JPH07119728A - 自動車のプロペラシャフト構造 - Google Patents

自動車のプロペラシャフト構造

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JPH07119728A
JPH07119728A JP26927893A JP26927893A JPH07119728A JP H07119728 A JPH07119728 A JP H07119728A JP 26927893 A JP26927893 A JP 26927893A JP 26927893 A JP26927893 A JP 26927893A JP H07119728 A JPH07119728 A JP H07119728A
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JP
Japan
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propeller shaft
outer cylinder
shaft
inner cylinder
automobile
Prior art date
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Application number
JP26927893A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Wada
憲之 和田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両正突時におけるプロペラシャフトへの衝
撃力を吸収緩和する。 【構成】 フロント側プロペラシャフトをユニバーサル
ジョイントを介して連結した第1、第2の前後2本のシ
ャフト部材により形成するとともに、前方側第1のシャ
フト部材を収縮可能に構成することによって、シャフト
部の収縮と屈曲を可能にし、衝撃吸収ストロークを拡大
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、エンジンからの駆動
力を車軸に伝達するための自動車のプロペラシャフトの
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近では自動車のパワープラントのレイ
アウトについて種々の形態のものが考えられており、例
えばフロントエンジン・リアドライブ(FR)、フロント
エンジン・リアドライブ(FR)ベースの4輪駆動、フロ
ントエンジン・フロントドライブ(FF)ベースの4輪駆
動方式などがある。そして、このような各種4輪駆動車
やフロントエンジン・リアドライブ方式の自動車などで
は、エンジン(パワープラント)からの駆動力を当該パワ
ープラントの前又は後方向に延びるプロペラシャフトか
らディファレンシャルギヤを介して車軸に伝達するよう
になっている。
【0003】ところで、このようなプロペラシャフトを
備えた車両では、例えば車両の正突時において、前方に
設けられたエンジンの後退が規制されて衝突エネルギー
がそのまま車体側(キャビン)に入力されるため衝突エネ
ルギーのコントロールが難かしく、衝突エネルギーのピ
ークが高まり、乗員に対して好ましくない影響をおよぼ
すおそれがある。
【0004】そこで、該問題に対する対策として、従来
より例えば実開昭57−33322号公報に示されるよ
うに、シャフト部材を前後2本の相互に分割可能な異径
部材により形成し、これら2本のシャフト部材を相互に
スライド可能にスプライン嵌合することによって上記衝
撃エネルギーを吸収し得るようにしたものが提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、該構成では
単に1本のシャフト部材(シャフト単体)が相互にスライ
ド可能にスプライン嵌合されているだけであるから、ス
ライドストローク、すなわち衝撃エネルギー吸収ストロ
ークの大きさには限界があり、大きなディファレンシャ
ルギヤ部の後退量があったような時には十分に対応する
ことができない。
【0006】また、衝撃エネルギー吸収ストロークの大
きさの問題を抜きにしても、上記のように単にスプライ
ン嵌合させただけでは、同嵌合部にゴミ(砂、泥)等が噛
み込み、実質的にスライド機能そのものを喪失してしま
うというようなことも起り得る。また、腐蝕も生じ易
