JPH07116568B2 - 異方性の少ないA1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法 - Google Patents
異方性の少ないA1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法Info
- Publication number
- JPH07116568B2 JPH07116568B2 JP63087402A JP8740288A JPH07116568B2 JP H07116568 B2 JPH07116568 B2 JP H07116568B2 JP 63087402 A JP63087402 A JP 63087402A JP 8740288 A JP8740288 A JP 8740288A JP H07116568 B2 JPH07116568 B2 JP H07116568B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- temperature
- hours
- superplastic
- strain rate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超塑性変形が可能であるAl−Li系合金板を製造
する方法に関し、さらに詳しくは高温で変形速度が極め
て高いひずみ速度範囲で、異方性が少なく超塑性変形が
可能なAl−Cu−Li−Zr系超塑性アルミニウム合金板を、
圧延で製造する方法に関するものである。
する方法に関し、さらに詳しくは高温で変形速度が極め
て高いひずみ速度範囲で、異方性が少なく超塑性変形が
可能なAl−Cu−Li−Zr系超塑性アルミニウム合金板を、
圧延で製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 航空機用アルミニウム合金板は、機体の軽量化のため
に、Al−Cu−Mg系の2024合金板やAl−Zn−Mg−Cu系の70
75合金板から密度の低いAl−Li系合金板に移行しつつあ
る。
に、Al−Cu−Mg系の2024合金板やAl−Zn−Mg−Cu系の70
75合金板から密度の低いAl−Li系合金板に移行しつつあ
る。
また、成形加工技術の面も、従来のロールフォーミング
やプレス成形(板金加工)したものを組立て接合などを
行う方法から一体化加工が可能な超塑性成形が取り入れ
られている。
やプレス成形(板金加工)したものを組立て接合などを
行う方法から一体化加工が可能な超塑性成形が取り入れ
られている。
超塑性成形法は、複雑な形状の製品を一度で成形するこ
とができるため、部品の接合部が少なく、軽量化が可能
となり、また、組立て工数も少なく、製造コストの低減
をもたらす方法である。
とができるため、部品の接合部が少なく、軽量化が可能
となり、また、組立て工数も少なく、製造コストの低減
をもたらす方法である。
このため超塑性変形が可能なAl−Li系合金材料が要求さ
れている。
れている。
従来、Al−Li系合金としては、Al−Li−Cu−Mg−Zr系の
8090合金とAl−Cu−Li−Zr系の2090合金が、国際的に登
録されている。このうちAl−Li−Cu−Mg−Zr系合金の超
塑性変形を得るために、均質化処理温度、熱間加工温
度、中間焼鈍温度および冷間加工度を規制する方法が提
案されている。(特開昭62−170462) しかし、Al−Cu−Li−Zr系合金の超塑性変形が得られる
材料がなく、このような材料の開発が強く要望されてい
た。
8090合金とAl−Cu−Li−Zr系の2090合金が、国際的に登
録されている。このうちAl−Li−Cu−Mg−Zr系合金の超
塑性変形を得るために、均質化処理温度、熱間加工温
度、中間焼鈍温度および冷間加工度を規制する方法が提
案されている。(特開昭62−170462) しかし、Al−Cu−Li−Zr系合金の超塑性変形が得られる
材料がなく、このような材料の開発が強く要望されてい
た。
[発明が解決しようとする課題] 前述したように超塑性材料を製造するためには、種々の
加工が施されるが、このときの冷間圧延の加工度が高い
と、圧延方向によって伸びが異なり、超塑性変形加工し
たとき圧延方向に対して直角方向の伸びが低いという欠
点がある。また、冷間加工度を高くする必要のある場合
1.5mm以上の厚板の超塑性材料が製造できなかった。本
発明は、変形速度が極めて高い範囲で超塑性変形が得ら
れ、しかも圧延方向による伸びの異方性が少なく、また
1.5mm以上の厚さの板をAl−Cu−Li−Zr系合金材料で制
御した圧延で製造する方法を提供するものである。
加工が施されるが、このときの冷間圧延の加工度が高い
と、圧延方向によって伸びが異なり、超塑性変形加工し
たとき圧延方向に対して直角方向の伸びが低いという欠
点がある。また、冷間加工度を高くする必要のある場合
1.5mm以上の厚板の超塑性材料が製造できなかった。本
