JPH07119599B2 - 搬送紙葉厚み検知装置 - Google Patents

搬送紙葉厚み検知装置

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JPH07119599B2
JPH07119599B2 JP63032874A JP3287488A JPH07119599B2 JP H07119599 B2 JPH07119599 B2 JP H07119599B2 JP 63032874 A JP63032874 A JP 63032874A JP 3287488 A JP3287488 A JP 3287488A JP H07119599 B2 JPH07119599 B2 JP H07119599B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、紙葉搬送処理を行なう機器、例えば紙幣自動
入出金装置、光学式文字読取り装置等に組み込まれる搬
送紙葉厚み検知装置に関する。
(従来の技術) 紙幣自動入出金装置等においては、紙幣等の紙葉を計数
したりその鑑定等を行なうために、紙葉を1枚毎に紙葉
搬送経路に送り込む必要がある。
しかし、まれには、紙葉が重なり合って搬送されたりす
る場合があり、この場合には鑑定が不可能となる。
そこで、通常は搬送紙葉厚み検知装置により紙葉の厚み
を検知してその重なりの有無等を検出するようにしてい
る。
第2図に、従来一般に知られている搬送紙葉厚み検知装
置の概略図を示した。
ここでは、紙葉10が矢印11に示す搬送路を通って3対の
搬送ベルト12に挟まれて搬送されている。この搬送路上
には、その回転軸を搬送路11に直交するように配置され
た基準ローラ13が設けられ、この基準ローラ13はモータ
14によってベルト15を介して回転駆動されている。この
基準ローラ13には、検知棒16を軸として回転する検知ロ
ーラ17が対向配置されている。
検知棒16は、その一端を支点18にして矢印19方向に揺動
するように取り付けられている。そして、検知棒16の他
端には、この検知棒16に近接するように検知器1が配置
されている。この検知器1には、磁気抵抗素子が使用さ
れる。即ち、検知棒16は磁性体から構成されており、搬
送されてくる紙葉10が基準ローラ13と検知ローラ17との
間に挟み込まれると、その紙葉の厚さに応じて検知棒16
が矢印19方向に揺動する。この揺動によって、検知器1
の前方の磁気抵抗が変化する。この磁気抵抗の変化を捕
らえて、紙葉10の厚みに対応する電気信号がこの検知器
1から出力される。
検知器1の出力信号は、演算増幅器21に入力する。演算
増幅器21には、基準電圧設定回路22の出力信号も入力す
る。この基準電圧設定回路22は、基準ローラ13と検知ロ
ーラ17とが接触しているとき、即ち、これらの間を紙葉
10が通過していない場合の検知器1の出力と同等の基準
電圧を、演算増幅器21に向けて出力する回路である。演
算増幅器21は、この基準電圧設定回路22の出力電圧と、
実際に検知器1が検知した出力電圧とを比較して、その
差電圧を増幅し判定回路23に向けて出力する。
判定回路23では、この電圧を基に基準ローラ13と検知ロ
ーラ17の間を通過した紙葉10の厚みを確認し、例えば正
常な紙幣が1枚通過した場合と2枚以上が重なって通過
した場合、あるいは紙葉上にテープ等が張り付けられた
状態で通過した場合等を識別する。
(発明が解決しようとする課題) ところで、第2図に示したような従来の装置において、
その判定回路22に向けて出力される出力電圧は種々の要
因によって変動することがある。
例えば、検知器1の出力信号特性は、ある程度その環境
温度に依存し、基準ローラ13と検知ローラ17の間に紙葉
が挟み込まれていなくてもある程度のドリフトを免れな
