JPH0712332B2 - 飲料製造機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明はサイホン式の飲料製造機に関する。

［発明の技術的背景］ 従来より、この種サイホン式の飲料製造機としてはコー
ヒー製造機が周知である。第５図はその従来のサイホン
式コーヒー製造機を示したもので、図中１はハンドル部
２を有する基体であり、この基体１上に保持具３を設け
ている。又、４は下部容器、５は通水管６及びフィルタ
７を有する上部容器で、この上部容器５にコーヒー粉を
入れ、一方、下部容器４にはコーヒー粉の量に合った適
量の水を入れて、該下部容器４を保持具３に保持せし
め、次いで上部容器５を下部容器４に結合せしめて同様
に保持するようにすると共に前記通水管６及びフィルタ
７を通じて該上部容器５が下部容器４と連通するように
する。そしてこの状態で下部容器４の下方にヒータ８を
置き、それを発熱させて下部容器４内の水を加熱する。
すると、やがて下部容器４内の水が沸騰し蒸気を発生し
てその蒸気圧を漸次高めるから、それが一定以上の圧力
に達したところで下部容器４内の湯がその蒸気圧により
通水管６及びフィルタ７を通じて上部容器５内に揚げら
れコーヒー粉と混じり合ってコーヒー液ができる。而し
てこの後、ヒータ８への通電を断ってその発熱を停止さ
せると、該下部容器４が冷めることにより内部の蒸気圧
が降下して真空作用を起こし、これに基づいて上部容器
５内のコーヒー液がフィルタ７及び通水管６を通じて下
部容器４内に至らしめられる。そこでその後、下部容器
４から上部容器５を取去って基体１のハンドル部２を持
ち該基体１と共に下部容器４を傾けてコーヒー液をコー
ヒーカップに移し入れれば良い。

［背景技術の問題点］ 上記従来のものの場合、下部容器４内から上部容器５内
へ湯が揚げられ即ち移送された後にヒータ８への通電を
断ってその発熱を停止させるということを使用者がその
手で逐一行なわなければならず、面倒であった。又、そ
のために使用者はヒータ８による下部容器４の加熱が開
始されてから以後コーヒー製造機の傍に付きっ切りで居
なければならず、不便であった。更に、上述のヒータ８
の断電操作は下部容器４内から上部容器５内へ湯が移送
された後所定のタイミングを見計らって行なわなければ
ならないが、人手に任せるため、まちまちで、コーヒー
液の味が一定しないという問題点もあった。

［発明の目的］ 本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従っ
てその目的は、下部容器内から上部容器内へ湯が移送さ
れて後ヒータの発熱を停止させるのに人手を要さず、従
って又使用者を付きっ切りにすることもなくそれがで
き、更にタイミングも一定にてできる上、その下部容器
内から上部容器内への湯の移送の検出と、できたコーヒ
ー液など飲料の再沸騰の防止並びにその後の使用性の確
保とが、より簡単な構造でできる優れた飲料製造機を提
供するにある。

［発明の概要］ 本発明は、ヒータ及び下部容器並びに上部容器を設ける
他に、その上部容器の温度を感知してその感知温度から
上部容器内に下部容器内から湯が移送されたことを検出
してヒータの発熱を停止させるように作動する一つの検
出素子を設けると共に、その検出素子を非自動復帰形と
して、その復帰が全体の始動操作に基づいて行なわれる
ようにし、以てそのヒータの発熱の停止が自動的にしか
も現実に即して行なわれるようにすると共に、その下部
容器内から上部容器内への湯の移送の検出と、ヒータの
自動再加熱の防止並びにその任意発熱の実行とが一つの
検出素子でできるようにしたことを特徴とするものであ
る。

