JP3592968B2 - レンチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナットやボルトなどの締付部を締め付け回動あるいは緩め回動させた後再び握持部を戻すときには、この締付部を挟持したまま締付部に回動駆動力を与えない構成とし、握持部の所定方向への往復動作により締付部をスピーディーに締め付け回動したり、緩め回動できるラチェット駆動式のレンチに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、ラチェット駆動式のレンチ(以下、従来例という。)が提案されている。
【0003】
この従来例は、棒杆状の握持部の先端部に側方へ突出状態に回動部を回動自在に枢着し、この回動部は先端部が前記下あご部と対向する位置に配されるようにフック状に屈曲した形状とし、この回動部の屈曲先端部に上あご部を設け、この下あご部及び上あご部を例えば締付部としてのナットの対向する面を挟持し得るように構成されたもので、更に、従来例は、握持部を所定方向に往復移動する動作を繰り返すことで、その一方向への移動においては、下あご部と上あご部とでナットを回り止め挟持したまま回動駆動力を付与して締め付け、反対方向への戻り移動においては、回動部は外側方向へ自由に開放回動するため、下あご部と上あご部との挟持位置を変えることでナットに回動駆動力は付与されず握持部の位置を元に戻すことができ、ナットを挟持したままで握持部を往復移動するだけでナットを締め付け回動できるラチェット駆動が行えるように構成されている。
【0004】
故にこの従来例においては、複雑な構成や加工を要せずにラチェット駆動を実現できるレンチを提供できることになる。
【0005】
しかしながら、従来例は、例えば周囲が壁に囲まれた狭い箇所などにおいて不便が生じる(使えない)場合がある。
【0006】
即ち、従来例は、下あご部と上あご部とでナットの対向する面を挟持した状態でこのナットを回動させるという構造上、ナットを一度回し、そして、次に回そうとするときには、六角ナットにおける隣の面を挟持しようとするには最低でも約60°の角度分だけ握持部を戻り移動(回動)させなければならず、よって、この回動スペースが無いと次に挟持しようとする隣の面を挟持することができない場合が生じることになる為、握持部を往復移動させるに十分なスペースの無い場所では締付部を良好に回動できないが場合がある。
【0007】
本発明は、このような問題点に着眼し、ラチェット駆動を行い、握持部の往復操作を小刻みに繰り返し行いながら、締付部への締め付け動作や緩め動作が非常にスムーズに行え、作業が極めて能率良くスピーディーに行える画期的なレンチを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
握持部1の先端部に下あご部2を設け、この握持部1の先端部に回動部8を回動自在に枢着し、この回動部8の先端部に上あご部3を設け、前記下あご部2と上あご部3とでナットやボルトなどの断面多角形状の締付部4を挟持して回動し得るように構成し、前記回動部8を閉塞回動方向へ付勢する付勢体9を回動部8に設けて前記握持部1の所定方向への往復動作により前記下あご部2と上あご部3とで前記締付部4を挟持したままラチェット駆動を行えるように構成したレンチであって、前記下あご部2及び上あご部3夫々の前記締付部4を挟持する挟持面2a,3aに山部5と谷部6が交互に連続する山谷部7を形成し、この下あご部2の挟持面2aに形成した山谷部7を前記締付部4の一角部4aに係止させるとともに、上あご部3の挟持面3aに形成した山谷部7を前記下あご部2の山谷部7で係止した一角部4aと対向位置にある角部4aに係止させることで、この下あご部2及び上あご部3で締付部4を挟持し得るように構成し、前記下あご部2及び上あご部3の挟持面2a,3a夫々に形成した前記山谷部7の山部5を結ぶ稜線L1,L2が内方に湾曲状となるように形成したことを特徴とするレンチに係るものである。
【0010】
また、前記下あご部2の近傍位置に、屈曲先端部に上あご部3を設けた回動部8の基端部を枢着し、この枢着部11に回動部8を閉塞回動方向へ付勢する付勢体9を設けたことを特徴とする請求項1記載のレンチに係るものである。
【0011】
また、前記下あご部2の近傍位置に突設した略半円断面形状の半円軸12に被嵌し得る係止孔13を前記回動部8の基端部に設け、この係止孔13内を前記半円軸12が移動係止自在となるように設けて下あご部2と上あご部3との対向間隔を調整し得る巾調整機構14を前記枢着部11に設けたことを特徴とする請求項2記載のレンチに係るものである。
