JPH07119051A - 転写捺染用熱溶融転写材 - Google Patents

転写捺染用熱溶融転写材

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JPH07119051A
JPH07119051A JP5268654A JP26865493A JPH07119051A JP H07119051 A JPH07119051 A JP H07119051A JP 5268654 A JP5268654 A JP 5268654A JP 26865493 A JP26865493 A JP 26865493A JP H07119051 A JPH07119051 A JP H07119051A
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JP5268654A
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Manabu Ikemoto
学 池本
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Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写捺染方法において濁りのない鮮明なレッ
ド、グリーンまたはブルーの染着像を同じ転写捺染条件
でうることのできるレッド、グリーンまたはブルーの染
着像形成用の熱溶融転写材を提供すること。 【構成】 支持体1上に、下記積層インク層(A)、
(B)および(C)の少なくとも1種が設けられてなる
転写捺染用熱溶融転写材。(A)イエローの熱移行性染
料を含有する熱溶融性インク層とマゼンタの熱移行性染
料を含有する熱溶融性インク層との積層インク層。
(B)イエローの熱移行性染料を含有する熱溶融性イン
ク層とシアンの熱移行性染料を含有する熱溶融性インク
層との積層インク層。(C)マゼンタの熱移行性染料を
含有する熱溶融性インク層とシアンの熱移行性染料を含
有する熱溶融性インク層との積層インク層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写技術を利用して熱
移行性染料を含有する熱溶融性インクからなるマスター
像を形成し、該マスター像中の熱移行性染料を繊維製品
などの被染着体に移行せしめて染着像を形成する転写捺
染方法において前記マスター像を形成するのに使用され
る熱溶融転写材に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、支持体上に分散染料などの熱移行性染料を含有す
る熱溶融性インク層を設けた熱溶融転写材を用い、熱転
写プリンターで前記熱溶融性インク層をマスターシート
用基材に選択的に溶融転写して前記インクによるマスタ
ー像を形成し、かくしてえられたマスターシートを被染
着体に重ね合せ、圧接下に加熱してマスター像中の熱移
行性染料を被染着体に移行させて染着像をうる転写捺染
方法が知られている(特開昭57-102390 号公報、特開平
4-327988号公報参照)。
【0003】前記転写捺染方法において、レッド単色の
染着像をうるには、イエローの熱移行性染料とマゼンタ
の熱移行性染料を含有する熱溶融性インクまたはレッド
の熱移行性染料を含有する熱溶融性インクを用いてマス
ター像を形成していた。
【0004】同様にグリーン単色の染着像をうるには、
イエローの熱移行性染料とシアンの熱移行性染料を含有
する熱溶融性インクまたはグリーンの熱移行性染料を含
有する熱溶融性インクを用いてマスター像を形成してい
た。
【0005】同様にブルー単色の染着像をうるには、マ
ゼンタの熱移行性染料とシアンの熱移行性染料を含有す
る熱溶融性インクまたはブルーの熱移行性染料を含有す
る熱溶融性インクを用いてマスター像を形成していた。
【0006】しかしながら、前記色の異なる2種の熱移
行性染料を熱溶融性インク中に混合して用いるばあい
は、その理由は定かでないが、えられる染着像の色が濁
り、鮮明度が低下する傾向にあり、目的とする色の鮮明
な染着像がえられないという問題があった。
【0007】一方レッド、グリーンまたはブルーの熱移
行性染料を用いるばあいは、一般に色相などの面で満足
できる染料が少ないという問題がある。しかもグリーン
の熱移行性染料は、レッド、ブルーの熱移行性染料にく
らべて、分子量が大きく特性値が大きく異なり、とくに
