JPH0712554Y2 - 立体駐車設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は立体駐車設備に関する。

［従来の技術］ 従来、車両を駐車させる駐車設備において、建屋内に立
体的に車両を駐車させる立体駐車設備がある。例えば、
第３図に示すように、建屋１内に多段に車両２が収納さ
れる駐車スペース３を有し、この駐車スペース３内に循
環式の立体駐車装置４を設けたもの等がある。しかし、
このような立体駐車設備においては、建屋１の立地条件
等により、車両２が一定の方向からしか入れないものが
あり、上記駐車装置４内への入出庫する際に、車両２は
方向転換を行う必要があった。したがって、このような
駐車設備においては、駐車スペース３の入出庫口５に車
両２を方向転換するターンテーブル６を設け、このター
ンテーブル６上で車両を方向転換してから入出庫するよ
うにしていた。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、このような立体駐車設備にあっては、ターン
テーブル６が設置される上方は、単なる空間としてのデ
ッドスペースとなり、このデッドスペースを有効に活用
することが望まれていた。

本考案は上記問題点を解決するために創案されたもの
で、その目的はターンテーブルの上方空間に駐車させる
ようにして、ターンテーブルの上方空間を有効に利用す
ると共に、駐車設備全体の駐車台数を可及的に向上させ
ることができる立体駐車設備を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案は、相対向する一対の
入出庫口と、これら入出庫口間に床面と同一平面上に設
置され、入出庫口から進入する車両を入出庫方向に対し
て直角方向に方向転換するターンテーブルと、上下方向
に所定の間隔を隔てて循環移動自在にかつ上記ターンテ
ーブルから進入する車両を格納すべく入出庫方向に対し
て直角方向に開放されたケージを有する循環移動式立体
駐車装置と、上記ターンテーブルの上方に上下方向に互
いに所定の間隔を隔てて循環移動自在にかつ車両を格納
すべく入出庫口に臨んで開放されたケージを有すると共
にこれらのケージから少なくとも１つのケージを除去し
て除去したケージに隣接した最下点に位置する左右のケ
ージと上記ターンテーブルとの間に車両の通過を許容す
るスペースを形成するターンテーブル付き立体駐車装置
とから構成したものである。

［作用］ 立体駐車手段に車両を収納する場合には、ケージを移動
させて、ターンテーブル上に位置させ、このケージに車
両を乗せて収納する。他の駐車スペースに入出庫する車
両がある場合には、上記ケージを上方に移動させると共
に、ケージ間隔が大きい間隔の箇所を上記ターンテーブ
ルの上方に位置させる。これにより、ターンテーブル上
には車両が通過できる空間が形成されて、他の駐車スペ
ースへの入出庫ができるようになる。

したがって、ターンテーブルの上方には、ターンテーブ
ルの機能を阻害することなく駐車できるので、ターンテ
ーブル上方空間が有効に活用され、駐車設備全体の駐車
台数が可及的に向上する。

また、相対向する一対の入出庫口の一方の入出庫口から
進入してターンテーブル付き立体駐車装置のケージに前
進運転で進入して格納された車両をそのまま前進運転で
他方の入出庫口から退出させるようにしたものである。

［実施例］ 本考案の一実施例を図面にしたがって説明する。第１図
及び第２図において、１は車両２を駐車させるための建
屋で、３はこの建屋１内に設けられた駐車スペースであ
り、４はこの駐車スペース３内に設けられ、車両２を多
段に駐車させるための駐車装置である。上記駐車スペー
ス３への入出庫口５には車両２を方向転換するターンテ
ーブル６が設けられている。

本考案の特長とするところは、このターテンブル６の上
方に、車両２を収納する複数のケージ７を上下方向に循
環移動自在に懸架すると共にこのケージ７の間隔を、上
記ターンテーブル６上を車両２が通過できるように少な
くとも１か所は大にしたターンテーブル付き立体駐車装
置８を設けたことである。

具体的には、図示するように、駐車設備の建屋１内に
は、車両２を駐車させるための駐車スペース３が設けら
れており、この駐車スペース３内には、多段に車両２を
駐車させるための循環移動式立体駐車装置４が設けられ
ている。この循環移動式立体駐車装置４は、スプロケッ
ト９に掛け回された無端チェーン10と、この無端チェー
ン10に上下方向に循環移動自在に所要の間隔を隔てて懸
架された複数のケージ11とによって構成されている。相
対向する入出庫口5a,5b間には入出庫口5a,5bから進入す
る車両２を入出庫方向に対して直角方向に方向転換する
ターンテーブルが同一床面上に設置されている。このタ
ーンテーブル６は、上面が車両２が走行する路面と同一
高さに位置され、車両２を乗せられる大きさの回転盤12
と、この回転盤12を回転自在に支持する旋回台13とによ
って構成され、回転盤12の回転は伝達歯車機構14を介し
て連結された駆動装置15によって駆動されるようになっ
ている。

