JPH07116966A - ラチェットスパナ - Google Patents

ラチェットスパナ

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JPH07116966A
JPH07116966A JP26913893A JP26913893A JPH07116966A JP H07116966 A JPH07116966 A JP H07116966A JP 26913893 A JP26913893 A JP 26913893A JP 26913893 A JP26913893 A JP 26913893A JP H07116966 A JPH07116966 A JP H07116966A
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JP26913893A
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English (en)
Inventor
和夫 ▲吉▼田
Kazuo Yoshida
Shojiro Hasegawa
庄二郎 長谷川
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SUUPAA TOOL KK
SUPER TOOL CO Ltd
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SUUPAA TOOL KK
SUPER TOOL CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭い場所等でのナット等の締結、あるいは締
結解除における作業性向上を図る。 【構成】 頭部14を、軸18を支点として開閉可能に
連結された第1及び第2頭部片14a,14bから構成
し、第1頭部片14aを把持部12に軸支することによ
り頭部14を把持部12に揺動可能に装着し、軸体22
bと第2頭部片14bとに亘って装着されたねじりバネ
26の付勢力により頭部14が閉状態となり、把持部1
2に形成された長孔20の端部に軸18が当接するよう
にした。またこの状態で、軸体22bと第2頭部片14
bの切欠部30との間に適度の隙間が生じるようにし
た。そして、ナット等の締結時には、把持部12を回転
させることにより、軸体22bが切欠部30に当接し、
これにより頭部14の開閉動作が阻止されるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナット部材の締結等に
使用されるスパナにおいて、特に狭い場所でのナット部
材の締結等に適したラチェットスパナに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ナットやボルトの締結、ある
いは締結解除作業においては、ナット,ボルトを回すた
めの工具としてスパナが使用されている。スパナの構成
は、把持部となる金属棒状体の端部に頭部が設けられ、
この頭部にナット等への係合部が先端に向かって開口し
たものが一般的で、把持部の片側端部にのみ頭部が具備
された片口スパナや、サイズの異なった2種類のナット
等と係合する一対の頭部が把持部の両端部に具備された
両口スパナ等はその利用頻度が高い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、機械の組立
て分野や建築分野等において、上記スパナを使用してナ
ット等の締結、あるいは締結解除作業を行う場合には、
以前から以下のような煩雑な事態が発生している。
【0004】すなわち、ナット等の締結等の作業は、ナ
ット等をスパナにより回転させる作業であるから、必然
的にナット等の締結箇所の周囲にはスパナを回転させる
ための空間が必要となる。しかしながら、ナット等の締
結箇所には、必ずしもスパナを回転させるのに充分な空
間が確保されているとは限らず、それ故にスパナを充分
に回転させてナット等を締結することができない場合が
ある。従って、このような場合には、スパナをナット等
に係合させて、スパナの回転可能な範囲でナットを回転
させた後、一旦スパナをナット等から取外して、ナット
等に対するスパナの係合位置をずらして再度ナットを回
転させるといった具合に、スパナのナット等に対する着
脱を繰返し行いながら徐々に締め付けを行うという極め
て煩雑な作業を強いられていた。
【0005】また、ナット等が完全に締結されてスパナ
