JPS647013Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は注湯済の縦型鋳型に対して鋳造品と鋳
物砂とを分離する装置に関する。

一般に、注湯済の縦型鋳型を鋳造品と鋳物砂に
分離するには、弾性体に支持された網目状のグレ
ート上面に、注湯済鋳型を載せ、その振動作用に
よつて鋳型を破壊し鋳造品と鋳物砂を分離する
か、或いは内面に網を張設してなる回転筒体に投
入してこの筒体の回転によつて鋳型を破壊し鋳造
品と鋳物砂を分離し、鋳造品の取り出し及び鋳物
砂の砂回収を行うようにしていた。

しかし、これによると鋳造品に傷とか打跡、曲
り等の問題が発生していた。

本考案はこれらの問題点を解決することを目的
とするものである。

以下に、本考案の構成を実施例に基づき説明す
る。１は間歇移動可能な鋳型搬送コンベヤで、こ
の鋳型搬送コンベヤ１上には、注湯済の縦型鋳型
２が隣接して並べられている。３は鋳型搬送コン
ベヤ１の終端部上方に設置されたクランプ装置
で、これは台フレーム４の下面に枢支されたクラ
ンプシリンダ５と、そのピストンロツド５ａの先
端に連結ロツド６、連結板７及び連結リンク８を
介して中間部を回動自在に連結されて基端側を台
フレーム４の下面に支持部材９を介して回動自在
に枢支された１対のクランプ爪１０と、から構成
されていて、クランプシリンダ５の作動によりク
ランプ爪１０が閉じられて縦型鋳型２内の鋳造品
１１が湯口部１１ａを介して挾持されるようにな
つている。１２は鋳型搬送コンベヤ１の終端部下
面に取り付けられた支持ブラケツトで、この支持
ブラケツト１２には、支軸１３が回転自在に支持
され該支軸１３には、鋳型支持板１４が固着され
るとともに反転シリンダ１５のピストンロツド１
５ａがリンク１６を介して連結されていて、反転
シリンダ１５の作動により、鋳型支持板１４は支
軸１３を中心にして水平面内から下降回動される
ようになつている。１７は鋳型搬送コンベヤ１の
終端部前方に設置された基台フレームで、この基
台フレーム１７の上面には、支軸受け１８が前後
方向に所定間隔を保つて設置されていて、各支軸
受け１８には支軸１９が回転自在に枢支されると
ともに各支軸１９にはそれぞれローラ２０が固着
され、また、各支軸１９の端部には、先端部にロ
ーラ２１を回転自在に枢支したリンク２２の中間
部が固着されていて、該リンク２２は基端部を連
結棒２３によつてそれぞれ回動自在に連結されて
おり、また、ローラ２１上面には、左右に所定間
隔を設けて２列平行に並べた縦に幅の広い板材の
両端部を連結材で接続した形状のウオーキングビ
ーム２４が移動自在に支持され該ウオーキングビ
ーム２４の下面には、基台フレーム１７上面に支
持ブラケツト２５により回動自在に支持された横
行シリンダ２６のピストンロツド２６ａが連結部
材２７を介して回動自在に連結されていて、該横
行シリンダ２６の作動により、ウオーキングビー
ム２４はローラ２１上面を走行移動されるように
なつている。また、基礎上に敷設された図示され
ない支持フレーム上面には、昇降シリンダ２８が
シリンダブラケツト２９を介して回動自在に支持
されていて、そのピストンロツド２８ａの先端に
は、前記連結棒２３が接続され、昇降シリンダ２
８の作動により、ローラ２１は支軸１９を中心に
連結棒２３、リンク２２を介して上・下回動さ
れ、ウオーキングビーム２４を上・下動できるよ
うになつている。

また、ウオーキングビーム２４の台枠内部にお
ける空間部には、前後方向に所定間隔を設けて製
品支持台３０が複数個配置してあつて、該製品支
持台３０は基台フレーム１７上から立設された支
持脚３０ａに支持され、そして該製品支持台３０
の上面高さは、ウオーキングビーム２４の下降位
置における上端面よりも若干高く、また上昇位置
における上端面よりも若干低くなるように設定し
てある。このように上・下、左・右に移動可能な
ウオーキングビーム２４と、ウオーキングビーム
２４の内部空間部に配置された製品支持台３０等
によつてその主要部を構成されたウオーキング装
置３１の下方には、砂搬送振動コンベヤ３２が前
後方向に延長して敷設されている。

