JPS623226B2 - - Google Patents
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- JPS623226B2 JPS623226B2 JP15104884A JP15104884A JPS623226B2 JP S623226 B2 JPS623226 B2 JP S623226B2 JP 15104884 A JP15104884 A JP 15104884A JP 15104884 A JP15104884 A JP 15104884A JP S623226 B2 JPS623226 B2 JP S623226B2
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Landscapes
- Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
- Metal Rolling (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は超塑性Al―Li系合金の製造方法に関
し、さらに詳しくは、低密度、かつ、高弾性率を
有する超塑性Al―Li系合金の製造方法に関す
る。 [従来技術] この明細書において超塑性とは、ある外的条件
の下で材料がくびれ(necking)なしに数百〜数
千%という巨大な伸びを生じる現象であり、恒温
変態を利用した変態超塑性と微細結晶材料で見ら
れる微細粒超塑性とに大別され、因に、本発明は
微細粒超塑性のAl―Li系合金の製造方法であ
る。 一般に、微細結晶粒超塑性を起させるために
は、その材料の結晶粒径を微細に制御することが
必須であり、また、一般に、Al―Li系合金は鋳
造後鋳塊を400〜550℃の温度で均質化処理を行な
い、次いで、350〜550℃の温度で熱間加工および
冷間加工を行なつて所望の材料を製造するのであ
るが、このような通常の工程では結晶粒は30〜
100μmと大きくなつてしまい、高温において変
形しても、Al―Li系合金に目的とする超塑性
(伸び)を付与することはできない。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記に説明したように、いままでは困
難とされていたAl―Li系合金に微細粒組織を得
ることができる超塑性Al―Li系合金の製造方法
を提供するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製造方法
は、 (1) Li1〜5wt% を含有するAl―Li系合金鋳塊を、400〜550℃の
温度で均質化熱処理を行ない、次いで、300〜550
℃の温度で熱間加工を行なつた後、350〜550℃の
温度において一段階或いは二段階の加熱保持を行
ない、30℃/Hr以上の冷却速度で冷却してから
少なくとも30%以上の冷間加工を行なうか或いは
20〜60%の冷間加工を行なつた後に、300℃以下
の低温軟化焼鈍と冷間加工を1回以上行なうこと
を特徴とする超塑性Al―Li系合金の製造方法を
第1の発明とし、 (2) Li1〜5wt% を含有するAl―Li系合金鋳塊を、400〜550℃の
温度で均質化熱処理を行ない、次いで、300〜550
℃の温度で熱間加工を行なつた後、350〜550℃の
温度において一段階或いは二段階の加熱保持を行
ない、30℃/Hr以上の冷却速度で冷却してから
少なくとも30%以上の冷間加工を行なうか或いは
20〜60%の冷間加工を行なつた後に、300℃以下
の低温軟化焼鈍と冷間加工を1回以上行ない、さ
らに、100℃/Hr以上の速度で350〜550℃の温度
に加熱軟化処理を行なうことを特徴とする超塑性
Al―Li系合金の製造方法を第2の発明とする2
つの発明からなるものである。 本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製造方法
について以下詳細に説明する。 先ず、本発明に係るAl―Li系合金の製造方法
において使用するAl―Li合金の含有成分および
成分割合について説明する。 Liは強度および低密度、高弾性率を付与する元
素であり、含有量が1wt%未満ではこの効果が充
分に得ることができず、また、5wt%を越えて含
有されると熱間加工性およびその外の製造加工性
が損なわれ、かつ、延性、靭性が著しく低下す
