JP2666520B2 - ファスナ - Google Patents

ファスナ

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JP2666520B2
JP2666520B2 JP11119090A JP11119090A JP2666520B2 JP 2666520 B2 JP2666520 B2 JP 2666520B2 JP 11119090 A JP11119090 A JP 11119090A JP 11119090 A JP11119090 A JP 11119090A JP 2666520 B2 JP2666520 B2 JP 2666520B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車、機械及び電機等の産業分野で広く
用いられ、締結・組み立て分野においては、必須とも言
える化学的な固着用ファスナ、即ちボルト、ナット及び
小ねじ等に関するものである。
〔従来の技術〕 締結のゆるみ止めに関しては、従来から多くの方法が
提案され、工業的に採用されている。
例えばアクリル系の重合性成分とその重合開始剤の2
成分からなり、2成分が接触することにより、硬化反応
を起こして接着剤として機能するアクリル系接着剤であ
って、その一方の成分をマイクロカプセルに内包させ、
他の成分はそのままの状態とし、両者を混合してなる接
着剤、即ちアクリル系マイクロカプセル型接着剤、或い
は該接着剤にフィルム形成性物質を加えてねじ部にプレ
コートした締め付け用ねじは公知である。
該ねじは、締結時の圧縮、摩擦作用によりマイクロカ
プセルが破壊して起こる化学反応を利用して、ねじ同士
を強固に接着させるものであり、使い易さと強力なゆる
み止め効果を有する為、工業的に広く採用されている。
また、アクリル系マイクロカプセル型接着剤をねじ部
に塗布する前に、プライマーを用いることも公知であ
る。しかしながら、これらはプライマー単独での効果に
よる接着性能の向上が目的であり、プライマーと接着剤
中のバインダーとの相互作用にまで言及した例はなく、
更に両者を防錆性や保管性を目的として組み合わせて用
いた例もない。
〔発明が解決しようとする課題〕
金属製ファスナに用いられる材料の主体は、鉄に亜鉛
等のメッキを施したものであり、通常は更にクロメート
処理を施す場合が多い。
しかしこのクロメート処理層は加熱により亀裂が生じ
易く、またメッキ層も締結時の接触等により、キズが発
生することが多く、これらを原因として金属製ファスナ
は防錆製が急激に低下するという問題点があった。
更に、プレコートしたアクリル系マイクロカプセル型
接着剤は、その塗布された金属製ファスナの材質によっ
て、硬化速度及び接着力に大きな差を生じ、かつプレコ
ート後の保管性が悪いという問題点もあった。
(ロ)発明の構成 〔課題を解決するための手段〕 本発明者は、前記課題を解決すべき鋭意検討した結
果、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物(以下
「アミノシラン化合物」と称する。)及びオキシラン環
を有する化合物も有効成分とするプライマーを予めねじ
部に塗布し、次いで前記有効成分と反応性の官能基を有
するアクリル樹脂を、バインダーとして配合したアクリ
ル系マイクロカプセル型接着剤を該ねじ部に塗布するこ
とにより、前記課題、即ち、加熱等による防錆性の低下
を抑え、ゆるみ止め効果を損なうことなく、保管性を向
上すること及び材質の影響を軽減でき、同時に接着性能
の大幅な向上が達成されることを見出し、本発明を完成
するに至った。
〔金属性ファスナ〕
本発明でいう「ファスナ」とは、六角ボルト、タッピ
ングネジ、ワッシャー付きボルト、十字穴丸ねじ、頭な
しネジ及びマイナスねじ等の雄ねじ、ナット等の雌ねじ
並びにその他のねじ部を有する締結具一般を指す。
適用できる好ましいねじ径は、M3〜30で更に好ましく
は、M4〜20である。
材質は鉄、鋼、ステンレス鋼、真鋳、アルミニウム及
び銅等が挙げられ、場合によって各種のメッキ及び/又