［発明の実施例］ 以下本発明をコーヒー製造機に適用した一実施例につき
第１図乃至第４図を参照して説明する。

先ず第１図に於いて、11は基盤であり、これの上面一側
部（図中右側部）にヒータ12を設けている。又、基盤11
の他側部（図中左側部）上には前後二本の支持柱13,14
を立設し、該支持柱13,14の上端部にモータ15（第４図
参照）を内設したモータケース16を設けている。而して
このモータケース16上には第２図に示す突起17と逆Ｌ字
状溝18との係合によって粉砕ケース19を着脱可能に装着
している。20は粉砕ケース19内に配設したカッタで、モ
ータケース16上に一方側のみを示すカップリング21によ
り該モータケース16に対する粉砕ケース19の装着状態で
上記モータ15と連結されている。22は粉砕ケース19の周
壁面部の一部に設けたフィルタ、23はフィルタ22を介し
て粉砕ケース19内と通じたコーヒー粉ガイドで、このコ
ーヒー粉ガイド23の外側端には上部容器蓋24を一体に設
けている。尚、25は粉砕ケース19の蓋で、その外周部に
設けた突起26と粉砕ケース19の内周面部に設けた凹部27
との係合によって粉砕ケース19の上面開口部に着脱可能
に装着されている。更に、第１図中28は前記モータケー
ス16の側方に並設した操作ボックスで、これに摘み29を
操作子とするタイマー30（第４図参照）を設けている。

これに対して一方、31は容器支えで、前記基盤11の一側
部を囲うような馬蹄形を成し、その上方には把手32を立
設し、そしてこの把手32の上端部に保持具33を設けてい
る。ここで、保持具33は詳細には逆Ｌ字状の保持アーム
34とその先端部に開度調節可能に設けたΩ状の保持主部
35とから成り、その保持アーム34の垂直状を成す基部を
前記把手32の上端部に挿着している。36は下部容器で、
下部が広がった有底の例えば耐熱ガラス容器から成り、
その上端の口部を上記保持具33特にこれの保持主部35に
嵌合させて保持せしめている。これに対して37は上部容
器で、これも例えば耐熱ガラス容器から成り、その底部
略中央にはフィルタ38を設けていて、更にそこからは通
水管39を下方に延設し、該通水管39の下端部に掛止させ
たスプリング40によって上記フィルタ38の固定をしてい
る。而して又、この上部容器37の首部である通水管39と
の連接部分にはパッキン41を設けていて、通水管39を下
部容器36内に挿入しつつこのパッキン41を下部容器36の
口部に圧入することにより、上部容器37を下部容器36上
に設け、同時にその下部容器36を介して上部容器37を前
記保持具33に保持せしめている。

そして更に、42は第３図に示すように前記モータケース
16の中でも上記上部容器37と対応する箇所に突設した筒
部で、ここに検出素子である例えばサーモスタット43を
収納固定し、カバー44を被着している。又、サーモスタ
ット43は非自動復帰形のものであり、その後方（モータ
ケース６内方）にはその復帰用の操作ロッド45を突出さ
せている。46は操作ロッド45の上方に位置してモータケ
ース16内に配設固定した電磁石で、これの可動鉄片であ
るレバー47は先端部を操作ロッド45にその後方から臨ま
せている。

加えて第４図中、48は図示しない電源コンセントに差込
接続されるプラグである。又、この第４図に示すように
前記タイマー30は第一のタイムスイッチ49と第二のタイ
ムスイッチ50とを有するものにて、更にそれら両タイム
スイッチ49,50を図示しないカム等を介して後述の如く
開閉させる駆動源例えばぜんまいばね（これも図示せ
ず）を有している。而して上記プラグ48には前記モータ
15と前記電磁石46との並列接続回路を第一のタイムスイ
ッチ49を直列に介して接続しており、又、その直列接続
回路と並列に前記ヒータ12をサーモスタット43及び第二
のタイムスイッチ50を直列に介して接続している。