る。よつて、Li含有量は1〜5wt%とする。 なお、本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製
造方法において使用するAl―Li系合金には、Li以
外に、微細な結晶粒を得るために、Zr0.05〜
0.5wt%、Cr0.05〜0.5wt%、V0.05〜0.5wt%、
Hf0.05〜1.0wt%、Mn0.05〜2.0wt%、Ti0.15wt
%以下の中から選んだ1種または2種以上を含有
させる。そしてこれらの元素を含有させる場合
に、各元素の下限未満では微細な結晶粒を得るこ
とができず、また、各元素の上限を越えて含有さ
れると鋳造時に充分な固溶が得られず、巨大晶出
物の発生を招来して充分な伸びを得ることができ
ない。よつて、上記の通りの含有成分と成分割合
とする。 さらに、強度を付与させるために、Mg0.5〜
6.0wt%、Cu0.5〜5wt%、Zn0.5〜6wt%、Si0.3〜
2wt%の中から選んだ1種または2種以上を含有
させることができ、これらの元素を含有させる場
合に、各元素の下限未満では強度を向上させる効
果が少なく、また、各元素の上限を越えて含有さ
れると製造加工性が低下し、かつ、延性、靭性が
著しく低下する。よつて、上記の通りの含有成分
と成分割合とする。 また、不純物として含有されるFeは、不溶性
の晶出物を生成し、伸びを著しく低下させるの
で、Fe含有量は0.15wt%以下に規制しなければ
ならない。 次に、本発明に係るAl―Li系合金の製造方法
における加工および熱処理について説明する。 上記に説明した含有成分および成分割合のAl
―Li系合金鋳塊は、内部に不均質に分布している
主要元素の均質化および熱間加工性を向上させる
ために、400〜550℃の温度において充分な時間均
質化熱処理を行ない、続いて、300〜550℃の温度
で熱間加工を行なつて所定の板厚まで加工し、粗
い鋳造組織は熱間フアイバー組織となると同時
に、組織内にLiの析出物、または、含有している
場合にはCu,Mg,Znの析出物やZr+Cr,V,
Mnの遷移金属の一部が部分析出する。 さらに、この熱間加工後、好ましくは、30%以
上の冷間加工を行なうことにより、さらに微細粒
の材料が得られ超塑性伸びも大きくなる。 次に、この熱間加工後に350〜550℃の温度で
0.5〜20Hrの加熱保持をしてから、少なくとも30
℃/Hr、好ましくは、100℃/Hr以上の冷却速度
で冷却して固溶元素の固溶を図る。 また、この熱処理を急速加熱、急速冷却が可能
な連続焼鈍炉により400〜550℃の温度で10sec〜
10min間行なつてもよく、この加熱条件によりLi
と含有されている場合にはCu,Mg,Znは固溶さ
れ、また、Zr,Cr,Mn等の遷移元素はAlと金属
間化合物ZrAl3、Cr2Mg3Al18等を析出する、この
一段加熱保持後の冷却速度が100℃/Hr未満では
微細粒が得られず伸びがでにくくなる。 そして、この加熱保持を二段階で行なつた場
合、先ず、450〜550℃の温度で0.5〜10Hrの第1
回の加熱保持を行ない、続いて、第2回の加熱保
持塩度まで冷却し、350〜450℃の温度で0.5〜
50Hrの第2回の加熱保持を行ない、30℃/Hr以
上の冷却速度で冷却する。この加熱保持は温度が
高い程時間に短時間でよい。 この2回の加熱保持において、第1回の加熱保
持により析出している溶質元素はその大部分が固
溶され、続く第2回の加熱保持により遷移元素の
Zr,Cr,Mn等とAlとの金属間化合物ZrAl3,
Cr2Mg3Al18,MnAl6等が析出する。 また、この二段階の加熱保持は、1回の加熱保
持の場合に比較して、遷移元素の析出形態が微細
なことおよび若干のLiとCu,Mg,Zn等とAlとの
高温時効析出物が形成されるために、加熱保持後
の冷却速度も30℃/Hrと遅くしてもよく、製造
ざだより容易となり、かつ、冷間加工中に生成さ
れる転位の密度がより高くなり、さらに、微細な
結晶粒が生成され超塑性伸びの大きい材料が得ら
れる。 そして、この二段階加熱保持の加熱速度は30
℃/Hr未満になると超塑性伸びが得られなくな
る。 これらの加熱保持により熱間フアイバー組織を
形成していた転位の下部組織は回復、再結晶によ
り歪エネルギーが低減され、続く冷間加工で転位
が導入され易くなり、かつ、含有されている場合
にはZr,Cr,Mn等の析出粒子により、次の冷間
加工後の超塑性温度域での加熱によつて材料中に
生成される微細粒組織が保持されて超塑性が得ら
