JPH07116226B2 - α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルまたはそのハロゲン化水素酸塩の製法 - Google Patents

α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルまたはそのハロゲン化水素酸塩の製法

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JPH07116226B2 JP28888986A JP28888986A JPH07116226B2 JP H07116226 B2 JPH07116226 B2 JP H07116226B2 JP 28888986 A JP28888986 A JP 28888986A JP 28888986 A JP28888986 A JP 28888986A JP H07116226 B2 JPH07116226 B2 JP H07116226B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、甘味剤として有用なα−L−アスパルチル−
L−フェニルアラニンメチルエステル(以下、α−APM
と略記する)の新規な製造法に関するものである。更に
詳しくはα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
をメタノール含有の硫酸水溶媒中、アルカリ金属または
アルカリ土類金属のハロゲン化物の共存下にエステル化
し、生成したα−APMをハロゲン化水素酸塩として析出
せしめ、該ハロゲン化水素酸塩を分離し、さらに必要に
応じて該ハロゲン化水素酸塩を中和することから成るα
−APMまたはそのハロゲン化水素酸塩の製造法を提供す
るものである。
本発明のα−APMは、ジペプチド系の新しい甘味剤とし
て最近その需要が増大しつつある物質である。
(従来技術及び問題点) α−APMの製法に関しては、化学的製造法を中心に既に
多数の方法が開示されているが、L−アスパラギン酸の
カルボン酸活性誘導体として、N−保護−L−アスパラ
ギン酸無水物を用いる方法が一般的である。とくにL−
アスパラギン酸をギ酸及び無水酢酸と反応させることに
より1工程で容易に製造可能なN−ホルミル−L−アス
パラギン酸無水物を利用するα−APM製造法が、原料が
簡単に且つ安価に製造でき、工程も比較的簡略にできる
ことから工業的には最も有利な方法と考えられる。
ところで、このN−ホルミル−L−アスパラギン酸無水
物を用いるα−APM製造法は、そのほとんどが特開昭46-
1350号などに代表されるようにもう一方の反応原料とし
てL−フェニルアラニンメチルエステルを用い、N−ホ
ルミル−α−アスパラチル−L−フェニルアラニンメチ
ルエステルを中間体として製造したのち、保護基のホル
ミル基を脱離させてα−APMとする技術であり、N−ホ
ルミル−L−アスパラギン酸無水物とL−フェニルアラ
ニンメチルエステルとの縮合方法、異性体の抑制方法に
関する技術、ならびにホルミル基の脱離方法に関する技
術を中心に種々の製法が提案されている。しかしなが
ら、このL−フェニルアラニンメチルエステルを一方の
反応原料として用いる方法は、L−フェニルアラニンを
エステル化してL−フェニルアラニンメチルエステルと
し、N−ホルミル−L−アスパラギン酸無水物との縮合
反応につなぐまでの工程が繁雑となることに加えて、本
発明者らの知見によればL−フェニルアラニンメチルエ
ステル遊離の形態では、自己縮合、環化して2,5−ジベ
ンジル−3,6−ジオキソピペラジンに変化し易い性質を
有していることがわかった。このことは工業的に収率の
低下とα−APMの品質劣化等種々のトラブルを引き起こ
す要因になるものである。
従って、N−ホルミル−L−アスパラギン酸無水物を利
用するα−APMの製造法としては、もう一方の反応原料
としてL−フェニルアラニンメチルエステルを使用しな
い製法の開発が望まれるている。
L−フェニルアラニンメチルエステルを使用しないの製
造法として、N−ホルミル−L−アスパラギン酸無水物
を酢酸中L−フェニルアラニンと直接縮合させて、N−
ホルミル−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ンを製造し、ついでホルミル基を除去してα−アスパル
チル−L−フェニルアラニンとしたのち、このα−L−
アスパルチル−L−フェニルアラニンをメタノール中で
塩化水素の存在下にエステル化してα−APMを製造する
