JPH03106382A - 合成樹脂製ガット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はテニス、バトξントンおよびスカッシュなどの
球技用ラケットに使用する合威樹脂製ガットに関するも
のであり、さらに詳しくは比較的太いモノフィラメント
からなる芯糸に対し、比較的細いモノフィラメントから
なる巻糸の複数本を捲回、接着した構造のラケット用合
威樹脂製ガットであって、強力および耐久性がすぐれ、
とくに大型ラケット用のガットとして好適な合威樹脂製
ガットに関するものである。

〔従来の技術〕

テニス、バト逅ントンおよびスカッシュなどの球技用ラ
ケットに張設するガットとしては、従来から鯨筋に代表
される動物繊維が使用されていたが、ナイロンをはじめ
とずる合或繊維が出現し、その強靭性および耐久性など
のガット特性が評価されてからは、・この種の分野にお
いて合或樹脂モノフィラメント製ガットが急速に普及し
てきた。

そして、この合威樹脂モノフィラメント製ガットには、
近年の球技自体の技術の高度化と一般への普及に伴って
、と＜番と競技面での要求特性が一層多彩になっている
。

すなわちミ打球感、反発力、コントロール性および耐久
性などの実用特性により一層すぐれた性能が要求される
ようになってきたのである。

一方、ラケット素材についても、従来の竹材や木材に代
えて、グラスファイバーやカーボンファイバーなどの複
合材料が用いられるようになり、これらの新素材は軽量
でしかも強靭性にすぐれていることから、大型ラケット
さらにはワイドボディラケットの誕生に結び付いている
といえる。

ところが、ワイドボディラケットの出現、普及に伴い、
ガットに対する要求性能も以前に増して一層厳しくなっ
ているのが実状である。

例えば、競技のスピード化が進むにつれて、従来のガッ
トでは風切り性が悪くスピードに対応できないようにな
っており、ガットをさらに細ゲージ化および強力化する
必要が生じてきているのである。

本出願人らは、上記したような新規な性能を満たすラケ
ット用ガットとして、芯糸に高重合度のナイロン６モノ
フィラメントを用い、巻糸として複数のナイロン６６モ
ノフィラメントを前記芯糸に捲回し、接着したいわゆる
巻線構造のガットが有効であることを見出し、先に特開
昭５９−１０１１６５号公報として提案した。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかるに、上記本出願人らの提案によるガットは、従来
品に比べて高強力という特性を有するもの、これをワイ
ドボデイラケットに張設して競技に使用した場合におい
て、耐久性の面で必ずしも十分な性能を発揮することが
できず、競技中にガットの切断を招きやすいという問題
を残していた。

そこで本発明者らは、大型ラケット、とくにワイドボデ
ィラケットに高張力が張設した場合の耐久性をも兼備し
た高強力ラケット用ガットの取得を目的としてさらに検
討を進めた結果、上述した本出願人らの提案による巻線
構造のガットにおいて、高重合度ナイロンモノフィラメ
ントの代わりに、特定の共重合組戒からなる共重合ナイ
ロンモノフィラメントを芯糸として用いることにより、
上記目的に合致し、さらには打球の反発力やコントロー
ル性などの打球感覚もすぐれたラケット用ガットが得ら
れることを見出し、本発明に到達した。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち本発明は、芯糸として溶液粘度が４，０以上で
、ナイロン６／ナイロン６６の共重合比率が９０／１０
〜８０／２０　（重量比）の共重合ナイロンモノフィラ
メントを、また巻糸として溶柩粘度が２．８〜３．４の
ナイロン６６モノフィラメントを使用してなり、前記芯
糸の外周に複数本の前記巻糸を捲回し、接着してなるこ
とを特徴とする合威樹脂製ガットを提供するものである
。

以下、図面を参照しつつ、本発明の合威樹脂製ガットに
ついて、さらに詳述する。　　　　、本発明の合成樹脂
製ガッ．トは、図面にその部分斜視図を示したよう暢、
比較的木い合威樹脂モノフィラメントを芯糸１とし、そ
の周囲に比較的細い合威樹脂モノフィラメントの複数本
、通常は２〜２０本を巻糸２として捲回し、適当な接着
剤３で接着した巻線構造よりなっている。

本発明においては、上記構造のガットを構或する芯糸１
として、溶液粘度が４．０以上で、ナイロン６／ナイロ
ン６６の共重合比率が９０／１０〜８０／２０　（重合
比）の共重合ナイロンモノフィラメントを、また巻糸２
として溶液粘度が２．８〜３．４のナイロン６６モノフ
ィラメントを使用している。

上記のように芯糸と巻糸の種類を選定することにより、
芯糸に対する巻糸の接着性が向上して、巻糸の耐熱性お
よび耐摩耗性がより効果的に発揮されることになるため
、細ゲージタイプのガットであっても高強力が発揮され
、しかも長時間の競技に安定して使用可能なすぐれた耐
久性を得ることができる。

すなわち、芯糸゛として溶液粘度が４．０以上、とくに
４．０〜４．５と高く、しかもナイロン６／ナイロン６
６の共重合比率が９０／１０〜８０／２０　（重量比）
の共重合ナイロンからなるモノフィラメントを用いるこ
とにより、ガットに粘り強さが付与されると共に、芯糸
と巻糸の間に介在する接着剤の接着性が向上し、接着剤
による強力や強力利用率の低下などのマイナス要因が解
消するのである。

