約500〜4
000FU(単位)の割合で、そしてε−アミノカプロ
ン酸、p−アミノメチル安息香酸及びアミノメチルシク
ロヘキサンカルボン酸は、いずれも血液1ml当たり約
10-2〜10-8gの割合となるように、血液凝固促進剤
中に含有される。
【0024】血液を凝固させるには、例えば、容器中に
採取した血液に上記血液凝固促進剤を加えてもよいが、
本発明3の血液検査用容器は、予め上記本発明1又は2
の血液凝固促進剤が内部に収容されている。上記血液検
査用容器は、ガラス製であっても樹脂製であってもよ
い。また血液凝固促進剤は、例えば粉末状のまま使用し
てもよく、予め適当な溶媒に溶解もしくは分散させてお
いてもよい。高濃度の血液凝固促進剤が血液と接触して
蛋白成分を変性させるのを避けるために、血液凝固促進
剤を比表面積の大きい担体に担持させて、これを収容し
てもよい。
【0025】上記担体としては、血液検査に有害な影響
を与えず、大きい比表面積を有するものであれば特に限
定されない。例えば、不織布、織布、樹脂ビーズ等が好
適である。このような担体に上記血液凝固促進剤を担持
させる方法としては、例えば、その溶液や分散液を担体
に塗布する方法、溶液や分散液中に担体を浸漬して含浸
させた後、乾燥させる方法の他、アラビアゴム等の適宜
の助剤を含む血液凝固促進剤の水分散液を調製し、これ
を急速凍結乾燥して血液凝固促進剤担持粒子状物を得る
方法などが挙げられる。
【0026】このような血液凝固促進剤(血液凝固促進
剤担持担体を含む)を収容した血液検査用容器は、通常
の血液検査用容器のほか、真空採血管としても使用でき
る。この真空採血管は、通常のガラスもしくは合成樹脂
製採血管内部に上記血液凝固促進剤を収容し、排気し
て、ブチルゴム製等の密封性の優れた栓で密封すること
により調製される。
【0027】本発明の血液凝固促進剤にはセリンプロテ
アーゼ等の加水分解酵素が存在するため、上記血液凝固
因子の活性化が促進され、短時間で血液が凝固する。さ
らに本発明2の血液凝固促進剤がヘパリンを含有する血
液に加えられると、血液中のヘパリンがアミン塩などの
中和剤に吸着・中和されて沈殿するため、ヘパリンのト
ロンビンや第XII因子に対する阻害作用がなくなる。そ
のため、血液は正常な凝固機能を回復する。血液凝固に
要する時間は、血液凝固促進剤中の加水分解酵素やその
安定化剤、及び中和剤の種類、量、使用する容器の材
質、血液中のヘパリンの量等により異なるが、合成樹脂
製容器を用いると通常10〜20分である。
【0028】このように、正常血液のみならずヘパリン
が含有される血液も短時間のうちに凝固し、凝固状態が
安定に保たれうる。さらに血清と血餅との分離が容易と
なるため、分離採取された血清中に血餅成分が混在する
こともない。血餅成分の収縮度合いも十分であるため、
血清収率も高い。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を説明す
る。 (実施例) 加水分解酵素として蛇毒トロンビン様酵素(商品名:レ
プチラーゼ、東菱薬品社製)、加水分解酵素の安定化剤
としてグリシンを、それぞれ1ml当たり10000単
位、500mg含有する水溶液を調製し、血液凝固促進
剤とした。次いで上記血液凝固促進剤をポリエチレン製
広口容器に密閉し、25℃で1か月静置した後、以下の
実験を行った。
【0030】ポリエチレン製チューブ(16φ×10m
m)にヒト新鮮血を10ml用意し、上記血液凝固促進
剤を20μl滴下した後、緩やかに攪拌し25℃で静置
した。この時の血液1ml当たりの蛇毒トロンビン、グ
リシンの含有量は、それぞれ20単位、1mgであっ
た。次いで、上記のようにして調製した試料の血液凝固
時間を測定したところ、5分以内で血液凝固が認めら
れ、さらに遠心分離により、上層に清浄な血清を、下層
に血餅が得られた。
【0031】(参考例1) 加水分解酵素としてトロンビン(商品名:トロンビン持
田、持田製薬社製)、加水分解酵素の安定化剤としてア
ミノメチル−シクロヘキサンカルボン酸を、それぞれ1
ml当たり20000単位、2000mg含有する水溶
液を調製し、血液凝固促進剤とした。次いで上記血液凝
固促進剤をポリエチレン製広口容器に密閉し、25℃で
1か月静置した後、以下の実験を行った。
【0032】ポリエチレン製チューブ(16φ×10m
