JPH07122106A - 鮮映性の優れたランプリフレクター用樹脂組成物 - Google Patents

鮮映性の優れたランプリフレクター用樹脂組成物

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JPH07122106A
JPH07122106A JP5270288A JP27028893A JPH07122106A JP H07122106 A JPH07122106 A JP H07122106A JP 5270288 A JP5270288 A JP 5270288A JP 27028893 A JP27028893 A JP 27028893A JP H07122106 A JPH07122106 A JP H07122106A
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JP
Japan
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weight
resin composition
lamp reflector
parts
glass fiber
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JP5270288A
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English (en)
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Kenichi Tabata
憲一 田畑
Jiro Kumaki
治郎 熊木
Hirokazu Oome
裕千 大目
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレート)系ポリエステルおよびポリ(フェニレン
スルフィド)からなる樹脂(ただし、ポリ(フェニレン
スルフィド)の添加量は、ポリ(1,4−シクロヘキシ
レンジメチレンテレフタレート)系ポリエステルのそれ
を越えないものとする。)20〜60重量部に、ガラス
繊維1〜35重量部、ガラス繊維以外の無機強化材5〜
79重量部、を含有してなるランプリフレクター用樹脂
組成物。 【効果】鮮映性が高く、耐熱性、機械的特性に優れ、低
比重のランプリフレクタ−成形品を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鮮映性、耐熱性、機械
的特性に優れ、かつ低比重のランプリフレクター用成形
品を与える樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用ランプリフレクター用素
材としてガラス繊維等で強化した熱硬化性樹脂(以下F
RPと略記する)の採用が急増している。FRPは耐熱
性、剛性、寸法安定性を初めとして優れた特性を有して
いるが、成形加工時に発生するバリの除去が必要であ
り、成形加工性が劣っている。また、FRPの比重が
2.0前後と大きいことは、自動車の軽量化の流れの中
で問題点として挙げられる。
【0003】このような問題点を有するFRPに対し
て、熱可塑性樹脂に種々の無機強化材を配合することに
よって、剛性、寸法精度などの特性を発現させつつ、成
形加工性に優れ、低比重の組成物が提案されている。
【0004】例えば、微粉末強化材(特開昭61−13
3234号公報)、酸化チタン(実公昭61−1656
1号公報)、酸化マグネシウム(特開平2−31155
3号公報)を強化材として用いたポリエステル系樹脂組
成物に関するものであるが、いずれもポリブチレンテレ
フタレート(以下PBTと略記する)やポリエチレンテ
レフタレート(以下PETと略記する)の樹脂組成物で
ある。しかしながら、これら組成物を強い光源の近傍で
用いられるランプリフレクターに適用すると、高熱に晒
され、バルブホルダー近傍が変形してしまうという問題
があった。
【0005】また、ポリアセタール、PBT、PET、
ポリアミド等の熱可塑性樹脂に繊維状強化材と板状強化
材を配合して加熱変形量の小さい樹脂組成物が特開昭5
3−121843号公報に記載されている。しかしなが
ら、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト)について何等記載されておらず、同公報に記載され
た組成物をランプリフレクターとして用いても、表面光
沢性や耐熱性の点において実用的なものではなかった。
【0006】一方、英国特許第2017127A号明細
書、特開平4−142362号公報には、ベースポリマ
ーとしてポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレート)(以下PCTと略記する)を用い、特定
の無機強化材を配合してなる組成物が開示されている。
しかしながら、これとても衝撃強度が低く、自動車に装
着することを想定した振動テストで割れたり、剛性の不
足による高耐熱下の変形が生じるなど機械的特性、耐熱
性が不十分であった。
【0007】特開昭2−8247号公報には、ポリアリ
ーレンサルファイド(以下PPSと略記する)に特定の
無機強化材を配合してなる組成物が開示されている。ポ
リアリーレンサルファイドはPCTと同レベルの耐熱性
を有する樹脂であるが、その比重がPCTに比べて大き
く、軽量のランプリフレクター用素材としては不十分で
あった。
【0008】さらに、特開昭57−137346号公報
には、熱可塑性ポリエステル、特定の分子量を有するポ
リ(フェニレンスルフィド)、繊維状および/または粒
状強化材を配合してなる組成物が開示されているが、ポ
リ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト)に関して何等記載されておらず、同公報に記載され
た組成物をランプリフレクターとして用いても、実用に