発明は、変形速度が極めて高い範囲で超塑性変形が得ら
れ、しかも圧延方向による伸びの異方性が少なく、また
1.5mm以上の厚さの板をAl−Cu−Li−Zr系合金材料で制
御した圧延で製造する方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明による異方性の少ない超塑性アルミニウム合金板
の製造方法は、前記目的を達成するため、下記のとおり
に構成される。
の製造方法は、前記目的を達成するため、下記のとおり
に構成される。
(1)Cu2.0〜3.0%、Li1.0〜3.0%、Zr0.05〜0.20%、
Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不純物か
らなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解し、鋳
造後、450〜540℃の温度において1〜50時間の均質化処
理と300〜450℃で1〜50時間の析出処理を行い、その後
300〜450℃の温度で圧延し、該圧延時に前記式で示す相
当ひずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整し、
圧延することを特徴とする異方性の少ないAl−Cu−Li−
Zr系超塑性板の製造方法。
Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不純物か
らなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解し、鋳
造後、450〜540℃の温度において1〜50時間の均質化処
理と300〜450℃で1〜50時間の析出処理を行い、その後
300〜450℃の温度で圧延し、該圧延時に前記式で示す相
当ひずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整し、
圧延することを特徴とする異方性の少ないAl−Cu−Li−
Zr系超塑性板の製造方法。
(2)Cu2.0〜3.0%、Li1.0〜3.0%、Zr0.05〜0.20%、
Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不純物か
らなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解し、鋳
造後、450〜540℃の温度において1〜50時間保持後、30
0〜450℃の温度まで冷却し、該温度範囲で1〜50時間の
析出処理後300〜450℃の温度範囲で冷却し、該温度範囲
で圧延し、該圧延時に前記式で示した相当ひずみ速度が
1.1〜8.4s-1以下となるように調整し、圧延することを
特徴とする異方性の少ないAl−Cu−Li−Zr系超塑性板の
製造方法。
Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不純物か
らなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解し、鋳
造後、450〜540℃の温度において1〜50時間保持後、30
0〜450℃の温度まで冷却し、該温度範囲で1〜50時間の
析出処理後300〜450℃の温度範囲で冷却し、該温度範囲
で圧延し、該圧延時に前記式で示した相当ひずみ速度が
1.1〜8.4s-1以下となるように調整し、圧延することを
特徴とする異方性の少ないAl−Cu−Li−Zr系超塑性板の
製造方法。
(3)Cu2.0〜3.0%、Li1.0〜3.0%、Zr0.05〜0.20%、
Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不純物か
らなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解し、鋳
造後、450〜540℃で1〜50時間の均質化処理を行い、そ
の後再度460℃以上に加熱し、溶体化処理した後、300〜
450℃の温度で圧延し、該圧延時に前記式で示す相当ひ
ずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整して圧延
し、その圧延の途中で300〜450℃で1〜50時間の析出処
理し、その後さらに300〜450℃で前記式で示した相当ひ
ずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整すること
を特徴とする異方性の少ないAl−Cu−Li−Zr系超塑性板
の製造方法。
Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不純物か
らなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解し、鋳
造後、450〜540℃で1〜50時間の均質化処理を行い、そ
の後再度460℃以上に加熱し、溶体化処理した後、300〜