m)にヒト新鮮血を10ml用意し、上記血液凝固促進
剤を20μl滴下した後、緩やかに攪拌し25℃で静置
した。この時の血液1ml当たりのトロンビン、アミノ
メチル−シクロヘキサンカルボン酸の含有量は、それぞ
れ40単位、4mgであった。
【0033】次いで、上記のようにして調製した試料の
血液凝固時間を測定したところ、5分以内で血液凝固が
認められた。さらに、この試料を3000rpmで10
分間遠心分離を行ったところ、上層に清浄な血清を、下
層に血餅が得られた。
【0034】(参考例2) 加水分解酵素として蛇毒トロンビン様酵素(商品名:レ
プチラーゼ、東菱薬品社製)、加水分解酵素の安定化剤
としてアミノメチル−シクロヘキサンカルボン酸を、そ
れぞれ1ml当たり10000単位、2000mg含有
する水溶液を調製し、血液凝固促進剤とした。次いで上
記血液凝固促進剤をポリエチレン製広口容器に密閉し、
25℃で1か月静置した後、以下の実験を行った。
【0035】ポリエチレン製チューブ(16φ×10m
m)にヒト新鮮血を10ml用意し、上記血液凝固促進
剤を20μl滴下した後、緩やかに攪拌し25℃で静置
した。この時の血液1ml当たりの蛇毒トロンビン、ア
ミノメチル−シクロヘキサンカルボン酸の含有量は、そ
れぞれ20単位、4mgであった。以下、上記参考例1
と同様に実験を行ったところ、5分以内で血液凝固が認
められ、さらに遠心分離により、上層に清浄な血清を、
下層に血餅が得られた。
【0036】(参考例3) 加水分解酵素としてトロンビン(商品名:トロンビン持
田、持田製薬社製)、加水分解酵素の安定化剤としてア
ミノメチル−シクロヘキサンカルボン酸、アミン塩及び
/又は第4級窒素を有する有機化合物として下記式(V
II)で表されるポリカチオンを、それぞれ1ml当たり
5000単位、125mg、50mg含有する水溶液を
調製し、血液凝固促進剤とした。次いで上記血液凝固促
進剤をポリエチレン製広口容器に密閉し、25℃で1か
月静置した後、以下の実験を行った。
【0037】ポリエチレン製チューブ(16φ×10m
m)にヘパリンを1単位/ml含有するヒト新鮮血を1
0ml用意し、上記血液凝固促進剤を20μl滴下した
後、緩やかに攪拌し25℃で静置した。この時の血液1
ml当たりのトロンビン、アミノメチル−シクロヘキサ
ンカルボン酸、下記式(VII)で表されるポリカチオン
の含有量は、それぞれ10単位、0.25mg、0.1
mgであった。以下、上記参考例1と同様に実験を行っ
たところ、5分以内で血液凝固が認められ、さらに遠心
分離により、上層に清浄な血清を、下層に血餅が得られ
た。
【0038】
【化7】
【0039】(参考例4) 加水分解酵素として蛇毒トロンビン様酵素(商品名:レ
プチラーゼ、東菱薬品社製)、加水分解酵素の安定化剤
としてアミノメチル−シクロヘキサンカルボン酸、アミ
ン塩及び/又は第4級窒素を有する有機化合物としてテ
トラデシルジ(アミノエチル)グリシンを、それぞれ1
ml当たり10000単位、500mg、100mgを
含有する水溶液を調製し、血液凝固促進剤とした。次い
で上記血液凝固促進剤をポリエチレン製広口容器に密閉
し、25℃で1か月静置した後、以下の実験を行った。
【0040】ポリエチレン製チューブ(16φ×10m
m)にヘパリンを1単位/ml含有するヒト新鮮血を1
0ml用意し、上記血液凝固促進剤を20μl滴下した
後、緩やかに攪拌し25℃で静置した。この時の血液1
ml当たりの蛇毒トロンビン、アミノメチル−シクロヘ
キサンカルボン酸、テトラデシルジ(アミノエチル)グ
リシンの含有量は、それぞれ20単位、1mg、0.2
mgであった。以下、上記参考例1と同様に実験を行っ
たところ、5分以内で血液凝固が認められ、さらに遠心
分離により、上層に清浄な血清を、下層に血餅が得られ
た。
【0041】(比較例1) 加水分解酵素としてトロンビン(商品名:トロンビン持
田、持田製薬社製)、アミン塩及び/又は第4級窒素を
有する有機化合物として上記式(VII)で表されるポリ
カチオンを、それぞれ1ml当たり5000単位、50
mgを含有する水溶液を調製し、血液凝固促進剤とし
た。次いで上記血液凝固促進剤をポリエチレン製広口容
器に密閉し、25℃で1か月静置した後、以下の実験を
行った。
【0042】ポリエチレン製チューブ(16φ×10m
m)にヘパリンを1単位/ml含有するヒト新鮮血を1
