JPH07119600B2 - 搬送紙葉厚み検知装置 - Google Patents

搬送紙葉厚み検知装置

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JPH07119600B2
JPH07119600B2 JP63032876A JP3287688A JPH07119600B2 JP H07119600 B2 JPH07119600 B2 JP H07119600B2 JP 63032876 A JP63032876 A JP 63032876A JP 3287688 A JP3287688 A JP 3287688A JP H07119600 B2 JPH07119600 B2 JP H07119600B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、紙波搬送処理を行なう機器、例えば紙幣自動
入出金装置、光学式文字読取り装置等に組み込まれる搬
送紙葉厚み検知装置に関する。
(従来の技術) 紙幣自動入出金装置等においては、紙幣等の紙葉を計数
したりその鑑定等を行なうために、紙葉を1枚毎に紙葉
搬送経路に送り込む必要がある。
しかし、まれには、紙葉が重なり合って搬送されたりす
る場合があり、この場合には鑑定が不可能となる。
そこで、通常は搬送紙葉厚み検知装置により紙葉の厚み
を検知してその重なりの有無等を検出するようにしてい
る。
搬送紙葉厚み検知装置の構成としては数種のものが知ら
れている。
例えば、紙葉に光を照射して、その透過光量を光学セン
サにより検知する方式のものがある。透過光量が大きけ
れば薄く、小さければ厚いと判断できるから、透過光量
が一定値以下の場合、紙葉が重なり合って搬送されたと
判断することができる。
また、紙葉を挟んで電極を配置し、その静電容量を測定
する方式のものもある。静電容量が小さければ薄く、大
きければ厚いと判断できる。以下の判定は光学式と同様
である。
上記のものはいずれも紙葉の厚さを直接とらえるのでな
く、代用特性として透過光量や静電容量をとらえ、これ
に基づいて判定を行なっている。
一方、紙葉の厚みを直接機械的に検知して判定を行なう
ものもある。
第2図に、従来一般に知られている機械式の搬送紙葉厚
み検知装置の概略図を示した。
ここでは、紙葉110が矢印111に示す搬送路を通って3対
の搬送ベルト112に挟まれて搬送されている。この搬送
路上には、その回転軸を搬送路111に直交するように配
置された基準ローラ113が設けられ、この基準ローラ113
はモータ114によってベルト115を介して回転駆動されて
いる。この基準ローラ113には、検知棒116を軸として回
転する検知ローラ117が対向配置されている。
検知棒116は、その一端を回転自在に軸支するベアリン
グ118を支点にして矢印119方向に揺動するように取り付
けられている。そして、検知棒116の他端には、支軸121
を支点として矢印122方向に揺動する第1の検知レバー1
23が配置される。検知棒116の他端116aはこの検知レバ
ー123の一面に固定されたベアリング124に回転自在に軸
支されている。第1の検知レバー123において、その上
のベアリング124に対して、上記支軸121が設けられた側
は短く、その反対側は長く延長されており、その先端12
3aは第2の検知レバー126の側面に植設された係止ポス
ト127に係合している。
この第2の検知レバー126は支軸128を支点として矢印12
9方向に揺動するように取付けられている。そして、こ
の第2の検知レバー126は、上記係止ポスト127に対し
て、支軸128が設けられた側は短く、その反対側は長く
延長されており、その先端126a近傍には、いわゆる光路
遮断型の検知器130が配置されている。この検知器130
は、発光素子131と受光素子132とから構成され、上記第
2の検知レバー126が揺動してその先端126aが光路を遮
断したとき、その光量変化をとらえて紙葉110の厚みが
検知される。即ち、搬送されてくる紙葉110が基準ロー
ラ113と検知ローラ117との間に挟み込まれると、その紙
葉の厚さに応じて検知棒116が矢印119方向に揺動する。
この揺動によって、第1の検知レバー123が揺動し、更
に第2の検知レバー126が揺動する。こうして紙葉110の
厚みに対応する検知ローラ117の変位が、てこの原理に
より増幅されて検知器130に検知される。
検知器130の出力信号は、演算増幅器135に入力する。演
算増幅器135には、基準電圧設定回路136の出力信号も入
力する。この基準電圧設定回路136は、基準ローラ113と
検知ローラ117とが接触しているとき、即ち、これらの
間も紙葉110が通過していない場合の検知器130の出力と
同等の基準電圧を、演算増幅器135に向けて出力する回
路である。演算増幅器135は、この基準電圧設定回路136
の出力電圧と、実際に検知器130が検知した出力電圧と
比較して、その差電圧を増幅し判定回路137に向けて出
力する。
判定回路137では、この電圧を基に基準ローラ113と検知
ローラ117の間を通過した紙葉110の厚みを認識し、例え
ば正常な紙幣が1枚通過した場合と2枚以上が重なって
通過した場合、あるいは紙葉上にテープ等が張り付けら
れた状態で通過した場合等を識別する。
(発明が解決しようとする課題) ところで、以上説明した従来の搬送紙葉厚み検知装置の
うち、透過光量や静電容量を利用する代用特性をとらえ
る方式は、その検出信号が紙葉の厚みに直接的に比例し
て増減しないので、紙葉が重なり合って通過した場合、
その枚数まで判定するのは困難であった。
一方、第2図に示したような機械式の検知装置の場合、
検知ローラ117の変位がそのまま検知レバー123,126によ
って増幅されるため、検出器130の出力信号を解析すれ
ば紙葉の枚数判定も可能である。
