JP3318247B2 - ラケット用ストリング - Google Patents

ラケット用ストリング

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JP3318247B2 JP33433897A JP33433897A JP3318247B2 JP 3318247 B2 JP3318247 B2 JP 3318247B2 JP 33433897 A JP33433897 A JP 33433897A JP 33433897 A JP33433897 A JP 33433897A JP 3318247 B2 JP3318247 B2 JP 3318247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニスラケット、
バドミントンラケット、スカッシュラケット、およびこ
れらに類したもののストリングに関する。より具体的に
は、本発明は、芯(コア)/鞘(シース)構造と、これ
に基づく優れた打撃特性と耐久性を持つラケット用スト
リングに関する。
【0002】
【従来の技術】ラケット用ストリングに求められる機能
としては、打球性、耐久性および張設性の3つがある。
打球性には、反撥性、コントロール性、ボールへの回転
の掛け易さなどの他に打球した時の感触、打球音などを
含む打球感などがある。耐久性には、張設されたストリ
ングは応力緩和による弛みと打球毎の摩擦の摩耗による
切断の2つがある。張設性は、ラケットに対するストリ
ングの張り易さで、前記性能がいかに優れていても張設
性に問題があれば実用性に乏しいのである。ただし、前
記の3つの機能は重要度が異なり、打球性、耐久性、張
設性の順に重要性が位置付けされており、3:2:1の
重み付けがなされている場合もある。
【0003】従来、一般にはラケット用ストリングは、
打球性を重視して開発、商品化されて来ており、事実、
市場には打球性が良好であるという説明書きの商品が多
く出回っている。
【0004】もう1つの他の傾向は、世界的に見ても直
径の小さいストリングが近年多くなって来ていることで
ある。これも打球性を重視した結果である。例えば、テ
ニスにおいては数年前は、直径1.41〜1.49mm
の15ゲージや1.33〜1.41mmの15Lゲージ
のものが主体であったが、最近では直径1.26〜1.
34mmの16ゲージのものがほとんどを占めるように
なって来ている。
【0005】さらに、ごく最近では、一部では直径1.
22〜1.30の16Lゲージや1.16〜1.24m
mの17ゲージのものも増えつつある。また、一部のユ
ーザーからは直径1.06〜1.16mmの18ゲージ
の要望さえ出始めている。これらの傾向は、ユーザーは
如何に打球性を重視しているのかの証左である。すなわ
ち、直径の小さいストリングほど、同じスピードのボー
ルを打球する時大きく撓み、反撥し打球性をも向上させ
るからである。
【0006】そのほか、スポーツの爽快感の重要な要因
である打球音をも向上させ、打球感を満足させるのであ
る。
【0007】従来、フィラメント繊維からなる芯成分
と、フィラメント繊維からなり前記芯成分の外周面に巻
回されるか編組された被履成分とから少なくとも構成さ
れた芯鞘構造のラケット用ストリングが提案されている
(実開昭60−168857号公報、実公平1−420
69号公報)。またラケット用ストリングに、異形断面
のフッ化ビニリデン樹脂(繊維)を使用することも提案
されている(特開昭56−166863号公報、特開昭
56−70772号公報等)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記打
球性向上の傾向に対しては、耐久性の観点からは反対に
作用している。すなわち、打球性の良いとされている天
然ガットは勿論のこと、打球性が良好とされている合成
繊維製ストリング、例えばポリエーテルエーテルケトン
繊維製、ナイロンマルチフィラメント繊維製のものなど
耐久性が不十分なものも多いのが実態である。また、細
ゲージのナイロンフィラメント繊維製ストリングも、一
般に直径が小さくなるほど耐久性、特に磨耗による耐久
性の低下が大きい。
【0009】例えば、ほぼ同じ構成のナイロンフィラメ
ント繊維製ストリングで、直径のみ異なる2種類のスト
リングの耐久性をラケットに張設して切断するまでの打
球数で比較すると、1.28mmと1.35mmのもの
で約40パーセントも低下しているのである。したがっ
て、現状においては耐久性を犠牲にして打球性を優先し
たラケット用ストリングが世界の主流になろうとしてい
るのである。
【0010】しかしながら、依然として耐久性のあるス
トリングの要請が非常に大きいのである。
【0011】一方、耐久性のあるガットとしては、パラ
系アラミド繊維製ストリングが市販され、一部ユーザー
からは満足されており、例年世界の耐久性ナンバーワン
のストリングとしてランキングされている。しかしなが
ら、このストリングの伸度は、数パーセントしかなく打
球性が不十分で、太ゲージのストリングトと共に一般の
アベレージプレイヤーの要請を満足させえないのであ
る。さらにコストが高いという問題もある。
【0012】また、張設性に対しては、現在シリコン、
ワックスなどの平滑剤塗布で対処しているが、実際の作
業するスポーツショップでは必ずしも十分は満足されて
いない。
【0013】以上の通り、ラケット用ストリングの重要
な要求特性である、打球性、耐久性および張設性を同時
に満足するストリングは、従来存在しなかった。すなわ
ち、打球性を重視すれば、耐久性が低下するのが通常の
現象であり、また耐久性を重視すれば、打球性や張設性
が低下するという問題があった。
【0014】本発明は、前記従来の課題を解決するた
め、ラケット用ストリングに必要な3機能、すなわち打