い。
【0007】さらに、単にスライド可能な嵌合構成にす
ると、組付時において、その傾斜角によりシャフト部が
勝手に伸縮してしまい、組付けにくさが生じる。
【0008】一方、低床化とヨー慣性モーメントを低減
することを狙いとしてフロント側の車軸よりも後方にエ
ンジンがレイアウトされた車両も考えられている。
【0009】こうした車両において、正突時には、エン
ジンよりも前方にプロペラシャフトがレイアウトされて
いるために、エンジンの挙動のコントロールよりも前方
にレイアウトされているプロペラシャフトの挙動をコン
トロールすることにより衝突エネルギーをコントロール
する方が有効であり、上記従来の技術の様にエンジン後
方にレイアウトされているプロペラシャフト等に工夫を
行ったとしても衝突エネルギーはコントロールできな
い。また、トランスファから前方にのびるプロペラシャ
フトが2本で構成されている場合、後方に設置されてい
るプロペラシャフトにスライド機能をもたせたとして
も、エンジン等にセンタベアリングを介して支持されて
いるためスライド機能をはたさない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1〜10各
項記載の発明は、それぞれ上記の問題を解決することを
目的としてなされたものであって、各々次のように構成
されている。
【0011】(1) 請求項1記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、パワープラン
トのフロント側に突出するプロペラシャフトを備え、該
プロペラシャフトをユニバーサルジョイントを介して相
互に連結した第1、第2の前後2本のシャフト部により
形成するとともに、前方側第1のシャフト部を収縮可能
に構成したことを特徴としている。
【0012】(2) 請求項2記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、請求項1記載
の発明における上記収縮可能な前方側第1のシャフト部
が、相互にスライド可能にスプライン嵌合された外筒と
内筒との2本のシャフト部材よりなることを特徴として
いる。
【0013】(3) 請求項3記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、上記請求項2
記載の発明における上記内筒および外筒両者の各スライ
ド部外方には各々スリーブ状のダストカバーが嵌合され
ている一方、上記外筒と上記内筒側ダストカバーとの間
には弾性体が介装されていることを特徴としている。
【0014】(4) 請求項4記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、上記請求項2
又は3記載の発明における上記内筒又は外筒の何れか一
方側に所定の軸方向荷重以下では相互のスライド量を規
制する一方、同荷重を超えると当該規制作用を喪失する
ストッパ手段を設けたことを特徴としている。
【0015】(5) 請求項5記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、上記請求項4
記載の発明における上記ストッパ手段が内筒又は外筒何
れか一方側のダストカバー内に設けられていることを特
徴としている。
【0016】(6) 請求項6記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、シャフト部を
相互にスライド可能にスプライン嵌合された外筒と内筒
との2本のシャフト部材により構成してなる自動車のプ
ロペラシャフトにおいて、上記内筒および外筒両者の各
スライド部外方には各々スリーブ状のダストカバーが嵌
合されている一方、上記外筒と上記内筒側ダストカバー
との間には弾性体が介装されていることを特徴としてい
る。
【0017】(7) 請求項7記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、シャフト部を
相互にスライド可能にスプライン嵌合された外筒と内筒
との2本のシャフト部材により構成してなる自動車のプ
ロペラシャフトにおいて、上記内筒又は外筒の何れか一
方側に所定の軸方向荷重以下では相互のスライド量を規
制する一方、同荷重を超えると当該規制作用を喪失する
ストッパ手段を設けたことを特徴としている。