熱移行温度が大きく異なるため、捺染時の加熱条件をレ
ッド、ブルーの熱移行性染料にくらべて苛酷にしなけれ
ばならず操作が煩雑であると共に、捺染のための熱エネ
ルギーが多く必要であり、さらに被染着体が熱により変
質するなどの問題があった。
【0008】本発明は前記の点に鑑み、前記転写捺染方
法において濁りがなく、鮮明なレッド、グリーン、ブル
ーの染着像を同じ転写捺染条件でうることのできる熱溶
融転写材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱移行性染料
を含有する熱溶融性インク層をマスターシート用基材に
選択的に溶融転写して該インクによる印像を形成し、か
くしてえられたマスターシートと被染着体とを重ね合
せ、加熱することによって、前記熱移行性染料を被染着
体に移行させて染着像を形成する捺染転写方法に用いる
熱溶融転写材であって、支持体上に、下記積層インク層
(A)、(B)および(C)の少なくとも1種が設けら
れてなる転写捺染用熱溶融転写材に関する。
【0010】(A)イエローの熱移行性染料を含有する
熱溶融性インク層とマゼンタの熱移行性染料を含有する
熱溶融性インク層との積層インク層。
【0011】(B)イエローの熱移行性染料を含有する
熱溶融性インク層とシアンの熱移行性染料を含有する熱
溶融性インク層との積層インク層。
【0012】(C)マゼンタの熱移行性染料を含有する
熱溶融性インク層とシアンの熱移行性染料を含有する熱
溶融性インク層との積層インク層。
【0013】
【作用および実施例】本発明の一実施態様における熱溶
融転写材は、単一の支持体上に積層インク層(A)が設
けられてなるもの、すなわちイエローの熱移行性染料を
含有する熱溶融性インク層(以下、イエローインク層と
いうばあいがある)とマゼンタの熱移行性染料を含有す
る熱溶融性インク層(以下、マゼンタインク層というば
あいがある)とが積層して設けられてなるものである
(以下、この熱溶融転写材を熱溶融転写材Rというばあ
いがある)。
【0014】図1は熱溶融転写材Rの一実施例を示す部
分断面図である。図1において、支持体1上にイエロー
インク層2Yが設けられ、その上にマゼンタインク層2
Mが積層して設けられ、積層インク層(A)を構成して
いる。イエローインク層2Yとマゼンタインク層2Mの
積層順序は図1のばあいと逆であってもよい。
【0015】前記熱溶融転写材Rを用い、熱転写プリン
ターでマスターシート用基材上にイエローインク層2Y
とマゼンタインク層2Mを一体として一時に選択転写す
ると、図2に示すごとくマスターシート用基材3上に、
マゼンタインク層2M上にイエローインク層2Yが積層
されている状態のマスター像4がえられる。なお図2に
おいては、簡略化のためマスター像4を1ドットのイン
ク像として示している。
【0016】このようにしてえられたマスターシートを
ポリエステル布などの被染着体と重ね、加圧下で加熱す
るとマスター像4中のイエローの熱移行性染料およびマ
ゼンタの熱移行性染料が被染着体に移行し染着像がえら
れるが、この染着像はイエローとマゼンタの減法混色に
よりレッド色を呈する。
【0017】同様に、本発明の他の実施態様における熱
溶融転写材は、単一の支持体上に積層インク層(B)が
設けられてなるもの、すなわちイエローインク層とシア
ンの熱移行性染料を含有する熱溶融性インク層(以下、
シアンインク層というばあいがある)とが積層して設け
られてなるものである(以下、この熱溶融転写材を熱溶
融転写材Gというばあいがある)。このばあいもイエロ
ーインク層とシアンインク層の積層順序は任意である。
【0018】熱溶融転写材Gを用いてマスターシートを
作成し、このマスターシートから被染着体に転写捺染す
ると、えられる染着像はイエローとシアンの減法混色に
よりグリーン色を呈する。
【0019】同様に、本発明のさらに他の実施態様にお
ける熱溶融転写材は、単一の支持体上に積層インク層
(C)が設けられてなるもの、すなわちマゼンタインク
層とシアンインク層とが積層して設けられてなるもので
ある(以下、この熱溶融転写材を熱溶融転写材Bという
ばあいがある)。このばあいもマゼンタインク層とシア
ンインク層の積層順序は任意である。
【0020】熱溶融転写材Bを用いてマスターシートを
作成し、このマスターシートから被染着体に転写捺染す
ると、えられる染着像はマゼンタとシアンの減法混色に
よりブルー色を呈する。