0ml用意し、上記血液凝固促進剤を20μl滴下した
後、緩やかに攪拌し25℃で静置した。この時の血液1
ml当たりのトロンビン、上記式(VII)で表されるポ
リカチオンの含有量は、それぞれ10単位、0.1mg
であった。以下、上記実施例1と同様に実験を行ったと
ころ、30分以上経過しても血液凝固が認められず、ま
た遠心分離を行うと、上層の血清中に不十分な凝固を示
すフィブリンが認められた。
【0043】(比較例2) 加水分解酵素としてトロンビン(商品名:トロンビン持
田、持田製薬社製)を1ml当たり20000単位含有
する水溶液を調製し、血液凝固促進剤とした。次いで上
記血液凝固促進剤をポリエチレン製広口容器に密閉し、
25℃で1か月静置した後、以下の実験を行った。
【0044】ポリエチレン製チューブ(16φ×10m
m)にヒト新鮮血を10ml用意し、上記血液凝固促進
剤を20μl滴下した後、緩やかに攪拌し25℃で静置
した。この時の血液1ml当たりのトロンビンの含有量
は、40単位であった。以下、上記実施例1と同様に実
験を行ったところ、30分以上経過しても血液凝固が認
められず、また遠心分離を行うと、上層の血清中に不十
分な凝固を示すフィブリンが認められた。
【0045】(実施例) 上記実施例で得られた血液凝固促進剤の20μlを、
ポリエチレン製チューブ(16φ×10mm)に塗布し乾
燥させ、血液検査用容器を作成した。上記血液検査用容
器を、25℃で1か月静置した後、以下の実験を行っ
た。ヒト新鮮血を10ml用意し、これを上記血液検査
用容器に入れ、緩やかに攪拌し25℃で静置した。この
時の血液1ml当たりの蛇毒トロンビン、グリシンの含
有量は、実施例と同じである。以下、上記実施例1と
同様に実験を行ったところ、5分以内で血液凝固が認め
られ、また遠心分離により、上層に清浄な血清を、下層
に血餅が得られた。
【0046】(参考) 上記参考例1で得られた血液凝固促進剤の20μlを、
ポリエチレン製チューブ(16φ×10mm)に塗布し乾
燥させ、血液検査用容器を作成した。上記血液検査用容
器を、25℃で1か月静置した後、以下の実験を行っ
た。ヒト新鮮血を10ml用意し、これを上記血液検査
用容器に入れ、緩やかに攪拌し25℃で静置した。この
時の血液1ml当たりのトロンビン、アミノメチル−シ
クロヘキサンカルボン酸の含有量は、参考例1と同じで
ある。以下、上記参考例1と同様にして実験を行ったと
ころ、5分以内で血液凝固が認められ、また遠心分離に
より、上層に清浄な血清を、下層に血餅が得られた。
【0047】(参考) 上記参考例2で得られた血液凝固促進剤の20μlを、
ポリエチレン製チューブ(16φ×10mm)に塗布し乾
燥させ、血液検査用容器を作成した。上記血液検査用容
器を、25℃で1か月静置した後、以下の実験を行っ
た。ヒト新鮮血を10ml用意し、これを上記血液検査
用容器に入れ、緩やかに攪拌し25℃で静置した。この
時の血液1ml当たりの蛇毒トロンビン、アミノメチル
−シクロヘキサンカルボン酸の含有量は、参考例2と同
じである。以下、上記参考例1と同様に実験を行ったと
ころ、5分以内で血液凝固が認められ、また遠心分離に
より、上層に清浄な血清を、下層に血餅が得られた。
【0048】(参考) 上記参考例3で得られた血液凝固促進剤の20μlを、
ポリエチレン製チューブ(16φ×10mm)に塗布し乾
燥させ、血液検査用容器を作成した。上記血液検査用容
器を、25℃で1か月静置した後、以下の実験を行っ
た。ヘパリンを1単位/ml含有するヒト新鮮血を10
ml用意し、これを上記血液検査用容器に入れ、緩やか
に攪拌し25℃で静置した。この時の血液1ml当たり
のトロンビン、アミノメチル−シクロヘキサンカルボン
酸、上記式(VII)で表されるポリカチオンの含有量
は、参考例3と同じである。以下、上記参考例1と同様
に実験を行ったところ、5分以内で血液凝固が認めら
れ、また遠心分離により、上層に清浄な血清を、下層に
血餅が得られた。
【0049】(参考) 上記参考例4で得られた血液凝固促進剤の20μlを、
ポリエチレン製チューブ(16φ×10mm)に塗布し乾
燥させ、血液検査用容器を作成した。上記血液検査用容
器を、25℃で1か月静置した後、以下の実験を行っ
た。ヘパリンを1単位/ml含有するヒト新鮮血を10
ml用意し、これを上記血液検査用容器に入れ、緩やか