い。ところが、そのようなドリフトがあれば、判定回路
22に向けて出力される出力電圧に誤差が生じ、紙葉の厚
みを正確に認識できないという問題がある。このような
ドリフトの要因には、環境温度の他、基準ローラ13や検
知ローラ17を保持する駆動系のガタ等によっても生じ
る。駆動中に停止中あるいはベルト15の駆動力の変動に
よっても基準ローラ13と検知ローラ17との位置関係が変
動し、同様のドリフトを生じる場合がある。
又、図のように、紙葉10が基準ローラ13と検知ローラ17
の間に挟み込まれる瞬間に検知ローラ17は飛び上り、そ
の瞬間一定の振動が生じる。この振動が検知器1に検知
されると、判定回路22が誤判定を行なう恐れもある。
これを防止するために、検知ローラ17を基準ローラ13に
向けて押圧する力を高める方法がある。しかしこの場
合、紙葉10がつぶされて厚みが変わってしまう恐れがあ
る。又、検知ローラ17も基準ローラ13から少し離間させ
ておく方法もある。しかしこの場合紙葉10が円滑に搬送
されず、いわゆる紙詰まり等を生じさせる恐れがある。
これらの種々の原因から、この種の雑音発生原因を完全
に除去することは困難であった。本発明は以上の点に着
目してなされたもので、上記のような信号のドリフトや
検知機構の構造上の原因によって発生するメカニカルノ
イズを除去し、高精度の厚み検知を行なうとことができ
る搬送紙葉厚み検知装置を提供することを目的とするも
のである。
(課題を解決するための手段) 本発明の搬送紙葉厚み検知装置は、紙葉の搬送路上に配
置された基準ローラと、この基準ローラに対向配置され
た検知ローラと、前記基準ローラと検知ローラとの間を
前記紙葉が通過したとき、その厚みによる前記検知ロー
ラの変位を検知して、これを電気信号に変換する検知器
と、この検知器の出力信号を増幅する信号増幅回路と、
前記検知器の出力信号のうち前記厚みによる検知ローラ
の変位に基づく信号と比較して十分長周期で変化する低
周波成分を濾波する低域阻止フィルタと、この低域阻止
フィルタ通過により生じる前記出力信号の無信号時信号
レベルの変動を補償する信号レベル補償回路と、前記検
知器の出力信号に含まれる、前記基準ローラまたは前記
検知ローラの機械的振動に基づく高周波成分を濾波する
高域阻止フィルタとを備えたことを特徴とするものであ
る。
(作用) 以上の装置は、検知器の出力信号を低域阻止フィルタを
通過させることによって、センサ出力の温度ドリフト等
の定常的な出力電圧のずれを除去する。又、このように
して低域阻止フィルタを使用すると、その出力信号の無
信号時信号レベルが変動してしまうので、信号レベル補
償回路によってその変動を吸収する。更に、出力信号中
に含まれる機械的信号、いわゆるメカニカルノイズは高
域阻止フイルタを用いて除去する。
このようにして、この装置では検知器の出力信号から真
に紙葉の厚みによる検知ローラの変位に基づく信号のみ
を取り出して判定を行なう。
(実施例) 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
〈装置のブロック構成〉 第1図は、本発明の搬送紙葉厚み検知装置の実施例ブロ
ック図である。
この装置において、紙葉類の厚み検知機構部分は第2図
に示したものとほぼ同様であり、基準ローラ13、検知棒
16、検知ローラ17及び検知器1を除く他の部分の図示を
省略した。
この装置は、検知器1の出力信号を受け入れるボルテー
ジフォロワ回路20と、信号増幅回路30と、低域阻止フィ
ルタ40と、高域阻止フィルタ50と、信号レベル補償回路
60及び判定回路7とから構成されている。
図において、検知棒17の変位が先に第2図で説明した領
域で磁気抵抗素子1に検出されるが、その出力端子は、
ボルテージフォロワ回路20のオペアンプ2の非反転入力