450℃の温度で圧延し、該圧延時に前記式で示す相当ひ
ずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整して圧延
し、その圧延の途中で300〜450℃で1〜50時間の析出処
理し、その後さらに300〜450℃で前記式で示した相当ひ
ずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整すること
を特徴とする異方性の少ないAl−Cu−Li−Zr系超塑性板
の製造方法。
[作 用] Al−Li系超塑性材料は、従来の7475合金系超塑性材料と
異なり、動的再結晶により微細再結晶粒を形成させ超塑
性変形する性質をもつために、高温まで安定な下部組織
を有する材料が得られるのである。
異なり、動的再結晶により微細再結晶粒を形成させ超塑
性変形する性質をもつために、高温まで安定な下部組織
を有する材料が得られるのである。
本発明はAl−Cu−Li−Zr系の熱間加工性を向上させて圧
延し、超塑性材料を得るための製造方法に関するもので
あり、以下成分を限定した理由について述べる。
延し、超塑性材料を得るための製造方法に関するもので
あり、以下成分を限定した理由について述べる。
Cu; 超塑性成形後の合金材の強度向上効果がある。この効果
は2.0%より少ないと得られず、3.0%より多いと、Cuの
効果の密度が高いために航空機などの軽量化に寄与する
ことができない。これらのためCuを2.0〜3.0%とした。
は2.0%より少ないと得られず、3.0%より多いと、Cuの
効果の密度が高いために航空機などの軽量化に寄与する
ことができない。これらのためCuを2.0〜3.0%とした。
Li; 同じく合金材の強度向上と軽量化に効果がある。この効
果は1.0%より少ないと得られず、3.0%より多いと鋳造
時にその偏析が激しく、均質化熱処理によっても容易に
固溶しないため、熱間加工が困難である。
果は1.0%より少ないと得られず、3.0%より多いと鋳造
時にその偏析が激しく、均質化熱処理によっても容易に
固溶しないため、熱間加工が困難である。
Zr; 合金材の再結晶を抑制する効果がある。0.05%より少な
いと最終焼鈍で再結晶が容易となり、下部組織を安定化
させることが困難となる。このため超塑性成形が得られ
にくい。また、0.20%を越えると通常の鋳造法では巨大
化合物を晶出しやすくなり、これにより素材に圧延欠陥
が生ずる。
いと最終焼鈍で再結晶が容易となり、下部組織を安定化
させることが困難となる。このため超塑性成形が得られ
にくい。また、0.20%を越えると通常の鋳造法では巨大
化合物を晶出しやすくなり、これにより素材に圧延欠陥
が生ずる。
Ti; 素材合金に鋳造組織の微細化を与える効果がある。この
効果は0.01%より少ないと得られず、0.10%より多いと
巨大化合物が晶出しやすくなる。
効果は0.01%より少ないと得られず、0.10%より多いと
巨大化合物が晶出しやすくなる。
次に製造条件について述べる。
均質化処理; 均質化処理はCu、Liなどの溶質原子の粒界偏析を少なく
し、成分を均一化する効果がある。450℃未満ではその
効果が少なく、540℃を越えるとZrなどの再結晶抑制元
素が安定相として析出し、それらの元素のもつ効果が少
なくなる。また、1時間未満では成分均一化の効果が少
なく、50時間を越えるとその効果が飽和するため、経済
的な点で意味がない。420℃程度で一旦ステップ加熱す
ると良い。
し、成分を均一化する効果がある。450℃未満ではその
効果が少なく、540℃を越えるとZrなどの再結晶抑制元
素が安定相として析出し、それらの元素のもつ効果が少
なくなる。また、1時間未満では成分均一化の効果が少
なく、50時間を越えるとその効果が飽和するため、経済
的な点で意味がない。420℃程度で一旦ステップ加熱す
ると良い。
圧延温度; 圧延温度が300〜450℃であるのはこの温度域がこのAl−
Cu−Li系合金の第2相(T1<Al2LiCu>、T2<Al6Li3Cu
>相)の析出温度であり、この温度範囲で圧延すると安
定な下部組織が形成される。
Cu−Li系合金の第2相(T1<Al2LiCu>、T2<Al6Li3Cu
>相)の析出温度であり、この温度範囲で圧延すると安
定な下部組織が形成される。
析出処理; 300〜450℃の1〜50時間の析出処理を300〜450℃での温
度での圧延の前あるいは圧延の途中に行うと、第2相が
均一に析出し、この第2相近傍で多重すべりが生じて、
安定な下部組織が形成されやすい。また、粒内に均一に
析出するために粒内変形が容易になり、熱間圧延割れを
生じることが少ない。この熱間圧延割れは主に粒界割れ
で、鋳塊均質化熱処理後、粒界析出した析出物を再固溶
させた後、圧延しても圧延割れは防止できる。この圧延
後さらに300〜450℃で1〜50時間の析出処理をする。析
出処理後再度熱間圧延をする。
度での圧延の前あるいは圧延の途中に行うと、第2相が