をナット等から取外す際に、例えば、スパナの頭部が他
の機械部品に邪魔されて取外すことが困難、あるいは不
可能な場合もある。このような場合には、スパナを逆方
向に回転させて一旦ナットを緩めた後に、スパナとナッ
ト等の係合位置をずらしてナット等を再度締め付けてス
パナを取外す必要があった。
【0006】さらに、ナット等にスパナを係合させる際
には、スパナがナット等に係合しうる向きに一致させる
必要があるので、狭い場所での作業時には、ナット等へ
のスパナの係合作業に手間取るといった煩雑さがある。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、狭い場所等でのナット等の締結、ある
いは締結解除における作業性向上を図ることができるラ
チェットスパナを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、把持部と、上
記把持部の端部に具備される頭部とを有し、上記頭部に
ナット部材への係合部が形成されてなるスパナにおい
て、相互に軸支されてハサミ状に開閉自在な第1及び第
2頭部片からなる上記頭部と、上記把持部に形成され、
上記第1頭部片に対する上記第2頭部片の開閉を規制す
る規制部と、この規制部に対応して上記第2頭部片に形
成される被規制部と、上記第2頭部片と上記把持部とに
亘って装着され、第2頭部片と第1頭部片とが閉状態又
は開状態となるように付勢する付勢部材とを備え、上記
頭部は、上記第1頭部片が軸支されることにより上記把
持部に揺動自在に装着され、上記被規制部は、上記第2
頭部片の第1頭部片に対する一定量の開閉を許容する開
閉許容部分と上記第2頭部片の第1頭部片に対する開閉
を阻止する開閉阻止部分とからなり、上記把持部を上記
第1頭部片に対して揺動させた状態では上記規制部が上
記開閉阻止部分に当接される一方、これ以外の状態では
上記付勢手段の付勢力により上記規制部が上記開閉許容
部分に当接されるものである。
【0009】また、把持部と、上記把持部の端部に具備
される頭部とを有し、上記頭部にナット部材への係合部
が形成されてなるスパナにおいて、相互に軸支されてハ
サミ状に開閉自在な第1及び第2頭部片からなる上記頭
部と、上記把持部に形成され、上記第1頭部片に対する
上記第2頭部片の開閉を規制する規制部と、この規制部
に対応して上記第2頭部片に形成される被規制部と、上
記第2頭部片と上記把持部とに亘って装着され、第2頭
部片と第1頭部片とが閉状態又は開状態となるように付
勢する付勢部材とを備え、上記頭部は、上記第1頭部片
が軸支されることにより上記把持部に揺動自在に装着さ
れ、上記被規制部は、上記第2頭部片の第1頭部片に対
する一定量の開閉を許容する開閉許容部分と上記第2頭
部片の第1頭部片に対する開閉を阻止する開閉阻止部分
とからなり、上記把持部を上記第1頭部片に対して揺動
させた状態では上記規制部が上記開閉許容部分に当接さ
れる一方、これ以外の状態では上記付勢手段の付勢力に
より上記規制部が上記開閉阻止部分に当接されるもので
ある。
【0010】
【作用】本発明によれば、ナット部材の締結作業等にお
いては、先ず頭部をナット部材に押し付けることにより
頭部がハサミ状に開かれつつ、ナット部材が各頭部片に
挾まれた状態で係合部に係合され又は開かれた状態にあ
る頭部の各頭部片間に介在される。そして、把持部に力
を加え、把持部を頭部に対して揺動させつつ回転させる
ことにより頭部が閉じられた状態が強固に保持され、こ
れによってナット部材が頭部に挾まれ係合された状態で
スパナと一体に回転されて、ナット部材の締結等が行わ
れる。この際、把持部を一定量回転した後、上記と異な
る方向に把持部を回転させると、上記のような頭部の開
閉阻止状態が解除され、これによって頭部がナット部材
に対して相対的に回転可能となる。従って、ナット部材
に対してスパナの頭部を着脱することなく、把持部を持
ってスパナを正逆回転させるだけで連続的なナット部材
の締め付けを行うことができる。さらに、締結完了後に
スパナをナット部材から取外す際に、スパナの取外し方
向に障害物がある場合でも、上記のようにナット部材に
対してスパナを相対的に回転させることが可能なので、
締結完了後のナット部材を緩めることなくスパナの取外
し方向を容易に変えることができる。
【0011】従って、本発明のスパナを用いたナット部
材の締結、あるいは締結解除作業では、スパナのナット
部材に対する着脱が極めて容易行われるとともに、ナッ
ト部材が連続的に締め付けられる等するので、狭い場所