球性と耐久性と張設性のどれをも犠牲にすること無く、
いずれも優れたバランスの良好なラケット用ストリング
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のラケット用ストリングは、合成繊維のモノ
フィラメントからなる芯糸と、前記芯糸の外周面に巻回
された複数本の皮糸からなる芯鞘構造を有し、全体を被
覆樹脂で一体化したラケット用ストリングにおいて、前
記芯糸と皮糸の主繊維糸及び被覆樹脂は実質的に透明で
あり、前記皮糸の残りの繊維糸は融点または分解温度が
270℃以上の耐熱性繊維であり、破断伸度が10〜3
0%の範囲でかつ相対的に透明度が低いとともに、前記
皮糸は前記芯糸の周りに、ストリング軸に対する巻き付
け角度が30〜40度の範囲で巻かれており、かつ、皮
糸全体を100重量%としたとき、皮糸の主繊維である
実質的に透明な繊維糸の割合が65〜90重量%の範
囲、残りの繊維の耐熱性繊維糸の割合が10〜35重量
%の範囲であり、前記耐熱性繊維糸の撚係数(ただし撚
係数は、下記式(数3)によって求める。)が、0.4
〜4.0の範囲であり、前記ストリングは円周方向の任
意の位置からみて二重螺旋(ダブルヘリカル)構造を呈
することを特徴とする。
【0016】
【数3】
【0017】前記構成においては、芯糸と皮糸の主繊維
糸である実質的に透明な繊維が、ともにポリアミド系合
成繊維糸であることが好ましい。
【0018】また前記構成においては、皮糸の残りの繊
維の耐熱性繊維糸が、芳香族系ポリアミド繊維、及びポ
リフェニレンサルファイド繊維から選ばれる少なくとも
一つの繊維であることが好ましい。
【0019】また前記構成においては、耐熱性繊維糸
が、メタフェニレンイソフタルアミド繊維であることが
好ましい。
【0020】また前記構成においては、皮糸の耐熱性繊
維糸の本数が、2〜6本であることが好ましい。
【0021】また前記構成においては、皮糸の耐熱性繊
維糸が、マルチフィラメント及び紡績糸から選ばれる少
なくとも一つの繊維であることが好ましい。
【0022】また前記構成においては、皮糸が芯糸表面
に1層で巻き付けられていることが好ましい。
【0023】前記した本発明のラケット用ストリングに
よれば、合成繊維のモノフィラメントからなる芯糸と、
前記芯糸の外周面に巻回された複数本の皮糸からなる芯
鞘構造を有し、全体を被覆樹脂で一体化したラケット用
ストリングにおいて、前記芯糸と皮糸の主繊維糸及び被
覆樹脂は実質的に透明であり、前記皮糸の残りの繊維糸
は融点または分解温度が270℃以上の耐熱性繊維であ
り、破断伸度が10〜30%の範囲でかつ相対的に透明
度が低いとともに、前記皮糸は前記芯糸の周りに、スト
リング軸に対する巻き付け角度が30〜40度の範囲で
巻かれており、かつ、皮糸全体を100重量%としたと
き、皮糸の主繊維である実質的に透明な繊維糸の割合が
65〜90重量%の範囲、残りの繊維の耐熱性繊維糸の
割合が10〜35重量%の範囲であり、前記耐熱性繊維
糸の撚係数(ただし撚係数は、前記記式(数3)によっ
て求める。)が、0.4〜4.0の範囲であり、前記ス
トリングは円周方向の任意の位置からみて二重螺旋(ダ
ブルヘリカル)構造を呈することにより、ラケット用ス
トリングに必要な3機能、すなわち打球性と耐久性と張
設性のどれをも犠牲にすること無く、いずれも優れたバ
ランスの良好なラケット用ストリングを実現できる。
【0024】次に本発明による第2番目のラケット用ス
トリングは、芯繊維からなる芯部と、前記芯繊維の周囲
に巻かれた複数の鞘繊維で構成された被覆部と、前記芯
部と前記鞘部繊維を一体に結合する被覆樹脂とを有する
ラケット用ストリングであって、前記鞘部繊維は融点ま
たは分解温度が270℃以上かつ破断伸度が10〜30
%の範囲の耐熱性繊維を副成分として含み、前記耐熱性
繊維糸の撚係数(ただし撚係数は、前記式(数3)によ
って求める。)が、0.4〜4.0の範囲であり、前記
鞘部繊維は前記芯部繊維の周りに、前記芯部の軸芯に対
して30〜40度の範囲の巻き付け角度で巻かれてお
り、かつ、鞘繊維全体を100重量%としたとき、鞘繊
維は、主成分鞘繊維を65〜90重量%と、副成分鞘繊
維を10〜35重量%含んでいることを特徴とする。前
記において鞘部繊維は、皮糸繊維と同じである。
【0025】鞘部は、複数の主成分鞘部繊維と、複数の
副成分鞘繊維を有するのが好ましい。芯部、主成分鞘部
繊維、および、被覆樹脂は透明であり、副成分鞘繊維は
比較的低い透明性を備えているので、ストリングを横か
ら観察した時、副成分鞘繊維はマルチ螺旋状の外観を呈
する。
【0026】副成分鞘繊維は、比較的低い透明度を有す
るのが好ましい。また、芯部と主成分鞘部繊維は、ポリ
アミドをベースにした合成繊維からなるのが好ましい。
【0027】副成分鞘部繊維(耐熱繊維)は、芳香族ポ
リアミド繊維およびポリフェニレンサルファイド繊維で
構成されたグループから選択された少なくとも一種類の
繊維であることが好ましい。耐熱繊維はまた、メタフェ
ニレンイソフタルアミド繊維であっても良い。
【0028】また鞘部繊維は副成分鞘部繊維(耐熱繊
維)糸を2〜6本含むのが好ましい。
【0029】さらに、副成分鞘部繊維(耐熱繊維)は、
マルチフィラメント繊維とスパンヤーンで構成されたグ
ループから選択された少なくとも一種類の繊維であるの
が好ましい。
【0030】非メインシース繊維(耐熱繊維)は、前記
式(数3)から算出される撚係数が0.4〜4.0の範
囲である。前記式(数3)において、tは撚回数(スト
リングの長さ25mmに対する撚(より)の数)を表
し;Kは撚係数を表し;Sは英綿番手を表す。
【0031】一つの実施形態では、前記のラケット用ス
トリングは、マルチフィラメントまたはモノフィラメン
トの芯部と、芯部に巻かれた複数の鞘部繊維とを含む芯
