JP3256386B2 - 転写捺染方法および該方法に用いる熱溶融転写材 - Google Patents

転写捺染方法および該方法に用いる熱溶融転写材

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JP3256386B2 JP26552494A JP26552494A JP3256386B2 JP 3256386 B2 JP3256386 B2 JP 3256386B2 JP 26552494 A JP26552494 A JP 26552494A JP 26552494 A JP26552494 A JP 26552494A JP 3256386 B2 JP3256386 B2 JP 3256386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写技術を利用してイ
エロー、マゼンタ、シアンの熱移行性染料を含有するマ
スタ像を形成し、該マスタ像中の熱移行性染料を被転写
材に移行せしめてカラー染着像を形成する転写捺染方法
および該転写捺染方法に用いられる熱溶融転写材に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、熱転写カラープリンターを用いて、イエローの分散
染料を含有する熱溶融性インク層、マゼンタの分散染料
を含有する熱溶融性インク層およびシアンの分散染料を
含有する熱溶融性インク層をマスターシート用基材上に
画像信号に応じて選択的に順次溶融転写せしめて、前記
マスターシート用基材上にマスター像を形成し、かくし
てマスター像の形成されたマスターシートを被転写体と
圧接下に加熱して該被転写体上に多色のカラー染着像を
形成する転写捺染方法が提案されている(特開平4−3
27988号公報参照)。
【0003】しかしながら、前記転写捺染方法では被転
写材が分散染料により染着されやすいポリエステル布な
どでないと、鮮明な多色のカラー画像がえられないとい
う問題があった。
【0004】本発明は前記の点に鑑みて、被転写材の種
類を問わず鮮明なカラー画像、とくに多色のカラー画像
を形成しうる転写捺染方法およびそれに用いる熱溶融転
写材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、イエローの熱
移行性染料を含有する熱溶融性インク層Y、マゼンタの
熱移行性染料を含有する熱溶融性インク層Mおよびシア
ンの熱移行性染料を含有する熱溶融性インク層Cの1
種、または2種もしくは3種をマスターシート用基材上
に画像信号に応じて選択的に順次溶融転写せしめて、前
記マスターシート用基材上に1次のインク画像、または
2次もしくは3次のインク画像を形成し、前記インク画
像の最表面に、前記各熱移行性染料に対して易染着性の
熱溶融性樹脂を主成分とする熱溶融性層Tを選択的に溶
融転写し、かくしてえられたマスターシートを被転写体
と圧接下に加熱して該被転写体上に染着像を形成するこ
とを特徴とする転写捺染方法(第1発明)に関する。
【0006】本発明はさらに、第1発明において、前記
各熱移行性染料に対して易染着性の熱溶融性樹脂がポリ
エステル樹脂であることを特徴とする転写捺染方法に関
する。
【0007】本発明はさらに、第1発明において、前記
各色の熱溶融性インク層の融点ないし軟化点が50〜90
℃、90℃における粘度が300cP 〜50万cPであり、前記易
染着性の熱溶融性樹脂の融点または軟化点が80〜160
℃、200 ℃における粘度が100 〜4000cPであることを特
徴とする転写捺染方法に関する。
【0008】本発明はさらに、第1発明において、前記
マスターシートを被転写体と圧接下に加熱する工程での
加熱温度における、前記各色の熱溶融性インク層の溶融
粘度が、前記易染着性の熱溶融性樹脂の溶融粘度より低
いことを特徴とする転写捺染方法に関する。
【0009】本発明はさらに、第1発明の転写捺染方法
に用いる熱溶融転写材であって、イエローの熱移行性染
料を含有する熱溶融性インク層Y、マゼンタの熱移行性
染料を含有する熱溶融性インク層Mおよびシアンの熱移
行性染料を含有する熱溶融性インク層C、ならびに前記
各熱移行性染料に対して易染着性の熱溶融性樹脂を主成
分とする熱溶融性層Tが、それらの一定順序の並びを一
