JPH07124851A - 自動加工システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】１つの加工ステーションの下流側の工作機械に
ワークを効率よく供給するための追い越し手段を簡単に
することにより低廉化する。 【構成】同一機能を有する複数の工作機械２，５からな
る加工ステーション１，４を含む複数の加工ステーショ
ンと、上流側の加工ステーション１，４から下流側の加
工ステーション１，４へパレットを搬送するための搬送
手段３と、各加工ステーション１，４に属する工作機械
２，５側の加工済みパレットと搬送手段３側の未加工パ
レットとを交換するためのパレットチェンジャー７と、
搬送手段３が形成する搬送面から未加工パレットを一時
的に待避させるための待避手段８とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、多数のマシニングセン
タ等工作機械を設備した自動加工システムに関する。更
に詳しくは、同一機能を有する複数の工作機械からなる
加工ステーションを含む複数の加工ステーションで順次
に必要な加工を自動的に行う加工システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動加工システムには、ワーク（被加工
物）の流れを形成するワーク搬送手段により上流側から
下流側へ接続される複数の加工ステーションから構成さ
れているものがある。また、１つの加工ステーションは
同一加工機能を備える複数の工作機械から構成されてい
る。上流側の加工ステーションで同一種類の加工たとえ
ば第一工程の加工が施された各ワークは、下流側の加工
ステーションに搬送される。この下流側の加工ステーシ
ョンで各ワークは、上流側の加工ステーションの加工と
は異なる種類の第二工程の加工が施される。さらに下流
側の加工ステーションでその他の加工が施される。

【０００３】このような自動加工システムに自由度を持
たせる試みが古くから行われている。自由度を与えられ
たトランスファーマシンの１つの加工ステーションを構
成している複数のＮＣ工作機械は同一加工機能を有して
いるが、ワーク搬出入のタイミング等で加工開始時間、
加工完了時間は必ずしも一致しない。このため、同一加
工ステーション内で上流側の加工済みワークを下流側の
未加工ワークの待機位置の上流側で待機させねばならな
い場合が生じる。このような待機により生じる待ち時間
は加工システムの稼働率を低下させることになる。そこ
で、下流側の未加工待機ワークを追い越して上流側の加
工済ワークを下流側へ搬送させるための追い越し手段
が、この種の自動加工システムに設けられている。

【０００４】従来、このような追い越し可能な手段とし
て、特開平３−１４２１５０号に示されるように、搬送
路が搬入側搬送路と搬出側搬送路との複数搬送路に構成
されたものが知られている。このような複数搬送路によ
ると、設備が増大するだけでなく、複数搬送路と工作機
械との間でワークを搬出入するため移載手段が必要であ
り、また、このような移載手段の構成が複雑になる。こ
のため、設備費の増大を招いている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上述のよう
な技術背景のもとになされたものであり、下記目的を達
成する。

【０００６】この発明の目的は、１つの加工ステーショ
ンの下流側の工作機械にワークを効率よく供給するため
の手段を簡素な構成にすることにより低廉化した自動加
工システムを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するため、次の手段を採る。

【０００８】この発明の自動加工システムは、同一機能
を有する複数の工作機械（２，５）からなる加工ステー
ション（１，４）を含む複数の加工ステーション（１，
４）と、上流側の前記加工ステーション（１）から下流
側の前記加工ステーション（４）へパレットを搬送する
ための搬送手段（３）と、前記各加工ステーション
（１，４）に属する前記工作機械（２，５）と前記搬送
手段（３）との間で前記パレットを移載するために前記
各工作機械（２，５）に対応させてそれぞれに設けたパ
レットチェンジャー（７）と、このパレットチェンジャ
（７）の上流側近傍に設けられ前記搬送手段（３）に待
機しているパレットを前記搬送手段（３）が形成する搬
送面から一時的に待避させるための待避手段（８）とか
らなる。