/鞘構造を持っており、芯と鞘繊維は被覆樹脂によって
一体状に結合されている。芯部繊維と主成分鞘部繊維、
および、被覆樹脂は、少なくとも本質的に透明である。
副成分鞘部繊維は、融点または分解温度が270℃以上
の耐熱繊維であり、比較的低い透明度を有する。したが
って、横から観察された時、ストリングは、多重螺旋状
の外観を有する。そして、このストリングは、打撃特
性、耐久性、および、張り易さという、三つの優れた特
性をバランス良く保持している。
【0032】本発明の好適な特徴に基づくラケット用ス
トリングは、モノまたはマルチフィラメント繊維製の芯
部繊維とこの芯部繊維に対して30〜40度の範囲の巻
き付け角度で巻かれた或いは組まれたモノフィラメント
繊維製の鞘部繊維とを含む、芯/鞘構造を持っている。
この芯と鞘は、ナイロンモノフィラメントを主成分とし
て含み、鞘を構成する繊維の少なくとも幾らかは耐熱繊
維である。ストリングを横から観察した時、耐熱繊維の
みが不透明であるため、ストリングは多重螺旋状の外観
を持っている。
【0033】好適な実施形態についての下記の詳細な説
明を、明細書に添付された図面と共に参照することによ
って、本発明をより良く理解することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態によれ
ば、フィラメント繊維からなる芯成分と、フィラメント
繊維からなり前記芯成分の外周面に巻回されるか編組さ
れた被履成分とから少なくとも構成された芯鞘構造のラ
ケット用ストリングであって、前記芯成分繊維および被
履成分繊維がともにナイロンフィラメント繊維を主成分
として含み、かつ前記鞘部を構成する少なくとも一部の
繊維を耐熱性繊維で構成し、前記ストリングは円周方向
の任意の位置からみても二重螺旋(ダブルヘリカル)構
造を呈するストリングである。
【0035】また前記鞘部を構成する少なくとも一部の
繊維が、融点が270℃以上で、しかも破断伸度10〜
30%である耐熱性繊維からなるマルチフィラメント又
は紡績糸であることと、これら耐熱性繊維からなるフィ
ラメント又は紡績糸とポリアミド樹脂のモノフィラメン
トから複合構成され、前者の皮糸の面積比率が皮糸全体
の10〜35重量パーセントであり、更にこれら皮糸の
ストリング軸になす巻き付け角度が30〜40度の範囲
である。
【0036】また、上記において、皮糸の一部をなす、
融点が270℃以上で、しかも破断伸度10〜30%で
あるマルチフィラメント又は紡績糸の撚係数が、0.4
〜4.0である。
【0037】次に、本発明の皮糸に用いる耐熱性繊維に
ついて説明する。この耐熱性繊維は、融点または分解温
度及び破断伸度が重要である。
【0038】まず、融点または分解温度については、少
なくとも270℃、望ましく300℃以上が有利であ
り、これより低いと本発明の目的の一つの、特に耐久性
が達成出来ない。
【0039】次に破断伸度については、低伸度であると
特に結節強力の低下が大きく耐久性が不利となる。そこ
で、破断伸度は少なくとも10%以上、望ましくは15
%以上が有利であり、これより低いとストリングの重要
特性である結節強力が得られにくい。
【0040】本発明に使用される耐熱性繊維としては、
マルチフィラメント及び紡績糸の形態のいずれも適用で
きる。また耐熱性繊維糸は、芳香族系ポリアミド繊維ま
たはポリフェニレンサルファイド繊維が好ましいが、特
にポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維が好まし
い。この理由は、芯糸、皮糸の主成分及び接着・被覆樹
脂に用いるポリアミドとポリマーが近似しており、全体
を接着一体化するのに好都合だからである。ここで、ポ
リメタフェニレンイソフタルアミド繊維としては、一般
的にメタ系アラミド繊維として、商標「ノーメックス」
(デュポン社製)マルチフィラメント、融点(熱分解)
371℃(炭化)、破断伸度22%、及び商標「コーネ
ックス」(帝人社製)紡績糸、融点(熱分解)400〜
430℃、破断伸度10〜23%がある。
【0041】またポリフェニレンサルファイド繊維とし
ては、融点285℃、破断伸度25%を使用できる。
【0042】本発明の皮糸に用いる主繊維については、
通常のナイロン6、66またはこれらの共重合ナイロン
からなるモノフィラメントが使用される。
【0043】また、芯糸と皮糸の主繊維糸及び被覆樹脂
は実質的に透明なものが好ましい。ここで「実質的に透
明」とは、撚られた耐熱性繊維の螺旋状態が、一方向か
ら見てストリングの表面はもちろん、ストリングの裏面
も同時に観測され、あたかも二重螺旋(ダブルヘリカ
ル)構造のように見える程度の透明性をいう。繊維を形
成するポリマーを前記程度の透明性にするには、ポリマ
ー中に酸化チタン等のフィラー(外部粒子)を加えない
ことが必要であり、このために外部粒子の粗大粒子等に
起因する欠陥が少なくなり、結果として強度の高いスト
リングを得ることができる。
【0044】皮糸中の耐熱性繊維の複合の比率は、皮糸
全体を100重量%としたとき、皮糸の主繊維である実
質的に透明な繊維糸の割合が65〜90重量%の範囲、
残りの繊維の耐熱性繊維糸の割合が10〜35重量%の
範囲である。耐熱性繊維糸の割合が10重量%未満では
耐久性が不十分となる傾向があり、35重量%を越える
と芯糸およびコーティング層との接着性が不十分で、繰
り返しの打球で、剥離現象が発生し、一旦一体構造が破
壊されると耐久性が極端に低下するので好ましくない。
【0045】また、接着性の面から、前記耐熱性繊維か
らなるマルチフィラメントまたは紡績糸は、使用する本
数をまとめて使用するより、ナイロンモノフィラメント
の間に出来るだけ分散して使用することが好ましい。
【0046】前記耐熱性繊維糸の撚係数は、0.4〜
4.0の範囲が好ましく、より好ましくは0.4〜3.
