JP2747564B2 - 多重シート通過検出装置 - Google Patents

多重シート通過検出装置

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JP2747564B2
JP2747564B2 JP1134842A JP13484289A JP2747564B2 JP 2747564 B2 JP2747564 B2 JP 2747564B2 JP 1134842 A JP1134842 A JP 1134842A JP 13484289 A JP13484289 A JP 13484289A JP 2747564 B2 JP2747564 B2 JP 2747564B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はフィード通路に沿って通過する複数枚のシ
ートを検出する装置に関する。例えば、自動出納機(AT
M)の現金支払機における複数枚の紙幣の通過を検出す
る装置にその適用がある。
〔従来の技術〕
現金支払機では、重複シートは余分な金を支払うこと
になるから紙幣が重複してフィードされ取出口に向けら
れたような場合には、簡単且つ確実にそれを検出するこ
とが重要なことである。重複して2枚又はそれ以上取出
されたシート又は紙幣のことを以下便宜上重複シート又
は紙幣或は重複ノートと呼ぶ。
フィード通路に沿って重複ノートが通過するのを検出
する装置の1つの公知のタイプは測定ローラを持ちノー
トを通過させるノート厚感知機構を使用する。重複ノー
トが感知機構を通過する際、測定ローラの軸はある量だ
け離され、ノート拒絶手段が作動してノート又は紙幣を
拒絶ホッパに転向させるようにする。この型の検知機で
経験した問題は重複ノートとノートの一部に他の紙等が
はり付いているものとを区別することができないという
ことである。ノートの一部が厚くなっている例として
は、その他ノート自体が折たたまれているか厚くなって
いる場合や外部のものが粘着テープではり付けられてい
るか印紙などがはり付けられている場合がある。そのた
め、余分なノートが拒絶される結果となっていた。ATM
にそのような機構を使用すると、拒絶枚数が多いために
新たにノートを積載しなければならない時間が短くな
り、メンテナンス・コストの増加となる。
上記の問題を解決するため、例として英国特許第2,00
1,038A号の開示がある。それは1対の測定ローラを含む
厚さセンサは紙幣の一部を測定し、紙幣厚に応答してデ
ィジタル信号を発生するように構成される。例えば、重
複紙幣についてはロジック“1"信号を、単一紙幣につい
てはロジック“0"信号を発生する。厚さセンサのディジ
タル出力は紙幣の測定部のほぼ全長に亘りこの出力を積
分する積分回路に供給される。積分回路の出力は測定さ
れた紙幣が重複か一枚かを決定するために基準信号と比
較される。この装置は重複紙幣とごみ又は厚みの増加に
より局部的に厚みが増加した単一紙幣とを区別すること
ができるが、紙幣の数を確認することはできない。例え
ば、この装置は2枚か3枚かを区別することができな
い。
上記の問題を解決する他の装置はこの出願人に譲渡さ
れ1987年9月10日に出願された米国特許出願第094,986
号がある。このフィード通路に沿って通過する重複シー
トを検出する装置は第1及び第2の共同ローラを含み、
その間に重複又は単一紙幣が通過したことに応答して第
2のローラが第1のローラから離れて移動するようにし
てある。第1のローラの直径は第2のローラの約2倍で
ある。電圧発生装置は第2のローラが第1のローラから
離れる移動に直線的に変化する出力電圧を発生する。こ
の電圧は最初紙幣がない状態で第1のローラの完全1回
転中積分され、次にローラ間に単一又は重複紙幣が通過
したときに夫夫第1又は第2の値を積分する。第1の値
は第2の値から差引かれ、第2の値に対応する紙幣の数
が決定される。
〔この発明が解決しようとする問題点〕
上記の検出装置では簡単且つ確実ではなかった。
従って、この発明の目的は構造簡単に重複紙幣の実際
の枚数を確実に決定できる重複紙幣検出装置を提供する
ことである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題を次に述べるようにして解決した。
すなわち、この発明によると、固定回転軸を持つ第1
のローラと、それに共同する第2のローラと、前記ロー
ラ間をフィード通路に沿ってシートをフィードする手段
と、前記第2のローラの軸が前記第1のローラに対して
移動することができ、前記第1及び第2のローラ間を通
過する紙幣の枚数に従って前記第2のローラを第1のロ
ーラに対して前後移動できるよう第2のローラを第1の
ローラの方にバイアスする前記第2のローラの取付手段