方法(特公昭55-26133号)、及びこのエステル化の改良
方法としてα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ンを塩化水素、メタノール及び水から成る媒体と接触さ
せてエステル化し、生成したα−APMを固体状の塩酸塩
として析出させて製造する方法(特公昭60-50200号)が
開示されている。しかしながら、前者の方法では2つの
カルボン酸基のエステル化反応に選択性はあまりなく、
目的のα−APMの他にβ−カルボン酸基へのエステル化
や、ジエステル化反応も多量に起こり、その為にα−AP
Mの選択率が低いという欠点がある。また後者の方法
は、エステル化反応を塩酸水溶液中で実施し生成したα
−APMを塩酸塩として系外に析出せしめることによりα
−APMの選択率を上げてはいるものの、α−APM単離収率
はたかだか50〜60%(対α−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニン)であり、収率的には必ずしも十分な方
法とは言い難い。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記のようなα−APM製造技術の現状を
踏まえ、また前述したような溶液中での安定性に問題の
あるL−フェニルアラニンメチルエステルを一方の反応
原料としない製造法を検討していく中で、先にN−ホル
ミル−L−アスパラギン酸無水物とし、L−フェニルア
ラニンを水溶媒中で縮合してN−ホルミル−α−L−ア
スパルチル−L−フェニルアラニンを効率良く製造でき
る方法を見出している。そしてこの化合物を常法により
加水分解して得られるα−L−アスパルチル−L−フェ
ニルアラニンをエステル化してα−APMを効率良く製造
する技術の検討を鋭意重ねた。
α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンを酸性媒
体中でメタノールでエステル化してα−APMを製造する
方法は、α−APMの他に本来的にα−L−アスパルチル
−L−フェニルアラニンのβ−カルボン酸基がエステル
化されたα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
−β−メチルエステル、ならびに2つのカルボン酸基が
ともにエステル化されたα−L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニンジメチルエステルが生成する。そして原
料とこれら3種のエステル化生成物を与える反応は平衡
反応である。従って、目的のα−APMの選択率を高める
にはエステル化生成物の中からα−APMのみを選択的に
反応系外に除くことが必要であり、反応液中に溶解する
α−APMの溶解濃度を低減できれば、それだけα−APMの
選択率の向上にもつながるものと考えられる。
本発明者らは上記のような考えに立脚し、α−L−アス
パルチル−L−フェニルアラニンを従来ほとんど行われ
ていない硫酸水溶液中でエステル化して、効率良くα−
APMを製造する方法につき鋭意検討を重ねたが、希硫酸
中では生成したα−APMは硫酸塩として析出しなかっ
た。そこでさらに各種無機塩類の添加効果を検討中、あ
る種の金属ハロゲン化物−アルカリ金属またはアルカリ
土類金属のハロゲン化物−の共存下に該エステル化反応
を行うと、驚くべきことに生成したα−APMは硫酸塩と
してではなくハロゲン化水素酸塩として選択的に反応系
から析出し、しかも高収率でα−APMが生成することを
見出した。
このような現象は、従来知られておらず全く予想できな
かったことである。しかもこのアルカリ金属またはアル
カリ土類金属のハロゲン化物以外のハロゲン化物ではこ
のような現象は起きず、さらに他の無機塩では硫酸塩と
して析出することもほとんど認められなかった。さらに
はアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物
の中でも塩化物が適しており、とくに塩化マグネシウム
はα−APM塩酸塩が極めて高い収率で製造できるので好
ましい。
例えば、25%硫酸水溶液98gとメタノール8gを混合した
媒体中にα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
28.0g及び無水塩化マグネシウム19.0gを装入溶解し、30
℃でエステル化反応を行うと反応開始後しばらくしてα
−APM塩酸塩が析出し始め、2日後にはα−APMの生成率
