JPH07120067B2 - 電子写真用乾式現像剤 - Google Patents

電子写真用乾式現像剤

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JPH07120067B2
JPH07120067B2 JP61155150A JP15515086A JPH07120067B2 JP H07120067 B2 JPH07120067 B2 JP H07120067B2 JP 61155150 A JP61155150 A JP 61155150A JP 15515086 A JP15515086 A JP 15515086A JP H07120067 B2 JPH07120067 B2 JP H07120067B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真法あるいは静電印刷法などにおいて、
電気的潜像または磁気的潜像の現像に用いられる現像剤
に関し、とりわけ画質を著しく改良した電子写真用乾式
現像剤に関する。
[従来の技術] 従来より、電子写真法については米国特許第2297691号
明細書、特公昭42-23910号公報(米国特許第3666363号
明細書)、特公昭43-24748号公報(米国特許第4071361
号明細書)等に記載されているごとく、光導電層上に一
様に帯電を行い原稿に応じた光像露光することにより露
光部分の電荷を消滅させ潜像形成を行う。この得られた
静電潜像上に微粉末検電物質、いわゆる、トナーを付着
させることにより現像を行う。トナーは光導電層上の電
荷量の大小に応じて静電潜像に引きつけられ、濃淡を持
ったトナー像を形成する。このトナー像は必要に応じて
紙または布等の支持表面に転写を行い、加熱、加圧等に
より、支持表面上に永久定着する。またトナー像転写工
程を省略したい場合にはこのトナー像を光導電体層に定
着することもできる。前記の定着方法以外に溶剤処理や
上塗り処理のような他の手段を用いることも可能であ
る。
電子写真法における現像の際には、トナーが適当な摩擦
帯電性を有することが重要である。
すなわち、トナーの帯電量が少ない場合には、トナーと
トナー担持体との静電引力が弱く、そのためトナー担持
体からのトナーの遊離がわずかな衝撃によって起こりや
すく、画像上にカブリを生じる。特に一成分磁性現像剤
の場合には本質的に摩擦帯電量が低く、このような傾向
は高温高湿環境下においてさらに助長される。
また逆にトナーの帯電量が多すぎる場合には、現像の際
トナー担持体からトナーが遊離しがたくなり、装置に強
電界が必要となるばかりでなく、現像性が低下し濃度ム
ラが生じる。これは低温低湿環境下において特に顕著と
なる。特に圧力定着方式に供せられるトナー用の結着樹
脂は、その帯電能の高さ故帯電量が大きくなりやすい。
したがってトナーの製造にあたっては、帯電量を好適な
範囲に制御する必要がある。このトナーの帯電量を制御
する目的で、一般には定着用樹脂と着色剤の混合物に、
主に染料から成る帯電制御剤を微量添加する方法が採ら
れているが、微量の帯電制御剤を均一に分散することに
は困難が併い、トナー自体の帯電量にむらを生じてしま
う問題がある。
また、トナーとキャリア粒子を混合して二成分現像剤と
して用いる方法では、比較的安定に良画像が得られる
が、反面、キャリアの劣化、トナー補給に正確さが要求
されること、そのため装置が複雑かつ大型化することな
どの問題がある。
また、一般に紙などの転写材に転写されなかった潜像担
持体上の残余トナーは、潜像担持体にクリーニング部材
を接触させて除去される。この場合、クリーニング部材
は適当な圧力で潜像担持体に圧接しているので、繰り返
し使用している間に潜像担持体に傷がついたり、トナー
が固着する現象が発生する。このトナーが潜像担持体に
固着する現象を回避するために、特開昭48-47345におい
てトナー中に摩擦減少物質と研摩物質の双方を添加する
ことが提案されている。この方法は、確かにトナー固着
現象を回避するには有効であるが、次のような問題点を
有している。すなわち、トナー固着現象を回避しうる程
度に摩擦減少物質を添加すると、繰り返しの使用によっ
て潜像担持体表面に付着もしくは生成する紙粉、オゾン
付加物などの低電気抵抗物質の除去が行なわれにくくな
り、特に高温高湿の環境下において潜像担持体上の潜像