均一に析出し、この第2相近傍で多重すべりが生じて、
安定な下部組織が形成されやすい。また、粒内に均一に
析出するために粒内変形が容易になり、熱間圧延割れを
生じることが少ない。この熱間圧延割れは主に粒界割れ
で、鋳塊均質化熱処理後、粒界析出した析出物を再固溶
させた後、圧延しても圧延割れは防止できる。この圧延
後さらに300〜450℃で1〜50時間の析出処理をする。析
出処理後再度熱間圧延をする。
圧延ひずみ速度; 上記圧延において安定な下部組織を形成するためには、
温間加工時の加工のひずみ速度が重要で、圧延速度が早
いとひずみ速度が大きくなり、転位が集積して圧延割れ
が生じ易くなる。また、ひずみ速度が遅いと析出物が凝
集化し過ぎて、転位の回復が早くなり、安定な下部組織
が形成されにくい。また、生産性が悪いなどの問題があ
る。適正な圧延速度は相当ひずみ速度に換算して、1.1
〜8.4s-1 [実施例] Al−2.8%Cu−2.3%Li−0.11%Zr−0.04%Tiアルミニウ
ム合金を、アルゴンガス雰囲気中で溶解・鋳造した鋳
塊、均質化処理後、圧延温度と圧延速度(圧延ひずみ速
度に相当する)を変えて板材を製作した。なお、圧延は
1〜3パス毎に圧延開始温度に再加熱して圧延した。得
られた圧延板材の圧延方向及び圧延直角方向から引張試
験片を採取し、500℃において初期ひずみ速度5.6×10-3
s-1の高速で引張試験を行い、超塑性の評価を行い、圧
延方向の伸びが500%以上を本発明とした。また、超塑
性の異方性の評価は、前記圧延方向の伸びの圧延直角方
向の伸びに対する比が2以下を本発明とした。
温間加工時の加工のひずみ速度が重要で、圧延速度が早
いとひずみ速度が大きくなり、転位が集積して圧延割れ
が生じ易くなる。また、ひずみ速度が遅いと析出物が凝
集化し過ぎて、転位の回復が早くなり、安定な下部組織
が形成されにくい。また、生産性が悪いなどの問題があ
る。適正な圧延速度は相当ひずみ速度に換算して、1.1
〜8.4s-1 [実施例] Al−2.8%Cu−2.3%Li−0.11%Zr−0.04%Tiアルミニウ
ム合金を、アルゴンガス雰囲気中で溶解・鋳造した鋳
塊、均質化処理後、圧延温度と圧延速度(圧延ひずみ速
度に相当する)を変えて板材を製作した。なお、圧延は
1〜3パス毎に圧延開始温度に再加熱して圧延した。得
られた圧延板材の圧延方向及び圧延直角方向から引張試
験片を採取し、500℃において初期ひずみ速度5.6×10-3
s-1の高速で引張試験を行い、超塑性の評価を行い、圧
延方向の伸びが500%以上を本発明とした。また、超塑
性の異方性の評価は、前記圧延方向の伸びの圧延直角方
向の伸びに対する比が2以下を本発明とした。
発明例の1は、520℃で24時間保持する鋳塊の均質化処
理後、400℃×10時間の析出処理を行い、400℃から300
℃の温度範囲で圧延ひずみ速度8.4s-1で圧延を行ったも
ので、500℃における高速引張試験で990%の高い伸びと
異方性が1.50と低く、良好である。
理後、400℃×10時間の析出処理を行い、400℃から300
℃の温度範囲で圧延ひずみ速度8.4s-1で圧延を行ったも
ので、500℃における高速引張試験で990%の高い伸びと
異方性が1.50と低く、良好である。
No.2は、同様に520℃で24時間保持する鋳塊の均質化処
理後、350℃×40時間の析出処理を行い、350℃から300
℃の温度範囲で圧延ひずみ速度1.1s-1で圧延を行ったも
ので、500℃における高速引張試験で810%の高い伸びと
異方性が1.47と低く、良好である。
理後、350℃×40時間の析出処理を行い、350℃から300
℃の温度範囲で圧延ひずみ速度1.1s-1で圧延を行ったも
ので、500℃における高速引張試験で810%の高い伸びと
異方性が1.47と低く、良好である。
No.3は、520℃で24時間保持する鋳塊の均質化処理の
後、その冷却の過程で400℃に達したときから400℃で30
時間保持し、析出処理した後、400℃から300℃の温度範
囲で圧延ひずみ速度2.2s-1で圧延を行ったもので、500
℃における高速引張試験で880%の高い伸びと異方性が
1.47と低く、良好である。
後、その冷却の過程で400℃に達したときから400℃で30
時間保持し、析出処理した後、400℃から300℃の温度範
囲で圧延ひずみ速度2.2s-1で圧延を行ったもので、500
℃における高速引張試験で880%の高い伸びと異方性が
1.47と低く、良好である。
No.4は、520℃で24時間保持する鋳塊の均質化処理の
後、再び520℃に加熱1時間保持する溶体化処理を行っ
た後、450℃に冷却した時点で450℃から400℃の温度範
囲で圧延ひずみ速度2.2s-1で圧延を行い、400℃になっ
た時点で400℃で10時間保持する析出処理を行い、さら
に400℃から300℃の温度範囲で圧延ひずみ速度2.2s-1で
再び圧延を行ったもので、500℃における高速引張試験