は表面処理が施されたものである。
メッキとしては、亜鉛、亜鉛/ニッケル、亜鉛/鉄、
クロム及びカドミウム等が挙げられ、表面処理としては
有色、ユニクロ及び黒色等の各種クロメート処理並びに
リン酸処理等が挙げられる。
これらのファスナはプライマー処理する前に塩素系溶
剤等で脱脂することも可能である。
〔プライマー〕
本発明で用いるプライマーは、アミノシラン化合物多
びオキシラン環を有する化合物を有効成分とするもの
で、これに必要に応じて溶剤や各種添加剤を配合したも
のである。
アミノシラン化合物とオキシラ環境を有する化合物と
の好ましい比率は、重量比で90/10〜5/95であり、より
好ましくは、70/30/70である。
この割合を外れると塗布対象物への塗工に際し、造膜
性が低下したり、効果速度が低下したりして、塗膜耐久
性能が損なわれる恐れがある。
(アミノシラン化合物) 本発明に用いられるプライマーの有効成分の一つであ
るアミノシラン化合物とは、アミノ基を含有しアルコキ
シ基を有するケイ素化合物であり、その具体例として
は、例えばアミノメチルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン及びγ−アミノイソブチ
ルトリメトキシシラン等の1個のアミノアルキル基と3
個のアルコキシ基を有するアミノアルキルトリアルコキ
シシラン;N−(β−アミノエチル)アミノメチルトリメ
トキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノメチル
トリエトキシシラン及びN−(β−アミノエチル)−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン等のN−(アミノ
アルキル)アミノアルキル基と3個のアルコキシ基を有
するN−(アミノアルキル)アミノアルキルトリアルコ
キシシラン;アミノメチルメチルジエトキシシラン及び
γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアミノ
アルキル基と2個のアルコキシ基を有するアミノアルキ
ルアルキルジアルコキシシラン;N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等の
N−(アミノアルキル)アミノアルキル基と2個のアコ
キシ基を有するN−(アミノアルキル)アミノアルキル
ジアルコキシシラン等が挙げられ、このうち、アルコキ
シ基を2個以上有するアミノシラン化合物が、マイクロ
カプセル型接着剤の接着力及びプレコート後の保管性や
防錆性の向上結果が大きく、好ましいものである。
(オキシラン環を有する化合物) 本発明に用いられるプライマーのもう一つの有効成分
であるオキシラン環を有する化合物の具体例としては次
のようなものが挙げられる。
ビスフェノールA及びF型エポキシ樹脂 ここで、Xは 又は水素を、Yはアルキル基又は水素を指す。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂、例えば、 X2N−R′−NH2ここで、Xは R′及びR″はアルキレン基、アラアルキレン基、シク
ロアルキレン基等を指す。
ノボラック型エポキシ樹脂、例えば ここで、Xは Rはアルキル基、アラアルキル基等を指す。
上記エポキシ樹脂以外のオキシラン環を有する化合
物、例えばオキシラン環とアルコキシ基を有する有機ケ
イ素化合物があり、具体的にはγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のグリシドキシアルキルトリア
ルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン等のグリシドキシアルキルアルキルジアル
コキシシラン等が挙げられ、中でもアルコキシ基を2個
以上有するものが好ましい。
(溶剤) 適当な塗工性をもつ液状組成物として使用するため
に、前記プライマー主成分に極性溶剤又は非極性溶剤を
併用して溶液型として使用するか、或いは水系溶媒に溶
解して水性型とするか又は水に乳化させてエマルジョン
型として使用する方法がある。