4、特に好ましくは0.8〜2.8の範囲である。0.
4未満では十分な耐久性が得られない。また撚係数が
4.0を越えると強力が低下し、耐久性・打球性共に不
利になる。
【0047】巻き付け角度、ストリングの軸線に対する
皮糸の巻き付け角度、巻き付き方向は右巻き(S撚)で
も左巻き(Z撚)でも構わない。
【0048】従来からの市販品14種類について、より
角度を調査した結果、一番低いもので13度、一番高い
もので21度、平均は16.5度であった。これらの角
度では、従来ストリングはむろんのこと、前記マルチフ
ィラメントを使用しても耐久性の向上に限界がある。
【0049】本出願人は、すでに高巻き付け角度(高撚
角)のストリングについて提案した(特開平2−126
872号公報)。しかしながら、耐久性が得られるが、
高強力が得にくく、コストアップになるという問題があ
った。これは、巻き付け角度が75度を超えると、皮糸
のストリング全体に対の強力に対して示す貢献度(寄与
率)が低いからである。またコストアップの原因は、同
一マシンで生産する場合、巻き付け角度を高くするに従
い、マシンスピードを低下させる必要があるためであ
る。
【0050】本発明によれば、下記の作用・機能が得ら
れる。 耐久性;従来のストリングにおいては、16
ゲージ(約1.3mmφ。ここでφは直径を示す。以下
同じ。)で本明細書の実施例の耐久性試験では約1,0
00回程度で切断する。本発明では、これが2,000
〜2,500回と驚くべき向上が認められた。従来品で
は直径を1.2mmφ、1.1mmφと小さくなるに従
い、各々約500回、300回程度に低下するのに対
し、本発明品は、各々約1,500回、1,000回程
度であり、18ゲージでも、従来の16ゲージ並みの耐
久性が得られた。これは、従来考えられも出来なかった
レベルの高い耐久性である。このように、細いゲージが
可能になったことにより、打球感、打球音、反発性が著
しく向上出来た。 打球感;上記細ゲージ化が可能に
なったことに加え、皮糸の一部を適切な撚係数を有する
マルチフィラメントにすることにより、ストリング表面
の弾性が増えたためか、ストリング自体の風合いも柔軟
になり、心地よい打球感が得られるようになった。
特殊な模様;従来のストリングには見られない、非常に
細かいDNAの特殊な立体構造(ダブルヘリカル構造)
に類似した特異な模様を持ったストリングが実現出来
た。
【0051】
【実施例】以下実施例と図面を用いて本発明をより具体
的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定される
ものではない。
【0052】
【実施例1】芯成分繊維(芯糸)として、直径0.92
0mmのナイロン6と66からなる共重合ナイロン(共
重合比率、ナイロン6:ナイロン66=95重量部:5
重量部)の透明モノフィラメントを用い、被履成分繊維
(皮糸)として直径0.160mmのナイロン6の透明
モノフィラメントを12本と、別に用意したトータル繊
度:200デニール(単糸繊度:2デニール、構成繊維
数:100本)のポリメタフェニレンイソフタルアミド
繊維(白色)からなる撚られたマルチフィラメント(撚
係数;1.46、融点(熱分解点)371℃、破断伸度
22%)4本を、図1の13a〜dに示すように等間隔
に配置し、らせん状に、芯糸に対する角度35度で巻き
付けて、同時にナイロン系接着剤で固定した。
【0053】次いで、熱溶融ナイロン6を用いて、この
表面をコーティングした。ポリメタフェニレンイソフタ
ルアミド繊維糸の皮糸全体に対する比率は、25重量パ
ーセントであった。
【0054】得られたストリングの断面図を図1に示
す。図1において、10はストリング、11は芯繊維の
ナイロン6と66からなる共重合ナイロンのモノフィラ
メント12a〜12fはナイロン6のモノフィラメント
からなる皮糸である。皮糸のナイロン6のモノフィラメ
ントは12本で構成されている。13a〜13dは皮糸
の耐熱性繊維であるポリメタフェニレンイソフタルアミ
ド繊維からなる撚られたマルチフィラメントを示す。皮
糸は芯糸の表面に1層で配列されている。14は皮糸を
芯糸に一体化するナイロン系接着剤層、15は全体を被
覆する熱溶融ナイロン6の層、16はナイロン系接着剤
層14と被覆する熱溶融ナイロン6層15をまとめて示
す透明接着樹脂層である。またこのストリングは、側面
から見るとダブルヘリカル構造を有していた。
【0055】得られたストリングは、引っ張り強力は7
5.9kg、結節強力は45.1kg、破断伸度は3
2.3パーセント、直径は1.301mmであった。
【0056】このストリングをフェース面積が110平
方インチのカーボン繊維補強樹脂製ラケットに、タテ・
ヨコ共に60ポンドの張力で張設した。張設性は非常に
良好であった。
【0057】これに実際のテニスボールを、打ち出しス
ピード、127km/時、打ち出し間隔、15回/分、
打ち出し距離、50cmでストリングが切断するまで打
ち続けた。2回のテストで、各々2,450回と2,3
00回であった。
【0058】比較例として、前記マルチフィラメントの
替わりにナイロン繊維を用い、すべての被履成分繊維を
ナイロン繊維にし、16本を用いたものを同様にして耐
久性を調べた結果1,013回であった。
【0059】また本実施例品は、実際に打球しても良好
な打球感が得られた。
【0060】
【実施例2】実施例1と同様に芯成分繊維(芯糸)とし
て直径0.900mmのナイロン6と66からなる共重
合ナイロンの透明モノフィラメントを用い、鞘成分繊維
(皮糸)として直径0.140mmのナイロン6の透明
モノフィラメントを14本と、別に用意した英綿番手