が著しく損なわれるという問題がある。また摩擦減少物
質と研摩物質それぞれの添加量が微妙であり、安定した
感光体への付着物を除去するのに充分な量の研摩物質を
添加すると、潜像担持体を傷つけたり、クリーニングブ
レードを傷つけてクリーニング不良を引き起こすという
現象を生じる。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、上述の諸問題を解決することを目的とするも
のである。
すなわち、本発明は摩擦帯電性を改良し、均一ならし
め、高温高湿環境下においても帯電性が著しく損なわれ
ず、低温低湿環境下においても現像特性が著しく損なわ
れない電子写真用乾式現像剤を提供するものである。
また、二成分現像剤を用いる現像方法においてキャリア
の劣化を防ぎ、トナー補給に余裕がある電子写真用乾式
現像剤を提供するものである。
また、圧力定着トナーにおいて特有な、トナーの凝集性
の問題を改良した電子写真用現像剤を提供するものであ
る。
また、潜像担持体のフィルミングあるいはクリーニング
不良のない、クリーニング特性に優れた電子写真用現像
剤を提供するものである。
[問題点を解決するための手段および作用] 具体的には、本発明は、トナー粒子と、該トナー粒子よ
り平均粒子径が小さく且つ体積固有抵抗が1011Ω・cm以
上である球形微粒子とを含有している電子写真用乾式現
像剤であり、該球形微粒子は、体積固有抵抗1011Ω・cm
以上の絶縁性樹脂の球形微粒子の表面に体積固有抵抗10
-8〜105Ω・cmを有する材料を、固定化することにより
調製された球形微粒子からなることを特徴とする電子写
真用乾式現像剤に関する。
本発明における球形微粒子が有効である理由を以下に述
べる。
トナー粒子はその製造方法が粉砕法である場合は必然的
にその表面が凹凸になり、重合法やカプセル化法であっ
ても、完全に単分散の球形トナーは得がたく、2〜3個
のトナーの凝集体を形成し結果的には表面が凹凸になっ
てしまう。この凹部を帯電させることは従来不可能であ
り、結果的に一つのトナー表面において電荷が分布し、
濃度うすや地カブリ、反転カブリ等種々の問題を生じて
しまう。そこで、トナー粒子より粒径の小さい球形微粒
子をトナー中に添加混合しておけば、トナー粒子の凹部
に接触して凹部にも充分電荷が付与され、各トナー粒子
は均一に充分に帯電する。
一方、球形微粒子の表面は体積固有抵抗が10-8〜105Ω
・cmである低抵抗材料で処理してあるので、その表面抵
抗の小ささ故、球形微粒子がリーク材の役割を果たし、
低温低湿下で異常に帯電量が増大することなく、常にバ
ランスの良い帯電量を維持できる。
また、圧力定着用トナーの場合、結着樹脂の融点が低
く、やわらかいため高温環境下あるいは圧力のかかった
状態で放置されると凝集しやすい。そこで、本発明に用
いる球形微粒子を混合することにより、トナー粒子同士
の直接の接触を避けることができ、トナー凝集を防ぐこ
とができる。
さらに、本発明における球形微粒子は絶縁性樹脂に低抵
抗材料で表面処理を施してあるためトナー粒子と比重が
大差なく、また球形でもあるのでトナー粒子と充分に均
一に混じり合って、相互にあるいはスリーブ上で摩擦さ
れ球形微粒子が単独でスリーブ上に固着したり、トナー
の流動性を妨げることがない。
これらの結果、現像剤全体として非常に良好な流動性が
維持され均一で必要充分に高い帯電量が約束され、高温
高湿、低温低湿環境下においても良好な状態で現像、転
写が行なわれて、飛び散り、転写抜け、転写ムラ等の問
題を克服でき、画像濃度も充分高くなる。
また、二成分現像剤に適用した場合、球形微粒子はキャ
リアの補助的な働きをすると同時に研摩剤的な働きをす
るので、トナー補給に余裕が生じ、かつキャリアの劣化
も防止することができる。
球形微粒子の極性はトナーと同極性で、しかも摩擦帯電
量もトナーと同程度であることが望ましく、トナーの摩
擦帯電量の±10μC以内が好ましい。摩擦帯電量がトナ
ーと球形微粒子で大きく差があると、現像剤として帯電
量のバラツキが生じやすく、その結果地カブリや反転カ
ブリが発生しやすい。また、トナーと球形微粒子の現像
性に差が生ずるため、その消費の比率が異なり、耐久に
より適正な混合比率の範囲からはずれやすくなる。適正
な混合比率は、トナー粒子に対して0.5〜5重量%、好
ましくは1〜3重量%が良い。球形微粒子の添加量が0.