耐える鮮映性を有する成形品は得られなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鮮映性
に優れ、ランプリフレクター用素材として用いるに十分
な耐熱性、機械的特性を有すると同時に、低比重の成形
品を与える樹脂組成物について、種々の熱可塑性樹脂お
よび無機強化材を鋭意検討した結果、PCT樹脂および
PPS樹脂にガラス繊維および無機強化材を配合するこ
とにより所期の目的を達する樹脂組成物が得られること
を見出し、本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、全組
成物を100重量部として、ポリ(1,4−シクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレート)系ポリエステルおよ
びポリ(フェニレンスルフィド)からなる樹脂(ここ
で、ポリ(フェニレンスルフィド)の添加量は、ポリ
(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト)系ポリエステルのそれを越えないものとする。)2
0〜60重量部と、ガラス繊維1〜35重量部およびガ
ラス繊維以外の無機強化材5〜79重量部、を含有して
なるランプリフレクター用樹脂組成物である。
【0011】本発明で用いるポリシクロヘキシレンジメ
チレンテレフタレート系ポリエステル(以下PCT系ポ
リステルと略称する)はテレフタル酸残基と1,4−シ
クロヘキサンジメタノール残基とが結合した繰り返し単
位を主要構成成分とするものであり、好ましくは該繰り
返し単位がポリマー中の80モル%以上を占めるもので
ある。
【0012】本発明におけるPCT系ポリエステルの製
造方法は特に限定されるものではないが、例えば有機チ
タン化合物などの触媒の存在下もしくは非存在下におい
て、テレフタル酸またはその低級アルキルエステルと
1,4−シクロヘキサンジメタノールを重縮合して得る
方法が挙げられる。重合条件としては例えば米国特許第
2,901,466号公報に記載された条件などが適用
され得る。
【0013】PCT系ポリエステルの酸成分またはジオ
ール成分を通常20モル%以下、好ましくは10モル%
以下の範囲で、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカル
ボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレ
フタル酸、4,4´−ビフェニルジカルボン酸、2,2
´−ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(4−カル
ボキシフェノキシ)−エタン、コハク酸、アジピン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオ
ン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸および
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの他のジカル
ボン酸またはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジ
オール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2
−シクロヘキサンジメタノールおよび2,2−ビス(2
´−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの他の
ジオールで置換したものも用いることができる。
【0014】本発明で使用するPCT系ポリエステルの
1,4−シクロヘキサンジメタノール残基の一部である
シクロヘキサン環は、シス構造とトランス構造の比率で
あるシス/トランス比(モル比)が60/40〜10/
90の範囲にあることが好ましく、より好ましくは50
/50〜15/85であり、さらに好ましくは40/6
0〜25/75である。
【0015】本発明で使用するPCT系ポリエステルは
o−クロルフェノール溶液を25℃で測定したときの固
有粘度が好ましくは0.5〜2.0dl/g、より好ま
しくは0.5〜1.0dl/gのものが望ましい。
【0016】また、PCT系ポリエステルの末端カルボ
キシル基量は、100当量/106g−ポリマ以下、望
ましくは30当量/106 g−ポリマ以下、さらに望ま
しくは15当量/106 g−ポリマ以下であることが望
ましい。
【0017】PCT系ポリエステルの末端カルボキシル
基量は、例えばAnal. Chem.,26.1614−1616
(1954)に記載されているH. A. Pohlの方法を用い
て測定することができる。
【0018】本発明で用いるポリ(フェニレンスルフィ
ド)は、一般に化学式(1)
【化1】 の構造を有する重合体であり、分子量10000〜40
000、融点270〜290℃のものが好ましく用いら
れる。
【0019】本発明で用いるガラス繊維としては、通常
の強化樹脂用のチョップドストランドタイプのガラス繊
維が好ましく用いられる。ガラス繊維の直径は、成形品
の機械的特性及び表面光沢から13μm以下が好まし
く、より好ましくは9μm以下、さらに好ましくは7μ
m以下である。取扱性、成形品の表面光沢性付与などの
点からチョップドストランドの長さは1〜6mmが好ま
しく、さらに好ましくは3mmであり、ガラス長はポリ
マ−に分散した状態で平均長が0.05〜1mm、特に
0.1〜0.5mmの範囲にあることが好ましい。ガラ
ス繊維の添加量は全組成に対して1〜35重量部であ
る。本発明にはガラス繊維の添加が必須であり、ガラス
繊維が1%未満では他の添加剤をいくら加えても十分な
機械的特性、寸法安定性、耐熱性を持った材料を得るこ
とができない。ガラス繊維が35%を越えると成形品の
鮮映性が悪化し、また、成形品の線膨張係数、収縮率の
異方性が増加し反りが増加するため使用できなくなる。
