JPH07117B2 - ストリング - Google Patents

ストリング

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JPH07117B2
JPH07117B2 JP2025533A JP2553390A JPH07117B2 JP H07117 B2 JPH07117 B2 JP H07117B2 JP 2025533 A JP2025533 A JP 2025533A JP 2553390 A JP2553390 A JP 2553390A JP H07117 B2 JPH07117 B2 JP H07117B2
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豊 安西
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、弾性率および粘弾性の性能向上の外、直線お
よび結節の強度、耐摩擦性、酸化防止性に優れた性能を
有するラケット用Cストリングに関する。
従来の技術 現在のラケット用ストリングはその大部分が硬式テニス
用として使用されている。古来、硬式テニス用には天然
シープガットが使用され、その打球感が最高とされて来
た。合成高分子のモノフィラメントとして主にポリアミ
ド樹脂がこの分野に応用されるようになって、低価格、
高強力などのメリットが徐々に向上し、現在ではラケッ
ト用ストリングの大部分が主にポリアミドを素材とする
ストリングになって来ている。然し、この最近のポリア
ミドモノフィラメントを使用したストリングの品質向上
の原因は、強力と伸度との向上に起因するものである
が、未だ天然シープの高弾性率と粘弾性には及んでいな
い。また、使用素材として以前からナイロン6のホモポ
リマーが主に使われていたが、溶融ストランドの冷却の
水冷式で作ったものでは強力が出難く、高弾性率を得る
ために溶剤により冷却する方法では、公害・工程管理、
コストなどに難点があり、それで、ナイロン6とナイロ
ン66との共重合品を使うようになり、強力・伸度共にや
や向上して来たが、適切な共重合比、極限粘度、紡糸工
程を把握・選択していなかったため、弾性率の向上に乏
しく、応力緩和は悪化し、融点の低下もあって、耐摩擦
性能は低下した。原糸モノフィラメントの紡糸工程に就
いては、第一延伸槽の熱源として熱風、温水(水溶性溶
剤含有も含む)、常圧スチーム、高圧スチーム、遠赤外
線などを使うことは公知であるが、従来の設備では殆ん
どが熱風あるいは温水が使われていた。
ラケット用ストリングはラケットに張設後張力が弛緩す
ることが非常に敬遠されるので、共重合品は不利な点が
存在していた。
ナイロン6と66との共重合品の共重合比は、従来85:15
に限定され、極限粘度も3.5と4.5とに限定されていた。
それを本発明者は、以前、ナイロン6のホモポリマーを
用いて水冷式で作ったものよりも、共重合比が95:5で極
限粘度を3.2にした樹脂を使って、水冷式で、伸度の向
上した原糸モノフィラメントを得ていた。しかし、これ
でも強力が不足であった。その後市場にはナイロン66が
20%の品種も上場されたが弾性率が低く、ラケット用ス
トリングには不向きである。ナイロン66が15%で高粘度
品(粘度4.5)のモノフィラメントは伸度の増加は得ら
れるが、ヤング率が低下し応力緩和が増大する。これも
同様にラケット用ストリングには不向きであった。
通常ラケット用ストリングは、0.8〜1.0mmの芯糸の外周
に約0.16mmの巻糸をスパイラル状に一重または二重に巻
着するが、大抵の場合、この表面の耐摩擦性を向上して
ストリングを保護するために、約0.02mmの厚さにポリア
ミド樹脂などを被覆するのであるが、この被覆樹脂中に
無機・有機あるいは他樹脂を添加することが数多く試み
られ耐摩耗性を上げることのみが検討された。しかし、
相溶性のある物は皆無で、有効な物は見当たらなかっ
た。まして、粘弾性の向上に貢献できる添加物の使用は
現在迄に全く存在しなかった。これは、ラケット用スト
リングの10数%の容積を占める被覆樹脂についての研究
開発が等閑にされていたものである。
発明が解決しようとする課題 本発明はこのような課題を解決するもので、ストリング
の弾性率および粘弾性を向上させ、また耐摩耗性、酸化
防止性などを向上させるようにすることを目的とするも
のである。