端子に接続される。オペアンプ2の出力端子は、その反
転入力端子に帰還される。これにより、磁気抵抗素子1
の出力インピーダンスを変換する。
ボルテージフォロワ回路20の出力は信号増幅回路30に入
力し、抵抗31を介してオペアンプ3の反転入力端子に接
続される。また、オペアンプ3の出力端子は、抵抗34を
介してその反転入力端子に帰還される。一方、このオペ
アンプ3の非反転入力端子には、検知される紙葉の厚み
がゼロの時のこのオペアンプ3の入力電圧とほぼ等しい
電圧が、可変抵抗32のタップから抵抗33を介して入力さ
れる。尚、可変抵抗32の両端には、安定化された電源電
圧VCCが印加されている。
信号増幅回路30の出力は、低域阻止フィルタ40におい
て、コンデンサ41,42を介してオペアンプ4の非反転入
力端子に接続される。コンデンサ41とコンデンサ42の接
続点には、放電制限抵抗43の一端が接続され、この抵抗
43の他端は、オペアンプ4の反転入力端子に接続され
る。更に、オペアンプ4の非反転入力端子には、放電制
限抵抗44の一端が接続され、この抵抗44の他端は接地さ
れている。又、オペアンプ4の出力端子は、その反転入
力端子に帰還されている。
一方、信号レベル補償回路60において、オペアンプ6の
非反転入力端子は接地され、その出力端子はダイオード
61のアノードに接続される。ダイオード61のカソード
は、オペアンプ6の反転入力端子に帰還されると共に、
上記低域阻止フィルタ40のオペアンプ4の非反転入力端
子に接続される。
低域阻止フィルタ40の出力は、高域阻止フィルタ50にお
いて、抵抗51,52を介してオペアンプ5の非反転入力端
子に接続される。抵抗51と抵抗2の接続点には、コンデ
ンサ53の一端が接続され、このコンデンサ53の他端は、
オペアンプ5の反転入力端子に接続される。更に、オペ
アンプ5の非反転入力端子には、コンデンサ54の一端が
接続され、このコンデンサ54の他端は接地されている。
又、オペアンプ5の出力端子はその反転入力端子に帰還
されている。
高域阻止フィルタ50の出力は、判定回路7に入力する。
この判定回路7は、入力信号の絶対的なレベルを予め設
定された基準レベルと比較して、紙葉の厚みを認識する
回路である。この回路は、従来のものと変わるところは
ない。
尚、図中、信号増幅回路30の出力電圧をVA、低域阻止フ
ィルタ40の出力電圧をVB、高域阻止フィルタ50の出力電
圧をVCと表示した。
〈装置の回路動作〉 以上のような構成において、検知器1が検知ローラ17の
変位に対応する電気信号を出力すると、その出力信号は
ボルテージフォロワ回路20のオペアンプ2を介して信号
増幅回路30に入力する。この信号増幅回路30で増幅され
た出力信号は、低域阻止フィルタ40コンデンサ41,42を
充電する。コンデンサ41,42が充電されている間は、抵
抗43,44に電流が流れ、信号増幅回路30の出力電圧VA
変化分がオペアンプ4の出力電圧VBとして現われる。
又、コンデンサ41,42の充電が完了すると、オペアンプ
4の非反転入力端子が接地電位になり、オペアンプ4の
出力電圧VBは0Vとなる。
いま、信号レベル補償回路60が無いものとしてこの低域
阻止フィルタ40の動作を考えると、この回路の入力電圧
VAと出力電圧VBの関係は、ラプラス変換式を用いて下記
の如く表わされる。
L=[VB/VA]=G1(S) =S/{S2+(1/R44)(1/C41+1/C42)S +(1/C41C42R43R44)} ここで、C41,C42はそれぞれコンデンサ41,42の容量、R
43,R44は抵抗43,44の抵抗値であり、上式よりコンデン
サ41,42の放電時定数T1は次式で示される。
T1=2π(C41C42R43R441/2 従って、入力電圧VAがコンデンサ41,42の放電時定数T1
よりも長周期で変化し、あるいは一定である場合はオペ