番(s)のポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維
からなる撚られた紡績糸(撚係数;3.35、融点(熱
分解点)371℃、破断伸度14%、白色)4本を図2
のように等間隔に配置し、らせん状に、芯糸に対する角
度37度で巻き付けて、同時にナイロン系接着剤で固定
した。次いで、熱溶融ナイロン6を用いて、この表面を
コーティングした。ポリメタフェニレンイソフタルアミ
ド繊維からなる撚られた紡績糸の皮糸全体に対する比率
は、32.4重量パーセントであった。
【0061】得られたストリングの断面図を図2に示
す。図2において、20はストリング、21は芯繊維の
ナイロン6と66からなる共重合ナイロンのモノフィラ
メント22a〜22gはナイロン6のモノフィラメント
からなる皮糸である。皮糸のナイロン6のモノフィラメ
ントは14本で構成されている。23a〜23dは皮糸
の耐熱性繊維であるポリメタフェニレンイソフタルアミ
ド繊維からなる撚られた紡績糸を示す。皮糸は芯糸の表
面に1層で配列されている。24は皮糸を芯糸に一体化
するナイロン系接着剤層、25は全体を被覆する熱溶融
ナイロン6の層、26はナイロン系接着剤層24と被覆
する熱溶融ナイロン6層25をまとめて示す透明接着樹
脂層である。またこのストリングは、側面から見るとダ
ブルヘリカル構造を有していた。
【0062】得られたストリングは、引っ張り強力は6
5.9kg、結節強力は31.5kg、破断伸度は2
6.5パーセント、直径は1.210mmであった。
【0063】前記の耐久性試験結果は、1,241回と
1,141回であった。
【0064】これに対して、皮糸が全部ナイロン製のも
のは、495回であった。
【0065】また本実施例品は、張設性、および試打に
よる打球感は、ソフト感が特に良好であった。
【0066】
【実施例3】実施例1と同様に芯成分繊維(芯糸)とし
て直径0.900mmのナイロン6と66からなる共重
合ナイロンのモノフィラメントを用い、鞘成分繊維(皮
糸)として直径0.140mmのナイロン6のモノフィ
ラメントを15本と、別に用意したトータル繊度:20
0デニール(単糸繊度:2デニール、構成繊維数:10
0本)のポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(白
色)からなる撚られたマルチフィラメント(撚係数;
1.46、融点(熱分解点)371℃、破断伸度22
%)3本を図3のように等間隔に配置し、らせん状に、
芯糸に対する角度32度で巻き付けて、同時にナイロン
系接着剤で固定した。次いで、熱溶融ナイロン6を用い
て、この表面をコーティングした。ポリメタフェニレン
イソフタルアミド繊維からなる撚られた紡績糸の皮糸全
体に対する比率は、20.2重量パーセントであった。
【0067】得られたストリングの断面図を図3に示
す。図3において、30はストリング、31は芯繊維の
ナイロン6と66からなる共重合ナイロンのモノフィラ
メント32はナイロン6のモノフィラメントからなる皮
糸である。皮糸のナイロン6のモノフィラメントは15
本で構成されている。33a〜33bは皮糸の耐熱性繊
維であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維から
なる撚られたマルチフィラメントを示す。皮糸は芯糸の
表面に1層で配列されている。34は皮糸を芯糸に一体
化するナイロン系接着剤層、35は全体を被覆する熱溶
融ナイロン6の層、36はナイロン系接着剤層34と被
覆する熱溶融ナイロン6層35をまとめて示す透明接着
樹脂層である。図4は図3のストリングの断面斜視図で
ある。また図5は図3のストリングの側面図であり、耐
熱性繊維であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊
維33a〜33bがダブルヘリカル構造を現わしてい
る。すなわち、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊
維33a〜33bは図5の実線と点線のように、巻き角
度θ=32度で巻かれていることが外部から観察でき
る。これは、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維
33a〜33b以外は、芯糸も皮糸も接着樹脂(図3〜
4の36)もすべて透明だからである。また接着樹脂
(図3〜4の36)は任意の色に着色または染色でき
る。
【0068】得られたストリングは、引っ張り強力は6
7.4kg、結節強力は33.5kg、破断伸度は2
6.0パーセント、直径は1.205mmであった。
【0069】前記の耐久性試験結果は、1,174回と
1,107回であった。
【0070】これに対して、皮糸が全部ナイロン製のも
のは、495回であった。
【0071】また本実施例品は、張設性、および試打に
よる打球感は、ソフト感が特に良好であった。
【0072】上記に説明した通り、本発明のストリング
は、1.1〜1.2mmの小径であってさえ卓越した耐
用性を備えており、通常に使用できる。加えて、マルチ
フィラメント成分の効果のために、本発明のストリング
はボールの打撃が良い。さらに、本発明のストリングは
ユニークな外観を呈する。
【0073】
【実施例4】図6と図18に示されているストリングを
構成するモノフィラメント芯部40の上を、内側鞘部4
1を用いて螺旋状に被覆し、さらに、この内側鞘部41
の上を、外側鞘部45を用いて螺旋状に被覆している。
内側鞘部41は、10本のナイロン6製の透明なモノフ
イラメント繊維42と、2本の耐熱性のマルチフィラメ