ところが実際には、次のように種々の問題点がある。
例えば、検知器130の出力信号特性は、その環境温度に
依存し、基準ローラ113と検知ローラ117の間に紙葉が挟
み込まれていなくても、ある程度のドリフトを免れな
い。ところが、そのようなドリフトがあれば、判定回路
137に向けて出力される出力電圧に誤差が生じ、紙葉の
厚みを正確に認識できないという問題がある。このよう
なドリフトは、環境温度変化の他、基準ローラ113や検
知ローラ117、検知レバー123,126等を保持する駆動系の
ガタ等によってもっ生じる。駆動中と停止中あるいはベ
ルト115の駆動力の変動によっても、基準ローラ113と検
知ローラ117との位置関係が変動し、同様のドリフトを
生じる場合がある。
しかも、駆動系のガタは、検知レバー123,126により増
幅されて検知器130に検知される。またドリフトは、厚
みゼロの場合の出力信号を変動させ、判定回路137に向
けて出力される出力電圧の絶対値な値に誤差を生じさせ
てしまう。
これでは、紙葉の厚さが1枚かそれ以上かという程度の
判定は可能でも、2枚以上重なり合った場合の枚数まで
判定できる精度を要求するのは難しい。
又、図のように、紙葉110が基準ローラ113と検知ローラ
117の間に挟み込まれる瞬間に検知ローラ117は飛び上
り、その瞬間一定の振動が生じる。この振動が検知器13
0に検知されると、判定回路137がいわゆるメカニカルノ
イズを受け入れて誤判定を行なう恐れもある。
これを防止するために、検知ローラ117を基準ローラ113
に向けて押圧する力を高める方法がある。しかしこの場
合、紙葉110がつぶされて厚みが変わってしまう恐れが
ある。又、検知ローラ117を基準ローラ113から少し離間
させておく方法もある。しかしこの場合紙葉110が円滑
に搬送されず、いわゆる紙詰まり等を生じさせ易いとい
う難点がある。
ところで、例えば紙幣入出金装置において、紙幣収納庫
から所定枚数の紙幣を出金する搬送路中に、上記のよう
な厚み検知装置を配置している。
紙幣入出金装置は、紙幣を1枚ずつ収納庫から取り出し
て取引口に搬送する。もし、紙幣が重なり合って搬送さ
れたような場合、その紙幣は取引口とは別に設けられた
リジェクト用の搬送路等を経由して別送される。
ここで、厚み検知装置が、重なり合った紙幣の枚数を確
認できれば、常に収納庫中の紙幣の枚数を正確に把握す
ることができる。出金処理は通常、このように、あらか
じめ収納庫中の紙幣が十分あるかを正確に把握してお
き、その確認後実行される。
しかし、先に説明した従来の検知装置では、2枚以上重
なって搬送された紙幣の枚数まで正確に認識できないた
めに、収納庫中の紙幣が出金処理中に不足してしまった
り、収納庫に十分紙幣が残っているにもかかわらず出金
処理を停止したりするという問題が生じていた。
紙幣入出金装置に限らずその他一般の紙葉取扱装置に
も、類似のことが生じる。
本発明は以上の点に着目して成されたもので、紙葉が重
なり合って通過した場合に、その厚みを正確に把握し、
紙幣の枚数も判定することのできる高精度の搬送紙葉厚
み検知装置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の搬送紙葉厚み検知装置は、紙葉の搬送路上に配
置された基準ローラと、この基準ローラに弾性的に押し
付けられた前記基準ローラと共に前記紙葉を挟持する検
知ローラと、前記紙葉が挟持されたとき、前記検知ロー
ラの前記紙葉の厚みに対応して生じる変位を検知して電
気信号に変換する検知器と、この検知器の出力信号を増
幅し、前記紙葉の厚みに対応して生じる前記検知ローラ
の変位に基づく信号の周波数成分を除く他の周波数成分
を濾波する信号処理回路と、前記紙葉が1枚だけ前記基
準ローラと前記検知ローラとの間に挟持された場合と、
複数枚重なり合って挟持された場合の前記信号処理回路
の出力信号に対応させて、予め設定された複数の基準値
を所定の順に選択的に出力する基準値設定部と、前記信
号処理回路の出力信号と前記基準値設定部の出力する複
数の基準値とを順に比較し、前記基準ローラと前記検知
ローラとの間に挟持された紙葉の枚数を判定する判定回
路とを備えたことを特徴とするものである。
(作用) 以上の装置は、検知器が検知ローラの変位をその回転軸
に軸支された検知棒の変位としてとらえ、これを例えば
磁気抵抗素子等の高感度の検知器により検知する。
この検知器の出力信号には、通常、紙葉の厚みに対応し
て生じる検知ローラの変位に基づく信号の他に、検知器
の温度特性に依存するドリフトや、他のメカニカルノイ
ズが混入する。信号処理回路はその濾波特定の選定によ
り低周波のドリフト分と高周波のメカニカルノイズ分と
を除去する。
判定回路は信号処理回路の出力信号を、何枚の紙葉に対
応するものか認識し、判定を行う。
基準値設定部は、紙波1枚分のとき、2枚分のとき、3
枚分のとき……等の各場合における判定に使用する閾値
を基準信号として出力する。
このようにして紙波の枚数を正確に判定できる。
(実施例) 第1図は本発明に係る搬送紙葉厚み検知装置の概略図
で、その左側部分は厚み検知機構の斜視図、右側部分は
信号処理判定回路のブロック図である。
〈厚み検知機構〉 先ず、その厚み検知機構を、第1図及び第3図を用いて
説明する。第2図は、同機構の部分斜視図である。
第1図において、1はケーシングであり、このケーシン
グ1はステンレス等の剛性を有する金属材より形成さ
れ、天壁1Aと側壁1B,1Bを有し、前記側が紙葉2を導入
するために開口している。ケーシング1内には基準ロー
ラ3が配されている。この基準ローラ3は剛性を有する
金属材により紙葉2の寸法よりも大きな長さ寸法で円柱
状に形成され、周面の三箇所に環状の大径部3Aが一体的
に設けられている。基準ローラ3の両端の軸部3aは側壁
1Bの図示しない貫通穴に貫通されてボールベアリング
(図示せず)にて回転自在に支持され、これにより基準