はα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンに対し
て85モル%程度まで達した。これに対して塩化マグネシ
ウムの共存しない系での反応では、α−APMの析出は起
こらず収率が30%以下と低く、また塩化マグネシウムの
代わりに塩化水素を用いて同様にエステル化反応を行っ
た場合にはα−APMの生成は反応2日後においても32モ
ル%に過ぎなかった。本発明はこれらの知見に基づいて
成されたものであり、α−L−アスパルチル−L−フェ
ニルアラニンをエステル化してα−APMを製造する全く
新しい媒体系ならびに方法を提供するものである。
(発明の開示) 本発明は硫酸、水およびメタノールから成る媒体中、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物の共
存下のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンを
エステル化し、生成したα−APMをハロゲン化水素酸塩
として析出せしめ、該ハロゲン化水素酸塩を単離し、そ
の後、必要に応じて該ハロゲン化水素酸塩を中和するこ
とを特徴とするα−APMまたはその塩酸塩の製造法であ
る。
本発明は原料としてα−L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニンが使用される。このものはN−ホルミル−α
−L−アスパラギン酸無水物とL−フェニルアラニンの
縮合によって得られるN−ホルミル−α−L−アスパル
チル−L−フェニルアラニンを酸加水分解等の公知のホ
ルミル基除去法により容易に製造できる化合物である。
原料のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンは
必ずしも高純度のものである必要はなくN−ホルミル−
а−L−アスパラギン酸無水物とL−フェニルアラニン
の縮合時に副生するβ−異性体由来のβ−L−アスパル
チル−L−フェニルアラニンやフェニルアラニンアスパ
ラギン酸などα−APMのハロゲン化水素酸塩の析出を阻
害しない範囲であればその混入は特に問題はない。とく
にβ−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンはおよ
そ30%程度までならば、その混入はα−APMのハロゲン
化水素酸塩の析出を阻害しないばかりか、β−異性体由
来の化合物の析出も起こらず、単離されるα−APMのハ
ロゲン化水素酸塩の品質を劣化させることはない。
本発明のα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
のエステル化反応は、硫酸、水ならびにメタノールから
成る媒体中で実施されるものである。
生成したα−APMを固体状のハロゲン化水素酸塩として
析出させるには、反応媒体の組成が重要な因子となる。
硫酸は硫酸/(硫酸+水)×100で定義される濃度で5
〜50重量%、好ましくは8〜40重量%であり、またメタ
ノールは同じくメタノール/(メタノール+水)×100
で定義される濃度で3〜35重量%、好ましくは5〜30重
量%である。また硫酸ならびメタノールの量は原料のα
−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンに対して、
1当量以上使用される。
本発明は、これらの媒体中でアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属のハロゲン化物、好ましくは塩化物の共存下
に行われる。具体的には塩化リチウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩
化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム
または塩化バリウムなどである。これらの金属塩化物の
中でもさらに好ましくは塩化マグネシウムである。塩化
マグネシウムを用いるとα−APMが一段と高い収率で得
られる。このことは本発明の方法が単なる酸塩交換反応
に基ずくものではなく、金属カチオンを何らかの形で反
応に関与しているものと考えられる。
使用するこれらの金属ハロゲン化物は、前記反応媒体に
必ずしも完溶させる必要はなく、懸濁状態でも良い。ま
たこれらの金属ハロゲン化物は、通常は単独でも用いら
れるが2種類以上を併用してもよい。
金属ハロゲン化物の使用量は、α−L−アスパルチル−
L−フェニルアラニンに対して1当量以上、好適には1.