つの繰り返し単位として単一の支持体上に繰り返し並べ
て配置されてなることを特徴とする熱溶融転写材(第2
発明)に関する。
【0010】本発明はさらに、第1発明の転写捺染方法
に用いる熱溶融転写材であって、イエローの熱移行性染
料を含有する熱溶融性インク層Y、マゼンタの熱移行性
染料を含有する熱溶融性インク層Mおよびシアンの熱移
行性染料を含有する熱溶融性インク層C、ならびに前記
各熱移行性染料に対して易染着性の熱溶融性樹脂を主成
分とする熱溶融性層Tがそれぞれ別の支持体上に設けら
れてなることを特徴とする熱溶融転写材(第3発明)に
関する。
【0011】本発明はさらに、第2発明または第3発明
において、前記各熱移行性染料に対して易染着性の熱溶
融性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする熱
溶融転写材に関する。
【0012】本発明はさらに、第2発明または第3発明
において、前記各色の熱溶融性インク層の融点ないし軟
化点が50〜90℃、90℃における粘度が300cP 〜50万cPで
あり、前記易染着性の熱溶融性樹脂の融点または軟化点
が80〜160 ℃、200 ℃における粘度が100 〜4000cPであ
ることを特徴とする熱溶融性転写材に関する。
【0013】本発明はさらに、第2発明または第3発明
において、前記マスターシートを被転写体と圧接下に加
熱する工程での加熱温度における、前記各色の熱溶融性
インク層の溶融粘度が、前記易染着性の熱溶融性樹脂の
溶融粘度より低いことを特徴とする熱溶融転写材に関す
る。
【0014】前記において、1次、2次、3次のインク
画像とはつぎのものを意味する。
【0015】(1)1次のインク画像 イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクの
うちの少なくとも1種のインクドットがマスターシート
上で相互に重ならないで存在しているインク画像をい
う。
【0016】したがって、イエローインク、マゼンタイ
ンクおよびシアンインクのうちの1種のインクドットの
みがマスターシート上に存在するばあいのみならず、イ
エローインク、マゼンタインクおよびシアンインクのう
ちの2種または3種のインクドットがマスターシート上
に存在してもそれらが相互に重なり合っていなければ1
次のインク画像である。
【0017】ブラックインクが使用されるばあいは、1
次のインク画像にブラックインクのインクドットが含ま
れるばあいがある。ブラックインクは通常他のインクと
重ね合わされない。
【0018】(2)2次のインク画像 イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクの
うちの2種のインクドットがマスターシート上で相互に
重なり合っている部分が少なくとも存在するインク画像
をいい、この部分からえられる染着像では減法混色によ
り色が発現される。
【0019】なお、2次のインク画像には一次のインク
画像が含まれていてもよい。
【0020】(3)3次のインク画像 イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクの
3種のインクドットがマスターシート上で相互に重なり
合っている部分が少なくとも存在するインク画像をい
い、この部分からえられる染着像では減法混色により色
(ブラック)が発現される。
【0021】なお3次のインク画像には1次のインク画
像、2次のインク画像が含まれていてもよい。
【0022】
【作用および実施例】本発明においては、カラー熱転写
プリンターでマスターシートを形成する際に、マスター
シート用基材に熱移行性染料を含有するインク画像を形
成したのち、該インク画像の最上層に前記熱移行性染料
に対して易染着性の熱溶融性樹脂を主成分とする熱溶融
性層を転写する。
【0023】えられたマスターシートを捺染工程で被転
写体と圧接下に加熱すると、前記熱溶融性層が被転写体
に転写されると共に該熱溶融性層に染着像が形成され
る。
【0024】このように本発明においては、前記熱溶融
性層が染料受像層として働くので、被転写体が染着性の
よいものでなくても鮮明な染着像を形成できるという特
徴がある。
【0025】しかも、インク画像を形成する際に、染料