ローラ3が紙葉2の厚みを検知する基準の搬送位置に配
されている。基準ローラ3の一方の軸部3aには、この基
準ローラ3を回転駆動するために、駆動時の振動及び騒
音を小さくすべく選定された図示しないはすば歯車が取
付けられている。尚、基準ローラ3は紙葉2の厚みを正
確に検知し得るように偏心等の誤差も無視できる範囲で
高精度に製作され、かつ機械的強度を保持するするよう
に比較的大径に形成されている。
基準ローラ3の各大径部3Aには3台の検知ローラ4がそ
れぞれ当接され、各検知ローラ4はその変位量を検知す
るための複数の検知機構部5に後述するように取付けら
れている。これらの検知機構部5は、第1図及び第3図
に示すように、機構取付板6を有し、この機構取付板6
は上部折曲部6aにねじ穴6b,6bが設けられている。機構
取付板6はこの上部折曲部6aを天壁1Aの下面に面接触さ
せ、かつ各ねじ穴6b,6bを介してボルト止めすることに
より天壁1Aに固定されている。構成取付板6の板面の下
方から支持軸7が伸長している。この支持軸7は大径基
部7Aとこの大径基部より同軸的に突出する小径部7Bとか
ら成り、大径基部7Aには素子ブラケット8の下方の貫通
穴8aが嵌合されている。素子ブラケット8の上方には平
行に突出する突出部8b,8bが一体的に形成され、これら
突出部8b,8b間には磁気抵抗素子9が収容されている。
磁気抵抗素子9は磁界の変化に応じて抵抗値が変化する
検出素子であり、その上面より突出する端子は図示しな
いプリント基板にハンダ付けされる。プリント基板は磁
気抵抗素子9より得られた検知信号を後述する信号処理
回路側に送るためにリード線等に接続される。
素子ブラケット8の一方の突出部8bの端面にはねじ穴8c
が設けられ、このねじ穴8cには、L字形の取付金具10の
貫通穴に貫挿されているボルト11が螺入されている。取
付金具10の一端側の内壁面にはゴム板12が貼着され、こ
のゴム板12はボルト11の締付けで磁気抵抗素子9に押し
付けられる。従って、磁気抵抗素子9をゴム板12の摩擦
力により固定的に保持することができ、又該素子9と取
付金具10を電気的に絶縁することができる。取付金具10
の他端側の貫通穴には調整ねじ13が貫挿され、この調整
ねじ13は、コイルスプリング14を介して機構取付板6の
側部折曲部6cに設けた貫通穴6dに挿入されて図示しない
ナットにて固定されている。従って、素子ブラケット8
は支持軸7の大径基部7Aに嵌合された状態で取付金具10
により機構取付板6に取付けられる。一方、素子ブラケ
ット8の略中央部は板ばね15の押付片15aが当接され、
板ばね15の取付部に設けた一方の小穴15bには機構取付
板6の回り止め突起6eが嵌入され、他方の小穴15cには
同取付板6のねじ孔6fに螺入されるボルト16が貫挿され
る。従って、素子ブラケット8を板ばね15により機構取
付板6の板面に押し付けることができ、又該ブラケット
8が支持軸7を中心として回動するのを回り止め突起6e
により防止することができる。
支持軸7の小径部7Bには検知レバー17のコ字状折曲部17
Aが貫通穴17a,17aを介して素子ブラケット8と同軸的に
嵌合され、小径部7B先端の環状溝には検知レバー17が該
小径部7Bより外れるのを防止するためにスナップリング
18が係入されている。検知レバー17の折曲部17A内には
ブロック部材19が小径部7Bの貫通された状態で配され、
このブロック部材19はこの配された状態でボルト20によ
り検知レバー17に固定されている。ブロック部材19の上
面には収納溝19aが設けられ、この収納溝19aには検知棒
21が位置決めされて落し込まれている。検知棒21はフェ
ライト等の磁性体より形成され、上述した磁気抵抗素子
9の検出面(下面)の下方に位置決めされる。
検知レバー17には上方に伸長して先端が折れ曲がってい
るL字状のばね取付片17Bが一体に設けられ、このばね
取付片17Bの先端の切欠き17bにはコイルスプリング22の
一端が取付けられている。このコイルスプリング22の他
端は、機構取付板6の側部折曲片6gに設けた切欠き23に
取付けられている。従って、検知レバー17にはコイルス
プリング22の弾性力により支持軸7(小径部7B)を中心
として回動する回動力が付与されることになる。また、
検知レバー17には軸部材25の小径先端部が嵌入、固定さ
れ、軸部材25上にはスペーサ24を介して上述した検知ロ
ーラ4が取付けられている。従って、各検知ローラ4
は、検知レバー17がコイルスプリング22の弾性力にて支
持軸7を中心とする回動力が付与されていることから、
下方の基準ローラ3の各大径部3Aに弾性的に押し付けら
れる。尚、検知ローラ4は高精度に製作されたボールベ
アリングより成り、がた付くことなく回転する。
検知レバー17の一端にはストッパー17Cが一体的に設け
られている。このストッパー17Cは紙葉2の挟持で検知
ローラ4が変位して検知レバー17が大きく回動する際に
機構取付板6の側部折曲片6gに当接し、検知レバー17が
不要に大きく回動するのを防止している。また、このス
トッパー17Cは組立作業時等にコイルスプリング22の弾
性力で検知レバー17が基準ローラ3側に不要に大きく回
動するのを防止するために、機構取付板6の側部下方に
設けた折曲片6hに当接する。
ところで、素子ブラケット8とブロック部材19とは磁気
抵抗素子9及び検知棒21を電気的及び磁気的に絶縁する
ために、非導電性と非磁性特性を有する材料、例えば、
プラスチック樹脂より形成されている。この場合素子ブ
ラケット8とブロック部材19とを同一材料若しくは少な
くとも熱膨張係数が同一の部材より形成するのが好まし
く、これにより熱膨張による磁気抵抗素子9と検知棒21
とのギャップ変動を抑えることができる。
尚、磁気抵抗素子9と検知棒21とのギャップは、シック
ネスゲージ等により予め所定の値になるように設定さ
