JPH07116569B2 - 異方性の少ないA1−Li−Cu−Mg系超塑性板の製造方法 - Google Patents

異方性の少ないA1−Li−Cu−Mg系超塑性板の製造方法

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JPH07116569B2
JPH07116569B2 JP63087403A JP8740388A JPH07116569B2 JP H07116569 B2 JPH07116569 B2 JP H07116569B2 JP 63087403 A JP63087403 A JP 63087403A JP 8740388 A JP8740388 A JP 8740388A JP H07116569 B2 JPH07116569 B2 JP H07116569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超塑性変形が可能であるAl−Li系合金板を製造
する方法に関し、さらに詳しくは高温で変形速度が極め
て高いひずみ速度範囲で、異方性が少なく超塑性変形が
可能なAl−Li−Cu−Mg系超塑性アルミニウム合金板を、
圧延で製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 航空機用アルミニウム合金板は、機体の軽量化のため
に、Al−Cu−Mg系の2024合金板やAl−Zn−Mg−Cu系の70
75合金板から密度の低いAl−Li系合金板に移行しつつあ
る。
また、成形加工技術の面も、従来のロールフォーミング
やプレス成形(板金加工)したものを組立て接合などを
行う方法から一体化加工が可能な超塑性成形が取り入れ
られている。
超塑性成形法は、複雑な形状の製品を一度で成形するこ
とができるため、部品の接合部が少なく、軽量化が可能
となり、また、組立て工数も少なく、製造コストの低減
をもたらす方法である。
このため超塑性変形が可能なAl−Li系合金材料が要求さ
れている。
従来、Al−Li系合金としては、Al−Li−Cu−Mg−Zr系の
8090合金とAl−Cu−Li−Zr系の2090合金が、国際的に登
録されている。このうちAl−Li−Cu−Mg−Zr系合金の超
塑性変形を得るために、均質化処理温度、熱間加工温
度、中間焼鈍温度および冷間加工度を規制する方法が提
案されている。(特開昭62−170462) しかし、Al−Cu−Li−Mg系合金の変形速度が極めて高い
ひずみ速度範囲で超塑性変形が得られる材料がなく、こ
のような材料の開発が強く要望されていた。
[発明が解決しようとする課題] 前述したように超塑性材料を製造するためには、種々の
加工が施されるが、このときの冷間圧延の加工度が高い
と、圧延方向によって伸びが異なり、超塑性変形加工し
たとき圧延方向に対して直角方向の伸びが低いという欠
点がある。また、冷間加工度を高くする必要のある場合
1.5mm以上の厚板の超塑性材料が製造できなかった。本
発明は、変形速度が極めて高い範囲で超塑性的変形が得
られ、しかも圧延方向による伸びの異方性が少なく、ま
た1.5mm以上の厚さの板をAl−Li−Cu−Mg系合金材料で
制御した圧延で製造する方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明による異方性の少ない超塑性アルミニウム合金板
の製造方法は、前記目的を達成するため、下記のとおり
に構成される。
(1)Li2.3〜3.0%、Cu1.0〜1.7%、Mg0.4〜1.0%、Zr
0.05〜0.20%、Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび
不可避不純物からなるアルミニウム合金を、通常の鋳造
法で溶解し、鋳造後、450〜540℃の温度において1〜50
時間一段または多段の均質化処理を行い、ついで220〜3
50℃で100〜150時間の析出処理を行い、その後220〜350
℃の温度で圧延し、該圧延時に前記式で示す相当ひずみ
速度が10S-1以下となるように調整し、圧延することを
特徴とする異方性の少ないAl−Li−Cu−Mg系超塑性板の
製造方法。
(2)Li2.3〜3.0%、Cu1.0〜1.7%、Mg0.4〜1.0%、Zr