5重量%より少ないと添加効果が現われにくく、一方5
重量%より多いとスリーブ固着やクリーニング不良を生
じやすくて好ましくない。
また、潜像担持体のフィルミング防止あるいはクリーニ
ング不良の防止等、クリーニング特性の改善を目的とす
る場合には、球形微粒子は紙粉、オゾン付加物等の低電
気抵抗物およびトナーを削りとる働きを持ち、そのため
には潜像担持体表面と同程度の硬さを有し、モース硬度
におけるタルクよりは硬いことが好ましい。また、球形
微粒子の静摩擦係数は0.15〜0.45であるものが好まし
い。静摩擦係数が0.45より大きいと、感光体表面に付着
した紙粉、オゾン付加物等の低電気抵抗物あるいはトナ
ーを削り取る効果は発揮されるが、潜像担持体と球形微
粒子の摩擦抵抗が大きすぎて潜像担持体の削れの程度が
大きく、潜像担持体の耐久性が低下しやすいので好まし
くない。一方、静摩擦係数が0.15より小さいと、モース
硬度がたとえタルクより硬くても、滑り性が良すぎるた
め良好な研磨性が得られにくく、潜像担持体のフィルミ
ングや融着を防止しにくい。このような絶縁性樹脂の例
としては、エポキシ樹脂、フェノル樹脂、プロピレン樹
脂、塩化ビニル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などが
挙げられる。
本発明に使用するトナーの結着樹脂としては公知のもの
がすべて使用可能であるが、例えばポリスチレン、ポリ
p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレ
ン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルス
チレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチ
レン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフ
タリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロル
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マ
レイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重
合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレ
ート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリアマイド、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、
変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、又はそれらの共縮合樹脂や硬化樹
脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹
脂、塩素化パラフィン、パラフィン、ワックスなどが単
独或いは混合して使用できる。
トナーには、任意の適当な顔料や染料が着色剤として使
用出来る。例えば、カーボンブラック、鉄黒、フタロシ
アニンブルー、群青、キナクリドン、ベンジジンイエロ
ーなど公知の染顔料がある。
トナーを磁性トナーとする場合には、鉄、コバルト、ニ
ッケルなどの強磁性元素、あるいは、マグネタイト、ヘ
マタイト、フェライトなどの鉄、コバルト、ニッケル、
マンガンなどの合金や化合物、その他の強磁性合金など
の磁性体を含有せしめればよい。
トナーには必要に応じて添加剤を混合しても良い。その
ような添加剤としては例えばテフロン、ステアリン酸亜
鉛の如き滑剤、あるいは定着助剤(例えば低分子量ポリ
エチレンなど)、また流動性付与剤、ケーキング防止剤
(例えばコロイダルシリカなど)などが挙げられる。
また、二成分トナーとする場合、鉄粉、ガラスビーズ、
ニッケル粉フェライトなどのキャリア粒子と混合して用
いられる。
次に球形微粒子の製造法について述べる。本発明におけ
る球形微粒子に用いる絶縁性樹脂は、前述のトナーに用
いる結着樹脂と同様のものが使用でき、スプレードライ
法、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、機械粉砕
法など、球形微粒子を製造できる方法ならどの方法でも
用いることができる。
球形微粒子に用いる絶縁性樹脂として、特に粒子の表面
の処理に適しているものとして、尿素樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、またはそれらの共縮合樹脂や、硬
化樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ硬化樹脂が挙げられ
る。表面処理(固定化)の方法として、鉄、ニッケル、
コバルト、銅、亜鉛、金、銀等の金属を蒸着法やメッキ
法で固定化する方法、または上記金属や磁性体、導電性
酸化亜鉛、酸化スズ−酸化アンチモン混合焼成体、など
をイオン吸着などにより固定化する方法、さらに、樹脂
微粒子を加熱してその表面をガラス状カーボン化するこ
とによってカーボンを固定化する方法などを挙げること
ができる。
いずれにしても体積固有抵抗が10-8〜105Ω・cmである
材料を用いて粒子表面処理を行なうのが好ましい。体積
固有抵抗が105Ω・cmより高いものを用いると、特に低
温低湿環境下において球形微粒子の帯電量が著しく増加
してスリーブへ固着し、結果として現像剤の現像不良が
生じて著しく画像濃度が低下するので好ましくない。ま
た、球形微粒子はなるべく真球に近い方が現像剤の流動
性や均一な帯電に有利である。
球形微粒子の粒径は、トナー粒子の凹部に接触する必要
があるのでトナー粒子径より小さい必要があり、1〜8
μmが好ましい。なお、本発明における粒径はコールタ
ーカウンターTAII型、100μmアパーチャーにて測定し
た体積平均粒子径である。
本発明を適用できるトナーとしては、一成分トナー、二
成分トナー、磁性トナー、カプセルトナー、重合トナ
ー、圧力定着トナー等、従来公知の各種トナーに使用で
きる。
本発明における体積固有抵抗の測定は例えば第1図に示
した装置で行なう。同図において、1は台座。2は押圧
手段で、ハンドプレスに接続されていて、圧力計3が付
属している。4は直径3.100cmの硬質ガラスセルで、中
に試料5を入れる。6は真鍮製のプレスラムで、直径4.