ント繊維またはヤーン44からなる。外側鞘部45は、
10本の透明のモノフィラメント繊維46と、2本の耐
熱性のマルチフィラメント繊維またはヤーンからなる。
【0074】各鞘部の耐熱性繊維44と48は互いに対
角線状に対向しているのが好ましい。内側鞘部の耐熱性
繊維44もまた、外側鞘部の耐熱繊維48から90度離
間していても良い。内側鞘部の繊維と外側鞘部の繊維
は、反対方向に巻かれており、繊維44と繊維48どう
しの相対間隔を維持するために、内側鞘部繊維の巻き付
け角度は外側鞘部繊維の巻き付け角度よりも小さい。
【0075】図18は、内側鞘部(インナーシース)の
耐熱繊維44と、外側鞘部(アウターシース)の繊維4
8の例を示しており、これらの接触角は、二つの鞘部
(シース)どうしが90度の離間を維持するように決め
られている。図11に示されているように、アウターシ
ース繊維48とインナーシース繊維44は各々二重螺旋
を形成しており、後者の二重螺旋はより小さな外径を持
ち、前者の内部に入れ子状になっている。
【0076】図18に示されるように、この実施形態に
よるストリングは、透明なポリマー内に浮かんだ一対の
二重螺旋の外観を呈している。繊維44と48の相対的
な巻き付け角度または巻きの方向を変えることによって
ストリングの外観を変更することができる。しかし、双
方のシースが35〜40度の高い巻き付け角度(撚角)
を維持しているのが好ましい。
【0077】図6の実施の形態では、アウターシースの
繊維46、48は、インナーシースの繊維42、44よ
りも大きな径を備えている。しかし、図7〜9に示され
ているように、インナーシース50、60、および70
の繊維の相対的な径は、それぞれ、アウターシース5
2、62、および72の径に対して変えても良く、各シ
ースが含んでいる繊維の数も変更して良い。なお、図7
〜9において、13a,13bは皮糸の副成分耐熱性繊
維である。
【0078】インナーシースの繊維41、50、60、
および70は、インナーシース45、52、62、およ
び72の繊維と反対方向に螺旋状に巻かれている。ま
た、図9に示されているように、コア74を、他の実施
例の形態のようにモノフィラメントのコアではなく、マ
ルチフィラメントのコアとしても良い。
【0079】上に示した種々の実施形態に加えて、単一
層と二層のストリング構造の双方に対して様々な異なっ
た形式のコアを採用することができる。例えば、図10
〜図13は、コアが、複数本のモノフィラメント繊維
(図10)、1本のマルチフィラメント繊維(図1
1)、複数本のマルチフィラメント繊維(図12)、ま
たは、少なくとも1本のモノフィラメント繊維と少なく
とも一本のマルチフィラメント繊維(図13)で構成さ
れた、追加的な単一層シースのストリングを示してい
る。同様に、図14〜図16は、コアが、複数本のモノ
フィラメント繊維(図14)、複数本のマルチフィラメ
ント繊維(図15)、または、少なくとも1本のモノフ
ィラメント繊維と少なくとも1本のマルチフィラメント
繊維(図16)で構成された、二重螺旋ストリングの追
加的な構造を示している。なお、図10〜16におい
て、12は皮糸の主成分繊維、13,13a,13bは
皮糸の副成分耐熱性繊維、70は内側鞘部(インナーシ
ース)の繊維、72は外側鞘部(アウターシース)の繊
維、74はマルチフィラメントからなる芯糸、75はモ
ノフィラメントからなる芯糸である。
【0080】図17は、2本の耐熱繊維80、82を含
む単一層シースを有するストリングの実施形態を示して
いる。前記実施形態と同様に、コア、シースの残りの繊
維、および接着剤と被覆部は全て透明であり、その結
果、透明なポリマー内に浮かんだ二重螺旋の外観を呈し
たストリングが提供される。
【0081】
【実施例5】単糸デニールが約6.2デニールのナイロ
ン66からなる、繊維本数:1050本、トータル繊
度:6510デニールのマルチフィラメントに、アルコ
ール可溶性ナイロン溶液を含浸させ、ノズルで絞りなが
ら、撚係数1.30で撚加工を行った。巻き取る前で乾
燥工程を設け、アルコール可溶性ナイロンを硬化させ
た。
【0082】この糸を芯糸として、皮糸に直径0.16
0mmのナイロン6モノフィラメントを14本と、実施
例1で使用したのと同じものを別に用意したポリメタフ
ェニレンイソフタルアミド繊維からなる撚られたマルチ
フィラメント2本を、図19に示すように配置し、螺旋
状に、芯糸に対する巻き付け角度35度で巻き付けて、
同時に透明なナイロン系接着剤で固定した。図19にお
いて、91は芯部のマルチフィラメント、92は鞘部の
ナイロン6モノフィラメンと、93,93’は鞘部のポ
リメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる撚られ
たマルチフィラメントである。
【0083】次いで、透明な熱溶融ナイロン6を用い
て、この表面をコーティングした。図19において、9
4は透明な熱溶融ナイロン6樹脂である。耐熱性繊維糸
からなる皮糸の、全体皮糸に対する割合は12.5重量
%であった。
【0084】得られたストリング90は、引張強力は6
5.6kg、結節強力は36.8kg、引張伸度(破断
伸度)は20.3%、直径は1.337mmであった。
【0085】実施例1と同じ試験で求めた耐久性は、1
274回であった。
【0086】巻き付け角度が16度で、皮糸にすべてナ
イロン6からなる従来からなるストリングの耐久性は、
508回であった。
【0087】本実施例のストリングを使用し実際のプレ
ーによる試打試験を行うと、反撥性が優れ、天然ガット
と類似の打球感が得られることが判明した。
【0088】次に、巻き付け角度と打球性に関係を調べ