1当量以上である。これより少ない使用量でも反応は進
行するものの、α−APMの選択率が低下して好ましくな
い。また使用量の上限については特に制限はないが、あ
まり過剰に用いることは経済的に好ましくなく、また場
合によってはα−APMと金属ハロゲン化物との分離が繁
雑化する場合もある。そのため通常はα−L−アスパル
チル−L−フェニルアラニンに対して20量以下で使用さ
れる。
本発明の実施態様の一例を挙げれば、所定量のり硫酸、
水ならびにメタノールを装入した媒体中のα−L−アス
パルチル−L−フェニルアラニンならびに前記金属ハロ
ゲン化物を装入してエステル化反応を行わしめれば良
い。勿論、原料反応媒体及び金属ハロゲン化物の装入順
序は限定されるものではない。
エステル化反応の温度は、0〜60℃、好ましくは10〜50
℃である。反応温度が低すぎるとエステル化反応が緩慢
となり、また過度に温度に高めることはペプチド結合の
解裂を起こし易くなると同時にα−APMのハロゲン水素
酸塩の溶解度を高め、その結果、α−APMの収率を低下
させるので、好ましくない。
本発明の方法においては、生成したα−APMはハロゲン
化水素酸塩として逐次反応系より析出する。したがっ
て、反応後に必要に応じて冷却し、遠心分離等の濾過操
作によってα−APMのハロゲン化水素酸塩として分離さ
れる。
分離されたα−APMのハロゲン化水素酸塩は常法により
水中、苛性アルカリ、炭酸アルカリまたは重炭酸アルカ
リなどの塩基を用いて中和することにより遊離のα−AP
Mに交換しうる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1 メタノール9.6g、濃硫酸21.2gおよび水44.4gより成る媒
体中にα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン1
4.0gを加えて溶解した。ついでこの溶液中に塩化マグネ
シウムの6水和物30.5gを加え20〜25℃でエステル化反
応を行った。3日間反応後、析出している結晶を濾過し
冷水で洗浄した、湿ケーキの量は20.3gであった。この
ものを高速液体クロマトグラフィーにて分析の結果、α
−APM含有量(遊離換算)は12.0g(収率81.6%/α−L
−アスパルチル−L−フェニルアラニン)であった。
ここに得られた結晶の一部を水に溶かし塩化バリウム水
溶液を添加したところ、ほとんど沈澱は認められず、一
方、硝酸銀水溶液で白濁した。また湿ケーキを水から再
結晶精製し乾燥した試料について元素分析の結果、α−
APM塩酸の2水和物であることを確認した。
元素分析値(%) C H N Cl 実測値 45.68 6.45 7.60 9.74 計算値* 45.84 6.32 7.67 9.61 *C14H23N2O7Cl 実施例2 濃硫酸25.5g、水72.5gおよびメタノール8gから成る媒体
中に無水塩化マグネシウム19.0g添加した。次にこの溶
液中にα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン2
8.0gを装入して溶解したのち30〜35℃で反応を行った。
反応開始後、しばらくしてからα−APMの塩酸塩が析出
し始めた。同温度で2日間反応を行ったのち20℃に冷却
し析出している結晶を濾別し、冷水で洗浄することによ
り遊離α−APM 24.6g含有のα−APM塩酸塩の湿ケーキを
得た。
収率83.%(対α−L−アスパルチル−L−フェニルア
ラニン)、ここに得たα−APM塩酸塩の湿ケーキを水400
mlに溶解し、20%炭酸ナトリウム水溶液を徐々に滴下し
て中和した。5℃に冷却し同温度で30分かきまぜたのち
濾過、冷水洗浄後真空乾燥することにより遊離α−APM
を得た。収量21.2g▲〔α〕20 D▼=15.6(C=4 15規定
ギ酸)高速液体クロマトグラフィーにて分析の結果、α
−APMの他に不純物は検出されなかった。
比較例 実施例2において塩化マグネシウムの代わりに塩化水素
7.3gを用いる他は実施例2と同様に反応を行った。30℃
2日間反応後α−APMの析出は僅かであり、反応混合物
を高速液体クロマトグラフィーにて分析の結果、α−AP
Mの生成率は32%(対α−L−アスパルチル−L−フェ
ニルアラニン)に過ぎなかった。
実施例3 実施例2においてメタノール使用量を4.8gとし、反応時
間を30℃3日間とする他は実施例2と同様に行い、単離
収率76.3%(対α−L−アスパルチル−L−フェニルア