等でのナット等の締結、あるいは締結解除における作業
性向上を図ることができる。
【0012】
【実施例】本発明に係るラチェットスパナの第1実施例
を図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明のラ
チェットスパナを示す分解斜視図、図2は、ラチェット
スパナの頭部を示す断面略図である。
【0013】同図に示すように、ラチェットスパナ10
(以下、スパナ10と略す)は、把持部12と、この把
持部12の先端に装着される頭部14とから構成されて
いる。 上記頭部14は、第1頭部片14a及び第2頭
部片14bからなり、これらの各頭部片14a,14b
がその基端部において、同図に示すように軸18によっ
て相互に軸支されて開閉可能に連結されている。各頭部
片14a,14bの先端側対向面には、ナット等と係合
する係合面16a,16bがそれぞれ形成されており、
上記各頭部片14a,14bが互いに当接された状態、
すなわち頭部14が閉じられた状態でのみ、上記各係合
面16a,16bにより頭部14の先端側に向かって開
口する平面視略コ字状の係合部16が形成されるように
なっている。上記各係合面16a,16bは、それぞれ
複数の歯面、より具体的には、2つの六角形を30°だ
け周方向にオフセットした、いわゆる2重六角形状(1
2ポイント形状)に形成されており、後に詳述する締結
作業時において頭部14をナット等に係合させる際に、
容易に頭部14とナット等が係合しうるようにされてい
る。
【0014】上記把持部12は、同図に示すように上下
一対(図1で上下)の把持部板12a,12bからな
り、各把持部板12a,12bが積層された後リベット
等の固着手段により固定されている。このように固定さ
れ一体化された把持部板12a、12bの先端部には、
これらの間に隙間が形成されるようになっており、この
隙間に上記頭部14が介装、装着されている。上記頭部
14の把持部12への装着は、上記各把持部板12a,
12bの先端部にそれぞれ形成された穿孔部24aと、
上記頭部14の第1頭部片14aに形成された穿孔部1
3とに亘って軸体22aが挿通、止着されることにより
行われている。また、上記把持部12の先端部におい
て、装着された頭部14の第2頭部片14bの外側方
(図2では、上側方)となる各把持部板12a,12b
の各箇所には、それぞれ穿孔部24bが形成されてお
り、これらの穿孔部24bに亘って軸体22bが挿通、
止着されている。
【0015】ところで、上記頭部14の第2頭部片14
bの上側部(図2で上側部)には、湾曲状の切欠部30
が形成されるとともに、この切欠部分から第2頭部片1
4bの下側近傍(図2で下側)に亘って凹部28が形成
されている。この凹部28には、ねじりバネ26が配設
され、その先端部が上記軸体22bに巻着される一方、
その基端部が上記凹部28において上記第2頭部片14
bに固定されている。
【0016】また、上記各把持部板12a,12bに
は、それぞれ長孔20が形成されており、上記各頭部片
14a,14bを連結する軸18の上下頭部がこれらの
各長孔20に突入されている。
【0017】すなわち、上記把持部12と頭部14との
関係では、上記ねじりバネ26の作用により、頭部14
が軸体22aを支点として図2の矢印方向に付勢されつ
つ上記軸18の頭部が長孔20の上側端(図2で上側)
に当接された状態に保持され、上記第2頭部片14bと
上記軸体22bとの間に適度の隙間が形成されるように
なっている。従って、この状態で第2頭部片14bに外
力を加えた場合には、上記隙間の範囲で上記第2頭部片
14bの第1頭部片14aに対する開閉動作(図2の二
点鎖線に示す)が可能となっている。その一方、図3に
示すように、頭部14に対して把持部12を軸体22a
を支点として同図の矢印方向に回動させた場合には、上
記軸体22bが第2頭部片14bの切欠部30に当接さ
れた状態となり、これにより上記頭部14の開閉動作が
阻止されるようになっている。
【0018】以上のように構成された上記ラチェットス
パナ10の作用について図4及び図5を用いてナットの
締結作業を例に説明する。なお、同図においては、ナッ
トが反時計方向に回転されることによりボルト部材等に
締結されるものとする。
【0019】ナットの締結作業においては、先ずボルト
部材に対してナットを適度に螺着した後、スパナ10を
ナットに装着する。すなわちスパナ10の頭部14にナ
ットを係合させる。この場合、図4(a)に示すよう