【０００９】

【作用】この発明の自動加工システムは、１つの加工ス
テーションを構成する複数の工作機械のうちの１つの工
作機械によるワークのパレットの加工が完了すると、こ
の加工完了ワークは、搬送手段上に移載される。このよ
うに搬送手段上に移載されたパレットは、搬送手段上で
下流に流れる。このとき、下流側の工作機械により加工
を受けるため待機しているワークのパレットは、待避手
段により搬送手段の搬送路から待避している。前記加工
済パレットは、前記待機位置のパレットを追い越して、
下流側へ流れ下流側の加工ステーションへと搬送され
る。

【００１０】

【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図１は、
本発明の自動加工システムの実施例を示す平面図であ
る。自動加工システムは複数の加工ステーション（図１
には第１、第２加工ステーション１，４のみが示されて
いる。）を含んでいる。図１に示す第１加工ステーショ
ン１は３台のマシニングセンタ２ａ，２ｂ，２ｃから構
成されている。３台のマシニングセンタ２ａ，２ｂ，２
ｃは同一の機械仕様、加工能力を備えている。第１、第
２…加工ステーション１，４の前面側にその前面から距
離をおいて搬送手段としてローラコンベア３が設けられ
ている。ローラコンベア３の流れ方向は、図中に矢印で
示している。

【００１１】第２加工ステーション４も複数のマシニン
グセンタ５から構成されている（図は１台のみを示して
いる）。この第２加工ステーション４の複数のマシニン
グセンタ５も同一の機械仕様、加工能力を有している
が、この機械仕様、加工能力は第１加工ステーション１
のマシニングセンタ２ａ，２ｂ，２ｃの加工機能とは異
なっていてもよい。同様に下流側に図示しない第３、第
４の加工ステーションが設けられている。

【００１２】ローラコンベア３は、これが直線に形成さ
れている場合は、互いに平行な回転軸を持つ多数のロー
ラ６により構成されており、各ローラ６の一端または両
端にはスプロケット６ａ，１６ａ（図２参照）が取り付
けられている。スプロケット６ａはチェイン６ｂによ
り、スプロケット１６ａはチェイン１６ｂにより接続さ
れ、全ローラ６は同期して回転駆動される。

【００１３】ローラコンベア３と各マシニングセンタ２
ａ，２ｂ，２ｃとの間、ローラコンベア３と各マシニン
グセンタ５との間には、移載手段としての旋回式のパレ
ットチェンジャー７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄが設けられて
いる。このパレットチェンジャー７ａ，７ｂ，７ｃ，７
ｄは、たとえば特開平４−３５８３０号に示されており
公知であるので詳しくは説明しないが、簡単にその構成
を説明すると、１８０度ことなる２位置間で回転する１
つの鉛直向きの旋回軸１７ａと、この旋回軸１７ａに取
り付けられたパレット交換アーム１７ｂと、前記回転軸
を上下動作させてパレット交換アーム１７ｂを昇降させ
る昇降駆動機構と、前記昇降駆動機構とともに旋回軸１
７ａをローラコンベア３の流れ方向に直交する向きに往
復動させる往復駆動機構とから構成されている。

【００１４】このパレット交換アーム１７ｂは、昇降動
作、１８０度旋回動作、往復動作をの組み合わた動作の
繰り返し行うことにより、マシニングセンタ２ａ，２
ｂ，２ｃ及びマシニングセンタ５により所定の加工が行
われた加工済みワークを保持するパレット（加工済みワ
ークを保持するパレットを以下加工済パレットＰ´とい
う）とローラコンベア３側に待機して、この工程の加工
がおこなわれていない未加工ワークを保持するパレット
（未加工ワークを保持するパレットを以下未加工パレッ
トＰという）とを交換することができる。

【００１５】前記第１加工ステーション１の３台のマシ
ニングセンタ２の内の下流側の２台のマシニングセンタ
２ｂ，２ｃに対応する２台のパレットチェンジャー７
ｂ，７ｃの少し上流側のそれぞれ各位置に、上流側加工
済パレットＰ´がローラコンベア３上でより下流側に流
れて行くことができるように、ローラコンベア３上から
下流側の未加工パレットＰを待避させるための待避手段
８が設けられている。図２，３は、この待避手段８を示
している。ローラコンベア３の側方に支柱１０が立設さ
れている。支柱１０には、互いに平行な一対の案内レー
ル１１が鉛直方向に固定されている。