れる。 冷却後少なくとも30%以上の冷間加工を行なう
のであるが、30%未満の加工率では充分微細な結
晶粒が得られない。 また、20〜60%の冷間加工とこれに続く300℃
以下の低温軟化焼鈍とを1回以上行なうこともで
き、この低温軟化焼鈍を導入することにより結晶
粒はさらに微細化される。 このように冷間加工された材料には、高い歪エ
ネルギーを有する転位の下部組織が高密度に形成
されている。 この材料を引続き、通常0.5Tm{Tmは材料の
融点(絶対温度)}以上の超塑性温度域(アルミ
ニウム合金では400℃以上)に加熱すると、高密
度の転位組織を起点として新しい結晶粒が形成さ
れ、従つて、転位組織は高密度である程微細粒組
織が得られ、超塑性伸びが大きくなる。 しかして、一度結晶が完了すると結晶粒界のエ
ネルギーを減少させるため、転位が移動して結晶
粒が粗大化し、この粗大化した組織が超塑性変形
を阻害することになる。 従つて、本発明に係る超塑性Al―Li系合金の
製造方法においては、熱間加工後の一段階或いは
二段階の加熱保持により形成されたZrAl3,
Cr2Mg3Al18、MnAl6等の析出物の寸法と分布と
を制御することにより転位の移動を阻止して、微
細結晶粒組織を保持しているのである。即ち、析
出物寸法が小さ過ぎたり、析出粒子間隔が大き過
ぎると転位移動阻止効果が得られない。 また、本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製
造方法により作られた材料は、冷間加工したまま
の状態で超塑性の加工を行なつてもよいが、冷間
加工後、100℃/Hr以上の加熱速度で加熱し、
350〜550℃の温度で軟化して超塑性加工を行なつ
てもよい。 [実施例] 本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製造方法
の実施例を説明する。 実施例 1 第1表に示す含有成分および成分割合のAl―
Li系合金をAr雰囲気中で溶製し、鋳造した鋳塊
を450℃の温度で24Hrの均質化熱処理を行なつた
後、450〜300℃の温度における熱間圧延により
6.3mmの板材に加工し、520℃の温度で3Hrおよび
400℃の温度で10Hrの加熱保持を行ない、約100
℃/Hrの冷却速度で冷却し、冷間圧延により2.5
mmの板材(冷間加工率63%)を製造し、495℃で
歪速度1×10-4/secで変形した。
し、さらに詳しくは、低密度、かつ、高弾性率を
有する超塑性Al―Li系合金の製造方法に関す
る。 [従来技術] この明細書において超塑性とは、ある外的条件
の下で材料がくびれ(necking)なしに数百〜数
千%という巨大な伸びを生じる現象であり、恒温
変態を利用した変態超塑性と微細結晶材料で見ら
れる微細粒超塑性とに大別され、因に、本発明は
微細粒超塑性のAl―Li系合金の製造方法であ
る。 一般に、微細結晶粒超塑性を起させるために
は、その材料の結晶粒径を微細に制御することが
必須であり、また、一般に、Al―Li系合金は鋳
造後鋳塊を400〜550℃の温度で均質化処理を行な
い、次いで、350〜550℃の温度で熱間加工および
冷間加工を行なつて所望の材料を製造するのであ
るが、このような通常の工程では結晶粒は30〜
100μmと大きくなつてしまい、高温において変
形しても、Al―Li系合金に目的とする超塑性
(伸び)を付与することはできない。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記に説明したように、いままでは困
難とされていたAl―Li系合金に微細粒組織を得
ることができる超塑性Al―Li系合金の製造方法
を提供するものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製造方法
は、 (1) Li1〜5wt% を含有するAl―Li系合金鋳塊を、400〜550℃の
温度で均質化熱処理を行ない、次いで、300〜550
℃の温度で熱間加工を行なつた後、350〜550℃の
温度において一段階或いは二段階の加熱保持を行
ない、30℃/Hr以上の冷却速度で冷却してから
少なくとも30%以上の冷間加工を行なうか或いは
20〜60%の冷間加工を行なつた後に、300℃以下
の低温軟化焼鈍と冷間加工を1回以上行なうこと
を特徴とする超塑性Al―Li系合金の製造方法を
第1の発明とし、 (2) Li1〜5wt% を含有するAl―Li系合金鋳塊を、400〜550℃の