0.05〜0.20%、Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Alおよび
不可避不純物からなるアルミニウム合金を、通常の鋳造
法で溶解し、鋳造後、450〜540℃の温度において1〜50
時間保持後、220〜350℃の温度まで冷却し、100〜150時
間保持した後、該温度範囲で圧延し、該圧延時に前記式
で示した相当ひずみ速度が10s-1以下となるように調整
し、圧延することを特徴とする異方性の少ないAl−Li−
Cu−Mg系超塑性板の製造方法。
[作 用] Al−Li系超塑性材料は、従来の7475合金系超塑性材料と
異なり、動的再結晶により微細再結晶粒を形成させ超塑
性変形する性質をもつために、高温まで安定な下部組織
を有する材料が得られるのである。
本発明はAl−Li−Cu−Mg系の熱間加工性を向上させて圧
延し、超塑性材料を得るための製造方法に関するもので
あり、以下成分を限定した理由について述べる。
Li; 超塑性成形後の合金材の強度向上と軽量化に効果があ
る。この効果は2.3%より少ないと得られず、3.0%より
多いと溶解鋳造が困難になる。
Cu; 超塑性成形後の合金材の強度向上効果がある。この効果
は1.0%より少ないと得られず、1.7%より多いと、熱間
加工性が悪くなる。
Mg; 材料の強度を満たすために必要な成分で、0.4%未満で
は所定の強度を満たすことができない。また、1.0%を
越えると熱間加工が難しくなる。
Zr; 合金材の再結晶を抑制する効果がある。0.05%より少な
いと最終焼鈍で再結晶が容易となり、下部組織を安定化
させることが困難となる。このため超塑性成形が得られ
にくい。また、0.20%を越えると通常の鋳造法では巨大
化合物を晶出しやすくなり、これにより素材に圧延欠陥
が生ずる。
Ti; 素材合金に鋳造組織の微細化を与える効果がある。この
効果は0.01%より少ないと得られず、0.10%より多いと
巨大化合物が晶出しやすくなる。
次に製造条件について述べる。
均質化処理; 均質化処理はCu、Li、Mgなどの溶質原子の粒界偏析を少
なくし、成分を均一化する効果がある。450℃未満では
その効果が少なく、540℃を越えるとZrなどの再結晶抑
制元素が安定相として析出し、それらの元素のもつ効果
が少なくなる。また、1時間未満では成分均一化の効果
が少なく、50時間を越えるとその効果が飽和するため、
経済的な点で意味がない。420℃程度で一旦ステップ加
熱すると良い。
圧延温度; 圧延温度が220〜350℃であるのはこの温度域がこのAl−
Li−Cu−Mg系合金の第2相(δ相)の析出温度であり、
この温度範囲で圧延すると安定な下部組織が形成され
る。
析出処理; 220〜350℃の100〜150時間の析出処理を220〜350℃での
温度での圧延の前あるいは圧延の途中に行うと、δ相な
どの第2相が均一に析出し、この第2相近傍で多重すべ
りが生じて、安定な下部組織が形成されやすい。また、
粒内に均一に析出するために粒内変形が容易になり、熱
間圧延割れを生じることが少ない。析出処理時間が100
時間より短いと圧延前の析出状態によっては熱間圧延割
れを生じることがある。また、150時間を超えてもその
効果は変化しない。この析出処理は鋳塊の均質化熱処理
中に行っても、220〜350℃の圧延途中に行っても同じ効
果が得られる。
圧延ひずみ速度; 上記圧延において安定な下部組織を形成するためには、
温間加工時の加工のひずみ速度が重要で、圧延速度が早
いとひずみ速度が大きくなり、転位が集積して圧延割れ
が生じ易くなる。また、ひずみ速度が遅いと析出物が凝
集化し過ぎて、転位の回復が早くなり、安定な下部組織
が形成されにくい。また、生産性が悪いなどの問題があ
る。適正な圧延速度は相当ひずみ速度に換算して、10s
-1以下がよい。なお、下限は0.1s-1程度とする。
[実施例] Al−2.52%Li−1.26%Cu−0.72%Mg−0.12%Zr−0.05%
Tiアルミニウム合金を、アルゴンガス雰囲気中で溶解・
鋳造した鋳塊を、均質化処理後、第1表に示すように圧
延前、又は圧延途中に析出処理した後、熱間圧延を行っ
た。熱間圧延は、圧延温度と圧延速度(圧延ひずみ速度
に相当する)を変え、1〜3パス毎に圧延開始温度に再
加熱して板材を製作した。得られた圧延板材の圧延方向