課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明は、ポリアミド繊維に
より形成されるストリングの表面を、ポリメタキシレン
ジアミド (融点248℃、吸水率2.0%)を20%以上含有した極限粘
度が1.0〜3.3のポリアミド樹脂で被覆してなるものであ
る。
作用 上記のように、ポリアミドのラケット用ストリングを製
造することについて、ストリング表面を前記のポリメタ
キシレンジアミドで被覆することにより、弾性率および
粘弾性の向上、耐摩耗性の向上、酸素バリヤー性による
ストリングの酸化劣化防止、応力緩和防止、吸水性減少
の諸特性を得ることができる。
実施例 以下、本発明の一実施例について、図面に基づいて説明
する。
第1図および第2図において、1は芯糸、2はこの芯糸
1の表面に巻装された多数本の巻糸、3はストリングの
表面を被覆する樹脂である。ラケット用ストリングは芯
糸、巻糸ともにモノフィラメントあるいはマルチフィラ
メントを使用するが、現在のストリングの大部分が芯
糸、巻糸ともにモノフィラメントを使用することが多い
ので、以下にこのモノフィラメントを使用した場合につ
いて説明する。
実施例における芯糸1は直径0.94mm、巻糸2は0.16mmを
21本使用した。巻着後の仕上がり直径は1.26mmとした。
また、原糸モノフィラメントに使用する樹脂は次の通り
である。
実施例 ナイロン6:66=92:8 粘度3.7 比較例A ナイロン6ホモポリマー、粘度3.2 比較例B ナイロン6:66=95:5 粘度3.2 比較例C ナイロン6:66=85:15 粘度4.4 これら実施例および比較例A〜Cの特性を第1表に示
す。
上記第2表はラケット用ストリングにしたときの特性を
示す測定値である。緩和弾性率はストリングを引張試験
機に掛け、25℃、RH65%で伸長を20%に保持して48時間
後の強力の低下率を測定した。
上記第3表はストリングの表面を被覆する樹脂であるポ
リメタキシレンジアミドの効果を示す測定値である。こ
の表において耐摩擦性の測定は第3図に示す方法で行な
った。第3図において、まず前後両端部上面に溝4と突
条部5を適当間隔おきに有する台盤6上において溝4内
および突条部5上で前後間にそれぞれストリング7…を
11本張設する。この各ストリング7に対して直交するよ
うにストリング8を位置せしめ、このストリング8を前
記溝4内に位置するストリング7の下を通らせ、突条部
5上のストリング7の上を通らせる。前記溝4の底面と
突条部5の上面との高低差を5mmとし、また前記ストリ
ング7の張設長さを20cmとする。また、前記各ストリン
グ7の張力は70ポンドでウェイトシャフトなどにより調
整し、前記ストリング8の一端に3kgのウェイト9を取
り付けて荷重を掛け、他端側をモータ10に取り付けたア
ーム11の先端に途中にカウンター12を介在させて連結し
ておく。この状態でモータ10によりアーム11を1回/秒
で回転させてストリング8を振幅40cmで引張動作を繰り
返す。このようにしてストリング8とストリング7を摩
擦させ、ストリング7が1本でも切れたときの引張回数
を読む。また、第3表において結節強力低下率は空気酸
化による耐酸化性の良否によって決定される。そこで、
耐酸化性については、試料のストリングを熱風乾燥機中
に無緊張状態で30℃で120時間放置後、温度20℃,RH65%
で48時間調湿して結節強力の測定を行ない、ポリメタキ
シレンジアミドの酸素バリヤー性を見た。初期ヤング率
の測定はJIS-L1013に準拠した。
さらに各表について詳細に述べると、第1表の原糸モノ
フィラメントは、ナイロン6のホモポリマーでは強力が
出難い。応力緩和では利点があるとは言え、ラケット用
ストリングでは強力が第一義になるとが多いので現在の
強度レベルには達しない。ナイロン66が5%のものは応
力緩和が少し増加するが、弾性率の改善が見られる。し
かしこれも未だストリングとしては強度的に不足であっ
た。比較例Cのナイロン66が15%になると伸度は出易い
が初期ヤング率が低下する。これは融点の低下とともに
発生する不可避な現象であり、応力緩和に著しく影響し
て好ましくない。
初期ヤング率と融点との間には密接な関係があるが、ナ
イロン6と66との共重合では、ナイロン66が5%の融点
はナイロン6のホモポリマーより約8℃低下し、15%の