と、前記第2のローラに関連し前記第1のローラの軸に
対する前記第2のローラの軸の前後移動に直線的に変化
する出力電圧を発生する電圧発生手段とを有する重複シ
ートの検出装置であって、前記出力電圧を受信するアナ
ログ−ディジタル変換器と、前記ローラの回転を刻時す
るタイミング・パルスを発生するパルス発生手段と、前
記変換器及びパルス発生手段の出力に接続されたデータ
処理手段とを含み、前記データ処理手段は、(a)前記
ローラ間にシートがない場合、前記ローラの一つが完全
一回転、若しくは完全一回転の整数倍回転する間に所定
回数だけ前記変換器(152)の出力によって表わされる
前記出力電圧の値をサンプルし、(b)前記工程(a)
でサンプルされた前記出力電圧の値の総和を表す第1の
ディジタル値を記憶し、(c)前記ローラ間を1枚又は
重複枚のシートが移動するとき前記ローラの一つが前記
完全一回転若しくは完全一回転の前記整数倍回転する間
に前記所定の回数だけ前記変換器の出力によって表わさ
れた前記出力電圧の値をサンプルし、(d)前記工程
(c)でサンプルされた前記出力電圧の値の総和を表す
第2のディジタル値を記憶し、(e)前記第2のディジ
タル値から前記第1のディジタル値を減じて前記工程
(c)で前記ローラ間を通過したシートの枚数を決定す
る基準となる第3のディジタル値を発生する各工程を実
行するよう構成された多重シート通過検出装置を提供す
る。
この発明による装置は重複シートの数を決定する能力
があるため重要であり、それが例えば現金支払機に使用
された場合、重複紙幣の正しい枚数をカウントして客に
支払うことができるという有益な能力を有する。
〔実施例〕
次に、添付図面を参照してその例によりこの発明の一
実施例を説明する。
第1図及び第2図において、この発明による重複紙幣
検出装置の紙幣感知機構10は固定回転軸を持つ鉄ローラ
12と可動回転軸を持つ共同する鉄ローラ14とを含み、ロ
ーラ12の直径は正確にローラ14の2倍である。ローラ14
はローラ12に対して弾性的に押圧され、紙幣16(第3
図)は各紙幣の長辺がローラ12の軸と平行にローラ12,1
4間を通してフィードされる。
ローラ12は1対のフレーム部材20,22の間に回転自在
に取付けられたドライブ軸18に固定され、ローラ14はロ
ーラ12,14間に紙幣がないときドライブ軸18に平行に延
びる固体ロッドに回転自在に取付けられる。ローラ14は
ローラ12又はローラ12,14間を通過する紙幣に弾性的に
接触してその動作により回転する。ロッド24の右端(第
1図でみて)はねじ26でサイドフレーム部材22に大体平
行に配置されたプラスチック材料の細い板28に固定され
る。板28の端はボルト30で部材22に固定され、板28はス
ペーサ32により部材22の内面から離される。
コネクタ部材34は前記フレーム部材20の内面に固定さ
れているスタッド36に回動自在に取付けられる。ロッド
24の端は板28から離され、コネクタ34に支持され、スタ
ッド36の上のコネクタ34に形成された円孔38を通して堅
嵌される。コネクタ34はそれと一体に形成され一般に水
平方向に延びるアーム44により直線可変差動変圧器(LV
DT)42の垂直アーマチュア40に接続される。LVDT42は前
記フレーム20に固定されたブラケット46に取付けられ、
アーム44の自由端はそこに固定されたスタッド50にばね
48で接続される。ばね48はスタッド36を中心に反時計方
向(第2図で見て)にコネクタ34及びアーム44のアセン
ブリを押圧する。板28はある固有量のフレキシビリティ
を持ち、それによってロッド24は板28の大体中心点を軸
にある範囲回動することができる。普通、ローラ14はば
ね48によりローラ12と接触するよう押力をかける。ロー
ラ12,14間に1枚又は複数枚の紙幣が通過すると、ロッ
ド24が回動し、ロッド24の左端(第1図で)がドライブ
軸18から離れる方向に移動する。ロッド24の回動はばね
48の作用に対抗してスタッド36を中心に時計方向(第2
図で)にコネクタ34を回動し、その回動がアーム44によ
りLVDT42のアーマチュア40の前方移動を行わせる。紙幣
がローラ12,14から離れると、ばね48はロッド24をその
定位置に戻し、ローラ14をローラ12と再び接触させ、ア
ーム44を介してアーマチュア40をその定位置の方に戻
す。LVDT42のハウジング51内におけるアーマチュア40の
案内の性質から、アーム44の角移動はロッド24が受ける
わずかな範囲の回動でアーマチュア40を上下運動するよ
う変換する。
ローラ12,14間の上方への紙幣の移動は軸54に取付け
られている共同するゴム、フィード・ローラ対52,53に
よって行われ、軸54はサイドフレーム部材20,22間に回