及び圧延直角方向から引張試験片を採取し、500℃にお
いて初期ひずみ速度5.6×10-3s-1の高速で引張試験を行
い、超塑性の評価を行い、圧延方向の伸びが600%以
上、および圧延直角方向の伸びが500%以上を本発明と
した。また、超塑性の異方性の評価は、前記圧延方向の
伸びの圧延直角方向の伸びに対する比が1.5以下を本発
明とした。
発明例のNo.1〜3は、長時間の析出処理の後熱間圧延を
行ったもので、圧延方向の伸びが670%以上、圧延直角
方向の伸びが550%以上、また圧延方向の伸びの圧延直
角方向の伸びに対する比が1.21以下の性能が得られ、優
れた超塑性と超塑性の異方性の少ない材料が得られた。
これに対し比較例のNo.4は、熱間圧延前の均質化処理に
おける加熱時間が12時間と少なく、圧延方向の伸びが50
0%、圧延直角方向の伸びが430%と低くなった。
No.5は、550℃の高温で均質化処理したため、圧延直角
方向の伸びが250%と低く、超塑性の異方性も2.4と高く
なった。
No.6は、均質化処理を行わないものであり、熱間圧延温
度が低いため、圧延の途中で鰐口割れを発生したので、
その後の試験を中止した。
No.7は、熱間圧延温度が450〜350℃と高く、圧延方向の
伸びが400%、圧延直角方向の伸びが180%と低く、異方
性も2.22と大きくなった。
No.8は、熱間圧延開始温度が220℃と低く、圧延ひずみ
速度を0.8s-1と低くしたが、圧延の途中で鰐口割れを発
生したので、その後の試験を中止した。
No.9は、熱間圧延の圧延ひずみ速度が14.2s-1と高く、
圧延の途中で鰐口割れを発生したので、その後の試験を
中止した。
[発明の効果] 本発明の製造方法によれば、以下のような効果が得られ
る。
(1)本発明の方法により製造されたAl−Li−Cu−Mg合
金板は、非再結晶組織を有しているので、この組織状態
から変形速度を従来の超塑性アルミニウム合金板(例え
ば7475合金など)よりも1桁大きくして、超塑性変形を
させることができる。
(2)本発明によれば制御圧延あるいは更に、急速加熱
による最終焼鈍を行うことで、鋳造時の組織をこわすと
ともに、鋳造時の粒界不純物を粒界から除去することが
できる。これによって、合金材の超塑性特性を向上させ
ることができ、航空機や車輌および自動車などの複雑な
形状の部品を容易に製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Li2.3〜3.0%、Cu1.0〜1.7%、Mg0.4〜1.0
    %、Zr0.05〜0.20%、Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Al
    および不可避不純物からなるアルミニウム合金を、通常
    の鋳造法で溶解し、鋳造後、450〜540℃の温度において
    1〜50時間一段または多段の均質化処理を行い、ついで
    220〜350℃で100〜150時間の析出処理を行い、その後22
    0〜350℃の温度で圧延し、該圧延時に下式に示す相当ひ
    ずみ速度が10s-1以下となるように調整し、圧延するこ
    とを特徴とする異方性の少ないAl−Li−Cu−Mg系超塑性
    板の製造方法。 式 ただし、VR=ロール周速度(m/s) R′=偏平後のロール半径(m) hO=圧延前の板厚(m) r=圧下率
  2. 【請求項2】Cu2.3〜3.0%、Cu1.0〜1.7%、Mg0.4〜1.0
    %、Zr0.05〜0.20%、Ti0.01〜0.10%を含有し、残部Al
    および不可避不純物からなるアルミニウム合金を、通常
    の鋳造法で溶解し、鋳造後、450〜540℃の温度において
    1〜50時間保持後、220〜350℃の温度まで冷却し、100
    〜150時間保持した後、該温度範囲で圧延し、該圧延時
    に下式で示した相当ひずみ速度が10s-1以下となるよう
    に調整し、圧延することを特徴とする異方性の少ないAl
    −Li−Cu−Mg系超塑性板の製造方法。 式 ただし、VR=ロール周速度(m/s) R′=偏平後のロール半径(m) hO=圧延前の板厚(m) r=圧下率
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