た。表1に、巻き付け角度と打球性に関係する物性を示
す。巻き付け角度が、大きくなるに従い、引張強力、結
節強力、破断伸度は、低下傾向にある。しかしながら、
打球性に関係する特性、中間伸度は向上し、動的弾性率
は低下し、打球感が向上することを示している。耐久性
については顕著に向上している。表1中、中間伸度と
は、ストリングがラケットに張設された状態における、
打球時の伸びを想定して求めている特性である。この値
が大きいほど、反撥性、ホールド感が向上する。
【0089】
【表1】
【0090】天然ガットが、種々の欠点、高価、耐久性
不足などがあるにもかかわらず、今なおプロの選手に使
用されているのは、主にこの特性に関係していると思わ
れる。天然ガットの特性を一口で言うと、破断伸度が低
いが中間伸度が高いことになる。
【0091】表1から明らかな通り、本発明のストリン
グは、実際のプレー時の挙動に対応するといわれている
動的弾性率も低くなる傾向を示し、天然ガットの値に接
近している。ちなみに、天然ガットのこの特性値は、ほ
ぼ9000〜10000程度である。したがって、ソフ
トな打球感が得られた。
【0092】なお、動的弾性率は、60ポンドの荷重
下、ストリングに縦振動させるための治具を取り付けて
振動させ、共鳴する周波数を求め、下記の式から計算し
た。
【0093】動的弾性率(N)=(Hz)22π2LM
(但し、Hz:共鳴周波数、L:ストリングの長さ
(m)、M:治具の重さ(kg)) 本発明は、その本質的な特徴から逸脱することなく、他
の具体的な形態でも実施可能である。本出願に開示され
た実施形態は、あらゆる点で、解説として考慮されるべ
きであり、限定として考慮されるべきではない。本発明
の範囲で、前述の記載によってではなく、添付された請
求項によって示され、請求項と均等な意味と範囲内で行
われる変更も包含されるものとする。
【0094】
【発明の効果】前記の通り、本発明のストリングは驚く
べき耐久性が良好であり、しかも本発明により、直径が
1.1〜1.2mmのような細いゲージのストリングで
も、耐久性が向上し、一般に使用されることが可能にな
った。このストリングは、打撃特性、耐久性、および、
張り易さという、三つの優れた特性をバランス良く保持
している。また、天然ガットに近似した打球感を発揮す
る。さらに、特殊な模様が得られるようになり、プレー
ヤーに安らぎ感を与えるような効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で得られたストリングの断
面図である。
【図2】 本発明の実施例2で得られたストリングの断
面図である。
【図3】 本発明の実施例3で得られたストリングの断
面図である。
【図4】 同、ストリングの断面斜視図である。
【図5】 同、ストリングの側面図である。
【図6】 本発明の実施例4で得られたストリングの断
面図である。
【図7】 本発明の実施例4で例示するストリングの断
面図である。
【図8】 本発明の実施例4で例示するストリングの断
面図である。
【図9】 本発明の実施例4で例示するストリングの断
面図である。
【図10】 本発明の実施例4で例示するストリングの
断面図である。
【図11】 本発明の実施例4で例示するストリングの
断面図である。
【図12】 本発明の実施例4で例示するストリングの
断面図である。
【図13】 本発明の実施例4で例示するストリングの
断面図である。
【図14】 本発明の実施例4で例示するストリングの
断面図である。
【図15】 本発明の実施例4で例示するストリングの
断面図である。
【図16】 本発明の実施例4で例示するストリングの
断面図である。
【図17】 本発明の他の実施形態によるストリングの
側面図である。
【図18】 図6のストリングの側面図である。
【図19】 本発明の実施例5で得られたストリングの
断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,90 ストリング 11,21,31,40,74,75,91 芯糸 12,12a-12f,22a-22g,32,92,42,46 皮糸の主成分繊維 13,13a-13d,23a-23d,33a-33b,44,48,80,82,93,93' 皮
糸の副成分耐熱性繊維 14,24,34 ナイロン系接着剤層 15,25,35,94 熱溶融ナイロン6の層 16,26,36 透明接着樹脂層 41,50,60,70 内側鞘部 45,52,62,72 外側鞘部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−126872(JP,A) 特開 昭56−70772(JP,A) 特開 平7−275404(JP,A) 特開 平6−218081(JP,A) 実開 平7−22764(JP,U)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維のモノフィラメントからなる芯
    糸と、前記芯糸の外周面に巻回された複数本の皮糸から
    なる芯鞘構造を有し、全体を被覆樹脂で一体化したラケ
    ット用ストリングにおいて、 前記芯糸と皮糸の主繊維糸及び被覆樹脂は実質的に透明
    であり、 前記皮糸の残りの繊維糸は融点または分解温度が270
    ℃以上の耐熱性繊維であり、破断伸度が10〜30%の
    範囲でかつ相対的に透明度が低いとともに、前記皮糸は
    前記芯糸の周りに、ストリング軸に対する巻き付け角度
    が30〜40度の範囲で巻かれており、 かつ、皮糸全体を100重量%としたとき、皮糸の主繊
    維である実質的に透明な繊維糸の割合が65〜90重量
