JPH07126260A - 2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法 - Google Patents

2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法

Info

Publication number
JPH07126260A
JPH07126260A JP27641793A JP27641793A JPH07126260A JP H07126260 A JPH07126260 A JP H07126260A JP 27641793 A JP27641793 A JP 27641793A JP 27641793 A JP27641793 A JP 27641793A JP H07126260 A JPH07126260 A JP H07126260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
compound
methyl
acid ester
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27641793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2986003B2 (ja
Inventor
Hiroshi Yoshida
浩 吉田
Kiyoshi Omori
潔 大森
Hiroyuki Miyata
博之 宮田
Katsutaka Onzuka
克孝 恩塚
Kensaku Fuse
建策 布施
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP5276417A priority Critical patent/JP2986003B2/ja
Publication of JPH07126260A publication Critical patent/JPH07126260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2986003B2 publication Critical patent/JP2986003B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】医農薬などの合成原料として有用な2−アルキ
ル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステルとその
製法に関するものである。 【構成】2−メチル−3−(p−クロルスチリル)オキ
シランカルボン酸メチルなどの新規な2−アルキル−3
−スチリルオキシランカルボン酸エステルは、例えば、
ナトリウムメチラートなどの塩基存在下、α−クロルプ
ロピオン酸メチルなどのα−クロル脂肪酸エステルとp
−クロルシンナムアルデヒドなどのシンナムアルデヒド
類とを反応させることによって合成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医農薬などの合成原料
として有用な2−アルキル−3−スチリルオキシランカ
ルボン酸エステルとその製法に関するものである。
【0002】
【従来技術の説明】2−アルキル−3−スチリルオキシ
ランカルボン酸エステル(I)は、次に示すような工程
を経て、医農薬合成原料・中間体として有用なβ,γ−
不飽和ケトンであるシンナミルアルキルケトン類(I
V)、及びフェニルプロピルアルキルケトン類(V)に
導かれる。
【0003】
【化4】
【0004】(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4個
のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲ
ン原子又はニトロ基を表し;R2 及びR3 は炭素数1〜
4個のアルキル基を表す。)例えば、フェニルプロピル
アルキルケトン類(V)を出発原料とすることによって
得られるフェニルアルキルアミン類の第4級アンモニウ
ム塩は、抗不整脈剤として有用であることが開示されて
いる(特開昭54−95520号)。シンナミルアルキ
ルケトン類(IV)の合成法としては、従来、次に示す
(1) 〜(3) の方法が知られている。
【0005】(1) Bull.Soc.Chim.F
r.,5,1676(1973) 1−(4−クロルフェニル)−3−ペンテン−1,2−
ジオールを硫酸水溶液中で加熱脱水し、β,γ−不飽和
ケトンである5−(4−クロルフェニル)−4−ペンテ
ン−2−オンとα,β−不飽和ケトンである5−(4−
クロルフェニル)−3−ペンテン−2−オンの混合物を
合計約70%の収率で得ている。この方法では、1−
(4−クロルフェニル)−3−ペンテン−1,2−ジオ
ールの合成・入手が容易でない。さらに、目的物である
β,γ−不飽和ケトンの単離・精製も困難である。
【0006】(2) Chem.Let.,3,279(1
973) 金属アセテート存在下、3−スチリル−2,4−ペンタ
ンジオンの脱アセチル化反応で、シンナミルメチルケト
ンを66%の収率で得ている。この方法では、3−スチ
リル−2,4−ペンタンジオンの合成原料として、不安
定なフェニルアセトアルデヒドを使用しなければならな
い。さらに、脱アセチル化反応は反応時間が長く、低収
率となる。
【0007】(3) J.Chem.Soc.Perkin
Trans.I,(8)1657(1978) 5−フェニル−4−ペンテン−2−オールをクロム酸酸