266cm、面積14.2857cm2。7はステンレス製の押棒で、
半径0.397cm、面積0.496cm2で、プレスラム6からの圧
力を試料5に加える。8は真鍮製の台、9,10はベークラ
イト製の絶縁板。11は6,8に接続された抵抗計、12はダ
イヤルゲージである。
第1図の装置において、ハンドプレスに油圧20kg/cm2
圧力をかけると、試料には576kg/cm2の圧力がかかる。
抵抗計11から抵抗を読み取り、試料の断面積をかけて、
ダイヤルゲージ12から読み取った試料の高さで割って体
積固有抵抗を求める。
本発明における静摩擦係数は、球形微粒子を200kg/cm2
加圧下に5分間圧縮して試験片を作成し、第2図に示す
ような装置を用いて試験片13が試験片13と同一または同
質材料で形成されている摩擦部材14を滑り止める角度θ
を測定し下式にして算出した。
[実施例] 以下、実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、部数はすべて重量部である。
実施例1 スチレン・アクリル共重合体樹脂; 100部 マグネタイト ; 60部 ネガ系電荷制御剤 ; 2部 上記材料を混練、粉砕、分級して平均粒径13μmの一成
分磁性トナーを得た。表面にニッケルメッキを施した粒
径2μmの硬化フェノール球形粒子2部、疎水性コロイ
ダルシリカ0.3部を該トナーに添加混合して顕像用現像
剤を調製し、市販のNP-400RE(キヤノン製)複写機を用
いて常温常湿(23℃,60%RH)、高温高湿(35℃,85%R
H)、低温低湿(15℃,10%RH)のそれぞれの環境下にお
いて3万枚の耐久試験を実施した。
その結果、飛び散り、転写抜け、転写ムラ等の欠陥のな
い高濃度の画像がそれぞれの環境下で得られた。また3
万枚目の画質と初期画質は同一で、良好であった。ニッ
ケルメッキを施した硬化フェノール球形粒子(硬化フェ
ノールの体積固有抵抗は1014Ω・cmである)の体積固有
抵抗は1013Ω・cm、、摩擦帯電量は0、トナー粒子の摩
擦帯電量は−8μC/gであった。
比較例1 実施例1の表面にニッケルメッキを施した粒径2μmの
硬化フェノール球形粒子2部の代りに、粒径2μmの硬
化フェノール球形粒子(ニッケルメッキを施していな
い)2部にする他は、すべて実施例1と同様にして顕像
用トナーを得て同様な試験を実施したところ、常温常
湿、高温高湿の環境下において良好な画像が得られた
が、低温低湿環境下において激しい濃度低下が発生し
た。未処理の硬化フェノール球形粒子の摩擦帯電量は+
15μC/gであった。
実施例2 スチレン・アクリル共重合体樹脂; 100部 マグネタイト ; 60部 ニグロシン ; 2部 上記材料を混練、粉砕、分級して平均粒径13μmの一成
分磁性トナーを得た。これに硬化エポキシ樹脂表面に体
積固有抵抗が10Ω・cmである酸化スズと酸化アンチモン
の混合焼成体を固定した粒径5μmの球形粒子2部、疎
水性コロイダルシリカ0.3部を添加混合して顕像用現像
剤を調製し、市販のNP-150Z(キャノン製)複写機を用
いて常温常湿(23℃,60%RH)、高温高湿(35℃,85%R
H)、低温低湿(15℃,10%RH)のそれぞれの環境下にお
いて3万枚の耐久試験を実施した。
その結果、飛び散り、転写抜け、転写ムラ等の欠陥のな
い高濃度の画像がそれぞれの環境下で得られた。また3
万枚目の画質と初期画質は同一で、良好であった。体積
固有抵抗が1015Ω・cmの硬化エポキシ樹脂表面に酸化ス
ズと酸化アンチモンの混合焼成体を固定した球形微粒子
の体積固有抵抗は1014Ω・cmであった。
比較例2 実施例2の、硬化エポキシ樹脂表面に酸化スズと酸化ア
ンチモン混合焼成体を固定した粒径5μmの球形粒子2
部の代りに、(未処理の)粒径5μmの硬化エポキシ樹
脂2部を用いた他は、すべて同様にして顕像用トナーを
得て実施例2と同様な試験を実施したところ、常温常湿
