JPH0712612U - カーペット等のクリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カーペット等のシート材に先付けでき、取付
けた状態でシート材の見栄えを損なわないクリップを提
供する。 【構成】 クリップ１は、頭部２と係止部３とを備え、
頭部と係止部とは、中間のヒンジ５を半径方向外方に折
り曲げることによってフランジを形成する一対のアーム
４、４によって連結されており、カーペット１８に固定
でき、係止部が車体等のパネルに取付けられる。頭部２
は、表面が無孔に形成され且つカーペットの片面を押さ
える大径フランジ７と、このフランジからカーペットの
厚さ程度下方に延びた軸部８とを有し、係止部３は、頭
部軸部２に押圧すると頭部フランジ７から垂下するフッ
ク９に係止する係止爪１２と、パネルの穴を貫通して半
径方向に撓むことのできる係止部軸部１５とを有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカーペット等のシート材を車体等に固定するクリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

カーペット等のシート材を車体等に固定するクリップは知られている。その例 として、実開平１−１３８４４号公報が挙げられる。この公知のクリップは、パ ンタグラフ形状の係着帯と軸部とスタッドの係止する係止部とで成り、係止部に はフランジが形成され、細くした係着帯と軸部とをシート材の穴に貫通し、係止 部フランジをシート材の一方の面に接面させる。次に、他面に出たパンタグラフ 形状の係着帯を平坦になるように押圧することによって、もう１つのフランジを 形成し、係止部のフランジと協働してクリップをシート材に取付けることができ る。従って、このクリップは、シート材に先付けすることができ、パネルに立設 されたスタッドへは、シート材の押込みで簡単に取付けることができる。しかし このクリップにおいて、シート材の表となる面には、平坦にしたパンタグラフ形 係着帯が露出し、シート材の見栄えを悪くしている。

【０００３】 カーペット等のシート材を車体等に固定する別のクリップとして、実開平５− ２２８２４号公報が挙げられる。この公知のクリップは、頭部と係止部とが、中 間のパンタグラフ形状のヒンジ部分を半径方向外方に折り曲げることによってフ ランジを形成する一対のアームによって連結されている。このクリップは、取付 けがカーペット等の表側からでき、その取付けの固定も表側からの押圧作業でで き、車体等のパネルへの取付け後の取り外しもできるので便利である。また、シ ート材への先付けもできる。しかし、アームを折り曲げてフランジを形成する状 態にロックするため、頭部フランジ及び軸部が中空に形成され、この中空部分に 係止部軸部が挿入されるようになっているので、頭部フランジには大きな穴があ いていた。このため、穴の部分からごみ等が進入したり、カーペット等の使用者 の見える部分の見栄えを損なっていた。

【０００４】 従って、本考案の目的は、カーペット等に先付けでき、取付けた状態でシート 材の見栄えを損なわないクリップを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するため、本考案によれば、頭部と係止部とを備え、頭部と 係止部とは、中間のヒンジ部分を半径方向外方に折り曲げることによってフラン ジを形成する一対のアームによって連結されており、頭部と前記のフランジを使 用してカーペット等のシート材に固定できるように構成され、係止部が車体等の パネルに取付けられるカーペット等のクリップであって、頭部は、表面が無孔に 形成され且つ前記シート材の片面を押さえる大径フランジと、この大径フランジ からシート材の厚さ程度下方に延びた軸部とを有し、係止部は、前記頭部軸部に 押圧すると係止する頭部係止手段と、前記パネルに係止するパネル係止手段とを 有することを特徴とするクリップが提供される。