で580%の高い伸びと異方性が1.61と低く、良好であ
る。
後、再び520℃に加熱1時間保持する溶体化処理を行っ
た後、450℃に冷却した時点で450℃から400℃の温度範
囲で圧延ひずみ速度2.2s-1で圧延を行い、400℃になっ
た時点で400℃で10時間保持する析出処理を行い、さら
に400℃から300℃の温度範囲で圧延ひずみ速度2.2s-1で
再び圧延を行ったもので、500℃における高速引張試験
で580%の高い伸びと異方性が1.61と低く、良好であ
る。
これに対し比較例のNo.5,6は、いずれも鋳塊の均質化処
理後、析出処理を行うことなく、400℃から300℃の温度
範囲で圧延ひずみ速度2.2s-1で圧延を行ったもので、50
0℃における高速引張試験で450%、460%と低く、本発
明の目的とする超塑性を得られるものではない。
理後、析出処理を行うことなく、400℃から300℃の温度
範囲で圧延ひずみ速度2.2s-1で圧延を行ったもので、50
0℃における高速引張試験で450%、460%と低く、本発
明の目的とする超塑性を得られるものではない。
No.7は、550℃の高温で均質化処理を行い、析出処理も
していないものであるので、500℃における高速引張試
験で350%と低く、また、異方性も2.05と高く、本発明
の目的とする超塑性及び異方性の少ないという材料を得
られるものではない。
していないものであるので、500℃における高速引張試
験で350%と低く、また、異方性も2.05と高く、本発明
の目的とする超塑性及び異方性の少ないという材料を得
られるものではない。
No.8は、均質化処理をすることなく、400℃から300℃の
温度範囲で圧延ひずみ速度2.2s-1の高速で圧延したた
め、圧延板材に鰐口割れが発生し、試験を中止した。
温度範囲で圧延ひずみ速度2.2s-1の高速で圧延したた
め、圧延板材に鰐口割れが発生し、試験を中止した。
No.9,10は、鋳塊の均質化処理後、析出処理を行うこと
なく、また熱間圧延温度が高く又は低くはずれ、500℃
における高速引張試験で200または280%と低く、本発明
の目的とする超塑性という材料を得られるものではな
い。
なく、また熱間圧延温度が高く又は低くはずれ、500℃
における高速引張試験で200または280%と低く、本発明
の目的とする超塑性という材料を得られるものではな
い。
No.11は、熱間圧延のひずみ速度が14.2s-1と高く、圧延
加工が困難で、圧延板材に鰐口割れが発生し、試験を中
止した。
加工が困難で、圧延板材に鰐口割れが発生し、試験を中
止した。
[発明の効果] 本発明の製造方法によれば、以下のような効果が得られ
る。
る。
(1)本発明の方法により製造されたAl−Cu−Li−Zr合
金板は、非再結晶組織を有しているので、この組織状態
から変形速度を従来の超塑性アルミニウム合金板(例え
ば7475合金など)よりも1桁大きくして、超塑性変形を
させることができる。
金板は、非再結晶組織を有しているので、この組織状態
から変形速度を従来の超塑性アルミニウム合金板(例え
ば7475合金など)よりも1桁大きくして、超塑性変形を
させることができる。
(2)本発明によれば制御圧延あるいは更に、急速加熱
による最終焼鈍を行うことで、鋳造時の組織をこわすと
ともに、鋳造時の粒界不純物を粒界から除去することが
できる。これによって、合金材の超塑性特性を向上させ
ることができ、航空機や車輌および自動車などの複雑な
形状の部品を容易に製造することができる。
による最終焼鈍を行うことで、鋳造時の組織をこわすと
ともに、鋳造時の粒界不純物を粒界から除去することが
できる。これによって、合金材の超塑性特性を向上させ
ることができ、航空機や車輌および自動車などの複雑な
形状の部品を容易に製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】Cu2.0〜3.0%、Li1.0〜3.0%、Zr0.05〜0.
20%、Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不
純物からなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解
し、鋳造後、450〜540℃の温度において1〜50時間の均
質化処理と300〜450℃で1時間〜50時間の析出処理を行
い、その後300〜450℃の温度で圧延し、該圧延時に下式
に示す相当ひずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように
調整し、圧延することを特徴とする異方性の少ないAl−
Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法。 式 ただし、VR=ロール周速度(m/s) R′=偏平後のロール半径(m) hO=圧延前の板厚(m) r=圧下率 - 【請求項2】Cu2.0〜3.0%、Li1.0〜3.0%、Zr0.05〜0.
