JPH08295865A - エポキシ樹脂系接着剤 - Google Patents

エポキシ樹脂系接着剤

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JPH08295865A
JPH08295865A JP10329395A JP10329395A JPH08295865A JP H08295865 A JPH08295865 A JP H08295865A JP 10329395 A JP10329395 A JP 10329395A JP 10329395 A JP10329395 A JP 10329395A JP H08295865 A JPH08295865 A JP H08295865A
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JP
Japan
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epoxy resin
acrylate
adhesive
methacrylate
weight
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JP10329395A
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English (en)
Inventor
Chika Kasai
親 笠井
Tadashi Ashida
正 芦田
Masamichi Kotoku
正道 小徳
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Asahi Corp
Nissan Motor Co Ltd
Asahi Tsusho Co Ltd
Original Assignee
Asahi Corp
Nissan Motor Co Ltd
Asahi Tsusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 疑似硬化性と高い接着強さとを合わせ持った
構造用接着剤を提供すること。 【構成】 (A)ビスフェノールA及び/又はビスフェ
ノールFから誘導される液状エポキシ樹脂10〜90重
量部、(B)ガラス転移温度が−30℃以下のアクリレ
ート及び/又はメタクリレート系重合体を分散させた液
状のエポキシ樹脂10〜90重量部、(C)(a)ガラ
ス転移温度が−30℃以下のアクリレート及び/又はメ
タクリレート系重合体からなるコア成分と、(b)
(イ)アクリレート及び/又はメタクリレート系重合体
と(ロ)カルボキシル基を有するラジカル重合性不飽和
カルボン酸系単量体とから構成され、ガラス転移温度が
70℃以上の共重合体からなり、かつ該共重合体樹脂粒
子に1価及び/又は2価の金属カチオンを付加してイオ
ン架橋させたシェル成分とを持つ樹脂粉末粒子が前記
(A)+(B)100重量部に対して5〜70重量部、
及び(D)エポキシ樹脂用熱活性型硬化剤を必須成分と
して含有することを特徴とするエポキシ樹脂系接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な熱硬化型エポキシ
樹脂系接着剤に関し、特に疑似硬化性と高い接着強さと
を合わせ持った構造用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、自動車の組立、特にドアやフードなどのアウターパ
ネルとインナーパネルとの接合部は、ヘミングと呼ばれ
るかしめ構造になっており、この部分には防錆性の確保
を兼ねて、エポキシ樹脂系接着剤が多く用いられてい
る。これらの接着剤の中には、作業性の面から、疑似硬
化型のエポキシ樹脂系接着剤が使われる場合がある。こ
の疑似硬化型接着剤には以下に示すようなメリットがあ
る。即ち、自動車の場合には鋼板に接着剤を塗布してパ
ネルを合わせ、スポット溶接や機械的な接合を行ってか
ら、塗装工程に投入することが一般的であり、疑似硬化
型接着剤であれば、接着剤を塗布して、接合すべきパネ
ルを合わせてから、接着剤塗布部をパネルの上から、短
時間に、加熱することにより、接着剤を疑似硬化させ、
部品としての形状を凍結させることができる。
【0003】この際、接着剤でパネルの固定を行うため
に、スポット溶接の省略が可能となり、また、接着剤が
ゲル状態になっているために、塗装オーブンで接着剤が
硬化するまで、塗装前処理に接着剤が溶解したり、水洗
のシャワーで接着剤が飛散するという不具合もなくすこ
とができるというメリットがある。このような疑似硬化
型接着剤として、乳化重合、懸濁重合又はそれに類する
ような方法で得られたアクリル粒子を液状のエポキシ樹
脂に分散した疑似硬化型接着剤が提案されている(特開
昭62−297377号公報)。
【0004】しかしながら、液状のエポキシ樹脂にアク
リル粒子を分散させただけの組成物では、確かに、疑似
硬化性に優れた接着剤が得られるものの、引張りせん断
強さやはく離強さなどの接着強さという点では、構造用
途に用いるには十分であるとは言いがたい。このため、
このタイプの接着剤を構造用接着剤として使用する場合