受像層として作用する熱溶融性層を熱溶融転写材からマ
スターシート上に熱転写し、これを捺染工程で被転写体
上に転写しているので、別途被転写体に易染着加工を施
すなどの煩わしさがなく、あらゆる被転写体に簡便に染
着像を形成しうるという特徴がある。
【0026】つぎに本発明を詳細に説明する。
【0027】本発明の転写捺染方法においては、まずマ
スターシートを形成する。すなわち、イエローの熱移行
性染料を含有する熱溶融性インク層Y、マゼンタの熱移
行性染料を含有する熱溶融性インク層Mおよびシアンの
熱移行性染料を含有する熱溶融性インク層Cの1種、ま
たは2種もしくは3種をマスターシート用基材上に画像
信号に応じて選択的に順次溶融転写せしめて、前記マス
ターシート用基材上に1次のインク画像、または2次も
しくは3次のインク画像を形成し、前記インク画像の最
表面に、前記各熱移行性染料に対して易染着性の熱溶融
性樹脂を主成分とする熱溶融性層Tを選択的に溶融転写
してマスターシートを作成する。
【0028】本発明では、通常インク層Y、M、Cのう
ちの2種または3種をマスターシート用基材上に順次溶
融転写して2次または3次のインク画像を形成し、減法
混色によりいわゆるフルカラーの染着像を形成するが、
本発明は異色のインキドットの重ね合せを含まない一次
画像を形成し、イエロー、マゼンタ、シアンのうちの少
なくとも1色からなる染着像を形成するのにも利用でき
る。
【0029】インク層Y、MおよびCの転写順序はとく
に制限されず、任意に選択できる。
【0030】インク層Y、MおよびCを重ね合わせ、こ
れから減法混色によりブラック色をえてもよいが、イン
ク層Y、MおよびCに加えて別途ブラックの熱移行性染
料を含有する熱溶融性インク層Bkを用いてブラック色
をうるようにしてもよい。
【0031】本発明においてマスターシートの形成に用
いる熱溶融転写材としては、前記インク層Y、インク層
M、インク層C(さらに要すればインク層Bk)、およ
び熱溶融性層Tを単一の支持体上に並べて設けたものが
あげられる。
【0032】図1は前記熱溶融転写材におけるインク層
の配列の1例を示すものであり、単一の支持体1上に一
定の大きさのインク層Y、インク層M、インク層Cおよ
び熱溶融性層Tがそれらの一定順序の並びを1つの繰り
返し単位Uとして繰り返し並べて配置されている。
【0033】繰り返し単位Uにおけるインク層Y、M、
Cおよび熱溶融性層Tの並べ方の順序は、熱溶融性層T
が最後に転写されるように配列されるかぎり、とくに限
定されない。繰り返し単位Uにはブラックのインク層B
kを加えてもよい。
【0034】前記インク層Y、インク層M、インク層C
(さらに要すればインク層Bk)および熱溶融性層Tは
単一の支持体上に基材の長さ方向に沿ったストライプ状
に設けてもよい。
【0035】熱溶融転写材の他の例としては、インク層
Y、インク層M、インク層C(さらに要すればインク層
Bk)および熱溶融性層Tをそれぞれ別の支持体上に設
けたものがあげられる。
【0036】インク層Y、M、C、Bkは熱移行性染料
を含有する熱溶融性インクであり、従来のものがいずれ
も使用できる。
【0037】ここで熱移行性染料とは、加熱された際に
拡散、あるいは昇華(揮発を含む)などの現象により被
転写体に移行しうる染料をいい、従来より転写捺染法な
どで使用されている分散染料などがとくに制限なく使用
できるが、たとえばつぎに示すようなものがあげられ
る。
【0038】イエロー熱移行性染料 C.I.デイスパースイエロー3(アゾベンゼン系)、23
(ジスアゾ系)、7、60(ピラゾロンアゾ系)、13(ベ
ンゾアントロン系)、54(キノフタロン系)、61(メチ
ン系)、82(クマリン系)、1、5、42、141 、201 、
E、E-GRL マゼンタ熱移行性染料 C.I.デイスパースレッドB、1(アミノアゾベンゼン
系)、17、4(1-アミノ-4- ヒドロキシアントラキノン
系)、60、135 、167 、210 、C.I.デイパースバイオレ
ット26、C.I.ソルベントレッド19、155 シアン熱移行性染料 C.I.デイスパースブルー14、26(4,8-ジアミノアントラ
キノン系)、3、24、56、20(ナフトキノン系)、106
、C.I.ソルベントブルー36、63、78、105 、112 、C.
