JPH07126503A - ポリエステル水分散体及び低帯電易接着性ポリエステルフイルム - Google Patents

ポリエステル水分散体及び低帯電易接着性ポリエステルフイルム

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JPH07126503A
JPH07126503A JP5274267A JP27426793A JPH07126503A JP H07126503 A JPH07126503 A JP H07126503A JP 5274267 A JP5274267 A JP 5274267A JP 27426793 A JP27426793 A JP 27426793A JP H07126503 A JPH07126503 A JP H07126503A
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JP
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polyester
film
dispersion
alkali metal
aqueous
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JP5274267A
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Tomoki Nakamura
知基 中村
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電の少ない易接着性塗膜(プライマー層)
を形成しうるポリエステル水分散体、及びこれを塗布し
た低帯電易接着性ポリエステルフイルムを提供すること
ができる。 【構成】 スルホン酸塩基を含有しない非晶性共重合ポ
リエステルの水分散体であって、該共重合ポリエステル
が重合反応の完結する前の段階で添加した有機酸アルカ
リ金属塩に基づくアルカリ金属を下記式を満たす割合で
含有していることを特徴とするポリエステル水分散体、
並びにポリエステルフイルムの少なくとも一表面に上記
ポリエステル水分散体の塗布、乾燥によるプライマー層
を設けてなる低帯電易接着性ポリエステルフイルム。
0.01≦M/A≦1[ただし、Mはポリマー中のアル
カリ金属の含有量(mmol%)、Aはポリマー中の末
端カルボキシル基濃度(mmol%)である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル水分散体及
び低帯電易接着性ポリエステルフイルムに関し、更に詳
しくは帯電の低い易接着性塗膜(易接着層)を形成し得
るポリエステル水分散体及びこれを塗布した、包装材
料、磁気カード、磁気テープ、磁気ディスク、印刷材料
等に有用な低帯電易接着性ポリエステルフイルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレ
ンナフタレートもしくはその共重合体、あるいはこれら
と小割合の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、二
軸延伸後、熱固定したポリエステルフイルムは、機械強
度、耐熱性、耐薬品性等に優れ、産業上種々の分野で利
用されている。しかし、その表面は高度に配向されてい
るため、インクや磁気塗料等の受容性に乏しいという欠
点を有している。
【0003】ポリエステルフイルム表面のかかる受容性
を高める方法として、予めフイルム表面に合成樹脂によ
るプライマー層(下塗り層)を設け、ベースフイルムと
は異質の表面層を薄く形成する方法が知られている。プ
ライマー層の形成は、合成樹脂の有機溶媒溶液または水
性液(水溶液、水分散体)を用い、これをフイルム表面
に塗設することによって実施される。
【0004】このプライマー層形成のための樹脂水性液
として、ポリエステル系ポリマーの水性液、アクリル系
ポリマーの水性液などが挙げられる。特に、ポリエステ
ル系ポリマーの水性液については、例えば特公昭56―
5476号、特開昭60―248232号など多くの提
案がなされている。しかし、これらの実施例に開示され
たポリエステル系ポリマーの水性液を塗布したポリエス
テルフイルムはマイナス(−)帯電が大きく、再巻き返
し時に―電荷が蓄積し、蓄積された―電荷の放電により
爆発火災が発生する危険がある、さらに、蓄積された電
荷によりほこり等が吸着され、磁気用途においてドロッ
プアウトの原因となる、といった欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来技術
の欠点を解消し、帯電の少ない易接着性に優れたプライ
マー層を開発すべく研究を重ねた結果、驚くべきことに
アルカリ金属とポリエステルのCOOH末端基量との比
を特定の値とすることで、低帯電性が著しく向上したプ
ライマー層を形成しうるポリエステル水分散体が得られ
ることを見い出した。本発明者はこの知見を基に更に鋭
意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0006】本発明の目的は、帯電の少ないプライマー
層を形成し得るポリエステル水分散体、さらに該プライ
マー層を有する低帯電易接着性ポリエステルフイルムを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、1.スルホン酸塩基を含有しない非晶
性共重合ポリエステルの水分散体であって、該共重合ポ
リエステルが重合反応の完結する前の段階で添加した有