温度で均質化熱処理を行ない、次いで、300〜550
℃の温度で熱間加工を行なつた後、350〜550℃の
温度において一段階或いは二段階の加熱保持を行
ない、30℃/Hr以上の冷却速度で冷却してから
少なくとも30%以上の冷間加工を行なうか或いは
20〜60%の冷間加工を行なつた後に、300℃以下
の低温軟化焼鈍と冷間加工を1回以上行ない、さ
らに、100℃/Hr以上の速度で350〜550℃の温度
に加熱軟化処理を行なうことを特徴とする超塑性
Al―Li系合金の製造方法を第2の発明とする2
つの発明からなるものである。 本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製造方法
について以下詳細に説明する。 先ず、本発明に係るAl―Li系合金の製造方法
において使用するAl―Li合金の含有成分および
成分割合について説明する。 Liは強度および低密度、高弾性率を付与する元
素であり、含有量が1wt%未満ではこの効果が充
分に得ることができず、また、5wt%を越えて含
有されると熱間加工性およびその外の製造加工性
が損なわれ、かつ、延性、靭性が著しく低下す
る。よつて、Li含有量は1〜5wt%とする。 なお、本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製
造方法において使用するAl―Li系合金には、Li以
外に、微細な結晶粒を得るために、Zr0.05〜
0.5wt%、Cr0.05〜0.5wt%、V0.05〜0.5wt%、
Hf0.05〜1.0wt%、Mn0.05〜2.0wt%、Ti0.15wt
%以下の中から選んだ1種または2種以上を含有
させる。そしてこれらの元素を含有させる場合
に、各元素の下限未満では微細な結晶粒を得るこ
とができず、また、各元素の上限を越えて含有さ
れると鋳造時に充分な固溶が得られず、巨大晶出
物の発生を招来して充分な伸びを得ることができ
ない。よつて、上記の通りの含有成分と成分割合
とする。 さらに、強度を付与させるために、Mg0.5〜
6.0wt%、Cu0.5〜5wt%、Zn0.5〜6wt%、Si0.3〜
2wt%の中から選んだ1種または2種以上を含有
させることができ、これらの元素を含有させる場
合に、各元素の下限未満では強度を向上させる効
果が少なく、また、各元素の上限を越えて含有さ
れると製造加工性が低下し、かつ、延性、靭性が
著しく低下する。よつて、上記の通りの含有成分
と成分割合とする。 また、不純物として含有されるFeは、不溶性
の晶出物を生成し、伸びを著しく低下させるの
で、Fe含有量は0.15wt%以下に規制しなければ
ならない。 次に、本発明に係るAl―Li系合金の製造方法
における加工および熱処理について説明する。 上記に説明した含有成分および成分割合のAl
―Li系合金鋳塊は、内部に不均質に分布している
主要元素の均質化および熱間加工性を向上させる
ために、400〜550℃の温度において充分な時間均
質化熱処理を行ない、続いて、300〜550℃の温度
で熱間加工を行なつて所定の板厚まで加工し、粗
い鋳造組織は熱間フアイバー組織となると同時
に、組織内にLiの析出物、または、含有している
場合にはCu,Mg,Znの析出物やZr+Cr,V,
Mnの遷移金属の一部が部分析出する。 さらに、この熱間加工後、好ましくは、30%以
上の冷間加工を行なうことにより、さらに微細粒
の材料が得られ超塑性伸びも大きくなる。 次に、この熱間加工後に350〜550℃の温度で
0.5〜20Hrの加熱保持をしてから、少なくとも30
℃/Hr、好ましくは、100℃/Hr以上の冷却速度
で冷却して固溶元素の固溶を図る。 また、この熱処理を急速加熱、急速冷却が可能
な連続焼鈍炉により400〜550℃の温度で10sec〜
10min間行なつてもよく、この加熱条件によりLi
と含有されている場合にはCu,Mg,Znは固溶さ
れ、また、Zr,Cr,Mn等の遷移元素はAlと金属
間化合物ZrAl3、Cr2Mg3Al18等を析出する、この
一段加熱保持後の冷却速度が100℃/Hr未満では
微細粒が得られず伸びがでにくくなる。 そして、この加熱保持を二段階で行なつた場
合、先ず、450〜550℃の温度で0.5〜10Hrの第1
回の加熱保持を行ない、続いて、第2回の加熱保
持塩度まで冷却し、350〜450℃の温度で0.5〜
50Hrの第2回の加熱保持を行ない、30℃/Hr以
上の冷却速度で冷却する。この加熱保持は温度が