においてでさえ激しい濃度低下が発生した。
実施例3 スチレン・アクリル共重合体樹脂; 100部 カーボンブラック ; 6部 ネガ系電荷制御剤 ; 2部 上記材料を混練、粉砕、分級して平均粒径8μmのトナ
ーとした。該トナー10部に、粒径3μmの球形硬化フェ
ノール樹脂(硬化フェノール樹脂の体積固有抵抗は1014
Ω・cmである)を窒素気流中で300℃で加熱して表面を
ガラス状カーボン化したもの0.3部、キャリア鉄粉90部
を混合して顕像用現像剤を調製し、市販のNP-500(キヤ
ノン製)複写機を用いて常温常湿(23℃,60%RH)、高
温高湿(35℃,85%RH)、低温低湿(15℃,10%RH)のそ
れぞれの環境下において3万枚の耐久試験を実施した。
その結果、飛び散り、転写抜け、転写ムラ等の欠陥のな
い高濃度の画像が、(少々トナー/キャリアの比がズレ
ても)それぞれの環境下で得られた。また3万枚目の画
質と初期画質は同一で、良好であった。表面をガラス状
カーボン化した硬化フェノール樹脂の球形微粒子の体積
固有抵抗は1013Ω・cmであった。
比較例3 実施例3の、粒径3μmの表面をガラス状カーボン化し
た硬化フェノール樹脂の0.3部の代りに、加熱処理前の
粒径3μmの硬化フェノール樹脂を用いた他は、すべて
同様にして顕像用トナーを得て実施例3と同様な試験を
実施したところ、常温常湿、高温高湿の環境下において
実施例3と同様に良好な画像が得られたが、低温低湿環
境下において激しい濃度低下が発生した。
実施例4 ポリエステル樹脂; 100部 マグネタイト ; 60部 ネガ系電荷制御剤; 2部 上記材料を混練、ジェットミルで粉砕圧8kgで粉砕、分
級して平均粒径13μmの一成分磁性トナーを得た。該ト
ナーに、体積固有抵抗が1015Ω・cmの硬化エポキシ樹脂
表面に体積固有抵抗が104Ω・cmの導電性酸化亜鉛を固
定した粒径5μmの球形粒子(体積固有抵抗1014Ω・c
m)2部、疎水性コロイダルシリカ0.3部を添加混合して
顕像用現像剤を調製して、第3図に示した装置で現像
し、常法により普通紙に転写し熱ローラー定着を行なっ
た。常温常湿(23℃,60%RE)、高温高湿(35℃,85%R
E)、低温低湿(15℃,10%RE)のそれぞれの環境下にお
いて3万枚の耐久試験を実施した。その結果、飛び散
り、転写抜け、転写ムラ等の欠陥のない高濃度の画像が
それぞれの環境下で得られた。このトナーの表面を電子
顕微鏡で観察したところ、上記材料で通常の粉砕圧5kg
で粉砕したトナーと比べて、凹凸が激しかったが、それ
ぞれのトナーで実際に出した画像を比べると同等であっ
た。
なお、一成分磁性トナーの摩擦帯電量は−10μC/g,表面
に導電性酸化亜鉛を固定した硬化エポキシ樹脂の摩擦帯
電量は−6μC/gであった。
比較例4 実施例4の、表面に導電性酸化亜鉛を固定した粒径5μ
mの硬化エポキシ樹脂球形粒子2部の代りに粒径5μm
の硬化エポキシ樹脂(表面処理はしていない)2部にす
る他はすべて同様にして顕像用現像剤を得、実施例4と
同様の試験を行なったところ、常温常湿においては良好
な画像が得られたが、高温高湿、低温低湿環境下におい
て激しい濃度低下が発生した。なお硬化エポキシ樹脂
(未処理)の体積固有抵抗は1014Ω・cm,トリボ電荷量
は+40μC/gであった。
実施例5 ポリエチレン樹脂; 100部 マグネタイト ; 100部 ネガ系電荷制御剤; 2部 上記トナー材料を140℃の加温ローラーで混練し、冷却
後カッターミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕して
粒径6〜18μm、平均粒径12μmのトナーを得た。該ト
ナーに、体積固有抵抗が1015Ω・cmの硬化エポキシ樹脂
表面に体積固有抵抗が133Ω・cmの導電性酸化亜鉛を固
定した粒径5μmの球形粒子2部(体積固有抵抗1014Ω