機酸アルカリ金属塩に基づくアルカリ金属を下記式を満
たす割合で含有していることを特徴とするポリエステル
水分散体
【0008】
【数2】0.01≦M/A≦1 [ただし、Mはポリエステル中のアルカリ金属の含有量
(mmol%)、Aはポリエステル中の末端カルボキシ
ル基濃度(mmol%)である。]並びに2.ポリエス
テルフイルムの少なくとも一表面に上記1のポリエステ
ル水分散体の塗布、乾燥によるプライマー層を設けてな
る低帯電易接着性ポリエステルフイルムによって達成さ
れる。
【0009】本発明でいう非晶性共重合ポリエステルと
は、Dupont製示差熱分析計DSC2100で10
℃/minの昇温速度で昇温したとき、融点を持たない
ポリマーである。共重合ポリエステルが融点ピークを持
つと親水性有機溶媒への溶解性が悪化し、ポリマー水分
散性が悪くなる。
【0010】共重合ポリエステルを非晶性にするには、
イソフタル酸、1,3―シクロヘキサンジカルボン酸、
1,4―シクロヘキサンジカルボン酸、フェニルインダ
ンジカルボン酸等の非晶性ジカルボン酸及び/またはネ
オペンチルグリコール、1,3―シクロヘキサンジメタ
ノール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、ビスフ
ェノール化合物のアルキレンオキサイド付加体等の非晶
性グリコールを10モル%以上共重合することで達成さ
れるが、ポリマーが非晶性になれば上記の成分に特に限
定されない。
【0011】上記以外のジカルボン酸成分としては、蓚
酸、マロン酸、グルタン酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、テレフタル
酸、1,4―ナフタレンジカルボン酸、2,5―ナフタ
レンジカルボン酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、
4,4′―ジフェニルジカルボン酸等が好ましく例示さ
れ、そしてグリコール成分としては、炭素数2〜10の
アルキレングリコール、2,5―ナフタレンジオール等
が例示される。また、数種のジカルボン酸成分及びグリ
コール成分を組み合わせて使用してもよい。
【0012】本発明における有機酸アルカリ金属塩とし
ては、ポリエステル製造の反応中に系外に飛散しうる有
機酸のアルカリ金属塩であれば特に限定されないが、該
有機酸としては低級脂肪酸、特に酢酸がポリマーに与え
る影響が少なく最も好ましい。アルカリ金属としてはN
a、K、Li等が例示される。
【0013】かかる有機酸アルカリ金属塩は非晶性ポリ
エステルの製造時、すなわち重合反応の完了する前の段
階で添加するが、その量は下記式を満足する必要があ
る。
【0014】
【数3】0.01≦M/A≦1 [ただし、Mはポリエステル中のアルカリ金属の含有量
(mmol%)、Aはポリエステル中の末端カルボキシ
ル基濃度(mmol%)である。]添加するアルカリ金
属塩の量が(M/A)<0.01では水分散性向上の効
果が小さく、他方1<(M/A)になると塩析の効果が
大きくなり、かえって水分散性が悪化する。
【0015】その際、5―ナトリウムスルホイソフタル
酸等のスルホン基を持つ成分がポリエステル中に存在す
ると帯電防止効果が発現されないため、スルホン基を有
する成分を含まない共重合ポリエステルが好ましい。
【0016】また、ポリエステルの重合反応が完了した
後に、例えば得られたポリエステルを有機溶媒に溶解
し、有機酸アルカリ金属塩を添加しても水分散性は向上
しないので、有機酸アルカリ金属塩は前述のように重合
反応終了までに添加しなければならない。
【0017】なお、前記共重合ポリエステルをテトラヒ
ドロフラン等の有機溶媒に溶解、フイルムに塗布、乾燥
しても、本発明と同様の低帯電易接着性フイルムが得ら
れるが、有機溶媒の仕様により作業環境が著しく悪化
し、そのため防爆型無人塗布工程が必要となり、その工
業的価値は低い。
【0018】本発明においてポリエステル水分散体、殊
にポリエステルフイルムに塗布するためのポリエステル
水分散体は、以下の方法で製造できる。
【0019】共重合ポリエステルはまず、20℃で1リ
ットルの水に対する溶解度が20g以上でかつ沸点が1
00℃以下、または100℃以下で水と共沸する親水性
の有機溶媒に溶解する。この有機溶媒としてはジオキサ
ン、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン等を例示することができる。かかる溶液に更に少量の
界面活性剤を添加することもできる。
【0020】共重合ポリエステルを溶解した有機溶媒に
は、次いで、攪拌下好ましくは加温高速攪拌下で水を添
加し、青白色から乳白色の分散体とする。また攪拌下の
水に前記有機溶液を添加する方法によっても青白色から
乳白色の分散体とすることもできる。
【0021】得られた分散体を、更に、常圧または減圧
下に蒸留し、親水性の有機溶媒を留去すると、目的のポ
リエステル水分散体が得られる。共重合ポリエステルを
水と共沸する親水性の有機溶媒に溶解した場合には、該
有機溶媒留去時に水が共沸するので水の減量分(共沸
分)を考慮し、前もって多めの水に分散しておくことが
望ましい。加えて、蒸留後の固形分濃度が5重量%を超
えると、水に分散する共重合ポリエステルの微粒子の再
凝集が起り易くなり、水分散体の安定性が低下するた
め、蒸留後の固形分濃度は5重量%以下とすることが好
ましい。一方、固形分濃度の下限は特にないが、濃度が
小さすぎると、乾燥に要する時間が長くなるため、0.