高い程時間に短時間でよい。 この2回の加熱保持において、第1回の加熱保
持により析出している溶質元素はその大部分が固
溶され、続く第2回の加熱保持により遷移元素の
Zr,Cr,Mn等とAlとの金属間化合物ZrAl3,
Cr2Mg3Al18,MnAl6等が析出する。 また、この二段階の加熱保持は、1回の加熱保
持の場合に比較して、遷移元素の析出形態が微細
なことおよび若干のLiとCu,Mg,Zn等とAlとの
高温時効析出物が形成されるために、加熱保持後
の冷却速度も30℃/Hrと遅くしてもよく、製造
ざだより容易となり、かつ、冷間加工中に生成さ
れる転位の密度がより高くなり、さらに、微細な
結晶粒が生成され超塑性伸びの大きい材料が得ら
れる。 そして、この二段階加熱保持の加熱速度は30
℃/Hr未満になると超塑性伸びが得られなくな
る。 これらの加熱保持により熱間フアイバー組織を
形成していた転位の下部組織は回復、再結晶によ
り歪エネルギーが低減され、続く冷間加工で転位
が導入され易くなり、かつ、含有されている場合
にはZr,Cr,Mn等の析出粒子により、次の冷間
加工後の超塑性温度域での加熱によつて材料中に
生成される微細粒組織が保持されて超塑性が得ら
れる。 冷却後少なくとも30%以上の冷間加工を行なう
のであるが、30%未満の加工率では充分微細な結
晶粒が得られない。 また、20〜60%の冷間加工とこれに続く300℃
以下の低温軟化焼鈍とを1回以上行なうこともで
き、この低温軟化焼鈍を導入することにより結晶
粒はさらに微細化される。 このように冷間加工された材料には、高い歪エ
ネルギーを有する転位の下部組織が高密度に形成
されている。 この材料を引続き、通常0.5Tm{Tmは材料の
融点(絶対温度)}以上の超塑性温度域(アルミ
ニウム合金では400℃以上)に加熱すると、高密
度の転位組織を起点として新しい結晶粒が形成さ
れ、従つて、転位組織は高密度である程微細粒組
織が得られ、超塑性伸びが大きくなる。 しかして、一度結晶が完了すると結晶粒界のエ
ネルギーを減少させるため、転位が移動して結晶
粒が粗大化し、この粗大化した組織が超塑性変形
を阻害することになる。 従つて、本発明に係る超塑性Al―Li系合金の
製造方法においては、熱間加工後の一段階或いは
二段階の加熱保持により形成されたZrAl3,
Cr2Mg3Al18、MnAl6等の析出物の寸法と分布と
を制御することにより転位の移動を阻止して、微
細結晶粒組織を保持しているのである。即ち、析
出物寸法が小さ過ぎたり、析出粒子間隔が大き過
ぎると転位移動阻止効果が得られない。 また、本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製
造方法により作られた材料は、冷間加工したまま
の状態で超塑性の加工を行なつてもよいが、冷間
加工後、100℃/Hr以上の加熱速度で加熱し、
350〜550℃の温度で軟化して超塑性加工を行なつ
てもよい。 [実施例] 本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製造方法
の実施例を説明する。 実施例 1 第1表に示す含有成分および成分割合のAl―
Li系合金をAr雰囲気中で溶製し、鋳造した鋳塊
を450℃の温度で24Hrの均質化熱処理を行なつた
後、450〜300℃の温度における熱間圧延により
6.3mmの板材に加工し、520℃の温度で3Hrおよび
400℃の温度で10Hrの加熱保持を行ない、約100
℃/Hrの冷却速度で冷却し、冷間圧延により2.5
mmの板材(冷間加工率63%)を製造し、495℃で
歪速度1×10-4/secで変形した。
【表】
この第1表から明らかなように、本発明に係る
超塑性Al―Li系合金の製造方法により製造され
た材料の超塑性伸びは比較材の2倍以上にもなつ
ていることがわかる。 実施例 2 実施例1における合金1の鋳塊を450℃の温度
で24Hrの均質化熱処理を行なつた後、450〜300
℃の温度における熱間圧延により7.0mmの板材に
加工し、520℃の温度で3Hrおよび400℃の温度で
10Hrの加熱保持を行ない、約100℃/Hrの冷却速
度で冷却し、第2表に示す冷間圧延および低温軟
化焼鈍により厚さ2.5mmの材料を作製し、495℃の
温度に加熱後、歪速度1×10-4/secで変形し
た。 本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製造方法