アンプ4の出力電圧VBは変化せず、逆に入力電圧VAがT1
より短周期で変化した場合、オペアンプ4はその変化分
を出力する。故に、検知器1の出力する紙葉の厚みによ
る検知ローラ17の変位に基づく出力信号に対して、コン
デンサ41,42の放電時定数T1を十分大きくとれば、基準
となる厚さゼロに対応する電圧は常に0Vとなり、オペア
ンプ4は紙葉の厚さ分に相当する電圧だけを出力するこ
とになる。
即ち、この低域阻止フィルタ40によって、厚さゼロの場
合の信号増幅回路30の出力電圧VAが変動(ドリフト)し
ても、そのドリフトに影響されない出力信号VBを得るこ
とができる。
ところで、この低域阻止フィルタ40において、紙葉が通
過中は入力電圧VAが変化しないから、コンデンサ41,42
が抵抗43,44を通して、紙葉の厚み分の電荷も放電して
しまう。いま、入力電圧VAを時間t=0で0から1とな
るユニットステップ関数とすると、オペアンプ4の出力
電圧VBは次式で示される。
VB(t)={exp(−αt)}(cosβt−αsinβt/β) α=(1/2R44)(1/C41+1/C42) β={(1/C41C42R43R44) −(1/2R44(1/C41+1/C421/2 第3図は横軸に時間、縦軸に低域阻止フィルタ40の出力
電圧VBをとったグラフである。
この低域阻止フィルタ40が動作したとき、紙葉が通過す
る時間をt1とすると、VB(0)−VB(t1)=1−V
B(t1)の電圧が、紙葉通過直後にオペアンプ4の出力
端にマイナス電位として現われ、こんどはこの電圧が厚
みゼロの場合の出力電圧になる。紙葉は、T時間周期で
検知器1により検知されるものとする。即ち、オペアン
プ4の出力端電位が0Vになるまで(コンデンサ41,42の
充電が完了する以前)に、2枚目の紙葉により検知器1
が変位を検知すると、上記マイナス電位が差し引かれ
て、実際の厚み分よりも低い電圧VB(T)がオペアンプ
4から出力されてしまう。もちろん、この紙葉の通過中
もコンデンサ41,42は放電する。従って、紙葉が次々と
通過すると、第3図に示すように、次第に厚みゼロの場
合の出力電圧がマイナスにずれていく。そして、コンデ
ンサ41,42が紙葉通過中に放電する電荷量S1と紙葉が無
い間に充電される電荷量S2とが等しくなったところで安
定する。
これでは、低域阻止フィルタ40の絶対的な出力電圧をも
とに紙葉の厚さを正確に判定することはできない。そこ
で、この回路に、第1図に示すように信号レベル補償回
路60が接続されている。
この信号レベル補償回路60において、先ず、低域阻止フ
ィルタ40のオペアンプ4の非反転入力端子がプラス電位
の場合、即ち紙葉通過中は、ダイオード61がオフとな
り、この回路はコンデンサ41,42の充放電には関与しな
い。一方、そのオペアンプ4の非反転入力端子がマイナ
ス電位の場合、即ち紙葉通過直後は、ダイオード61がオ
ンとなり、オペアンプ6よりオペアンプ4に向かって電
流が供給されて、コンデンサ41,42は瞬時に充電を完了
し、オペアンプ4の出力電圧VBが0Vとなる。この作用に
よって、紙葉が連続してきても、オペアンプ4の出力端
からはその厚み分の出力電圧VBが正確に出力される。
低域阻止フィルタ40は、このようにして出力VBのドリフ
トを除去する機能を持っている。
次に、この低域阻止フィルタ40の出力信号は高域阻止フ
ィルタ50に入力する。高域阻止フィルタ50においては、
入力信号により抵抗51,52を介してコンデンサ53,54が充
電される。その充電中は、コンデンサ53,54に電流が流
れ込み、オペアンプ5の出力は0Vへと引かれ、充電後は
入力信号をそのまま出力する。オペアンプ5の入力電圧
VBと出力電圧VCとの関係は、ラプラス変換式を用いて下
記の如く表わされる。