【0021】本発明においては、前記のごとくイエロ
ー、マゼンタ、シアンの熱移行性染料のうちの2種を予
め混合することなく、転写捺染時に被染着体上で混合す
ることにより、その理由は定かでないが、濁りが生じず
鮮明なレッド、グリーン、ブルーの各染着像がえられ
る。
【0022】しかも、イエロー、マゼンタ、シアンの熱
移行性染料のうちの2種を組合せて使用するばあい、レ
ッド、グリーン、ブルーの熱移行性染料を使用するばあ
いにくらべて、色相などの面でよりすぐれたレッド、グ
リーン、ブルー色をうることができる。
【0023】さらにイエロー、マゼンタ、シアンの熱移
行性染料のばあい転写捺染時における熱移行温度などの
条件が同程度のものを選択するのが容易であり、各色の
転写捺染条件を同一にすることができる。
【0024】本発明におけるイエローインク層、マゼン
タインク層およびシアンインク層は熱移行性染料を含有
する熱溶融性インク層であり、従来のものがいずれも使
用できる。
【0025】ここで熱移行性染料とは、加熱された際に
拡散、あるいは昇華(揮発を含む)などの現象により被
転写体に移行しうる染料をいい、従来より転写捺染法な
どで使用されている分散染料などがとくに制限なく使用
できるが、たとえばつぎに示すようなものがあげられ
る。
【0026】イエロー熱移行性染料 C.I.デイスパースイエロー3(アゾベンゼン系)、23
(ジスアゾ系)、7、60(ピラゾロンアゾ系)、13(ベ
ンゾアントロン系)、54(キノフタロン系)、61(メチ
ン系)、82(クマリン系)、1、5、42、141 、201 、
E、E-GRL マゼンタ熱移行性染料 C.I.デイスパースレッドB、1(アミノアゾベンゼン
系)、17、4(1-アミノ-4- ヒドロキシアントラキノン
系)、60、135 、167 、210 、C.I.デイパースバイオレ
ット26、C.I.ソルベントレッド19、155 シアン熱移行性染料 C.I.デイスパースブルー14、26(4,8-ジアミノアントラ
キノン系)、3、24、56、20(ナフトキノン系)、106
、C.I.ソルベントブルー36、63、78、105 、112 、C.
I.デイスパースバイオレット28(1,4-ジアミノアントラ
キノン系) 前記各色用の熱移行性染料は単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。熱移行性染料としては移行温度
が60℃以上のものが適当である。
【0027】前記熱溶融性インクのビヒクルはワックス
状物質、あるいはこれと熱溶融性樹脂とからなり、必要
に応じて油状物質を加えてもよい。
【0028】ワックス状物質としては、たとえば木ロ
ウ、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キャンデ
リラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスな
どの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワック
ス、エステルワックス、低分子量ポリエチレン、フィッ
シャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘ
ニルアルコールなどの高級脂肪族アルコール;高級脂肪
酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタ
ンの脂肪酸エステルなどのエステル類;オレイルアミド
などのアミド類などの1種もしくは2種以上の混合物が
使用できる。
【0029】熱溶融性樹脂としては前記ワックス状物質
と相溶性があるものが好ましく、たとえばキシレン樹
脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、エチレン-
酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン- アルキル(メタ)
アクリレート共重合体樹脂、エチレン- ブタジエン共重
合体樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの1
種もしくは2種以上の混合物が使用できる。
【0030】油状物質としては、たとえばナタネ油、ヒ
マシ油などの植物油、モーター油、スピンドル油などの
鉱油、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ト
