JPH0712539B2 - 水平分割面を有する無ボックス砂鋳型部分の加重および横方向支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は平らな底面を有し、上型の頂面と対接するおも
りと、閉じた砂鋳型部分の各側面に対接する型締板とを
含み、下型の底面が移送装置上に載置されるようにし
た、水平分割面を有する無ボックス砂鋳型部分を、鋳込
み、凝固および冷却の間、加重しかつ横方向支持する装
置に関する。

ドイツ特許出願公告第3011265号から無ボックス砂鋳型
の移送装置は公知である。この装置では砂鋳型は水平分
割面を有し、端面が互いに押圧されて長い一連の列とし
て移送される。鋳込み中、湯の浮力および静水圧力によ
って鋳型部分が押し離されて水平分割面のところで分離
しようとする。端面は先に述べたとおり互いに押付けら
れて相互に所定位置に保持され、下型の底面は移送装置
に載置される。上型の頂面は重い鋼板などの形のおもり
で加重され（荷重がかけられ）、場合によっては重いブ
ロックなどで加重が増強される。鋳型の側面の横方向支
持は、リンク接続具によって、かつ挺子の原理を用いて
鋳型の側面に自重で圧着される型締板によって与えられ
る。

公知のおもりおよび側面型締板は鋳造所で用いられる重
い面倒な比較的複雑な装置で、上型の上面から高く突出
しているので自動的鋳込装置を使用することは不可能で
あることが判っている。

ドイツ特許出願公告第1965945号に無ボックス砂鋳型の
加重および横方向支持装置の一例が開示されている。し
かし、鋳型部分の側面を支持する型締板は複雑なロッド
機構によって動かされるようになっている（特に第３図
参照）。ロッド機構は上型の頂面から相当距離上方へ突
出しているので、鋳型部分の頂面の湯口に近づけず、自
動的鋳込を使用することは事実上不可能である。自動的
に鋳込を行うには、あい続く鋳型に対して、とりべを複
雑な経路に沿って移動させなければならないからであ
る。あるいはまた、とりべと湯口との間に非常に大きな
高度差が必要となるからである。さらに、連結ロッド機
構は鋳造工場ではこぼれた鉄で容易に傷み易い構造体で
ある。

本発明の目的は簡単で丈夫な設計で、作動に信頼性があ
り、自動鋳込装置の使用を可能にする無ボックス砂鋳型
部分の加重および横方向支持装置を提供することにあ
る。

この目的を達成するために、本発明の無ボックス砂鋳型
部分の加重および横方向支持装置はそれぞれ一端が前記
おもりに対して枢着され他端が対応する型締板に枢着さ
れたほぼＬ字形のアームを備え、これらの各アームの前
記一端はそのアームの前記他端から見て前記鋳型部分の
移送方向の縦中心線の反対側の前記鋳型部分の側面と前
記縦中心線との間の位置において前記おもりに対して枢
着し、前記アームの前記おもりに対する枢着部は水平面
内で互いに隣接、対向して配置され、前記アームの他の
部分は前記鋳型部分を前記移送方向に対して直角に通る
同じ垂直横断面内に位置させたものである。

上述のように各アームを前記縦中心線を越えた位置でお
もりに対して枢着することによって、鋳型部分の幅に対
し長いアームが得られるので、型締板の重量の出すトル
ク、従ってこれに対応する鋳型部分の側面に対する接触
力が高くなるので、比較的小さい重量の型締板を使用で
きる。また、アームのおもりに対する枢着部を水平面内
で互いに隣接、対向して配置し、アームの他の部分は鋳
型部分の移送方向に対して直角な同じ垂直横断面内に位
置させることにより、おもりおよびアームによって覆わ
れない砂面の全部分に亘って湯口を分布して配置するこ
とができる。この点に関し、鋳型の移送方向に見て鋳型
の前端付近および後端付近にそれぞれアームの対を配置
することが好ましい。

好ましい構成では、鋳型部分が移送装置におかれてない
時に、型締板用の支持面を提供する突出部分が移送装置
に設けられる。

このように、設備が作動していない場合、比較的重い装
置を取外すことについて実際的な解決が達成される。お
もりを支えるために鋳型部分を移送装置に残しておくこ
とを必要とする公知の設備では、鋳型部分から滲出する
湿気によっておもりと型締板とが長い休止時間中にさび
がでるおそれがある。

