JPH01272821A - 耐屈曲性改良ポリオキシメチレン超延伸線条体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、耐屈曲性改良ポリオキシメチレン超延伸線条
体く関する。更に詳しくは、超延伸線条体を曲げた後の
引張強力低下の少ない耐屈曲性の改良されたポリオキシ
メチレン超延伸線条体に関するものである。

□ポリオキシメチレンはポリアセタールとモｆｆばれ、
一般にエンジニアリングプラスチックとして使用されて
おり、硬さ、剛性、強度が比較的太きく、機械部品、自
動車部品、構造材等に広く用いられている。またこのポ
リオキシメチレンを一軸延伸したポリオキシメチレン超
延伸線条体は高い引張強度、引張弾性率を有し、他の高
強度繊維とは異なった太い外径を有する為、プラスチッ
クの針金として、ロープ、ミニケーブル等に用いられて
いる。

（従来の技術） 従来のエンジニアリングプラスチックとしてのポリオキ
シメチレンは射出成形によって機械部品等の形で使用さ
れる事が多いが、丸棒、あるいは中空パイプの形状にて
使用される場合もあった。

丸棒のような形状は通常押出し成形によって加工され、
外径も比較的自由に加工できる。しかしながら、このよ
うな押出し成形によるポリオキシメチレン加工品はまず
引張強度が低いために、−膜内な応力伝達体として使用
できない。すなわち、一般に用いられているワイヤーは
例えば引張強度が１．５ＧＰａ、引張弾性率が１５０　
ＧＰａ以上であるのに対し、押出し成形した丸棒の引張
強度は０．５ＧＰａ以下にすぎず、応力の伝達体として
好ましくない。また応力を伝達するために一般的に用い
られているケーブルはその材質として、スチール等の金
属、あるいは合成樹脂、例えばポリアミド、ポリエステ
ル、芳香族ポリアミド等を単独または複合した撚糸体の
形状としたものが多く用いられる。金属延伸線を素材と
したワイヤー撚糸体は合成樹脂と比較して一般的な引張
強度では優るものの、金属特有の重い、錆びる、といっ
た欠点があり、電気伝導性を有するため、漏電をきらう
分野では利用できない。

これに対し、合成樹脂例えば一般のナイロン、エステル
延伸体は引張強度がスチールと比較して小さく撚加工に
よっても更に引張強力利用率が低下するため、高強力な
ケーブルが得られない欠点があった。これに対しケーブ
ル用の撚糸体素材としては特に高引張強度を有する素材
、すなわち２０〜３０　ｇ／ｄの強度を有するアラミド
（パラ−フェニレンテレフタルアミド）繊維が用いられ
ている。しかし、アラミド繊維の場合は、座屈により繊
維に容易に損傷を受けるため、ブレード（例えばポリエ
チレン、ポリエステル繊維あるいは樹脂のコーティング
）をかぶせる必要がある。又座屈による強力低下や屈曲
摩耗時の強力低下現象も見られる。更に、この繊維は一
般にデニールが小さく、使用の為には多数のフィラメン
トからの撚糸とブレードが必要である為、製造工程が煩
雑になり、かつ引張強力利用率が低い欠点があり、製造
コストが上昇する欠点がある。

近年、新しいケーブル素材としてプラスチック材料を加
圧加熱しながら延伸する事により配向・結晶化させて引
張強度および引張弾性率を高めて形成する方法が開示さ
れている。ポリオキシメチレン超延伸線条体を撚って集
合して構成したプラスチック撚糸体も特開昭６１−１５
２８８９号公報に開示されている。ポリオキシメチレン
超延伸線条体は比重がスチールの約５．５分の１しかな
く、軽く、かつ錆びない特徴を有する。

しかしながら、ポリオキシメチレン超延伸線条体はかな
りの延伸倍率で超延伸し、実質的に一軸配向体となって
いる為、延伸方向と垂直な繊維断面方向の配向は少なく
、分子の相互作用が少ない為、座屈や横方向への割れが
生じ易い。これは、超延伸体の一つの欠点であり延伸方
向には強いものの、延伸方向と垂直の方向には必ずしも
強いとはいえない。この傾向は超延伸体あるいは一軸配
向体に一般的に見られる特徴であり、この欠点を克服す
る事が大きな問題となっていたが実質的な解決方法は見
いだされていなかった。