【0012】
また、前記回動部8の基端部に設けた係止孔13は、前記半円軸12を回動自在に貫挿し得る複数の回動孔13aと、この回動孔13a同志を連通状態とする連通孔13bとから成り、この連通孔13bに前記半円軸12を通過させて回動孔13a間を移動せしめることで前記下あご部2と上あご部3との対向間隔を調整し得るように構成し、この連通孔13bへの半円軸12の通過は、下あご部2と上あご部3とで締付部4を挟持できない状態となるまで回動部8を開放回動させたときのみ通過し得るように前記巾調整機構14を構成したことを特徴とする請求項3記載のレンチに係るものである。
【0013】
また、前記回動部8にこの回動部8を前記付勢体9に抗して開放回動させる指掛け部10を設け、この指掛け部10を前記握持部1を握持した手の指で操作できる位置に設け、この指掛け部10に当てがった指を握持部1側へ押動操作することにより前記回動部8が外側方向に開放回動し、前記下あご部2と上あご部3とで挟持していた前記締付部4からこの上あご部3が外側方向へ退避移動して、前記挟持状態が解除されるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンチに係るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0015】
本発明において、例えば前記締付部4としてナット4を締付回動する場合には、先ず回動部8を付勢体9に抗して開放回動してナット4を下あご部2と上あご部3との間に配し、前記付勢体9の付勢力により回動部8を閉塞回動して、下あご部2及び上あご部3夫々の山谷部7をナット4の対向する角部4aに係止させて挟持する。
【0016】
この状態で握持部1を所定方向に押動すると、この押動力が回動駆動力としてナット4に付与され、下あご部2と上あご部3とで挟持されたナット4は締め付け回動される。
【0017】
一方この握持部1を逆方向に移動して戻そうとするときには、回動部8に外側方向へ力が働き、そのため回動部8は付勢体9に抗して外側方向へ開放回動する。
【0018】
この回動部8の退避移動により下あご部2と上あご部3とはナット4を挟持したままでありながら、この握持部1の戻り移動による回動駆動力はナット4には付与されない。
【0019】
即ち、六角ナット4の場合前記締め付け回動した後の握持部1の戻り移動に際してはこのナット4に回動駆動力は付与されず、例えば下あご部2及び上あご部3夫々の山谷部7に係る山部5及び谷部7が一つずつナット4の角部4aを乗り越えながら外面に圧接した挟持状態のままでこの挟持位置を変えて移動するように構成されている。
【0020】
従って、握持部1を戻した分だけ山谷部7に係る山部5及び谷部7が一つずつナット4の対向する角部4aをカチッカチッと乗り越えることになり、その後、所望のところで戻し回動を止め、その時点から再び握持部1を締め付け回動させれば下あご部2と上あご部3とでナット4を堅固に挟持して締め付け回動が行えることになる。
【0021】
よって、本発明は、握持部1を、下あご部2及び上あご部3に形成した山谷部7の交互に連続する山部5と谷部6とのピッチ分だけ小刻みに往復移動を繰り返すことで、下あご部2及び上あご部3の挟持面2a,3aで締付部4を挟持して締め付け回動或いは緩め回動が行えることになるから、仮に作業スペースが狭かったとしても簡易に且つ確実に締付部を回動させることができることになる。
【0022】
【実施例】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0023】
符号4は断面六角形状の締付部としてのナットであり、締付部としてはナットに限らずボルトの頭部などがあり、その断面形状も六角形状に限られないのは勿論である。
【0024】
棒杆状の握持部1の湾曲先端部の先端縁にナット4の一角部4aに当接する下あご部2を形成している。
【0025】
この下あご部2は、その内面にしてナット4の挟持面2aに山部5と谷部6が交互に連続する山谷部7が形成されている。
【0026】
この山谷部7は、ナット4の角部4aに引っ掛け係止するものであり、その山部5同志を結ぶ稜線L1は内方に湾曲状となるように形成されている。
【0027】
また、握持部1は、その先端部にして下あご部2の近傍位置に板状にしてフック型に先端部が屈曲した回動部8を枢着している。
【0028】