01重量%以上とするのが好ましい。前記共重合ポリエ
ステル微粒子の平均粒径は通常1μm以下であり、好ま
しくは0.8μm以下である。
【0022】かくして得られるポリエステル水分散体
は、後述するポリエステルフイルムの片面または両面に
塗布し、乾燥することによって該フイルムに易接着性を
付与することができる。
【0023】ポリエステル水分散体は、塗布に際してア
ニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活
性剤を必要量添加して用いることができる。有効な界面
活性剤としては、ポリエステル水分散体の表面張力を4
0dyne/cm以下に降下でき、ポリエステルフイル
ムへの濡れを促進するものであり、公知の多くの界面活
性剤を使用することができる。その一例としてポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸
塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、第四級アンモニウムクロライド、アルキルアミン塩
酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ塩等を挙げる
ことができる。
【0024】ポリエステル水分散体には、必要に応じて
帯電防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を
添加してもよい。
【0025】本発明においてポリエステルフイルムの好
ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン―2,6―ナフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、またはこれらに他の共重合成分を共重合させ
たコポリマーからなるフイルムが挙げられる。ポリエス
テルフイルムは未延伸フイルム、一軸延伸フイルム、二
軸延伸フイルムのいずれでもよいが、延伸フイルムが好
適である。
【0026】ポリエステル水分散体をポリエステルフイ
ルムに塗布する工程は任意に選定しうる。未延伸フイル
ムまたは一軸延伸フイルムにポリエステル水分散体を塗
布した後、加熱乾燥してから更に延伸するか、二軸延伸
フイルムに塗布し乾燥する。これらのうち、上記の一軸
延伸フイルムに塗布するのが好ましい。
【0027】塗布は常法により可能であり、例えばキス
コート、リバースコート、グラビアコート、ダイコート
等が用いられる。塗布量は0.01〜5μm(dry)
が好ましく、更に好ましくは0.01〜2μm(dr
y)、最も好ましくは0.01〜0.3μm(dry)
である。
【0028】かくして得られる易接着性ポリエステルフ
イルムは、接着力が高く、帯電が低いため、例えば磁気
カード、磁気テープ、磁気ディスク、印刷材料、グラフ
ィック材料、感光材料等に有用である。
【0029】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中の「部」は重量部を意味する。
また、各特性値は下記の方法によって測定した。
【0030】(1)末端COOH濃度 末端COOH濃度は、PohlによりANALYTICAL CHEMI
STRY、第2巻、1614頁(1954年)に記載された
方法で測定し、ポリマー中のジカルボン酸成分に対する
割合(mmol%)で表示する。
【0031】(2)融点 Dupont製2100型示差熱分析計を用い、20℃
/minの昇温条件で測定する。
【0032】(3)接着性 (プライマー被服処理した)ポリエステルフイルムに下
記の磁気塗料を所定の条件においてコーティングし、ス
コッチテープNo.600(スリーM社製)巾19.4
mm、長さ8cmを気泡の入らないように貼着し、この
上をJIS.C2701(1975)記載の手動式荷重
ロールでならし、貼着積層部5cm間を東洋ボールドウ
イン社製テンシロンUM―IIを使用してヘッド速度30
0mm/分で、この試料をT字剥離し、この際の剥離強
さを求め、これをテープ巾で除してg/cmとして求め
る。なおT型剥離において積層体はテープ側を下にして
引取り、チャック間を5cmとする。
【0033】[評価用磁気塗料の調製]塗料用ラッカー
シンナーにニトロセルローズRS1/2(イソプロパノ
ール25%含有フレークス:ダイセル(株)製)を溶解
して40wt%溶液を調製し、該液を43.9部、続い
てポリエステル樹脂(デスモフェン#1700:バイエ
ル社製)32.5部、二酸化クロム磁性粉末26.0
部、分散剤・湿潤剤として大豆油脂肪酸(レシオンP:
