JP3297354B2 - 構造用エポキシ系接着剤組成物 - Google Patents

構造用エポキシ系接着剤組成物

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JP3297354B2
JP3297354B2 JP22414697A JP22414697A JP3297354B2 JP 3297354 B2 JP3297354 B2 JP 3297354B2 JP 22414697 A JP22414697 A JP 22414697A JP 22414697 A JP22414697 A JP 22414697A JP 3297354 B2 JP3297354 B2 JP 3297354B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、産業用車両
等の車体の構造接着に使用する構造用エポキシ系接着剤
組成物に関するものであり、特に、車体のドア等のヘミ
ング構造部に使用する構造用エポキシ系接着剤組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレス成形された鋼板から車体を組立て
る車体組立工程において、ドア、フード、トランクリッ
ド等のヘミング構造部の組立に使用する接着剤組成物と
しては、油面鋼板への接着性、後の電着塗装工程におけ
る塗膜の焼付乾燥炉での硬化性、防錆性及び柔軟性等に
優れている点から、エポキシ樹脂を主剤とする熱硬化形
の組成物が一般に使用されている。
【0003】このエポキシ系接着剤組成物は、一般に、
エポキシ樹脂と、ジシアンジアミド等の加熱活性形の硬
化剤と、炭酸カルシウム等の充填剤とを基本成分とし、
反応性希釈剤或いは溶剤等により適度な粘度或いは稠度
に調整して形成されている。このようなエポキシ系接着
剤組成物を使用して、例えば、ドア等のヘミング構造部
を組立てる場合は、具体的に次のようになされる。即
ち、この接着剤組成物をシーラーガン等のノズルからの
吐出等によって、予め周縁が直角状に折り曲げられてフ
ランジ状にヘム部(折り曲げ縁)が形成されたアウタパ
ネルのインナパネルとの接合部に塗付し、そこにインナ
パネルの周縁の接合部を重ね合わせてセットし、そのイ
ンナパネルの上にアウタパネルのヘム部を折り重ねてプ
レスする(ヘミング加工)。そして、アウタパネルとイ
ンナパネルとの間に相互のズレ或いは捩れが生じないよ
う両パネルを仮止めした後、このヘミング構造部を有す
る組立体は、車体本体に組付けられ、脱脂、水洗、化成
処理等の前処理が施され、次いで、電着塗装が施される
が、その接合部間の接着剤組成物は、この電着塗装塗膜
の焼付乾燥炉で合わせて焼付硬化され、それによって最
終的に接着接合されたヘミング構造部が形成される。
【0004】ところで、この電着塗装塗膜の焼付乾燥工
程前の初期取扱い中でのアウタパネルとインナパネルと
の相互の変位を防止するための仮止め手段としては、ヘ
ミング加工後のヘム部に電極を押当てて、そのヘム部と
インナパネルとの間を何箇所かスポット溶接するスポッ
ト溶接法が従来から一般的である。ただし、この方法で
は、特にパネルがメッキ鋼板からなる場合、熱歪による
その電極の跡がヘム部に形成される傾向がある。そこ
で、近年では、これとは別に、両パネルの接合部間に充
填された接着剤組成物を予備加熱(プレヒート)して予
備硬化(プレキュア)させ、それによって両パネルを仮
止めする方法、即ち、プレキュア法がなされている。こ
こで、この予備加熱は、高周波誘導加熱装置によって、
或いは、ノズルから加熱されたホットエアを吹きつける
ことによって急激になされる。
【0005】なお、この種のヘミング構造部等に使用す
る構造用接着剤組成物としては、所謂、疑似硬化(プレ
ゲル化)形の接着剤組成物が知られている。これは、エ
ポキシ樹脂組成物に、常温ではエポキシ樹脂に不溶であ
るが、高温でエポキシ樹脂に溶解し、それを疑似硬化さ
せる粉末状の溶解性重合体を混合して、比較的低温で短
時間の予備加熱で疑似硬化させて仮止めできるようにし
たものであり、例えば、特開昭62−297377号公
報には、エポキシ樹脂組成物にアクリルまたはメタクリ
