JPH07118610A - 水分散型接着剤組成物 - Google Patents

水分散型接着剤組成物

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JPH07118610A
JPH07118610A JP28590093A JP28590093A JPH07118610A JP H07118610 A JPH07118610 A JP H07118610A JP 28590093 A JP28590093 A JP 28590093A JP 28590093 A JP28590093 A JP 28590093A JP H07118610 A JPH07118610 A JP H07118610A
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meth
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acrylate
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JP28590093A
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Yasushi Isobe
安司 磯部
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水性重合体からなる保護コロイドにより(メ
タ)アクリロイル基を有する単量体を水中に乳化分散さ
せた液からなり、マイクロカプセル化された有機過酸化
物、還元剤およびアミノ基を有するアルコキシシラン
を、それぞれ特定量含有する水分散型接着剤組成物。 【効果】 本発明の水分散型接着剤組成物は、それを被
着体に塗布して得られる接着剤皮膜が被着体との密着性
に優れ、ネジの弛み止め用接着剤として使用された場合
に、ネジを締め付けるとき接着剤皮膜が脱離しないの
で、信頼性の高い弛み止めが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分散型の常温硬化接
着剤に関するものであり、さらに詳しくは、被着材表面
上に粘着性のない接着剤皮膜を形成し得る一液型接着剤
に関するものであり、例えばネジの弛み止め用接着剤と
して好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】ボルト・ナットの弛み止めに接着剤を適
用する場合、通常多数個のボルトまたはナットに対し一
度に接着剤を塗布して接着剤皮膜を形成させ、該皮膜に
おける接着能が維持されている期間内に、得られたボル
トまたはナットを使用するという方法が採用されてい
る。従来、上記の用途には、アクリロイル基および/ま
たはメタクリロイル基を有する単量体を主体とし、それ
に必要に応じ過酸化物および還元剤等の硬化剤が配合さ
れた一液型アクリル系嫌気性接着剤組成物が用いられて
きた。
【0003】上記接着剤組成物としては、媒体が有機溶
剤のものと水性溶剤のものが知られており、用途によっ
て使い分けられているが、最近では有機溶剤による環境
汚染および人体に対する毒性の問題から、ネジの弛み止
め用接着剤の分野等においても、水性のアクリル系嫌気
性接着剤が望まれている。
【0004】しかしながら、水性のアクリル系嫌気性接
着剤によれば、被着材表面上に形成された接着剤皮膜の
密着性に問題があり、一例を挙げて説明すると、アクリ
ル系単量体の水性乳化液中に、過酸化物のマイクロカプ
セル体および還元剤が添加された水分散型接着剤(特開
平1−65182号公報)では、ボルトとナットの固着
用接着剤として用いた場合、ボルト表面に形成された接
着剤皮膜がナットを締め付ける際に離脱することがあ
り、信頼性に劣るという問題があった。
【0005】本発明においては、水分散型接着剤組成物
であって、被着材に対する密着性に優れる接着剤皮膜を
形成する接着剤組成物を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、水性重合体からなる保
護コロイドによりアクリロイル基および/またはメタク
リロイル基を有する単量体(以下「(メタ)アクリレー
ト単量体」または単に「(メタ)アクリレート」と称す
る。)を水中に乳化分散させた液からなり、該単量体の
100重量部当たり、有機過酸化物0.2〜10重量
部、該有機過酸化物とレドックスを形成する還元剤0.