【０００６】 本考案において、係止部の頭部係止手段を、頭部フランジから垂下するフック に係止する係止爪とし、係止部のパネル係止手段を、下方に延び且つ半径方向に 撓むことのできるパネル係止軸部で構成し、パネル係止軸部の下方には更に引き 出し用ガイドを延ばして、パネル穴の下方に延びた前記ガイドを引き出すことに よって、パネル係止軸部をパネル穴に係止することができる。また、係止部を中 空軸部で構成し、係止部の頭部係止手段を、頭部軸部に形成された窓に係止する ように係止部の側面に形成された係止爪とし、係止部のパネル係止手段を、パネ ルに固定されたスタッドに係止するように、係止部軸部の貫通穴に形成された係 止爪とすることもできる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面を参照しながら本考案の実施例について説明する。図１〜図９には 本考案の第１の実施例に係るクリップ１が示されている。図１〜図６において、 クリップ１の構成が示され、図７〜図９にはその使用状態が示されている。クリ ップ１は、頭部２と、係止部３と、両部分を連結する一対のアーム４とが一体成 形されたプラスチックで成る。各アーム４はその中間にヒンジ５が形成され、こ こを中心に半径方向外方に折り曲げることによってフランジが形成される。

【０００８】 頭部２は、カーペット等のシート材を表側から押さえる、下面が平坦で上面す なわち表の面が無孔の滑らかなやや凸形状の大径のフランジ７と、この大径フラ ンジからシート材の厚さ程度下方に延び、相互に間隔をあけた一対の軸部８とを 有し、一対の軸部８の間には、フランジ７からフック９が一対間隔をあけて垂下 している。両フック９は、図１、図３及び図４に示すように、成形の便宜のため にずらされて、一緒になって、１つのフックを成すように形成されている。各軸 部８の下端からはフランジを形成するアーム４が延びていて、その根元部分には ヒンジ１１が形成されている。

【０００９】 係止部３は、頭部に押圧すると係止する頭部係止手段と車体等のパネルに係止 するパネル係止手段とを有する。先ず、頭部係止手段として、頭部のフランジ７ から垂下するフック９に係止する矢印形状の係止爪１２が設けられている。また パネル係止手段として、下方に延び且つ半径方向に撓むことのできるパネル係止 軸部１３を有する。この軸部１３は、図５に示すように、係止爪１２が形成され た根元の部分では、横断面においてほぼＳ字形状を成して、半径方向内側へ撓む ように形成されており、この部分から僅かに下方に下がると、図１から明らかな ように、その直径が大きく形成され、且つ、図６に示すように、横断面において Ｃ字形状の重なりに形成されて、半径方向内側へ更に撓み易くなっており、軸部 １３の外面は大径になるように傾斜してパネル係止面１４を形成する。軸部１３ の根元の部分からはアーム４、４がそれぞれヒンジ１１を介して延びている。パ ネル係止軸部１３の下方には、ロッド状の引き出し用ガイド１５が延びており、 その下端にはつまみ１６が形成されている。

【００１０】 かかる構成で成るクリップ１をカーペット１８に取付け、車体等のパネル１９ にカーペット１８を取付ける手順を、図７〜図９を参照して説明する。先ず、矢 印２１のように、クリップ１の引き出し用ガイド１５がカーペット１８の穴２０ を貫通するようにし、更につまみ１６を引っ張って、ガイド１５を引き出し、軸 部８、８を穴２０に位置させるとともに、フランジ７をカーペット１８に接面さ せる。次に、フランジ７がカーペット１８から離れないようにして、ガイド１５ をフランジ側に押込むと、一対のアーム４、４が、それぞれ、ヒンジ５及び１１ により、ヒンジ５を中心に半径方向外方に折り曲げられ、第２のフランジが形成 される。このとき、係止爪１２はフック９、９に係止してアーム４がフランジを 形成した状態に保持され、図８に示すように、クリップ１がカーペット１８に取 付けられる。

【００１１】 クリップ１をカーペット１８に取付けた後、パネル１９にカーペット２０を固 定するには、図８の矢印２２に示すように、カーペットに取付けられたクリップ １の引き出し用ガイド１５のつまみ１６を、パネル１９の穴２３にあてがい、そ のまま、フランジ７を押込めばよい。この押込みによって、ガイド１５が穴２３ を通り、軸部１３が穴２３を貫通して、パネル係止面１４のある軸部部分が一旦 半径方向内側に撓んだ後、パネル２３の裏面において拡径し、図９に示す状態に 取付けられる。