ル系重合体の粉末を混合したものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、車体のド
ア等のヘミング構造部等に使用する構造用接着剤組成物
としては、従来から一般に、エポキシ樹脂を主剤成分と
する組成物が使用されている。
【0007】しかしながら、このエポキシ系接着剤組成
物は、反応性が高く、加熱によって発泡し易い傾向があ
り、特に、プレキュア法によって仮止めがなされる場
合、短時間で高温まで急激に加熱される予備加熱によっ
て、予備硬化された接着剤組成物層の内部には、しばし
ば発泡が見られた。この接着剤組成物層内部の発泡は、
接着力を低下させ、また防錆性を悪化させる等、好まし
くないものである。
【0008】そこで、本発明は、予備加熱時の発泡を防
ぐことができる構造用エポキシ系接着剤組成物の提供を
課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる構造用
エポキシ系接着剤組成物は、エポキシ樹脂と、前記エポ
キシ樹脂100重量部に対して6〜10重量部の硬化剤
としてのジシアンジアミドと、前記エポキシ樹脂100
重量部に対して4重量部の硬化反応促進剤としての3−
(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレ
アと、前記エポキシ樹脂100重量部に対して80重量
部の充填剤としての炭酸カルシウムと、前記エポキシ樹
脂100重量部に対して20重量部の反応性希釈剤とし
ての1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
と、前記エポキシ樹脂100重量部に対し2〜10重
量部の繊維径3〜30μm、繊維長50〜300μmの
ポリエチレン繊維とを含むものである。
【0010】このように、構造用エポキシ系接着剤組成
物は、エポキシ樹脂と、硬化剤としてのジシアンジアミ
ドと、硬化反応促進剤としての3−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1,1−ジメチルウレアと、充填剤として
の炭酸カルシウムと、反応性希釈剤としての1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテルと、繊維径3〜3
0μm、繊維長50〜300μmのポリエチレン繊維と
を含むことによって、短時間の予備加熱で予備硬化させ
ることができ、ポリエチレン繊維としては主にその分散
性及びこれを配合した組成物の流動性(塗布性、作業
性)等の点から繊維径3〜30μm、繊維長50〜30
0μmのものが用いられる。
【0011】このように、この構造用エポキシ系接着剤
組成物は、エポキシ樹脂と、その硬化剤と、充填剤とに
加えて、ポリエチレン繊維を、エポキシ樹脂100重量
部に対して2.0〜10重量部の割合で含むので、後述
の試験結果からも明らかなように、予備加熱時の発泡を
防ぐことができる。
【0012】なお、この理由については、ポリエチレン
繊維が接着剤組成物の組織強度を高めると共に、そのポ
リエチレン繊維は熱可塑性樹脂であり、加熱によりその
熱を吸収して軟化溶融する性質を有するため、予備加熱
時に接着剤組成物層内部の温度が上昇するとその熱を奪
って軟化溶融し、組成物層内部の温度が急激に上昇する
ことを防ぐためであると考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この構造用エポキシ系接着
剤組成物について、更に詳細に説明する。
【0014】上記のように、本発明にかかる構造用エポ
キシ系接着剤組成物は、エポキシ樹脂と、その硬化剤
と、充填剤と、ポリエチレン繊維とを基本成分とする。
【0015】ここで、主剤成分であるエポキシ樹脂とし
ては、この種の組成物において使用されている任意のも
のを使用することができ、例えば、ビスフェノールA、
ビスフェノールF等のグリシジルエーテル形、グリシジ
ルエステル形、グリシジルアミン形、線状脂肪族エポキ
サイド形、脂環式エポキサイド形、及び、ノボラック形
等のエポキシ樹脂を挙げることができ、これらを単独で
または2種以上を組合せて使用することができる。ただ
し、これらの中でも、一般に、硬化した接着剤組成物に