転自在に取付けられている。フィード・ローラ52,53及
びドライブ・ローラ18はモータ56(第5図)からトラン
スミッション(図に示していない)を介して駆動され
る。第1図,第2図に示すように、フィード・ローラ52
はローラ12,14の下に置かれ、フィード・ローラ53はロ
ーラ12,14の上に置かれる。
タイミング・ディスク58はサイドフレーム部材22を越
えて延びるドライブ軸18の一端に固定され、軸18の軸心
を中心に等しい間隔の放射状に延びる90の黒領域群(図
に示していない)を持ち、各連続対の黒領域は各黒領域
と同じ角幅を持つ自領域で分離される。ディスク58はサ
イドフレーム部材22に取付けられている光センサ60と共
同し、ディスク58のマークを感知して一群のタイミング
・パルスを発生する。光センサ60はタイミング・ディス
ク58の白と黒の領域間を感知しその間でタイミング・パ
ルスを発生する。従って、ローラ12の1回転で光センサ
60から120のタイミング・パルスを発生することができ
る。第2の光センサ62は紙幣が近ずきローラ12,14間に
捕捉されるところでその紙幣を感知するようサイドフレ
ーム部材20に固定されたブラケット64に取付けられる。
第3図の紙幣感知機構10はATMの現金支払機構66に含
まれる。現金支払機構66は紙幣カセット68を含み、それ
はそのペース69に紙幣の長辺が対応するよう同種類の紙
幣スタック16を収容するよう構成される。カセット68は
ピック機構70と共同する。現金支払動作において、1又
はそれ以上の紙幣16がカセット68から支払われるとき、
ピック機構70は最初の紙幣16の下部をカセット68からス
タックに引出すよう時計方向に回動し、その紙幣の先端
がD形断面のピック・ロール手段72の外曲面と共同する
ロール手段74の外面との間に捕捉される位置まで引出さ
れる。最初の紙幣はロール手段72,74によってカセット6
8からフィードされ、紙幣の先端がフィード・ロール52
に捕捉されるまでローラ78及び案内手段80に沿って案内
される。
カセット68から抜きとられた各紙幣16はフィード・ロ
ーラ52によりローラ12,14の接触点(ニップ)までフィ
ードされ、ローラ12,14間を通過した後、正規にはフィ
ード・ローラ53により反時計方向に連続回転している従
来のスタック輪82にフィードされる。スタック輪82は夫
々1群の曲線歯88を持ち、スタック輪軸86に沿って並列
に離して設けられた複数のスタック板84を含む。スタッ
ク輪82は節状構造のストリッパ板90と共同し、各スタッ
ク板84の曲線歯88はストリッパ板90の隣り合う歯間を通
過するよう配置される。動作において、フィード・ロー
ル53によってスタック輪82にフィードされた各紙幣は第
3図のようにスタック板84の曲線歯88間に入り、スタッ
ク輪82の軸のまわりを一部回転し、ストリッパ板90によ
ってスタック輪82からはがされた紙幣はストリッパ板90
に対しその長辺がのるよう通常停止ベルト92にスタック
される。客が要求した額に対応する紙幣束16′(1枚か
もしれない)がベルト92にスタックされると、ベルト92
は別のモータ(図に示していない)で移動し、現金出口
(図に示していない)の方に紙幣束16′を搬送する。
軸96に取付けられている転向ゲート94はフィード・ロ
ーラ53と共同するよう紙幣感知機構10の上に配置され
る。アーム98の一端は軸96に固定され、その他端はソレ
ノイド102のアーマチュア100に回動自在に接続される。
後述するように、ソレノイド102は無効紙幣又は重複紙
幣が紙幣感知機構10を通過したということを重複紙幣検
知装置が検出したことに応答して付勢される。その構造
は、ソレノイド102が付勢していない場合、転向ゲート9
4は第3図の実線で示す位置にあり、案内ローラ78から
紙幣16のフィード通路76からスタック輪82に通じる。ソ
レノイド102が付勢すると、アーマチュア100アーム98を
介して軸96を時計方向に回動するよう転向ゲート94を回
転し、転向ゲート94がフィード通路の中におかれるよう
な第3図の1点鎖線で示す位置に回転する。転向ゲート
94のこの位置において、ゲート94は無効又は重複紙幣を
拒絶ピンにフィードするフィード・ローラ104に案内
し、紙幣は溝108を通して拒絶ビン106に送られる。
ローラ12,14の捕捉に紙幣が近づいたことを感知する
よう構成された光センサ62のほか、現金支払機構66は紙
幣16がピック機構70によりカセット68から抜き出され、
共同するロール手段72,74から出たということを感知す
る光センサ110を含む。
第4図のLVDT42はMullard Limited,Londonから購入で
きるモデルNE5521のようなLVDT信号コンディショナ112
に接続される。公知のように、信号コンディショナ112