により製造された材料は、超塑性伸びが低温焼鈍
を行なわないものに比して格段に優れていること
がわかる。
超塑性Al―Li系合金の製造方法により製造され
た材料の超塑性伸びは比較材の2倍以上にもなつ
ていることがわかる。 実施例 2 実施例1における合金1の鋳塊を450℃の温度
で24Hrの均質化熱処理を行なつた後、450〜300
℃の温度における熱間圧延により7.0mmの板材に
加工し、520℃の温度で3Hrおよび400℃の温度で
10Hrの加熱保持を行ない、約100℃/Hrの冷却速
度で冷却し、第2表に示す冷間圧延および低温軟
化焼鈍により厚さ2.5mmの材料を作製し、495℃の
温度に加熱後、歪速度1×10-4/secで変形し
た。 本発明に係る超塑性Al―Li系合金の製造方法
により製造された材料は、超塑性伸びが低温焼鈍
を行なわないものに比して格段に優れていること
がわかる。
【表】
実施例 3
実施例1の合金1の鋳塊を450℃の温度で24Hr
の均質化熱処理を行なつた後、450〜300℃の温度
において熱間圧延を行ない6.3mmの板材に加工
し、520℃の温度で3Hrおよび400℃の温度で10Hr
の加熱保持を行ない、約100℃/Hrの冷却速度で
冷却後、冷間圧延により厚さ2.5mm(冷間加工率
63%)の材料に加工し、第3表に示す加熱速度で
480℃の温度で加熱軟化処理を行ない、495℃の温
度において歪速度1×10-4/secで変形した。
の均質化熱処理を行なつた後、450〜300℃の温度
において熱間圧延を行ない6.3mmの板材に加工
し、520℃の温度で3Hrおよび400℃の温度で10Hr
の加熱保持を行ない、約100℃/Hrの冷却速度で
冷却後、冷間圧延により厚さ2.5mm(冷間加工率
63%)の材料に加工し、第3表に示す加熱速度で
480℃の温度で加熱軟化処理を行ない、495℃の温
度において歪速度1×10-4/secで変形した。
【表】
この第3表から明らかなように、本発明に係る
超塑性Al―Li系合金の製造方法によれば、加熱
速度が100℃/Hr以下のNo.3の超塑性伸びの2倍
以上となり優れていることがわかる。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る超塑性Al
―Li系合金の製造方法は上記に説明した構成を有
しているものであるから、適切な温度においてく
びれ(necking)や局所伸びがない優れた超塑性
伸びを有する材料が得られるという効果がある。
超塑性Al―Li系合金の製造方法によれば、加熱
速度が100℃/Hr以下のNo.3の超塑性伸びの2倍
以上となり優れていることがわかる。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る超塑性Al
―Li系合金の製造方法は上記に説明した構成を有
しているものであるから、適切な温度においてく
びれ(necking)や局所伸びがない優れた超塑性
伸びを有する材料が得られるという効果がある。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Li1〜5wt% を含有するAl―Li系合金鋳塊を、400〜550℃の
温度で均質化熱処理を行ない、次いで、300〜550
℃の温度で熱間加工を行なつた後、350〜550℃の
温度において一段階或いは二段階の加熱保持を行
ない、30℃/Hr以上の冷却速度で冷却してから
少なくとも30%以上の冷間加工を行なうか或いは
20〜60%の冷間加工を行なつた後に、300℃以下
の低温軟化焼鈍と冷間加工を1回以上行なうこと
を特徴とする超塑性Al―Li系合金の製造方法。 2 Li1〜5wt% を含有するAl―Li系合金鋳塊を、400〜550℃の
温度で均質化熱処理を行ない、次いで、300〜550
℃の温度で熱間加工を行なつた後、350〜550℃の
温度において、一段階或いは二段階の加熱保持を
行ない、30℃/Hr以上の冷却速度で冷却してか
ら少なくとも30%以上の冷間加工を行なうか或い
は20〜60%の冷間加工を行なつた後に、300℃以
下の低温軟化焼鈍と冷間加工を1回以上行ない、
さらに、100℃/Hr以上の速度で350〜550℃の温
度に加熱軟化処理を行なうことを特徴とする超塑