【0018】(8) 請求項8記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、上記請求項7
記載の発明における上記ストッパ手段が内筒又は外筒何
れか一方側のダストカバー内に設けられていることを特
徴としている。
【0019】(9) 請求項9記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、上記請求項3
又は6記載の発明における弾性体がラバーブッシュであ
ることを特徴としている。
【0020】(10) 請求項10記載の発明の構成 この発明の自動車のプロペラシャフトは、上記請求項
4,5,7又は8記載の発明におけるストッパ手段がCリ
ングであることを特徴としている。
【0021】
【作用】本願の請求項1〜10各項記載の発明は、各々
上記の構成に対応して次のような作用を奏する。
【0022】(1) 請求項1記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構造では、上述
のように、パワープラントのフロント側に突出するプロ
ペラシャフトを備え、該プロペラシャフトをユニバーサ
ルジョイントを介して相互に連結した第1、第2の前後
2本のシャフト部により形成するとともに、前方側第1
のシャフト部を収縮可能に構成している。
【0023】したがって、例えば車両正突時に、前車軸
側ディファレンシャルギヤ部の後退が生じたとしても、
該後退を当該プロペラシャフトの前方側第1のシャフト
部材の収縮によって効果的に吸収することができ、また
同プロペラシャフトの変形挙動を上部側車室部方向に向
かわせることなく、水平方向に規制安定化させることが
できるようになる。
【0024】さらに、その結果、上記収縮時において
は、上記第1のシャフト部材の軸長が十分に短くなり、
上記前車軸側ディファレンシャルギヤが当該第1のシャ
フト部材の収縮ストロークを超えて後退してきた時の上
記第1、第2のシャフト部材のユニバーサルジョイント
による連結部の下方又は上方への屈曲によって衝撃吸収
ストロークがより拡大され、また該屈曲後の第1のシャ
フト部材前端又は後端側の上方への立上り高さも低くな
る。従って、より車室部側への影響度を小さくすること
ができる。
【0025】(2) 請求項2記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構造では、上述
のように請求項1記載の発明における上記収縮可能な前
方側第1のシャフト部が、相互にスライド可能にスプラ
イン嵌合された外筒と内筒との2本のシャフト部材によ
り構成されている。
【0026】したがって、例えば上記の場合同様に車両
正突時に、前車軸側ディファレンシャルギヤ部の後退が
生じたとしても、該後退を当該プロペラシャフトのスプ
ライン嵌合された前方側第1のシャフト部材の外筒と内
筒の収縮方向へのスライドによって効果的に吸収するこ
とができ、また同プロペラシャフトの変形挙動を上部側
車室部方向に向かわせることなく、水平方向に規制安定
化させることができるようになる。
【0027】さらに、その結果、上記収縮時において
は、上記第1のシャフト部材の軸長が十分に短くなり、
上記前車軸側ディファレンシャルギヤが当該第1のシャ
フト部材の収縮ストロークを超えて後退してきた時の上
記第1、第2のシャフト部材のユニバーサルジョイント
による連結部の下方又は上方への屈曲によって衝撃吸収
ストロークがより拡大され、また該屈曲後の第1のシャ
フト部材前端又は後端側の上方への立上り高さも低くな
り、車室部側への影響度を小さくすることができる。
【0028】(3) 請求項3記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構造では、上述
のように上記請求項2記載の発明の構成における上記内
筒および外筒両者の各スライド部外方には各々スリーブ
状のダストカバーが嵌合されている一方、上記外筒と上
記内筒側ダストカバーとの間には弾性体が介装されてい
る。
【0029】したがって、上記請求項2記載の発明と同
様の作用が実現されることは素より、上記請求項2記載
の発明の構成を採用した時に生じるスプライン嵌合部へ
のゴミ等の噛み込みによるスライド不能、腐蝕現象が、
内筒および外筒双方のダストカバーの存在により確実に
解消されるようになる。
【0030】また、該ダストカバーを嵌合した時に生じ
る外筒と内筒側ダストカバーとの間の軸直交方向の振れ