れ、この状態で磁気抵抗素子9が取付金具10にて位置決
め、固定されている。また、磁気抵抗素子9の位置を調
整するための調整ねじ13は該素子9を位置決め、固定し
た後2つのナット(図示せず)若しくは接着剤により固
定され、外部振動により緩むことがないように考慮され
ている。
〈厚み検知機構の動作〉 次に、上記厚み検知機構の動作を説明する。
第4図は上記厚み検知機構の動作を説明するための原理
図である。
図において、図示しないガイド板間に紙葉2が送り込ま
れると共に、図示しないはすば歯車の駆動で基準ローラ
3が回転駆動されると、検知ローラ4が従動回転するの
で、両ローラ3,4にて紙葉2が挟持される。この紙葉2
の搬送時にはその厚み分だけ検知ローラ4がコイルスプ
リング22の弾性力に抗して基準ローラ3より離れ、検知
レバー17と共に支持軸7Bを中心として回動、変位する。
ところで、検知ローラ4の、紙葉2の厚みによる変位量
をa、同ローラ4の中心と支持軸7Bの中心との距離を
L、支持軸7Bの中心と検知棒21の中心との距離をlとす
ると、検知棒21の変位量Tは、T=al/Lとなる。従っ
て、Lを20mm、lは10mm、変位量aを0.09mmとすると、
検知棒21の変位量Tは0.045mmとなる。一方、磁気抵抗
素子9は検知棒21が数μm変位しても該変位量を検知し
得る感度を有している。よって、検知棒21が磁気抵抗素
子9の検知面に対してT(0.045mm)だけ変位すると、
この変位量に応じて磁気抵抗素子9の抵抗値が変化する
ので、該素子9より検知信号が出力される。
ところで、検知レバー17に回動力を加えるコイルスプリ
ング22は、紙葉2の挟持及び搬送時に検知レバー17が支
持軸7B上でがた付いて回動することがないように検知レ
バー17を引っ張る機能を有し、これにより検知誤差を小
さくして検知ローラ4の変位量を正確に検知し得るよう
にしている。
第5図は、第4図のコイルスプリングン22により検知レ
バー17に左右に引張力を加えたときの状態を拡大して示
している。
検知レバー17の貫通穴17aの縁部が常時支持軸7Bの右側
(紙張搬入側)の周面部に押し付けられている。即ち、
第4図の検知ローラ4の変位で検知レバー17が回動する
と、該レバー17と支持軸7Bとの間で微小なころがりRが
発生し、がた付きの原因となる。しかるに、検知ローラ
4が紙葉2の厚さ分として約0.09mm変位する場合に、検
知レバー17の貫通穴17aの直径が4.03mm、支持軸7Bの直
径が3.97mm、上記した支持軸7Bと検知ローラ4との中心
間距離L(第3図参照)が20mm、支持軸7Bと検知棒21と
の中心間距離l(第4図参照)が10mmにそれぞれ設定さ
れていると、コイルスプリング22により引張力を加える
と貫通穴17aの支持軸7Bに対する偏心量δが0.06mmとな
るので、第5図に示す水平方向の検知誤差εは約7.2
×10-10mm、垂直方向の検知誤差εは約9.3×10-6mmに
なる。これらの誤差は検知棒21の変位量(0.045mm)よ
りも充分に小さいので、無視することができる。
尚、支持軸7B及び貫通穴17aの径を小さくした場合にも
検知誤差を充分に小さくすることができる。
また、ピボット軸受を用いて検知レバー17を回動させて
検知ローラ4の偏心量を小さくしてもよいが、この場合
には製作コストが若干高価になってしまう。
〈信号処理判定回路の構成〉 次に、再び第1図に戻って、上記厚み検知棒の検出器の
出力信号を処理する信号処理判定回路の説明を行う。
まず、信号処理回路200は、検知器9の出力信号を受け
入れるボルテージフォロワ回路220と、信号増幅回路230
と、低域阻止フィルタ240と、高域阻止フィルタ250と、
信号レベル補償回路260とから構成されている。この信
号処理回路200の出力信号は、基準値測定部300の出力信
号と共に判定回路400に入力するよう結線されている。
図において、検知ローラ4の変位が先に説明した要領で
検知器(磁気抵抗素子)9に検出されるが、その出力端
子は、ボルテージフォロワ回路220のオペアンプ202非反
転入力端子に接続される。オペアンプ202の出力端子
は、その反転入力端子に帰還される。これにより、検知
器9の出力インピーダンスを変換する。
ボルテージフォロワ回路220の出力は信号増幅回路230に
入力し、抵抗231を介してオペアンプ203の反転入力端子
に接続される。また、オペアンプ203の出力端子は、抵
抗234を介してその反転入力端子に帰還される。一方、
このオペアンプ203の非反転入力端子には、検知される
紙葉の厚みがゼロの時のこのオペアンプ203の入力電圧
とほぼ等しい電圧が、可変抵抗232のタップから抵抗233
を介して入力される。尚、可変抵抗232の両端には、安
定化された電源電圧VCCが印加されている。
信号増幅回路230の出力は、低域阻止フィルタ240におい
て、コンデンサ241,242を介してオペアンプ204の非反転
入力端子に接続される。コンデンサ241とコンデンサ242
の接続点には、放電制限抵抗243の一端が接続され、こ
の抵抗243の他端は、オペアンプ204の反転入力端子に接
続される。更に、オペアンプ204の非反転入力端子に
は、放電制限抵抗244の一端が接続され、この抵抗244の
他端は接続されている。又、オペアンプ204の出力端子
は、その反転入力端子に帰還されている。
一方、信号レベル補償回路260において、オペアンプ206
の非反転入力端子は接地され、その出力端子はダイオー
ド261のアノードに接続される。ダイオード261のカソー
ドは、オペアンプ206の反転入力端子に帰還されると共
に、上記低域阻止フィルタ240のオペアンプ204の非反転
入力端子に接続される。
低域阻止フィルタ240の出力は、高域阻止フィルタ250に
おいて、抵抗251,252を介してオペアンプ205の非反転入