に、ナットPに頭部14の先端部を押し付けるようにす
る。すなわち、上記スパナ10では、図2に示すように
頭部14が開閉可能とされているので、ナットPに頭部
14の先端部を押し付けることにより、頭部14がナッ
トPに押し広げられつつ、ナットPが頭部14の各頭部
片14a,14b間に介在され、これにより図4(b)
に示すように、ナットPが頭部14の係合部16に係合
されることになる。従って、従来例のように、頭部に形
成された係合部がナットと係合しうるように、スパナと
ナットの向きを一致させる必要がなく、ナットPへのス
パナ10の係合を極めて容易に行なうことができる。
【0020】そして、上記のように、ナットPへのスパ
ナ10の係合が完了したら、次いで、把持部12を頭部
14に向かって適度に押圧しつつ、図4(c)に示すよ
うに反時計回り(図4(c)の矢印方向)に回転させ
る。このとき、スパナ10においては、把持部12が頭
部14に向かって押圧されることにより、上述の通り、
上記軸体22bが第2頭部片14bの切欠部30に当接
されて、頭部14の開閉動作が阻止される。従って、ナ
ットPは各頭部片14a,14bに強固に挾持された状
態でスパナ10と一体に回転され、これによってナット
Pがボルト部材等に対して螺着されることになる。
【0021】そして、例えば、スパナ10を充分に回転
させるスペースがない場合には、頭部14に向かって把
持部12を押圧するのをやめた状態で一旦把持部12を
ナットPの締め付け方向と逆の方向に回転させ、ナット
Pに対する頭部14の係合位置をずらした後、再度上記
のように頭部14に向かって把持部12を押圧しながら
スパナ10をナットPの締め付け方向に回転するように
する。すなわち、一旦把持部12を逆方向に回転させる
ときには、軸体22bが第2頭部片14bの切欠部30
に当接された状態が解除されて、頭部14の開閉動作が
可能となるので、スパナ10の逆方向の回転に伴い、頭
部14がナットPの外周面に摺接、開閉しながらナット
Pに対して相対的に回転される。つまり、これによりナ
ットPに対する頭部14の係合位置をずらすことができ
る。従って、従来例のようにナットに対してスパナの着
脱を行うことなく、ナットに対する頭部の係合位置をず
らすことができるので、スパナを充分に回転させるスペ
ースがない場合でも、迅速にナットPの締結作業を行う
ことができる。
【0022】このようにして、ナットPがボルト部材等
に強固に螺着されたら、スパナ10をナットPから取外
すことにより締結作業が完了するが、この場合でも頭部
14が開閉自在であるから、ナットPに対してスパナ1
0を引っ張ることにより容易にスパナ10をナットPか
ら取り外すことができる。また、図5(a)に示すよう
に、例えば、スパナ10の取外し方向に障害物Rが存在
する場合であっても、上記のようにナットPに対して頭
部14を相対回転させることが可能であるから、従来例
のように締結完了後のナットPを緩めることなく、図5
(b)に示すように、容易にスパナ10の取外し方向を
変えて取外すことができる。
【0023】次に、本発明に係るラチェットスパナの第
2実施例を図6及び図7を用いて説明する。なお、第2
実施例のラチェットスパナの構成は第1実施例のラチェ
ットスパナと基本的に同一であるため、同一機能を果た
すものについては同一符号を用い、以下に相違点のみを
簡単に説明する。
【0024】すなわち、図6に示すように、第2実施例
のラチェットスパナ10a(以下、スパナ10aと略
す)は、開閉自在に連結された第1及び第2頭部片14
a,14bからなる頭部14が把持部12の先端に揺動
可能に装着された点において上記第1実施例のスパナ1
0と同一であるが、第2頭部片14bに規制孔35が形
成されて、上記軸体22bがこの規制孔35に挿通され
ている点で相違している。 上記規制孔35は、同図に
示すように、狭幅部35aと幅広部35bとからなり、
狭幅部35aが頭部14の先端側(図6の左側)に形成
される一方、幅広部35bが頭部14の後端側(図6の
右側)に形成されている。通常状態では、軸体22bが
規制孔35の幅広部35b端部に当接された状態とされ
ている。このように軸体22bが幅広部35bの位置に
ある通常状態では、同図の二点鎖線に示すように、頭部
14の開閉動作、すなわち第1頭部片14aに対する第
2頭部片14bの開閉動作が上記幅広部35bの範囲で
可能となっている。その一方、図7に示すように、上記
軸体22bが規制孔35の狭幅部35aに移動された場
合には、上記頭部14の開閉動作が阻止されるようにな
