JPH07122757A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
薄膜トランジスタの製造方法Info
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- JPH07122757A JPH07122757A JP26663593A JP26663593A JPH07122757A JP H07122757 A JPH07122757 A JP H07122757A JP 26663593 A JP26663593 A JP 26663593A JP 26663593 A JP26663593 A JP 26663593A JP H07122757 A JPH07122757 A JP H07122757A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 チャネル領域の多結晶シリコン膜を、酸素に
起因した欠陥が少なく十分に優れた結晶性を有するもの
とする。 【構成】 非単結晶シリコン膜12を形成後、この非単
結晶シリコン膜12の表面が露出した状態で、不活性ガ
スまたは酸化性ガス中で熱処理した多結晶シリコン膜1
3中には、酸素に起因した欠陥が多数存在するが、水素
ガスと不活性ガスとの混合気体または水素ガス中で熱処
理をするので、熱的なアニーリング効果によって結晶中
の欠陥を回復させると同時に、水素がシリコン膜表面の
自然酸化膜を還元して膜表面の酸素濃度を下げ、膜中の
酸素の濃度勾配を大きくし、シリコン膜中の酸素を効率
よく雰囲気中へ外方拡散させ、酸素濃度の小さい多結晶
シリコン膜13cとなる。この多結晶シリコン膜13c
は酸素に起因した欠陥が少なく、優れた結晶性を有して
いる。
起因した欠陥が少なく十分に優れた結晶性を有するもの
とする。 【構成】 非単結晶シリコン膜12を形成後、この非単
結晶シリコン膜12の表面が露出した状態で、不活性ガ
スまたは酸化性ガス中で熱処理した多結晶シリコン膜1
3中には、酸素に起因した欠陥が多数存在するが、水素
ガスと不活性ガスとの混合気体または水素ガス中で熱処
理をするので、熱的なアニーリング効果によって結晶中
の欠陥を回復させると同時に、水素がシリコン膜表面の
自然酸化膜を還元して膜表面の酸素濃度を下げ、膜中の
酸素の濃度勾配を大きくし、シリコン膜中の酸素を効率
よく雰囲気中へ外方拡散させ、酸素濃度の小さい多結晶
シリコン膜13cとなる。この多結晶シリコン膜13c
は酸素に起因した欠陥が少なく、優れた結晶性を有して
いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チャネル領域に多結晶
シリコン膜を用いた薄膜トランジスタの製造方法に関す
る。
シリコン膜を用いた薄膜トランジスタの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、完全CMOS型のSRAM(stat
ic random access memory)におけるメモリセル内の
負荷素子や、ドライバーモノリシック型の液晶ディスプ
レイ(LCD)における絵素のスイッチング素子および
その周辺回路を構成する回路素子等には、チャネル領域
に多結晶シリコン膜を用いた薄膜トランジスタが広く用
いられている。これらの薄膜トランジスタは、メモリセ
ルの負荷用やLCDの駆動用などに用いられるため、移
動度が高いことや、リーク電流が少ないこと等の特性が
要求される。したがって、薄膜トランジスタのチャネル
領域に用いられる多結晶シリコン膜についても、欠陥の
少ない結晶性に優れたものでなければならない。この結
晶性に優れた多結晶シリコン膜を得るために、膜中の欠
陥を低減する方法として、例えば文献(Y.Fukushima,et
al.:Extended Abstracts of the 1993 International
Conference on Solid States Devices and Materials M
kuhari 1993 pp.993-995)に示す製造方法が提案されて
いる。
ic random access memory)におけるメモリセル内の