力端子に接続される。抵抗251と抵抗252の接続点には、
コンデンサ253の一端が接続され、このコンデンサ253の
他端は、オペアンプ205の反転入力端子に接続される。
更に、オペアンプ205の非反転入力端子には、コンデン
サ254の一端が接続され、このコンデンサ254の他端は接
地されている。又、オペアンプ205の出力端子はその反
転入力端子に帰還されている。
高域阻止フィルタ250の出力は、判定回路400に入力す
る。
尚、図中、信号増幅回路230の出力電圧をVA、低域阻止
フィルタ240の出力電圧をVB、高域阻止フィルタ250の出
力電圧をVCと表示した。
〈信号処理回路の動作〉 以上のような構成において、検知器9が検知ローラ4の
変位に対応する電気信号を出力すると、その出力信号は
ボルテージフォロワ回路220のオペアンプ202を介して信
号増幅回路230に入力する。この信号増幅回路230で増幅
された出力信号は、低域阻止フィルタ240のコンデンサ2
41,242を充電する。コンデンサ241,242が充電されてい
る間は、抵抗243,244に電流が流れ、信号増幅回路230の
出力電圧VAの変化分がオペアンプ204の出力電圧VBとし
て現われる。又、コンデンサ241,242の充電が完了する
と、オペアンプ204の非反転入力端子が接地電位にな
り、オペアンプ204の出力電圧VBは0Vとなる。
いま、信号レベル補償回路260が無いものとしてこの低
域阻止フィルタ240の動作を考えると、この回路の入力
電圧VAと出力電圧VBの関係は、ラプラス変換式を用いて
下記の如く表わされる。
L=[VB/VA]=G1(S) =S/{S2+(1/R244)(1/C241+1C242)S +(1/C241C242R243R244)} ここで、C241,C242はそれぞれコンデンサ241,242の容
量、R243,R244は抵抗243,244の抵抗値であり、上式より
コンデンサ241,242の放電時定数T1は次式で示される。
T1=2π(C241C242R243R2441/2 従って、入力電圧VAがコンデンサ241,242の放電時定数T
1よりも長周期で変化し、あるいは一定である場合はオ
ペアンプ204の出力電圧VBは変化せず、逆に入力電圧VA
がT1より短周期で変化した場合、オペアンプ204はその
変化分を出力する。故に、検知器9の出力する紙葉の厚
みによる検知ローラ4の変位に基づく出力信号に対し
て、コンデンサ241,242の放電時定数T1を十分大きくと
れば、基準となる厚さゼロに対応する電圧は常に0Vとな
り、オペアンプ204は紙葉の厚さ分に相当する電圧だけ
を出力することになる。
即ち、この低域阻止フィルタ240によって、厚さゼロの
場合の信号増幅回路230の出力電圧VAが変動(ドリフ
ト)しても、そのドリフトに影響されない出力信号VB
得ることができる。
ところで、この低域阻止フィルタ240において、紙葉が
通過中は入力電圧VAが変化しないから、コンデサ241,24
2が抵抗243,244を通して、紙葉の厚み分の電荷も放電し
てしまう。いま、入力電圧VAを時間t=0で0から1と
なるユニットステップ関数とすると、オペアンプ204の
出力電圧VBは次式で示される。
VB(t)={exp(−αt)}(cosβt+αsinβt/β) α=(1/2R244)(1/C241+1/C242) β={(1/C241C242R243R244) −(1/2R244(1/C241+1/C2421/2 第6図は、横軸に時間、縦軸に低域阻止フィルタ240の
出力電圧VBをとったグラフである。
この低域阻止フィルタ240が動作したとき、紙葉が通過
する時間をt1とすると、VB(0)−VB(t1)=1−V
B(t1)の電圧が、紙葉通過直後にオペアンプ204の出力
端にマイナス電位として現われ、こんどはこの電圧が厚
みゼロの場合の出力電圧になる。紙葉は、T時間周期で
検知器9により検知されるものとする。即ち、オペアン
204の出力端電圧が0Vになるまで(コンデンサ241,242の
充電が完了する以前)に、2枚目の紙葉により検知器9
が変位を検知すると、上記マイナス電位が差し引かれ
て、実際の厚み分よりも低い電圧VB(T)がオペアンプ
204から出力されてしまう。もちろん、この紙葉の通過
中もコンデンサ241,242は放電する。従って、紙葉が次
々と通過すると、第3図に示すように、次第に厚みゼロ
の場合の出力電圧がマイナス側にずれていく。そして、
コンデンサ241,242が紙葉通過中に放電する電荷量S1
紙葉が無い間に充電される電荷量S2とが等しくなったと
ころで安定する。
これでは、低域阻止フィルタ240の絶対的な出力電圧を
もとに紙葉の厚さを正確に判定することはできない。そ
こで、この回路に、第1図に示すように信号レベル補償
回路260が接続されている。
この信号レベル補償回路260において、先ず、低域阻止
フィルタ240のオペアンプ204の非反転入力端子がプラス
電位の場合、即ち紙葉通過中は、ダイオード261がオフ
となり、この回路はコンデンサ241,242の充放電には関
与しない。一方、そのオペアンプ204の非反転入力端子
がマイナス電位の場合、即ち紙葉通過直後は、ダイオー
ド261がオンとなり、オペアンプ206よりオペアンプ204
に向かって電流が供給されて、コンデンサ241,242は瞬
時に充電を完了し、オペアンプ204の出力電圧VBが0Vと
なる。この作用によって、紙葉が連続してきても、オペ
アンプ204の出力端からはその厚み分の出力電圧VBが正
確に出力される。
低域阻止フィルタ240は、このようにしてドリフトや位
置ずれを除去する機能を持っている。
次に、この低域阻止フィルタ240の出力信号が、高域阻
止フィルタ250に入力する。高域阻止フィルタ250におい
ては、入力信号により抵抗251,252を介してコンデンサ2
53,254が充電される。その充電中は、コンデンサ253,25