っている。すなわち、上記第1実施例のスパナ10で
は、軸18の頭部が各把持部板12a,12bの長孔2
0に突入されることで軸体22aを支点とした頭部14
の揺動が規制されるとともに、軸体22bが第2頭部片
14bの切欠部30に当接することで頭部14の開閉動
作が規制されるのに対し、上記第2実施例のスパナ10
aでは、軸体22aを支点とした頭部14の揺動及び開
閉動作のいずれものが規制孔35と、これに疎通される
軸体22bとにより規制されるようになっている。従っ
て、上記スパナ10aの製造面では、各把持部板12
a,12bに長孔20を設ける必要がない点で上記スパ
ナ10よりも有利なものとなっている。
【0025】以上のように構成された第2実施例のスパ
ナ10aにおいても、上記第1実施例のスパナ10と同
一の作用効果を得ることできる。すなわち、図6に示す
状態で頭部14の開閉が可能となっているので、ナット
Pへのスパナ10aの装着、取外し、あるいは締結作業
時におけるナットPに対する頭部14の相対回転は、上
記第1実施例のスパナ10と同様に行うことができる。
また、ナットPの締結時には、把持部12を頭部14に
向かって押圧しつつ図7の矢印方向に回転させること
で、上記軸体22bが規制孔35の狭幅部35aに移動
されて上述のように頭部14の開閉動作が阻止されるの
で、これによりナットPとスパナ10aとを一体に回転
させてナットPをボルト部材等に螺着することができ
る。
【0026】次に、本発明に係るラチェットスパナの第
3実施例を図8及び図9を用いて説明する。なお、第3
実施例のラチェットスパナの構成は第2実施例のラチェ
ットスパナと基本的に同一であるため、同一機能を果た
すものについては同一符号を用い、以下に相違点のみを
簡単に説明する。
【0027】図8に示すように、第3実施例のラチェッ
トスパナ10b(以下、スパナ10bと略す)の構成要
素は上記第2実施例と同一であるが、規制孔35におけ
る狭幅部35aと幅広部35bの位置関係が左右反転
(図6と図8とを対比して左右)して形成されている点
及び上記第2実施例のスパナ10aでは、ねじりバネ2
6により頭部14が一体に軸体22aを支点として反時
計回りに付勢されているのに対し、スパナ10bでは、
頭部14が時計回りに付勢されるようになっている点で
相違する。
【0028】このスパナ10bにおいても、上記第2実
施例のスパナ10aと同様、通常状態では、軸体22b
が規制孔35の幅広部35b端部に当接された状態とさ
ており、このように軸体22bが幅広部35bの位置に
ある状態では、同図の二点鎖線に示すように、頭部14
の開閉動作、すなわち第1頭部片14aに対する第2頭
部片14bの開閉動作が可能となっている。また、図9
に示すように、上記軸体22aが規制孔35の狭幅部3
5aに移動された場合には、上記頭部14の開閉動作が
阻止されるようになっている。
【0029】以上のように構成された第3実施例のスパ
ナ10bにおいても、上記第2実施例のスパナ10aと
同一の作用効果を得ることできる。但し、第3実施例の
スパナ10bによるナットPの締結時には、把持部12
を図9の矢印方向、すなわち上記第2実施例のスパナ1
0aとは逆の方向に回転させることにより、上記軸体2
2bが規制孔35の狭幅部35aに移動されて、頭部1
4の開閉動作が阻止されるようになっている。
【0030】以上説明したように、上記構成の第1乃至
第3実施例のラチェットスパナ10,10a、10bで
は、ナット等の締結等の作業時には、スパナを正逆回転
させることにより、スパナをナット等から取外すことな
く連続的に締め付けることが可能となり、ナット等の締
結作業を極めて迅速に行うことができ、しかもナット等
へのスパナの着脱が極めて容易に行えるので、ナット等
の締結等の作業、特に狭い場所でのナット等の締結等の
作業における大幅な作業性の向上を図ることができる。
【0031】なお、上記第1乃至第3実施例のラチェッ
トスパナ10,10a,10bは、本発明のラチェット
スパナの一例であって、その構成は本発明の要旨を逸脱
しない範囲で適宜変更可能である。例えば、図10及び
図11に示すように、上記第2実施例のラチェットスパ
ナ10bと基本的に同一構成で、規制孔35における狭
幅部35aと幅広部35bの位置関係を左右反転(図6
と図10とを対比して左右)したラチェットスパナ10
cを構成しても構わない。このスパナ10cでは、通常
状態で、軸体22bが規制孔35の狭幅部35a端部に