1〜5重量部およびアミノ基を有するアルコキシシラン
0.1〜5重量部を含有し、かつ前記有機過酸化物がマ
イクロカプセルに内包されている水分散型接着剤組成物
である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】○(メタ)アクリレート単量体 本発明においては、分子中にアクリロイル基もしくはメ
タクリロイル基〔以下これらを(メタ)アクリロイル基
と総称する〕を1個または複数個有する(メタ)アクリ
レート単量体が使用される。分子中に(メタ)アクリロ
イル基を1個有する単量体としては、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ア
リル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル
(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)ア
クリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、ス
ルホエチル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル
(メタ)アクリレートおよびメチルカルビノール(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0008】(メタ)アクリロイル基を複数個有する単
量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
多塩基酸とポリオール及び(メタ)アクリル酸を脱水縮
合しポリエステル化反応により得られるポリエステルジ
(メタ)アクリレート、エポキシ化ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール又はトリエチレングリコールとエポキシ化
ビスフェノールAからなる縮合体と(メタ)アクリル酸
より得られるジ(メタ)アクリレート、ジイソシアネー
ト、グリコールおよびヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートより得られるポリウレタンジ(メタ)アクリレ
ート等のジ(メタ)アクリレート;更にグリセリン、ト
リメチロールプロパンまたはペンタエリスリトール等の
多価アルコールと(メタ)アクリル酸の反応によって得
られる(メタ)アクリロイル基を3個以上有する単量体
等が挙げられる。
【0009】上記(メタ)アクリレート単量体のうち、
接着力が大きくかつポットライフの長い接着剤皮膜が得
られる点で、エチレングリコール、トリエチレングリコ
ール又はテトラエチレングリコールのジ(メタ)アクリ
レート;エチレングリコール、ジエチレングリコール又
はトリエチレングリコールとエポキシ化ビスフェノール
Aからなる縮合体と(メタ)アクリル酸より得られるジ
(メタ)アクリレートが好ましい。
【0010】なお、本発明におけるポットライフは以下
の期間である。すなわち、本発明の水分散型接着剤組成
物は、被着材表面上に非粘着性の接着剤皮膜を形成させ
ることができ、得られた接着剤付き材料は、実際に使用
されるまでの期間、接着性のある状態を維持する。その
接着性の持続する期間をポットライフという。本発明の
接着剤組成物においては、有機過酸化物がマイクロカプ
セルに内包されており、それから形成される接着剤皮膜
においても、(メタ)アクリレート単量体と有機過酸化
物がマイクロカプセルの隔壁により隔離されているため
に、ポットライフが比較的長い。
【0011】○保護コロイド形成用の水性重合体 本発明における(メタ)アクリレート単量体は、水性重
合体からなる保護コロイドにより水中に乳化分散させて
使用される。(メタ)アクリレート単量体を水性乳化さ
せる手段として、水性重合体からなる保護コロイドを使
用することにより、被着材表面に接着剤を塗布したとき
非粘着性の接着剤皮膜が得られる。
【0012】保護コロイド用に用いる好ましい水性重合
体としては、(メタ)アクリル酸単量体単位を20〜5
0重量%含むアクリル酸エステル系樹脂、酢酸ビニル系
共重合体或いはメチルビニルエーテル系共重合体、ポリ
ビニルピロリドン、ケン化度が70〜99モル%のポリ
ビニルアルコール、エチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、メトキシヒドロキシプロピルセルロー
ス、エチレン−マレイン酸無水物共重合体、水溶性また
は水とアルコールとの混合溶媒に可溶なコポリアミド、
尿素樹脂、メラミン樹脂、或いはポリエチレンオキサイ
ドとポリプロピレンオキサイドとのブロック共重合体等
の水溶性または水分散性重合体が挙げられる。
【0013】得られる接着剤組成物の接着強度が大き
く、ポットライフも長い点で、より好ましい水性重合体
は、ケン化度が70〜99モル%のポリビニルアルコー
ルまたは水系溶剤に可溶なコポリアミドであり、特に好
ましくは、それらの併用である。水性重合体の数平均分
子量としては、3000〜100000が好ましい。
【0014】上記水性重合体を用いて(メタ)アクリレ
ート単量体を水性乳化させるには、水性重合体の水溶液
または分散液を高速で攪拌し、その中に(メタ)アクリ
レート単量体を徐々に添加すればよい。上記水性乳化の
操作において、(メタ)アクリレート単量体、水および
水性重合体の好ましい使用割合は、(メタ)アクリレー
ト単量体の100重量部当たり、水50〜250重量部
および水性重合体0.5〜30重量部であり、水性重合
体のさらに好ましい量は2〜20重量部である。このよ
うにして得られる(メタ)アクリレート単量体の水性乳
液は、通常B型粘度計による20rpmでの粘度が50
0〜80000cpsで、また単量体の油滴の径は1〜
200μmとなる。
【0015】(メタ)アクリレート単量体の水性乳化に
おいて、所望によりアルキル硫酸エステル塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルア
リールエーテルおよびソルビタン脂肪酸エステル等の低
分子量界面活性剤を使用してもよい。