さて、上述の如く構成したものの場合、その使用に当た
っては、先ずプラグ48を図示しない電源コンセントに差
込接続し、次いで粉砕ケース19から蓋25を取って内部に
原料であるコーヒー豆を入れ、その後蓋25を再び装着す
る。一方、保持具33からは下部容器36を引き外し、それ
によって上部容器37をも同時に取外す。その上で上部容
器37を下部容器36から取外し、この取外した下部容器36
内に必要量の水を入れる。然る後、下部容器36に上部容
器37を再び取付け、この上部容器37を取付けた下部容器
36を保持具33に装着せしめて、更に把手32を持ち下部容
器36及び上部容器37を保持具33及び容器支え31ごとモー
タケース16側へ移動させて、上部容器37の上面開口部が
蓋24により覆われ、且つ該上部容器37の側面部がサーモ
スタット43にカバー44を介して接し、更に下部容器36が
ヒータ12の上方に位置するようにセットする。そして次
に摘み29を回動操作してタイマー30をセットする。する
と、最初に第一のタイムスイッチ49が閉成するもので、
それによりモータ15及び電磁石46が通電され、よってモ
ータ15が起動しカップリング21を介して粉砕ケース19内
のカッタ20を回転させる。一方、電磁石46はレバー47を
吸引するもので、吸引されたレバー47はその先端部によ
り操作ロッド45を押しサーモスタット43を復帰即ち作動
待機状態にさせる。而して上記カッタ20の回転により、
粉砕ケース19内ではここに収容されたコーヒー豆が粉砕
されてコーヒー粉と変わり、そのコーヒー粉は逐次フィ
ルタ22を通ってコーヒー粉ガイド23に案内され上部容器
37内に入れられる。そして一定時間後前記第一のタイム
スイッチ49が開放することにより、モータ15が断電され
て停止し、かった20もその回転を停止する。又、ここで
電磁石46もレバー47を解放し、よって該レバー47は先の
操作ロッド45の押圧を解除し該操作ロッド45から離間す
る。然し、サーモスタット43は戻らず上述の作動待機状
態を維持する。そして更に、ここでは上述の第一のタイ
ムスイッチ49に代わり第二のタイムスイッチ50が閉成す
るものであり、従ってそれと作動待機状態にあるサーモ
スタット43とを介してヒータ12が通電され、通電された
ヒータ12は発熱する。よって下部容器36内の水が加熱さ
れてやがて沸騰し、蒸気を発生してその蒸気圧を高め
る。そしてそれが一定以上の圧力に達したところで、下
部容器36内の湯がその蒸気圧により通水管39及びフィル
タ38を通じて上部容器37内に揚げられ即ち移送され、こ
の上部容器37内で先のコーヒー粉と混じり合ってコーヒ
ー液となる。

一方、上述のように下部容器36内から上部容器37内へ湯
が移送されると、該上部容器37の温度はたちまちのうち
に上昇し、その急上昇した上部容器37の温度を感知して
サーモスタット43が作動する。而してこのサーモスタッ
ト43の作動は開放を指し、従ってそれによりヒータ12が
通電を断たれ発熱を停止する。これによって下部容器36
は冷め、その内部の蒸気圧が降下して真空作用を起こす
から、上部容器37内のコーヒー液がフィルタ38及び通水
管39を通じて下部容器36内に落ち該下部容器36内に貯留
される。従ってこの後、把手32を持って下部容器36をヒ
ータ12の上方位置から、又、上部容器37はサーモスタッ
ト43と接した位置から夫々離し、その上で上部容器37を
下部容器36の位置から取去り、そして再び把手32を持ち
下部容器36を傾けてコーヒー液を図示しないコーヒーカ
ップに移し入れれば良い。

このように本実施例によれば、下部容器36内から上部容
器37内へ湯が移送された後にヒータ12の発熱を停止させ
るということをサーモスタット43により自動的に行ない
得るもので、従来のもののように人手を要することはな
く、以て使用者をその操作の面倒から解放することがで
き、同時にコーヒー製造機に付きっ切りになる煩わしさ
からも解放できて、便利ならしめ得る。又この場合、上
記サーモスタット43の作動は、下部容器36内から上部容
器37内に実際に湯が移動されて上部容器37の温度が上昇
したことに応じて行なわれるもので、即ち現実に即して
行なわれ、よって上記ヒータ12の発熱を停止させるタイ
ミングも一定ならしめ得、そのことからコーヒー液の味
も一定にでき、常に美味しく飲用することができる。