I.デイスパースバイオレット28(1,4-ジアミノアントラ
キノン系) 前記各色用の熱移行性染料は単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。熱移行性染料としては移行温度
が60℃以上のものが適当である。ブラックの熱移行性染
料としては、前記イエロー、マゼンタおよびシアンの熱
移行性染料を適当な割合で混合したものがあげられる。
【0039】前記熱溶融性インクのビヒクルはワックス
状物質、あるいはこれと熱溶融性樹脂とからなり、必要
に応じて油状物質を加えてもよい。
【0040】ワックス状物質としては、たとえば木ロ
ウ、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キャンデ
リラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスな
どの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワック
ス、エステルワックス、低分子量ポリエチレン、フィッ
シャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘ
ニルアルコールなどの高級脂肪族アルコール;高級脂肪
酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタ
ンの脂肪酸エステルなどのエステル類;オレイルアミド
などのアミド類などの1種もしくは2種以上の混合物が
使用できる。
【0041】熱溶融性樹脂としては前記ワックス状物質
と相溶性があるものが好ましく、たとえばキシレン樹
脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、エチレン-
酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン- アルキル(メタ)
アクリレート共重合体樹脂、エチレン- ブタジエン共重
合体樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの1
種もしくは2種以上の混合物が使用できる。
【0042】油状物質としては、たとえばナタネ油、ヒ
マシ油などの植物油、モーター油、スピンドル油などの
鉱油、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ト
リクレジルフォスフェートなどの可塑剤があげられる。
【0043】熱溶融性インクにはさらに熱移行性染料の
分散性をよくするためにソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキル
リン酸エステルなどの界面活性剤を配合してもよい。
【0044】各色の熱溶融性インク層における熱移行性
染料の含有量は5〜70%(重量%、以下同様)、なかん
づく20〜45%が適当ある。ビヒクルはワックス状物質の
みからなっていてもよいが、塗工性などをよくする点か
らは前記熱溶融性樹脂を併用するのが好ましい。熱溶融
性樹脂を併用するばあいは、ワックス状物質100 部(重
量部、以下同様)に対して20〜100 部、好ましくは40〜
80部の範囲で用いるのが適当である。樹脂の使用量が前
記範囲より少ないと塗工性向上効果が奏されず、またマ
スターシート用基材が多孔性のばあいインクが基材に浸
透するため転写捺染の際の加熱時間が長くなる傾向にあ
り、一方前記範囲より多いと面状剥離が起り、ドット再
現性がわるくなるため、所望の階調がえられがたくな
る。
【0045】各色の熱溶融性インク層は融点ないし軟化
点が50〜90℃、なかんづく60〜80℃、90℃における粘度
が300cP 〜50万cP((株)レオロジー製レオメータによ
る測定値、以下同様)であるのが好ましい。インク層の
融点ないし軟化点が前記範囲未満では転写材の保存性が
わるくなり、一方前記範囲を超えると転写感度が低下す
る。90℃における粘度が前記範囲未満ではインク層の強
度が小さいのでマスターシート上の印像の汚れがでやす
く、一方前記範囲を超えると転写感度が低下する。
【0046】各色の熱溶融性インク層の塗布量(乾燥後
塗布量、以下同様)は0.5 〜5g/m2 の範囲が適当で
ある。厚さが前記範囲未満では染着像の濃度が低すぎ、
一方前記範囲を超えると転写感度が低下したり、マスタ
ーシート上のインク画像の耐擦過性が低下したりし、さ
らにインク層の粉落ちの原因となる。
【0047】各色のインク層の形成は前記インク組成物
を溶剤溶液または分散液として塗布するか、あるいはそ