には、通常ゴム変性エポキシ樹脂やウレタン変性エポキ
シ樹脂などの変性エポキシ樹脂を少量併用して接着性を
向上させている。
【0005】一方、これらの変性エポキシ樹脂の配合量
を増加させることで、より高い接着強さを得ようとして
も、もともとアクリル粒子を配合しているため、概し
て、接着剤の粘度が高くなり、実際、パネルへ接着剤を
塗布するときに、パネルへの定着性が悪くなり、接着剤
がパネルにうまく塗布することができなかったり、高粘
度であるため塗布された接着剤がパネルから脱落すると
いう問題が生じやすい。
【0006】従って、接着強さを向上させるために、ゴ
ム変性エポキシ樹脂やウレタン変性エポキシ樹脂を併用
する場合には、上述したように粘度の高い変性エポキシ
樹脂を併用することになるため、その配合量に限界があ
った。特に自動車の場合には、防錆油やプレス油のつい
た鋼板への塗布になるため、接着剤のパネルへの定着性
は極めて重要な問題となり、接着剤に適度な流動性が必
要となる。
【0007】このアクリル粒子を分散した疑似硬化型接
着剤は、現在、主として防錆目的で使用されているため
に接着強さはさほど要求されないが、接着強さを向上さ
せることによって、構造部材への拡大採用も期待される
ため、このアクリル粒子を分散したエポキシ樹脂系接着
剤の高強度化を図ることがかねてからの課題となってい
た。
【0008】一方、アクリル粒子としてコアシェル型の
アクリル粒子を用いると、疑似硬化性と高い接着強さと
が得られることが知られている(特開平2−80483
号公報)。しかしながら、このコアシェル型アクリル粒
子をエポキシ樹脂に分散した接着剤は、120℃程度の
加熱でゲル化するという疑似硬化性を持つがために、1
液接着剤としての貯蔵安定性が低下するという問題があ
った。
【0009】これは接着剤を室温で長期間保存すると、
シェル層のアクリル樹脂が徐々に液状のエポキシ樹脂に
溶解又は潤滑して、ついにはゲル化に至るという現象で
ある。そこで貯蔵安定性を改善するために粒子表面をイ
オン架橋すると、実用上問題ない良好な貯蔵安定性を得
ることができる。
【0010】しかしながら、逆にイオン架橋しているが
ためにコアシェル型アクリル粒子が本来持つエポキシ樹
脂のタフネス化などの改質能力をある程度犠牲にするこ
とになり、接着性能がイオン架橋しないコアシェル型ア
クリル粒子に比べ劣るという問題があった。そこでイオ
ン架橋したコアシェル型アクリル粒子を分散したエポキ
シ樹脂系接着剤の貯蔵安定性を損ねることなく、接着強
さを改善することができる接着剤組成物を見いだすこと
が兼ねてからの課題であった。
【0011】従って本発明は、このイオン架橋したコア
シェル型アクリル粒子をエポキシ樹脂に分散させた接着
剤において、より高い接着強さを発現させることが可能
なエポキシ樹脂系接着剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、変性エポキシ樹脂
として、エポキシ樹脂の中に、ガラス転移温度(以下、
Tgと呼ぶ)が−30℃以下のゴム状アクリル粒子を分
散したエポキシ樹脂(以下、アクリルゴム分散エポキシ
樹脂と呼ぶ)を、イオン架橋したコアシェル型アクリル
粒子を分散したエポキシ樹脂の一成分として併用した接
着剤が極めて高い接着強さを示すことを見出し、本発明
に到達した。
【0013】本発明の上記の目的は、(A)ビスフェノ
ールA及び/又はビスフェノールFから誘導される液状
エポキシ樹脂10〜90重量部、(B)ガラス転移温度
が−30℃以下のアクリレート及び/又はメタクリレー
ト系重合体を分散させた液状のエポキシ樹脂10〜90
重量部、(C)(a)Tgが−30℃以下のアクリレー
ト及び/又はメタクリレート系重合体からなるコア成分
と、(b)(イ)アクリレート及び/又はメタクリレー
ト系重合体と(ロ)カルボキシル基を有するラジカル重
合性不飽和カルボン酸系単量体とから構成され、ガラス
転移温度が70℃以上の共重合体からなり、かつ該共重
合体樹脂粒子に1価及び/又は2価の金属カチオンを付
加してイオン架橋させたシェル成分とを持つ樹脂粉末粒
子が前記(A)+(B)100重量部に対して5〜70
重量部、及び(D)エポキシ樹脂用熱活性型硬化剤を必
須成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂系
接着剤により達成された。
【0014】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0015】本発明のエポキシ樹脂系接着剤は、成分
(A)としてビスフェノールA及び/又はビスフェノー
ルFから誘導される液状エポキシ樹脂10〜90重量部
を含む。これらは汎用エポキシ樹脂と呼ばれるものでビ
スフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂などが代表的である。液状エポキシ樹脂とし
ては、更にビスフェノールAやビスフェノールFにプロ
ピレンオキサイドやエチレンオキサイドなどを付加した
ものなどが使用することができる。また、これらエポキ
シ樹脂の混合物も用いることができる。
【0016】これらのエポキシ樹脂は本発明の接着剤組
成物中に全エポキシ樹脂に対し10〜90重量部の割合
で用いられる。ビスフェノールA及び/又はビスフェノ
ールFから誘導されるエポキシ樹脂が10重量部未満に
なると、硬化後の弾性率が低くなり、引張りせん断強さ
が低下する。逆に、90重量部を超えると、硬化物の弾
性率が高く、かつ脆くなり、剥離強さなどが低下し実用
に耐えなくなる。
【0017】成分(B)のTgが−30℃以下の重合体
を与えるアクリレート及び/又はメタクリレート系重合
体としては、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、プロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタク
リレート、エチルメタクリレートなどが挙げられ、これ
らは1種用いても良いし、2種以上組み合わせても良
い。
【0018】また、これらの重合体を製造するに際して
は、必要に応じて架橋性単量体を添加して、一層ゴム性
状を増加させることもできる。これらの重合体をエポキ
シ樹脂に分散させた変性エポキシ樹脂は、アクリルゴム
分散エポキシ樹脂としても市販されており入手が可能で
ある。
【0019】この成分(B)は全エポキシ樹脂量に対
し、10〜90重量部の割合で用いられる。成分(B)
が10重量部未満になると、接着強さ、中でも剥離強さ
などが低下する。逆に、90重量部を超えると、硬化物
が柔らかくなり、せん断強さが低下すると共に、接着剤
の粘度も高くなり、接着剤塗布時の作業性が低下する。
【0020】成分(C)のアクリル粒子はコアシェル型
のアクリレート及び/又はメタクリレート系重合体微粒
子に1価及び/又は2価の金属カチオンを付加してイオ
ン架橋させたものである。コア成分を構成する樹脂は、
Tgが−30℃以下のアクリレート及び/又はメタクリ
レート系重合体からなるゴム状の成分である。Tgが−
30℃以下のアクリレート及び/又はメタクリレート系
重合体としては、エチルアクリレート、プロピルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、エチルメタクリレー
トなどが挙げられ、これらは1種で用いても良く、2種
以上を組み合わせて用いても良い。
【0021】また、これらの樹脂を製造するに際して
は、架橋性単量体としてエチレングリコールジアクリレ
ートなどを0.1〜5重量%の範囲で添加してゴム性状
を増加させることもできる。この際、架橋性単量体が5
重量%を超えると、架橋が進み、コア層が硬くなり接着
強さが低下することになるため注意が必要である。
【0022】次に、前記コア成分にシェルを形成させて
コアシェル型とするが、シェル部は(イ)アクリレート
及び/又はメタクリレート系単量体と(ロ)カルボキシ
ル基を有するラジカル重合性不飽和カルボン酸系単量体
との共重合体から構成され、且つTgが70℃以上であ
ることが必要である。
【0023】成分(イ)のアクリレート及び/又はメタ
クリレート系単量体としては、エチルアクリレート、n
−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチル
メタクリレートなどが挙げられ、これらは1種で用いて
も良く、2種以上組み合わせて用いても良い。これらの
中ではメチルメタクリレートが好適に用いられる。
【0024】また、原料成分(ロ)として用いられるカ
ルボキシル基を有するラジカル性不飽和カルボン酸単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、マ
レイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸やその無水
物、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノブチルなど
の不飽和カルボン酸のモノエステルやその誘導体などが
挙げられる。これらの中でもアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸などが好適に用いられる。
【0025】シェル成分を製造するに際しては、架橋性
単量体としてエチレングリコールジアクリレートなどを
コア成分を形成させた時と同様に0.1〜5重量%の範
囲で添加することができる。この際、架橋性単量体が5
重量%を超えると、シェル層とエボキシ樹脂との膨潤性
が低下し、疑似硬化性が失われる。
【0026】アクリル粒子のコア成分とシェル成分との
比は10/1〜1/4の範囲にあることが好ましい。コ
ア成分とシェル成分の比が10/1未満になると、疑似
硬化性に劣ることになり、かつ粉末微粒子の形状を保つ
ことが困難となる。逆に、1/4を超えると、接着強さ
が低下してコアシェル型アクリル粒子本来の性能を発現
することができなくなる。通常、コア成分とシェル成分
との比が1/1〜1/2の範囲であることが好ましい。
【0027】このような構成で得られたコアシェル型ア
クリル粒子は、少なくともシェル部にはカルボキシル基
を含有する共重合体が存在し、該共重合体はカルボキシ
ル基を含む単量体単位が共重合体1分子当り、平均して
1個以上結合し、かつ該共重合体100重量部当り0.