加えて、特に上記実施例のものの場合、サーモスタット
43は非自動復帰形であるから、上部容器37内から下部容
器36内へコーヒー液が落ちて上部容器37が冷めても自動
的には復帰せず、従って下部容器36内に貯留されたコー
ヒー液が再びヒータ12により熱せられて沸騰するような
不具合の発生を防止することができる。又、斯様に非自
動復帰形のサーモスタット43にあっても、その復帰はタ
イマー30による始動操作に基づいてその始動のたびに前
述の如くなされるから、使用上の問題を生ずる虞れは一
切ない。しかも、このできたコーヒー液など飲料の再沸
騰の防止並びにその後の使用性の確保と、前記下部容器
36内から上部容器37内への湯の移送の検出とは、サーモ
スタット43ひとつでできるものであり、より簡単な構造
で実現できる。

更に、サーモスタット43は上部容器37の温度を感知して
作動するものであるから、上部容器37内への湯の移送が
直接的に検出でき、該上部容器37内への湯の移送の検出
がより確実にできる。よって、本構成のものの場合、ヒ
ータ12の発熱停止の作動が、上部容器37内への湯の移送
により確実な検出に基づいてできるものであり、それだ
け、より確かな機能が得られ、安全性等の面でも優れた
ものとなすことができる。

但し、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限
定されるものではなく、従ってサーモスタット43の復帰
は前述以外の手段で行なわれるものであっても良いもの
で、その他、全体としてもコーヒー製造機には限られず
例えばお茶を製造するものについても同様に適用して実
施し得る。そしてその何れの飲料製造機にあっても、コ
ーヒー豆など原料を粉砕する機構を必ずしも具えられて
いなくても良く、更にサーモスタット43で例示した検出
素子はサーモスタット以外であっても良い。

［発明の効果］ 以上の記述にて明らかなように本発明によれば、サイホ
ン式の飲料製造機にあって、その下部容器内から上部容
器内へ湯が移送された後にヒータの発熱を停止させると
いうことを検出素子により行なうことができ、よって人
手を要さず、従って又使用者を付きっ切りにさせること
もなくて、大いに便利ならしめ得、更にそのタイミング
も一定にできて飲料の味を一定ならしめ、常に美味しい
飲料を飲用できるという優れた効果を奏し、加えて、下
部容器内から上部容器内への湯の移送の検出と、できた
コーヒー液など飲料の再沸騰の防止並びにその後の使用
性の確保とが、非自動復帰形の検出素子ひとつででき
て、より簡単な構造で実現できると共に、上部容器内へ
の湯の移送がより確実に検出できて、より確かな機能が
得られるという効果をもするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明をコーヒー製造機に適用した
一実施例を示し、第１図はその全体の斜視図、第２図は
コーヒー豆の粉砕をする部分の分解斜視図、第３図は検
出素子が位置する部分の拡大縦断面図、第４図は電気回
路図であり、そして第５図は従来のサイホン式コーヒー
製造機の全体を示した斜視図である。 図中、12はヒータ、30はタイマー、36は下部容器、37は
上部容器、38はフィルタ、39は通水管、43はサーモスタ
ット（検出素子）、45は操作ロッド、46は電磁石、47は
レバーを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒータと、このヒータにより熱せられる貯
   水可能な下部容器と、この下部容器と通水管及びフィル
   タを通じて連通しコーヒー粉等の原料を収容する上部容
   器とを具備すると共に、その上部容器の温度を感知する
   ように設けられその感知温度から上部容器内に前記下部
   容器内から湯が移送されたことを検出して前記ヒータの
   発熱を停止させるように作動する非自動復帰形の一つの
   検出素子とを具備し、その検出素子の復帰が全体の始動
   操作に基づいて行なわれるようにしたことを特徴とする
   飲料製造機。