JPH0742719A - フアスナ - Google Patents

フアスナ

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JPH0742719A
JPH0742719A JP21220193A JP21220193A JPH0742719A JP H0742719 A JPH0742719 A JP H0742719A JP 21220193 A JP21220193 A JP 21220193A JP 21220193 A JP21220193 A JP 21220193A JP H0742719 A JPH0742719 A JP H0742719A
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adhesive
film
meth
acrylate
drying
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JP21220193A
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English (en)
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Yasushi Isobe
安司 磯部
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、皮膜形成能を有する重合体により
水中に乳化されたアクリル系単量体をベースとするマイ
クロカプセル状接着剤の皮膜をネジ部に形成させてなる
フアスナにおいて、該皮膜は該接着剤の塗布および乾燥
を複数回重ねることにより形成されたものであることを
特徴とするフアスナ。 【効果】 本発明のフアスナは、マイクロカプセル状接
着剤が堅固にフアスナのネジ部に付着しており、締結時
に剥離することが少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種部品間の組立等に用
い、締結時に係合面間に瞬間的密封係合を与える接着剤
をねじ部にプレコートした固着用フアスナ、即ちボル
ト、ナットおよび小ねじ等に関するものである。該フア
スナを使用すると、締結時に接着剤皮膜が剥離せず、簡
便で強固な締結部分が形成され、締め付け作業の信頼性
が上がり、また安定な組立作業を行うことができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、2成分が接触することによ
り、硬化反応を起こす接着剤の、1成分をマイクロカプ
セルに内包させ、他成分はそのままの状態で、両者を混
合してなる接着剤、或いは該接着剤に皮膜形成能を有す
る重合体を添加した接着剤をねじ部にプレコートした締
め付け用ボルトまたはナットは公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のねじ部
にプレコートされたマイクロカプセルを含有する接着
剤、特にアクリル系単量体を含むものは、締結時にネジ
の谷部より剥離し易く、この為、係合面間に接着剤が充
分に満たされることがなく、密封係合が不完全になり易
く、従って上記のプレコートした締め付け用ボルトまた
はナットは、締結強度が低く且つばらつきが大きくなる
等の欠陥を有し、安定した品質の製品としてユーザーに
供給することが難しいものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記従来技
術の欠点を解決すべく鋭意検討した結果、全く新たなネ
ジ部への接着剤のプレコート方法を見出し、本発明を完
成するに至った。即ち本発明は、皮膜形成能を有する重
合体により水中に乳化されたアクリロイル基および/ま
たはメタクリロイル基を有する単量体(以下「アクリル
系単量体」と称する。)、アミノ樹脂を壁膜とするカプ
セル化された有機過酸化物(以下「カプセル化有機過酸
化物」と称する。)、並びに該有機過酸化物とレドック
スを形成する還元剤(以下単に「還元剤」と称する。)
からなる接着剤組成物(以下「マイクロカプセル状接着
剤」と称する。)の皮膜をネジ部に形成させたフアスナ
において、該皮膜は該接着剤組成物の塗布および乾燥を
複数回重ねることにより形成されたものであることを特
徴とするフアスナである。
【0005】(アクリル系単量体)アクリル系単量体と
しては、メチルアクリレートおよび/またはメチルメタ
クリレート(以下アクリレートおよび/またはメタクリ
レートを、「(メタ)アクリレート」と称する。)、エ
チル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル
(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)ア
クリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、ス
ルホエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリロイルホスファイト、アセトキシエチ
ル(メタ)アクリレート並びにメチルカルビトール(メ
タ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート;エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルのジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、多塩基酸とポリオール並びに
アクリル酸および/またはメタクリル酸(以下「(メ
タ)アクリル酸」と称する。)を脱水縮合しポリエステ
ル化反応により得られるポリエステルジ(メタ)アクリ
レート、エポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レート、エチレングリコール、ジエチレングリコールま
たはトリエチレングリコール並びにエポキシ化ビスフェ
ノールAからなる縮合体と(メタ)アクリル酸より得ら
れるジ(メタ)アクリレート、ジイソシアネート、グリ
コールおよびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
より得られるポリウレタンジ(メタ)アクリレート等の
ジ(メタ)アクリレート;更にグリセリン、トリメチロ
ールプロパンまたはペンタエリスリトール等と(メタ)
アクリル酸から得られる(メタ)アクリレート構造を2
個以上含む化合物等が挙げられる。
【0006】これらのアクリル系単量体の内、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コールまたはテトラエチレングリコールのジ(メタ)ア
クリレート;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ルまたはトリエチレングリコール並びにエポキシ化ビス
フェノールAからなる縮合体と(メタ)アクリル酸より
得られるジ(メタ)アクリレートが接着剤とした場合の
接着力が大きく好ましい。
【0007】(皮膜形成能を有する重合体)本発明にお
いて接着剤組成物を構成する皮膜形成能を有する重合体
は、アクリル系単量体を水中に乳化し得る機能を具備す
るものであって、この重合体は、水溶液状態または水分
散状態で、界面活性があり且つ数平均分子量が3000
〜100000程度の重合体であり、例えば(メタ)ア
クリル酸単位20〜50重量%を共重合体の構成単位と
するアクリル酸エステル系樹脂、酢酸ビニル樹脂或いは
メチルビニルエーテル共重合体、ポリビニルピロリド
ン、ケン化度が30〜99モル%のポリビニルアルコー
ル、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メトキシヒドロキシプロピルセルロース、エチレン
−マレイン酸無水物共重合体、水溶性または水とアルコ
ールとの混合溶媒に可溶なナイロン重合体、(メタ)ア
クリル酸エステル樹脂エマルジョン等の水分散性重合体
が挙げられる。
【0008】これらの重合体の内、ケン化度が30〜9
9モル%のポリビニルアルコール、水溶性または水とア
ルコールとの混合溶媒に可溶なナイロン重合体、若しく
はこれらの混合物が、本発明における接着剤において好
適な条件を与えるので好ましい。
【0009】アクリル系単量体の乳化において、皮膜形
成能を持つ水溶性または水分散性重合体の配合量はアク
リル系単量体100重量部に対して0.5〜30重量部
とすると、得られる接着剤の接着能が大きくなり好まし
い。より好ましくは2〜20重量部である。
【0010】またアクリル系単量体100重量部に対し
て、ベースとなる水は50〜250重量部の割合で用い
ることが好ましく、得られたエマルジョンは、B型粘度
計により20rpmで3000〜80000cpsの粘
度を示し、かつ乳化されたアクリル系単量体の油滴の径
が1〜200μmであると、塗工機による塗工性がよく
好ましい。
【0011】(カプセル化有機過酸化物)有機過酸化物
としては、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサ
イド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル
またはジアシルパーオキサイド等が挙げられるが、特に
