JPH07121410A - アーカイブ方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】計算機システムにおいて、データの加工ジョブ
を実行するときの、データの保管媒体と実際にデータを
加工するときにアクセスされる磁気ディスク間のデータ
セットの複写あるいは移動を計画的に一括して効率良く
行う。 【構成】磁気ディスク装置上のデータセットを、磁気テ
ープ装置などのデータ保管用媒体へ移動するアーカイブ
手段と、データ保管用媒体上のデータセットを、磁気デ
ィスク装置へ複写するリコール手段と、保管媒体の所在
及び属性を管理する保管媒体管理手段を有することを前
提に、アーカイブするデータセットを予約するアーカイ
ブ予約手段と、該予約されたデータセットを計画的にか
つ一括してアーカイブする一括アーカイブ手段と、一括
アーカイブを実施する条件を定義する実行条件定義手段
と、アーカイブ予約されたデータセットをリコールする
場合にアーカイブ予約を解除するアーカイブ予約解除手
段を設け、前記データセットの複写あるいは移動を制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク装置上のデ
ータセットを、磁気テープ装置を代表とするデータ保管
用媒体へ移動して、保存するアーカイブ方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】保管媒体の代表である磁気テープ上のデ
ータセットに記録されているデータを入力し、データを
加工して、再び磁気テープに加工したデータを出力し
て、保管するという計算機システムの業務は一般的なも
のである。このときのデータの加工処理はランダムアク
セス可能な外部記憶装置である磁気ディスク上で行われ
るケースが非常に多い。すなわち、磁気テープ上のデー
タセットに記録されているデータを一旦磁気ディスク上
の一時的なデータセットに出力し、該磁気ディスク上の
データセットに記録されているデータに対して該データ
を加工し、次に加工されたデータが記録されている該磁
気ディスク上のデータセットを入力して再び保管媒体で
ある磁気テープに出力するという業務形態である。ここ
で、該磁気ディスクから保管媒体である磁気テープへの
データセットの移動をアーカイブと呼び、磁気テープか
ら磁気ディスクへのデータセットの複写をリコールと呼
ぶ。このような業務形態を行う場合、従来技術では一般
的に、リコールを行う第一のプログラムと実際にデータ
を加工する第二のプログラムとアーカイブを行う第三の
プログラムを順次実行させていた。この処理は日立製作
所のオペレーティングシステムＶＯＳ３／ＡＳ下では、
この第一から第三のプログラムの実行をそれぞれジョブ
ステップに対応させ該３つのジョブステップから１つの
ジョブを形成させることで実行させていた。さらに、第
一のプログラムにおけるリコールと第三のプログラムに
おけるアーカイブは、日立製作所 プログラムプロダク
ト ＶＯＳ３ データ管理機能／階層制御 ＤＭＦＨＳ
Ｓ（Ｄata Ｍanagement Ｆacility Ｈierarchical
Ｃontrol for Ｓtorage Ｓervice)のＨＳＳコマンド
をジョブステップとして形成させることにより実行させ
ていた。なお、リコール、アーカイブを行うＨＳＳコマ
ンドの実行方法および詳細は、マニュアルＤＭＦＨＳＳ
解説（６１８０−３−３２１−２０）のページ８、およ
びページ３７から５１に記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術で示した
ような計算機システムの使用形態には、具体的に次の問
題がある。

【０００４】(１)前記ジョブの第一のプログラムによる
保管媒体からのリコール処理、及び第三のプログラムに
よる保管媒体へのアーガイブ処理が、データを加工する
第二のプログラムの前後で順次実行されるため、ジョブ
のターンアラウンドタイムが増加している。

【０００５】(２)一方、第三のプログラムにより、保管
媒体である磁気テープ装置にアーガイブされたデータセ
ットを再度同ジョブで使用するまでの間、磁気ディスク
装置の容量に余裕があり、該データセットを保存できる
だけの容量を確保できるとしたら、前記第三のプログラ
ムによる保管媒体へのアーカイブと、前記第一のプログ
ラムによる保管媒体からのリコールは不要である。