・cm)、疎水性コロイダルシリカ0.3部を添加混合し、
現像剤を調製した。このトナーを用いて、正の電気潜像
を有する感光板を現像し、普通紙に転写したのち加圧ロ
ーラー(全圧460kgで、クロームメッキされた上下2本
の剛体ローラー)で定着した。
常温常湿(23℃,60%RH)、高温高湿(32.5℃,90%R
H)、低温低湿(15℃,10%RH)のそれぞれの環境下で耐
久試験を実施した。その結果、飛び散り、転写抜け、転
写ムラ等の欠陥のない高濃度の画像がそれぞれの環境下
で得られた。また3万枚めの画質は初期画質と同一で良
好だった。
またこのトナーを1ヶ月間保存容器に入れて、50℃の雰
囲気中で保存した後、同様の試験を行ったが、トナー凝
集は見られず、画像もまったく変化しなかった。
比較例5 上記実施例5の、表面に導電性酸化亜鉛を固定した硬化
エポキシ樹脂の代りに粒径5μmの硬化エポキシ樹脂
(表面処理はしていない)を加えるほかは同様にして試
験を行なったところ、常温常湿では、実施例1と同様、
良好な画像が得られたが、高温高湿、低温低湿では激し
い濃度低下が見られた。
実施例6 芯物質は、パラフィンワックス100部とジメチルアミノ
エチルメタクリレート5部との化学反応物30部とポリエ
チレンワックス20部、パラフィンワックス20部、カルナ
バワックス30部およびマグネタイト80部を加えて、120
℃で溶融混合し、スプレードライヤーで造粒後、乾式分
級を行なうことにより、体積平均径が11.3μmであり、
球形状のものが得られた。
この芯物質を有機相からの相分離方法によりスチレン−
ジメチルアミノエチルメタクリレート(モル比90/10)
共重合体で、0.35μmの膜厚で被覆し、カプセル化粒子
を得た。
このカプセルトナーに、体積固有抵抗が1015Ω・cmの硬
化エポキシ樹脂に10-6Ω・cmのニッケルメッキを施して
得た平均粒径4.5μmで体積固有抵抗1014Ω・cmの球形
微粒子を2部、疎水性コロイダルシリカ0.8部を混合し
現像剤とした。
上記現像剤を用い、市販のPC-303(キヤノン製)複写機
にて画像出しを行なったところ、カブリのない鮮明な画
像が得られた。
さらに、4000枚のライニングテストを常温常湿(20℃,6
0%)、低温低湿(15℃,10%)、高温高湿(30℃,90
%)の各環境下において行った結果、いずれの環境にお
いても良好な画像が得られ、画像の乱れ、トナー担持体
表面へのトナー固着により濃度ムラを生じなかった。
特に、高温高湿下のライニングテストにおいて、2000枚
画像出し後、2週間機械をストップさせたまま放置して
おいたが、スリーブ上あるいはドラムに愈着することな
く良好な画像が2001枚目以後からも得られた。
比較例6 表面処理を施さない硬化エポキシ樹脂微粒子(体積固有
抵抗5×1016Ω・cm)を使用すること以外は、実施例1
と同様に行なったところ、低温低湿下においてライニン
グ100枚目程度から濃度ムラが発生し、500枚目では極端
に濃度低下した。この時、現像器のトナー担持体上を観
察したところ、球形微粒子のキャージアップによると思
われるトナー固着が認められた。
実施例7 スチレン−ブタジエン共重合体(重量比84:16); 90
部 スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体(重量比90:1
0) ; 10部 低分子量ポリエチレン ; 5部 マグネタイト ; 60部 上記混合物を160℃に加熱したロールミルで30分混練
し、冷却後ハンマーミルにて粗粉砕し、さらにジェット
粉砕機にて微粉砕する。次いで風力分級機にて分級し、
5〜20μmの着色微粉体を得る。この着色微粉体に、表
面に体積固有抵抗10-6Ω・cmのニッケルメッキを施した
粒径3μmで淡黄色の硬化フェノール球形粒子(体積固
有抵抗1013Ω・cm,静摩擦係数0.37;硬化フェノールの体