化することによって、シンナミルメチルケトンを90%
の収率で得ている。この方法では、5−フェニル−4−
ペンテン−2−オールの合成が困難であり、また、クロ
ム酸酸化剤を用いる点でも実用的でない。
【0008】しかし、これらの方法では、シンナミルア
ルキルケトン類(IV)の合成原料の合成・入手、単離・
精製及び収率などに問題があることから、これらの問題
を克服できるシンナミルアルキルケトン類(IV)の新た
な合成原料が求められていた。
【0009】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、医農薬など
の合成原料として有用な2−アルキル−3−スチリルオ
キシランカルボン酸エステルとその製法を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために検討した結果、シンナミルアルキル
ケトン類の合成原料として、高収率で容易に得ることが
できる新規な2−アルキル−3−スチリルオキシランカ
ルボン酸エステルを用いることができることを見出し、
本発明を完成した。即ち、本発明は、次の通りである。
第1の発明は、次式(I):
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1 ,R2 及びR3 は前記と同義
である。)で示される2−アルキル−3−スチリルオキ
シランカルボン酸エステルに関するものである。第2の
発明は、次式(II):
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R1 は、前記と同義である。)で
示されるシンナムアルデヒド類と次式(III) :
【0015】
【化7】
【0016】(式中、R2 及びR3 は、前記の記載と同
義である。)で示されるα−クロル脂肪酸エステルと
を、塩基存在下に反応させることを特徴とする前記の式
(I)で示される2−アルキル−3−スチリルオキシラ
ンカルボン酸エステルの製法に関するものである。
【0017】以下、本発明について詳細に説明する。目的化合物及び原料化合物について 新規な2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン
酸エステル(I)、その製造原料〔化合物(II)及び化
合物(III) 〕などで表したR1 ,R2 及びR3は次の通
りである。
【0018】〔R1 〕R1 としては、水素原子,炭素数
1〜4個のアルキル基,炭素数1〜4個のアルコキシ
基,ハロゲン原子,ニトロ基などを挙げることができる
が;好ましくは水素原子,ハロゲン原子がよい。ハロゲ
ン原子としては、好ましくは塩素原子がよい。置換基の
位置は、特に限定されないが;好ましくは4−位がよ
い。
【0019】〔R2 及びR3 〕R2 及びR3 としては、
炭素数1〜4個のアルキル基を挙げることができる。ア
ルキル基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げるこ
とができるが;好ましくはメチル基がよい。
【0020】化合物(I)の合成法 化合物(I)の合成は、塩基存在下、化合物(II)と化
合物(III)とを溶媒中で反応させることによって行うこ
とができる。 〔塩基〕塩基としては、次式(VI):
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R4 は炭素数1〜4個のアルキル
基を表し;Mはアルカリ金属を表す。)で示されるアル
カリ金属アルコラート(ナトリウムメチラート,ナトリ
ウムエチラート,ナトリウムプロピオラート,ナトリウ
ムブチラート,カリウムメチラート,カリウムエチラー
ト,カリウムプロピオラート,カリウムブチラートな
ど)、無機塩基(水素化ナトリウム,ナトリウムアミド
など)を挙げることができる。
【0023】そして、その塩基の使用量は、化合物(I
I)に対して0.8〜3倍モルで使用することができる
が(下限値未満で使用する場合には反応が十分進行しな
いので収率が低下し、又上限値を越えて使用する場合に
は副反応が起きるので。);好ましくは1〜1.5倍モ
ルがよい。
【0024】〔溶媒〕溶媒としては、本反応に直接関与
しないものであれば特に限定されず、例えば、塩素化さ
れた又はされていない芳香族,脂肪族の炭化水素類(ベ
ンゼン,トルエン,キシレン,メチルナフタリン,クロ
ルベンゼン,ジクロルベンゼン,塩化メチレン,1,2
−ジクロルエタン,など);エーテル類(ジエチルエー
テル,ジブチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキ
サンなど);アルコール類(i−プロパノール,t−ブ
タノールなど);前記溶媒の混合物などを挙げることが
できる。
【0025】そして、その溶媒の使用量は、化合物(I
I)の1モルに対して100〜5,000mlで使用す
ることができるが;好ましくは300〜3,000ml
で使用するのがよい。 〔その他の反応条件〕反応温度は、−30〜50℃であ
るが;好ましくは−15〜25℃がよい。反応は、窒
素,アルゴン,ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下で行
うのが好ましい。
【0026】反応時間は、反応温度,仕込み原料濃度,
仕込み原料の種類などによって適当に選択できるが;通
常、1〜5時間で行うことができる。原料化合物の使用
量は、化合物(II)に対して化合物(III)が0.8〜3
倍モルであるが(下限値未満で使用する場合には収率が