適度な強度と柔軟性を付与する点からは、汎用エポキシ
樹脂であり、硬化した際に特に硬さを付与するビスフェ
ノールAグリシジルエーテル形エポキシ樹脂を、特に強
靱性に優れるウレタン変性グリシジルエーテル形エポキ
シ樹脂と、特に柔軟性(可撓性)に優れるゴム変性グリ
シジルエーテル形エポキシ樹脂と併せて使用することが
好ましい。
【0016】このようなエポキシ樹脂に対する硬化剤と
しては、この種の加熱活性形の共反応性(多官能性)硬
化剤或いは触媒性硬化剤(硬化触媒)として知られた任
意のものを使用することができ、例えば、ジシアンジア
ミド(DICY)、イソフタル酸ジヒドラジド等の有機
酸ジヒドラジド、ジアミノジフェニルスルホン(DD
S)等のポリアミン、N.N’−ジアルキルチオ尿素誘
導体、2−n−ペンタデシルイミダゾール等のイミダゾ
ール誘導体等を使用することができる。これらは、使用
するエポキシ樹脂及び硬化条件等に応じて適宜配合する
ことができるが、一般にエポキシ樹脂100重量部に対
して約1〜15重量部、好ましくは6〜10重量部の割
合で配合することができる。なお、短時間の予備加熱で
予備硬化させるためには、このような硬化剤によるエポ
キシ樹脂の硬化反応の促進剤(触媒)として、例えば、
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル
ウレア等を併用することが好ましい。
【0017】そして、本発明の構造用エポキシ系接着剤
組成物においては、予備加熱時の発泡を防ぐために、ポ
リエチレン繊維を配合する。
【0018】このポリエチレン繊維としては、コーティ
ング剤等においてタレ止め剤として一般に使用されてい
るものを使用することができる。具体的には、主にその
分散性及びこれを配合した組成物の流動性(塗付性、作
業性)等の点から、繊維径0.5〜50μm程度、繊維
長3.0〜500μm程度のものを使用することがで
き、繊維径3.0〜30μm程度、繊維長50〜300
μm程度のものがより好ましい。そして、このポリエチ
レン繊維によれば、予備加熱時の発泡を防ぐことができ
るだけでなく、タレ止め性も向上することができる。な
お、このタレ止め性の点からは、端部が綿状にほぐれて
フィブリル化したものを使用することが特に好ましい。
【0019】そして、このようなポリエチレン繊維は、
エポキシ樹脂100重量部に対して2.0〜10重量部
の割合で配合することができる。この配合が余り少な
く、エポキシ樹脂100重量部に対して2.0重量部よ
りも少ないと、予備加熱時の発泡を防ぐ効果が十分に得
られない。また、発泡を防ぐためには、この配合は多い
ほど好ましいが、余り多すぎてもその効果は頭打ち状態
となるだけでなく、却って硬化した接着剤組成物の剪断
強度を低下させる傾向もみられる。そのため、エポキシ
樹脂100重量部に対して10重量部より少ない割合が
好ましい。より好ましい配合割合は、エポキシ樹脂10
0重量部に対して3.0〜8.5重量部である。
【0020】以上の成分の他に、本発明のエポキシ系接
着剤組成物には、疑似硬化性を付与するために、常温で
はエポキシ樹脂に不溶であるが、高温でエポキシ樹脂に
溶解し、疑似硬化させる粉末状の重合体、例えば、アク
リル系またはメタクリル系重合体、ポリ塩化ビニル、ポ
リアミド、エチルセルロース、ポリビニルホルマール、
ポリビニルブチラール等の熱可塑性の重合体(溶解性重
合体)の粉末を適宜混合することができる。また、従来
と同様に、コロイダルシリカ、コロイダル炭酸カルシウ
ム等のチキソ剤(増粘剤)、重質炭酸カルシウム、タル
ク、アルミナ、クレー、シリカ、アルミニウム粉等の金
属粉、及び無機繊維等の充填剤、着色顔料、可塑剤、反
応性希釈剤、可撓性付与剤、安定剤、溶剤、及びその他
の添加剤等を必要に応じて適宜添加することができる。
【0021】そして、このような成分からなり、適度な
粘度(稠度)に調整された構造用エポキシ系接着剤組成
物は、例えば、車体のドア等のヘミング構造部の組立等
に使用することができる。具体的には、この接着剤組成
物を用いたヘミング構造部の組立は一般に次のようにな
される。即ち、予め周縁を直角状に折曲げてフランジ状
にヘム部を形成したアウタパネルのインナパネルとの接