L[VC/VB]=G2(S) =(1/R51R52C53C54) /{S2+(1/C53)(1/R51+1/R52)S +(1/R51R52C53C54)} ここで、R51,R52はそれぞれ抵抗51,52の抵抗値、C53,C
54はそれぞれコンデンサ53,54の容量であり、上式より
コンデンサ53,54の放電時定数T2は次式で示される。
T2=2π(R51R52C53C541/2 従って、この回路の入力電圧VBがコンデンサ53,54の放
電時定数T2よりも長周期で変化するかあるいは一定であ
る場合、オペアンプ5の出力電圧VCは入力電圧VBと等し
くなり、逆に入力電圧VBがT2より短周期で変化した場
合、オペアンプ5は入力電圧VBの直流成分を出力する。
このとき、コンデンサ53,54の放電時定数T2を適当に大
きくとれば、検知ローラ17の飛び上りや基準ローラも含
めた振動等に基づく高周波のメカニカルノイズを濾波で
き、正味の紙葉類の厚さに対応する信号のみを取り出す
ことができる。判定回路7は、この出力信号を基に紙葉
の厚さの判定を行なう。その詳細は先に第2図で説明し
た通りである。
尚、第1図に示した実施例の回路において、ボルテージ
フォロワ回路20は省いてもよい。この場合、検知器1の
出力を信号増幅回路30の抵抗31を介してオペアンプ3の
反転入力端子に直接接続すればよい。また、この信号増
幅回路30の出力電圧VAがネガティブ信号であってもよ
く、このときは、信号レベル補償回路60のダイオード61
は逆向きの極性に結線される。
第4図には第1図の回路中の各出力電圧VA,VB,VCを、種
々の紙葉を検出した状態について図示した。
第4図の(イ)は、紙葉100が1枚だけ第1図の基準ロ
ーラ13と検知ローラ17の間を通過した場合の信号波形を
示し、(ロ)は紙葉が2枚完全に重なって通過した場合
の出力信号波形を示し、(ハ)は紙葉100が一部だけ重
なり合って通過した場合の信号波形を示している。又、
そのうち(a)は信号増幅回路30の出力電圧VAを、
(b)は低域阻止フィルタ40の出力電圧VBを、(c)は
高域阻止フィルタ50の出力電圧VCを示している。
この図で分るように、信号増幅回路30の出力信号VA
は、メカニカルノイズ101と、ドリフト電圧102とが含ま
れている。これが、低域阻止フィルタ40を通過すると、
メカニカルノイズ101を残してドリフト電圧102が除去さ
れる。
その後、高域阻止フィルタ50を通過すると、このメカニ
カルノイズ101も除去されて、紙葉の厚みに忠実な出力
電圧VCが得られ、これが判定回路7に入力することにな
る。
紙葉が2枚重なり合ったこの(ロ)に示すような場合に
も、同様にメカニカルノイズ101とドリフト102が含ま
れ、これが全く同様の要領で除去される。紙葉の一部が
重なり合った場合には、メカニカルノイズ101は図のよ
うに少なくとも2か所で発生する。これも同様の要領で
除去される。この図の(c)を見て分るように、判定回
路7は2枚の紙葉100がどのような状態で基準ローラ13
と検知ローラ17の間に挟み込まれたかを、その波形によ
って確実に認識することができる。
〈他の実施例のブロック図〉 第5図に本発明の装置の他の実施例のブロック図を示
す。この図中、第1図に示した実施例と同一部分は、同
一参照符号を付して重複する説明を省略する。
この回路は、第1図に示した回路と比べると、信号レベ
ル補償回路60の結線とその挿入位置が相違している。
即ち、この信号レベル補償回路60は、高域阻止フィルタ
回路50と判定回路7との間に挿入されている。高域阻止
フィルタ50の出力は、オペアンプ6の非反転入力端子に
接続される一方、抵抗71を介してオペアンプ75の反転入
力端子に接続されている。オペアンプ6の出力端子は、
ダイオード63のカソードに接続されると共に、オペアン
プ出力クランプ用ダイオード62のアノードに接続され、