ベンゾイルパーオキサイドまたはm−トルオイルパーオ
キサイドのようなレドックス反応性の強い有機過酸化物
を用いると接着性能が高くなるので好ましい。
【0012】有機過酸化物の使用量は、アクリル系単量
体100重量部に対して0.2〜10重量部が好まし
く、より好ましくは0.5〜4重量部である。0.2重
量部未満では、接着性能が充分に発揮されず、他方10
重量部を超える場合は、適正量を超えて異物として混合
され接着性能が低下する恐れがある。
【0013】有機過酸化物は、尿素−ホルマリンまたは
メラミン−ホルマリン樹脂等のアミノ樹脂で被覆し、好
ましくは粒径1〜60μmのマイクロカプセルとして使
用する。カプセル化有機過酸化物を得る好ましい例の一
つとしては、メチロール化反応で得たpH7.5〜9の
尿素−ホルマリンのプレポリマー中に、粉末状または油
状の有機過酸化物を懸濁させてから、pHを2〜3に下
げ且つ反応温度を35〜47℃に維持して、初期の段階
はホモミキサーを用いて高攪拌下で、次いでプロペラ型
攪拌機を用いて比較的低速攪拌下でメチレン化反応を行
い、過酸化物粒子に生成ポリマーを沈積させながらカプ
セル化する方法が挙げられる。この方法により微粉末状
のカプセル化有機過酸化物を得ることができる。
【0014】上記のメチレン化反応を制御することによ
り、1〜60μmの粒径のカプセルを製造することがで
きる。1μm未満では接着剤のポットライフが低くな
り、60μmを超える場合は、固着強度が低下し各々好
ましくない。更に好ましい粒径は5〜50μmの範囲で
ある。
【0015】カプセル中の有機過酸化物の含有量は、カ
プセル全体を100重量%として10〜30重量%の範
囲が好ましい。10重量%未満では締結時にカプセルが
破壊し易く、他方30重量%を超える場合は、過酸化物
が反応系に流出し易く各々不適当である。
【0016】(還元剤)還元剤は、アクリル系単量体に
溶解させるか、またはこれが困難な場合は水性状に乳化
させて、接着剤を構成する他の成分と混合して使用する
ことができる。還元剤としては、銅、コバルトまたはマ
ンガン等の有機酸類;エチレンチオ尿素、テトラメチル
チオ尿素、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メ
ルカプトエタノールまたはチオリンゴ酸等のチオ化合
物;ヒドラジン、2−ヒドロキシエチルヒドラジンまた
はベンゾイルヒドラジン等のヒドラジン誘導体;p−ト
ルエンスルフィン酸ソーダまたはo−スルホ安息香酸イ
ミド等のスルホ化合物;L−アスコルビン酸または果糖
等の還元糖或いはこの誘導体;トリエチレンジアミン、
ジメチルアニリン、ジメチル−p−トルイジン、ジエチ
ル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−アニシジ
ン等のアミン化合物が挙げられ、この中でもジメチル−
p−トルイジンまたはo−スルホ安息香酸イミドを使用
すると接着速度とポットライフ性のバランスがよく好ま
しい。
【0017】還元剤は、同時に使用する有機過酸化物の
種類または他に併用する還元剤の反応性に応じて選択す
ることが好ましく、例えばベンゾイルパーオキサイドま
たはm−トルオイルパーオキサイドを使用する場合は、
還元剤としてジメチル−p−トルイジンおよび/または
o−スルホ安息香酸イミドの使用が好ましい。
【0018】還元剤の使用量はアクリル系単量体100
重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、より好ま
しくは0.2〜3重量部である。0.1重量部に満たな
い時はレドックス反応性が弱く、常温以下における接着
能が弱く、他方5量部を超える場合はレドックス反応機
構のバランスを失い、接着性能の保存安定性が悪くなり
各々好ましくない。
【0019】(他の重合調整剤)マイクロカプセル状接
着剤の接着能の安定性を更に増加させるために、クロロ
フィルおよび/またはクロロフィルの金属置換体、チタ
ン酸カリ繊維、ハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、2,4−ジニトロアニソール、2,6−ジターシャ
リーブチル−p−クレゾール、トリエタノールアミン、
或いはパラトリルジエタノールアミンを接着剤に添加す
ることができる。使用量はアクリル系単量体100重量
部に対して2重量部以下が好ましい。2重量部を超える
と重合の促進と抑制のバランスが取り難くなり好ましく
ない。
【0020】(トルク調整剤)フアスナの締結時に軸力
を調整したり、微粒子状のカプセル化有機過酸化物を効
率よく破壊させるために、シリカ、アルミナまたは炭酸
カルシウムの微粉末、チタン酸カリ繊維、ガラス質また