負荷素子や、ドライバーモノリシック型の液晶ディスプ
レイ(LCD)における絵素のスイッチング素子および
その周辺回路を構成する回路素子等には、チャネル領域
に多結晶シリコン膜を用いた薄膜トランジスタが広く用
いられている。これらの薄膜トランジスタは、メモリセ
ルの負荷用やLCDの駆動用などに用いられるため、移
動度が高いことや、リーク電流が少ないこと等の特性が
要求される。したがって、薄膜トランジスタのチャネル
領域に用いられる多結晶シリコン膜についても、欠陥の
少ない結晶性に優れたものでなければならない。この結
晶性に優れた多結晶シリコン膜を得るために、膜中の欠
陥を低減する方法として、例えば文献(Y.Fukushima,et
al.:Extended Abstracts of the 1993 International
Conference on Solid States Devices and Materials M
kuhari 1993 pp.993-995)に示す製造方法が提案されて
いる。
【0003】この製造方法は、図2のaに示すように、
まず、絶縁性基板1上に、温度450℃の条件でLPC
VD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法に
より、非晶質シリコン膜2を1100オングストローム
堆積する。次に、窒素(N2)ガス中で温度600℃、
20時間の熱処理を行い、図2のbに示すように、非晶
質シリコン膜2を多結晶化させて多結晶シリコン膜3と
する。さらに、酸素(O2)ガス中で、温度1050℃
の熱処理を行い多結晶シリコン膜3中の欠陥を低減す
る。表面に生成したシリコン酸化膜を除去した後、図2
のcに示すように、素子領域をパターンニングした後、
CVD法でシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜(85
0オングストローム)4を形成し、このゲート絶縁膜4
上の一部にゲート電極5を形成する。このゲート電極5
をマスクとして、多結晶シリコン膜3中にリン(p)を
イオン注入することにより、ソースおよびドレイン領域
3a,3bを形成する。
まず、絶縁性基板1上に、温度450℃の条件でLPC
VD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法に
より、非晶質シリコン膜2を1100オングストローム
堆積する。次に、窒素(N2)ガス中で温度600℃、
20時間の熱処理を行い、図2のbに示すように、非晶
質シリコン膜2を多結晶化させて多結晶シリコン膜3と
する。さらに、酸素(O2)ガス中で、温度1050℃
の熱処理を行い多結晶シリコン膜3中の欠陥を低減す
る。表面に生成したシリコン酸化膜を除去した後、図2
のcに示すように、素子領域をパターンニングした後、
CVD法でシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜(85
0オングストローム)4を形成し、このゲート絶縁膜4
上の一部にゲート電極5を形成する。このゲート電極5
をマスクとして、多結晶シリコン膜3中にリン(p)を
イオン注入することにより、ソースおよびドレイン領域
3a,3bを形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の製
造方法では、熱的なアニーリング効果によって結晶中の
欠陥をある程度回復させているにすぎず、成膜時や熱処
理時に多結晶シリコン膜3中に混入した、欠陥の原因と
なる酸素を取り除くことができないので、十分に結晶性
の優れた多結晶シリコン膜3を得ることができないとい
う問題を有していた。
造方法では、熱的なアニーリング効果によって結晶中の
欠陥をある程度回復させているにすぎず、成膜時や熱処
理時に多結晶シリコン膜3中に混入した、欠陥の原因と
なる酸素を取り除くことができないので、十分に結晶性
の優れた多結晶シリコン膜3を得ることができないとい
う問題を有していた。
【0005】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、チャネル領域の多結晶シリコン膜を、酸素に起因し