振動による相互の干衝は、両者の間に介装された弾性体
によって有効に吸収されるようになり、当該干衝による
騒音も生じなくなる。
【0031】(4) 請求項4記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構造では、上記
請求項2又は3記載の発明の構成における上記内筒又は
外筒の何れか一方側に所定の軸方向荷重以下では相互の
スライド量を規制する一方、同荷重を超えると当該規制
作用を喪失するストッパ手段を設けて構成されている。
【0032】上記請求項2又は3記載の発明の構成のよ
うに、前方側第1のシャフト部材の外筒と内筒が相互に
スライド自在になっていると、そのままでは車体又はデ
ィファレンシャルギヤ、パワープラントへの組付時に勝
手に伸縮して非常に組付けにくい。
【0033】ところが、この発明の構成のように、上記
内筒又は外筒の何れか一方側に上記車両正突時の衝撃荷
重を超えない所定の軸方向荷重以下では相互のスライド
作用を規制するストッパ手段を設けて仮止めして置くよ
うにすると、そのような問題は確実に解消される。
【0034】そして、このストッパ手段は、例えば上記
所定の軸方向荷重を超える車両正突時の衝撃荷重が作用
すると、そのストッパ作用を喪失するので、上述した衝
撃エネルギーの吸収には何等の障害とならない。
【0035】(5) 請求項5記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構造では、上記
請求項4記載の発明の構成における上記ストッパ手段が
内筒又は外筒何れか一方側のダストカバー内に設けられ
ている。
【0036】したがって、ストッパ手段が外部に露出し
ている場合のような雨水、泥等による錆び、劣化が生じ
なくなる。
【0037】(6) 請求項6記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構造では、シャ
フト部を相互にスライド可能にスプライン嵌合された外
筒と内筒との2本のシャフト部材により構成してなる自
動車のプロペラシャフトにおいて、上記内筒および外筒
両者の各スライド部外方には各々スリーブ状のダストカ
バーが嵌合されている一方、上記外筒と上記内筒側ダス
トカバーとの間には弾性体が介装されている。
【0038】したがって、例えば車両正突時又は後突時
何れかの時に、前車軸側ディファレンシャルギヤ又は後
車軸ディファレンシャルギヤ部の後退又は前進が生じた
としても、該後退又は前進を当該プロペラシャフトのシ
ャフト部の収縮スライドによって効果的に吸収すること
ができ、また同プロペラシャフトの変形挙動を上部側車
室部方向に向かわせることなく、水平方向に規制安定化
させることができるようになる。
【0039】さらに、その結果、上記収縮時において
は、シャフト部の軸長が十分に短くなり、上記前車軸側
又は後車軸側のディファレンシャルギヤが当該シャフト
部の収縮ストロークを超えて後退してきた時に、当該シ
ャフト部が万一下方側又は上方側に変形したとしても、
その前端側又は後端部側の上方への立上り高さを低くす
ることができ、それだけ車室側への影響度を小さくする
ことができる。
【0040】そして、同構成においては、さらに上記内
筒および外筒両者の各スライド部外方に各々スリーブ状
のダストカバーが嵌合されている一方、上記外筒と上記
内筒側ダストカバーとの間には弾性体が介装されてい
る。
【0041】したがって、上記の構成を採用した時に生
じるスプライン嵌合部へのゴミ等の噛み込みによるスラ
イド不能現象が、内筒および外筒双方のダストカバーの
存在により確実に解消されるようになる。
【0042】また、該ダストカバーを嵌合した時に生じ
る外筒と内筒側ダストカバーとの間の軸直交方向の振れ
振動による相互干衝は、両者の間に介装された弾性体に
よって有効に吸収されるようになり、当該干衝による騒
音も生じなくなる。
【0043】(7) 請求項7記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構成では、シャ
フト部を相互にスライド可能にスプライン嵌合された外
筒と内筒との2本のシャフト部材により構成してなる自
動車のプロペラシャフトにおいて、上記内筒又は外筒の
何れか一方側に所定の軸方向荷重以下では相互のスライ
ド量を規制する一方、同荷重を超えると当該規制作用を
喪失するストッパ手段を設けて構成されている。