【００１６】各案内レール１１にはそれぞれ２つのリニ
アベアリング１２が設けられ、これらのリニアベアリン
グ１２は昇降台１３に固定されている。昇降台１３は支
柱１０に固定された油圧シリンダ１４により上下方向に
駆動される。昇降台１３は左右２本の支持アーム１５を
有する。支持アーム１５の所定位置の上面にパレットＰ
が載置される。

【００１７】このように待避手段８は、支柱１０、２体
の案内レール１１、リニアベアリング１２、支持アーム
１５を有する昇降台１３、油圧シリンダ１４により構成
されている。待避手段８が設けられている所のローラコ
ンベア３は、次のような構成になっている。すなわち、
待避手段８近傍のローラコンベア３のスプロケット１６
ａ、このスプロケットを駆動するチェーン１６ｂは、他
の位置のローラコンベア３のスプロケット６ａ、チェー
ン６ｂと反対側に設けられており、ローラ６´を介して
回転駆動力が伝達されている。また、ローラコンベア３
を支持する架台３０ａ，３０ｂのうち、支柱１０側の架
台３０ｂの上部には、支持アーム１５が移動可能な凹部
３１が設けられている。

【００１８】したがって、待避手段８の支持アーム１５
は、ローラコンベア３のローラ６間および凹部３０ｂを
介して、ローラコンベア３が形成する搬送面の上下に昇
降することができる。

【００１９】待避手段８の昇降台１３が昇降する領域の
すぐ下流側に、ローラコンベア３が形成する搬送面の上
方に図示しないシリンダにより突出する第１のストッパ
２０ｂ，２０ｃが出沿自在に設けられている（図１に第
１のストッパ２０の突出位置を示している）。この第１
のストッパ２０によりローラコンベア１６上を流される
この工程の未加工パレットＰの待機位置が定められる。
図２に示されるように、パレットＰの搬送方向両端に係
合部２１が設けられ、昇降台１３の支持アーム１５は、
第１のストッパ２０ｂ，２０ｃにより待機位置に位置決
めされた未加工パレットＰの係合部２１を支持して未加
工パレットＰを昇降させることができる。第２のストッ
パ２５ａ，２５ｂ，２５ｃ，２５ｄが、全てのパレット
チェンジャー７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄに対応して出沿自
在に設けられている。第２のストッパ２５は、前記パレ
ットチェンジャー７によるパレット交換のための未加工
パレットＰ等の交換位置の位置決め機能を有している。

【００２０】第１ステーション１の上流側には、図示し
ない段取りステーションが設けられている。このステー
ションでは、加工済パレットＰのワークすなわち、この
加工システムの全工程の加工を終了したワークをそのパ
レット上からアンクランプ・アンローディングし、その
パレットの洗浄を行った後に、新しい未加工ワークを洗
浄済パレットにローディング・クランプする。第１ステ
ーション１の下流側の最終の加工ステーションには計測
ステーションが設けられている。このステーションで加
工済ワークの計測・検査が行われる。

【００２１】（実施例１の動作）次に、前記実施例１の
動作を説明する。段取りステーションで新しいワークが
ローディング・クランプされたパレットＰは、未加工パ
レットＰとしてローラコンベア３により第１ステーショ
ン１の方に搬送される。第１ステーション１のマシニン
グセンタ２ａに対応する第２のストッパ２５ａが搬送面
上に突出することにより、ローラコンベア３上の未加工
パレットＰはマシニングセンタ２ａにパレットを搬出入
するための所定の位置に停止する。パレットチェンジャ
ー７ａにより、ローラコンベア３上の未加工パレットＰ
は、マシニングセンタ２ａに移載される。