は低歪であり、LVDT42の一次巻線をドライブするプログ
ラマブル周波数の振幅安定サイン波発振器と、LVDT出力
振幅及び位相を位置情報に変換する同期デモジュレータ
と、デモジュレートされた信号の増幅及び濾波を行う出
力増幅器とを有する集積回路の形のものである。キャパ
シタ114及び抵抗116はLVDT42の一次巻線の変調周波数を
14kHzにセットする。信号コンディショナ112の出力が出
力ライン118に現われると、コンディショナ112のデモジ
ュレータ出力はキャパシタ120,122及び抵抗124,126(第
4図のように接続される)から成るローパス・フィルタ
を介して出力線118に接続され、コンディショナ112の出
力は抵抗128,130によってセットされる。この実施例に
おいては、線118に現われた出力電圧は、アーマチュア4
0がLVDT42の中に移動してその最上位置からその最下位
置まで動いたときに+5Vから−5Vに変化する。
信号コンディショナ112の出力線118は抵抗134を介し
て差動増幅器132の負端子に接続され、この端子は抵抗1
36を介して増幅器132の出力線138に接続される。増幅器
132の正端子は抵抗140を介して接地に接続され、抵抗14
2を介して+7.5V電源に接続される。差動増幅器132は信
号コンディショナ112の+5V〜−5V出力をライン138の0
〜+10V変化に変換する。ライン138は抵抗140,142から
成る分圧器と抵抗144及びキャパシタ146から成るRCフィ
ルタとを介して演算増幅器148の正端子に接続され、そ
の負端子はその出力線150に接続される。分圧器140,142
は増幅器132の出力遷移を0〜+5V遷移に制限し、RCフ
ィルタ144,146と演算増幅器148の組合わせはばね48(第
1図,第2図)によって行われるLVDTアーマチュア40の
機械的低周波発振の影響を除去するローパス・フィルタ
として働く。従って、ライン150に現われた信号はアー
マチュア40がLVDT42に出入したときの移動に対して直線
的に変化する0〜+5V間のDC電圧である。それは、又ロ
ーラ12(第1図〜第3図)の軸から離れ及び近づくに従
って直線的に変化することができる。
第5図の出力線150はライン150の電圧をA/D変換器152
の出力ライン154に現われるディジタル・ワードの8ビ
ットに変換するよう作用するアナログ−ディジタル(A/
D)変換器152の第1の入力に接続される。制御線156はA
/D変換器152に接続され、変換器152の動作はライン156
に供給された低いレベルの制御パルスCONVERTによって
制御される。A/D変換はライン156のパルスCONVERTの出
現に応答して行われ、このパルスは約50msの期間を有す
る。出力線154はマイクロプロセッサ(Intel Corporati
onの8049マイクロプロセッサのような)に接続され、後
述する方法でライン154の情報を処理する。
タイミング・ディスク・センサ60の出力はライン160
を介してマイクロプロセッサ158に接続される。センサ6
0はローラ12の1回転ごとに180のタイミング・パルス群
を発生する。動作において、マイクロプロセッサ158は
ライン162を介し第2のマイクロプロセッサ164から低レ
ベルの信号SAMPLEを受信する。信号SAMPLEを受信する前
に、マイクロプロセッサ158は内部メモリー位置166に数
180(すなわち、ローラ12の1回転から発生したタイミ
ング・パルスの数)を記憶し、第2の内部メモリー位置
168の内容は“0"にセットされた。信号SAMPLEの受信に
応答して、マイクロプロセッサ158はライン170を介して
承認の意味でマイクロプロセッサ164に対して低レベル
のパルスACKを送信する。マイクロプロセッサ158による
信号SAMPLEの受信後、ライン160を介してマイクロプロ
セッサ158に供給された各タイミング・パルスはメモリ
ー位置166の内容を1だけ減算し、ライン156を介して制
御パルスCONVERTをA/D変換器152に供給される。A/D変換
器152に各パルスCONVERTを供給すると、そこからマイク
ロプロセッサ158にライン150の電圧を表わす値の8ビッ
ト、ディジタル数を供給し、そのディジタル数はそのメ
モリー位置168に含まれている数(最初は0)に加えら
れる。メモリー位置166の内容が0まで減じられたと
き、A/D変換器152に対するそれ以上の制御パルスCONVER
Tの供給は禁止され、そのときメモリー位置168はA/D変
換器152の出力の180サンプルの総和を表わす16ビット数
を含み、これはローラ12の完全1回転でライン150に現
われた電圧の値の180サンプルの総和となる。