合部に、この接着剤組成物を、通常の塗付方法、例え
ば、シーラーガン等のノズルからの吐出等によってビー
ド状に塗付し、そのアウタパネルの接合部にインナパネ
ルの周縁の接合部を重ね合わせてセットし、その上にヘ
ム部をプレスして折り重ねる(ヘミング加工)。これに
よって、接着剤組成物は両パネルの接合部間に充填され
る。その後直ちに予備加熱(プレヒート)してその接着
剤組成物を予備硬化(プレキュア)させ、それによっ
て、両パネルを仮止めする。次いで、その後に施された
電着塗装塗膜の焼付乾燥時にその接着剤組成物を完全に
硬化させ、接合部間を最終的に結合する。ここで、予備
加熱は、一般に、高周波誘導加熱装置によって、また
は、送風ブロアと連結したヒータノズルからホットエア
を吹付けることによって、急激に、例えば、約30秒程
度で、接着剤組成物の加熱面(熱が加えられる表面)を
200〜250℃程度に昇温するが、本発明の接着剤組
成物によれば、この外部から加えられる熱と、それによ
るエポキシ樹脂の硬化反応によって内部で生じる熱とに
より急激に組成物層の内部の温度が上昇するのを、ポリ
エチレン繊維が軟化溶融する際にその熱を奪うことによ
って抑え、それによって発泡を防ぐことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施の形態を実施例及び比
較例により、更に、具体的に説明する。
【0023】図1は本発明の一実施の形態の実施例及び
比較例の構造用エポキシ系接着剤組成物の配合組成と、
評価試験の結果とを示す表図である。
【0024】〔構造用エポキシ系接着剤組成物の調製〕
図1に示す配合組成(重量部)で、実施例1乃至実施例
3の構造用エポキシ系接着剤組成物を次のように調製し
た。また、これらの実施例との対比のために、比較例1
乃至比較例3の構造用エポキシ系接着剤組成物も合わせ
て調製した。なお、これらの接着剤組成物は、車体のド
ア等のヘミング構造部に使用される構造用接着剤組成物
(ヘミング用接着剤組成物)として具体化したものであ
る。
【0025】ここで、主剤成分としてのエポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールAグリシジルエーテル形エポキ
シ樹脂(『EP4100E』旭電化工業(株)製/エポ
キシ当量180〜200)と、ウレタン変性グリシジル
エーテル形エポキシ樹脂(『EPU−73』旭電化工業
(株)製/エポキシ当量220〜250)と、ゴム変性
グリシジルエーテル形エポキシ樹脂(『EP−402
4』旭電化工業(株)製/エポキシ当量220〜26
0)とを、重量比で50:40:10の割合で併用し
た。
【0026】また、このようなエポキシ樹脂に対する硬
化剤としては、ジシアンジアミド(『CG1400』エ
ーシーアイジャパン(株)製)と、その硬化促進剤であ
る3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチ
ルウレア(『DCMU』保土谷化学(株)製)とを、重
量比で2:1の割合で使用した。
【0027】充填剤としては、炭酸カルシウム(『NC
O#45』日東粉化(株)製)を使用した。更に、反応
性希釈剤として1,6−ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル(『ED503』旭電化工業(株)製)を使用
し、また実施例1及び実施例2、比較例2及び比較例3
では、チキソ剤としてコロイダルシリカ(『TS72
0』CABOT Corporation製)を使用し
た。
【0028】そして、ポリエチレン繊維としては、繊維
径10〜20μm、繊維長100μmのポリエチレン繊
維(『EDSS−5』三井石油化学(株)製)を使用し
た。なお、このポリエチレン繊維は、端部がほぐれて綿
状になっているものである(綿状繊維の繊維径2μ
m)。
【0029】〈実施例1〉上記のエポキシ樹脂100重
量部と、ジシアンジアミド8重量部と、3−(3,4−
ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア4重量部
と、炭酸カルシウム80重量部と、1,6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテル20重量部と、コロイダル