【０００６】(３)前記第二のプログラムによるデータの
加工処理が完了した後、第三のプログラムによりデータ
を保管媒体へアーカイブする。しかし、該アーカイブは
加工処理完了の直後に実行する必要性は無く、一定時間
経過後にアーカイブされたことが確認できればよい。従
来技術では、別途一括してアーカイブする手段がなかっ
たこと、及び実行要求の投入忘れを防ぐため、定型的に
データの加工ジョブの最終ジョブステップに組み込んで
いるにすぎない、このため、保管媒体のアクセス効率が
低下し、加えて不要不急のデータ移動処理の実行によ
り、計算機システム全体の負荷バランスへ悪影響を与え
ている。

【０００７】本発明の目的は、磁気テープ上のデータセ
ットに記録されているデータを一旦磁気ディスク上の一
時的なデータセットに出力し、該磁気ディスク上のデー
タセットに記録されているデータに対して該データを加
工し、次に加工されたデータが記録されている該磁気デ
ィスク上のデータセットを入力して再び保管媒体である
磁気テープに出力するという形態のデータ加工ジョブ群
の処理において、後処理である該磁気ディスク上のデー
タセットを再び保管媒体である磁気テープにアーカイブ
する処理を、該データ加工ジョブ終了後に、計算機の負
荷状況に応じて計画的にかつ一括して行うことにより、
不要なデータの移動及び複写処理を排除し、計算機シス
テムのスループットを向上させることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、磁気ディス
ク装置上のデータセットを、磁気テープ装置などのデー
タ保管用媒体へ移動するアーカイブ手段と、データ保管
用媒体上のデータセットを、磁気ディスク装置へ複写す
るリコール手段と、保管媒体の所在及び属性を管理する
保管媒体管理手段を有することを前提に、第三のプログ
ラムにおいて、アーカイブするデータセットを予約する
アーカイブ予約手段と、該予約されたデータセットを計
画的にかつ一括してアーカイブする一括アーカイブ手段
と、一括アーカイブを実施する条件を定義する実行条件
定義手段と、アーカイブ予約されたデータセットを第一
のプログラムでリコールする場合にアーカイブ予約を解
除するアーカイブ予約解除手段とにより達成される。

【０００９】

【作用】データ加工ジョブにおける第三のプログラムの
データセットのアーカイブ処理は、前記保管媒体管理手
段を用いたアーカイブ予約手段により、データセットの
アーカイブ処理を予約するのみとなる。実際のアーカイ
ブは、一括アーカイブ手段が、計算機システムの負荷状
況に応じて、アーカイブ予約されたデータセットのアー
カイブを一括して実施する。ここで一括アーカイブ手段
を起動するための条件は予めユーザが実行条件定義手段
により設定しておく。さらに、アーカイブ予約されたデ
ータセットに対して、前記第一のプログラムからリコー
ルを要求された場合は、アーカイブ予約解除手段を用い
て、アーカイブ予約を解除することにより、保管媒体か
らの複写を行わずに、再び該データセットを使用するこ
とが可能となる。

【００１０】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に従って、詳細
に説明する。

【００１１】図１は、本発明を実現するための基本構成
を示したものである。

【００１２】１０１のデータセット加工ジョブは、デー
タセットを磁気テープから磁気ディスクへ複写する１０
２のジョブステップ１と、該データを加工する１０３の
ジョブステップ２と、ジョブステップ２で加工されたデ
ータセットを磁気ディスクから磁気テープへ移動する１
０４のジョブステップ３の３つのジョブステップからな
っている。