リクレジルフォスフェートなどの可塑剤があげられる。
【0031】熱溶融性インクにはさらに熱移行性染料の
分散性をよくするためにソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキル
リン酸エステルなどの界面活性剤を配合してもよい。
【0032】各色の熱溶融性インク層における熱移行性
染料の含有量は5〜70%(重量%、以下同様)、なかん
づく20〜45%が適当ある。
【0033】ビヒクルはワックス状物質のみからなって
いてもよいが、塗工性などをよくする点からは前記熱溶
融性樹脂を併用するのが好ましい。熱溶融性樹脂を併用
するばあいは、ワックス状物質100 部(重量部、以下同
様)に対して20〜100 部、好ましくは40〜80部の範囲で
用いるのが適当である。樹脂の使用量が前記範囲より少
ないと塗工性向上効果が充分に奏されず、またマスター
シート用基材が多孔性のばあいインクが基材に浸透する
ため転写捺染の際の加熱時間が長くなる傾向にあり、一
方前記範囲より多いと面状剥離(加熱部の周囲が加熱部
と一緒に転写される現象をいう)が起り、ドット再現性
がわるくなる。
【0034】各色の熱溶融性インク層は融点ないし軟化
点が50〜90℃、90℃における粘度が300cP 〜50万cP
((株)レオロジー製レオメータによる測定値、以下同
様)であるのが好ましい。インク層の融点ないし軟化点
が前記範囲未満では転写材の保存性がわるくなり、一方
前記範囲を超えると転写感度が低下する。90℃における
粘度が前記範囲未満ではインク層の強度が小さいのでマ
スターシート上の印像の汚れがでやすく、一方前記範囲
を超えると転写感度が低下する。
【0035】各色の熱溶融性インク層の塗布量(乾燥後
塗布量、以下同様)は2〜4g/m2 の範囲が適当であ
る。厚さが前記範囲未満では染着像の濃度が低すぎ、一
方前記範囲を超えると転写感度が低下したり、マスター
シート上のインク像の耐擦過性が低下したりし、さらに
インク層の粉落ちの原因となる。
【0036】各色のインク層の形成は前記インク組成物
を溶剤溶液または分散液として塗布するか、あるいはそ
のままホットメルトコーティングすることによって行な
うことができる。インク層の形成は熱移行性染料の移行
温度より低い温度で行なうのが好ましい。
【0037】本発明においてはレッド、グリーンまたは
ブルーの染着像をうるため、積層インク層(A)、
(B)、(C)における各色のインク層の熱移行性染料
の濃度、塗布量などを前記範囲内で適宜調節して、色相
などを調整する。
【0038】本発明の熱溶融転写材では、積層インク
(A)、(B)または(C)の支持体からの剥離性をよ
くするために、これら積層インク層と支持体との間にワ
ックス状物質を主体とする離型層を設けてもよい。また
積層インク層(A)、(B)または(C)のマスターシ
ート用基材に対する接着性を向上することを主目的とし
て、積層インク層の上層のインク層の上にワックス状物
質を主体とするオーバーコート層を設けてもよい。さら
に積層インク層(A)、(B)または(C)における2
つのインク層の間に両インク層の混合防止(積層インク
層形成時における両インク層の混合防止とマスター像形
成のための溶融転写時における両インク層の混合防止を
含む)のためにワックス状物質を主体とする中間層を設
けてもよい。
【0039】本発明の熱溶融転写材としては、単一の支
持体上に前記積層インク層(A)、(B)または(C)
を設けたものがあげられるが、単一の支持体上に積層イ
ンク層(A)、(B)および(C)のうちの2種または
3種を並べて設けたものであってもよい。
【0040】前記支持体としては、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ム、ポリアリレートフィルムなどのポリエステルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、
アラミドフィルム、その他この種のインクリボンの支持
体用フィルムとして一般に使用されている各種のプラス
チックフィルムが使用できる。またコンデンサーペーパ
ーのような高密度の薄い紙を使用してもよい。支持体の
厚さは熱伝導を良好にする点から1〜10μm程度、な
かんづく2〜7μm程度が好ましい。
【0041】支持体の背面(サーマルヘッドに摺接する