シリカ8重量部と、更にポリエチレン繊維2.0重量部
とをニーダに入れ、常温下で均一に混合されるまで攪拌
することによって実施例1の構造用エポキシ系接着剤組
成物を調製した。
【0030】〈実施例2〉実施例1におけるポリエチレ
ン繊維の配合を多くして3.0重量部とし、その分コロ
イダルシリカの配合を少なくして7重量部とし、後は実
施例1と同様にして調製した。
【0031】〈実施例3〉実施例1及び実施例2におけ
るポリエチレン繊維の配合を更に多くして10重量部と
し、コロイダルシリカを無配合として調製した。
【0032】〈比較例1〉上記実施例におけるポリエチ
レン繊維の配合を更に多くして15重量部とし、コロイ
ダルシリカを無配合として調製した。
【0033】〈比較例2〉上記実施例におけるポリエチ
レン繊維の配合を少なくして1.0重量部とし、コロイ
ダルシリカの配合を9重量部として調製した。
【0034】〈比較例3〉ポリエチレン繊維を無配合と
し、コロイダルシリカの配合を10重量部として、後は
上記実施例及び比較例と同様にして調製した。
【0035】〔評価試験〕次に、上記のようにして得た
実施例及び比較例の構造用エポキシ系接着剤組成物につ
いて、それらの急激に加熱された場合の発泡の有無(急
加熱発泡性)及び剪断強度に関する評価試験を行った。
【0036】〈急加熱発泡性〉試験用パネルとして、2
5×100×厚さ1mmの鋼板を用意した。そして、こ
の試験用パネルに、実施例及び比較例の各構造用エポキ
シ系接着剤組成物を、10×50×厚さ5mmのビード
状にそれぞれ塗付し、次いで、一般的な車体のドア等の
ヘミング構造部の形成における仮止めのための予備加熱
と同じ加熱条件で、即ち、この試験用パネルを高周波誘
導加熱装置にセットして30秒で230℃まで急激に加
熱し、予備硬化させた。
【0037】こうして形成された実施例及び比較例の予
備硬化した接着剤組成物層をカッターを用いて一部切取
り、その断面の発泡の有無を目視にて詳細に観察し、急
加熱発泡性を評価した。なお、この急加熱発泡性の評価
は次の基準で行った。 ○:発泡なし。 ×:発泡が僅かでも認められる。
【0038】〈剪断強度〉実施例及び比較例の各構造用
エポキシ系接着剤組成物を用いて接着試験体をそれぞれ
作製し、次いで引っ張り剪断接着強度試験を行って剪断
強度(剪断接着強度)を測定した。
【0039】即ち、試験用パネルとして、25×100
×厚さ1.6mmの鋼板を2枚1組として用意した。そ
して、その一方に、長手方向一端部から10mmの長さ
範囲に亘って、実施例及び比較例の各接着剤組成物を厚
さ0.15mmでそれぞれ塗付した後、その接着剤組成
物塗付面にもう一方のパネルの一端部を重ね、両パネル
を直線状に接着した(両パネルの接合部間の接着剤層:
25×100×厚さ0.15mm)。次いで、一般的な
車体の電着塗装塗膜の焼付と同じ加熱条件で、即ち、1
80℃×20分間の加熱条件で加熱硬化させ、完全に硬
化した接着剤組成物層を介して接合された接着試験体を
作製した。この接着試験体の両端を、引張り試験機(島
津製作所製)を用い、10mm/分の引張り速度で長手
方向に引張り、剪断強度を測定した。
【0040】実施例及び比較例の各構造用エポキシ系接
着剤組成物について、試験した急加熱発泡性及び剪断強
度(MPa )を図1に示す。
【0041】〔試験結果〕図1のように、ポリエチレン
繊維をエポキシ樹脂100重量部に対して2.0〜10
重量部の割合で用いた実施例1乃至実施例3では、急加
熱発泡性に優れ、短時間で急激に加熱する一般的な車体
のヘミング部の予備加熱条件で加熱した場合にも、その
予備硬化された接着剤組成物層の内部に発泡は認められ
ていない。また、一般的な車体の電着塗装の焼付条件で
加熱し、完全に硬化させた後の剪断強度は高く、十分な
値が得られている。そして、この効果は比較例との対比
からより明らかである。
【0042】即ち、比較例3は、ポリエチレン繊維を含
まないものであるが、これは急加熱発泡性に劣り、予備
加熱条件で予備硬化された接着剤組成物層の内部には発
泡が認められる。また、ポリエチレン繊維を、エポキシ
樹脂100重量部に対して1.0重量部とした比較例2