当接され、これにより上記頭部14の開閉動作が阻止さ
れるようになっている。このスパナ10cを用いた締結
等の作業では、スパナ10cのナットへの係合に際し
て、頭部14の係合部16の向きをナットの向きに一致
させる、あるいはナットを押圧する方向(図10では左
側方向)にスパナ10cに力を加えるようにする。すな
わち、上記の方向に力を加えることにより図11に示す
ように軸体22bが狭幅部35aから幅広部35bに移
動されて頭部14の開閉が許容される状態となる。そし
てさらに力を加えることで、頭部14がナットにより押
し広げられ、これによってナットが頭部14に係合され
るとともに、係合後は、ねじりバネ26の付勢力により
頭部14が揺動され軸体22bが狭幅部35aに移動さ
れることで、ナットが頭部14に強固に係合、挾持され
た状態となる。そして、図10の矢印方向にスパナ10
cを回転させることによりナットの締結を行うことにな
る。しかし、スパナ10を逆方向に回転させた場合に
は、上述同様軸体22bが規制孔35の狭幅部35aか
ら幅広部35bに移動されて、同図の一点鎖線に示すよ
うに、頭部14の開閉動作が可能となるので、これによ
りナットに対する頭部14の相対回転が可能となる。従
って、スパナを充分に回転させるスペースがない場合で
の作業時には、上記実施例のスパナ10,10a,10
b同様に、ナットに対してスパナ10cを着脱すること
なく、ナットPに対して頭部14の係合位置をずらしつ
つナットの締結作業を行うことが可能である。
【0032】また、図12及び図13に示すように、上
記第3実施例のラチェットスパナ10bと基本的に同一
の構成で、規制孔35における狭幅部35aと幅広部3
5bの位置関係を左右反転(図8と図12とを対比して
左右)したラチェットスパナ10dを構成しても構わな
い。このスパナ10dでは、締結時にスパナ10dを図
12の矢印方向に回転されることによりナット等の締結
が行われる。また、スパナ10dのナットへの着脱に際
して、ナットからの取外時にスパナ10dを引っ張るこ
とで、軸体22bが図13に示すように狭幅部35aか
ら幅広部35bへと移動されて頭部14の開閉が許容さ
れる状態となるので、この状態でさらにスパナ10dを
引っ張ることによりスパナ10dをナットから容易に取
外すことができるようになっている。
【0033】さらに、上記実施例のスパナ10,10
a,10b及び上記変形例のスパナ10c,10dで
は、いずれも通常状態で頭部14が閉じられた状態にあ
るスパナの例について説明したが、例えば通常状態では
頭部14が常に開いているようにし、締結時等に力を加
えることにより頭部14が閉じてナット等が頭部14に
より挾持、係合されるように構成しても構わない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
把持部と、上記把持部の端部に具備される頭部とを有
し、上記頭部にナット部材への係合部が形成されてなる
スパナにおいて、相互に軸支されてハサミ状に開閉自在
な第1及び第2頭部片からなる上記頭部と、上記把持部
に形成され、上記第1頭部片に対する上記第2頭部片の
開閉を規制する規制部と、この規制部に対応して上記第
2頭部片に形成される被規制部と、上記第2頭部片と上
記把持部とに亘って装着され、第2頭部片と第1頭部片
とが閉状態又は開状態となるように付勢する付勢部材と
を備え、上記頭部は、上記第1頭部片が軸支されること
により上記把持部に揺動自在に装着され、上記被規制部
は、上記第2頭部片の第1頭部片に対する一定量の開閉
を許容する開閉許容部分と上記第2頭部片の第1頭部片
に対する開閉を阻止する開閉阻止部分とからなり、上記
把持部を上記第1頭部片に対して揺動させた状態では上
記規制部が上記開閉阻止部分に当接される一方、これ以
外の状態では上記付勢手段の付勢力により上記規制部が
上記開閉許容部分に当接されるようにしたので、狭い場
所等でのナット等の締結、あるいは締結解除における作
業性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラチェットスパナの第1実施例を
示す斜視図である。
【図2】第1実施例のラチェットスパナの通常の頭部の
状態を示す断面図である。
【図3】第1実施例のラチェットスパナの締結時の頭部
の状態を示す断面図である。
【図4】(a)は、ナットにラチェットスパナを係合さ
せる状態を示す平面略図、(b)は、ナットにラチェッ
トスパナを係合させた状態を示す平面略図、(c)は、