ラニン)でα−APM塩酸塩を得た。
実施例4 実施例2において水の量を113.5gとし、反応温度を30〜
35℃4日間とする以外は実施例2と同様に行い、単離収
率79.6%でα−APM塩酸塩を得た。
実施例5〜8 実施例1において塩化マグネシウムの代わりに他の各種
金属塩化物を用いる以外は、実施例1と同様に反応を行
いα−APM塩酸塩を取得した。結果をまとめて表−1に
示す。
実施例9 濃硫酸30g、水97.8gおよびメタノール9.6gから成る媒体
中にβ−L−アスパルチル−L−フェニルアラニンを22
重量%含有するα−L−アスパルチル−L−フェニルア
ラニン35.8gを装入して溶解した。次にこの溶液中に無
水塩化マグネシウム23.3gを加えたのち30〜35℃で4日
間反応させた。その後、20℃に冷却し析出している結晶
を濾別し、冷水で洗浄することによりα−APMの塩酸塩
を得た。高速液体クロマトグラフィーにて分析の結果、
23.4gのα−APM(遊離換算)を含有していた。
収率:79.6%(対α−L−アスパルチル−L−フェニル
アラニン) また得られたケーキ中にはβ−L−アスパルチル−L−
フェニルアラニンならびにそれ由来の化合物はほとんど
含まれていなかった。
(発明の利点) 本発明は、α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ンを従来知られていない全く新しい媒体系でエステル化
してα−APMのハロゲン化水素酸塩を製造する方法であ
り、i)該エステル化反応が温和な条件下に進行し、し
かも金属ハロゲン化物として塩化マグネシウムを用いた
場合に、高選択率、高収率でα−APMが生成すること、i
i)生成したα−APMはハロゲン化水素酸塩として系外に
析出してくるので、反応後は濾過操作のみで品質良好な
α−APMハロゲン化水素酸塩を高収率で取得できるこ
と、iii)反応ならびに分離操作が簡便であること、さ
らにはiv)原料のα−L−アスパルチル−L−フェニル
アラニンが溶液中での安定性に問題のあるL−フェニル
アラニンメチルエステルを用いることなく、L−フェニ
ルアラニンを直接用いて製造できる物質であるなど種々
の利点があり、工業的な製造法として極めて価値の高い
方法である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸、水及びメタノールから成る媒体中、
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物の
    共存下にα−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
    をエステル化し、生成したα−L−アスパルチル−L−
    フェニルアラニンメチルエステルをハロゲン化水素酸塩
    として反応系より析出せしめ、該塩酸塩を単離し、必要
    に応じて該塩酸塩を中和することから成るα−L−アス
    パルチル−L−フェニルアラニンメチルエステルまたは
    その塩酸塩の製造法。
  2. 【請求項2】硫酸、水及びメタノールから成る媒体が 硫酸/(硫酸+水)×100で定義される硫酸濃度として
    5〜50重量%、メタノール/(メタノール+水)×100
    で定義されるメタノール濃度として3〜35重量%であ
    り、且つ硫酸ならびにメタノールの量がα−L−アスパ
    ルチル−L−フェニルアラニンに対して、少なくとも1
    当量以上であり、さらに共存する金属ハロゲン化物がα
    −L−アスパルチル−L−フェニルアラニンに対して、
    1当量以上である特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】金属ハロゲン化物が金属塩化物である特許
    請求の範囲第1項または第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】金属塩化物が塩化マグネシウムである特許
    請求の範囲第3項記載の方法。
JP28888986A 1986-12-05 1986-12-05 α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメチルエステルまたはそのハロゲン化水素酸塩の製法 Expired - Lifetime JPH07116226B2 (ja)

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