本発明によれば、上記突出部分に凹陥部を設けて型締板
の底面に設けた対応する突起を受止めるようにすること
ができる。この手段によって、このような装置の休止中
装置全体の明確な位置決めが保証される。

本発明装置の実施例においては、上記突出部分はこれが
移送装置内に隠ぺいされる休止位置と移送装置から突出
する作動位置との間に移動自在になされる。加重および
横方向支持装置を支える必要がない通常の運転中は上記
突出部分は移送装置内に押し込まれてその休止位置につ
くので、突出部分は一連の無ボックス砂鋳型部分に対す
る作業員の作業の障害物とはならない。

本発明の更に別の実施例によれば、おもりユニットをベ
ースプレートに着脱自在に装着しうるようにすることに
よって型締板の重量を大幅に調整しうるようになされ
る。

しかして、例えば鋳型空隙部が大きければ、湯の浮力が
大きくなるので鋳込みの間、鋳型部分を閉じた状態に保
持するには鋳型部分に対する加重を大きくしなければな
らないが、上述したようにおもりユニットをベースプレ
ートに着脱自在に装着しうるようにすることにより、か
かる荷重を容易に最適にすることができる。この荷重が
低すぎると、鋳型部分が鋳込み中に相互に開くので、鋳
物は勿論台無しになる。他方、荷重が大きすぎると、最
良の場合でも鋳型空隙部が変形し鋳物が不正確になり、
最悪の場合には砂型は粉砕されることになる。

さて図について説明すると、第１図の装置は上型２の上
面３に載置されるようにした平らな底面を有する重い板
の形のおもり（weight iron）１を備えている。上型２
は周知のように下型６の上に載置され（その水平分割面
は符号18で示されている）、パターン面19によって湯口
19aおよびカップ19bを備えた鋳型空隙部が形成される。

下型６は移送装置上に載置される底面７を有し、この移
送装置は図示の構造の場合、鋳型部分を支持してコンベ
ヤ上を転動するパレット８の形態である。

鋳型部分の側面12,13は型締板4,5によって支えられ、型
締板4,5はほぼＬ字形のアーム9,10を介しておもり１に
枢着され、アーム9,10の一端はそれぞれおもり１に対し
て固定されたブラケットに16,17において枢着されてい
る。型締板4,5自体はＬ字形アームの他端31および32に
枢着されている。型締板はこれをＬ字形アーム9,10から
直角に突出した（第３図をも参照）植込みボルト21およ
び20により吊下げて降下させることにより、鋳型部分上
に配置される。各アーム9,10の前記一端はそのアームの
前記他端31,32から見て鋳型部分2,6の移送方向の縦中心
線CLの反対側の鋳型部分の側面12,13と前記縦中心線CL
との間の位置において、即ち前記他端から見て前記縦中
心線CLを越えた位置においておもり１に対して枢着され
ている。かくして、鋳型部分2,6の幅に対して長いアー
ムが得られるので、型締板4,5の重量により鋳型部分の
側面12および13に対し高い締付力が得られる。

第２図において、本発明の装置は移送装置８上に鋳型部
分2,6が配置されてない場合の位置において示されてい
る。この位置では、突出部分14,15がパレット８から突
出した作動位置にあり、型締板4,5の底面の突起23,24が
パレット８の基部の突出部分15および14の対応する凹陥
部27および28内に収容されている。好ましい構成では、
この突出部分14および15は前記作動位置からパレット８
に隠ぺいされた休止位置（第２図に点線で示す）へ回転
させることができ、ここでは移送装置８内にかくれて突
出してないので一連の鋳型に沿って作業する作業員のじ
ゃまにならない。本発明の装置は、第２図に示した状態
でパレット８によって工場内至る所に移送できる。型締
板４および５は植込みボルト20および21によって公知の
ごとく吊上げる吊上げ金具によってパレットの突出部分
14および15上に乗せたり取外したりされる。