このように構成されたものは、ウオーキングビ
ーム２４が後退、下降した第１図の状態におい
て、注湯済の縦型鋳型２が鋳型搬送コンベヤ１上
を１個ずつ間歇移動されてきて前端部の縦型鋳型
２が鋳型支持板１４上に載置されると、クランプ
シリンダ５が作動されてクランプ爪１０が閉じら
れ、前端部と、その後の縦型鋳型２と、で保持さ
れた鋳造品１１の湯口部１１ａはクランプ爪１０
によつて挾持される。すると、反転シリンダ１５
が作動され、鋳型支持板１４が第１図の状態から
下降回動され鋳型支持板１４上面の砂型が砂搬送
振動コンベヤ３２上に投下される。次いで、横行
シリンダ２６が作動され、ウオーキングビーム２
４が製品支持台３０の１ピツチ、間隔分だけ前進
移動されてウオーキングビーム２４の先端部が鋳
型搬送コンベヤ１の終端部に近接されるとともに
昇降シリンダ２８が作動され、ローラ２１が支軸
１９を中心に連結棒２３、リンク２２を介して上
昇回動されウオーキングビーム２４が製品支持台
３０の上方位置まで持上げられてウオーキングビ
ーム２４の上端面が鋳型搬送コンベヤ１の搬送面
と略同一高さにされ、製品支持台３０上の鋳造品
１１はウオーキングビーム２４上に移し替えられ
る。この状態において、クランプシリンダ５が逆
作動され、挾持状態から解除されると、鋳造品２
は縦型鋳型２面から前方に倒れ込み、ウオーキン
グビーム２４上に受け止められる。と同時に横行
シリンダ２６が逆作動され、ウオーキングビーム
２４が製品支持台３０の１ピツチ、間隔分だけ後
退移動され、ウオーキングビーム２４上に受け止
められた前記鋳造品１１は最初の製品支持台３０
上方に、また最初の製品支持台３０上に載置され
ていた鋳造品１１は次の第２番目の製品支持台３
０上方に、そしてこの２番目の製品支持台３０に
載置されていた鋳造品１１は第３番目の製品支持
台３０上方に、それぞれ１ピツチずつ後退移動さ
れる。次いで、昇降シリンダ２８が逆作動され、
ウオーキングビーム２４が下降されウオーキング
ビーム２４上の鋳造品１１はそれぞれ製品支持台
３０上面に移し替えられる。なお、最終の製品支
持台３０上に載置されていた鋳造品１１は図示さ
れない製品取り出し装置によつて取り出される。
また、砂搬送振動コンベヤ３２のグレート上面に
投下された砂型は振動作用によつて鉄片等から分
離されて鋳砂のみ回収され、再使用される。その
後、反転シリンダ１５が逆作動され、鋳型支持板
１４は上昇回動され、元の第１図の状態に戻され
る。そして、再び前記操作が繰返される。

以上の説明によつて明らかなように、本考案に
よれば注湯済縦型鋳型から鋳造品を取り出して砂
型と分離する際、鋳造品に傷や打痕がついたり、
或いは曲つたりすることもなく、能率的に鋳造品
と鋳物砂を分離することができるなどいろいろ優
れた効果を有し、この種の業界に寄与する効果は
極めて著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
はクランプ装置３部分の拡大側面図である。 １：鋳型搬送コンベヤ、２：縦型鋳型、３：ク
ランプ装置、１１：鋳造品、１１ａ：湯口部、１
４：鋳型支持板、２４：ウオーキングビーム、３
０：製品支持台、３１：ウオーキング装置、３
２：砂搬送振動コンベヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦型鋳型２を載置して間歇移動可能に設けられ
   た鋳型搬送コンベヤ１と、この鋳型搬送コンベヤ
   １の終端部上方に固定して設けられて縦型鋳型２
   内に保持された鋳造品１１の湯口部１１ａ又は押
   湯部を挾持可能なクランプ装置３と、鋳型搬送コ
   ンベヤ１の終端部前面に設けられて水平面内から
   下方に回動可能に設けられた鋳型支持板１４と、
   鋳型搬送コンベヤ１の前方に設置されて上・下、
   左・右に移動可能なウオーキングビーム２４と、
   このウオーキングビーム２４に沿つて配置されて
   上端面がウオーキングビーム２４の下降位置より
   高く、上昇位置より低くなるように形成された製
   品支持台３０と、この製品支持台３０とウオーキ
   ングビーム２４から成るウオーキング装置３１の
   下方に設けられた砂搬送振動コンベヤ３２と、を
   具備して成る縦型鋳型における鋳造品と鋳物砂の
   分離装置。