理研ビタミン(株)製)、カチオン系活性剤(カチオン
AB:日本油脂(株)製)及びスクワレン(鮫肝油)を
夫々1部、0.5部及び0.8部ボールミルに投入す
る。メチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエン
=3/4/3(重量比)からなる混合溶液282部をさ
らに追加混合し、十分微粉化して母液塗料(45wt
%)を調製する。この母液50部に対し、トリメチロー
ルプロパンとトルレインジイソシアナートとの付加反応
物(コロネートL:日本ポリウレタン工業(株)製)4
8部と酢酸ブチル6.25部を加え、最終的に42.7
5wt%の評価用磁気塗料を得た。
【0034】(4)帯電性 (プライマー被覆処理した)ポリエステルフイルムを2
cm×10cmの大きさにカットし、イオン化風送風機
(ヒューグルエレクトロニクス(株)社製MODEL1
20)で除電の後、クロムメッキ処理を施した鉄製ロー
ル(直径3cm)で5回摩擦後の帯電量を静電気測定装
置(シシド静電気(株)製スタチロン―TL)を用い測
定する。
【0035】[実施例1] <共重合ポリエステルの製造>テレフタル酸ジメチル1
00部、イソフタル酸ジメチル18部、エチレングリコ
ール64部及びビスフェノールAのエチレンオキサイド
4モル付加物74部をエステル交換反応器に仕込み、こ
れにテトラブトキシチタン0.07部を添加して窒素雰
囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生
成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行っ
た。
【0036】次いで、この反応系に、酢酸Naを0.0
4部、次いでイルガノックス1010(チバガイギー社
製)を0.6部添加した後、温度を徐々に255℃まで
上昇させ、系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を
行ない、固有粘度0.58、COOH濃度750mmo
l%の融点を持たない非晶性共重合ポリエステルを得
た。該共重合ポリエステルの組成を表1に示す。
【0037】<ポリエステル水分散体の調製>この共重
合ポリエステル20部をテトラヒドロフラン80部に溶
解し、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下
で水800部を滴下して青みがかった乳白色の分散体を
得た。次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留
し、テトラヒドロフランを留去した。かくして固形分濃
度2.5wt%のポリエステル水分散体を得た。
【0038】更に、該ポリエステル水分散体800部に
ノニオン系界面活性剤:ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(HLB=12.8)20部を加えて塗布
液を調製した。
【0039】<易接着性ポリエステルフイルムの製造>
35℃のo―クロロフェノール中で測定した固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートを溶融押出して
厚み158μmの未延伸フイルムを得、次いでこれを機
械軸方向に3.5倍延伸した後前記で調製した塗布液を
一軸延伸フイルムの片面に塗布した。その後、105℃
で3.9倍に横方向に延伸し、200℃で4.2秒間熱
処理を施し、平均塗布量20mg/m2 で厚さ12.2
μmの二軸延伸プライマー被覆ポリエステルフイルムを
得た。このフイルムの処理面の接着性、帯電性を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0040】[実施例2〜5]酢酸Naの添加量を変え
る以外は、実施例1と同様に行って表1に示す組成の共
重合ポリエステルを得た。次いで、これら共重合ポリエ
ステルを用いる以外は、実施例1と同様に行ってポリエ
ステル水分散体、更には塗布液を調製した。
【0041】更にこれらの塗布液を用いる以外は、実施
例1と同様に行って二軸延伸プライマー被覆ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、帯
電性を測定した。その結果をまとめて表1に示す。
【0042】[実施例6]ビスフェノールAのエチレン
オキサイド4モル付加体をビスフェノールAのプロピレ
ンオキサイド2モル付加体に変更する以外は、実施例3
と同様に行って表1に示す組成の共重合ポリエステルを
得た。次いで、これら共重合ポリエステルを用いる以外