第３図では、本発明の装置は上から見た状態で示され、
Ｌ字形アーム9,10の前記一端が他端から見て縦中心線CL
を越えた位置においておもり１に対して枢着されるこ
と、およびＬ字形アーム9,10のおもり１に対する枢着部
16,17が、第３図において左側のアーム9,10の対につい
て示すように水平面内で（第２図をも参照）互いに隣
接、対向して配置され、Ｌ字形アーム9,10の他の部分は
鋳型部分2,6をその移送方向に対して直角に通る垂直横
断面内に位置することを示している。このようにアーム
9,10のおもり１への枢着部16,17を互い違いに構成し、
他の部分は同一垂直横断面内に位置させることで、鋳型
の砂面のおもり１およびアーム9,10によって覆われてい
ない全部分にわたって湯口を符号22で示すようにうまく
分布して配置することができる。即ち、上型２の面に均
等に分布して配置された全部で七つの比較的大きな湯口
を配置することが可能である。図示の実施例ではＬ字形
アーム9,10の自由端の枢着は、この自由端のベアリング
によって支持されかつブラケットに結合された植込みボ
ルトによって行われている。第３図には、吊上げ金具用
の植込みボルト20および21も示されている。

第４図は本装置の側面図である。水平分割面を符号18で
示す。ベースプレート30上にはおもり29がねじ33によっ
て着脱自在に装着されており、鋳型に応じて（例えば鋳
型空隙部の大きさに応じて）適当な重量のおもり29に取
換えることができるようになっている。

第５図は水平分割面18のところで互いに重ねられた三対
の鋳型部分２および６の側面図である。鋳型部分2,6の
端面31は互いに直接対接し、パレット８は鋳型部分2,6
より短いことに注目することが重要である。パレット８
はコンベヤで支えられており、このコンベヤは第５図で
はローラコンベヤであって、そのローラ25のみが示され
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は水平分割面で合わされた二つの砂鋳型部分上に
配置された本発明装置の断面図、第２図は砂鋳型を省い
た第１図と同様の断面図、第３図は本発明装置の部分断
面平面図、第４図は第１図の側面図、第５図は本発明装
置と共に移送装置に乗せた隣接する三対の鋳型の側面図
である。 なお図において、符号１はおもり、２は上型、３は上型
の上面、4,5は型締板、６は下型、８は移送装置、9,10
はＬ字形アーム、CLは縦中心線、12,13は型締板と対向
する側面、14,15は突出部分、23,24は突起、27,28は凹
陥部、29はおもり、30はベースプレートである。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平らな底面を有し、上型（２）の頂面
   （３）と対接するようにしたおもり（１）と、閉じた鋳
   型部分（2,6）の各側面（12,13）に対接する型締板（4,
   5）とを含み、下型（６）の底面（７）が移送装置
   （８）上に載置されるようにした、水平分割面（18）を
   有する無ボックス砂鋳型部分（2,6）を、鋳込み、凝固
   および冷却の間、加重し、横方向支持する装置におい
   て、それぞれ一端が前記おもり（１）に対して枢着され
   他端が対応する型締板（4,5）に枢着されたほぼＬ字形
   のアーム（9,10）を備え、これらの各アームの前記一端
   はそのアームの前記他端から見て前記鋳型部分の移送方
   向の縦中心線（CL）の反対側の前記鋳型部分の側面（1
   2,13）と前記縦中心線（CL）との間の位置において前記
   おもり（１）に対して枢着し、前記アーム（9,10）の前
   記おもり（１）に対する枢着部は水平面内で互いに隣
   接、対向して配置され、前記アーム（9,10）の他の部分
   は前記鋳型部分（2,6）を前記移送方向に対して直角に
   通る同じ垂直横断面内に位置させたことを特徴とする無
   ボックス砂鋳型部分の加重および横方向支持装置。
2. 【請求項２】移送装置（８）は鋳型部分（2,6）が移送
   装置（８）に載置されない場合、型締板（4,5）に対し
   て支持面となりうる突出部分（14,15）を有することを
   特徴とする請求項１に記載の無ボックス砂鋳型部分の加
   重および横方向支持装置。
3. 【請求項３】突出部分（14,15）が型締板（4,5）の底面
   に設けられた対応する突起（23,24）を受止めるための
   凹陥部（27,28）を有することを特徴とする請求項２に
   記載の無ボックス砂鋳型部分の加重および横方向支持装
   置。
4. 【請求項４】突出部分（14,15）は移送装置（８）に隠
   ぺいされた休止位置と移送装置（８）から突出した作動
   位置との間に可動であることを特徴とする請求項２また
   は３に記載の無ボックス砂鋳型部分の加重および横方向
   支持装置。
5. 【請求項５】型締板（4,5）の重量が、ベースプレート
   に着脱自在におもりユニット（29）を取付けることによ
   って調整可能とされていることを特徴とする請求項１に
   記載の無ボックス砂鋳型部分の加重および横方向支持装
   置。