のままホットメルトコーティングすることによって行な
うことができる。インク層の形成は熱移行性染料の移行
温度より低い温度で行なうのが好ましい。
【0048】熱溶融性層Tは前記熱移行性染料に対して
易染着性の熱溶融性樹脂を主成分とするものである。通
常実質的に透明なものが好ましい。
【0049】前記熱移行性染料に対して易染着性の熱溶
融性樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
ポリアミド樹脂などがあげられる。
【0050】通常ポリエステル樹脂が好ましく使用され
る。ポリエステル樹脂は酸とジオールとの重縮合でえら
れるものであり、酸成分としてはフタル酸、無水フタル
酸、セバシン酸、アゼライン酸などの飽和二塩基酸、無
水マレイン酸、フマール酸などの不飽和二塩基酸、ダイ
マー酸などの1種または2種以上が使用でき、ジオール
成分としてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、デカンジオール、ドデカンジエール、ヘキサデカン
ジオール、ビスフェノール化合物およびそのエチレンオ
キサイドまたはプロピレンオキサイド付加物などの1種
または2種以上が使用できる。
【0051】易染着性の熱溶融性樹脂としては融点ない
し軟化点が80〜160 ℃、200 ℃における粘度が100 〜40
00cPのものが好ましい。熱溶融性樹脂の融点ないし軟化
点が前記範囲未満では、転写材の保存性がわるくなり、
一方前記範囲を越えると転写感度が低下する。200 ℃に
おける粘度が前記範囲未満では捺染時に布などの被転写
体にしみ込み、画像がボケる傾向にあり、一方前記範囲
を越えると転写感度が低下する。
【0052】熱溶融性層には転写時のキレをよくするた
めに、体質顔料を10%以下、好ましくは1〜7%の範囲
で含有させてもよい。
【0053】体質顔料としては、たとえばシリカ、アル
ミナ、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウムなどで透明性のものが好ましく使用さ
れる。
【0054】熱溶融性層Tとしては、前記易染着性の熱
溶融性樹脂90〜100 %、なかんづく93〜99%、体質顔料
0〜10%、なかんづく1〜7%からなるものが好まし
い。
【0055】熱溶融性層の塗布量は2〜10g/m2 の範
囲が好ましい。塗布量が前記範囲未満では染着像の濃度
が低下すぎる傾向にあり、一方前記範囲より多いと転写
感度が低下したり、面状剥離(加熱部の周囲が加熱部と
一緒に転写される現象をいう)の原因になったりする。
【0056】本発明に用いる熱溶融転写材では、各色の
熱溶融性インク層および熱溶融性層の支持体からの剥離
性をよくするために、これら各層と支持体との間にワッ
クス状物質を主体とする離型層を設けてもよい。また各
色のインクドット同士の接着性を向上することを主目的
として、各色の熱溶融性インク層の上にワックス状物質
を主体とする接着層を設けてもよい。
【0057】前記支持体としては、ポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ム、ポリアリレートフィルムなどのポリエステルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、
アラミドフィルム、その他この種のインクリボンの基材
用フィルムとして一般に使用されている各種のプラスチ
ックフィルムが使用できる。またコンデンサーペーパー
のような高密度の薄い紙を使用してもよい。支持体の厚
さは熱伝導を良好にする点から1〜10μm程度、なかん
づく2〜7μm程度が好ましい。
【0058】支持体の背面(サーマルヘッドに摺接する
側の面)にスティック防止層を設けてもよい。スティッ
ク防止層の材料としては、たとえばシリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂、あるいはこれらによ
って変性された、たとえばシリコーン変性ウレタン樹
脂、シリコーン変性アクリル樹脂など各種の耐熱性樹
脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑剤を混合したものな
どがあげられる。
【0059】本発明においてマスター像を形成するため
のマスターシート用基材としては、前記支持体と同様な
材料のものが使用できるが、通常は普通紙が好適に使用
される。普通紙としては平滑性のよいもの(ベック平滑
度1000秒程度)からごく粗いもの(ベック平滑度50秒程
度)まで使用できる。
【0060】前記熱溶融転写材を用いカラー熱転写プリ