【００１３】１２１は本発明の前提の一つである保管媒
体の所在及び属性を管理する保管媒体管理簿である。保
管媒体管理簿１２１には、１２３のアーカイブ管理レコ
ードが格納され、１２４のデータセット名称をキーとし
てアーカイブ管理レコードを入出力できる。さらに、該
レコードには、アーカイブ予約されたことを示す予約フ
ラグ１２５を持つ。このフラグが１の場合は、該データ
セットがまだ磁気ディスク上に存在し、アーカイブ実行
が可能な状態にあることを示す。

【００１４】１１１は、１０４のジョブステップ３で実
行されるアーカイブ予約プログラムを示す。アーカイブ
予約プログラム１１１は、１２１の保管媒体管理簿にア
ーカイブするデータセットのアーカイブ管理レコードを
新規に作成し、１２５の予約フラグを１にする。

【００１５】１１２は、アーカイブ予約されたデータセ
ットを一括してアーカイブする一括アーカイブプログラ
ムを示す。一括アーカイブプログラムは、アーカイブ管
理レコードを順次入力し、予約フラグが１であるデータ
セットを、本発明の前提の一つであるアーカイブ手段を
用いて、磁気ディスクから磁気テープへアーカイブす
る。アーカイブが完了すると該データセットのアーカイ
ブ管理レコードに保管媒体の所在及び属性を格納し、予
約フラグを０にする。一括アーカイブプログラムは、本
発明の中核となるプログラムであり、その詳細を図２に
示す。

【００１６】１１３は、一括アーカイブプログラムを実
行する条件を定義する実行条件定義プログラムを示す。
実行条件定義プログラムは、ユーザが定義した条件を１
２２で示す実行条件定義データセットに格納する。実行
条件として、１２６のアーカイブ可能な時間帯及び１２
７のアーカイブ可能な電子計算機システムの負荷条件な
どが定義できる。１１２の一括アーカイブプログラム
は、実行条件定義データセットで指示される条件判断
と、アーカイブ管理レコードの予約フラグにより、計画
的にかつ一括してアーカイブ処理を実行する。実行条件
定義データセットの内容の詳細を図２に示す。

【００１７】１１４は、本発明の前提の一つであるリコ
ール手段である、データセットリコールプログラムであ
る。データセットリコールプログラムは、ジョブステッ
プ１で実行され、１２１の保管媒体管理簿より該データ
セットのアーカイブ管理レコードを入力する。１２５の
予約フラグが０であれば、従来通り、磁気テープから磁
気ディスクへデータセットのリコールを実行するが、予
約フラグが１であれば、アーカイブ予約を解除する、１
１５のアーカイブ予約解除プログラムを実行する。

【００１８】１１５のアーカイブ予約解除プログラム
は、該データセットのアーカイブ管理レコードを削除
し、該データセットをジョブステップ２で使用可能な状
態にする。

【００１９】図２及び図３は本発明の中核となる一括ア
ーカイブプログラム１１２のフローチャートである。一
括アーカイブプログラムは、計算機システムの稼働開始
と同時に起動され、以後、計算機の負荷状況及びアクセ
ス媒体の使用状況を監視するため、計算機システムの稼
働停止まで動作する。

【００２０】以下、一括アーカイブプログラムの処理を
図２及び図３に示すステップ毎に説明する。

【００２１】ステップ２０１は、実行条件定義データセ
ット１２２を入力し、ユーザが定義した実行条件を取得
する処理である。実行条件は、アーカイブ可能な時間帯
１２６、アーカイブ可能なシステムの負荷条件１２７、
一括アーカイブが可能な、アーカイブ予約されたデータ
セットの最少数１３１、およびシステム負荷の監視間隔
時間１３２により構成される。また、アーカイブ可能な
システムの負荷条件１２７には、実行中ジョブ本数１２
８、実行待ちジョブ本数１２９、使用可能な磁気テープ
装置の台数１３０が含まれる。