【００２２】また、順次、搬送された未加工パレットＰ
も、第２のストッパ２５ｂ，２５ｃが搬送面上に突出す
ることにより停止させられ、パレットチェンジャー７
ｂ，７ｃによりマシニングセンタ２ｂ，２ｃに移載され
る。このように、移載された未加工パレットＰのワーク
に所定の加工行われる。この加工中に、マシニングセン
タ２ｂ，２ｃの待機位置に未加工パレットＰがない場合
には次の未加工パレットＰがローラコンベア３上搬送さ
れるを搬送された未加工パレットＰは第１のストッパ２
０ｂ，２０ｃが搬送面上に突出することにより位置決め
されて停止する。マシニングセンタ２ｂ，２ｃの待機位
置に未加工パレットＰが待機している場合には、上流の
ステーションのストッパの出没動作の操作により未加工
パットＰは搬送されてこない。

【００２３】マシニングセンタ２ｃの加工が終了した場
合には、マシニングセンタ２ｃは、システム制御装置
（図示せず）に、加工済パレットＰ´の搬出、未加工パ
レットＰの搬入の要求を出す。第１のストッパ２０ｃが
搬送面下に没入して未加工パレットＰがローラコンベア
３上を搬送され、第１のストッパ２５ｃの搬送面上への
突出により位置決めされて停止する。パレットチェンジ
ャー７ｃにより加工済パレットＰ´と未加工パレットが
交換される。マシニングセンタ２ｃは、未加工パレット
Ｐの加工を開始する。

【００２４】加工済パレットＰ´は下流の次工程の工作
機械の待機位置が空いたとき、または、次工程の一番上
流の工作機械が搬入要求を出したときにストッパ２５ｃ
を搬送面下に没入させて下流側に搬送させる。マシニン
グセンタ２ａ，２ｂについても同様の交換動作、第１の
ストッパ２０ｂの出没動作、第２のストッパ２５ｂ，２
５ａの出没動作の制御が行われる。

【００２５】マシニングセンタ２ｃの待機位置に未加工
パレットＰが待機しているときに、マシニングセンタ２
ａまたはマシニングセンタ２ｂで加工の終了した加工済
パレットＰ´が次工程に搬送される場合が生じることが
ある。このとき、マシニングセンタ２ｃの待機位置にあ
る未加工パレットＰは待機手段８ｃによって上昇し、加
工済パレットＰ´の下流への搬送を可能とする。すなわ
ち、シリンダ１４により昇降台１３、支持アーム１５を
上昇させ、未加工パレットＰの係合部２１を支持して持
ち上げるのである。そして、第１のストッパ２０ｃ、第
２のストッパ２５ｃを搬送面下に没入させて、加工済パ
レットＰ´が通過させた後、待機手段８ｃは未加工パレ
ットＰをローラコンベア３上に載置するとともに、第１
のストッパ２０ｃ、第２のストッパ２５ｃを搬送面上に
突出させて元の待機状態に戻る。このような待避手段に
よる未加工パレットを加工済パレットが追い越す動作
は、各加工ステーション内で行われる。

【００２６】

【発明の効果】この発明によると、次の効果が奏され
る。パレットを追い越し動作させる手段を簡素な構成に
したので低廉化できるとともに、信頼性向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の自動加工システムの実施例１
を示し、平面図である。

【図２】図２は、待避手段の平面図である。

【図３】図３は、図２の側面図である。

【符号の説明】

１…第１加工ステーション ２…マシニングセンタ ３…ローラコンベア ４…第２加工ステーション ５…マシニングセンタ ６…ローラコンベア ７…パレットチェンジャー ８…待避手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】同一機能を有する複数の工作機械（２，
   ５）からなる加工ステーション（１，４）を含む複数の
   加工ステーション（１，４）と、 上流側の前記加工ステーション（１）から下流側の前記
   加工ステーション（４）へパレットを搬送するための搬
   送手段（３）と、 前記各加工ステーション（１，４）に属する前記工作機
   械（２，５）と前記搬送手段（３）との間で前記パレッ
   トを移載するために前記各工作機械（２，５）に対応さ
   せてそれぞれに設けたパレットチェンジャー（７）と、 このパレットチェンジャ（７）の上流側近傍に設けられ
   前記搬送手段（３）に待機しているパレットを前記搬送
   手段（３）が形成する搬送面から一時的に待避させるた
   めの待避手段（８）とからなることを特徴とする自動加
   工システム。