ナットを回転させている状態を示す平面略図である。
【図5】(a)は、締結作業終了時のナットとラチェッ
トスパナの一状態を示す平面略図、(b)は、ナットか
らのラチェットスパナの取外し状態を示す平面図であ
る。
【図6】本発明に係るラチェットスパナの第2実施例を
示す断面図である。
【図7】第2実施例のラチェットスパナの締結時の頭部
の状態を示す断面図である。
【図8】本発明に係るラチェットスパナの第3実施例を
示す断面図である。
【図9】第3実施例のラチェットスパナの締結時の頭部
の状態を示す断面図である。
【図10】第2実施例のラチェットスパナの一変形例を
示す断面図である。
【図11】図10におけるラチェットスパナの別の状態
を示す断面図である。
【図12】第3実施例のラチェットスパナの一変形例を
示す断面図である。
【図13】図12におけるラチェットスパナの別の状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ラチェットスパナ 12 把持部 14 頭部 14a 第1頭部片 14b 第2頭部片 16 係合部 18 軸 20 長孔 22a,22b 軸体 24a,24b 穿孔部 26 ねじりバネ 28 凹部 30 切欠部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 把持部と、上記把持部の端部に具備され
    る頭部とを有し、上記頭部にナット部材への係合部が形
    成されてなるスパナにおいて、相互に軸支されてハサミ
    状に開閉自在な第1及び第2頭部片からなる上記頭部
    と、上記把持部に形成され、上記第1頭部片に対する上
    記第2頭部片の開閉を規制する規制部と、この規制部に
    対応して上記第2頭部片に形成される被規制部と、上記
    第2頭部片と上記把持部とに亘って装着され、第2頭部
    片と第1頭部片とが閉状態又は開状態となるように付勢
    する付勢部材とを備え、上記頭部は、上記第1頭部片が
    軸支されることにより上記把持部に揺動自在に装着さ
    れ、上記被規制部は、上記第2頭部片の第1頭部片に対
    する一定量の開閉を許容する開閉許容部分と上記第2頭
    部片の第1頭部片に対する開閉を阻止する開閉阻止部分
    とからなり、上記把持部を上記第1頭部片に対して揺動
    させた状態では上記規制部が上記開閉阻止部分に当接さ
    れる一方、これ以外の状態では上記付勢手段の付勢力に
    より上記規制部が上記開閉許容部分に当接されることを
    特徴とするラチェットスパナ。
  2. 【請求項2】 把持部と、上記把持部の端部に具備され
    る頭部とを有し、上記頭部にナット部材への係合部が形
    成されてなるスパナにおいて、相互に軸支されてハサミ
    状に開閉自在な第1及び第2頭部片からなる上記頭部
    と、上記把持部に形成され、上記第1頭部片に対する上
    記第2頭部片の開閉を規制する規制部と、この規制部に
    対応して上記第2頭部片に形成される被規制部と、上記
    第2頭部片と上記把持部とに亘って装着され、第2頭部
    片と第1頭部片とが閉状態又は開状態となるように付勢
    する付勢部材とを備え、上記頭部は、上記第1頭部片が
    軸支されることにより上記把持部に揺動自在に装着さ
    れ、上記被規制部は、上記第2頭部片の第1頭部片に対
    する一定量の開閉を許容する開閉許容部分と上記第2頭
    部片の第1頭部片に対する開閉を阻止する開閉阻止部分
    とからなり、上記把持部を上記第1頭部片に対して揺動
    させた状態では上記規制部が上記開閉許容部分に当接さ
    れる一方、これ以外の状態では上記付勢手段の付勢力に
    より上記規制部が上記開閉阻止部分に当接されることを
    特徴とするラチェットスパナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108188964A (zh) * 2018-01-16 2018-06-22 广州飞机维修工程有限公司 一种小型正反向棘轮扳手

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108188964A (zh) * 2018-01-16 2018-06-22 广州飞机维修工程有限公司 一种小型正反向棘轮扳手
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