20%、Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不
純物からなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解
し、鋳造後、450〜540℃の温度において1〜50時間保持
後、300〜450℃の温度まで冷却し、該温度範囲で1〜50
時間の析出処理後、300〜450℃の温度範囲まで冷却し、
該温度範囲で圧延し、該圧延時に下式に示した相当ひず
み速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整し、圧延す
ることを特徴とする異方性の少ないAl−Cu−Li−Zr系超
塑性板の製造方法。 式 ただし、VR=ロール周速度(m/s) R′=偏平後のロール半径(m) hO=圧延前の板厚(m) r=圧下率 - 【請求項3】Cu2.0〜3.0%、Li1.0〜3.0%、Zr0.05〜0.
20%、Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび不可避不
純物からなるアルミニウム合金を、通常の鋳造法で溶解
し、鋳造後、450〜540℃で1〜50時間の均質化処理を行
い、その後再度460℃以上に加熱し、溶体化処理した
後、300〜450℃の温度で圧延し、該圧延時に下式で示す
相当ひずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整し
て圧延し、その圧延の途中で300〜450℃で1〜50時間の
析出処理し、その後さらに300〜450℃で下式で示した相
当ひずみ速度が1.1〜8.4s-1以下となるように調整する
ことを特徴とする異方性の少ないAl−Cu−Li−Zr系超塑
性板の製造方法。 式 ただし、VR=ロール周速度(m/s) R′=偏平後のロール半径(m) hO=圧延前の板厚(m) r=圧下率
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63087402A JPH07116568B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | 異方性の少ないA1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63087402A JPH07116568B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | 異方性の少ないA1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01259148A JPH01259148A (ja) | 1989-10-16 |
JPH07116568B2 true JPH07116568B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=13913881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63087402A Expired - Lifetime JPH07116568B2 (ja) | 1988-04-11 | 1988-04-11 | 異方性の少ないA1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07116568B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104498846B (zh) * | 2014-12-26 | 2017-11-28 | 西安交通大学 | 一种半固态金属坯料的制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6156269A (ja) * | 1984-07-20 | 1986-03-20 | Kobe Steel Ltd | 超塑性Al−Li系合金の製造方法 |
JPS627836A (ja) * | 1985-07-04 | 1987-01-14 | Showa Alum Corp | 微細結晶粒組織を有するアルミニウム合金の製造法 |
-
1988
- 1988-04-11 JP JP63087402A patent/JPH07116568B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01259148A (ja) | 1989-10-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4618382A (en) | Superplastic aluminium alloy sheets | |
EP0610006B1 (en) | Superplastic aluminum alloy and process for producing same | |
EP0097319B1 (en) | A cold-rolled aluminium-alloy sheet for forming and process for producing the same | |
JPS623225B2 (ja) | ||
JP3022922B2 (ja) | 冷間圧延特性を改良した板またはストリップ材の製造方法 | |
JPS623226B2 (ja) | ||
JP3145904B2 (ja) | 高速超塑性成形に優れたアルミニウム合金板およびその成形方法 | |
JPH07116567B2 (ja) | A1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法 | |
JPS5953347B2 (ja) | 航空機ストリンガ−素材の製造法 | |
JPH0363442B2 (ja) | ||
JPH06256916A (ja) | アルミニウム合金薄板の製造方法 | |
JPH07116568B2 (ja) | 異方性の少ないA1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法 | |
JPH07116569B2 (ja) | 異方性の少ないA1−Li−Cu−Mg系超塑性板の製造方法 | |
JPH0672295B2 (ja) | 微細結晶粒を有するアルミニウム合金材料の製造方法 | |
JPH039183B2 (ja) | ||
JPH10259441A (ja) | 高速超塑性成形性に優れ且つ成形後のキャビティの少ないアルミニウム合金板およびその製造方法 | |
JPS6157384B2 (ja) | ||
JPH07150282A (ja) | 結晶粒制御により成形性及び焼付硬化性に優れたAl−Mg−Si系合金板及びその製造方法 | |
JPH0463140B2 (ja) | ||
JPS60238461A (ja) | 超塑性アルミニウム合金の製造方法 | |
JPS6157387B2 (ja) | ||
JPS6157386B2 (ja) | ||
JPS6157383B2 (ja) | ||
JPS62170462A (ja) | 超塑性アルミニウム合金材の製造方法 | |
JPS60238459A (ja) | 超塑性アルミニウム合金の製造方法 |