【００１２】 図１０〜図１９を参照しながら第２実施例に係るクリップ２５について説明す る。図１０〜図１５において、クリップ２５の構成が示され、図１６〜図１９に はその使用状態が示されている。クリップ２５は、頭部２６と、係止部２７と、 両部分を連結する一対のアーム２８とが一体成形されたプラスチックで成る。各 アーム２８はその中間にヒンジ２９が形成され、ここを中心に半径方向外方に折 り曲げることによってフランジが形成される。

【００１３】 頭部２６は、カーペット等のシート材を表側から押さえる、下面が平坦で上面 すなわち表の面が無孔の滑らかな大径のフランジ３１と、この大径フランジから シート材の厚さ程度下方に延び、内側に係止部２７を受入れる空間が形成された 環状の軸部３２とを有する。軸部３２には、図１０に示すように、側面に水平方 向に細長い窓３３が形成されている。この窓３３は、図１３に示すように、直径 方向に対向して設けられており、型成形の都合によって、その高さが段違いに形 成されている。窓３３の下部の軸部部分３４は、図１１に示す切込み３５と窓３ ３と軸部内側の空間とによって半径方向外側に撓むようになっている。軸部３２ の直径方向に対向する２点の下端からはフランジを形成するアーム２８が延びて いて、その根元部分にはヒンジ３７が形成されている。

【００１４】 係止部２７は、頭部軸部３２の空間に受入れられる中空の軸部３８で成り、こ の軸部３８に、頭部係止手段とパネル係止手段とが設けられている。軸部３８の 側面には、頭部軸部３２に押圧すると窓３３に係止する、頭部係止手段としての 一対の係止爪３９、３９が形成されている。２つの係止爪３９は、図１３に図示 のように、窓３３の高さに合わせてその高さが違わせてある。また、軸部３８の 貫通穴４０の内面には、パネル４２（図１７を参照されたい）に立設されたねじ スタッド４３に係止するように、パネル係止手段としての係止爪４４が一対形成 されている。係止部軸部３２の根元の部分からはアーム２８、２８がそれぞれヒ ンジ３７、３７を介して延びている。

【００１５】 かかる構成で成るクリップ２５をカーペット４５に取付け、パネル４２にカー ペット４５を取付ける手順を、図１６〜図１９を参照して説明する。先ず、矢印 ４６のように、クリップ２５の係止部軸部３８及びアーム２８がカーペット４５ の穴４７を貫通するように押込む。次に、フランジ３１がカーペット４５に接面 した状態のままで係止部軸部３８を頭部軸部３２の空間に押込むと、一対のアー ム２８、２８が、それぞれ、ヒンジ２９及び３７により、半径方向外方に２つに 折り曲げられてカーペットの下面に第２のフランジが形成される。この第２フラ ンジとフランジ３１とによって、図１７に図示のように、クリップ２５は、カー ペット４５に取付けられる。このとき、図１８に図示のように、係止部軸部３８ の外面の係止爪３９は、頭部軸部３２の窓３３に入って係止し、アーム２８が第 ２フランジを形成した状態に保持され、クリップ２５のカーペット４５への取付 けが維持される。

【００１６】 クリップ２５をカーペット４５に取付けた後、パネル４２にカーペット４５を 固定するには、図１７の矢印４８に示すように、カーペットに取付けられたクリ ップ２５の係止部軸部３８の貫通穴４０を、パネル４２のスタッド４３にあてが い、そのまま、フランジ３１を指等で押込めばよい。この押込みにより、図１９ に図示のように、スタッド４３が係止部軸部３８の貫通穴４０を貫通させられ、 係止爪４４、４４がスタッド４３のねじの谷部分に係合して、クリップ２５が固 定され、カーペット４５がパネル４２に取付けられる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案のクリップによれば、頭部は、表面が無孔の、カーペット等の片面を押 さえる大径フランジと、この大径フランジからシート材の厚さ程度下方に延びた 軸部とを有し、係止部は頭部軸部に押圧すると係止する頭部係止手段とパネルに 係止するパネル係止手段とを有するので、カーペット等に先付けでき、取付けた 状態でシート材の見栄えを損なわない。また、パネルへも、穴が形成されていて も、スタッドが立設されていても、押込みだけの簡単な作業で取付けることがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係るクリップの正面図で
ある。