性Al―Li系合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15104884A JPS6156269A (ja) | 1984-07-20 | 1984-07-20 | 超塑性Al−Li系合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15104884A JPS6156269A (ja) | 1984-07-20 | 1984-07-20 | 超塑性Al−Li系合金の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6156269A JPS6156269A (ja) | 1986-03-20 |
JPS623226B2 true JPS623226B2 (ja) | 1987-01-23 |
Family
ID=15510158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15104884A Granted JPS6156269A (ja) | 1984-07-20 | 1984-07-20 | 超塑性Al−Li系合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6156269A (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0814018B2 (ja) * | 1987-12-14 | 1996-02-14 | アルミニウム カンパニー オブ アメリカ | アルミニウム合金の熱処理方法 |
JPH07116568B2 (ja) * | 1988-04-11 | 1995-12-13 | 住友軽金属工業株式会社 | 異方性の少ないA1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法 |
JPH07116567B2 (ja) * | 1988-04-11 | 1995-12-13 | 住友軽金属工業株式会社 | A1−Cu−Li−Zr系超塑性板の製造方法 |
JPH01259150A (ja) * | 1988-04-11 | 1989-10-16 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 高強度A1−Cu−Li−Mg−Zr系超塑性板の製造方法 |
JPH07116569B2 (ja) * | 1988-04-11 | 1995-12-13 | 住友軽金属工業株式会社 | 異方性の少ないA1−Li−Cu−Mg系超塑性板の製造方法 |
JPH02258941A (ja) * | 1989-03-30 | 1990-10-19 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 超塑性成形用高力Al―Li系合金 |
JPH02258958A (ja) * | 1989-03-30 | 1990-10-19 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 超塑性成形用高力Al―Li系合金の製造方法 |
DE4113352C2 (de) * | 1991-04-24 | 1996-05-23 | Hoogovens Aluminium Gmbh | Verfahren zur Herstellung von Aluminiumblechen |
CN103119184B (zh) * | 2010-09-08 | 2015-08-05 | 美铝公司 | 改进的6xxx铝合金及其生产方法 |
CN110714174A (zh) * | 2019-09-23 | 2020-01-21 | 四川阳光坚端铝业有限公司 | 一种铝合金铸锭的均匀化处理工艺 |
CN112593169B (zh) * | 2020-12-16 | 2022-02-08 | 北京理工大学 | 一种电弧增材制造铝锂合金缺陷和组织控制的方法 |
CN114717399A (zh) * | 2022-03-01 | 2022-07-08 | 中南大学 | 一种改善织构和析出相提升铝锂合金强度的工艺方法 |
-
1984
- 1984-07-20 JP JP15104884A patent/JPS6156269A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6156269A (ja) | 1986-03-20 |
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