【0044】上記のように、前方側第1のシャフト部材
の外筒と内筒が相互にスライド自在になっていると、そ
のままでは車体又はディファレンシャルギヤ、パワープ
ラントへの組付時に勝手に伸縮して非常に組付けにく
い。
【0045】ところが、この発明の構成のように、上記
内筒又は外筒の何れか一方側に上記車両正突時又は後突
時の衝撃荷重を超えない所定の軸方向以下では相互のス
ライド作用を規制するストッパ手段を設けて仮止めして
置くようにすると、そのような問題は確実に解消され
る。
【0046】そして、このストッパ手段は、例えば上記
所定の軸方向荷重を超える車両正突時又は後突時の衝撃
荷重が作用すると、そのストッパ作用を喪失するので、
上述した衝撃エネルギーの吸収には何等の障害とならな
い。
【0047】(8) 請求項8記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構成では、上記
請求項7記載の発明の構成における上記ストッパ手段が
内筒又は外筒何れか一方側のダストカバー内に設けられ
ている。
【0048】したがって、ストッパ手段が外部に露出し
ている場合のような雨水、泥等による錆び、劣化が生じ
なくなる。
【0049】(9) 請求項9記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構成では、上記
請求項3又は6記載の発明の構成における弾性体がラバ
ーブッシュにより構成されており、容易に介装すること
ができ、しかも十分な制振作用を発揮する。
【0050】(10) 請求項10記載の発明の作用 この発明の自動車のプロペラシャフトの構成では、上記
請求項4,5,7又は8記載の発明の構成におけるストッ
パ手段がCリングにより構成されており、取付部に複雑
な加工を要することなく簡単かつ容易に装着することが
できる。
【0051】
【発明の効果】以上の結果、本願の請求項1〜10記載
の発明の自動車のプロペラシャフト構造によると、各々
次のような効果を得ることができる。
【0052】(1) 請求項1〜5および9,10記載の
発明の効果 これらの発明では、第1のシャフト部材の収縮又はスラ
イドによるプロペラシャフト前端部での衝撃吸収作用に
より、車両正突時のプロペラシャフト挙動を確実に水平
方向後方に規制することができ、可及的に車室側への影
響を小さくすることができる。
【0053】また、それに併せて第1、第2の2本のシ
ャフト部材の下方又は上方への屈曲による衝撃吸収スト
ローク拡大効果を得ることができる。
【0054】さらに、請求項3記載の発明では、それら
の効果に加えて、ダストカバーによりスライド部へのゴ
ミ等の噛み込みが防止されるとともに外筒と内筒側ダス
トカバーとの振動、ガタツキが防止されるから、より長
期に亘り上記効果の信頼性が確保される。
【0055】また、請求項4記載の発明では、ストッパ
手段によるスライド規制作用によりプロペラシャフト組
付時の作業性が大きく向上する。さらに請求項5記載の
発明では、同ストッパ手段がダストカバー内に設けられ
ることから、その劣化が防止され、耐久性、信頼性がよ
り一層向上する。
【0056】(2) 請求項6〜8および9,10記載の
発明の効果 これらの発明では、プロペラシャフト全体の収縮スライ
ドによる衝撃吸収作用によって車両正突又は後突時のプ
ロペラシャフト挙動を確実に水平方向後方に規制するこ
とができ、可及的に車室側への影響を小さくすることが
できる。
【0057】また、1本のプロペラシャフトの全体をス
ライド可能としたことにより十分な衝撃吸収ストローク
拡大効果を得ることができる。
【0058】さらに、それらの効果に加えて、ダストカ
バーによりスライド部へのゴミ等の噛み込みが防止され
るとともに外筒と内筒側ダストカバーとの振動、ガタツ
キが防止されるから、より長期に亘り上記効果の信頼性
が確保される。
【0059】また、特に請求項7記載の発明では、スト
ッパ手段によるスライド規制作用によりプロペラシャフ
ト組付時の作業性が大きく向上する。さらに請求項8記
載の発明では、同ストッパ手段がダストカバー内に設け
られていることから、その劣化が防止され、耐久性、信
頼性がより一層向上する。
【0060】
【実施例】
(1) 第1実施例(請求項1〜6および9,10記載の発
明に対応) 図1〜図4は、本願発明の第1実施例に係る例えば自動
車のパワープラントフロント側のプロペラシャフトの構