【図２】図１のクリップの側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】図１のＣ−Ｃ線断面図である。

【図６】図１のＤ−Ｄ線断面図である。

【図７】図１のクリップのカーペットへの取付け前を示
す図である。

【図８】図１のクリップがカーペットに取付けられてパ
ネルへ取付ける前を示す図である。

【図９】図１のクリップによってカーペットがパネルに
取付けられた状態を示す図である。

【図１０】本考案の第２実施例に係るクリップの正面図
である。

【図１１】図１０のクリップの底面図である。

【図１２】図１０のクリップの側面図である。

【図１３】図１０のＥ−Ｅ線断面図である。

【図１４】図１０のＦ−Ｆ線断面図である。

【図１５】図１２のＧ−Ｇ線断面図である。

【図１６】図１０のクリップのカーペットへの取付け前
を示す図である。

【図１７】図１０のクリップがカーペットに取付けられ
てパネルへ取付ける前を示す図である。

【図１８】図１７のＨ−Ｈ線断面図である。

【図１９】図１０のクリップによってカーペットがパネ
ルに取付けられた状態を示す図である。

【符号の説明】

１ クリップ ２ 頭部 ３ 係止部 ４ アーム ５、１１ ヒンジ ７ フランジ ８ 頭部軸部 ９ フック １２ 係止爪 １３ パネル係止部軸部 １５ 引き出し用ガイド １６ つまみ １８ カーペット １９ パネル ２５ 第２実施例のクリップ ２６ 頭部 ２７ 係止部 ２８ アーム ２９、３７ ヒンジ ３１ フランジ ３２ 頭部軸部 ３３ 窓 ３８ 係止部軸部 ３９ 係止爪 ４０ 貫通穴 ４２ パネル ４３ ねじスタッド ４４ 係止爪 ４５ カーペット

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 頭部と係止部とを備え、頭部と係止部と
   は、中間のヒンジ部分を半径方向外方に折り曲げること
   によってフランジを形成する一対のアームによって連結
   されており、頭部と前記のフランジを使用してカーペッ
   ト等のシート材に固定できるように構成され、係止部が
   車体等のパネルに取付けられるカーペット等のクリップ
   において、 前記頭部は、表面が無孔に形成され且つ前記シート材の
   片面を押さえる大径フランジと、該大径フランジからシ
   ート材の厚さ程度下方に延びた軸部とを有し、係止部
   は、前記頭部軸部に押圧すると係止する頭部係止手段
   と、前記パネルに係止するパネル係止手段とを有するこ
   とを特徴とするクリップ。
2. 【請求項２】 係止部の頭部係止手段は、頭部フランジ
   から垂下するフックに係止する係止爪であり、係止部の
   パネル係止手段は、下方に延び且つ半径方向に撓むこと
   のできるパネル係止軸部で成り、該パネル係止軸部の下
   方には更に引き出し用ガイドが延びており、パネル穴の
   下方に延びた前記ガイドを引き出すことによって、前記
   パネル係止軸部がパネル穴に係止されることを特徴とす
   る請求項１に記載のクリップ。
3. 【請求項３】 係止部が中空の軸部で成り、係止部の頭
   部係止手段は、頭部軸部に形成された窓に係止するよう
   に係止部の側面に形成された係止爪であり、係止部のパ
   ネル係止手段は、パネルに固定されたスタッドに係止す
   るように、係止部軸部の貫通穴に形成された係止爪であ
   ることを特徴とする請求項１に記載のクリップ。