JPH03205070A - ガットの製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、主に硬式テニス、他に軟式テニス、バドミ
ントン、スカッシュ、ラケットポールの各種ラケットに
用いられる合成樹脂ガツトの製造法に関するものである
。

〔従来の技術〕

各種ラケットに用いられるガツトに要求される主な特性
には、高い耐久性、適度な反発性、柔軟性の３つがある
。

高い耐久性には、高い耐摩耗性と共に高い引張強力が必
要である。

最近の世界の硬式テニス用代表的ガツトを入手し調べて
みると、牛の腸から作った１４種の天然ガツトの平均値
は６４．７ｋｇであった。同様に、ナイロン製の１１種
の平均値は６６．５ｋｇ、ポリエステル製は６９．２ｋ
ｇであった。

非常に高い耐久性を有するガツトとプレーヤーから認識
されるには、引張強力がおよそ１００　ｋｇ以上の値を
有することが必要と考えられる。

もう１つの要求特性である反発性は、ラケットが従来の
木製からカーボン製に変更になったことから、ラケット
の弾性とフェース面積が増大したことから大幅に向上し
た。ビギナーからは、今なお一層の反発性の向上が望ま
れている反面、トップクラスのプレーヤーにとっては過
度の反発性はコントロール性の喪失を意味する。

このため、トップクラスのプレーヤーからは、自分の意
志でコントロール出来る範囲内の反発性を有するガツト
の出現が望まれていた。

反発性は、主にガツトの引張伸度により支配される。従
来の天然ガツトではおおよそ２０〜２５％、合成繊維製
ガツトでは２７〜３３％程度である。引張伸度１０％以
下程度で自分の意志がコントロール出来る範囲と考えら
れる。２％以下になると反発性は全く期待できなくなり
、ガツトととしての機能は完全になくなる。例えば、特
公昭５２−１３９９０号公報に示されているような炭素
繊維製品でテニスラケットのガツトとし用いると、２％
以下しか期待できず上記の理由からガツトには適用出来
ない。

３つめの必要特性である柔軟性もまた重要であり、耐久
性と反発性が満足していても柔軟でなければガツトには
供しえない。例えば、実開昭５９−５９５８号公報で示
されている低融点ナイロンを鞘部とする芯鞘型複合繊維
よりなるガツトや、特開昭５５−２６９０３号公報で示
されている芯糸と皮糸とを紡糸直後に融着してなるガツ
トでは、高い耐久性や低い伸度は得られないことは勿論
、前者は低融点ナイロン量が多すぎること、後者は実質
上１本のモノフィラメントであることから柔軟性の点で
十分でなかった。

〔発明が解決しようとする問題点］ この発明は、上記のような問題点を解消したもので、プ
ロのプレーヤーを含め競技回数が非常に多いトップクラ
スのプレーヤーを主に対象として、従来のガツトに見ら
れない耐久性を有するガツトの製造法を提供するもので
ある。

もう１つの目的は、一般に、プロの選手が試合をする場
合−試合で、天然ガツトは勿論のこと、合成繊維製ガツ
トでもガツトを張設したラケットを少なくとも数本を容
易しないと間に合わないので、少なくとも、−試合一本
のラケットで間に合う程度の耐久性を有するガツトの製
造法を提供するものである。

さらに、他の目的はプレーヤーの意志以上にポールが飛
び過ぎるとコントロール性が失われることになり、プレ
ーヤーの意志どおりにボールを操ることが試合を有利に
進めるポイントであることから、コントロール性の優れ
たガツトの製造法を提供するものである。

さらに、他の目的はガツトとしての要求特性には、打球
に関係するもの以外に、張設なと取扱い性が良くないと
十分に性能が発揮されないので、柔軟で取扱い性のよい
ガツトの製造法を提供するものである。