はセラミック質のマイクロバルーンを適宜マイクロカプ
セル状接着剤に添加することができる。使用量はアクリ
ル系単量体100重量部に対して30重量部以下が好ま
しい。30重量部を超えると固着力が低下する恐れがあ
る。
【0021】(皮膜の形成)本発明のフアスナは、接着
剤皮膜の形成過程を重要な要素とするものである。即ち
製品としてのフアスナに要求される量および/または厚
さの接着剤皮膜の形成過程を複数回に分割したことによ
り、最終的にプレコートされた接着剤皮膜がフアスナ表
面に充分密着し、かつ締結時には係合面間に接着剤成分
が満たされるので強固な締結部分を形成することができ
る。
【0022】具体的方法は、前記アクリル系単量体、カ
プセル化有機過酸化物、還元剤、更に必要により重合調
整剤および/またはトルク調整剤を混合して得たマイク
ロカプセル状接着剤の分散体を、フアスナのネジ部に複
数回に分けて塗布、乾燥して皮膜を形成する。フアスナ
のネジ部に該接着剤を均一に塗布するためには、ロール
塗工法またはディッピング法等の方法を取ることができ
る。
【0023】一段目の皮膜の形成量は、次の二段目の皮
膜の形成過程で形成する量より少ないことが好ましく、
且つ乾燥温度は二段目よりも高い方が好ましい。これら
の条件に従うと、接着剤皮膜のフアスナ表面に対する密
着性が向上して好ましい。好ましい塗布量は例えば10
mm径のボルトの場合、15mm巾に対して0.01〜
0.10g(固形分換算)である。0.1g未満では締
結時の固着力が十分でなく、一方0.10gを超えても
締結力はそれ程上昇せず、逆に締結時に余分な接着剤が
剥離する傾向があり、いずれも好ましくない。乾燥は、
70〜100℃にて5〜20分間行うことが好ましい
が、フクレの発生を防止するように適宜、乾燥温度およ
び時間を設定することが好ましい。
【0024】一段目の皮膜の形成過程と同様にマイクロ
カプセル状接着剤を塗布、乾燥させて二段目の皮膜を形
成する。この際、マイクロカプセル状接着剤としては一
段目のものと同じでも異なっていてもよいが、接着剤皮
膜のフアスナ表面への密着性の向上または生産性の向上
の点から、同一の接着剤を用いる方が好ましい。
【0025】この場合一段目の皮膜の形成には若干低固
形分の接着剤をディッピング法で形成し、二段目は比較
的高固形分の接着剤をロール塗工法で塗布することが好
ましい。この方法により二段目で比較的厚めの皮膜を量
産することができる。好ましい塗布量は例えば10mm
径のボルトの場合、15mm巾に対して0.05〜0.
20g(固形分換算)である。乾燥は50〜90℃にて
5〜30分間行うことが好ましい。皮膜の形成は一段目
および二段目の2回だけでなく、3回以上に分けて行っ
てもよい。
【0026】
【作用】本発明のフアスナは、締結時にマイクロカプセ
ル状接着剤が表面から剥離せず、ボルト、ナット係合面
間に該接着剤が満たされており、従って硬化反応が効率
よく惹起し、これによりばらつきのない強固な締結を形
成することができる。この理由は定かではないが、マイ
クロカプセル状接着剤をフアスナのネジ部に塗布した場
合には、金属表面に主としてアクリル系単量体からなる
重合性の層が生じ、その上に皮膜形成可能な重合体の層
が形成されるという二層構造になる。この重合性の層が
厚くなると、ネジ部との密着性が悪くなるので、塗布、
乾燥を複数回に分けて行い、重合性の層を接着剤皮膜中
に複数の層に分割して存在させることにより、接着剤皮
膜とネジ部の密着性を向上させることができるものと考
えられる。
【0027】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
を更に詳しく説明する。 実施例1 (アクリル系単量体乳化液の調製)2リットルビーカー
に純水860g、ゴーセノールGM−14(ケン化度8
6モル%、平均重量度1400の部分ケン化ポリビニル
アルコール、日本合成化学工業(株)製)100gを仕
込み水溶液にした。その後プロペラ型撹拌装置で650
rpmの撹拌下で、NK BPE−200(2,2−ビ
ス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プ
ロパン、新中村化学工業(株)製)1000gおよびA
Q−ナイロン A−90(ジメチルアミノ置換型水溶性
ナイロン、東レ(株)製)20gを投入して、2時間攪
拌を続け水性状乳化液を得た。この乳化液は粒径2〜6
μmの乳化粒子を有し、B型粘度計6rpmにて800
0cpsの粘度であった。
【0028】(カプセル化有機過酸化物の製造)1リッ
トルフラスコに、37重量%濃度のホルマリン水溶液3
50g、尿素131gおよびトリエタノールアミン1.