4に電流が流れ込み、オペアンプ205の出力は0Vへと引か
れ、充電後は入力信号をそのまま出力する。オペアンプ
205の出力電圧VBと出力電圧VCとの関係は、ラプラス変
換式を用いて下記の如く表わされる。
L[VC/VB]=G2(S) =(1/R251R252C253C254) /{S2+(1/C253)(1/R251+1/R252)S +(1/R251R252C253C254)} ここで、R251,R252はそれぞれ抵抗251,252の抵抗値、C
253,C254はそれぞれコンデンサ253,254の容量であり、
上式よりコンデンサ253,254の放電時定数T2は次式で示
される。
T2=2π(R251R252C253C2541/2 従って、この回路の入力電圧VBがコンデンサ253,254の
放電時定数T2よりも長周期で変化するかあるいは一定で
ある場合、オペアンプ205の出力電圧VCは入力電圧VB
等しくなり、逆に入力電圧VBがT2より短周期で変化した
場合、オペアンプ205は入力電圧VBの直流成分を出力す
る。このとき、コンデンサ253,254の放電時定数T2を適
当に大きくとれば、検知ローラ4の飛び上りや基準ロー
ラも含めた振動等に基づく高周波のメカニカルノイズを
濾波でき、正味の紙葉類の厚さに対応する信号のみを取
り出すことができる。
尚、第1図に示した実施例の回路において、ボルテージ
フォロワ回路220は省いてもよい。この場合、検知器9
の出力を信号増幅回路230の抵抗231を介してオペアンプ
203の反転入力端子に直接接続すればよい。また、この
信号増幅回路230の出力電圧VAがネガティブ信号であっ
てもよく、このときは、信号レベル補償回路260のダイ
オード261は逆向きの極性に結線される。
第7図には、第1図の回路中の各出力電圧VA,VB,VCを、
種々の紙葉を検出した状態毎に図示した。
第7図の(イ)は、紙葉100が1枚だけ第1図の基準ロ
ーラ3と検知ローラ4の間を通過した場合の信号波形を
示し、(ロ)は紙葉100が2枚完全に重なって通過した
場合の出力波形を示し、(ハ)は紙葉100が一部だけ重
なり合って通過した場合の信号波形を示している。又、
そのうち(a)は信号増幅回路230の出力電圧VAを、
(b)は低域阻止フィルタ240の出力電圧VBを、(c)
は高域阻止フィルタ250の出力電圧VCを示している。
この図で分るように、信号増幅回路230の出力信号VA
は、メカニカルノイズ101と、ドリフト電圧102とが含ま
れている。これが、低域阻止フィルタ240を通過する
と、メカニカルノイズ101を残してドリフト電圧102が除
去される。
その後、高域阻止フィルタ250を通過すると、このメカ
ニカルノイズ101も除去されて、紙葉の厚みに忠実な出
力電圧VCが得られ、これが判定回路400に入力すること
になる。
紙葉が2枚重なり合った図の(ロ)に示すような場合に
も、同様にメカニカルノイズ101とドリフト102が含ま
れ、これが全く同様の要領で除去される。紙葉の一部が
重なり合った場合には、メカニカルノイズ101は図のよ
うに少なくとも2か所で発生する。これも同様の要領で
除去される。この図の(c)を見て分るように、所定回
路400は2枚の紙葉100がどのような状態で基準ローラ3
と検知ローラ4の間に挟み込まれたかを、その波形によ
って確実に認識することができる。
以上のようにして、信号処理回路200において処理さ
れ、判定回路400に入力する入力信号は、第8図に示す
ような特性を持っている。
第8図は、検知棒の変位を横軸に取り、縦軸に判定回路
の入力電圧をとったグラフである。この特性は、検知器
9の特性に大きく存在しているが、図に示すように、D
の範囲においては両者ほぼ直線的に比例して変化してい
る。
ここで、例えば同種の紙葉類についての厚みを測定した
場合に、その厚みにはある程度のバラツキがあり、紙葉
2枚、3枚、4枚と重なるにつれ合計の厚みのバラツキ
が増す。
第9図は、紙葉の厚みを横軸にとり、縦軸にその厚みが
発生する確率をとったグラフである。このように、紙葉
が1枚の場合、2枚重なりあった場合、3枚重なりあっ
た場合、4枚重なりあった場合、それぞれある点を中心
に適当に分散した確率分布を示すが、このグラフを見て
分るように、1枚、2枚、3枚、4枚と、それぞれの間
に実際に存在しない厚みの部分が生じる。この部分をT
01、T12、T23、T34というように設定して、これを境に
紙葉の枚数を判定すれば、十分信頼性の高い枚数の判定
が行なわれる。
再び第8図へ戻ると、第9図で選定したT01、T12
T23、T34に対応する判定の基準となる電圧V01、V12、V
23、V34が得られる。
本発明の装置においては、基準値設定部300から、この
ような基準となる電圧を判定回路400に向けて出力し、
判定回路400は、信号処理回路200から入力する入力電圧
をこの基準値と比較して判定を行なうことになる。
〈判定回路の構成〉 次に判定回路の具体的な構成を説明する。
第1図に戻って、判定回路400は、比較器401とこの比較
器の非反転入力端子に接続された抵抗402と、反転入力
端子に接続された抵抗405と、制御部403とから構成され
る。
抵抗402の一端には、信号処理回路200の出力信号が入力
するよう結線されている。又、比較器401の出力は、制
御部403に入力するよう結線されている。又、比較器401
の反転入力端子には、抵抗405を介して基準値設定部300
から基準値が入力するよう結線されている。一方、制御
部403には、紙葉が第1図左側で説明した厚み検知機構
に挟み込まれる直前に、その紙葉の通過を検出するフォ
トセンサ404の出力が入力するよう結線されている。
この判定回路400の比較器401は、入力電圧VCが基準値VR
よりも高い場合ハイレベル、その逆の場合ロウレベルの
信号を出力するよう動作する回路である。
〈基準値設定部の構成〉 次に、基準値設定部300の説明を行なう。