積固有抵抗は1014Ω・cm)2部、コロイダルシリカ0.5
部を混合しトナーとした。
一方7μmの電荷移動層を表面に有するOPC感光体上に
静電潜像を形成し、第3図に示すような現像装置に上記
トナーを適用して現像した。現像剤担持体は外径50mmの
ステンレス製円筒スリーブ16とした。スリーブ16の表面
磁束密度700ガウス、穂切りブレード19とスリーブ16の
表面間距離0.25mmである。このスリーブ回転マグネット
固定(スリーブ周速はドラムのそれと同じで回転方向は
逆)型現像器を前記感光ドラム15表面−スリーブ16表面
間距離0.25mmに設定し、スリーブ16に1600Hz、1400Vの
交流及び−150〜−300V直流バイアスを印加した。
この現像器に前記トナー18を適用して、前記潜像を現像
し次いで転写紙の背面より−7KVの直流コロナを照射し
つつ粉像を転写し、複写画像を得た。定着は市販の普通
紙複写機(商品名,NP-200J,キヤノン製)の定着器を用
いて行った。
また潜像担持体上の残余のトナーはカウンターブレード
クリーニング方式を用いて除去した。使用したブレード
硬度w/aは12g/cmであった。
上述のように本発明のトナーを用いて画像形成を行った
ところカブリのない鮮明な画像が得られた。10,000枚の
ランニングテストを常温常湿(20℃,60%)、低温低湿
(15℃,10%)、高温高湿(30℃,90%)の各環境下にお
いて行った結果、いずれの環境においても良好な画像が
得られ、画像の乱れ、潜像担持体表面へのトナー固着に
よるカブリ等は生じなかった。このときの潜像担持体の
削れ量を調べたところ、1〜2μmであり、画質への弊
害はなかった。
比較例7 硬化フェノール球形粒子を用いないことを除いては実施
例7と同様に行ったところ、初期は鮮明な画像が得られ
たが、5000枚後においては潜像担持体へのトナー固着が
認められた。
比較例8 ニッケルメッキを施さない硬化フェノール球形粒子(静
摩擦係数0.36)を用いる以外は実施例1と同様に行った
ところ、常温常湿、高温高湿においては実施例1と同様
の結果が得られたが、低温低湿においては、耐久におけ
る濃度低下が認められ、特にトナー補給前では、実施例
1に比べて0.15の濃度差があった。
比較例9 静摩擦係数が0.46で白色の高硬度ポリスチレン球形粒子
を用いる以外は実施例1と同様に画出しを行ったところ
常温常湿下で6000枚位から画像コントラストがとれなく
なり、カブリの増加、濃度低下が認められた。原因を調
べたところ、潜像担持体の削れが激しく、潜像担持体寿
命が短くなってしまったことが確認できた。10,000枚時
潜像担持体削れ量を測定したところ、6〜7μであっ
た。また、高温高湿下において、3000枚時ブレードめく
れが発生した。
比較例10 静摩擦係数が0.13で白色の4フッ化エチレン球形微粒子
を使用する以外は実施例1と同様に画出しを行ったとこ
ろ高温高湿下で潜像担持体への紙粉を含んだトナー固着
が激しく、実用に適さなかった。
実施例8 スチレン 170部 2−エチルヘキシルアクリレート 30部 スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合
体(モノマー比9:1,n=20,000) 20部 パラフィンワックス155゜F(日本精蝋製) 8部 NKエステル4G(新中村化学製) 2部 磁性体[KR-TTS 3%処理したBL-250(チタン工業製)]
140部 上記処方を容器中で70℃に加温し、溶解し分散した。高
剪断力を有する混合装置でるTK−ホモミキサー(特殊機
化工業製)を備えた容器の中で得られた分散液を70℃に
保持しながら約30分間混合し、さらにアゾビスイソブチ
ロニトリル10部を加え、10分間混合を行ない単量体系を
調整した。アエロジール#200(日本アエロジール製)1