側の面)にはスティック防止層を設けてもよい。スティ
ック防止層の材料としては、たとえばシリコーン樹脂、
フッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂、あるいはこれらに
よって変性された、たとえばシリコーン変性ウレタン樹
脂、シリコーン変性アクリル樹脂など各種の耐熱性樹
脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑剤を混合したものな
どがあげられる。
【0042】本発明においてマスター像を形成するため
のマスターシート用基材としては、前記支持体と同様な
材料のものが使用できるが、通常は普通紙が好適に使用
される。普通紙としては平滑性のよいもの(ベック平滑
度1000秒程度)からごく粗いもの(ベック平滑度50秒程
度)まで使用できる。
【0043】本発明の方法においては、前記熱溶融転写
材を用い、熱転写プリンターで積層インク層(A)、
(B)または(C)を選択的に溶融転写して、前記マス
ターシート用基材上にインク像を形成してマスターシー
トを作成する。
【0044】転写捺染工程では、前記マスターシートと
被転写体とをマスターシートのインク像が被染着体と対
向するように重ね合せ、ホットプレス機で加圧下に加熱
する。そうするとインク画像中の熱移行性染料が被染着
体に移行し、染着像が形成される。転写捺染工程の加熱
手段としては前記のごときホットプレス機以外に、アイ
ロン、熱ゴテなども使用できる。加熱温度および加熱時
間は用いる熱移行性染料の種類などによって変わるが、
加熱温度としては用いる熱移行性染料の移行温度以上で
被染着体やマスターシートの熱収縮が起らない範囲内の
温度が、加熱時間としては5秒〜2分の範囲内の時間が
適宜採用される。加熱温度が180 〜220℃程度であれば
5〜30秒程度の短時間の加熱で鮮明な染着像がえられ
る。
【0045】被転写体としては前記のごとき熱移行性染
料により染着されるものであればとくに制限されない
が、通常織物、不織布が対象とされる。繊維としてはポ
リエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維などがあ
げられる。もとより、プラスチックフイルム、シートな
ども対象とされうる。
【0046】つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
【0047】実施例1 ポリエステルフイルム上に表1に示すイエローインク層
塗工液を塗布、乾燥して塗布量0.6 g/m2 のイエロー
インク層を形成し、そのうえに表1に示すマゼンタイン
ク層用塗工液を塗布、乾燥して塗布量0.7 g/m2 のマ
ゼンタインク層を形成した。
【0048】実施例2 ポリエステルフイルム上に表1に示すイエローインク層
塗工液を塗布、乾燥して塗布量0.6 g/m2 のイエロー
インク層を形成し、そのうえに表1に示すシアンインク
層用塗工液を塗布、乾燥して塗布量0.8 g/m2 のシア
ンインク層を形成した。
【0049】実施例3 ポリエステルフイルム上に表1に示すマゼンタインク層
塗工液を塗布、乾燥して塗布量0.6 g/m2 のマゼンタ
インク層を形成し、そのうえに表1に示すシアンインク
層用塗工液を塗布、乾燥して塗布量0.7 g/m2 のシア
ンインク層を形成した。
【0050】
【表1】
【0051】比較例1 ポリエステルフイルム上に表2に示すレッドインク層用
塗工塗を塗布、乾燥して塗布量1.3 g/m2 のレッドイ
ンク層を形成した。
【0052】比較例2 ポリエステルフイルム上に表2に示すグリーンインク層
用塗工液を塗布、乾燥して塗布量1.3 g/m2 のグリー
ンインク層を形成した。
【0053】比較例3 ポリエステルフイルム上に表2に示すブルーインク層用
塗工液を塗布、乾燥して塗布量1.3 g/m2 のブルーイ
ンク層を形成した。
【0054】
【表2】
【0055】比較例4 ポリエステルフイルム上に表3に示すレッドインク層用
塗工塗を塗布、乾燥して塗布量1.3 g/m2 のレッドイ
ンク層を形成した。
【0056】比較例5 ポリエステルフイルム上に表3に示すグリーンインク層
用塗工液を塗布、乾燥して塗布量1.3 g/m2 のグリー
ンインク層を形成した。
【0057】比較例6 ポリエステルフイルム上に表3に示すブルーインク層用
塗工液を塗布、乾燥して塗布量1.3 g/m2 のブルーイ