に攪拌し25℃で静置した。この時の血液1ml当たり
の蛇毒トロンビン、アミノメチル−シクロヘキサンカル
ボン酸、テトラデシルジ(アミノエチル)グリシンの含
有量は、参考例4と同じである。以下、上記参考例1と
同様に実験を行ったところ、5分以内で血液凝固が認め
られ、また遠心分離により、上層に清浄な血清を、下層
に血餅が得られた。
【0050】(比較例3) 上記比較例1で得られた血液凝固促進剤の20μlを、
ポリエチレン製チューブ(16φ×10mm)に塗布し乾
燥させ、血液検査用容器を作成した。上記血液検査用容
器を、25℃で1か月静置した後、以下の実験を行っ
た。ヘパリンを1単位/ml含有するヒト新鮮血を10
ml用意し、これを上記血液検査用容器に入れ、緩やか
に攪拌し25℃で静置した。この時の血液1ml当たり
のトロンビン、上記式(VII)で表されるポリカチオン
の含有量は、それぞれ10単位、0.1mgであった。
以下、上記実施例1と同様に実験を行ったところ、30
分以上経過しても血液凝固が認められず、また遠心分離
を行うと、上層の血清中に不十分な凝固を示すフィブリ
ンが認められた。
【0051】(比較例4) 上記比較例2で得られた血液凝固促進剤の20μlを、
ポリエチレン製チューブ(16φ×10mm)に塗布し乾
燥させ、血液検査用容器を作成した。上記血液検査用容
器を、25℃で1か月静置した後、以下の実験を行っ
た。ヒト新鮮血を10ml用意し、これを上記血液検査
用容器に入れ、緩やかに攪拌し25℃で静置した。この
時の血液1ml当たりのトロンビンの含有量は、比較例
2と同じである。以下、上記実施例1と同様にして実験
を行ったところ、30分以上経過しても血液凝固が認め
られず、また遠心分離を行うと、上層の血清中に不十分
な凝固を示すフィブリンが認められた。
【0052】
【発明の効果】本発明の血液凝固促進剤及び血液検査用
容器は、上述の通りであり、正常血液のみならずヘパリ
ンが含有される血液も短時間のうちに凝固させるととも
に、安定性に優れる。さらに、凝固状態が安定に保た
れ、血清と血餅との分離が容易となるため、分離採取さ
れた血清中に血餅成分が混在することもない。血餅成分
の収縮度合いも十分であるため、血清収率も高い。従っ
て、本発明の血液凝固促進剤及び血液検査用容器は、通
常の血液検査だけでなく、ヘパリン投与を受けている人
工透析患者や血栓症患者の血液検査における血清の分取
に好適に用いられる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−154697(JP,A) 特開 昭63−275954(JP,A) 特開 平2−53732(JP,A) 特開 平2−218618(JP,A) 特開 昭59−131166(JP,A) 特開 昭62−106028(JP,A) 特開 昭61−108387(JP,A) 特開 昭51−26284(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 A61B 5/15

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプチド鎖において、Argと任意のア
    ミノ酸残基との結合及び/又はLysと任意のアミノ酸
    残基との結合を加水分解しうる加水分解酵素であるセリ
    ンプロテアーゼ、並びに上記加水分解酵素の安定化剤と
    してのグリシンを含有し、該酵素の安定化剤としての糖
    を含有しない血液凝固促進剤が収容されている、合成樹
    脂製血液検査用容器
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の血液検査用容器であっ
    て、前記血液凝固促進剤中に、さらに、前記加水分解酵
    素の安定化剤としてのアミノメチル−シクロヘキサンカ
    ルボン酸を含有する、合成樹脂製血液検査用容器
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の血液検査用容
    器であって、前記血液凝固促進剤中に、さらに、アミン
    塩及び/又は第4級窒素を有する有機化合物を含有す
    、合成樹脂製血液検査用容器
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