【0016】○有機過酸化物 本発明において好ましい有機過酸化物としては、クメン
ハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロ
パーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキ
サイド等のケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
サン、t−ブチルジパーアジペート等のパーオキシエス
テルおよびベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベン
ゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイドが挙げられる。レドックス
反応性が強く接着性の高い接着剤を与える点で、ベンゾ
イルパーオキサイドまたはm−トルオイルパーオキサイ
ドがさらに好ましい。
【0017】有機過酸化物の使用量は、(メタ)アクリ
レート単量体100重量部当たり、0.2〜10重量部
であり、好ましくは0.5〜4重量部である。0.2重
量部に満たないときは接着性能が充分に発揮されず、他
方10重量部を超える場合は接着剤組成物のポットライ
フが著しく低下する。
【0018】有機過酸化物は、マイクロカプセル体とし
て添加されるが、そのマイクロカプセル化方法として
は、界面重合法が好ましい。具体的には、尿素とホルマ
リンまたはメラミンとホルマリンを反応させて得られる
プレポリマー水溶液に、粉末状の有機過酸化物を分散さ
せた後、水溶液のpHを2〜3に下げかつ温度を40〜
50℃に維持すれば、過酸化物の粉末を核として上記プ
レポリマーの重縮合が進行して水に不溶化したマイクロ
カプセルが得られる。カプセルの粒径は5〜100μm
が好ましく、またカプセルに内包される過酸化物の量
は、カプセルの重量に対し5〜30重量%が好ましい。
【0019】○還元剤 通常のレドックス系ラジカル重合開始剤を有機過酸化物
とともに形成する還元剤が使用でき、エチレンチオ尿
素、ジメチル−p−トルイジン、p−トリルジエタノー
ルアミンおよびo−スルホ安息香酸イミド等が好ましく
使用できる。還元剤の量は、(メタ)アクリレート単量
体100重量部当たり、0.1〜5重量部が必要で、好
ましくは0.2〜2重量部である。さらに、有機過酸化
物に対する比率は、有機過酸化物100重量部当たり1
0〜500重量部が好ましい。還元剤の量が、単量体1
00重量部当たり0.1重量部未満であると室温下での
接着速度が著しく低下し、他方5重量部を超えると接着
剤組成物のポットライフが著しく短くなる。
【0020】○アミノ基を有するアルコキシシラン(以
下アミノシランという) 本発明において好ましいアミノシランは、アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリス(トリメチル ロキシ)シラン、α,
ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサ
ン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕アミン、N−〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕トリエチレンテトラミンおよびN
−3−トリメトキシシリル−m−フェニレンジアミン等
が挙げられる。
【0021】アミノシランの使用量は、(メタ)アクリ
レート単量体100重量部当たり、0.1〜30重量部
であり、好ましくは0.5〜10重量部である。アミノ
シランの量が、0.1重量部未満であると得られる接着
剤組成物を被着材表面に塗布して得られる皮膜が被着材
から剥がれ易く、一方30重量部を越えると接着剤組成
物の水分散液の粘度が高くなり、塗工性が劣る。
【0022】アミノシランは、前記(メタ)アクリレー
ト単量体の水性乳液を製造後に、該乳液に直接添加する
こともできるが、ポットライフを長くさせる点で、以下
の方法によって接着剤組成物中に添加することが好まし
い。すなわち、乳化すべき(メタ)アクリレート単量体
の一部を用いて水性乳液を製造する。得られた水性乳液
を攪拌しながら、該乳液中に、残余の(メタ)アクリレ
ート単量体にアミノシランを溶解させた溶液を滴下する
方法であり、乳化すべき(メタ)アクリレート単量体の
10重量%以下の量の(メタ)アクリレート単量体にア
ミノシランを溶解させて、上記操作を行うことがさらに
好ましい。
【0023】○本発明の接着剤組成物に配合し得るその
他の物質 接着剤組成物の性能向上のために、例えば長時間のポッ
トライフ性を保つ為に、銅クロロフィルナトリウム、エ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩、チタン酸カリウ
ム、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,4−
ジニトロアニソールまたは2,6−ジターシャリーブチ
ル−p−クレゾール等を組成物中に添加することがで
き、またボルトとナットの締め付けトルク調製剤として
シリカ微粉末、酸化チタン微粉末または無機質の中空微
粒子等を用いることができる。
【0024】○本発明の接着剤組成物の使用方法 被着材表面に、ロール転写式、ディップ式または手塗り
等によって均一に塗布した後、熱風、赤外線または高周
波等の方法により60〜100℃に加熱することにより
乾燥し、接着剤皮膜を形成させる。ボルトとナットの固
着に使用する場合ならば、例えばM10ボルトについて
説明すると、接着剤を15mmの幅で乾燥後の重量で50
〜150mg塗布し、80℃で20〜30分間乾燥する。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明する。なお、各例の接着剤組成物のネジへ
の接着性能の評価は、次の試験方法に依った。 (接着剤組成物のネジへの塗工)10mm径、長さ40mm
のネジ(黄色クロメート処理ネジとステンレス・SUS
304ネジの2種類を使用)に溝部が満たされるよう
に、水中分散型接着剤組成物0.2gを均一に塗布し、
次いで80℃で20分間乾燥を行い、ネジの表面に接着