ガラス繊維の添加量1〜35重量部に、後述する無機強
化材を併用することにより初めて鮮映性、耐熱性、機械
的特性に優れた樹脂組成物を得ることができる。特に成
形品の鮮映性の点から、ガラス繊維の添加量は全組成に
対して1〜15重量部が好ましい。
【0020】また、ガラス繊維はシラン系、チタン系等
の通常のカップリング剤処理を施してあるものが好まし
く用いられ、エポキシ樹脂、酢酸ビニル等の通常の収束
剤により処理されていることが好ましい。カップリング
剤の好ましい具体例としては、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメチルシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、ビニルアセトキシシラン
などのシランカップリング剤、また、イソプロピルトリ
ス(イソステアロイル)チタネート、イソプロピルトリ
ス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソ
プロピルトリス(N−アミノエチル−アミノエチル)チ
タネート、テトラオクチルビス(トリデシルホスファイ
ト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)エチレンチタネート、イソプロピルトリデシルベン
ゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオ
クチルホスフェート)チタネートなどのチタネート系カ
ップリング剤、また、アセトアルコキシアルミニウムジ
イソプロピレートなどのアルミニウム系カップリング剤
およびジルコアルミネート系カップリング剤などが挙げ
られる。
【0021】本発明における無機強化材は特に限定され
るものではなく、公知のものが使用できる。例えば、珪
酸カルシウム(ワラステナイト)、りん酸カルシウム、
硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化鉄、酸化ジルコ
ニウム、二酸化モリブデン、二硫化モリブデン、マイ
カ、セリサイト、タルク、カオリン、クレー、長石粉、
シリカ、ガラス粉末、カーボンブラック、グラファイ
ト、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、ロックウー
ル、ほう酸アルミニウム、珪酸アルミニウムバルーン、
マグネシウムオキシサルフェート、ガラスビーズ、ガラ
スバルーン、ガラスフレーク、炭素繊維、セラミックス
ファイバー、アスベスト、ゼオライト、ベントナイト、
ドロマイト、シラスバルーン、酸化カルシウム、ノバキ
ュライト、ドーソナイト、白土、等が挙げられ、これら
は2種以上を併用することもできる。また、これら無機
強化材の中でも特に、マイカ、カオリン、珪酸カルシウ
ム(ワラステナイト)、チタン酸カリウム、珪酸アルミ
ニウムバルーン、ガラス粉末が好ましく用いられる。
【0022】このうち、繊維状強化材としては、アスペ
クト比4以上、直径が0.1〜10μmであることが好
ましい。繊維状強化材の具体例としては、珪酸カルシウ
ム(ワラステナイト)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、酸化マグネシウム、チタン酸カリウ
ム、チタン酸バリウム、ほう酸アルミニウム、マグネシ
ウムオキシサルフェート、ガラス粉末等が挙げられる
が、とりわけ珪酸カルシウム(ワラステナイト)、チタ
ン酸カリウム、チタン酸バリウム、ほう酸アルミニウ
ム、ガラス粉末が好ましい。
【0023】非繊維状強化材としては、次に述べる粒状
強化材および平板状強化材がある。平板状強化材は、こ
こでは長径/短径の比の値が3以下、アスペクト比(長
径と厚みの比の値)4以上の無機強化材を呼ぶ。粒子の
50%以上が粒子径20μm以下であることが好まし
い。平板状強化材の具体例としては、マイカやガラスフ
レーク、グラファイト等が挙げられる。
【0024】粒状強化材は、非繊維状強化材であって平
板状強化材でないものを呼ぶ。粒状強化材においては粒
子の50%以上が粒子径20μm以下であることが好ま
しく、粒子の50%以上が粒子径3μm以下であること
がさらに好ましい。粒状強化材の具体例のうち特に好ま
しいものとして、珪酸アルミニウムバルーン、カオリ
ン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0025】珪酸アルミニウムバルーンは、例えばSi
2 20〜80重量%とAl2 320〜80重量%を
主成分とし、高温で処理し発泡させて製造されるものを
用いることができる。組成比はSiO2 が40〜60重
量%、Al2 3 が25〜40重量%が好ましい。珪酸
アルミニウムバルーンは低比重であるため、ランプリフ
レクターに適した強化材であり、バルーン中の中空部分
の体積の割合が少ないと比重が大きくなる一方、中空部
分の体積の割合が大きすぎるとバルーンの強度が低下し
組成物の比重が大きくなる。したがって、ランプリフレ
クター用途に用いる珪酸アルミニウムバルーンの比重は
0.5〜2.5が好ましく、1.8〜2.4が特に好ま
しい。
【0026】また、無機強化材はその表面をカップリン
グ剤、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
チルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピル
トリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキ
シシラン、ビニルアセトキシシランなどのシランカップ
リング剤、また、イソプロピルトリス(イソステアロイ
ル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(N
−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオ
クチルビス(トリデシルホスファイト)チタネート、ビ
ス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネー
ト、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネ
ート、イソプロピルトリス(ジオクチルホスフェート)
チタネートなどのチタネート系カップリング剤、また、
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなど
のアルミニウム系カップリング剤およびジルコアルミネ
ート系カップリング剤などでカップリング処理して用い
ることが好ましい。
【0027】また、無機強化材がガラス繊維以外であっ
て、粒子の50%以上が粒子径3μm以下の粒状強化材
4〜60重量部、および繊維径10μm以下、アスペク
ト比4以上である繊維状強化剤1〜35重量部を併用す
ることが特に好ましい。このように特定の形態、量の粒
状強化材と繊維状強化材を併用することにより、粒状強
化材を単独で用いるよりも鮮映性、機械特性、耐熱性が
向上し、繊維状強化材を単独で用いるよりも鮮映性が向
上する。
【0028】また、本発明の樹脂組成物に溶融時の滞留
安定性を高める目的で特定の有機ホスファイトまたはホ
スフォナイトを加えることができる。このような化合物
は化学式(2)、(3)で表わされる。
【0029】
【化2】 ここで、R1 、R2 、R3 のうちの少なくとも1つは炭
素数6から30の芳香族基であり、その他のR1
2 、R3 は水素、もしくは炭素数1から30の脂肪族
基である。
【0030】
【化3】 ここで、R4 、R5 、R6 のうちの少なくとも1つは炭
素数6から30の芳香族基であり、その他のR4
5 、R6 は水素、もしくは炭素数1から30の脂肪族
基である。
【0031】このような化合物の具体例としては次のも
のを挙げることができる。
【0032】トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスフォナイ
ト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t
−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−
ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル
トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−トリデシルホスファイト−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジノ
ニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス
(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げら
れ、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスホナイト
などが好ましく使用できる。
【0033】本発明において、これらの特定の有機ホス
ファイト、またはホスホナイト化合物を1種または2種
以上併用して使用することが好ましく、樹脂組成物全量
に対してその含有量は0.05〜2重量%、好ましくは
0.1〜1重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重
量%である。
【0034】本発明の組成物は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、通常の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線
吸収剤、熱安定剤、滑剤、離形剤、染料および顔料を含
む着色剤、核剤および難燃剤などの少なくとも1種をさ
らに含有することができる。特に、結晶化速度を高める
目的でタルクを添加することが好ましい。また、加工時
における熱分解を抑制するために熱安定剤やエポキシな
どの鎖連結剤を添加することが好ましい。エポキシ化合
物は1つの分子中にエポキシ基を2つ以上含む化合物が
好ましい。具体的なエポキシ化合物の例としては、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリ
アルキレングリコールのような脂肪族のジオールのジグ
リシジルエーテル、ソルビトール、ソルビタン、ポリグ
リセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、
グリセロール、トリメチロールプロパンなどの脂肪族ポ
リオールのポリグルシジルジエーテル、シクロヘキサン
ジメタノールなどの脂環式ポリオールのポリグリシジル
エーテル、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸
などの脂肪族、芳香族の多価カルボン酸のジグリシジル
エステルまたはポリグリシジルエステル、レゾルシノー
ル、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2
−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス
−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2
−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンなどの
多価フェノールのジグリシジルエーテルまたはポリグリ
シジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、N,
N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テ
トラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタン
のようにアミンのNグリシジル誘導体、アミノフェノー
ルのトリグリシジル誘導体、トリグリシジルトリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリグリシジ
ルイソシアヌレート、オルトクレゾール型エポキシ、フ
ェノールノボラック型エポキシが挙げられる。これらの
中で特に効果が高く好ましいものとして、脂肪族ポリオ
ールのポリグリシジルエーテル、トリス(p−ヒドロキ
シフェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、1,
1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エ
タンのテトラグリシジルエーテル、トリグリシジル ト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが挙げ
られる。これらモノマータイプのエポキシはモノマーだ
けでなく、エポキシ基が縮合して生成したオリゴマー、
ポリマーの形あるいはこれらの混合物の形で添加しても
よい。縮合物の重合度は望ましくは1〜20、より望ま
しくは1〜10である。また、異なる種類のエポキシを
混合して使用しても差しつかえない。好ましいエポキシ
化合物の添加量はポリエステル樹脂組成物の全量に対し
て0.05〜5重量%であり、さらに好ましくは0.1
〜3重量%である。
【0035】本発明の樹脂組成物で射出成形により10
0mm×100mm×3mmの角板を作製しその中央部
の線膨張係数が流動方向で5×10-5(℃)、直角方向
で7×10-5(℃)以下であることが好ましい。
【0036】本発明の樹脂組成物の荷重たわみ温度(高
荷重)は、ASTM D−6 48の方法で測定して2
00℃以上であることが好ましい。
【0037】また、少量の他の熱可塑性樹脂(例えばポ
リエチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶
ポリエステル樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなど)、
熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、
ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂な
ど)および軟質熱可塑性樹脂(例えばエチレン/グリシ
ジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマ
ー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンタ
ーポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体など)など
を含有することもできる。
【0038】本発明組成物の製造方法は特に限定される
ものではないが好ましくは、ポリ(シクロヘキシレンジ
メチレンテレフタレート)系ポリエステルおよびポリ
(フェニレンスルフィド)の融点以上においてポリ(シ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレート)系ポリエス
テル、ポリ(フェニレンスルフィド)、ガラス繊維、無
機強化材および必要に応じて種々の添加剤を押出機を用
いて均一に溶融混練する方法が挙げられる。
【0039】得られた組成物は、通常公知の射出成形、
押出成形などの任意の方法で成形できる。特に、ランプ
リフレクターの成形品の製造方法として適している射出
成形が好ましい。
【0040】本発明の組成物から得られた成形品は優れ
た鮮映性、耐熱性、機械的性質を有しており、かつ低比
重であるのでランプリフレクターとして使用することが
できる。
【0041】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳述する。
なお実施例中の部数は全て重量基準である。
【0042】実施例1〜4、比較例1〜6 シクロヘキサンジメタノール残基のシス/トランス比=
35/65、固有粘度0.82、末端カルボキシル基量
21当量/106 g−ポリマーであるポリ(1,4−シ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PC
T)、ポリ(フェニレンスルフィド)に対して、チョッ
プドストランドタイプのガラス繊維(6μmφ、長さ3
mm)、無機強化材(A)〜(H)を表1に記載のよう
にVブレンダーを用いてドライブレンドした後、300
℃に設定した2軸スクリュー押出機を使用して溶融混
練、ペレタイズし樹脂組成物を得た。また、組成物を5
オンスの射出容量を有する射出成形機に供し、加工温度
300℃、金型温度150℃、成形サイクル(射出時間
/冷却時間/中間時間)、10/15/10秒で成形を
行い、100mm×100mm×3mmtの角板を得
た。
【0043】角板の中央部を切出した試験片を用いて、
ASTM D−790に従い曲げ試験を行い、曲げ強度
を評価した。
【0044】また、寸法安定性を調べるため、上記角板
の中央部から幅3mm、長さ10mmの角柱を切り出
し、流動方向および直角方向の線膨張係数を測定した。
サンプルは加熱炉内で25℃〜230℃まで加熱し、3
0℃〜200℃間のサンプル長の変化から線膨張係数を
求めた。
【0045】また、耐熱性を調べるため、上記角板を切
削加工して、ASTM D−648に従い荷重たわみ温
度を測定した。
【0046】さらに、比重を調べるために、上記角板を
用い、ASTM D−792に従い比重を求めた。
【0047】角板表面の鮮映性は、PGD(鮮映度光沢
度)計で測定を行なった。鮮映性の評価は0.1〜1.