造を示している。
【0061】先ず図1は、同プロペラシャフト1の全体
構造を示している。該プロペラシャフト1は、前部側第
1のシャフト部材1Aと後部側第2のシャフト部材1B
との相互に分割された前後2本のシャフト部材よりな
り、該第1、第2の2本のシャフト部材1A,1Bを第
1のユニバーサルジョイント2を介して相互に連結して
構成されている。
【0062】そして、図4に示すように、その第1のシ
ャフト部材1A前端部側は、第2のユニバーサルジョイ
ント3を介して当該自動車のフロント側ディファレンシ
ャルギヤ4の入力軸5に連結されている一方、第2のシ
ャフト部材1B後端側は第3のユニバーシャルジョイン
ト6を介してパワープラント22側トランスファー7の
出力軸8に連結されている。また、上記第2のシャフト
部材1Bの前部(ジョイント部手前)はセンターベアリン
グ9およびセンターブラケット10を介してエンジン本
体11側に支持されている。
【0063】同センターブラケット10は、図1および
図3に示すように、センターベアリング9部の外側部側
半周部を覆った状態で、その上下両端側取付部10a,1
0bをエンジン本体11側にボルト12a,12bにより締
結固定するようにしており、同センターブラケット10
の上端側取付部10a側はエンジン本体11のシリンダ
ブロック11a部に、一方下端側取付部10b側はオイル
パン11b上部にボルト13で固定された支持部材14
の下端に対して締結固定されている。そして、上記セン
ターブラケット10の上記上下両端側取付部10a,10
bには上記各ボルト12a,12bの挿通孔部15a,15b
が形成されているが、該ボルト挿通孔部15a,15b部
はボルト挿通孔部12a,12bの直径に対応した前後方
向に長いスリット形状により構成されている。
【0064】さらに、図4中の符号17は上記フロント
側ディファレンシャルギヤ4の前方下部に位置する車体
側サスペンションクロスメンバー、また18は上記エン
ジン本体11の下部に位置してエンジン本体11を支持
している車体側エンジンマウントメンバー、さらに19
は上記フロント側ディファレンシャルギヤ4の後部下方
に位置して設けられたスタビライザである。また、20
は上記フロント側ディファレンシャルギヤ4を車体に支
持するフロントデフマウントメンバーであり、上記フロ
ント側ディファレンシャルギヤ4はデフマウントブラケ
ット21を介して当該フロントデフマウントメンバー2
0により所定量以上の後方移動があると後方に外れるよ
うにして支持されている。
【0065】ところで、上記プロペラシャフト1の前方
側第1のシャフト部材1Aは例えば図2に示すように、
前部側外筒31と後部側内筒32との相互にスプライン
嵌合されて前後方向に摺動可能な前後2本の筒部材によ
り構成されている。
【0066】そして、該前部側外筒31の嵌合部31a
内側には第1のスプライン溝33が、また後部側内筒3
2の嵌合部32aの外側には第2のスプライン溝34が
設けられており、相互に一体回転可能となっているとと
もに、それらの各外周部には図示のようにスリーブ状の
第1、第2のダストカバー35,36が各々嵌合されて
いる。
【0067】第1のダストカバー35は、その前端35
a側を上記外筒31の前部側大径部31aにスポット溶接
およびロールカシメにより接合固定されているとともに
他方その後端35b側を同外筒31の嵌合部31aの外周
に嵌合固定された厚肉リング37の外周に嵌合して固定
されている。一方第2のダストカバー36は、その前端
側大径部36a端部を上記厚肉リング37の後端面に衝
合するとともに当該大径部36a内側にラバー部材より
なるダストシール38を嵌装し、かつその若干後方の小
径部位置で弾性ブッシュ39を介して上記外筒31の嵌
合部31a外周に対して嵌合されており、他方その後端
36b側は上記内筒32の後端側大径部32bに対してス
ポット溶接およびロールカシメにより接合固定されてい
る。
【0068】さらに、符号40は、上記内筒32の嵌合
部32a後端位置に嵌合溝を介して嵌合係止された例え
ばCリングよりなるストッパリングであり、外筒31の
所定荷重以下の軸方向後退押圧力に対してはストッパ作
用を果たすが、該所定荷重を越える外筒31の同後退方
向押圧力に対してはストッパ作用を喪失して後方へ大き
なスライド移動を許容するようになっている。
【0069】したがって、以上の構成のプロペラシャフ