01〜20重量部の割合でカルボキシル基を有する単量
体を含有するものが好ましい。この単量体の含有量が
0.01重量部未満になると、イオン架橋による粒子表
面の改質効果がほとんどなく、接着剤自体の貯蔵安定性
が損なわれる。逆に、20重量部を超えると疑似硬化性
が低下する。
【0028】シェル層を形成する(メタ)アクリレート
系重合体のTgは粉末状粒子としての形態を保つために
70℃以上であることが必要である。70℃未満になる
とエポキシ樹脂に分散混合した場合に貯蔵安定性が不十
分となり実用に耐えない。
【0029】以上のような性状を持つコアシェルアクリ
ル粒子は多段乳化重合で公知の方法で製造することがで
き、重合後はイオン架橋を行うためにカチオン供給体を
加え、次いで分離、乾燥することにより微粒子状樹脂と
して得ることができる。イオン架橋に用いる1価及び/
又は2価の金属カチオンとしては、カリウム、ナトリウ
ム、リチウム、カルシウム、亜鉛及びスズから成る群か
ら選ばれた少なくとも1種を適宜選択して使用すること
がでる。また、これらのカチオンの供給体としては、水
酸化物、リン酸塩、炭酸塩及び硝酸塩に加えて、更にオ
クチル酸、ステアリン酸及びコハク酸などの有機酸塩な
どが挙げられる。
【0030】成分(D)として用いられるエポキシ樹脂
用熱活性型硬化剤としては、公知の硬化剤の中から適宜
選択して使用することができ、例えばジシアンジアミ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−
ヘプタデシルイミダゾール、イソフタル酸ジヒドラジ
ド、N,N−ジアルキル尿素誘導体、三フッ化ホウ素錯
化合物などが挙げらる。これらの硬化剤は1種で用いて
も良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0031】この熱活性型硬化剤の配合量は、特に限定
されないが、通常、エポキシ樹脂100重量部に対し
て、2〜30重量部、好ましくは5〜20重量部の割合
が好適である。熱活性型硬化剤の配合量が2重量部未満
となると、硬化不良を起こし、接着性を損ねる原因とな
る。逆に30重量部を超えると硬化時の過剰な発熱によ
り分解や熱劣化を起こす。
【0032】本発明のエポキシ樹脂系接着剤には必要に
応じて各種添加剤を配合することができる。各種添加剤
としては、例えば、可塑剤、希釈剤、安定剤、充填剤、
着色剤などが挙げられる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0034】まず、実施例で行った接着剤の評価法を以
下に記す。
【0035】1)疑似硬化性 平板に塗布した接着剤を120℃で5分間加熱してゲル
化させ、手はく離を行い、以下の判定基準に従った。 ○:ゲル化した接着剤組成物は鋼板に密着しているが、
手で比較的容易にはく離することができる。 ×:ゲル化しないか、ゲル化していても組成物の強度が
弱く、手はく離が不可能である。
【0036】2)貯蔵安定性 B型回転粘度計を用いて20℃における接着剤の初期粘
度及び40℃の恒温槽に7日間保管した後の粘度を測定
して増粘率を求める。
【0037】3)引張りせん断強さ及びTはく離強さの
測定 引張りせん断強さはJIS K6850、Tはく離強さ
はJIS K6854に準じて、防錆油を塗布した軟鋼
板を用いて接着試験を行った。また、焼き付け条件は1
80℃、20分とした。
【0038】イオン架橋コアシェルアクリル粒子の製造
例 n−ブチルアクリレート(BA)50重量部を乳化剤に
ソジウムアルキルサルフェート(炭素数12〜18)
1.0重量部と、重合触媒として過硫酸カリウム0.1
重量部とを添加し、水150重量部中で温度70℃にて
3時間、乳化重合を行った。これによりポリn−ブチル
アクリレート(PBA)のコア部を製造し、次いでこの
重合液にメチルメタクリレート(MMA)50重量部を
3時間かけて連続的に重合系に添加し、コア部の表面に
シェル部を形成させた。
【0039】このシェル部の重合過程において、MMA
の添加量が50%に達した時点でメタクリル酸(MA)
5重量部と、架橋剤としてテトラエチレングリコールジ
メタクリレート1重量部とを添加して共重合を終了し
た。続いて、このラテックスに水酸化カリウムの0.5
重量%水溶液5重量部を添加し、0.5時間撹拌した。
次いで、重合液を濾過して重合体を分離し、乾燥して、
イオン架橋したコアシェル型アクリル粒子を得た。これ
をポリマーAとする。
【0040】前記製造例と全く同様な方法で乳化重合を
行いコアシェル型アクリル粒子を製造したもの、すなわ
ちイオン架橋させないコアシェル型アクリル粒子をポリ
マーBとする。
【0041】前記製造例と全く同様な方法で乳化重合を
行いコアシェル型アクリル粒子を製造し、イオン架橋に