低下、又上限値を越えて使用する場合には収率には問題
ないが,未反応のα−クロル脂肪酸エステルの回収量が
増えてコスト面で不利となるので。);好ましくは1〜
1.5倍モルがよい。
【0027】〔化合物(II)〕化合物(II)は、例え
ば、化合物(II)に対応するベンズアルデヒド類とアセ
トアルデヒドとから、常法(クライゼン−シュミット縮
合反応)によって容易に製造することができる。
【0028】化合物(II)としては、例えば、シンナム
アルデヒド,p−クロルシンナムアルデヒド,m−クロ
ルシンナムアルデヒド,o−クロルシンナムアルデヒ
ド,p−ブロモシンナムアルデヒド,p−ヨードシンナ
ムアルデヒド,p−メチルシンナムアルデヒド,p−ブ
チルシンナムアルデヒド,p−メトキシシンナムアルデ
ヒド,p−ブトキシシンナムアルデヒド,m−ニトロシ
ンナムアルデヒドなどを挙げることができる。
【0029】〔化合物(III)〕化合物(III)は、市販品
を使用することができる。化合物(III)としては、例え
ば、α−クロルプロピオン酸メチル,α−クロルプロピ
オン酸エチル,α−クロルブタン酸エチル,α−クロル
ペンタン酸プロピル,α−クロルヘキサン酸ブチルなど
を挙げることができる。
【0030】〔化合物(I)〕以上のようにして合成さ
れた化合物(I)は、反応終了後、中和,抽出,濃縮,
濾過,晶析などの通常の後処理を行い、必要に応じて再
結晶,各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宜
精製することができる。化合物(I)には幾何異性体
(E体,Z体)が存在し、本発明ではこの両者を含む
が、本製法ではE体が主に生成する。
【0031】化合物(I)としては、例えば、2−メチ
ル−3−スチリルオキシランカルボン酸メチル,2−エ
チル−3−スチリルオキシランカルボン酸エチル,2−
プロピル−3−スチリルオキシランカルボン酸プロピ
ル,2−ブチル−3−スチリルオキシランカルボン酸ブ
チル,2−メチル−3−(p−クロルスチリル)オキシ
ランカルボン酸メチル,2−エチル−3−(m−クロル
スチリル)オキシランカルボン酸プロピル,2−プロピ
ル−3−(o−クロルスチリル)オキシランカルボン酸
ブチル,2−メチル−3−(p−ブロモスチリル)オキ
シランカルボン酸メチル,2−メチル−3−(p−ヨー
ドスチリル)オキシランカルボン酸メチル,2−メチル
−3−(p−メチルスチリル)オキシランカルボン酸メ
チル,2−ブチル−3−(p−ブチルスチリル)オキシ
ランカルボン酸ブチル,2−メチル−3−(p−メトキ
シスチリル)オキシランカルボン酸メチル,2−エチル
−3−(p−ブトキシスチリル)オキシランカルボン酸
エチル,2−メチル−3−(m−ニトロスチリル)オキ
シランカルボン酸エチルなどを挙げることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例及び参考例によって具
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。 実施例1〔化合物(I)の合成〕 (1) (E,Z)−2−メチル−3−(p−クロルスチリ
ル)オキシランカルボン酸メチルの合成 トルエン(35ml),ナトリウムメチラート粉末
(2.6g、48mmol)を仕込み、−5〜0℃に冷
却下、窒素雰囲気を保ちながらα−クロルプロピオン酸
メチル(5.88g、48mmol)を加えた後、p−
クロルシンナムアルデヒド(6.66g、40mmo
l)をトルエン(35ml)に溶かした溶液を、内温を
−5〜0℃に保ように滴下した後、内温0℃で1時間攪
拌した。
【0033】反応終了後、反応混合物を0℃に冷却した
1N−硫酸(50ml)中にゆっくり加え、中和した。
次いで、有機層と水層とに分液し、この水層にトルエン
(30ml)を加えて抽出し、有機層を得た。得られた
両方の有機層を一つに合わせ、これを飽和食塩水(50
ml)で2回洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、濾過し、濾液を濃縮し、0〜5℃に冷却すること
によって黄色の粗結晶を得た。さらに、これをn−ヘキ
サン/トルエン混合溶媒(20/1容量比)で再結晶す
ることによって、白色結晶のE体の目的化合物を8.1
g得た(収率は80%)。
【0034】・融点:59〜62℃ ・元素分析(wt%):C1313ClO3 として 計算値:C 61.79、H 5.18 実測値:C 61.95、H 5.15 ・IR(KBr cm-1):2956、1747 ・MS(m/e):254、252(M+ ) 、115
【0035】・PMR(CDCl3 、δ):1.60
(s,3H)、3.79(s,3H)、3.85(d,
J=7.3Hz,1H)、6.00(dd,J=7.3
Hz,16.2Hz,1H)、6.78(d,J=1
6.2Hz,1H)、7.30(m,4H)
【0036】前記の再結晶母液を濃縮し、その残渣をn
−ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(10/1容量比)を
展開溶媒として、シリカゲルカラム(ワコーゲル C−
200)を用いて精製することによって、黄色透明油状
のZ体である目的化合物を0.3g得た(収率は3
%)。
【0037】・MS(m/e):254、252
(M+ ) 、115 ・PMR(CDCl3 、δ):1.60(s,3H)、
3.56(d,J=8.1Hz,1H)、3.79
(s,3H)6.04(dd,J=8.1Hz,16.