ト1では、例えば図4の仮想線に示すように当該自動車
に正突が発生して、上記フロント側ディファレンシャル
ギヤ4前方の車体側サスペンションクロスメンバー17
の後退が生じ、それによって更に上記フロント側ディフ
ァレンシャルギヤ4に対して後方へ衝撃エネルギーFが
作用したとすると、次のようなメカニズムで、その衝撃
エネルギーが大きなストロークで効果的に吸収されて行
く。
【0070】(1) 先ず上方側デフマウントメンバーが
外れて、フロント側ディファレンシャルギヤの後部が下
方に落され、スタビライザに当って所定高さに支持され
る。
【0071】(2) その後、同状態から、さらに上記フ
ロント側ディファレンシャルギヤ4が後退すると、上記
第1のシャフト部材1Aが矢印方向に押圧されるが、上
述のように該第1のシャフト部材1Aは、相互にスライ
ド自在にスプライン嵌合された外筒31と内筒32とか
ら構成されていることから、前部側外筒31が上記スト
ッパリング40の係止力を破砕して(乗り越えて)後方側
略水平方向に所定ストローク量スライドすることによっ
て当該後方への衝撃エネルギーを吸収する。その結果、
プロペラシャフト1の変形挙動が略水平方向後方に規制
安定化され、車室側に屈曲するようなイレギュラーな変
形は生じなくなる。該作用は、上記内筒32および外筒
31のスプライン嵌合部へのゴミ等の噛み込みによるス
ライド不能現象が、上記内筒および外筒双方のダストカ
バー35,36の存在により確実に解消されることか
ら、確実に保障される。
【0072】また、該ダストカバー35,36を嵌合し
た時に生じる外筒31と内筒32側ダストカバー36と
の間の軸直交方向の振れ振動による相互干衝は、両者の
間に介装された弾性ブッシュ39によって有効に吸収さ
れるようになり、当該干衝による騒音も生じない。
【0073】(3) 一方、上記(2)の場合において、さ
らに上記第1のシャフト部材1Aの収縮ストロークを超
える後方移動が生じた時は、例えば上記センターブラケ
ット10の上下取付部が後方に外れて第1のシャフト部
材1Aと第2のシャフト部材1Bとが下方に向けて、く
の字状に屈曲するように構成することにより、その衝撃
エネルギー吸収ストロークを拡大することもできる。
【0074】ところで、上記のように、前方側第1のシ
ャフト部材1Aの外筒31と内筒32が相互にスライド
自在になっていると、そのままでは車体又はディファレ
ンシャルギヤ、パワープラントへの組付時に勝手に伸縮
して非常に組付けにくい。
【0075】ところが、以上の構成のように、上記内筒
32(又は外筒31)に上記車両正突時の衝撃荷重を超え
ない所定の軸方向荷重以下では相互のスライド作用を規
制するストッパリング40を設けて仮止めして置くよう
にすると、そのような問題は確実に解消される。
【0076】(2) 第2実施例(請求項6〜10記載の
発明に対応) ところで、本願発明による自動車のプロペラシャフト構
造は、上述した図1〜図4のような第1、第2のシャフ
ト部材1A,1Bを備えた2分割型のプロペラシャフト
構造のみに限られるものではなく、例えば図5に示すよ
うに全体として1本のシャフト部を図2に示す上記第1
のシャフト部材1Aと全く同様の構造のもので構成して
も良い。
【0077】このような構成にすると、前方側外筒31
と後方側内筒32とのスライドストロークも大きくな
り、上記第1実施例のような第1のシャフト部材1Aと
第2のシャフト部材1B相互間の上下方向の屈曲による
衝撃吸収ストローク拡大作用を組合わせるまでもなく、
十分な衝撃吸収ストロークを得ることができ、該スライ
ドストローク部の構造に関して上記第1実施例と全く同
様の作用効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明の第1実施例に係る自動車の
プロペラシャフト構造を示す側面図である。
【図2】図2は、同プロペラシャフト構造要部の一部切
欠拡大側面図である。
【図3】図3は、同プロペラシャフト構造の図1A−A
線断面図である。
【図4】図4は、同プロペラシャフト構造の作用を示す
説明図である。
【図5】図5は、本願発明の第2実施例に係る自動車の
プロペラシャフトの構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1はプロペラシャフト、1Aは第1のシャフト部材、1
Bは第2のシャフト部材、2は第1のユニバーサルジョ