そのダイオード62のカソードはオペアンプ6の反転入力
端子に接続される。ダイオード63のアノードは、充電時
間制御抵抗66を介して、厚みゼロの時のオペアンプ5の
出力電圧を保持するためのコンデンサ65の一方の端子に
接続されている。又、コンデンサ65の他方の端子は接地
される。コンデンサ65、抵抗66には並列に放電時間制御
用抵抗64が接続される。ダイオード63のアノードは更に
バッファアンプ67の非反転入力端子に接続される。バッ
ファアンプ67は、コンデンサ65の放電電流のリーク防止
のために設けられたものである。バッファアンプ67の出
力端子は、その反転入力端子に帰還されると共に、抵抗
68を介してオペアンプ6の反転入力端子に帰還され、そ
の一方で抵抗72を介してオペアンプ75の非反転入力端子
に接続される。オペアンプ75の出力端子は抵抗74を介し
てその反転入力端子に帰還され、非反転入力端子は抵抗
73を介して接地される。尚、図中、この信号レベル補償
回路60中のオペアンプ67の出力電圧をVDと表示した。
又、この実施例において、低域阻止フィルタ40の出力電
圧をVB′、高域阻止フィルタ50の出力電圧をVC′と表示
した。
以上のような構成において、高域阻止フィルタ50の出力
信号電圧VC′は、先に第2図を用いて説明したように、
厚みゼロの電圧がマイナス方法へ徐々にずれて行く。こ
の出力信号電圧VC′がマイナス電位のときは、オペアン
プ6、ダイオード63、抵抗66を介してコンデンサ65を充
電する。VC′がプラス電位に上昇したとき、即ち紙葉類
の通過中は、ダイオード63がOFF状態となる。このと
き、クランプ用ダイオード62の作用でオペアンプ6の出
力は一定値にクランプされる。コンデンサ65の放電時定
数を適当にとれば、紙葉類の通過中は、厚さゼロの電圧
を一定に保持し、全紙葉類通過後の厚みゼロの電圧が0V
に戻る緩やかな変動に追従する。この結果、オペアンプ
67からは、無信号時レベルの変動分の電圧が出力され
る。従って、オペアンプ67の出力VDと信号レベル補償回
路60の入力電圧VC′の差をオペアンプ75より取り出すこ
とにより、紙葉類の厚みに相当する信号電圧だけをほぼ
完全に取り出すことができる。
第6図には、第5図に示した装置の各部の出力電圧波形
を示した。
図中、(イ)は1枚の紙葉が通過した場合、(ロ)は2
枚の紙葉が完全に重なり合って通過した場合、(ハ)は
2枚の紙葉が一部重なり合って通過した場合を示し、こ
れは第4図と全く同様である。ここで、(a)に示すよ
うに、信号増幅回路の出力電圧VAは、第4図で示したも
のと変わるところはない。
又、低域阻止フィルタ40の出力電圧VB′は、第1図に示
したような信号レベル補償回路60が低域阻止フィルタ40
に繋ぎ込まれていないので、ドリフタ電圧102が除去さ
れるものの、低域阻止フィルタ40の通過によって生じる
無信号時信号レベルの変動103が含まれている。高域阻
止フィルタ50の出力電圧VC′も、メカニカルノイズ101
が除去されるものの、無信号時信号レベルの変動103
は、いぜん残されている。
ここで、第5図の信号レベル補償回路60に含まれるオペ
アンプ6とオペアンプ67とから成るいわゆるピークホー
ルド回路の出力電圧VDが、(d)に示すように変化す
る。従って、第5図のオペアンプ75からこの第6図
(c)と(d)に示した信号の差分を取り出すと、同図
(e)に示すように第4図(c)に示したと同様の出力
信号が得られる。これを判定回路7において処理すれ
ば、第1図の実施例と同様に紙波類の真の厚みを認識す
ることができる。
本発明は以上の実施例に限定されない。
信号増幅回路30や低域阻止フィルタ40や高域阻止フィル
タ50の回転中の位置は適宜交換して差し支えない。
第1図に示した信号レベル補償回路60は、いわゆる既知