この枢着部11には回動部8が開放回動することに抗し、反対の閉塞回動することに付勢するコイルバネなどの付勢体9が設けられ、回動部8は内側方向(閉塞方向)へ常に付勢されるように構成されている。
【0029】
また、この回動部8はナット4を挟持しないときには、下あご部2の肉厚段部2bに付勢体9の付勢力により突き当たり係止するように構成している。尚、付勢体9は、ナット4を締め付け回動した後の握持部1の戻り移動に際してはこのナット4に回動駆動力が付与されない程度の付勢力に設定されている。
【0030】
また、この回動部8の屈曲先端部には、上あご部3が形成されている。
【0031】
この上あご部3は下あご部2と対向する位置に挟持面3aが設けられ、この挟持面3aは、前記下あご部2の挟持面2aが当接するナット4の角部4aと対向位置にある角部4aに当接せしめられ、この上あご部3の挟持面3aと下あご部2の挟持面2aとでナット4を挟持する構成としている。
【0032】
また、この上あご部3は、前述した下あご部2と同様、その内面にしてナット4の挟持面3aに山部5と谷部6が交互に連続する山谷部7が形成されており、この山谷部7は、ナット4の角部4aに引っ掛け係止するように構成され、その山部5同志を結ぶ稜線L2は内方に湾曲状となるように形成されている。
【0033】
従って、締付部4の対向する角部4aを下あご部2及び上あご部3の挟持面2a,3a夫々に形成した山谷部7でくわえ込むように挟持することができ、よって、極めて引っ掛かりが良く強い回動が得られることになる。
【0034】
また、回動部8には指掛け部10が設けられている。
【0035】
この指掛け部10は、図1,2に図示したように回動部8の上あご部3の近傍位置にして握持部1を握持した手の指で操作できる位置に凹部10aを形成して構成されており、この指掛け部10に当てがった指を前記付勢体9に抗して握持部1側へ押動操作することにより回動部8が外側方向に開放回動することになる。
【0036】
従って、この指掛け部10を操作することで、下あご部2と上あご部3とで挟持していたナット4からこの上あご部3を外側方向へ退避移動させて、挟持状態を解除することができ、反対に、ナット4を挟持させることもできることになる。
【0037】
また、本実施例では、下あご部2と上あご部3との対向間隔を調整し得る巾調整機構14を枢着部11に設けている。
【0038】
具体的には、本実施例は、図2,3に図示したように下あご部2の近傍位置に断面半円形状のボルト体から成る半円軸12を突設し、この半円軸12に被嵌し得る係止孔13を回動部8の基端部に設け、この半円軸12に係止孔13に被嵌連結させることで下あご部2の近傍に回動部8を回動自在となるように枢着している。
【0039】
また、回動部8の基端部に設けた係止孔13は、半円軸12を回動自在に貫挿し得る一対の回動孔13aと、この回動孔13a同志を連通状態とし、該回動孔13aよりも巾の狭い連通孔13bとから成る略ダルマ形状に形成されており、この連通孔13bは断面円形状の半円軸12の径が最小となる横方向からのみ半円軸12を通すことができるように構成され、本実施例は、この半円軸12と係止孔13との配置関係を、下あご部2と上あご部3とで締付部4を挟持できない状態となるまで回動部8を最大限開放回動させたときのみ連通孔13bに半円軸12を通過し得るように設定されている。
【0040】
従って、この連通孔13bに前記半円軸12を通過させて一対の回動孔13a間を移動せしめることで前記下あご部2と上あご部3との対向間隔を2段階で調整し得ることになり、しかも、この巾調整が、下あご部2と上あご部3とで締付部4を挟持できない状態となるまで回動部8を開放回動させたときのみ行えるものであるから、握持部1の締め付け回動している時や緩め回動している時などの作業中に、不意に下あご部2と上あご部3との対向間隔が開いて締付部4から外れたりするようなことは一切ない。これが請求項で言う巾調整機構14であり、回動孔13aを3つ設けて3段階調整タイプにしたり適宜設計し得るものである。
【0041】
以上の構成からなる本実施例に係るレンチは、例えばナット4を締付回動する場合には、先ず回動部8を付勢体9に抗して外側方向に開放回動してナット4を下あご部2と上あご部3との間に配し、前記付勢体9の付勢力により回動部8を内側方向に閉塞回動して、ナット4の対向する角部4aを下あご部2及び上あご部3夫々の山谷部7で係止して挟持する。
【0042】
この状態で握持部1を所定方向に押動すると、この押動力が回動駆動力としてナット4に付与され、下あご部2と上あご部3とで挟持されたナット4は締め付け回動される(図4参照)。
【0043】