具体的には、溶剤としては、トルエン、キシレン等の
芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン又はアセチルアセ
トン等のケトン系溶剤、エタノール、イソプロパノール
又はブタノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル又は
酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルセロソブル、エ
チルセロソルブ又はプロピレングリコールメチルエーテ
ル等のエーテル類等が挙げられ、それらの中から一種又
は二種以上を適当に選択して、使用し溶液型とすること
ができ、また水−アルコール系溶剤に溶解して水性型と
する方法、乳化剤と共に水中にエマルジョン化する方法
が挙げられる。
この内、プライマー自体の安定性や塗布後の塗膜性能
が良い点から、溶液型とすることが好ましい。
(添加剤) プライマーには、更に種々の目的で各種の添加剤を添
加することができる。
例えば、防錆性を向上させるためにクロム酸塩又はリ
ン信塩等の防錆剤;シロキサン結合の生成を促進するた
めに有機カルボン酸の重金属塩、有機酸のアンモニウム
塩又はアミン化合物等の結合触媒;塗工時の流れ性を改
良するために、微粉状シリカ又はベントナイト等のチク
ソトロピー性付与剤;塗膜の熱による酸化や光による分
解を防止するフェノール、リンク又は硫黄系の酸化防止
剤や、ベンゾトリアゾール又はベンゾフェノン系等の紫
外線吸収剤等が挙げられる。
〔アクリル系マイクロカプセル型接着剤〕 本発明で用いるアクリル系マイクロカプセル型接着剤
とは、アクリレート単量体及び/又はメタクリレート単
量体(以下「(メタ)アクリレート単量体」と称す
る。)、カプセル化された有機過酸化物、並びに当該有
機過酸化物とレドックス系を形成する還元剤(以下「還
元剤」と称する。)よりなる接着剤組成物に、バインダ
ーとして官能基を有するアクリル樹脂を配合させてなる
接着剤である。
((メタ))アクリレート単量体 本発明で使用される(メタ)アクリレート単量体とし
ては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフル
フニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アク
リレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、
スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリロイルホシスァイト、アセトキシエチル
(メタ)アクリレート及びメモリカルビトール(メタ)
アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート;エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メ
タ)アクリレート、多塩基酸とポリオール並びにアクリ
ル酸及び/またはメタクリル酸(以下「(メタ)アクリ
ル酸」と称する。)を脱水縮合しポリエステル化反応に
より得られるポリエステルジ(メタ)アクリレート、エ
ポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチ
レングリコール並びにエポキシ化ビスフェノールAとの
縮合体と(メタ)アクリル酸より得られるジ(メタ)ア
クリレート、ジイソシアネートとグリコール及びヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートより得られるポリウ
レタンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレ
ート;更にグリセン、トリメチロールプロパン又はペン
タエリスリトール等と(メタ)アクリル酸から得られる
(メタ)アクリレート構造を2個以上含む化合物が挙げ
られる。
これらの(メタ)アクリレート単量体の内、エチレン
グリコール、ジエチルングリコールントリエチレングリ