【００２２】ステップ２０２は、指定されたシステム負
荷の監視間隔時間１３２に従いアイドリングする処理で
ある。その後、ステップ２０３から２０８までの処理
で、一括アーカイブの実行条件を調べ、可能であれば一
括アーカイブを実行し、再びアイドリング処理へ戻る、
ということを繰り返す。

【００２３】ステップ２０３は、現時刻が、ユーザ指定
のアーカイブ可能な時間帯にあるか否かを調べる処理で
ある。

【００２４】ステップ２０４は、現在実行中のジョブ本
数および実行待ちのジョブ本数がユーザの指定した本数
より少ないか否かを調べる処理である。

【００２５】ステップ２０５は、現在使用可能な磁気テ
ープ装置台数がユーザ指定の台数より多いか否かを調べ
る処理である。

【００２６】ステップ２０３からステップ２０５までで
調べた、システムの負荷条件の全てがユーザの指定した
条件を満たしている場合は、ステップ２０６を実行し、
保管媒体管理簿１２１の全てのアーカイブ管理レコード
１２３を入力する。

【００２７】ステップ２０７は、アーカイブ管理レコー
ドの予約フラグ１２５が１であるデータセットの数が、
ユーザ指定のデータセット数より多いか否かを調べる処
理である。これは、アーカイブ予約されたデータセット
が少数の場合、一括アーカイブの効果も少ないため、実
行しないようにすることを設定できるようにした条件で
ある。

【００２８】以上に示したステップ２０３，２０４，２
０５，２０７の全ての条件を満たしている場合は、ステ
ップ２０８でアーカイブ予約された全てのデータセット
に対して、本発明の前提であるアーカイブ手段２０９を
起動する。アーカイブ手段２０９は、データセットのア
ーカイブを実行し、該データセットの予約フラグを０に
する。

【００２９】

【発明の効果】本発明によればデータの加工ジョブにお
いて、データの保管媒体と実際にデータを加工するとき
にアクセスされる磁気ディスク間のデータセットの複写
あるいは移動を計画的にかつ一括して行い、不要なデー
タの移動及び複写処理を排除し、計算機システムのスル
ープットを向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す基本構成図。

【図２】本発明の中核となる一括アーカイブプログラム
のフローチャートである。

【図３】図２に続く一括アーカイブプログラムのフロー
チャートである。

【符号の説明】

１０１…データセット加工ジョブ、 １０２…ジョブステップ１、 １０３…ジョブステップ２、 １０４…ジョブステップ３、 １１１…アーカイブ予約プログラム、 １１２…一括アーカイブプログラム、 １１３…実行条件定義プログラム、 １１４…データセットリコールプログラム、 １１５…アーカイブ予約解除プログラム、 １２１…保管媒体管理簿、 １２２…実行条件定義データセット、 １２３…アーカイブ管理レコード、 １２４…データセット名称、 １２５…予約フラグ、 １２６…アーカイブ可能な時間帯、 １２７〜１３０…アーカイブ可能な電子計算機システム
の負荷条件、 １３１…アーカイブ予約されたデータセットの数、 １３２…システム負荷の監視間隔時間、 ２０１〜２０８…フローチャートのステップ、 ２０９…アーカイブ手段。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新村 義章 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町5030番地 株 式会社日立製作所ソフトウェア開発本部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ディスク装置などのアクセス媒体上の
   データセットを、磁気テープ装置などのデータ保管用媒
   体へ移動するアーカイブ手段と、データ保管用媒体上の
   データセットを、アクセス媒体へ複写するリコール手段
   と、データ保管用媒体の所在及び属性を管理する保管媒
   体管理手段を有する電子計算機システムにおいて、移動
   要求が発生した場合に、計算機の負荷状況及びアクセス
   媒体の使用状況を一定の時間間隔で監視することにより
   確認し、該計算機の負荷が小さいと判断した場合に、一
   括して前記移動処理を実行することを特徴とするデータ
   セットのアーカイブ方法。