一方、この握持部1を逆方向に移動して戻すときには、回動部8に外側方向へ力が働き、そのため回動部8は付勢体9に抗して外側方向へ開放回動する。
【0044】
この回動部8の退避移動により下あご部2と上あご部3とはナット4を挟持したままでありながら、この握持部1の戻り移動による回動駆動力はナット4には付与されない。
【0045】
即ち、六角ナット4を締め付け回動した後の握持部1の戻り移動に際してはこのナット4に回動駆動力は付与されず、下あご部2と上あご部3とがナット4の外面の角部4aを乗り越えながら外面に圧接した挟持状態のままでこの挟持位置を変えて移動するように構成されている(図5参照)。
【0046】
つまり、本実施例は、ラチェット駆動において、握持部1を戻す場合に、回動部8が必要以上開放回動せず、例えば下あご部2及び上あご部3夫々の山谷部7に係る山部5及び谷部7が一つずつナット4の角部4aを乗り越えながら外面に圧接した挟持状態のままでこの挟持位置を変え、常に付勢力によりナット4を確実に挟持した状態に保持されることとなる。
【0047】
従って、握持部1を戻した分だけ山谷部7に係る山部5及び谷部7が一つずつナット4の対向する角部4aをカチッカチッと乗り越えることになり、その後、所望のところで戻し回動を止め、その時点から再び握持部1を締め付け回動させれば下あご部2と上あご部3とでナット4を堅固に挟持して締め付け回動が行えることになる(図6,7参照)。
【0048】
よって、本実施例によれば、握持部1を、下あご部2及び上あご部3に形成した山谷部7の交互に連続する山部5と谷部6とのピッチ分だけ最低一つの山部5分だけ小刻みに往復移動を繰り返すことで、下あご部2及び上あご部3の挟持面2a,3aで締付部4を挟持して締め付け回動或いは緩め回動が行えることになるから、仮に作業スペースが狭かったとしても簡易に且つ確実に締付部を回動させることができ、しかも、何ら複雑な構造ではなく簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0049】
また、本実施例は、付勢体9を設けたことにより回動部8の自重により大きく外側に開いたり、また水平回動においてもナット4から回動部8の上あご部3が離れてしまうことがないため、作業者は従来のようなラチェット駆動操作のコツを習得しなくても、このコツに慣れた作業者でなくても、単に握持部1を往復動作するだけでラチェット駆動が行え、非常にスムーズにしてスピーディーにこのラチェット駆動により回動作業が行えることとなる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、握持部を小刻みに往復移動を繰り返すことで、下あご部及び上あご部の挟持面で締付部を挟持して締め付け回動或いは緩め回動が行えることになるから、仮に作業スペースが狭かったとしても握持部を回動できる僅かなスペースがあれば簡易に且つ確実に締付部を回動させることができることになるなど非常に便利で極めて商品価値の高い画期的なレンチとなる。
【0051】
また、本発明は、下あご部及び上あご部の挟持面夫々に形成した前記山谷部の山部を結ぶ稜線が内方に湾曲状となるように形成したから、締付部の対向する角部を下あご部及び上あご部の挟持面夫々に形成した山谷部でくわえ込むように挟持することができ、よって、極めて引っ掛かりが良く強い回動が得られることになるなど非常に便利で極めて商品価値の高い画期的なレンチとなる。
【0052】
また、請求項2記載の発明においては、前述した或いは後述する作用効果を発揮し得るものでありながら何ら複雑な構造ではなく簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れることになるなど非常に便利で極めて商品価値の高い画期的なレンチとなる。
【0053】
また、請求項3記載の発明においては、巾調整機構により下あご部と上あご部との対向間隔を調整して種々の径を備えた締付部を挟持して回動せしめることができて非常に便利となり、しかも、この巾調整機構を下あご部と上あご部との枢着部に設けるという簡易構造故により一層コスト安にして量産性に秀れることになるなど非常に便利で極めて商品価値の高い画期的なレンチとなる。
【0054】