イント、3は第2のユニバーサルジョイント、4はフロ
ント側ディファレンシャルギヤ、6は第3のユニバーシ
ャルジョイント、7はトランスファー、9はセンターベ
アリング、10はセンターブラケット、11はエンジン
本体、31は前部側外筒、31aは外筒の嵌合部、32
は内筒、32aは内筒の嵌合部、33は第1のスプライ
ン溝、34は第2のスプライン溝、35は第1のダスト
カバー、36は第1のダストカバー、38はダストシー
ル、39は弾性ブッシュ、40はストッパリングであ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワープラントのフロント側に突出する
    プロペラシャフトを備え、該プロペラシャフトをユニバ
    ーサルジョイントを介して相互に連結した第1、第2の
    前後2本のシャフト部により形成するとともに、前方側
    第1のシャフト部を収縮可能に構成したことを特徴とす
    る自動車のプロペラシャフト構造。
  2. 【請求項2】 上記収縮可能な前方側第1のシャフト部
    が、相互にスライド可能にスプライン嵌合された外筒と
    内筒との2本のシャフト部材よりなることを特徴とする
    請求項1記載の自動車のプロペラシャフト構造。
  3. 【請求項3】 上記内筒および外筒両者の各スライド部
    外方には各々スリーブ状のダストカバーが嵌合されてい
    る一方、上記外筒と上記内筒側ダストカバーとの間には
    弾性体が介装されていることを特徴とする請求項2記載
    の自動車のプロペラシャフト構造。
  4. 【請求項4】 上記内筒又は外筒の何れか一方側に所定
    の軸方向荷重以下では相互のスライド量を規制する一
    方、同荷重を超えると当該規制作用を喪失するストッパ
    手段を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の自
    動車のプロペラシャフト構造。
  5. 【請求項5】 上記ストッパ手段が内筒又は外筒何れか
    一方側のダストカバー内に設けられていることを特徴と
    する請求項4記載の自動車のプロペラシャフト構造。
  6. 【請求項6】 シャフト部を相互にスライド可能にスプ
    ライン嵌合された外筒と内筒との2本のシャフト部材に
    より構成してなる自動車のプロペラシャフトにおいて、
    上記内筒および外筒両者の各スライド部外方には各々ス
    リーブ状のダストカバーが嵌合されている一方、上記外
    筒と上記内筒側ダストカバーとの間には弾性体が介装さ
    れていることを特徴とする自動車のプロペラシャフト構
    造。
  7. 【請求項7】 シャフト部を相互にスライド可能にスプ
    ライン嵌合された外筒と内筒との2本のシャフト部材に
    より構成してなる自動車のプロペラシャフトにおいて、
    上記内筒又は外筒の何れか一方側に所定の軸方向荷重以
    下では相互のスライド量を規制する一方、同荷重を超え
    ると当該規制作用を喪失するストッパ手段を設けたこと
    を特徴とする自動車のプロペラシャフト構造。
  8. 【請求項8】 上記ストッパ手段が内筒又は外筒何れか
    一方側のダストカバー内に設けられていることを特徴と
    する請求項6記載の自動車のプロペラシャフト構造。
  9. 【請求項9】 弾性体がラバーブッシュであることを特
    徴とする請求項3又は6記載の自動車のプロペラシャフ
    ト構造。
  10. 【請求項10】 ストッパ手段がCリングであることを
    特徴とする請求項4,5,7又は8記載の自動車のプロペ
    ラシャフト構造。
JP26927893A 1993-10-27 1993-10-27 自動車のプロペラシャフト構造 Pending JPH07119728A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012017772A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Jtekt Corp 動力伝達軸装置
CN113232507A (zh) * 2021-06-07 2021-08-10 南漳县鹏程汽车零部件有限责任公司 一种汽车转轴支架结构

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