コール又はテトラエチレングリコールのジ(メタ)アク
リレート;エチルングリコール、ジエチレングリコール
又はトリエチレングリコール並びにエポキシ化ビスフェ
ノールAからなる縮合体と(メタ)アクリル酸より得ら
れるジ(メタ)アクリレートが、接着剤とした場合の装
着力がよく特に好ましい。
本発明における(メタ)アクリレート単量体はそのま
ま、本接着剤を構成する他の成分と物理的に均一な混合
を行えば使用可能であるが、下述の方法で水中の乳化さ
せると、薬傷の危険性を減らすことができ、且つ塗工法
も大幅に改良されることができるので好ましい。
具体的には、界面活性があり、かつ数平均分子量が10
00〜5000程度の重合体の水溶液に、高撹拌下で、(メ)
アクリレート単量体を徐々に添加することにより、該単
量体を乳化することができる。
この際、皮膜形成能を持つ水溶性重合体及び/又は水
分散性重合体を、(メタ)アクリレート単量体の乳化時
に同時に添加するか、又は乳化させた後に添加すると、
得られた装着剤は、塗工後の表面に樹脂皮膜を形成し、
所謂ドライタッチな塗工面になり、取り扱い易くかつ安
全になる。
また後述のような皮膜形成能を持ち、かつ(メタ)ア
クリレート単量体を水中に乳化し得る水溶性及び/又は
水分散性重合体を用いた場合には、一段の方法で目的物
を得ることができるので更に好ましい。
皮膜形成能を持ち(メタ)アクリレート単量体を水中
に乳化し得る重合としては、ケン化度が70〜99モル%の
ポリビニルアルコール、エチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、メトキシヒドロキシプロピルセル
ロース、エチレンマレイン酸無水物共重合体、水溶性は
水とアルコールとの混合溶媒に可能なナイロン重合体、
尿素−ホルマリン重合体、或はポリエチレンオキサイド
とポリプロピレンオキサイドとのブロック共重合体、酢
酸ビニル共重合体、メチルビニルエーテル共重合体、ポ
リビニルピロリドン等の水溶性重合体;その他ウレタン
樹脂エマルジョン、クロロプレン重合体エマルジョン、
又はブタジエン−アクリロニトロリルエマルジョン等の
水分散性重合体が挙げられる。
これらの重合体のうち、ケン化度が70〜99%のポリビ
ニルアルコール、水溶性又は水とアルコールとの混合触
媒に可溶なナイロン重合体、若しくはこれらの混合物
が、本発明における接着剤において好適な条件を与える
ので好ましい。
これらの重合体の配合量は、(メタ)アクリレート単
量体100重量部に対して、0.5〜30重量部とすると、得ら
れる接着剤の接着能がよく好ましい。
(有機過酸化物) 粉末状又は液状の有機過酸化物は以下の方法等でカプ
セル化することができる。
例えば、微粉末状又は油滴状の有機過酸化物をpH7.5
〜9のメチロール化反応で得た尿素−ホルマリンのプレ
ポリマー中に分散させ、pHを2〜3に下げ、かつ反応温
度を35〜45℃に維持すると、メチレン化反応により過酸
化物粉体又は油滴の表面に生成ポリマーを沈積させなが
らカプセル化できる。
本発明で用いる有機過酸化物としては、ハイドロパー
オキサイド、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド、パーオキシエステル及びジアルシルパーオキ
サイド等が挙げられる。
カプセル化された有機過酸化物の使用量は、(メタ)
アクリレート単量体100重量部に対し、その有効成分と
して0.2〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜4
重量部である。
0.2重量部に満たない時は接着性能が充分に発揮され
ず、他方5重量部を超える場合には適正量を超えて異物
として混入され接着能が低下する恐れがある。
(還元剤) 当該化合物(メタ)アクリレート単量体中に溶解又は
均一に分散させて使用することができるが、(メタ)ア
クリレート単量体を乳化して使用する時は、乳化時に加
えて均一に分散させる方が好ましい。
当該化合物は、同時に使用する有機過酸化物と対応さ
せて用いられることが好ましく、例えば有機ハイドロパ