た欠陥が少なく十分に優れた結晶性を有せしめることが
できる薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目
的とする。
で、チャネル領域の多結晶シリコン膜を、酸素に起因し
た欠陥が少なく十分に優れた結晶性を有せしめることが
できる薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜トランジス
タの製造方法は、チャネル領域に多結晶シリコン膜を用
いた薄膜トランジスタの製造方法であって、非単結晶シ
リコン膜を形成後、該非単結晶シリコン膜表面が露出し
た状態で、水素ガスと不活性ガスとの混合気体または水
素ガス中で熱処理をすることにより、該多結晶シリコン
膜を形成する工程、または、非単結晶シリコン膜を形成
後、該非単結晶シリコン膜表面が露出した状態で、不活
性ガスまたは酸化性ガス中で熱処理をすることにより該
多結晶シリコン膜を形成し、該多結晶シリコン膜表面が
露出した状態で、水素ガスと不活性ガスとの混合気体ま
たは水素ガス中で熱処理をする工程を有するものであ
り、そのことにより上記目的が達成される。
タの製造方法は、チャネル領域に多結晶シリコン膜を用
いた薄膜トランジスタの製造方法であって、非単結晶シ
リコン膜を形成後、該非単結晶シリコン膜表面が露出し
た状態で、水素ガスと不活性ガスとの混合気体または水
素ガス中で熱処理をすることにより、該多結晶シリコン
膜を形成する工程、または、非単結晶シリコン膜を形成
後、該非単結晶シリコン膜表面が露出した状態で、不活
性ガスまたは酸化性ガス中で熱処理をすることにより該
多結晶シリコン膜を形成し、該多結晶シリコン膜表面が
露出した状態で、水素ガスと不活性ガスとの混合気体ま
たは水素ガス中で熱処理をする工程を有するものであ
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0007】
【作用】上記構成により、非単結晶シリコン膜を形成
後、この非単結晶シリコン膜表面が露出した状態で、不
活性ガスまたは酸化性ガス中で熱処理した多結晶シリコ
ン膜中には、酸素に起因した欠陥が多数存在するが、水
素ガスと不活性ガスとの混合気体または水素ガス中で熱
処理をすると、熱的なアニーリング効果によって結晶中
の欠陥が回復すると同時に、水素がシリコン膜表面の自
然酸化膜を還元して膜表面の酸素濃度が下がり膜中の酸
素の濃度勾配が大きくなる。膜中の酸素濃度勾配が大き
くなることにより、シリコン膜中の酸素は効率よく雰囲
気中へ外方拡散して酸素濃度の小さい多結晶シリコン膜
となり、酸素に起因した欠陥が少なく、結晶性に優れ多
結晶シリコン膜となる。また、非単結晶シリコン膜を形
成後、この非単結晶シリコン膜表面が露出した状態で、
直接、水素ガスと不活性ガスとの混合気体または水素ガ
ス中で熱処理をして多結晶シリコン膜を形成しても、同
様に、酸素に起因した欠陥が少なく、結晶性に優れ多結
晶シリコン膜となる。
後、この非単結晶シリコン膜表面が露出した状態で、不
活性ガスまたは酸化性ガス中で熱処理した多結晶シリコ
ン膜中には、酸素に起因した欠陥が多数存在するが、水
素ガスと不活性ガスとの混合気体または水素ガス中で熱
処理をすると、熱的なアニーリング効果によって結晶中
の欠陥が回復すると同時に、水素がシリコン膜表面の自
然酸化膜を還元して膜表面の酸素濃度が下がり膜中の酸
素の濃度勾配が大きくなる。膜中の酸素濃度勾配が大き
くなることにより、シリコン膜中の酸素は効率よく雰囲
気中へ外方拡散して酸素濃度の小さい多結晶シリコン膜
となり、酸素に起因した欠陥が少なく、結晶性に優れ多
結晶シリコン膜となる。また、非単結晶シリコン膜を形
成後、この非単結晶シリコン膜表面が露出した状態で、
直接、水素ガスと不活性ガスとの混合気体または水素ガ
ス中で熱処理をして多結晶シリコン膜を形成しても、同
様に、酸素に起因した欠陥が少なく、結晶性に優れ多結
晶シリコン膜となる。
【0008】
【実施例】本発明の実施例について以下に説明する。
【0009】本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、