ンターで、画像信号に応じてインク層Y、M、C(要す
ればインク層Bk)を順次選択的に転写して、前記マス
ターシート用基材にインク画像を形成し、さらに前記イ
ンク画像の上に熱溶融性層Tを選択的に溶融転写してマ
スターシートを作成する。
【0061】熱溶融性層Tは少なくともインク画像の存
在する部分に転写すればよく、インク画像より若干大き
な面積で転写してもよく、あるいは1画面全体に転写し
てもよい。
【0062】本発明において、イエロー、マゼンタ、シ
アン、グリーン、レッド、ブルー、ブラック以外の中間
色をうるにはイエロー、マゼンタ、シアンの各色につい
て複数の階調色をうる必要があるが、このような階調色
は、1画素をM×N個のドットマトリックス(ここでM
およびNは通常それぞれ2〜8の整数である)で構成
し、ドットマトリックス内のインクドットの個数をかえ
る面積階調法によってうることができる。
【0063】転写捺染工程では、前記マスターシートと
被転写体とをマスターシートのインク画像が被転写体と
対向するように重ね合せ、ホットプレス機で加圧下に加
熱する。そうするとインク画像中の熱移行性染料が熱溶
融性層に移行して染着像が形成され、この熱溶融性層が
被転写体に転写されて、染着像の形成された被転写体が
えられる。転写捺染工程の加熱手段としては前記のごと
きホットプレス機以外に、アイロン、熱ゴテなども使用
できる。加熱温度および加熱時間は用いる熱移行性染料
の種類などによって変わるが、加熱温度としては用いる
熱移行性染料の移行温度以上で被転写体やマスターシー
トの熱収縮が起らない範囲内の温度が、加熱時間として
は5秒〜2分の範囲内の時間が適宜採用される。加熱温
度が180〜220 ℃程度であれば5〜30秒程度の短時間の
加熱で鮮明な染着像がえられる。
【0064】被転写体としてはとくに制限されず、織
物、不織布、紙類、プラスチックのフィルム、シート、
成形品、金属板、木板などあらゆるものが対象となりう
る。織物などの繊維としてもポリエステル繊維のみなら
ず、ナイロン、アクリル、さらにコットンなどが使用で
きる。
【0065】本発明はさらに、前記転写捺染工程でつぎ
の作用効果を奏する。すなわち、転写捺染工程におい
て、マスター像から熱移行性染料のみが易染着性層に移
行し、かつこの染着された易染着性層のみが繊維布など
の被転写体に移行し、マスター像に含有されるインクビ
ヒクルはマスターシート側に残留する。その理由は、マ
スター像に含有されるインクビヒクルがホットプレス時
に普通紙などのマスターシート用基材に容易に吸収さ
れ、ホットプレス後マスターシート上のマスター像(主
にインクビヒクルからなる)が被転写体上の染着された
易染着性層から容易に分離できることによる。
【0066】したがって、染着像が形成された被転写体
はインクビヒクルの転写で汚染されることがなく、その
ため洗濯やクリーニングをすることなく、そのまま使用
できる。また被転写体が織物などのばあいインクビヒク
ルが染着像に転写付着すると風合が損なわれるが、本発
明によるときはインクビヒクルが転写付着しないので、
インクビヒクルを除去する工程が必要でない。
【0067】各色の熱溶融性インク層が前記で規定する
融点または転化点および溶融粘度を有し、かつ易染着性
の熱溶融性樹脂が前記で規定する融点または転化点およ
び溶融粘度を有し、さらに好ましくは、転写捺染工程に
おける加熱温度(たとえば180 〜220 ℃程度、200 ℃で
代表されるばあいがある)での、各色の熱溶融性インク
層の溶融粘度(離型層および/または接着層が設けられ
るばあいは、インク層とこれらの層を併せた全体の溶融
粘度)が易染着性の熱溶融性樹脂の溶融粘度より低いと
き、インクビヒクルに起因する被転写体上の染着像の汚
れ防止がより有効に達成できる。
【0068】つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
【0069】実施例1 厚さ6μm、幅246mm の長尺のポリエステルフィルム上
にワックスを主体とする塗布量1.0 g/m2 の離型層を
設け、該離型層上に表1に示す処方のイエロー、マゼン
タ、シアンインク層用塗工液および下記に示す熱溶融性
層用塗工液を塗布、乾燥して図1に示すように配列され
た各インク層および易染着性の熱溶融性層を形成し、さ
らにこれらの層の上にワックスを主体とする塗布量1.0
g/m2の接着層を形成して、熱溶融転写材をえた。各
インク層および易染着性の熱溶融性層の支持体の長手方
向に沿った長さは270mm とした。各インク層の塗布量は
1.0 g/m2 とし、易染着性の熱溶融性層の塗布量は2.