ーオキサイド又はパーオキシエステルに対しては、銅、
コバルト又はマンガン等の有機酸塩;エチレンチオ尿
素、テトラメチルチオ尿素又は2−メチルカプトベンズ
イミダゾール等の疎水性のメルカプト化合物;ヒドラジ
ン、2−ヒドロキシヒドラジン又はベンゾイルヒドラジ
ン等のヒドラジン誘導体;p−トルエンスルフィン酸ソー
ダ、L−アルコルビン酸又はトリエチルジアミン等が好
ましく用いられる。
これらの内、エチレンチオ尿素又はL−アスコルビン
酸を使用すると、レドックス反応性が大きくなり特に好
ましい。
ジアシルパーオキサイドに対しては、ジメチルアニリ
ン、ジメチル−p−トリイジン、ジエチル−p−トルイ
ジン、N,N−ジメチル−p−アニシジン、o−スルホ安
息香酸イミド、メルカプトエタノール、チオリンゴ酸、
チオグリコール酸、チオ乳酸、α−酪酸、メルカプトト
リエチルアミン或いはo−又はn−チオサリチル酸等の
水溶性メルカプト化合物等が好ましく用いられ、より好
ましくはジメチル−p−トルイジン又はo−スルホ安息
香酸イミドである。
当該化合物の使用量は(メタ)アクリレート単量体10
0重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、より好まし
くは、0.3〜2重量部である。
0.1重量部に満たない時はレドックス反応性が弱く、
常温以下における接着能は有せず、他方5量部を超える
場合はレドックス反応機構のバランスを失い、接着性能
の保存安定性が悪くなり各々好ましくない。
(アクリル樹脂) 本発明は、該プレコートされる接着剤にバインダーと
して、前記プライマーの有効成分と反応性の官能基を有
するアクリル樹脂、即ち該官能基を有するアクリル系単
量体を共重合組成に持つ樹脂を配合したことを特徴と一
つとするものである。
本発明に用いられる該有効成分と反応性の官能基を有
するアクリル樹脂のうち、その構成単位として水産基を
持つアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの単
量体、例えばヒドロキシメチルアクリレート又はヒドロ
キシエチルアクリレート等、或いは(メタ)アクリル酸
単量体を共重合体組成としたものを用いると、本発明の
奏する効果、即ち、防錆性等が大きくなるのは好まし
い。
該構成単位の含有率は、該アクリル樹脂全体な10〜40
重量%が好ましく、より好ましくは15〜30重量%であ
る。
10重量%に満たない場合は接着剤と被着材であるねじ
部との密着性の向上効果が不十分であり、40重量%を超
えると保存安定性等に悪影響を及ぼす。
該樹脂の分子量は、特に限定されるものではないが、
本接着剤への均一分散性の面から数平均分子量にして50
00〜15000程度のものが好ましい。
該アクリル樹脂の使用量は(メタ)アクリレート単量
体100部に対し0.1〜2重量部が好ましく、更に好ましく
は0.3〜1.5重量部である。
0.1重量部に満たない場合は接着剤とねじとの密着性
の向上効果が不十分であり、2重量部を超えると保存安
定性、反応性等に悪影響を及ぼす。
(添加剤) 接着剤の改良を目的として、例えばチクソトロピック
性を付与するために通常用いられるタルク、シリカ、ア
ルミナ又は炭酸カルシウム;長時間のポットライフ性を
保つためにハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,
4−ジントロアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール又はクロロフィル類の様なキレート剤等を添加
することができる。
〔ねじ部への施工法〕
プライマーをファスナに塗布する方法としては、プラ
イマー中に浸漬する方法、スプレー塗装又は刷毛塗りす
る方法等、一般的な方法が採用できる。
プライマーは原則としてねじ部に塗布されれば十分で
あるが、ファスナ全体が被覆される方が防錆性が向上し
好ましい。
塗布後、常温又は加熱条件下で乾燥又は焼付けし、塗
膜を形成させる。その条件は常温〜250℃で20秒〜数時
間、好ましくは、1〜60分である。乾燥後の塗膜厚は0.