は、実施例1と同様に行ってポリエステル水分散体、更
には塗布液を調製した。
【0043】更にこれらの塗布液を用いる以外は、実施
例1と同様に行って二軸延伸プライマー被覆ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、帯
電性を測定した。その結果を表1に示す。
【0044】[実施例7]実施例1の塗布液を用い、塗
布液をポリエステルフイルムの両面に塗布する以外は実
施例1と同様に行って二軸延伸プライマー被覆ポリエス
テルフイルムを得た。このフイルムのそれぞれの面の接
着性及び帯電性を測定した。その結果をまとめて表1に
示す。
【0045】[実施例8]実施例1の塗布液を調製の
後、平均粒径0.8μmの真球状シリカをポリマー対比
0.5wt%添加する以外は実施例1と同様に行って二
軸延伸プライマー被覆ポリエステルフイルムを得た。こ
のフイルムの接着性及び帯電性を測定した。その結果を
まとめて表1に示す。
【0046】[比較例1]酢酸Naを使用しない以外
は、実施例1と同様に行って表1に示す組成の共重合ポ
リエステルを得た。次いで、この共重合ポリエステルを
用いる以外は、実施例1と同様に行ってポリエステル水
分散体の調製を試みたが、水分散化ができなかった。
【0047】[比較例2]酢酸Naの添加量を変える以
外は、実施例1と同様に行って(M/A)=1.16の
ポリマーを得た。次いで、この共重合ポリエステルを用
いる以外は、実施例1と同様に行ってポリエステル水分
散体の調製を試みたが、沈降物が多く、実用に不適であ
った。
【0048】[比較例3]重合時に酢酸Naを添加しな
い以外は実施例1と同様に重合したポリマーをテトラヒ
ドロフラン(THF)に溶解の後、酢酸Naを添加し、
(M/A)=0.14に調製した。次いで、実施例1と
同様に行ってポリエステル水分散体の調製を試みたが、
沈降物が多く、実用に不適であった。
【0049】[比較例4]5―ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジメチルを共重合する以外は、実施例1と同様に
行って表1に示す組成の共重合ポリエステルを得た。次
いで、これら共重合ポリエステルを用いる以外は、実施
例1と同様に行ってポリエステル水分散体、更には塗布
液を調製した。
【0050】更にこの塗布液を用いる以外は、実施例1
と同様に行って二軸延伸プライマー被覆ポリエステルフ
イルムを得た。このフイルムの処理面の接着性及び帯電
性を測定した。その結果をまとめて表1に示す。帯電量
が大きく、実用に不適であった。
【0051】[比較例5]酸及びグリコール成分の変更
により表1に示す組成の(M/A)=0.15、融点2
47℃の共重合ポリエステルを得た。次いで、この共重
合ポリエステルを用いる以外は、実施例1と同様に行っ
てポリエステル水分散体の調製を試みたが、ポリマーが
THFに不溶のため、水分散化ができなかった。
【0052】[比較例6]実施例1においてコーティン
グをせずに得た二軸配向ポリエステルフイルムの特性を
表1に示す。接着力が低く、実用的に不満足であった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、帯電の少ない易接着性
塗膜(プライマー層)を成形しうるポリエステル水分散
体、及びこれを塗布した低帯電易接着性ポリエステルフ
イルムを提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン酸塩基を含有しない非晶性共重
    合ポリエステルの水分散体であって、該共重合ポリエス
    テルが重合反応の完結する前の段階で添加した有機酸ア
    ルカリ金属塩に基づくアルカリ金属を下記式を満たす割
    合で含有していることを特徴とするポリエステル水分散
    体。 【数1】0.01≦M/A≦1 [ただし、Mはポリエステル中のアルカリ金属の含有量
    (mmol%)、Aはポリエステル中の末端カルボキシ
    ル基濃度(mmol%)である。]
  2. 【請求項2】 ポリエステルフイルムの少なくとも一表
    面に請求項1記載のポリエステル水分散体の塗布、乾燥
    によるプライマー層を設けてなる低帯電易接着性ポリエ
    ステルフイルム。
JP5274267A 1993-11-02 1993-11-02 ポリエステル水分散体及び低帯電易接着性ポリエステルフイルム Pending JPH07126503A (ja)

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