基準値設定部300は、選択信号発生回路301と、デコーダ
302と、このデコーダの8本の出力端子に接続された8
個の抵抗310から317と、これらの抵抗310から317の他端
に一括して一端を接続した抵抗R303とから構成されてい
る。
選択発生信号回路301は、制御部403から選択信号発生開
始のための命令を受け入れるよう結線されている。又、
選択信号発生回路301は、3ビットの選択信号をデコー
ダ302に向けて出力するよう結線されている。又、抵抗3
03の一端は、安定化電源VCCに接続されている。
この抵抗303はいわゆる分圧抵抗で、この抵抗303と抵抗
310から317との接続点が、基準値VRを出力するための端
子とされ、判定回路400の比較器401に入力するよう接続
されている。この基準値設定部300に対し、制御部403か
ら選択信号発生開始の命令が入力すると、選択信号発生
回路301は3ビットの選択信号を例えば“000"から順に
“111"まで8回インクリメントしながら所定のタイミン
グでデコーダ302に向けて出力する。
デコーダ302は、その選択信号を受け入れると、抵抗310
を接続した端子から抵抗317を接続した端子まで、順に
選択的にその端子をロウレベルに、即ち接地するよう動
作する。これによって、抵抗310から抵抗317までのいず
れかの抵抗と抵抗303との直列回路によって、両者の接
続点に所定の基準電圧VRが発生する。
第1表には、選択信号とデコーダの出力との関係を示し
た。
又、このようにデコーダが動作した場合には、8種の基
準値V01、V12、V23、V34〜V78が得られる。その具体的
な値は下の式の通りである。
V01=VCCR303/(R310+R303) V12=VCCR303/(R311+R303) V23=VCCR303/(R312+R303) V34=VCCR303/(R313+R303) V45=VCCR303/(R314+R303) V56=VCCR303/(R315+R303) V67=VCCR303/(R316+R303) V78=VCCR303/(R317+R303) このような基準値VRが所定の周期で切替えられると、判
定回路400において比較器401の出力は、入力電圧VCの前
後でロウレベルからハイレベルに切り換わる。この切り
換わりの点を制御部403が認識すれば、制御部403におい
て紙葉が何枚であるかを正確に認識することができる。
尚、上記基準値設定部300の選択信号発生回路301に対し
て選択信号の発生開始を命令するタイミングは、フォト
センサ404が紙葉を検知したタイミングである。
第2表は基準値と比較器の出力の関係を示す一覧表であ
る。
〈判定動作の説明〉 最後に、上記基準値設定部300及び判定回路400における
判定動作の説明を行なう。
第10図と第11図及び第12図は、その判定動作のフローチ
ャートである。
先ず、第10図は、そのメインルーチンで、最初のステッ
プとして紙葉があるか否かの判断がなされる(ステップ
S1)。これは、第1図において、制御部403がフォトセ
ンサ404の検知信号を監視する状態である。
紙葉がそのフォトセンサ404に検知された場合、カウン
タNを0と置く(ステップS2)。次に、サンプリングク
ロックが発生される(ステップS3)。このサンプリング
クロックは、紙葉が通過している間、繰り返しその紙葉
の厚みを検出するためにタイミングをとる信号である。
この実施例では、例えば、紙葉が2mm搬送される枚に1
回のサンプリングを行う。
次に、サンプリング動作のサブルーチンに入る(ステッ
プS4)。
ここで、第11図を用いて後に説明する要領で紙葉の厚み
が判定され、その次のステップで紙葉が無いか否かが判
断される(ステップS5)。紙葉が検知器に検知されてい
る間、先に説明したようにサンプリング動作のサブルー
チン(ステップS4)が繰り返し実行される。そして、紙
葉が通過し終わると、サンプリングクロックが停止し
(ステップS6)、先のサンプロングサブルーチン(ステ
ップS4)において得られたデータを基に枚数演算サブル
ーチンが実行される(ステップS7)。
以上がメインルーチンであるが、次に第11図を用いてサ
ンプリングサブルーチンの説明を行なう。
先ず、初めに、ここではサンプリングクロックの立ち上
がりを検出する(ステップS10)。即ち、メインルーチ
ンのステップS3において、サンプリングクロックが立ち
上がると選択信号(A,B,C)をイニシャライズし“000"
とする。これによって、基準値V01が基準値設定部300か
ら判定回路400に向けて出力される。
ここで、比較器401の出力がロウレベルか否かが判断さ
れる(ステップS12)。もし、比較器401の出力がロウレ
ベルであれば、厚みが異常であると判断し異常フラグを
セットし(ステップS13)、厚み検知作業を終了する。
又、比較器401の出力がハイレベルのときは、選択信号
発生回路301が選択信号をインクリメントする(ステッ
プS14)。
そして、再び比較器401の出力がロウレベルか否かを判
断する(ステップS15)。比較器の出力がロウレベルの
場合には、カウンタNに1を加算する(ステップS1
6)。一方、比較器401の出力がハイレベルの場合には、
再び選択信号発生回路301から出力される選択信号がイ
ンクリメントされ(ステップS17)、再度比較器401の出
力がロウレベルかハイレベルかの判断がされる(ステッ
プS18)。
このように、ステップS14では基準値V12が、ステップS1
7では基準値V23が、それぞれ比較器401に対して出力さ
れ、比較器401の出力がハイレベルかロウレベルかによ
ってカウンタNに加算される数値が順に1ずつ加算す
る。ステップS19では、カウンタに2を加算している。
ステップS20においては、カウンタNに3が加算され
る。このような動作を基準値V34、V45、V56と順に実行