上記ターンテーブル６の上方に、ターンテーブル付き立
体駐車装置８が設けられている。このターンテーブル付
き立体駐車装置８は図示するように、スプロケット16に
掛け回わされた無端チェーン17と、この無端チェーン17
に所要の間隔ｌを隔てて上下方向に循環移動自在に懸架
された車両２を収納する複数のケージ７とによって構成
されている。そして、上記ケージ７の間隔ｌの少なくと
も１か所は、他の間隔ｌよりも大きくしてあり、この大
きい間隔が上記ターンテーブル６の上方に位置させたと
きに、ターンテーブル６上を車両２が通過できるように
なっている。すなわち、本実施例では、無端チェーン17
に懸架されるケージ７の中の１個を取り除くことにより
上記ケージ７の間隔ｌを大きい間隔2lとして形成してい
る。

次に本実施例の作用を説明する。

先ず、第１図において、上記ターンテーブル付き立体駐
車装置８に車両２を駐車させる場合には、スプロケット
16を駆動し、これに掛け回されている無端チェーン17を
上下方向に循環駆動すると共に、この無端チェーン17に
懸架されている複数のケージ７の中の１個を、ターンテ
ーブル６上（図中２点鎖線で示す）に位置させ、次い
で、このケージ７に車両２を収納することにより行わ
れ、この過程を繰り返して、各ケージ７に車両２が収納
されて駐車が終了する。次に、駐車スペース３へ入出庫
させる場合には、上記ターンテーブル６上に位置してい
るケージ７を上方に移動し、ターンテーブル６の上方に
上記ケージ７の間隔ｌのうちの大きい間隔2lを位置させ
てターンテーブル６上に車両２が通過できるスペースを
形成する。これと同時に、駐車スペース３内の立体駐車
装置４のケージ11の中の１個を一番下側に位置させる。
次いで車両２はターンテーブル６上で方向転換を行な
い、一番下側に位置されたケージ11内に収納されて駐車
するか、あるいはこの逆に、ケージ11内に収納されてい
る車両２が、ケージ11内から出てターンテーブル６上で
方向転換を行い出庫することになる。

このように、ターンテーブル６の上方に、ターンテーブ
ル６の機能を阻害することのないターンテーブル付き立
体駐車装置８を設けたので、ターンテーブル６の上方空
間が有効に活用でき、駐車設備全体の駐車台数を可及的
に向上させることができる。

また、相対向する一対の入出庫口5a,5bを形成すると共
にターンテーブル６上に設置されるターンテーブル付き
立体駐車装置８のケージ７が入出庫口5a,5bに臨んで開
放されているので、一対の入出庫口5a,5bの一方の入出
庫口5a（5b）から前進運転で進入してケージ７に格納さ
れた車両２をそのまま前進運転で他方の入出庫口5b（5
a）から退出させることができる。したがって、出庫の
簡素化を達成できると共に、ターンテーブル付立体駐車
装置８のケージ７に収容された車両２を出庫させるため
に、ケージ11を大型化させたり車両２をケージ７内で方
向転換させる設備が不要であり、駐車装置の簡素化を達
成できる。

また、上記実施例においては、ターンテーブル付き立体
駐車装置８をターンテーブル６の上方に設けたものにつ
いて説明したが、このターンテーブル付き立体駐車装置
８を車両２が走行する通路の上に設け、その通路上を車
両２が通過する際に、ケージ７を移動して通路を形成す
るようにしてもよい。

［考案の効果］ 本考案は次のような効果を発揮する。

相対向する一対の入出庫口を形成すると共にターンテー
ブル上に設置されるターンテブル付き立体駐車装置のケ
ージが入出庫口に臨んで開放されているので、一対の入
出庫口の一方の入出庫口から前進運転で進入してケージ
に格納された車両をそのまま前進運転で他方の入出庫口
から退出させることができ、出庫の簡素化を達成できる
と共に、ターンテーブル付立体駐車装置のケージに収容
された車両を出庫させるためにケージを大型化させたり
車両をケージ内で方向転換させる設備が不要であり、駐
車装置の簡素化を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側断面図、第２図は第
１図のII-II線断面図、第３図は従来例の側断面図であ
る。 図中、２は車両、５は入出庫口、６はターンテーブル、
７はケージ、８はターンテーブル付き立体駐車装置であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】相対向する一対の入出庫口と、これら入出
   庫口間に床面と同一平面上に設置され、入出庫口から進
   入する車両を入出庫方向に対して直角方向に方向転換す
   るターンテーブルと、上下方向に所定の間隔を隔てて循
   環移動自在にかつ上記ターンテーブルから進入する車両
   を格納すべく入出庫方向に対して直角方向に開放された
   ケージを有する循環移動式立体駐車装置と、上記ターン
   テーブルの上方に上下方向に互いに所定の間隔を隔てて
   循環移動自在にかつ車両を格納すべく入出庫口に臨んで
   開放されたケージを有すると共にこれらのケージから少
   なくとも１つのケージを除去して除去したケージに隣接
   した最下点に位置する左右のケージと上記ターンテーブ
   ルとの間に車両の通過を許容するスペースを形成するタ
   ーンテーブル付き立体駐車装置とを備えたことを特徴と
   する立体駐車設備。