（発明が解決しようとする問題点） 高強度・高弾性率を有するポリオキシメチレン超延伸線
条体は横方向の割れ、及び割れによる引張強度低下が大
きく、例えばロープや撚糸体として利用するときの引張
強力利用率が低い欠点があった。本発明はポリオキシメ
チレン超延伸線条体特に耐屈曲性が改良された屈曲後の
引張強力保持率の大きなポリオキシメチレン超延伸線条
体を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、カーボンブランクの含有率が０．１ＰＨＲ以
上、引張強度が１．０ＧＰａ以上、引張弾性率が１５　
ＧＰａ以上であって、Ｄ／ｄ　＝　３　（Ｄ　：屈曲試
験実施時の巻き付け径、単位ｍ、ｄ：超延伸線条体の外
径、単位Ｈ）条件下での屈曲後の引張強力保持率が０．
８以上であるポリオキシメチレン超延伸線条体である。

本発明のポリオキシメチレン超延伸線条体はポリアセタ
ール樹脂にカーボンブランクを含有する事に特徴がある
。

本発明に用いるポリオキシメチレンは原料としてホルム
アルデヒド又はトリオキサンを用い、公知の重合方法で
得られる。また、ホモポリマー及びエチレンオキシド等
を共重合したコポリマーのいずれであってもよいが、一
般にコポリマーは分子鎖に異構造分子を含むため、延伸
がかかりに（く、得られる超延伸線条体の引張強度は低
い傾向にあり、ホモポリマーが好ましい。高強度・高弾
性率ポリオキシメチレン超延伸線条体は誘電加熱延伸方
法又は外部加圧加熱延伸法により得られる。

その製造技術としては例えば、誘電加熱延伸法として、
特開昭５７−１４８６１６号公報Ｋ、外部加圧加熱延伸
法として、特開昭６０−１８３１２２号に開示されてい
る。押出し成形したポリオキシメチレン未延伸体を延伸
比８〜３５倍に変えることにより引張強度で０．５〜１
．７　ＧＰａ　、引張弾性率で１０〜５０ＧＰａに変化
させる事が可能である。本発明に用いる場合、ポリオキ
シメチレン超延伸体は引張弾性率が１５　ＧＰａ以上で
ある。更に望ましくは引張弾性率として２０　ＧＰａ以
上である。引張強度はｉ、。

ＧＰａ以上である。それ以下の場合用途によっては高強
度超延伸線条体として利用する事が出来ない。

超延伸線条体の線径としては、超延伸後０．３．．以上
のものが使用可能である。

ポリオキシメチレン超延伸線条体は一般には素線または
撚糸体の形態で使用する。撚糸体は通常数本の超延伸線
条体を撚り合わせて製造する。通常３〜１９本の線材か
ら撚糸体を形成して使用される。本発明の場合は添加剤
としてカーボンブラックを０．０１　ＰＨＲ以上含有す
る事に特徴がある。

ココでいうカーボンブランクは粒径１μ以下のものが良
い。カーボンブラックは一般には例えば耐候性向上のた
め樹脂に添加される事があるが、本発明の如く添加によ
り耐屈曲性の改良された例はない。カーボンブラックは
通常の製法により得られるもので、例えば、”デンカブ
ランク″（電気化学工業（株）製アセチレンブランク）
等が用いられる。

カーボンブラックの添加量は０．０１　ＰＡＩＲ以上必
要である。ＰＨＲとは樹脂１００部に対する添加割合で
あってＩ　Ｐ）ＬＲとは樹脂１００部に対し添加剤を１
部添加する割合をいう。カーボンブラックの添加量が０
．０１　ＰＨＲ以下であれば、ポリオキシメチレン超延
伸線条体に対する耐屈曲性の向上効果が少ない。添加量
の上限は特にないが、添加割合を増加させるとポリオキ
シメチレン超延伸線条体の物性特に引張強度が低下する
ため好ましくない。