マイクロプロセッサ164はIntel Corporationの8049マ
イクロプロセッサでよい。現金支払動作の開始におい
て、マイクロプロセッサ164は紙幣16がローラ12,14のニ
ップに達する前にライン162を介して信号SAMPLEをマイ
クロプロセッサ158に供給する。マイクロプロセッサ158
は信号SAMPLEに応答してメモリー位置168に、ローラ12,
14間に紙幣16がなかった場合、ローラ12の完全1回転に
おけるライン150の電圧値の180サンプルの総和を表わす
16ビット数を記憶する。メモリー位置168に記憶されて
いる数の8最高位ビット(高位バイト)を表わす8ビッ
ト・ディジタル数は通信バス172を介してマイクロプロ
セッサ164に供給され、マイクロプロセッサ164の内部メ
モリー位置174に記憶される。この段階で、メモリー位
置168の内容は“0"にリセットされ、メモリー位置166に
数180が記憶される。メモリー位置174に記憶されている
数は、ローラ12,14内に紙幣がない場合におけるローラ1
2の1回転中のライン150に現われた平均電圧値を表わす
数である。
ローラ12,14のニップに紙幣が入る直前にマイクロプ
ロセッサ164はマイクロプロセッサ158に他の信号SAMPLE
を供給する。マイクロプロセッサ158は、この信号SAMPL
Eを受信すると、ローラ12,14間に1枚又は複数枚の紙幣
が通過中ローラ12の1回転の間ライン150に現われた電
圧値の180サンプルの総和を表わす16ビット数をメモリ
ー位置168に記憶させる。この電圧は紙幣がローラ12,14
間にある間値を増加する。メモリー位置168に記憶され
ている数の8最高位ビットを表わす8ビット・ディジタ
ル数はバス172を介してマイクロプロセッサ164に供給さ
れ、その内部メモリー位置176に記憶される。メモリー
位置176に記憶された数は、ローラ12,14間に前述の紙幣
が通過していたときローラ12の完全1回転中ライン150
に現われた電圧の平均値を表わす数である。次に、マイ
クロプロセッサ164はメモリー位置176に記憶されている
数からメモリー位置174に記憶されている数を減算し、
マイクロプロセッサ164の第2の内部メモリー位置178に
その残を記憶する。
ローラ12,14が紙幣をはさまずに回転しているとき、
ライン150に現われた信号コンディショナ112の電圧出力
はベアリングの摩耗及び公差、ローラ12,14のごみ及び
ローラの偏心などの各種要因からわずかに変化する。そ
のような電圧変化は以下ローラノイズと呼ぶ。前述のよ
うに、固定軸ローラ12の直径はローラ14の2倍であり、
ローラ12の完全1回転は小さいローラ14の2回転であ
る。従って、全ローラノイズは固定軸ローラ12の1回転
で発生し、大体1回転ごとに繰返えされる。メモリー位
置174に記憶されている数はローラノイズを表わす基準
値である。ライン150の電圧は、ローラ14の軸がローラ1
2の軸に対して移動する長さに対して直線的に変化する
から、基準位置176に記憶されている数からメモリー位
置174に記憶されている基準値を減じることによって、
メモリー位置176に記憶されている数が発生したときに
ローラ12,14間を通過する1枚又は複数の紙幣の断面積
に比例した値が得られる(メモリー位置178に記憶され
た数)。従って、このローラノイズは上記の値に影響を
与えない。
部分的に重複状態にローラ12,14間を通過する同じ2
枚の紙幣16について得られるだろうものと完全重複状態
でローラ12,14間を通過する2枚の紙幣16について同一
の差違値(メモリー位置178に記憶されている値)が得
られるであろう。同様に、その長軸を中心に折たたまれ
た同一紙幣16に対しては1枚の紙幣16から得られるもの
と同一の値が得られるであろう。
この実施例において、ローラ12は外周180mmである。
ローラ12の完全1回転から180タイミング・パルスが得
られるから、1枚又は複数枚の紙幣16がローラ12,14間
を通過するとき、ライン150に現われた電圧の値のサン
プルは紙幣の幅方向に1mm間隔でとられる。一般に、そ
のサンプルは紙幣の幅方向に2mm又はそれ以下の間隔で
とられるのが好ましい。
現金支払機構66の重複紙幣検出装置及びその関連部の
動作を第5図で説明する。その動作はマイクロプロセッ
サ158,164で制御され、マイクロプロセッサ164は8ビッ
ト・バス180を介して主ATMプロセッサ182に接続され
る。ATMの客の現金引出要求に応答して紙幣カセット68
(第3図)から現金支払機構66により特定数の紙幣を引
出するいうことを主ATMプロセッサ182が要求したとき
に、マイクロプロセッサ164はその数を内部メモリー位
置184に記憶する。そこでマイクロプロセッサ164はライ