の理想ダイオードとして機能する回路であるが、同様の
機能の回路であれば異なる結線を採用して差し支えな
い。又、第5図に示した信号レベル補償回路60は、オペ
アンプ6及びオペアンプ67を組合せ、いわゆるピークホ
ールド回路を構成しており、これがオペアンプ75による
差動増幅回路と共に出力信号中の無信号時信号レベルの
変動分除去に利用されている。
このことから、このピークホールド回路は、同様の機能
を有する他の結線を採用して差し支えなく、例えば、ク
ランプ用ダイオード62を省略しても差し支えない。又、
バッファアンプ67を省略して、ダイオード63と抵抗64の
接続点をオペアンプ6の反転入力端子に帰還させるよう
にしても差し支えない。
又、第5図においてボルテージフォロワ回路20を省略し
たり、信号増幅回路30の出力電圧VAをネガティブ信号に
してもよく、これは第1図で説明したのと同様である。
(発明の効果) 以上説明した本発明の搬送紙葉厚み検知装置は、温度変
化等によって生じるドリフトを低域阻止フィルタ他で除
去し、機械的振動等によって生じる種々のメカニカルノ
イズを高域阻止フィルタによって除去するようにしたの
で、紙葉の厚みを高精度に検知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の搬送紙葉厚み検知装置の実施例を示す
ブロック図、第2図は従来一般に使用されている搬送紙
葉厚み検知装置の概略図、第3図は本発明の装置の低域
阻止フィルタ動作を説明する出力電圧波形図、第4図は
本発明の装置の各部の出力電圧波形図、第5図は本発明
の他の実施例のブロック図、第6図はその各部の出力電
圧波形図である。 1……検知器、7……判定回路、13……基準ローラ、 17……検知ローラ、 20……ボルテージフォロワ回路、 30……信号増幅回路、40……低域阻止フィルタ、 50……高域阻止フィルタ、 60……信号レベル補償回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙葉の搬送路上に配置された基準ローラ
    と、 この基準ローラに対向配置された検知ローラと、 前記基準ローラと検知ローラとの間を前記紙葉が通過し
    たとき、その厚みによる前記検知ローラの変位を検知し
    て、これを電気信号に変換する検知器と、 この検知器の出力信号を増幅する信号増幅回路と、 前記検知器の出力信号のうち前記厚みによる検知ローラ
    の変位に基づく信号と比較して十分長周期で変化する低
    周波成分を濾波する低域阻止フィルタと、 この低域阻止フィルタ通過により生じる前記出力信号の
    無信号時信号レベルの変動を補償する信号レベル補償回
    路と、 前記検知器の出力信号に含まれる、前記基準ローラまた
    は前記検知ローラの機械的振動に基づく高周波成分を濾
    波する高域阻止フィルタとを備えたことを特徴とする搬
    送波紙葉厚み検知装置。
  2. 【請求項2】前記検知器は、前記検知ローラの変位に伴
    う磁束の変化をとらえて、その変化に対応する電気抵抗
    を示す磁気抵抗素子から成ることを特徴とする請求項第
    1項記載の搬送紙厚み検知装置。
  3. 【請求項3】前記信号レベル補償回路は、理想ダイオー
    ドからなることを特徴とする請求項第1項記載の搬送紙
    葉厚み検知装置。
  4. 【請求項4】前記信号レベル補償回路は、前記出力信号
    を受け入れるピークホールド回路と、このピークホール
    ド回路の出力と前記出力信号の差信号を出力する差動ア
    ンプとからなることを特徴とする請求項第1項記載の搬
    送紙葉厚み検知装置。
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