図1のaに示すように、まず、絶縁性基板11上に、L
PCVD法により非晶質シリコン膜12を1000オン
グストローム堆積する。条件は以下の通りである。
図1のaに示すように、まず、絶縁性基板11上に、L
PCVD法により非晶質シリコン膜12を1000オン
グストローム堆積する。条件は以下の通りである。
【0010】原料ガス:ジシラン(Si2H6)=100
sccmと希釈ガスとして窒素(N2)=400scc
m,温度:500℃,圧力:50pa 次に、窒素(N2)ガス中で温度600℃、24時間の
熱処理を施して多結晶化させ、図1のbに示すように、
多結晶シリコン膜13とする。
sccmと希釈ガスとして窒素(N2)=400scc
m,温度:500℃,圧力:50pa 次に、窒素(N2)ガス中で温度600℃、24時間の
熱処理を施して多結晶化させ、図1のbに示すように、
多結晶シリコン膜13とする。
【0011】そして、水素(H2)ガス中で温度105
0℃、20時間の熱処理を施す。この処理で、図1のc
に示すように、膜中の酸素濃度5×1016cm-3以下の
多結晶シリコン膜13cとすることができる。
0℃、20時間の熱処理を施す。この処理で、図1のc
に示すように、膜中の酸素濃度5×1016cm-3以下の
多結晶シリコン膜13cとすることができる。
【0012】さらに、図1のdに示すように、素子領域
をパターンニングした後、ゲート絶縁膜14として、膜
厚850オングストロームのシリコン酸化膜(si
o2)をCVD法で堆積する。
をパターンニングした後、ゲート絶縁膜14として、膜
厚850オングストロームのシリコン酸化膜(si
o2)をCVD法で堆積する。
【0013】そして、図1のdに示すように、リンドー
プシリコンでゲート電極15を形成した後、このゲート
電極15をマスクとして、多結晶シリコン膜13c中に
リン(p)を、100kev,1×1015cm-2の条件
でイオン注入することにより、ソースおよびドレイン領
域13a,13bを形成する。
プシリコンでゲート電極15を形成した後、このゲート
電極15をマスクとして、多結晶シリコン膜13c中に
リン(p)を、100kev,1×1015cm-2の条件
でイオン注入することにより、ソースおよびドレイン領
域13a,13bを形成する。
【0014】さらに、図1のeに示すように、層間絶縁
膜16として、膜厚5000オングストロームのシリコ
ン酸化膜(sio2)をCVD法で堆積した後、注入不
純物の活性化のため、窒素(N2)雰囲気中で、温度9
50℃、30分間の熱処理を行う。そして、ソースおよ
びドレイン領域13a,13b上のゲート絶縁膜14に
コンタクト部をそれぞれ開口した後、これら開口部にA
l−1% Siで電極17をそれぞれ形成する。以上によ
り本発明の薄膜トランジスタ18が製造される。 ここ
で、シリコン膜中の酸素を効率よく外方拡散させて酸素
濃度を下げるには、酸素の膜中での拡散速度を上げる必
要があるが、そのためには、 膜表面の酸素濃度を下げて膜中の酸素の濃度勾配を大
きくするか 酸素のシリコン膜中での拡散係数を大きくすればよ
い。
膜16として、膜厚5000オングストロームのシリコ
ン酸化膜(sio2)をCVD法で堆積した後、注入不
純物の活性化のため、窒素(N2)雰囲気中で、温度9
50℃、30分間の熱処理を行う。そして、ソースおよ
びドレイン領域13a,13b上のゲート絶縁膜14に
コンタクト部をそれぞれ開口した後、これら開口部にA
l−1% Siで電極17をそれぞれ形成する。以上によ
り本発明の薄膜トランジスタ18が製造される。 ここ
で、シリコン膜中の酸素を効率よく外方拡散させて酸素
濃度を下げるには、酸素の膜中での拡散速度を上げる必
要があるが、そのためには、 膜表面の酸素濃度を下げて膜中の酸素の濃度勾配を大
きくするか 酸素のシリコン膜中での拡散係数を大きくすればよ
い。
【0015】不活性ガス、例えば窒素(N2)中など通
常の熱処理では、シリコン膜表面には、自然酸化膜が存
在し、表面の酸素はシリコン酸化膜(sio2)中の酸
素と平衡状態になり、1×1017cm-3程度までしか濃