2Hz,1H)、6.80(d,J=16.2Hz,1
H)、7.30(m,4H)
【0038】(2) (E,Z)−2−メチル−3−(p−
クロルスチリル)オキシランカルボン酸メチルの合成 テトラヒドロフラン(8ml),水素化ナトリウム(6
2.7wt%を0.55g、14.4mmol)を仕込
み、−5〜0℃に冷却下、窒素雰囲気を保ちながらα−
クロルプロピオン酸メチル(1.77g、14.4mm
ol)を加えた後、p−クロルシンナムアルデヒド
(2.0g、12mmol)をテトラヒドロフラン(8
ml)に溶かした溶液を、内温を−5〜0℃に保ように
滴下した後、内温0℃で7.5時間攪拌した。
【0039】反応終了後、反応混合物を0℃に冷却した
飽和塩化アンモニウム水溶液(20ml)中にゆっくり
加え、中和した。次いで、テトラヒドロフランを減圧下
に留去し、トルエン(20ml)で2回抽出した。得ら
れた有機層を一つに合わせ、これを飽和食塩水(20m
l)で2回洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過し、濾液を液体クロマトグラフィーで内部標準
によって定量した。目的化合物のE体とZ体との合計収
率は75%であり、生成比はE体/Z体=70/5であ
った。
【0040】(3) (E)−2−メチル−3−スチリルオ
キシランカルボン酸メチルの合成 テトラヒドロフラン(35ml),ナトリウムメチラー
ト粉末(2.6g、48mmol)を仕込み、−5〜0
℃に冷却下、窒素雰囲気を保ちながらα−クロルプロピ
オン酸メチル(5.88g、48mmol)を加えた
後、シンナムアルデヒド(5.29g、40mmol)
をテトラヒドロフラン(30ml)に溶かした溶液を、
内温を−5〜0℃に保ように滴下した後、内温0℃で1
時間攪拌した。
【0041】反応終了後、反応混合物を0℃に冷却した
飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)中にゆっくり
加え、中和した。次いで、テトラヒドロフランを減圧下
に留去し、トルエン(30ml)で2回抽出した。得ら
れた有機層を一つに合わせ、これを飽和食塩水(50m
l)で2回洗浄した後に、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過し、濾液を濃縮することによって黄色油状の残
渣を得た。この残渣をn−ヘキサン/酢酸エチル混合溶
媒(10/1容量比)を展開溶媒として、シリカゲルカ
ラム(ワコーゲル C−200)を用いて精製すること
によって、無色透明油状のE体である目的化合物を7.
4g得た(収率は85%)。
【0042】・IR(液膜法 cm-1):2956、1
747 ・MS(m/e):218(M+ ) 、115 ・PMR(CDCl3 、δ):1.60(s,3H)、
3.79(s,3H)、3.86(d,J=7.3H
z,1H)、6.02(dd,J=7.3Hz,16.