ン186の制御信号MOTONを“オン”にセットしてモータ56
のスイッチを入れる。モータ56はドライブ軸18、フィー
ド・ローラ52,53,104,共同ロール手段72,74,ローラ78及
びスタック輪82の動作を制御する。
マイクロプロセッサ164はライン162を介してマイクロ
プロセッサ158に低レベルのパルスSAMPLEを供給し、ロ
ーラ12,14間に紙幣がない場合のローラ12の値の180サン
プルの総和を前述のように、マイクロプロセッサ158に
よってそのメモリー位置168に記憶させる。低レベルの
パルスSAMPLEの受信に続き、マイクロプロセッサ158は
ライン170を介してマイクロプロセッサ164に低レベルの
パルスACKを送信し、パルスACKはライン164のパルスSAM
PLEをマイクロプロセッサに終了させて、マイクロプロ
セッサ158が次のサンプル動作を行いうるようにする。
前述のように、メモリー位置168に記憶されている数の
8最高位ビットによって表わされる基準値はマイクロプ
ロセッサ164のメモリー位置174に記憶される。
ひとたび基準電圧値がメモリー位置174に記憶される
と、要求された紙幣16の数はピック機構70で取出され
る。この取出動作はライン187を介してマイクロプロセ
ッサ164からピック機構70に低レベル信号PICKを供給す
ることによって開始され、正しい動作により要求された
紙幣数がピック機構70により紙幣カセット68から1枚ず
つ取出される。各取出された紙幣(ピック機構70の動作
が正しくないと重複紙幣かもしれない)はセンサ110で
感知され、ライン188を介して紙幣が取出されたという
ことをマイクロプロセッサ164に知らせる信号を送る。
取出された紙幣16は共同するロール手段72,74(第3
図)によりフィード通路76に沿いフィード・ローラ52に
フィードされ、フィード・ローラ52を通過した後、紙幣
16の先端はローラ12,14間のニップに入るわずか前にセ
ンサ62によって検出される。それによりセンサ62はライ
ン190を介してマイクロプロセッサ164に信号を送り、紙
幣16が紙幣感知機構10に近づいているということをマイ
クロプロセッサ164に知らせる。
マイクロプロセッサ164がこの信号を受信したとき、
ライン162を介してマイクロプロセッサ158に第2の低レ
ベル・パルスSAMPLEを供給し、ローラ12の完全1回転の
間ライン150の電圧の値に関する第2のサンプル動作を
開始する。このサンプル動作の開始直後、取出された紙
幣16の先端はローラ12,14のニップに入り、この紙幣の
尾端はローラ12の完全1回転の完了前にニップに残る。
前述したように、ローラ12のこの回転中、マイクロプロ
セッサはライン150に現われた電圧の値の180サンプルの
総和をメモリー位置168に記憶する。この電圧はローラ1
2,14間を紙幣が通過する間その値を増加する。その後、
メモリー位置168に記憶されている数の8最高位ビット
はマイクロプロセッサ164のメモリー位置176に記憶され
る。次に、マイクロプロセッサ164はメモリー位置176に
ちょうど記憶された数からメモリー位置174に記憶され
ている基準値を減算してその残をメモリー位置178に記
憶する。メモリー位置178に記憶された差違値はマイク
ロプロセッサ158により行われた上記のサンプル動作中
にローラ12,14間を通過した1枚又は複数枚の紙幣の断
面積に比例する。低レベル・パルスSAMPLEの受信に続
き、マイクロプロセッサ158は、パルスSAMPLEを終了さ
せるためマイクロプロセッサ164に他の低レベル・パル
スACKを送る。
今取出した1枚又は重複紙幣に比例した差違値がメモ
リー位置178に記憶された後、マイクロプロセッサ164は
この値をマイクロプロセッサ164の内部メモリー位置192
に記憶されているルックアップ・テーブルの内容と比較
し、可能であれば取出され、ローラ12,14間を通過した
紙幣の枚数を決定する。そのルックアップ・テーブルの
内容は1〜3枚に夫々対応する3つの別個な値の範囲か
ら成る。メモリー位置178に記憶されている値がそれら
の範囲内であると、その範囲に該当する枚数がマイクロ
プロセッサ164の内部メモリ位置194に記憶される。正規
な取出し動作では、ピック機構70は紙幣カセット68から
1枚の紙幣16を取出してスタック輪82にフィードする。
マイクロプロセッサ198はメモリー位置194に記憶され
た取出された紙幣数とメモリー位置184に記憶されてい
る要求紙幣数とを比較する。位置194の数が位置184の数
より大の場合は取出された重複紙幣が要求紙幣数より多
いということであり、マイクロプロセッサ164はライン1
96を介して転向ソレノイド102に信号DIVERTを送り、ソ
レノイド102を付勢し、転向ゲート94を第3図の実線の