    %の範囲、残りの繊維の耐熱性繊維糸の割合が10〜3
    5重量%の範囲であり、 前記耐熱性繊維糸の撚係数(ただし撚係数は、下記式
    (数1)によって求める。)が、0.4〜4.0の範囲
    であり、 前記ストリングは円周方向の任意の位置からみて二重螺
    旋(ダブルヘリカル)構造を呈することを特徴とするラ
    ケット用ストリング。 【数1】
  2. 【請求項2】 芯糸と皮糸の主繊維糸である実質的に透
    明な繊維が、ともにポリアミド系合成繊維糸である請求
    項1に記載のラケット用ストリング。
  3. 【請求項3】 耐熱性繊維糸が、芳香族系ポリアミド繊
    維、及びポリフェニレンサルファイド繊維から選ばれる
    少なくとも一つの繊維である請求項1に記載のラケット
    用ストリング。
  4. 【請求項4】 耐熱性繊維糸が、メタフェニレンイソフ
    タルアミド繊維である請求項1に記載のラケット用スト
    リング。
  5. 【請求項5】 皮糸の耐熱性繊維糸の本数が、2〜6本
    である請求項1に記載のラケット用ストリング。
  6. 【請求項6】 皮糸の耐熱性繊維糸が、マルチフィラメ
    ント及び紡績糸から選ばれる少なくとも一つの繊維であ
    る請求項1に記載のラケット用ストリング。
  7. 【請求項7】 皮糸が芯糸表面に1層で巻き付けられて
    いる請求項1に記載のラケット用ストリング。
  8. 【請求項8】 芯繊維からなる芯部と、前記芯繊維の周
    囲に巻かれた複数の鞘繊維で構成された被覆部と、前記
    芯部と前記鞘部繊維を一体に結合する被覆樹脂とを有す
    るラケット用ストリングであって、 前記鞘部繊維は融点または分解温度が270℃以上かつ
    破断伸度が10〜30%の範囲の耐熱性繊維を副成分と
    して含み、前記耐熱性繊維糸の撚係数(ただし撚係数
    は、下記式(数2)によって求める。)が、0.4〜
    4.0の範囲であり、 前記鞘部繊維は前記芯部繊維の周りに、前記芯部の軸芯
    に対して30〜40度の範囲の巻き付け角度で巻かれて
    おり、 かつ、鞘繊維全体を100重量%としたとき、鞘繊維
    は、主成分鞘繊維を65〜90重量%と、副成分鞘繊維
    を10〜35重量%含んでいることを特徴とするラケッ
    ト用ストリング。 【数2】
  9. 【請求項9】 前記鞘部繊維が複数本の主成分繊維と副
    成分繊維を含み、前記芯部繊維、前記主成分鞘部繊維、
    および前記被覆樹脂は透明であり、前記鞘部繊維の前記
    副成分繊維は比較的低い透明性を有し、そのために、前
    記ストリングは横から観察された時、多重螺旋状の外観
    を有する請求項8に記載のラケット用ストリング。
  10. 【請求項10】 二重螺旋状の外観をなすように、前記
    ストリングは2本の副成分鞘繊維を備えている請求項8
    に記載のラケット用ストリング。
  11. 【請求項11】 芯部繊維と鞘部繊維は、実質的に透明
    であり、且つ、ポリアミド系の合成繊維である請求項8
    に記載のラケット用ストリング。
  12. 【請求項12】 副成分鞘繊維は、芳香族ポリアミド繊
    維とポリフェニレンサルファイド繊維で構成されたグル
    ープから選択された少なくとも一種類の繊維である請求
    項8に記載のラケット用ストリング。
  13. 【請求項13】 耐熱繊維は、メタフェニレンイソフタ
    ルアミド繊維である請求項8に記載のラケット用ストリ
    ング。
  14. 【請求項14】 鞘繊維は、2〜6本の耐熱繊維を有す
    る請求項8に記載のラケット用ストリング。
  15. 【請求項15】 耐熱繊維は、マルチフィラメント繊維
    とスパンヤーンで構成されたグループから選択された少
    なくとも一種類の繊維である請求項8に記載のラケット
    用ストリング。
  16. 【請求項16】 鞘繊維が芯部周りに一層状に巻かれて
    いる請求項8に記載のラケット用ストリング。
  17. 【請求項17】 芯部繊維がモノフィラメント繊維を有
    する請求項8に記載のラケット用ストリング。
  18. 【請求項18】 芯部繊維が複数のモノフィラメント繊
    維を有する請求項8に記載のラケット用ストリング。
  19. 【請求項19】 芯部繊維がマルチフィラメント繊維を
    有する請求項8に記載のラケット用ストリング。
  20. 【請求項20】 芯部繊維が少なくとも1本のモノフィ
    ラメント繊維と少なくとも1本のマルチフィラメント繊
    維を有する請求項8に記載のラケット用ストリング。
  21. 【請求項21】 鞘部繊維が複数のモノフィラメント繊
    維を有する請求項8に記載のラケット用ストリング。
  22. 【請求項22】 鞘部繊維が複数のマルチフィラメント
    繊維を有する請求項8に記載のラケット用ストリング。
  23. 【請求項23】 鞘部繊維が複数のモノフィラメント繊
    維と複数のマルチフィラメント繊維を有する請求項8に
    記載のラケット用ストリング。
  24. 【請求項24】 鞘部繊維が内側鞘部繊維及び外側鞘部
    繊維にわかれており、前記内側鞘部繊維及び外側鞘部繊
    維の少なくとも一部の繊維は、芯部繊維の周りに、前記
    芯部の軸芯に対して30〜40度の範囲の巻き付け角度
    で巻かれている請求項8に記載のラケット用ストリン
    グ。
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