し、比較器401の出力がロウレベルになったところで、
サンプリングンサブルーチンを終了する。
このサンプリングサブルーチンは、先にメインルーチン
(第10図)で説明したように、1枚の紙葉が通過し終わ
るまで何回か繰り返される。従って、例えば、紙葉が1
枚だけ通過している場合には、カウンタNに1回のサン
プリングにつき1ずつ加算され、最終的に、サンプリン
グ回数に相当するだけの数がカウンタに加算されること
になる。紙葉2枚が重なって通過する場合には、完全に
重なっていても搬送方向にずれて重なっていても、この
カウンタNの値はほぼ同様になる。テープ等が張り付け
られている場合には、1枚の場合と2枚の場合の中間的
な値になる。
第12図は、このカウンタNを基に紙葉の枚数を判定する
フローチャートである。
この枚数演算サブルーチンにおいては、予め、1枚の紙
葉を検出した場合のその結果得られるカウンタ値と、2
枚の紙葉を検出した場合に得られるカウンタ値と、3枚
の紙葉を検出した場合に得られるカウンタ値……につい
て、それぞれ基準値N12、N23、N34……を設定してお
く。そして、初めにカウンタの値がN12より小さいか否
かが判断される(ステップ30)。N12より小さければ枚
数は1枚と判断する(ステップS31)。N12よりもカウン
タの値が大きければN23と比較する(ステップS32)。N
23よりも低ければ枚数が2枚と判断する(ステップS3
3)。N23よりもカウンタの値が大きい場合にはN34と比
較する(ステップS34)。N34よりもカウンタの値が小さ
ければ枚数が3枚と判断する(ステップS35)。
このような処理を繰り返していけば、紙葉枚数の判定を
行なうことができる。又、サンプリング回数が多けれ
ば、より高精度の判定を行うことができる。
(発明の効果) 以上説明した本発明の搬送紙葉厚み検知装置によれば、
搬送紙葉の厚みを高い精度で検知し、更にその検知器の
出力信号から検出精度に悪影響を及ぼす信号成分を除去
したので、信号処理回路の出力電圧を複数の基準電圧と
比較することによって、紙葉の重なりあった枚数まで正
確に検知、判定することができる。
これによって、紙葉取扱装置における紙葉枚数の管理が
確実になり、その稼働効率の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の搬送紙葉厚み検知装置の実施例を示す
概略図、第2図は従来の搬送紙葉厚み検知装置の概略
図、第3図は本発明の装置における厚み検知構成の分解
斜視図、第4図はその構成の動作原理図、第5図はその
部分拡大図、第6図は低域阻止フィルタの出力電圧波形
説明図、第7図は本発明の装置の各部の出力信号を示す
波形図、第8図はその検知棒の変位と判定回路の入力電
圧の関係を示すグラフ、第9図は紙葉の厚さの確率分布
を示すグラフ、第10図、第11図及び第12図は本発明の判
定動作を示すフローチャートである。 1……ケーシング、2……紙葉、3……基準ローラ、 4……検知ローラ、5……検知機構部、9……検知器、 200……信号処理回路、 220……ボルテージフォロワ回路、 230……信号増幅回路、240……低域阻止フィルタ、 250……高域阻止フィルタ、 260……信号レベル補償回路、300……基準値設定部、 400……判定回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 雅男 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−15107(JP,A) 特開 昭55−104705(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙葉の搬送路上に配置された基準ローラ
    と、 この基準ローラに弾性的に押し付けられた前記基準ロー
    ラと共に前記紙葉を挟持する検知ローラと、 前記紙葉が挟持されたとき、前記検知ローラの前記紙葉
    の厚みに対応して生じる変位を検知して電気信号に変換
    する検知器と、 この検知器の出力信号を増幅し、前記紙葉の厚みに対応
    して生じる前記検知ローラの変位に基づく信号の周波数
    成分を除く他の周波数成分を濾波する信号処理回路と、 前記紙波が1枚だけ前記基準ローラと前記検知ローラと
    の間に挟持された場合と、複数枚重なり合って挟持され
    た場合の前記信号処理回路の出力信号に対応させて、予
    め設定された複数の基準値を所定の順に選択的に出力す
    る基準値設定部と、 前記信号処理回路の出力信号と前記基準値設定部の出力
    する複数の基準値とを順に比較し、前記基準ローラと前
    記検知ローラとの間に挟持された紙葉の枚数を判定する
    判定回路とを備えたことを特徴とする搬送紙葉厚み検知
    装置。
  2. 【請求項2】前記検知ローラの回転軸を軸支した検知レ
    バーと、 この検知レバーに固定された磁性体から成る検知棒と、 この検知棒の変位を検知する磁気抵抗素子から成る検知
    器とを備えたことを特徴とする請求項第1項記載の搬送
    紙葉厚み検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101538464B1 (ko) * 2014-07-25 2015-07-23 노틸러스효성 주식회사 초음파 센서의 이중 충방전 로직을 이용한 지폐의 매수 검지 방법

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KR101538464B1 (ko) * 2014-07-25 2015-07-23 노틸러스효성 주식회사 초음파 센서의 이중 충방전 로직을 이용한 지폐의 매수 검지 방법

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