位置から点線の位置まで回動する。故に、転向ソレノイ
ド102に信号DIVERTが送られると、取出された紙幣は拒
絶ビン106(第3図)の中に送入される。その後、メモ
リー位置176,178,194はクリヤされ、ライン187に保持さ
れている低レベルの信号PICKにより再びピック(取出
し)動作が行われる。位置194の数が位置184の数より少
いか等しいと、取出された1枚又は複数枚の紙幣はスタ
ック輪82にフィードが許されてベルト92に積載され、位
置194の数は位置184の数から減算され、その残がメモリ
ー位置184にオーバライトされる。位置184にまだ数が残
されている場合、カセット68から紙幣を取出してベルト
92に積載する動作を続ける。位置184の数が“0"である
と、ピック機構70の動作は終了し、マイクロプロセッサ
164はリセットされ、現金支払動作は完了する(後述す
る)。位置184の数が“0"でないと、メモリー位置176,1
84,194はクリヤされ、メモリー位置184の数が“0"に減
算されるまで前述のように現金支払動作を続行して現金
取出動作を行う。取出動作の場合、マイクロプロセッサ
158はローラ12の完全1回転中のサンプル動作を行い
(紙幣がローラ12,14間を通過する間)、サンプル動作
の完了でメモリー位置176,178に新たな値が記憶され
る。
メモリ位置184の数が0まで減じられると、マイクロ
プロセッサ164はライン187の低レベル信号PICKを終了し
てピック機構70の動作を終る。ベルト92に積載された紙
幣束16′はATMのユーザに支払われるべき合計紙幣数
(1枚かもしれない)である。ベルト92が動作して紙幣
16′を客が取りうるよう現金出口(図に示していない)
の方に送る。マイクロプロセッサ164は低レベル信号MOT
ONを終了してモーラ56をスイッチオフし、メモリー位置
174,176,178,184,194を0にリセットする。各現金支払
動作の始でマイクロプロセッサ164からライン162を介し
て低レベル・パルスSAMPLEを発生し、ピック機構70で紙
幣16が取出される前に基準値をメモリー位置174に記憶
させる。
現金支払動作が行われる前に、メモリー位置192にあ
るルックアップ・テーブルは紙幣感知機構10を通る1枚
の紙幣の数、2枚の紙幣(重複)の数及び3枚の紙幣
(重複)の数を通過させることによって設定される。単
一及び重複紙幣の断面積を表わす種々の差違値(上記の
方法で得られた)を記録する。ルックアップ・テーブル
の種々の例としては、ローラ12,14間を通過する単一紙
幣の値の範囲は18hex〜26hexであり、2枚重複紙幣の値
の範囲は38〜46hexであり、3枚重複紙幣の値の範囲は5
8〜66hexである。ピックアップ動作において、メモリー
位置178に記憶された差違値がルップアップ・テーブル
を構成する範囲の中間又は外、例えば26〜38間にあれば
その値は無効であり、マイクロプロセッサ164はライン1
96を介して信号DIVERTを転向ソレノイド102に送り、こ
の無効値に対する紙幣(1枚又は重複)を拒絶ビン106
に転送する。取出された紙幣が、例えばやぶれ又は粘着
テープで他のものとはり合わされているような場合に無
効値となる。ルックアップ・テーブルは4枚及び5枚以
上の重複紙幣の値の範囲まで拡張することができる。し
かし、取出動作で4枚又は5枚以上が取出されることは
非常にまれである。又、ルックアップ・テーブルは1枚
及び2枚の紙幣に対する2つの範囲のみから構成するこ
ともできる。
以上の重複紙幣検出装置は重複する全体の幅が1枚の
紙幣より大きい場合それをカウントしてスタック輪82に
通すことができる。その全体の幅はセンサ62とローラ1
2,14のニップとの間の距離より小さく固定幅ローラ12の
円周より大きくない。この実施例で重複する2枚又は3
枚の紙幣は、紙幣全体の幅がセンサ62とローラ12,14の
ニップとの間の距離より小さくローラ12の円周より大き
いとセンサ62が感知した場合に無効として取扱われ、マ
イクロプロセッサ164は転向ソレノイド102に信号DIVERT
を送って重複紙幣を拒絶ビン106に転送する。
この重複紙幣検出装置は、各現金支払動作の始めで発
生した基準値を使用してローラノイズを自動的に補償す
るという利点を有する。この構造はローラ12,14及び関
連ベアリングに対するゆるい許容誤差を可能にし、製造
コストを下げることができる。又、取出された重複紙幣
は正しく読取られ、現金支払動作に使用される(感知し
た紙幣の断面積値がメモリー位置192のルックアップ・
テーブルの範囲内である場合)ので、カセット68の交換
時間が長くなり、現金支払機構66を有するATMのダウン
タイムを減少することができる。その上、ローラ12,14