3価のカチオン供給体として水酸化アルミニウム1重量
%水溶液を2重量部用いてイオン架橋したコアシェル型
アクリル粒子を得た。これをポリマーCとする。
【0042】実施例1〜8 製造例で得られたポリマーAを用いて表1に示すような
配合でニーダを用いて接着剤を作製し、所定の試験を実
施した。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示すように、これらの接着剤は疑似
硬化性や貯蔵安定性に優れ、かつ、せん断強さは20M
Pa以上、Tはく離強さは200N/25mm以上と極
めて高い接着強さを有することが判る。
【0045】比較例1〜6 表1に示すように、比較例で得られた接着剤は実施例で
得られたものに比べて、疑似硬化性、貯蔵安定性、せん
断強さ及びTはく離強さの全ての項目に優れた性能を示
さず、特に、はく離強さは実施例のものに比べて著しく
劣ることが判る。
【0046】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂系接着剤は、変性
エポキシ樹脂としてエポキシ樹脂中に、Tgが−30℃
以下のゴム状アクリル粒子を分散したエポキシ樹脂(ア
クリルゴム分散エポキシ樹脂)をイオン架橋したコアシ
ェル型アクリル粒子を分散したエポキシ樹脂の一成分と
した接着剤としたことにより、疑似硬化性はもちろんの
こと、高い接着強さも合わせ持つという優れた効果が得
られる。
フロントページの続き (72)発明者 小徳 正道 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ビスフェノールA及び/又はビス
    フェノールFから誘導される液状エポキシ樹脂10〜9
    0重量部、(B)ガラス転移温度が−30℃以下のアク
    リレート及び/又はメタクリレート系重合体を分散させ
    た液状のエポキシ樹脂10〜90重量部、(C)(a)
    ガラス転移温度が−30℃以下のアクリレート及び/又
    はメタクリレート系重合体からなるコア成分と、(b)
    (イ)アクリレート及び/又はメタクリレート系重合体
    と(ロ)カルボキシル基を有するラジカル重合性不飽和
    カルボン酸系単量体とから構成され、ガラス転移温度が
    70℃以上の共重合体からなり、かつ該共重合体樹脂粒
    子に1価及び/又は2価の金属カチオンを付加してイオ
    ン架橋させたシェル成分とを持つ樹脂粉末粒子が前記
    (A)+(B)100重量部に対して5〜70重量部、
    及び(D)エポキシ樹脂用熱活性型硬化剤を必須成分と
    して含有することを特徴とするエポキシ樹脂系接着剤。
  2. 【請求項2】 成分(B)のガラス転移温度が−30℃
    以下のアクリレート及び/又はメタクリレート系重合体
    としてn−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、
    プロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
    2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレー
    ト及びエチレルメタクリレートから成る群から選ばれた
    少なくとも1種を組み合わせて得られる重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂系接着剤。
  3. 【請求項3】 成分(C)におけるコア成分とシェル成
    分との重量比が10/1から1/4の範囲にあることを
    特徴とするエポキシ樹脂系接着剤。
  4. 【請求項4】 成分(C)における共重合体樹脂粒子に
    付加する1価及び/又は2価の金属カチオンがカリウ
    ム、ナトリウム、リチウム、カルシウム、亜鉛及びスズ
    から成る群から選ばれた少なくとも1種を用いることを
    特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂系接着剤。
JP10329395A 1995-04-27 1995-04-27 エポキシ樹脂系接着剤 Pending JPH08295865A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6913792B2 (en) 1998-02-18 2005-07-05 3M Innovative Properties Company Hybrid materials employing PPE/polystyrene/curable epoxy mixtures
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