〔課題を解決するための手段および作用〕上記の目的を
達成するため、この発明のガツトの製造法は、複数本の
アラミド繊維マルチフィラメントと数本の低融点ナイロ
ンフィラメントとを混合、収束したものを加熱して前記
ナイロンフィラメントを溶解させて複数本のアラミド繊
維同志を融着したものを芯材とし、該芯材の外周面に複
数本のアラミド繊維フィラメントと数本のナイロンフィ
ラメントとを巻回または編組し、さらにこの外周面をナ
イロン樹脂で被覆コーティングしたものである。

この発明に用いられるアラミド繊維は、バラ系芳香族ポ
リアミドのマルチフィラメントである。

引張強度は約１８〜２２ｇ／ｄ程度であり、引張伸度と
２〜５％程度である。従来からガツト用として使用され
てきたナイロン繊維と比較すると、強度で２〜３倍、伸
度で１０分の１程度である。

引張弾性率は、約１０倍で剛直であり、マルチフィラメ
ントでないと柔軟性かえられずガツト用には供されない
。

上記のマルチフィラメントは複数本引き揃えて数千デニ
ールとし、撚るか編組する。これは、原糸の伸度のみで
は望ましいガツトの引張伸度かえられないためで、構造
的な要因で伸びを与えるためである。撚数は、数百回／
ｌａ以下で十分である。

ガツトの伸度が２〜１０％の間で反発性とコントロール
性が両立するが、ガツトの望ましい伸度５〜８％はこれ
らの手段で達成できる。

また、上記の引き揃えにあたっては低融点ナイロンフィ
ラメントを混合することが必要であり、低融点ナイロン
をこの後の熱処理により溶解し、アラミド繊維同志を接
着させるためでる。接着されていないとガツトになった
時に簡単に折れて、品位や性能が十分に発揮しえない。

低融点ナイロンは、種々のナイロン、例えばナイロン６
、６６．６１０，１１．１２などを共重合して作られる
。種類および共重合比率などで融点が変えられる。

融点は、柔軟性、浸透性、取扱性などの観点から１１０
〜１２０℃のものが良い。

低融点ナイロンは、フィラメントで複数本のアラミド繊
維を引き揃える時に混合することが大事である。このた
め溶液状の接着剤を使用する場合と異なり、アラミド繊
維のマルチフィラメントの中まで十分に入り込むことが
できる。

また、混合率も重要で２０％以上では硬くなりすぎ、ガ
ツトの望ましい柔軟性からは１５％以下ぐらいが望まし
い。

この２つの理由からガツトになっても、簡単に折れ曲が
ることもなく、柔軟性も損なわれず理由的な柔軟性を有
するガツトかえられる。

次に、このようにして得られた紐状体を芯材とし、この
外周部を複数本のアラミド繊維フィラメントと数本のナ
イロンフィラメントとを巻回または編組する。

ここで用いるアラミド繊維フィラメントは、芯材に用い
たものより細いものを使用する。１００〜３００デニー
ル程度のものを、そのまままたは加熱して用いる。

同時に１’ＯＯ〜７００デニ一ル程度の通常のナイロン
モノフィラメントも併用する。

ここのアラミド繊維フィラメントは、ガツト全体の引張
強力の向上にも寄与するが、高い耐久性に欠かすことの
出来ない耐摩耗性の向上に大きく寄与する。

また、ナイロンモノフィラメントは、巻回する場合に用
いるナイロン系接着剤の効果をアンカー効果で高めるた
めに用いる。

この後、ナイロン系樹脂で全体を被覆コーティングする
。巻回したものは、溶融ナイロンでコーティングするが
、耐摩耗性の観点からはナイロン６６を使用したほうが
有利である。編組したものは、ナイロン溶液で処理する
のが外観面から有利である。

この後、シリコーン、パラフィンワックスなど平滑剤を
塗布してガツトとして仕上がる。

〔実　施　例〕

アラミド繊維の１５００デニールマルチフイラメント（
１１（Ｄｕｐｏｎｔ社製ケブラー）に、融点が１１０〜
１２０℃である低融点ナイロンの１００デニールマルチ
フイラメント（２）（東し■製エルダー）を混合し２２
０Ｔ／ｍの撚り数でＳ方向に加熱した。この時のアラミ
ド繊維の混合率は６．７％である。