のニップを通過する1枚又は重複紙幣の断面積が決定さ
れる(紙幣の厚さではない)ので、折たたまれた単一紙
幣は正しく1枚として検出され、2枚又は3枚の重複紙
幣は正しく2枚又は3枚として検出される(全体の幅が
ある限界を超えない場合)。それによって無意味に拒絶
される枚数を減少させることができる。重複紙幣検出装
置の利点は、メモリー位置192のルックアップ・テーブ
ルの有効と感知された積分値の分離間隔をおいて設けら
れた範囲の使用は重複紙幣を1枚の紙幣から明確に区別
して拒絶することができ、重複紙幣を1枚として支払う
危険を除去することができる。
この装置の第2の利点は、ローラ12及びタイミング・
ディスク58をドライブするモータ56の速度の変化に動作
が影響されないということである。従って、タイミング
・ディスク・センサ60はローラ12及びディスク58が回転
する速度に関係なく、ローラ12及びディスク58の2度の
角回転ごとにパルスを発生する。それに対し、マイクロ
プロセッサ158の代りに電子積分器を使用してメモリー
位置174,176に記憶する値を発生すると、それらの値は
ローラ12が完全に1回転するにかかる時間によって変化
するということがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による重複紙幣検出装置に使用される
紙幣感知機構の正面図、 第2図は第1図の2−2線に沿ってみた紙幣感知機構の
部分断面側面図、 第3図は第1図及び第2図の紙幣感知機構を使用する現
金支払機構の一部の略図、 第4図は感知された紙幣の厚さに従って変化する出力電
圧を発生する手段の回路図、 第5図は現金支払機構の重複紙幣検出装置及び関連部分
のブロック回路図である。 図中、10……紙幣感知機構、12,14……感知ローラ、16
……紙幣、18……ドライブ軸、34……コネクタ、36……
スタッド、42……LVDT、40……アーマチュア、52,53…
…ローラ対、56……モータ、58……タイミング・ディス
ク、60,62……光センサ、68……紙幣カセット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定回転軸を持つ第1のローラ(12)と、
    それに共同する第2のローラ(14)と、前記ローラ間を
    フィード通路に沿ってシートをフィードする手段(52,5
    3)と、前記第2のローラの軸が前記第1のローラに対
    して移動でき前記第1及び第2のローラ間を通過するシ
    ートの枚数に従って前記第2のローラを第1のローラに
    対して前後移動できるよう第2のローラを第1のローラ
    の方にバイアスする前記第2のローラの取付手段(24,2
    8,48)と、前記第2のローラに関連し前記第1のローラ
    の軸に対する前記第2のローラの軸の前後移動に直線的
    に変化する出力電圧を発生する電圧発生手段(42,112)
    と、から成る多重シートの検出装置であって、 前記出力電圧を受信するアナログ−ディジタル変換器
    (152)と、 前記ローラ(12,14)の回転を刻時するタイミング・パ
    ルスを発生するパルス発生手段(58,60)と、 前記変換器及びパルス発生手段の出力に接続されたデー
    タ処理手段(158,164)と、を含み、 前記第1のローラ又は第2のローラのうちの一つのロー
    ラの完全一回転又は完全一回転の整数倍回転に要したロ
    ーラ外周の距離は、シートの搬送方向の長さよりも大き
    く、 前記データ処理手段は、 (a)前記ローラ間にシートがない場合、前記一つのロ
    ーラの前記完全一回転又は完全一回転の前記整数倍回転
    する間に所定回数だけ前記変換器(152)の出力によっ
    て表わされる前記出力電圧の値をサンプルし、 (b)前記工程(a)でサンプルされた前記出力電圧の
    値の総和を表す第1のディジタル値を記憶し、 (c)前記ローラ間を1枚又は重複枚のシートが移動す
    るとき前記一つのローラが前記完全一回転又は完全一回
    転の前記整数倍回転する間に前記所定の回数だけ前記変
    換器の出力によって表わされた前記出力電圧の値をサン
    プルし、 (d)前記工程(c)でサンプルされた前記出力電圧の
    値の総和を表す第2のディジタル値を記憶し、 (e)前記第2のディジタル値から前記第1のディジタ
    ル値を減じて前記工程(c)で前記ローラ間を通過した
    シートの枚数を決定する基準となる第3のディジタル値
    を発生する各工程を実行するよう構成された、多重シー
    ト通過検出装置。
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