5Hz,1H)、6.83(d,J=16.5Hz,1
H)、7.10〜7.50(m,5H)
【0043】参考例1〔化合物(IV)の合成〕 (1) 5−(p−クロルフェニル)−4−ペンテン−2−
オンの合成 2−メチル−3−(p−クロルスチリル)オキシランカ
ルボン酸メチル(2.0g、7.9mmol)をトルエ
ン(20ml)に溶かした溶液に、水酸化ナトリウム
(0.5g)を水(20ml)に溶かした水溶液とトリ
エチルベンジルアンモニウムクロライド(0.2g)と
を加え、室温で5時間攪拌した。加水分解反応終了後、
5〜10℃に冷却し、リン酸二水素カリウム(3g)を
水(20ml)に溶かした水溶液とトルエン(20m
l)とをさらに加え、10〜15℃で2.5時間攪拌し
た。
【0044】脱炭酸反応終了後、分液した有機層を水
(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過し、濾液を濃縮することによって淡黄色油状の
残渣を得た。この残渣をn−ヘキサン/酢酸エチル混合
溶媒(10/1容量比)を展開溶媒として、シリカゲル
カラム(ワコーゲル C−200)を用いて精製するこ
とによって、白色個体の目的化合物を1.3g得た(収
率は85%)。
【0045】・融点:60〜63℃ ・IR(KBr cm-1):1720、1630 ・MS(m/e):196、194(M+ ) 、153、
151 ・PMR(CDCl3 、δ):2.21(s,3H)、
3.34(d,J=6.7Hz,2H)、6.30(t
d,J=6.7Hz,15.9Hz,1H)、6.42
(d,J=15.9Hz,1H)、7.28(m,4
H)
【0046】
【発明の効果】本発明の新規な2−アルキル−3−スチ
リルオキシランカルボン酸エステルは容易に高収率で製
造することができ、医農薬などの合成原料・中間体とし
て有用なβ,γ−不飽和ケトンであるシンナミルアルキ
ルケトン類の合成原料として優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 恩塚 克孝 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 布施 建策 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子、炭素数1〜4個のアルキル
    基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子又は
    ニトロ基を表し;R2 及びR3 は炭素数1〜4個のアル
    キル基を表す。)で示される2−アルキル−3−スチリ
    ルオキシランカルボン酸エステル。
  2. 【請求項2】 次式(II): 【化2】 (式中、R1 は、請求項1の記載と同義である。)で示
    されるシンナムアルデヒド類と次式(III) : 【化3】 (式中、R2 及びR3 は、請求項1の記載と同義であ
    る。)で示されるα−クロル脂肪酸エステルとを、塩基
    存在下に反応させることを特徴とする請求項1記載の式
    (I)で示される2−アルキル−3−スチリルオキシラ
    ンカルボン酸エステルの製法。
JP5276417A 1993-11-05 1993-11-05 2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法 Expired - Fee Related JP2986003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5276417A JP2986003B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5276417A JP2986003B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07126260A true JPH07126260A (ja) 1995-05-16
JP2986003B2 JP2986003B2 (ja) 1999-12-06

Family

ID=17569123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5276417A Expired - Fee Related JP2986003B2 (ja) 1993-11-05 1993-11-05 2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2986003B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512630A (ja) * 2005-09-16 2009-03-26 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. エポキシ化合物およびアルデヒドの調製方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512630A (ja) * 2005-09-16 2009-03-26 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. エポキシ化合物およびアルデヒドの調製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2986003B2 (ja) 1999-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07126260A (ja) 2−アルキル−3−スチリルオキシランカルボン酸エステル及びその製法
US4577025A (en) Method of preparing α-aromatic propionic acids and intermediates thereof
JPH05286902A (ja) α−クロロ−β−ケトエステル誘導体の製造方法
JP2943972B2 (ja) β−γ不飽和ケトン類の製法
JP2801647B2 (ja) 6―フルオロクロモン―2―カルボン酸誘導体の製造法
JP2952872B2 (ja) β−γ不飽和ケトン類の製造方法
JPH07252183A (ja) フェノール誘導体の製造方法
JPH06247918A (ja) フェニルベンズアミド誘導体の製造方法
JPWO2005058859A1 (ja) 3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸アルキル化合物及び4−アシルテトラヒドロピランの製法
JP2001048826A (ja) 1−フェニル−1,3−ブタンジオン誘導体の製造方法
US6278027B1 (en) 3-Substituted-2-halocycloheptenone compounds and a method for manufacturing same
WO2000059860A1 (fr) Procede de preparation de la vitamine a, de produits intermediaires, et procede de preparation de ces produits intermediaires
JP4973210B2 (ja) 新規合成方法
JP2002212149A (ja) フッ化テトラアルキルアンモニウムの製造方法、およびそれを用いたβ−ヒドロキシケトンの製造方法
JPH01216965A (ja) 2−アルコキシブロピオン酸アミド誘導体の製造方法
JP3011218B2 (ja) βーケトアルコールの製造方法
JPH07133270A (ja) クロマン誘導体およびその製法
JPH0759557B2 (ja) 1,3−ジアルキルピラゾール−4−アルデヒド誘導体の製造方法
JPH07133271A (ja) ベンズアルデヒド誘導体及びそれを中間体とするクロマンカルボン酸誘導体の製法
JPH1149722A (ja) ビフェニル誘導体の製造法
JPH01157948A (ja) 新規なα,β−不飽和ケトン化合物
JPH0672957A (ja) トランス−β置換アクリル酸エステル誘導体の製造方法
JPS61233647A (ja) 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパン−1−カルボン酸の製造法
JP2000159766A (ja) イミダゾール誘導体の製法
JPH07330697A (ja) 置換インダン誘導体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees