JP2608118B2 - エポキシ樹脂系接着性組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂系接着性組成物

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JP2608118B2 JP23146188A JP23146188A JP2608118B2 JP 2608118 B2 JP2608118 B2 JP 2608118B2 JP 23146188 A JP23146188 A JP 23146188A JP 23146188 A JP23146188 A JP 23146188A JP 2608118 B2 JP2608118 B2 JP 2608118B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、短時間の加熱で擬似硬化性を発現し、擬似
硬化被膜が基材より簡易に剥離可能であるような、接着
性に優れた液状エポキシ樹脂系接着性組成物に関する。
(従来の技術) 従来、液状エポキシ樹脂をベースとした加熱硬化型接
着剤組成物が、金属の接着に用いられている。しかし、
接着剤塗布後に、基材に、折曲げ、切断、脱脂洗浄、酸
処理などの加工を施す場合、接着剤の脱落や、飛散、接
着剤による環境、作業場、処理液の汚染などがおこり易
い。この欠点を改良するために西独国特許公開第200288
0号明細書には、液状エポキシ樹脂組成物にポリ塩化ビ
ニル(PVC)プラスチゾルを添加する接着剤が提案され
ている。この組成物によれば、PVCの融点以上の温度で
短時間加熱し非粘着性シートを得ることが出来る。この
ものは、次に160〜180℃に加熱し溶融硬化することによ
り接着性を発現し得るので、基材に接着剤を塗布した
後、短時間加熱することにより、非粘着状態となし、即
ち、擬似硬化物となし、次いで基材の折曲げ、切断、脱
脂洗浄、酸処理等を行なっても、前記の問題点は解消で
きるとしている。
(発明が解決しようとする課題) 前記西独国特許公開明細書記載の接着剤の欠点は、高
熱処理した時に発生する塩酸ガスが金属の腐食を促進す
ることである。即ち、自動車工業などにおいては金属の
折曲げ、接合部分をスポット溶接することが一般に行な
われており、PVCを含有する接着組成物が介在された状
態でスポット溶接を行なった場合、その高熱のためにPV
Cが分解し、塩酸ガスが発生することを防ぎ得ないとい
う問題点があった。
また、ハロゲンを含まない粉末熱可塑性樹脂をエポキ
シ樹脂に混合し、プレゲル化されうる液状又はペースト
状熱硬化性樹脂が提案されている(時開昭56−82865号
公報)。熱可塑性樹脂として、ポリアミド、エチルセル
ロース、ポリビニルホルマール又はポリビニルブチラー
ルが挙げられており、液状で塗布可能であり、短時間加
熱後指触乾燥状態となり、高温処理によっても腐食性ガ
スを発生しないので、前述の問題点がないとしている。
この組成物及び方法の欠点は、擬似硬化した塗膜が、基
材からは容易に剥離しにくい点及び、熱可塑性樹脂の存
在のために、本硬化後の接着性が低下してしまう点にあ
る。即ち、自動車工業においては、接着剤を塗布し、折
曲げ、接合などの加工を行なったのちに、短時間加熱
し、擬似硬化させたのち、はみ出し部分、過剰部分を除
去する工程がある。これは、特にヘミング部等の折曲げ
部の内面に接着剤を充満させ、空洞部分を排除すること
により製品となったのちの空洞部への水分の侵入による
発錆を予防するためにとられる処理である。はみ出し部
分は、通常、機械又は人手によって除去するため、膜状
に容易に剥離できなければならない。特開昭56−82865
号公報に記載された組成物は、このような特性をもたな
いため、実用上問題がある。また、本硬化後の接着性は
構造体として充分なものでなければならないが、熱可塑
性樹脂はエポキシ樹脂と反応しないため、多量の添加に
より本来の接着性を損なってしまうという欠点がある。
更に、自動車工業において、車輌の耐久性能向上のた
め、より一層の信頼性ある接着性能が求められており、
エポキシ樹脂系接着剤は構造用又は準構造用接着剤とし
て使用されているものの、硬化物の靱性が劣り、剥離強
度の向上、セン断接着性の向上のため、ダイマー酸変性
エポキシ樹脂やNBR変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エ
ポキシ樹脂などの可撓性エポキシ樹脂の混用が試みられ
ているものの、まだ充分ではないという問題点があっ
た。
従って、本発明の目的は、基材上に塗布したのち、基
材を折曲げ、接合などの加工を施し、しかるのちに短時
間の加熱で、擬似硬化することができ、更にこの硬化物
が、柔軟で、不要部分を容易に膜状に剥離除去すること
のできる、接着性の優れたエポキシ樹脂組成物を提供す
ることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記の欠点を解決すべく、液状エポキ
シ系樹脂接着組成物に混用しうる各種ポリマー組成につ
いて鋭意研究の結果、前記問題点を有しない組成物を得
ることを見い出し、本発明を達成するに至った。
本発明の目的は、液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用
加熱活性型硬化剤を含み、必要に応じて硬化促進剤、粘
度調整剤、充填剤、顔料等を添加して成るエポキシ樹脂
系熱硬化性接着剤に、Tg(ガラス転移温度)が20℃以下
のアクリレートまたはメタクリレート重合体の部分(A
成分)と、エポキシ基を0.2重量%以上含有し、かつTg
が70℃以上であるようなアクリレートまたはメタクリレ
ート重合体の部分(B成分)から構成され、A成分/
(A成分+B成分)が重量比で、0.2〜0.8であるような
粉末状重合体を液状エポキシ樹脂に対して10〜100重量
%混合したエポキシ樹脂系接着性組成物によって、容易
に達成される。
次に、本発明の樹脂組成物に使用する成分につき説明
する。
本発明で使用するエポキシ樹脂は、1分子中に1個以
上のエポキシ基を有する液状樹脂であれば何でもよく、
固体のエポキシ樹脂でも液体エポキシ樹脂に溶解して使
用することができる。その例としては、通常のビスフェ
ノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、ビスフェノー
ルFとエピクロルヒドリンの縮合物の如きジグリシジル
エーテル、脂肪族のジグリシジルエーテル、脂環式エポ
キサイド、フタル酸誘導体とエピクロルヒドリンの縮合
物の如きジグリシジルエステル、ヒダントイン系エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン
型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR変
性エポキシ樹脂およびウレタン変性エポキシ樹脂などが
あげられ、単体で又は2種以上を混合して使用すること
ができる。
加熱活性型硬化剤としては、加熱により硬化作用を発
揮する通常の硬化剤でよく、例えば、ジシアンジアミ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−ペ
ンタデシルイミダゾールの如きイミダゾール誘導体、イ
ソフタル酸ジヒドラジド、N,N′−ジアルキル尿素誘導
体、N,N′−ジアルキルチオ尿素誘導体、メラミン、グ
アナミンなどが挙げられる。これらは、使用するエポキ
シ樹脂のエポキシ当量、硬化条件により、適宜組成物中
に配合されるが、通常エポキシ樹脂100重量部に対し1
〜15重量部が望ましい。
イミダゾール誘導体、N,N′−ジアルキル尿素誘導
体、アルキルアミノフェノール誘導体などは促進剤とし
ても使用できる。硬化剤及び、促進剤の硬化に必要充分
な配合量は予め試験することにより容易に決定される。
粘度調整剤としては、無水ケイ酸、含水ケイ酸、アス
ベスト、微粒炭酸カルシウム、ベントナイトなどの増粘
剤、モノエポキサイド、ジエポキサイドなどの反応性希
釈剤が必要に応じて通常の用途同様に使用できる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、
シリカ粉などを通常の用法に準じて添加することができ
る。
顔料としてカーボンなどの着色剤が、通常の用途同様
に使用できる。
接着剤の擬似硬化性、本硬化後の可撓性を付与するた
めにフタル酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤を
添加することもできる。可塑剤は、多量に用いると、接
着力の低下や、ブリードをおこすので、エポキシ樹脂と
相溶性のあるものが好ましく、使用量は、エポキシ樹脂
100重量部に対し、0〜80重量部の範囲が適当である。
本発明の骨子となる粉末状重合体は、2成分の組成の
異なる部分から構成されていなければならない。第1の
A成分はTgが20℃以下のアクリレートまたはメタクリレ
ート重合体であり、Tgが20℃以下であれば、単独重合体
であっても、共重合体であってもかまわない。第2のB
成分はエポキシ基を第2成分に対して0.2重量%以上含
有し、かつTgが70℃以上であるようなアクリレートまた
はメタクリレート重合体である。エポキシ基の重合体へ
の導入はエポキシ基含有単量体または重合体を、(メ
タ)アクリレート単量体または重合体に対し共重合、グ
ラフト重合、後処理するなど公知のいずれの方法をもっ
てもなしうる。A成分及び、B成分の重合体を構成する
単量体としては、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ステアリルメタクリレートなどのアルキルメ
タクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレー
トなどのアルキルアクリレート、ブトキシエチル(メ
タ)アクリレートなどのアルキルグリコール(メタ)ア
クリレート、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートなどがあげられる。Tgは、重合体の示差熱量分析
(DSC)、成形品の粘弾性測定によって求めることもで
きる。共重合体組成の場合は、それを構成する各々の単
量体の単独重合体のTgより、次式 (式中のTgnは各成分の単独重合体の絶対温度で表わし
たTg、Wnは各成分の重量分率を示し、従って、ΣWn=1
である。)によって推定することもできる。
この式で、共重合体のガラス転移温度Tgは絶対温度表
示で求められる。例えば、メチルメタクリレート(Tg=
380゜K)とn−ブチルアクリレート(Tg=216゜K)との
50対50の共重合体のTgは で算出できTg=275゜K(=2℃)となる。
B成分にエポキシ基を導入するためのエポキシ基含有
単量体又は、重合体の例としては、アリルグリシジルエ
ーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート、グリシジル−p−ビニルベンゾエート、メチル
グリシジルイタコネート、グリシジルエチルマレート、
グリシジルビニルスルホネート、グリシジル(メタ)ア
リルスルホネートなどの不飽和酸のグリシジルエステル
類、ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセン
モノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシヘキセン
などのエポキシオレフィン類などの単量体又はそれらを
重合して成る重合体があげられる。特にアリルグリシジ
ルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレートが好ましい。
エポキシ基を含有させる方法は限定されず、エポキシ
基含有重合体当り、0.2重量%以上のエポキシ基を含有
していればよい。
エポキシ基が0.2重量%未満では接着性が悪くなる。
また、A成分/(A成分+B成分)は重量比で、0.2
〜0.8でなければならない。0.2未満の場合には、接着剤
として使用したときの接着強度が改良されず、0.8を越
える場合は、接着剤組成物としたときの貯蔵安定性が悪
い。A成分のTgが20℃よりも高い場合は、硬化後の強度
が改良されない。B成分のTgが70℃よりも低い場合には
粉末の重合体を得るときに、粒子同志が融着し、微粉末
が得られなくなる。また、接着剤組成物としたときの貯
蔵安定性が極めて劣るものとなる。
A成分とB成分のより好ましい形態は、A成分がB成
分によって被覆されていることである。このような形態
の粒子を得るには、A成分のみを、乳化重合したのち
に、B成分の組成の単量体成分を仕込んで重合させ、乾
燥して微粉末を得る方法があげられる。また、A成分の
みを乳化重合したのちに、B成分の重合体を添加し、混
合したのちに乾燥して微粉末を得る方法があげられる。
さらに、A成分を重合したのち、B成分の重合体を溶剤
に溶解して添加し、しかるのちに溶剤を取り除き、乾燥
する方法があげられる。他の方法であっても生成した微
粉末が、A成分とB成分が所定の比率になっていれば本
発明の範囲を逸脱しない。
本発明に使用する粉末状重合体粒子がこのような形態
をしていることによって、擬似硬化性と、接着強度を大
巾に向上させることができる。
該粉末状重合体は、粒径が微細であることが必要であ
り、平均粒径が、50μ以下好ましくは、0.1〜5μであ
ることが望ましい。平均粒径が大きすぎる場合には、接
着性組成物となしたとき擬似硬化性が劣り、又被膜強度
がもろい性状を示し、細かすぎる場合には粉体性が悪
く、生産及び混合時に支障をきたす。好ましい基本粒径
のエポキシ基含有粉末状重合体を得るには乳化重合、微
細懸濁重合、懸濁重合が賞用される。重合反応後、水と
の分離には、噴霧乾燥、流動床乾燥、凝固脱水乾燥など
が、好ましく用いられる。基本平均粒径が、50μ以下で
あれば、粉末性を改善するために、弱い凝集状態を呈
し、見掛け上の粒径が粗大化されていてもよい。該エポ
キシ基含有粉末状重合体の分子量は高い方が望ましく、
平均分子量として30万以上であることが望ましい。これ
よりも分子量が低い場合には、接着組成物となしたとき
に、擬似硬化の被膜物性が劣り、不要部分を除去する際
に膜状に剥離することが困難となる。
該エポキシ基含有粉末状重合体は、液状エポキシ樹脂
に対し、10〜100重量%の範囲で使用できる。より好ま
しくは、30〜70重量%で使用できる。該エポキシ基含有
重合体の使用量が、10重量%より少ないときは、擬似硬
化性が不十分となり、もちろん、不要部分を剥離除去す
ることが不能となる。100重量%より多い場合は、本来
のエポキシの性能である。加熱硬化性能、接着性能な
ど、接着剤としての機能が不十分となり、また接着剤の
粘度が上り、塗布しにくくなる。
本発明に使用するエポキシ基含有粉末状重合体は、常
温ではエポキシ樹脂に不溶であるが、高温にした時に
は、容易にエポキシ樹脂に溶解するために、液状エポキ
シ樹脂を膨潤、吸収し被膜を形成すると考えられる。被
膜形成温度は、100℃では1分前後、120℃では30秒前後
で充分である。本硬化条件は使用するエポキシ樹脂、硬
化剤、硬化促進剤の組合せにより適当に設定できる。通
常は、予備加熱温度より20℃以上高い温度であることが
好ましい。
エポキシ基含有粉末重合体をエポキシ樹脂に混合する
方法としては、通常の混合機を用いてなしうる。例え
ば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、ディスパー、プラ
ネタリウム混合機などが使用できる。更になめらかなペ
ースト状とするためにインクロールで粉砕細粒化するこ
ともなしうる。混合されたエポキシ樹脂系接着性組成物
は、通常の方法、例えば、スプレー、シーラーガン、ハ
ケ塗り等の方法で被着すべき基板の上に塗布される。基
板は、一般には、金属であり、防錆油が付着していて
も、本組成物であれば、本硬化後、接着性を阻害するこ
とはない。本発明の接着組成物が塗布されたのち折曲
げ、接合などの加工を施し、100℃ないし180℃で予備加
熱を行ない擬似硬化を行わしめるが、加熱は生産コスト
や能率のため、低温短時間が望まれる。本発明の組成物
であれば、極めて短時間の加熱処理によっても硬化をな
し得るという利点がある。予備硬化した被膜は、適度の
柔軟性と強度を有し、基材を折曲げ、接合したるのちの
過剰部分を、容易に膜状に剥離することができる。この
性質は、自動車の外板の目地部の防錆処理において極め
て有用である。すなわち、自動車の外板は接着剤を塗装
後、折曲げ、接合などを行なったのち、金属地肌に付着
した防錆油を除去するために、脱脂洗浄を行ない、表面
活性処理、電着塗装を行なうが、接着剤が、擬似硬化さ
れていない場合は、脱脂洗浄や、表面活性処理、電着塗
装などの工程で接着剤の流出、飛散により作業環境や、
処理液を汚損するのみならず、本来の接着性までが損な
われてしまう。更に、折曲げ、接合の際、過剰の接着剤
が折曲げ部、接合部よりはみ出してしまうが、これを放
置すると、外観を著しく損なったり、次工程に支障をき
たす。特にペイントシーラーの塗布が不均一なものとな
るので、予め過剰部分は、剥離除去しておく必要があ
り、従って、剥離除去の工程で、容易に膜状に除去出来
ることは極めて重要な特性であると言える。
また、本発明に使用するエポキシ基含有粉末状重合体
は、本硬化時に、エポキシ樹脂用硬化材により、エポキ
シ樹脂とも反応し網目構造を形成すると共に、低いTgを
有した部分が、外部からの応力を吸収する働きをするの
で、接着強度を大巾に向上するという利点を有する。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明により、基材上に塗
布したのち基材を折曲げ、接合などの加工を施し、しか
るのちに短時間の加熱で、擬似硬化することができ、更
にこの硬化物が柔軟で、不要部分を容易に膜状に剥離除
去することのできる、接着性に優れたエポキシ樹脂系接
着性組成物を提供することができる。
(実施例) 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。なお、実施例及び比較例中の「部」及び
「%」はとくに断りのないかぎり重量基準である。
実施例1〜3,比較例1〜3 ビスフェノールAと、エピクロルヒドリンとの縮合物
で、分子量約380を有する液状エポキシ樹脂(油化シェ
ルエポキシ社製 エピコート828)100部及びジシアンジ
アミド5部、p−クロロフェニル−ジメチルウレア(ケ
ミカルカービス社製 モニュロン)3部、重質炭酸カル
シウム(白石工業社製 ホワイトンSB)50部、軽質炭酸
カルシウム20部(白石工業社製 白艶華CCR)を、混合
し、均一化した液状接着性エポキシ樹脂組成物を得た。
これを基準組成物Aとする。
一方、n−ブチルアクリレートを乳化重合し、ポリブ
チルアクリレートラテックスを得た。このものの反応率
は90%であった。このラテックスにメチルメタクリレー
トとグリシジルメタクリレートとを重量比で、90対10に
混合した単量体を、ポリn−ブチルアクリレートラテッ
クスの固形成分100重量部に対し、100重量部添加したの
ち重合を完結せしめ、しかるのちに噴霧乾燥して、基本