通常、３　ＰＨＲ以下に抑えるのがよい。

カーボンブラックの添加量が０．０１　ＰＨＲ以上であ
る場合、このポリオキシメチレン樹脂を超延伸すれば、
引張強度が１．０ＧＰａ、引張弾性率が１５ＧＰａ以上
の超延伸線条体が得られる。延伸方法は誘電加熱延伸法
あるいは゛外部熱媒加熱延伸法のどちらでも可能である
。特に外部熱媒加熱延伸法によって得られた、ポリオキ
シメチレン超延伸線条体は引張強度が誘電加熱延伸法よ
りも大きく、−膜内には摩耗による毛羽立ちも少な（好
ましい。

カーボンブランクを０．０１　ＰＨ１以上添加して超延
伸したポリオキシメチレンは耐屈曲疲労性に優れる。ポ
リオキシメチレン超延伸線条体は大径の一軸配向体のた
め、ある一定角度曲げた後引張強力を測定すると、曲げ
る前と比較して、若干その強力が低下する。通常のポリ
オキシメチレン超延伸線条体は、この曲げによる引張強
力の低下が大きいが、本発明による、カーボンブランク
添加によるポリオキシメチレン超延伸線条体はこの曲げ
による引張強力低下が少ない。本発明の耐屈曲性の評価
は線径の３倍の小径リールに巻き付け戻した後の引張強
力の保持率で評価できる。すなわち、引張試験するポリ
オキシメチレン超延伸線条体の外径をｄ　（ｘｘ）とし
、屈曲させる相手側の小径なり（Ｉｍ）としたとき、晒
＝３、すなわち試験のポリオキシメチレン超延伸線条体
の線径の３倍の径に屈曲させ、元に戻して引張試験を行
なった時の引張強力保持率が０．８以上のものをさす。

カーボンブラックを添加しない場合、引張強力保持率は
０．７以下であり、添加による物性向上は明らかである
。

また別の試験方法としてポリオキシメチレン超延伸線条
体を３０倍程度の／」・径リールに巻き付けそのまま引
張試験をおこなった場合、カーボンブランクを添加した
場合は、添加しない場合と比較して引張強力の低下が少
ない事からも効果がわかる。

（実施例） 実施例により本発明を更に詳細に説明する。

実施例１．比較例１ カーボンブラックとして電気化学工業（株）製デンカブ
ラックを０．４ＰＨＲ添加したポリオキシメチレンホモ
ポリマー〔旭化成工業（株）テナツク３０１３ＡＢＫ　
）を用い、未延伸体を成形した後、２０倍に超延伸し、
引張強度が１．５ＧＰａ、引張弾性率が３５ＧＰａの物
性を有する外径１ｎの超延伸線条体な得た。また比較例
としてカーボンブラックを含まないポリオキシメチレン
ホモポリマー〔旭化成工業（株）テナツクａｏｒｏ）を
超延伸し、引張強度が１．６ＧＰａ　、引張弾性率が４
０　ＧＰａの超延伸線条体をそれぞれ得た。これらの３
朋φリールに約９０度巻き付け戻した後の引張強度保持
率を第１表に示す。

カーボンブランクを添加した本発明の実施例では引張強
度保持率が高い事がわかり、添加の効果が大きい。

実施例２．比較例２ カーボンブランクの添加量を変えたポリオキシメチレン
樹脂を用い、実施例と同様の方法にて超延伸し、それぞ
れ外径０．５１１の超延伸線条体を得た。屈曲用の線材
として外径１−５ｍの丸棒を用い角度で約９０゛巻付け
撚り戻した時の引張強力を測定した。カーボンブラック
の添加量の影響は第２表に示す如く、０．０１　ＰＨ１
以上では効果が大きいことがわかる。

第１表 第２表 （発明の効果） 高強度、高弾性率ポリオキシメチレン超延伸線条体であ
って、カーボンブラックを添加し超延伸する事により、
屈曲時の引張強力低下が少ない、引張強力１−０ＧＰａ
以上、引張弾性率１５　ＧＰａ以上のポリオキシメチレ
ン超延伸線条体である。

特許出願人　旭化成工業株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. カーボンブラックの含有率が０．０１ＰＨＲ以上、引張
   強度が１．０ＧＰａ以上、引張弾性率が１５ＧＰａ以上
   であつて、Ｄ／ｄ＝３（Ｄ：屈曲試験実施時の巻き付け
   径、単位ｍｍ、ｄ：超延伸線条体の外径、単位ｍｍ）条
   件下で屈曲後の引張強力保持率が０．８以上であるポリ
   オキシメチレン超延伸線条体