においても、予備硬化された接着剤組成物層の内部には
発泡が認められ、急加熱発泡性が十分ではない。
【0043】一方、比較例1は、ポリエチレン繊維をよ
り多く、エポキシ樹脂100重量部に対して15重量部
の割合で配合したものであるが、これによれば、実施例
と同様に、急加熱発泡性に優れ、予備加熱条件で予備硬
化された接着剤組成物層の内部に発泡は認められない
が、最終硬化後の剪断強度が低下している。
【0044】そこで、この評価試験の結果からも、エポ
キシ樹脂と、そのエポキシ樹脂に対する硬化剤と、充填
剤と、そのエポキシ樹脂100重量部に対し2.0〜1
0重量部のポリエチレン繊維とを含むことによって、短
時間で高温まで急激に加熱する予備加熱時の発泡を防ぐ
ことができ、しかも、十分な剪断強度を維持できること
が分かる。
【0045】ところで、実施例として、車体のドア等の
ヘミング構造部の組立に使用される構造用接着剤組成物
として具体化した例について説明したが、本発明を実施
する場合には、この例に限定されるものではなく、エポ
キシ樹脂、硬化剤、充填剤、ポリエチレン繊維及びその
他の成分の種類と配合は種々に変更することができる。
また、その接着剤組成物は、ヘミング構造部だけでな
く、その他の車体の骨格部材、パネル等の接合に用いる
構造用接着剤組成物としても好適に適用することができ
る。
【0046】
【発明の効果】以上のように、請求項1にかかる構造用
エポキシ系接着剤組成物は、エポキシ樹脂と、前記エポ
キシ樹脂100重量部に対して6〜10重量部の硬化剤
としてのジシアンジアミドと、前記エポキシ樹脂100
重量部に対して4重量部の硬化反応促進剤としての3−
(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレ
アと、前記エポキシ樹脂100重量部に対して80重量
部の充填剤としての炭酸カルシウムと、前記エポキシ樹
脂100重量部に対して20重量部の反応性希釈剤とし
ての1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル
と、前記エポキシ樹脂100重量部に対し2〜10重
量部の繊維径3〜30μm、繊維長50〜300μmの
ポリエチレン繊維とを含むものである。
【0047】したがって、この構造用エポキシ系接着剤
組成物によれば、ポリエチレン繊維が、エポキシ樹脂1
00重量部に対して2.0〜10重量部の割合で含まれ
ているので、予備加熱時の発泡を有効に防ぐことができ
る効果がある。しかも、硬化後の剪断接着強度に影響を
及すことなく十分な剪断接着強度を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施の形態の実施例及び比
較例の構造用エポキシ系接着剤組成物の配合組成(重量
部)と、評価試験の結果とを示す表図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−59975(JP,A) 特開 平1−221477(JP,A) 特開 平10−251607(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 163/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂と、 前記エポキシ樹脂100重量部に対して6〜10重量部
    の硬化剤としてのジシアンジアミドと、 前記エポキシ樹脂100重量部に対して4重量部の硬化
    反応促進剤としての3−(3,4−ジクロロフェニル)
    −1,1−ジメチルウレアと、 前記エポキシ樹脂100重量部に対して80重量部の充
    填剤としての炭酸カルシウムと、 前記エポキシ樹脂100重量部に対して20重量部の反
    応性希釈剤としての1,6−ヘキサンジオールジグリシ
    ジルエーテルと、 前記エポキシ樹脂100重量部に対し2〜10重量部
    繊維径3〜30μm、繊維長50〜300μmのポリ
    エチレン繊維とを含むことを特徴とする構造用エポキシ
    系接着剤組成物。
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