ンク層を形成した。
【0058】
【表3】
【0059】前記各熱溶融転写材を用い、下記の熱転写
プリンターで下記のマスターシート用基材上にインク層
をベタ転写してマスターシートを作成し、このマスター
シートをポリエステル織布と重ね合せ、ホットプレス機
で下記の条件下にホットプレスして、ポリエステル織布
上にベタ染着像を形成した。
【0060】プリンター:セイコー電子工業(株)製C
H−5300 マスターシート用基材:厚さ70μmの普通紙(ベック平
滑度360 秒) ホットプレス: 加熱温度:200 ℃ 加熱時間:15秒 圧 力:2kg/cm2 前記でえられた各染着像について下記の条件下に分光反
射率を測定し、それらのデータから三刺激値XYZを求
め、これより色度a* 、b* を計算した(JIS Z
8730)。結果を表4に示す。
【0061】光 源:D65 視 野:2度 測定機器:ミノルタカメラ(株)製色差計CR−211
【0062】
【表4】
【0063】また前記各染着像について求められた
* 、b* をCIE 1976(L* * * )色空間のa
* * 面にプロットしたグラフを図3に示す。なお、図
3において、原点から離れるほど彩度が高いことを意味
する。
【0064】
【発明の効果】本発明の熱溶融転写材を用いると、前記
転写捺染方法において、濁りのない鮮明なレッド、グリ
ーンまたはブルーの染着像を同じ転写捺染条件でうるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱溶融転写材の一実施例を示す部分断
面図である。
【図2】本発明の熱溶融転写材を用いてえられたマスタ
ーシートの一例を示す部分断面図である。
【図3】実施例1〜3および比較例1〜6でえられた各
染着像について求められたa*、b* をCIE 1976
(L* * * )色空間のa* * 面にプロットしたグ
ラフである。
【符号の説明】
1 支持体 2Y イエローインク層 2M マゼンタインク層 3 マスターシート用基材 4 マスター像

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱移行性染料を含有する熱溶融性インク
    層をマスターシート用基材に選択的に溶融転写して該イ
    ンクによる印像を形成し、かくしてえられたマスターシ
    ートと被染着体とを重ね合せ、加熱することによって、
    前記熱移行性染料を被染着体に移行させて染着像を形成
    する捺染転写方法に用いる熱溶融転写材であって、支持
    体上に、下記積層インク層(A)、(B)および(C)
    の少なくとも1種が設けられてなる転写捺染用熱溶融転
    写材。 (A)イエローの熱移行性染料を含有する熱溶融性イン
    ク層とマゼンタの熱移行性染料を含有する熱溶融性イン
    ク層との積層インク層。 (B)イエローの熱移行性染料を含有する熱溶融性イン
    ク層とシアンの熱移行性染料を含有する熱溶融性インク
    層との積層インク層。 (C)マゼンタの熱移行性染料を含有する熱溶融性イン
    ク層とシアンの熱移行性染料を含有する熱溶融性インク
    層との積層インク層。
  2. 【請求項2】 単一の支持体上に前記積層インク層
    (A)が設けられてなり、レッドの染着像をうるために
    使用される請求項1記載の転写捺染用熱溶融転写材。
  3. 【請求項3】 単一の支持体上に前記積層インク層
    (B)が設けられてなり、グリーンの染着像をうるため
    に使用される請求項1記載の転写捺染用熱溶融転写材。
  4. 【請求項4】 単一の支持体上に前記積層インク層
    (C)が設けられてなり、ブルーの染着像をうるために
    使用される請求項1記載の転写捺染用熱溶融転写材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018044252A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 株式会社丸保 ポリエステル系繊維の転写捺染法
JP2019173233A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 株式会社丸保 ポリアミド系繊維材料の転写捺染法

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