5まで0.1刻みの数値で行なった(より大きな数値が
高鮮映性であることを示す)。
【0048】ランプリフレクターの連続点灯試験を行な
う目的で、直径10cm、厚さ2mmの半球型のランプ
リフレクター基体を成形し、成形品の内面にプライマー
を塗布してプライマーコート層を形成した後アルミニウ
ムを真空蒸着法で蒸着させ金属メッキ層を形成し、ラン
プリフレクターを作成した。この成形品の中央部を切削
加工して電球を取り付け、図1に示すランプを作製し
た。図1はそのランプの断面図である。この装置で電球
を連続400時間点灯状態で放置した後、電球周辺の樹
脂の溶融状態を観察した。また、電球部に50gの重り
をつるし同様に点灯テストを行いランプリフレクター基
体の変形を観察した。さらに、ランプリフレクター基体
成形時の成形下限圧を求めた。
【0049】なお、比較例5の共重合PBTは、PBT
50重量部に、7.5モル%の2,2−ビス(4−(β
−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンとのコ−ポ
リ(1,4−ブチレンテレフタレート)を30重量部ブ
レンドしたものを用いた。
【0050】また、押出温度、成形加工温度は、比較例
3、比較例5では250℃、比較例4では270℃で行
った。
【0051】これらの結果を合せて表2に示す。
【0052】
【表1】
【表2】
【0053】本発明のPCTおよびPPSにガラス繊維
および無機強化材を配合した組成物は、鮮映性、耐熱
性、機械特性に優れ、また低比重であることが分かる。
また、従来からよく知られているPBTやPETをベー
スとした物に比較して耐熱性が高く、PPSのみベース
としたものに比較して低比重であり、かつPCT、無機
強化材、ガラス繊維にPPSを配合することにより高い
鮮映性、機械特性を有するランプリフレクター用成形品
が得られることが分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物から得られる成形品
は、鮮映性が高く、耐熱性、機械特性に優れしかも低比
重であり、ランプリフレクター用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製したランプの断面図である。
【符号の説明】 1.ランプリフレクター 2.ハロゲン電球 3.前面レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 81/02 LRG F21M 3/02 E

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全組成物を100重量部として、ポリ
    (1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
    ト)系ポリエステルおよびポリ(フェニレンスルフィ
    ド)からなる樹脂(ここで、ポリ(フェニレンスルフィ
    ド)の添加量は、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメ
    チレンテレフタレート)系ポリエステルのそれを越えな
    いものとする。)20〜60重量部と、ガラス繊維1〜
    35重量部およびガラス繊維以外の無機強化材5〜79
    重量部、を含有してなるランプリフレクター用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】全組成物を100重量部として、ポリ
    (1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
    ト)系ポリエステルおよびポリ(フェニレンスルフィ
    ド)からなる樹脂20〜50重量部と、ガラス繊維1〜
    15重量部およびガラス繊維以外の無機強化材35〜7
    9重量部、を含有してなる請求項1に記載のランプリフ
    レクター用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ガラス繊維の繊維径が7μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のランプリフレクター用
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ガラス繊維以外の無機強化材が、粒子の5
    0%以上が粒子径20μm以下の非繊維状強化材、また
    はアスペクト比4以上、直径が0.1〜10μmのガラ
    ス繊維以外の繊維状強化材であることを特徴とする請求
    項1に記載のランプリフレクター用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ガラス繊維以外の無機強化材が、粒子の5
    0%以上が粒子径20μm以下の非繊維状強化材、およ
    びアスペクト比4以上、直径が0.1〜10μmであ
    る、ガラス繊維以外の繊維状強化材であることを特徴と
    する請求項1に記載のランプリフレクター用樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】ガラス繊維以外の無機強化材が、粒子の5
    0%以上が粒子径3μm以下の粒状強化材4〜60重量
    部および繊維径10μm以下、アスペクト比4以上であ
    って、ガラス繊維以外の繊維状強化材1〜35重量部か
    らなる5〜79重量部の無機強化材であることを特徴と
    する請求項1に記載のランプリフレクター用樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】少なくとも1つのP−O結合が炭素数6か
    ら30の芳香族基と結合している有機ホスファイトまた
    はホスホナイト化合物を全組成に対して0.05〜2重
    量部含有してなる請求項1に記載のランプリフレクター
    用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】100mm×100mm×3mm厚みの角
    板の中央部における線膨張係数が30〜200℃の範囲
    において流動方向で5×10-5(℃-1)、直角方向で7
    ×10-5(℃-1)以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のランプリフレクター用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】ASTM D−648の方法で測定した荷
    重たわみ温度(高荷重)が200℃以上であることを特
    徴とする請求項1に記載のランプリフレクター用樹脂組
    成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09176377A (ja) * 1995-12-27 1997-07-08 Polyplastics Co 液晶性ポリマー組成物および成形体
JP2001310323A (ja) * 2000-04-28 2001-11-06 Sumitomo Chem Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物の製造方法
JP2006164949A (ja) * 2004-09-21 2006-06-22 Valeo Vision 自動車用照明装置または信号装置のためのレフレクタ

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