粒径0.2μのエポキシ基含有重合体を得た。この重合体
の二次転移点を示差熱量計で調べたところ、−55℃と10
2℃に転移による変曲点が観察された。この値は、各々
ポリブチルアクリレート及びポリ(メタクリレート/グ
リシジルメタクリレート)の重合体の理論的二次転移点
に近く、2成分から成る重合体粒子であることが確認さ
れた。平均分子量は200万であった。これをBとする。
標準組成物AにBを加え、均一化したのち、第1表に
示す実施例1〜3、比較例2〜3の組成物を作成し、比
較のため標準組成物Aだけのものを比較例1の組成物と
した。
これら組成物を鉄板表面に約2mm厚に塗布し、熱風オ
ーブン中で、鉄板表面温度が120℃に到達した後、1分
間保持して擬似硬化を行なわしめたのち、室温まで冷却
した。しかるのち、接着剤の表面状態を観察し、擬似硬
化の程度を、ベタツキ度合から以下の基準で判定した。
5:完全に乾燥 4:ほとんど乾燥 3:ややベタツキ 2:ベ
タツキ激しい 1:硬化せず 次に鉄板から剥離することにより、以下の基準で、剥
離性を測定した。
5:弾性があり膜状に容易に剥離できる。
4:やや粘着性が残るが、膜状に剥離できる。
3:弾性がなく剥離時に一部が残る。
2:硬化しているが、粘着性が強く、ボソボソ切れる。
1:固体になっていないので、剥離不能。
更に本硬化後の接着性能を接着剤を介した2枚の鉄板
を180℃で20分、加熱接着したときの、引張剪断接着強
さ(JIS K 6850)及び剥離強さ(JIS K 6854)を調べ
た。測定結果を第1表に示す。
本発明のエポキシ基含有重合体をエポキシ樹脂に対し
て、10部以上添加すれば、良好な擬似硬化性を示し、剥
離性も良好である。また本硬化後の接着性も良好であ
る。
実施例4〜7,比較例4〜6 本発明のエポキシ基含有粉末状重合体の効果を確認す
べく以下の重合体を作成した。
C−1: Bの重合体の作成方法で、n−ブチルアクリレ
ートの固形成分100重量部に対し、メタクリレート対グ
リシジルメタクリレートが90対10の混合単量体を20重量
部とする以外は同様にして作成した粉末重合体。
C−2: C−1の作成方法で、混合単量体を50重量部と
する以外は同様にして作成した粉末重合体。
C−3: C−1の作成方法で、混合単量体を300重量部
とする以外は、同様にして作成した粉末重合体。
C−4: C−1の作成方法で、混合単量体を500重量部
とする以外は、同様にして作成した粉末重合体。
D−1: Bの作成方法で、n−ブチルアクリレートをエ
チルメタクリレート対n−ブチルアクリレート比80対20
の混合物に置き替える以外は同様にして作成した粉末重
合体。
D−2: Bの作成方法で、ポリブチルアクリレートラテ
ックスに添加する混合単量体組成を、メチルメタクリレ
ート対n−ブチルアクリレート対グリジルメタクリレー
トを70対20対10重量比とする以外は同様に作成した粉末
重合体。
E: n−ブチルメタクリレート単独重合体ラテックスと
メチルメタクリレート対グリシジルメタクリレートを90
対10重量比で混合して乳化重合したラテックスとを固形
成分として、100対150重量比になるようにして均一に混
合したのち粉霧乾燥し、見掛け粒径が20μの粉末重合体
とした。
各々の重合体を標準組成物Aに対し、第2表の割合で
混合し、実施例1と同様な試験を行なった。その結果を
第2表に併記する。
本発明の組成物は、擬似硬化性、擬似硬化物の剥離除
去性が良好で接着強さも改善できていることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−150366(JP,A) 特開 昭62−297377(JP,A) 特開 昭61−211387(JP,A) 特開 昭61−261382(JP,A) 特開 平1−197721(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状のエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂用
    加熱活性型硬化剤を含むエポキシ樹脂系熱硬化性接着剤
    に、Tg(ガラス転移温度)が20℃以下のアクリレートま
    たはメタクリレート重合体の部分(A成分)と、エポキ
    シ基を0.2重量%以上含有しかつTgが70℃以上のアクリ
    レートまたはメタクリレート重合体の部分(B成分)か
    ら構成され、A成分/(A成分+B成分)が重量比で0.
    2〜0.8であるような粉末状重合体を液状エポキシ樹脂成
    分に対して10〜100重量%混合して成ることを特徴とす
    る擬似硬化性、剥離除去性及び接着性に優れたエポキシ
    樹脂系接着性組成物。
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