5 g/m2 とした。
【0070】 熱溶融性層塗工液 成分 部 ポリエステル樹脂(軟化点120 ℃、 溶融粘度150cP /200 ℃) 28 コロイダルシリカ 2 メチルエチルケトン 70
【0071】
【表1】
【0072】実施例2 実施例1において、易染着性の熱溶融性層の塗布量を8
g/m2 に変更したほかは実施例1と同様にして熱溶融
転写材をえた。
【0073】比較例 実施例1において、易染着性の熱溶融性層を設けなかっ
たほかは実施例1と同様にして熱溶融転写材をえた。
【0074】前記各熱溶融転写材を用い下記の熱転写用
プリンターで下記のマスターシート用基材上にイエロ
ー、マゼンタおよびシアンのインク層を順次選択転写し
て下記の各色のインクドットの組合せからなるインク画
像を形成し、最後に熱溶融性層を転写して(比較例では
熱溶融性層は転写されない)、マスターシートを作成
し、このマスターシートを綿布と重ね合せ、下記に示す
条件でホットプレスして綿布上に各色の染着像を形成し
た。
【0075】プリンター:東京電気(株)製B−30 マスターシート用基材:厚さ70μmの普通紙(ベック平
滑度360 秒) インクドットの組合せ (1)イエローインクのみ (2)マゼンタインクのみ (3)シアンインクのみ (4)イエローインクとマゼンタインクとシアンインク
の重ね合せ ホットプレス: 加熱温度200 ℃ 加熱時間:15秒 圧力:2kg/cm2 えられた染着像の濃度(反射OD値)をマクベス濃度計RD
-914で測定した。結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】被転写体の種類を問わず鮮明なカラー染
着像をうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる熱溶融転写材における各層の配
列の1例を示す平面図である。
【符号の説明】 1 基材 Y イエローインク層 M マゼンタインク層 C シアンインク層 T 熱溶融性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 - 5/40

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イエローの熱移行性染料を含有する熱溶
    融性インク層Y、マゼンタの熱移行性染料を含有する熱
    溶融性インク層Mおよびシアンの熱移行性染料を含有す
    る熱溶融性インク層Cの1種、または2種もしくは3種
    をマスターシート用基材上に画像信号に応じて選択的に
    順次溶融転写せしめて、前記マスターシート用基材上に
    1次のインク画像、または2次もしくは3次のインク画
    像を形成し、前記インク画像の最表面に、前記各熱移行
    性染料に対して易染着性の熱溶融性樹脂を主成分とする
    熱溶融性層Tを選択的に溶融転写し、かくしてえられた
    マスターシートを被転写体と圧接下に加熱して該被転写
    体上に染着像を形成することを特徴とする転写捺染方
    法。
  2. 【請求項2】 前記各熱移行性染料に対して易染着性の
    熱溶融性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とす
    る請求項1記載の転写捺染方法。
  3. 【請求項3】 前記各色の熱溶融性インク層の融点ない
    し軟化点が50〜90℃、90℃における粘度が300cP 〜50万
    cPであり、前記易染着性の熱溶融性樹脂の融点または軟
    化点が80〜160 ℃、200 ℃における粘度が100 〜4000cP
    であることを特徴とする請求項1または2記載の転写捺
    染方法。
  4. 【請求項4】 前記マスターシートを被転写体と圧接下
    に加熱する工程での加熱温度における、前記各色の熱溶
    融性インク層の溶融粘度が、前記易染着性の熱溶融性樹
    脂の溶融粘度より低いことを特徴とする請求項3記載の
    転写捺染方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の転写捺染方法に用いる熱
    溶融転写材であって、イエローの熱移行性染料を含有す
    る熱溶融性インク層Y、マゼンタの熱移行性染料を含有
    する熱溶融性インク層Mおよびシアンの熱移行性染料を
    含有する熱溶融性インク層C、ならびに前記各熱移行性
    染料に対して易染着性の熱溶融性樹脂を主成分とする熱
    溶融性層Tが、それらの一定順序の並びを1つの繰り返
    し単位として単一の支持体上に繰り返し並べて配置され
    てなることを特徴とする熱溶融転写材。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の転写捺染方法に用いる熱
    溶融転写材であって、イエローの熱移行性染料を含有す
    る熱溶融性インク層Y、マゼンタの熱移行性染料を含有
    する熱溶融性インク層Mおよびシアンの熱移行性染料を
    含有する熱溶融性インク層C、ならびに前記各熱移行性
    染料に対して易染着性の熱溶融性樹脂を主成分とする熱
    溶融性層Tがそれぞれ別の支持体上に設けられてなるこ
    とを特徴とする熱溶融転写材。
  7. 【請求項7】 前記各熱移行性染料に対して易染着性の
    熱溶融性樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とす
    る請求項5または6記載の熱溶融転写材。
  8. 【請求項8】 前記各色の熱溶融性インク層の融点ない
    し軟化点が50〜90℃、90℃における粘度が300cP 〜50万
    cPであり、前記易染着性の熱溶融性樹脂の融点または軟
    化点が80〜160 ℃、200 ℃における粘度が100 〜4000cP
    であることを特徴とする請求項5、6または7記載の熱
    溶融性転写材。
  9. 【請求項9】 前記マスターシートを被転写体と圧接下
    に加熱する工程での加熱温度における、前記各色の熱溶
    融性インク層の溶融粘度が、前記易染着性の熱溶融性樹
    脂の溶融粘度より低いことを特徴とする請求項8記載の
    熱溶融転写材。
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