また、請求項4記載の発明においては、下あご部と上あご部との対向間隔を調整し得る巾調整機構が簡易構造故により一層コスト安にして量産性に秀れることになるのは勿論、この巾調整が、下あご部と上あご部とで締付部を挟持できない状態となるまで回動部を開放回動させたときのみ行えるものであるから、握持部の締め付け回動している時や緩め回動している時などの作業中に、不意に下あご部と上あご部との対向間隔が開いて締付部から外れたりするようなことは一切なく、しかも、この巾調整機構の巾調整が極めて簡易に行える故に作業者が望む間隔を迅速に調整することができ、ひいては締め付け作業或いは緩め作業の作業能率を飛躍的に向上し得ることになるなど非常に便利で極めて商品価値の高い画期的なレンチとなる。
【0055】
また、請求項5記載の発明においては、下あご部と上あご部とは、その構造上、作業中において常に締付部から抜けないように締付部を挟持するように回動部が付勢体に付勢されるように構成されているが、本発明は、回動部にこの回動部を前記付勢体に抗して開放回動させる指掛け部を設けたから、締付部からの取り外し作業(ひいては取り付け作業)が極めて簡易に行えることになり、作業能率を向上し得ることになるなど非常に便利で極めて商品価値の高い画期的なレンチとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例を示す正面図及び側面図である。
【図2】本実施例に係る要部の概略動作説明図である。
【図3】本実施例に係る要部を説明する分解斜視図である。
【図4】本実施例の使用状態を示す説明図である。
【図5】本実施例の使用状態を示す説明図である。
【図6】本実施例の使用状態を示す説明図である。
【図7】本実施例の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 握持部
2 下あご部
2a 挟持面
3 上あご部
3a 挟持面
4 締付部
4a 角部
5 山部
6 谷部
7 山谷部
8 回動部
9 付勢体
10 指掛け部
11 枢着部
12 半円軸
13 係止孔
13a 回動孔
13b 連通孔
14 巾調整機構
Claims (5)
- 握持部の先端部に下あご部を設け、この握持部の先端部に回動部を回動自在に枢着し、この回動部の先端部に上あご部を設け、前記下あご部と上あご部とでナットやボルトなどの断面多角形状の締付部を挟持して回動し得るように構成し、前記回動部を閉塞回動方向へ付勢する付勢体を回動部に設けて前記握持部の所定方向への往復動作により前記下あご部と上あご部とで前記締付部を挟持したままラチェット駆動を行えるように構成したレンチであって、前記下あご部及び上あご部夫々の前記締付部を挟持する挟持面に山部と谷部が交互に連続する山谷部を形成し、この下あご部の挟持面に形成した山谷部を前記締付部の一角部に係止させるとともに、上あご部の挟持面に形成した山谷部を前記下あご部の山谷部で係止した一角部と対向位置にある角部に係止させることで、この下あご部及び上あご部で締付部を挟持し得るように構成し、前記下あご部及び上あご部の挟持面夫々に形成した前記山谷部の山部を結ぶ稜線が内方に湾曲状となるように形成したことを特徴とするレンチ。
- 前記下あご部の近傍位置に、屈曲先端部に上あご部を設けた回動部の基端部を枢着し、この枢着部に回動部を閉塞回動方向へ付勢する付勢体を設けたことを特徴とする請求項1記載のレンチ。
- 前記下あご部の近傍位置に突設した略半円断面形状の半円軸に被嵌し得る係止孔を前記回動部の基端部に設け、この係止孔内を前記半円軸が移動係止自在となるように設けて下あご部と上あご部との対向間隔を調整し得る巾調整機構を前記枢着部に設けたことを特徴とする請求項2記載のレンチ。
- 前記回動部の基端部に設けた係止孔は、前記半円軸を回動自在に貫挿し得る複数の回動孔と、この回動孔同志を連通状態とする連通孔とから成り、この連通孔に前記半円軸を通過させて回動孔間を移動せしめることで前記下あご部と上あご部との対向間隔を調整し得るように構成し、この連通孔への半円軸の通過は、下あご部と上あご部とで締付部を挟持できない状態となるまで回動部を開放回動させたときのみ通過し得るように前記巾調整機構を構成したことを特徴とする請求項3記載のレンチ。
- 前記回動部にこの回動部を前記付勢体に抗して開放回動させる指掛け部を設け、この指掛け部を前記握持部を握持した手の指で操作できる位置に設け、この指掛け部に当てがった指を握持部側へ押動操作することにより前記回動部が外側方向に開放回動し、前記下あご部と上あご部とで挟持していた前記締付部からこの上あご部が外側方向へ退避移動して、前記挟持状態が解除されるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンチ。
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