度を下げることができない。しかし、水素ガス中の熱処
理では、水素が自然酸化膜を還元し、シリコンと水素雰
囲気中の平衡酸素濃度である5×1016cm-3以下まで
濃度を下げることができる。また、熱処理温度が高いほ
ど、水素の拡散係数が大きくなるので、より効率的に酸
素を外方拡散させることができる。
常の熱処理では、シリコン膜表面には、自然酸化膜が存
在し、表面の酸素はシリコン酸化膜(sio2)中の酸
素と平衡状態になり、1×1017cm-3程度までしか濃
度を下げることができない。しかし、水素ガス中の熱処
理では、水素が自然酸化膜を還元し、シリコンと水素雰
囲気中の平衡酸素濃度である5×1016cm-3以下まで
濃度を下げることができる。また、熱処理温度が高いほ
ど、水素の拡散係数が大きくなるので、より効率的に酸
素を外方拡散させることができる。
【0016】したがって、多結晶シリコン膜などの非単
結晶シリコン膜13を形成後、この多結晶シリコン膜1
3の表面が露出した状態で、水素ガスまたは水素ガスと
不活性ガスとの混合気体中で熱処理をすることにより、
熱的なアニーリング効果によって結晶中の欠陥を回復さ
せると同時に、シリコン膜中の酸素を雰囲気中へ外方拡
散させ、膜中の酸素量を低減させることができて、欠陥
の原因となる酸素が著しく少ない、結晶性に優れた多結
晶シリコン膜13cを得ることができる。
結晶シリコン膜13を形成後、この多結晶シリコン膜1
3の表面が露出した状態で、水素ガスまたは水素ガスと
不活性ガスとの混合気体中で熱処理をすることにより、
熱的なアニーリング効果によって結晶中の欠陥を回復さ
せると同時に、シリコン膜中の酸素を雰囲気中へ外方拡
散させ、膜中の酸素量を低減させることができて、欠陥
の原因となる酸素が著しく少ない、結晶性に優れた多結
晶シリコン膜13cを得ることができる。
【0017】なお、本実施例では、水素(H2)ガス中
で温度1050℃、20時間の熱処理を施したが、この
熱処理温度をさらに上げて、温度1200℃とすると約
1時間で同等またはそれ以上の効果が得られる。これ
は、温度が高い程、酸素の拡散係数が大きくなり、より
早く酸素を外方拡散させることができるからである。ま
た、本実施例では、水素(H2)ガス中で熱処理した
が、水素とヘリウムや窒素などの不活性ガスとの混合気
体中で熱処理してもよい。さらに、本実施例では、電気
炉中で熱処理したが、ハロゲンランプなどで基板を加熱
したり、また、基板表面にレーザ光を照射して、基板表
面のみを加熱してもよい。さらに、本実施例では、非晶
質シリコンを一旦、多結晶化させて多結晶シリコン膜1
3とした後、水素雰囲気中で熱処理を行ったが、非晶質
シリコン膜12をそのまま水素雰囲気中で熱処理して多
結晶シリコン膜13cとしても同等の酸素低減効果を得
ることができる。
で温度1050℃、20時間の熱処理を施したが、この
熱処理温度をさらに上げて、温度1200℃とすると約
1時間で同等またはそれ以上の効果が得られる。これ
は、温度が高い程、酸素の拡散係数が大きくなり、より
早く酸素を外方拡散させることができるからである。ま
た、本実施例では、水素(H2)ガス中で熱処理した
が、水素とヘリウムや窒素などの不活性ガスとの混合気
体中で熱処理してもよい。さらに、本実施例では、電気
炉中で熱処理したが、ハロゲンランプなどで基板を加熱
したり、また、基板表面にレーザ光を照射して、基板表
面のみを加熱してもよい。さらに、本実施例では、非晶
質シリコンを一旦、多結晶化させて多結晶シリコン膜1
3とした後、水素雰囲気中で熱処理を行ったが、非晶質
シリコン膜12をそのまま水素雰囲気中で熱処理して多
結晶シリコン膜13cとしても同等の酸素低減効果を得
ることができる。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、水素ガス
または水素ガスと不活性ガスとの混合気体中で熱処理す
るため、熱的なアニーリング効果によって結晶中の欠陥
を回復させると同時に、膜表面の酸素濃度を下げて膜中
の酸素の濃度勾配を大きくし、シリコン膜中の酸素を効
率よく外方拡散させて酸素濃度を下げ、膜中の酸素起因
の欠陥を大幅に低減することができ、優れた結晶性を有