融点は35℃低下して、ナイロン66が10%を超えるとその
低下率は急増するようであり、約10%までが好ましい。
通常、ポリアミドモノフィラメントにおいては、極限粘
度が3.4以下では弾性率が低く、4.4以上では強力は出る
が伸度が伴わない。この中間の共重合比と極限粘度との
関係を管理することは一般的な用途には必要がなく、現
在迄全く顧みられなかったが、ラケット用ストリングに
おいてはポリアミド樹脂の従来品種では代用することが
不可能であることが判りこの改善を実施した。
第2表は第1表の原糸モノフィラメントを試用したラケ
ット用ストリングの特性を示すものであり、比較例Aは
緩和弾性増加率では他よりやや良いが、強力が出難いの
が最大の欠点であり、比較例Bは緩和弾性率の増加は僅
かにとどまっているのみであるが、未だ強力に乏しく、
比較例Cは強力はやや向上しているものの緩和弾性増加
率が大きく、ストリングをラケットに張設後、ストリン
グに緩みが出て最適張力を保つ期間が短く、プレーヤー
から非常に嫌われる品質である。
クリープ特性は、ラケットにストリングを張設する場合
は実際的ではないので、応力緩和について測定をした。
因みに、天然シープガットの弾性率は約235位である。
第3表はポリメタキシレンジアミドをストリングの表面
被覆樹脂として試用した結果であるが、融点がナイロン
6より高く、表面硬度も高い樹脂であるため摩擦に対し
て良好な結果を示し、緩和弾性率も改善し、共重合ポリ
アミドの緩和弾性増加を充分に補い、初期ヤング率も上
がり、より優れた効果をあげている。ストリングの劣化
は結節強力に顕著に現れるものであるので、酸素バリヤ
ー性による酸化防止性は結節強力によって測定したが、
ラケットのスイングなどによる空気接触の激しいストリ
ングに対しては有効であることが判然と認められる。
本発明のナイロン6と66とは既知の製法によって製造さ
れるもので、カプロラクタム、アジピン酸、ヘキサメチ
レンジアミンなどが主成分として使用される。また、数
%以内の範囲において、これらと共重合し得るもの、あ
るいはグラフト重合し得るものを含有させることも可能
である。例えば、カルボン酸やアミン類を含有するもの
で、カプロラクタムや、アジピン酸、ヘキサメチレンジ
アミンなどと共重合し得るもの、あるいはその重合物が
相溶し得るものを添加することもできる。
また、芯糸がポリエステルなどのポリアミド以外の物質
でできている場合にも本発明を適用することができる。
なお、以上の説明ではラケット用ストリングに実施した
場合を述べているが、釣り糸用のストリングに実施して
も同様の効果が得られることは言う迄もない。
発明の効果 以上のように本発明によれば、ポリメタキシレンジアミ
ド樹脂をポリアミド繊維により形成されるストリング表
面に被覆することにより、ポリアミド樹脂の粘弾性を向
上させ、ラケット用ストリングとしての弾性率および粘
弾性、直線および結節の強度、耐摩耗性、酸化防止性な
どの諸特性を向上させて、高品質のラケット用ストリン
グを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるストリングの斜視
図、第2図は同断面図、第3図は耐摩擦性の測定方法を
示す斜視図である。 1……芯糸、2……巻糸、3……樹脂。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド繊維により形成されるストリン
    グの表面を、ポリメタキシレンジアミドを20%以上含有
    した極限粘度が1.0〜3.3のポリアミド樹脂で被覆してな
    るストリング。
JP2025533A 1990-02-05 1990-02-05 ストリング Expired - Lifetime JPH07117B2 (ja)

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JPH03228780A JPH03228780A (ja) 1991-10-09
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JPH03106382A (ja) * 1989-09-20 1991-05-02 Toray Monofilament Co Ltd 合成樹脂製ガット

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