7gを仕込み、70℃にてプロペラ型撹拌装置を用いて
300rpmにて2時間撹拌、反応させて、pH8.1
でB型粘度計による60rpmの粘度が7cpsである
プレポリマーを得た。次いで室温下で2リットルビーカ
ーに前記のプレポリマー水溶液609gと純水609g
を仕込み、ホモジナイザーで4000rpmの撹拌下
で、1N硫酸の添加によりpHを2.6に調製した。ベ
ンゾイルパーオキサイドの微粉末(平均粒径20μm)
12.8gを投入し、40℃に昇温し、6時間反応させ
た後、プロペラ型撹拌装置を用いて300rpmの撹拌
下にて14時間反応を続けた。
【0029】得られたスラリーを1N水酸化ナトリウム
水溶液で中和し、純水およびメタノールで洗浄して、4
0℃にて棚段乾燥を行った結果、ベンゾイルパーオキサ
イドを25重量%含み、尿素樹脂を皮膜とする粒径5〜
30μmのカプセル体51.2gを得た。
【0030】(マイクロカプセル状接着剤の製造)2リ
ットルビーカーに前記のアクリル系単量体の乳化液の全
量、微粒子状カプセル化有機過酸化物80g(ベンゾイ
ルパーオキサイドとして20g含有)、還元剤としてジ
メチルパラトルイジン 7gおよびトルク調整剤として
ガラスマイクロバルーンH−40(ホウ珪酸ガラス製、
40〜50μm、富士デヴィソン化学(株)製)100
gを投入し、ラボミキサーで2000rpmにて5分間
攪拌を行い、マイクロカプセル状接着剤を得た。
【0031】(皮膜の形成)10mm径、長さ40mm
の黄色クロメートボルトのネジ部に、巾15mmにわた
って上記マイクロカプセル状接着剤0.05g(固形分
換算)を均一に塗布した。80℃で20分間乾燥を行っ
て、表面にタックのない樹脂皮膜を形成した。
【0032】一段目の皮膜形成に続いて同じ箇所に同一
のマイクロカプセル状接着剤0.10g(固形分換算)
を均一に塗布し、70℃で30分間乾燥を行って、表面
にタックのない樹脂皮膜を形成させ、マイクロカプセル
状接着剤が充分に密着した接着締め付け型のネジを得
た。
【0033】(接着性試験)前記の塗工されたボルトに
300kg重・cmのトルクにてナットを締め付け、2
3℃で24時間放置後の破壊トルクを測定した。また接
着剤皮膜の剥離状況を目視で観察した。これらの結果を
表1に示した。
【0034】実施例2〜5、比較例1 一段目または二段目の皮膜形成過程で、皮膜の塗布量ま
たは乾燥温度を表1のように変更した以外は実施例1と
同じ条件で評価を行った。得られた結果を表1に示し
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明のフアスナは、マイクロカプセル
状接着剤が堅固にフアスナのネジ部に付着しており、こ
の為、締結時に該接着剤が剥離することなく、ボルト・
ナット係合面間に反応性接着剤が満たされ、硬化反応が
効率よく行われる。本発明のフアスナを用いると、固着
力が強く且つ力のばらつきの小さな締結部分を形成する
ことができ、フアスナの締結作業の簡便性および確実性
を向上させることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膜形成能を有する重合体により水中に
    乳化されたアクリロイル基および/またはメタクリロイ
    ル基を有する単量体、アミノ樹脂を壁膜とするカプセル
    化された有機過酸化物、並びに該有機過酸化物とレドッ
    クスを形成する還元剤からなる接着剤組成物の皮膜をネ
    ジ部に形成させたフアスナにおいて、該皮膜は該接着剤
    組成物の塗布および乾燥を複数回重ねることにより形成
    されたものであることを特徴とするフアスナ。
JP21220193A 1993-08-04 1993-08-04 フアスナ Pending JPH0742719A (ja)

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