剤皮膜を形成した。
【0026】(接着性試験)前記接着剤皮膜が設けられ
たネジを300kg重・cmのトルクで、ナットを締め付
け、その際に接着剤皮膜が脱落するかどうかを観察する
とともに、23℃で24時間放置後の破壊トルクを測定
した。測定は5個の試験体に対して行い、得られた5点
のデータの平均値を測定値として示した。なお、接着剤
を適用しないネジにおける上記条件で測定された破壊ト
ルクすなわちブランク値は、280Kg重cmであった。 (ポットライフ試験)前記の塗工されたネジを50℃、
相対湿度95%の状態に7日間放置した後、上記の接着
性試験を行った。
【0027】実施例1 (1)(メタ)アクリレート単量体乳液の調製 2リットルビーカーに純水860g、ゴーセノールGM
−14〔ケン化度86モル%、平均重合度1400の部
分ケン化ポリビニルアルコール、日本合成化学工業
(株)製〕100g、銅クロロフィル2gおよびo−ス
ルホ安息香酸イミド5gを仕込み水溶液にした。プロペ
ラ型撹拌翼を用いて650rpm撹拌下にて、NK B
PE−200〔2,2ビス(4−(メタクリロキシ・ジ
エトキシ)フェニル)プロパン、新中村化学工業(株)
製〕1000g、ジメチル−p−トルイジン5gおよび
AQ−ナイロン A−90〔ジメチルアミノ置換型ナイ
ロン、東レ(株)製〕20gを仕込み、2時間撹拌を続
け(メタ)アクリレート単量体の水性乳液を得た。この
乳液は粒径2〜6μmの乳化粒子を有し、B型粘度計の
6rpmで8000cpsの粘度であった。
【0028】(2)カプセル化された有機過酸化物の製
造 1リットルフラスコに、37重量%濃度のホルマリン水
溶液350g、尿素131gおよびトリエタノールアミ
ン1.7gを仕込み、70℃にてプロペラ型撹拌翼を用
いて300rpmで2時間撹拌しながら反応させること
により、pHが8.1でかつ溶液粘度が8.3cps
(B型粘度計による20rpmでの測定)のプレポリマ
ー水溶液(ジメチロール体35重量%)を得た。
【0029】次いで、上記プレポリマー水溶液257g
と純水525gを2リットルビーカーに仕込み、1N硫
酸水溶液でpHを2.6に調整した後、ベンゾイルパー
オキサイドの微粉末(平均粒径20μm)12.8gを
投入し、40℃に昇温してホモジナイザーで9000r
pmの撹拌下で6時間反応させた。その後さらに、プロ
ペラ型攪拌翼を用いて300rpmの攪拌下で14時間
反応を続けた。得られたスラリーを1Nの苛性ソーダ水
溶液で中和し、純水およびメタノールで洗浄した固形分
を40℃で乾燥し、マイクロカプセルを85.3g得
た。得られたマイクロカプセルの粒径は5〜30μmで
あり、内包物のベンゾイルパーオキサイドの含有割合は
15重量%であった。
【0030】(3)接着剤組成物の調製 前記(1)で得られた(メタ)アクリレート単量体乳
液、カプセル化された有機過酸化物および3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン40gを3リットルビーカー
に入れ、ラボミキサーを用い2000rpmで5分間撹
拌を行い、水性分散型接着剤組成物を得た。得られた接
着剤組成物について、前記試験方法によって接着特性を
評価した結果を表1に記す。
【0031】比較例1 実施例1において、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ランを使用せずに、他の条件は実施例1と全く同様に操
作して水性分散型接着剤組成物を得た。
【0032】実施例2〜3 3−アミノプロピルトリエトキシシランの使用量を変更
させる以外の条件は、すべて実施例1と同様にして接着
剤組成物を得た。 実施例4 実施例1において、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン40gを、単量体のBPE−200の60gと混合
して得られた混合物を、他の成分を用いて調製された単
量体乳液に添加した以外は、すべて同例と同様に操作し
て接着剤組成物を得た。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示したとおり、本発明の実施例によ
る接着剤皮膜は、ボルトとナットの締め付け時に剥離が
起こらない。これに対して比較例1の接着剤組成物によ
る皮膜では、塗布した皮膜の一部が脱落するために、接
着強度が劣っている。また、実施例4は、実施例1と比
較してポットライフが長いため、その接着性能はポット
ライフ試験後でも初期値と比較してほとんど低下してい
ない。
【0035】
【発明の効果】本発明の水性分散型接着剤組成物は、そ
れを被着材表面に塗布して形成させた接着剤皮膜の被着
材に対する密着性が優れ、例えばネジの弛み止め用接着
剤として使用する場合に、ボルトまたはナットのネジ面
上の接着皮膜が締め付け時に剥離しないため、高い接着
強度が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性重合体からなる保護コロイドにより
    アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有す
    る単量体を水中に乳化分散させた液からなり、該単量体
    の100重量部当たり、有機過酸化物0.2〜10重量
    部、該有機過酸化物とレドックスを形成する還元剤0.
    1〜5重量部およびアミノ基を有するアルコキシシラン
    0.1〜5重量部を含有し、かつ前記有機過酸化物がマ
    イクロカプセルに内包されている水分散型接着剤組成
    物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1150013A (ja) * 1997-07-31 1999-02-23 Three Bond Co Ltd 硬化性組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1150013A (ja) * 1997-07-31 1999-02-23 Three Bond Co Ltd 硬化性組成物

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