次に、これらを３本合わせてｌｌ０Ｔ／ｍ　　の撚り数
でＺ方向に加熱した。

この後、１３０℃の雰囲気中で２分間熱処理して低融点
ナイロン（２）を溶解、アラミド繊維を融着させ、単体
（Ａ）を形成した。この単体（Ａ）を３本撚り合わせて
撚糸（Ｂ）を芯材とした。

この外周部に２００デニールのケブラーマルチフィ（３
）を２４本と４５０デニールのナイロン６製モノフィラ
メント（４）を４本でナイロン系接着剤を用いて巻き付
けた。

次いで、この外周部を溶融ナイロン６６を用いて被覆コ
ーティング（Ｄ）した。

シリコーン溶液を塗布し、１２ｍにカットし製品に仕上
げた。

このガツト物性は、引張強力は１５０　ｋｇ、結節強力
は５１．２ｋｇ、引張伸度は５．０％、直径は１．３５
０であった。

このガツトをカーボン製のラケットのタテ糸に約３０瞳
の張力で張設した。ヨコ方向には通常のすイロン製ガツ
トを約２７ｋｇの張力で張設した。

このラケットを世界−流の複数のプロに試打して貰った
ところ、従来のガツトでは得られないコントロール性と
耐久性が実証された。

〔発明の効果〕

この発明は、複数本のアラミド繊維マルチフィラメント
と数本の低融点ナイロンフィラメントとを混合、収束し
たものを加熱して前記ナイロンフィラメントを溶解させ
て複数本のアラミド繊維同志を融着したものを芯材とし
、該芯材の外周面に複数本のアラミド繊維フィラメント
と数本のナイロンフィラメントとを巻回または編組し、
さらに、この外周面をナイロン樹脂で被覆コーティング
することを特徴とするラケット用ガツトの製造法に係る
ものであるから、従来のガツトでは困難であった高い耐
久性とコントロール性が可能となった。

高い耐久性は、非常に強い引張強力と芯材の外周部に巻
回または編組したアラミド繊維による高い対摩耗性によ
り得られる。

高いコントロール性は、引張伸度が２〜１０％に設定さ
れたことが寄与している。

低融点ナイロンを特定量を混合してアラミド繊維を融着
させることにより、高弾性、高強力ガツトでは得られに
くい柔軟で、しかも折れ曲がってしまうような欠点も解
決した。

これらの効果は、世界−流のプロ選手により実証された
。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明によるガツトの実施例を示すもので、第
１図はその斜視図、第２図はその拡大断面図である。 （１）・・・アラミド繊維マルチフィラメント、（２）
・・・低融点ナイロンフィラメント、（３）・・・アラ
ミド繊維マルチフィラメント、（４）・・・ナイロン千
ノフィラメント、（Ｄ）・・・ナイロンコーティング層
。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）複数本のアラミド繊維マルチフィラメントと数本
   の低融点ナイロンフィラメントとを混合し、収束したも
   のを加熱して前記ナイロンフィラメントを溶解させて複
   数本のアラミド繊維同志を融着したものを芯材とし、該
   芯材の外周面に複数本のアラミド繊維フィラメントと数
   本のナイロンフィラメントとを巻回または編組し、さら
   にこの外周面をナイロン樹脂で被覆コーティングするこ
   とを特徴とするラケット用ガットの製造法。
2. （２）低融点ナイロンフィラメントの融点が１１０〜１
   ２０℃であって、芯材のアラミド繊維に対する混合比率
   が１５％以下であることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載のガットの製造法。
3. （３）ガットの引張強力が１２０ｋｇ以上、望ましくは
   １２０〜１５０ｋｇ以上引張伸度が２％〜１０％、望ま
   しくは５％〜８％であることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項又は第２項記載のガットの製造法。