1〜30μである。
プライマーを施した後、マイクロカプセル接着剤をね
じ部の全周又は一部に塗布するが、その方法としては、
ロールコート法、浸漬法、滴下法又は刷毛塗り法等が適
用できる。
塗布後の乾燥条件は、常温〜150℃で5〜60分であ
る。乾燥後の膜厚はねじサイズ、ねじの山/谷で異な
り、一概に言えないが、10〜1000μ程度である。
〔作用〕
かかるバインダー及びプライマーを用いることによ
り、防錆性や接着性能を向上させることができる理由は
定かではないが、次のように推定される。
アミノシラン化合物及びオキシラン環を有する化合
物を有効成分とするプライマーが金属表面に作用し、樹
脂膜が形成され、接着性能を阻害することなく耐亀裂性
及び耐傷性の作用を発揮すること。更に該樹脂膜自体は
アクリル系接着剤の効果触媒として働くことなく又硬化
触媒として作用する金属イオンの被着面からの溶出を効
果的に阻止ることにより、該ファスナ自体及びプレコー
トした被着剤双方の保管性が向上されるため。
被着剤中にバインダーとして配合された官能基を有
するアクリル樹脂中のアクリロイル基、水酸基、カルボ
ン酸基等と上記プライマーの有効成分との反応により、
金属表面と接着剤との密着性が増し、締結時における被
着剤のハガレ等が防止されたため接着性能大幅な向上が
達成されるため。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明す
る。
本発明のファスナの評価は次の方法によって行った。
(プライマーの処理方法) 10mm径、長さ40mmのねじをプライマー組成物に浸漬
後、80℃で10分間乾燥を行ってプライマー処理されたね
じを得た。
(接着剤組成物のねじへの塗工) プライマー処理されたねじの溝部に、水性状接着剤組
成物0.2g(固形分換算)を均一に塗布し、次いで80℃で
10分間乾燥を行って、表面にタックのない皮膜を形成し
た接着締め付け型のネジを得た。
(接着性試験) 前記の塗工されたねじに300kg重・cmのトルクにてナ
ットを締め付け、23℃で2時間放置後の起動戻しトルク
を測定した。
(防錆性試験) 前記の塗工されたねじを塩水噴霧試験(JIS−Z−237
1)を行い、白色腐食生成物を生じるまでの時間を測定
した。
(保管性試験) 前記の塗工されたねじを、40℃×60日間及び40℃×90
日間放置した後、300kg重・cmのトルクにてナットを締
め付けて、23℃で24時間放置後の起動戻しトルクを測定
した。
実施例1 ((メタ)アクリレート単量体乳化液の調製) 2ビーカーに純水860g、ゴーセノールGM−14(ケン
化度86モル%、平均重量度1400の部分ケン化ポリビニル
アルコール、日本合成化学工業(株)製)68g、AQ−ナ
イロンA−90(水溶性ナイロン、ガラス転移温度15℃、
東レ(株)製)19gを仕込み、水溶液にした。
その後プロペラ型撹拌装置で500rpmの撹拌下で、NK
BPE−200(2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエト
キシ)フェニル〕プロパン、新中村化学工業(株)製)
1000g、ジメチル−p−トルイジン5gを投入して2時間
撹拌を続け、水性状乳化液を得た。
この乳化液は平均粒径4μmの乳化粒子を有し、B型
粘度計6rpmにて6000cpsの粘度であった。
(有機過酸化物のカプセル化) 1に、37重量%濃度のホルマリン水溶液350g、尿素
131g及びトリエタノールアミン1.7gを仕込み、70℃にて
プロペラ型撹拌装置を用いて300rpmで2時間撹拌反応さ
せてpH8.1及びB型粘度計による60rpmの粘度が7.%cps
であるプレポリマーを得た。
次いで2ビーカーに前記のプレポリマー水溶液525g
と純水400gを仕込み、1N硫酸でpHを2.5に調整後、ベン
ゾイルパーオキサイド26gを投入し、40℃に昇温し、ホ
モジナイザーで5000rpmの撹拌下にて6時間反応させ
た。
この間4時間目と6時間目に純水を各々300cc及び添
加した。更に以後プロペラ型撹拌装置を用いて300rpmの
撹拌下にて14時間反応を続けた。
得られたスラリーを1N水酸化ナトリウム水溶液で中和
し、純水及びメタノールで洗浄して、40℃にて棚段乾燥
を行った結果、ベンゾイルパーオキサイドを15重量%含
み、尿素−ホルマリン樹脂を皮膜とする平均粒径50μm
のカプセル173gを得た。
(プライマーの調製) エピコート1004(エポキシ当量925のエポキシ樹脂、
油化シェルエポキシ(株)製)5gをメチルエチルケトン