0部を1000部の水にTKホモミキサーで分散し、70℃に保
った系に上記モノマー系を投入し、8000rpmで15分間、4
000rpmで45分間撹拌し、その後パドル刃撹拌で撹拌し、
10時間重合させた。その後シリカをNaOHで処理し取り除
いた後、水洗、過、乾燥し、体積平均径12.5μmの微
粉体を得た。
この重合トナーに、体積固有抵抗が1016Ω・cmの硬化エ
ポキシ樹脂に10-6Ω・cmのニッケルメッキを施して得た
平均粒径5.6μmで体積固有抵抗5×1014Ω・cmの球形
微粒子を3部添加し、さらに疎水性コロイダルシリカ0.
4部を添加混合し現像剤を得た。
この現像剤を用い市販の複写機(キヤノン製PC-20)に
て画像出しを行なったところ、カブリのない鮮明な画像
が得られた。さらに、4000枚のランニングテストを常温
常湿(20℃,60%)、低温低湿(15℃,10%)、高温高湿
(30℃,90%)の各環境下において行った結果、いずれ
の環境においても良好な画像が得られ、画像の乱れ、ト
ナー担持体表面へのトナー固着による濃度ムラ等は生じ
なかった。
比較例11 表面処理を施さない硬化エポキシ樹脂微粒子(体積固有
抵抗5×1016Ω・cm)を使用すること以外は、実施例1
と同様に行なったところ、低温低湿下においてランニン
グ100枚目程度から濃度ムラが発生し、500枚目では極端
に濃度低下した。この時、現像器のトナー担持体上を観
察したところ、球形微粒子のチャージアップによると思
われるトナー固着が認められた。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば各種トナーにおいて高温
高湿、低温低湿環境下でも均一で良好な摩擦帯電性が得
られる。また、二成分現像剤におけるキャリアの劣化を
防ぎ、トナー補給に余裕が得られる。また、特に圧力定
着トナーにおいて問題となるトナーの凝集性が改善され
る。さらには潜像担持体のフィルミングあるいはクリー
ニング不良のない、クリーニング特性に優れた電子写真
用現像剤が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は体積固有抵抗を測定する装置の例、第2図は静
摩擦係数の測定に使用した装置、第3図は実施例で使用
した複写機の部分概略図である。 1……台座、2……押圧手段、3……圧力計、4……硬
質ガラスセル、5……試料、6……プレスラム、7……
押棒、8……台、9,10……絶縁板、11……抵抗計、12…
…ダイヤルゲージ、13……試験片、14……摩擦部材、15
……感光ドラム、16……スリーブ、17……マグネット、
18……トナー、19……穂切りブレード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡戸 謙次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−143236(JP,A) 特開 昭60−186851(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナー粒子と、該トナー粒子より平均粒子
    径が小さく且つ体積固有抵抗が1011Ω・cm以上である球
    形微粒子とを含有している電子写真用乾式現像剤であ
    り、該球形微粒子は、体積固有抵抗1011Ω・cm以上の絶
    縁性樹脂の球形微粒子の表面に体積固有抵抗10-8〜105
    Ω・cmを有する材料を、固定化することにより調製され
    た球形微粒子からなることを特徴とする電子写真用乾式
    現像剤。
JP61155150A 1986-07-03 1986-07-03 電子写真用乾式現像剤 Expired - Lifetime JPH07120067B2 (ja)

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