しかし、芯糸として用いる共重合ナイロンの溶液粘度が
４．０未満では、十分な高強力化を図ることができ）、
また共重合ナイロンにおけるナイロン６の共重合比率が
９０重量％を越えると、強力および耐久性のいずれもが
低下する傾向を招くため好ましくない。

さらに、巻糸としては通常重合度のナイロン６６からな
るモノフィラメント、すなわち溶液粘度が２．８〜３．
４、とくに３．０〜３．２のナイロン６６モノフィラメ
ントを使用すればよく、このように芯糸および巻糸を組
合せることにより、巻糸であるナイロン６６モノフィラ
メントの耐熱性や耐摩耗性が十分に発揮されて、結果的
には芯糸と巻糸の個々のモノフィラメントの特性が最大
限に生かされるため、細ゲージであっても強力および耐
久性が総合的にすぐれるという理想的な効果が発揮され
るのである。

本発明において、芯糸および巻糸を構威するモノフィラ
メントの直径は、ガットを適用するラケットの種類に応
じて適宜選択できるが、とくに大型ラケットに適用する
ために細ゲージに構或する場合でも、その高強力、耐久
性および打球感安定性を十分に発揮せしめることができ
る。

なお、本発明の合成樹脂製ガットは無色に限らず、目的
に応じてモノフィラメントに着色することができ、さら
にはモノフィラメントに耐候剤や減摩剤を添加して、一
層の性能向上を図ることができる。

また、とくに芯糸を構戒する共重合ナイロンモノフィラ
メントについては、その中心部に連通した中空部を設け
た構造とすることもでき、その中空部にオイルを封入す
ることによって、打球感などをさらに改良することが可
能である。

以下に実施例を挙げて、本発明の合或樹脂製ガットの効
果についてさらに説明する。

なお、本発明および以下の実施例でいう溶液粘度とは、
９８％濃硫酸に１％の割合で合威樹脂を溶解したものを
、オストワルド式粘度計を用いて落下時間を測定し、９
８％濃硫酸単独の落下時間で除した相対粘度である。

〔実施例〕

溶液粘度が４．４、ナイロン６／ナイロン６６の共重合
比率が８５／１５　（重量比）の共重合ナイロンチップ
（東レ■製６０４１）を使用して、通常の溶融紡糸・延
伸法により直径０．８７ｍｍのモノフィラメント（Ａ）
を製造した。

同様に、溶液粘度が４．８、ナイロン６／ナイロン６６
の共重合比率が９５／５（重量比）の共重合ナイロンチ
ップ（東レ■製６０２１ＸＨ）を使用して、直径０．８
７ｍｍのモノフィラメント（Ｂ）を製造した。

さらに、溶液粘度が４．２の高重合度ナイロン６チップ
（東レ■製Ｍ　１０４１　）を使用して、直径０．８７
ｍｍのモノフィラメント（Ｃ）を製造した。

一方、溶液粘度が２．９のナイロン６６チップ（東レ■
製Ｍ３００１）を使用して、直径０．２０ｍｍのモノフ
ィラメント（Ｄ）を製造した。

次に、これら４種類のモノフィラメント（Ａ）〜（Ｄ）
の芯糸および巻糸として次表のように組合せ、芯糸の外
周に１３本の巻糸を捲回し、これをフェノール系接着剤
で接着した巻線構造のガット（直径１．３５ｍｍ）を得
た。

このようにして得られた３種類のガットについて、その
引張強力および結節強力を測定した結果を次表に合せて
示す。

表 ９ １０ （Ｎｏ．１）は、芯糸としてナイロン６戒分量の多いモ
ノフィラメントを用いたガット（Ｎα２）およびナイロ
ン６モノフィラメントを用いたガッ｝（Ｎｏ．３）に比
較して、強力が向上したものである。

また、上記３種類のガットを、ワイドボディテニスラケ
ットにそれぞれ張設し、テニス競技の実用に供したとこ
ろ、Ｎα１のガットは打球の反発力およびコントロール
性が安定しており、長時間の競技においても、ガットの
ゆるみ、目ずれが少なく、切断の心配のない耐久性にす
ぐれるものであった。

一方、Ｎα２およびＮα３のガットを同様の実用テスト
に供した結果、ＮＯ．１のガットに比較してガットのゆ
るみ、目ずれを発生しやすく、打球安定性に欠け、ガッ
トの切断もたびたび生した。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の合威樹脂製ガットは、高
強力でしかも耐久性にすぐれており、テニス、バトくン
トンおよびスカッシュなどの球技用ラケット、・とくに
大型ラケット用のガットとして最適の性能を有している
。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の合或樹脂製ガットの部分的斜視図である
。 １・・・芯糸、２・・・巻糸、３・・・接着剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 芯糸として溶液粘度が４．０以上で、ナイロン６／ナイ
   ロン６６の共重合比率が９０／１０〜８０／２０（重量
   比）の共重合ナイロンモノフィラメントを、また巻糸と
   して溶液粘度が２．８〜３．４のナイロン６６モノフィ
   ラメントを使用してなり、前記芯糸の外周に複数本の前
   記巻糸を捲回し、接着してなることを特徴とする合成樹
   脂製ガット。