90gに溶解し、A−1100(γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、日本ユニカー(株)製)5gを混合しプライ
マーを得た。
(製着剤組成物の調製) 前記で得られた(メタ)アクリレート単量体500g、カ
プセル化された有機過酸化物34g(ベンゾイルパーオキ
サイドとして5.1g含有)、アクリル樹脂S−1(構成単
位として、アクリル酸単量体を6重量%及びヒドロキシ
エチルアクリレート単量体を18重量%を含有したアクリ
ル樹脂エマルジョン)2gを1ビーカーに投入して、ホ
モジナイザーで2000rpmにて5分間撹拌を行い、水性状
接着剤組成物を得た。
当該液を上記プライマーにより処理された有色クロメ
ートからなるねじに塗布し、前記の評価方法に従って接
着性試験を行い、その結果を表1に、防錆性試験及び保
管性試験を行い、その結果を表2に示した。
実施例2〜8 アクリル樹脂、プライマー又は使用したねじの材質を
表1のように変えた以外は、実施例1と同様の条件で接
着性試験を行った。その結果を表1に示した。
実施例9 ゴーセノールGM−14(ケン化度86モル%、平均重合度
1400の部分ケン化ポリビニルアルコール、日本合成化学
工業(株)製)0.5gを純水90gに溶解して得られた水溶
液に、エピコート828(エポキシ等量189のエポキシ樹
脂、油化シェルエポキシ(株)製)5g−A−1120(N−
β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、日本ユニカー(株)製)5gを混合撹拌し、水性
プライマー組成物を得た。
上記プライマーを使用した以外は実施例1と同様の条
件で接着性試験を行った。
その結果、有色クロメートねじにおける接着強度は、
460kg重・cmであった。
比較例1 接着剤中に配合するアクリル樹脂S−1に代え、ウレ
タン樹脂エマルジョンUE−1300(東亞合成化学工業
(株)製)を用いた以外は実施例1と同様の条件で接着
性試験を行った。その結果を表1に示した。
比較例2 プライマーを、SS1490(3−ヒドロキシプロピルトリ
メトキシシラン、トーレ・シリコーン(株)製)をメタ
ノールで10倍に希釈したものを用いた以外は、実施例1
と同様の条件で接着試験を行った。その結果を表1に示
した。
比較例3 プライマーを、A−187(γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製)をメタノ
ールで10倍に希釈したものを用いた以外は、実施例1と
同様の条件で接着性試験を行い、その結果を表1に、防
錆性試験を行い、その結果を表2に示した。
比較例4 プライマーを使用しない以外は実施例1と同様の条件
で接着性試験を行った。その結果を表1に示した。
比較例5 アクリル樹脂を用いない以外は実施例1と同様の条件
で接着性試験を行った。その結果を表1に示した。
比較例6 アクリル樹脂もプライマーも使用しない以外は実施例
1と同様の条件で、接着性試験を行い、その結果を表1
に、防錆性及び保管性試験を行ない、その結果を表2に
示した。
(ハ)発明の効果 本発明のファスナは、締結後の接着性に優れているた
め緩み止め効果が大きく、かつ多種類の金属材料を基と
するため、幅広い産業分野で用いることができる。
しかも、従来品と異なり、ネジ部の防錆性とプレコー
トした接着剤の保管性にも優れるため、従来の産業分野
以外にも用途が広げることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16B 39/22 F16B 39/22 B (56)参考文献 特開 昭64−108284(JP,A) 特開 平1−108284(JP,A) 特開 昭59−122598(JP,A) 特開 昭50−1251(JP,A) 特開 昭49−128161(JP,A) 特開 昭60−44613(JP,A) 特開 昭59−127681JP,A) 実開 昭62−141914(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ねじ部にアミノ基を有するアルコキシシラ
    ン化合物及びオキシラン環を有する化合物を有効成分と
    するプライマーを予め塗布し、次いで該ねじ部に前記有
    効成分と反応性の官能基を有するアクリル樹脂を配合し
    たアクリル系マイクロカプセル型接着剤を塗布してなる
    金属製ファスナ。
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