する多結晶シリコン膜を得ることができる。したがっ
て、結晶性に優れた多結晶シリコン膜をチャネル領域と
した移動度が高くリーク電流の小さい高性能の薄膜トラ
ンジスタを得ることができる。
または水素ガスと不活性ガスとの混合気体中で熱処理す
るため、熱的なアニーリング効果によって結晶中の欠陥
を回復させると同時に、膜表面の酸素濃度を下げて膜中
の酸素の濃度勾配を大きくし、シリコン膜中の酸素を効
率よく外方拡散させて酸素濃度を下げ、膜中の酸素起因
の欠陥を大幅に低減することができ、優れた結晶性を有
する多結晶シリコン膜を得ることができる。したがっ
て、結晶性に優れた多結晶シリコン膜をチャネル領域と
した移動度が高くリーク電流の小さい高性能の薄膜トラ
ンジスタを得ることができる。
【図1】本発明の一実施例における薄膜トランジスタの
各製造工程を示す断面図である。
各製造工程を示す断面図である。
【図2】従来の薄膜トランジスタの一部製造工程を示す
断面図である。
断面図である。
12 非晶質シリコン膜 13,13c 多結晶シリコン膜 18 薄膜トランジスタ
Claims (1)
- 【請求項1】 チャネル領域に多結晶シリコン膜を用い
た薄膜トランジスタの製造方法であって、 非単結晶シリコン膜を形成後、該非単結晶シリコン膜表
面が露出した状態で、水素ガスと不活性ガスとの混合気
体または水素ガス中で熱処理をすることにより、該多結
晶シリコン膜を形成する工程、 または、非単結晶シリコン膜を形成後、該非単結晶シリ
コン膜表面が露出した状態で、不活性ガスまたは酸化性
ガス中で熱処理をすることにより該多結晶シリコン膜を
形成し、該多結晶シリコン膜表面が露出した状態で、水
素ガスと不活性ガスとの混合気体または水素ガス中で熱
処理をする工程を有する薄膜トランジスタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26663593A JPH07122757A (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | 薄膜トランジスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26663593A JPH07122757A (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | 薄膜トランジスタの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07122757A true JPH07122757A (ja) | 1995-05-12 |
Family
ID=17433573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26663593A Pending JPH07122757A (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | 薄膜トランジスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07122757A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110040976A (zh) * | 2019-05-16 | 2019-07-23 | 合肥工业大学 | 一种氧化钨电致变色薄膜材料及其制备方法 |
-
1993
- 1993-10-25 JP JP26663593A patent/JPH07122757A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110040976A (zh) * | 2019-05-16 | 2019-07-23 | 合肥工业大学 | 一种氧化钨电致变色薄膜材料及其制备方法 |
CN110040976B (zh) * | 2019-05-16 | 2021-09-10 | 合肥工业大学 | 一种氧化钨电致变色薄膜材料及其制备方法 |
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