JPH07115812B2 - 油圧エレベータのパワーユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、油圧エレベータのパワーユニットに関し、
特に、電動機およびこの電動機で駆動される油圧ポンプ
を、油タンク内の作動油中に浸漬配置してなる油圧エレ
ベータのパワーユニットに関するものである。

［従来の技術］ 従来、電動機および油圧ポンプを油タンク内の作動油中
に浸漬配置した、いわゆるサブマージ形のパワーユニッ
トとして、特開昭62−275986号公報および特開昭64−34
881号公報に示されたものがあるが、このようなパワー
ユニットにおいて電動機の回転数を検出する検出器も併
せて作動油中に浸漬したものは、第４図に示すように、
油タンク（１）内の作動油（２）中に、電動機（３）お
よび油圧ポンプ（４）、さらに電動機（３）の軸端に結
合された検出器（10）が浸漬されている。

油圧ポンプ（４）には、吐出管（５）を介して油タンク
（１）外部の油圧弁（６）が接続され、油圧弁（６）に
は油圧ジャッキ（７）が配管（８）で接続されている。
エレベータのかご（９）は油圧ジャッキ（７）に接続さ
れている。

上記の構成により、かご（９）の上昇時には油圧弁
（６）を介して油圧ポンプ（４）により作動油（２）を
油圧ジャッキ（７）へ送出し、かご（９）の下降時には
油圧弁（６）と油圧ポンプ（４）を経て上記作動油を油
タンク（１）内へ還流される。

かご（９）の走行制御は、検出器（10）によって電動機
（３）の回転数を検出して行う。

［発明が解決しょうとする課題］ 以上のような従来の油圧エレベータのパワーユニットで
は、検出器を作動油中に浸漬しているので、オイルシー
ルやＯリングを用いて検出器内に作動油が侵入するのを
防いでいるが、電動機軸の回転によってオイルシールな
どから微量の作動油が検出器内に侵入する。そうして、
侵入した作動油量が多くなると、検出部まで作動油に漬
かる恐れがあり、検出器の誤動作を招くという問題があ
った。

この発明は上記の課題を解決するためになされたもの
で、検出器の検出部への作動油侵入を防止することがで
きる油圧エレベータのパワーユニットを得ることを目的
とする。

［課題を解決するための手段］ この発明に係る油圧エレベータのパワーユニットは、電
動機の回転を検出する検出器を油密形とし、検出器の下
端部に設けた漏油口を漏油溜めに接続したものである。

［作 用］ この発明においては、検出器に侵入した作動油が漏油口
から排出されるので、検出部が作動油に漬かるのを防ぐ
ことができる。

［実施例］ 第１図、第２図はこの発明の一実施例を示し、電動機
（３）の軸端（3a）に結合された検出器（10）は、回転
部（10a）にオイルシール（11）が施され、ケース（10
b）と軸受部（10c）間にはＯリング（12）が介在され
て、油密形となっている。検出部（13）は回転部（10
a）に結合している。軸受部（10c）には油通路（14）が
形成されている。また、ケース（10b）の底部には漏油
口（15）が設けられ、漏油口（15）は接続管（15a）に
より漏油溜め（16）に接続されている。

以上の構成により、かご（９）の上昇，下降に伴う作動
油（２）の送出，還流動作は、第４図の従来装置につい
て説明したと同様であり、説明を省略する。

この実施例においては、検出器（10）に侵入する作動油
（２）の量が多くなっても検出部（13）が作動油（２）
に漬からないように、ケース（10b）の底面から侵入し
た作動油を排出するようにしたので、誤動作を防ぐこと
ができる。また、漏油溜め（16）を検出器（10）よりも
大容積とすることにより、作動油（２）の侵入量が多く
なっても対応できる。

第３図は他の実施例を示し、油タンク（１）に設けた排
出口（1a）と漏油口（15）とを可撓管（17）で接続し、
油タンク（１）の外部に配置した漏油溜め（18）に侵入
油を導くものである。

その他の構成は、第１図，第２図のものと同様である。

この他の実施例によると、検出器（10）に侵入した作動
油（２）を油タンク（１）の外で集めるため、集まる作
動油の量が突然増しても対応が可能である。検出器（1
0）を油の中に入れた場合に、油の温度が変化するとそ
れに伴って検出器（10）の内部の空気も膨張や収縮をす
る。油の温度が下がって検出器内の空気が収縮すると
き、検出器内の空気の圧力が下がるためにオイルシール
（11）から油が侵入し易くなる。これを防ぐためには検
出器内の空気を密閉せずに大気開放しておくことが有効
である。そこで、タンク（１）の外に漏油溜め（18）を
設置して検出器（10）と連通し、かつ漏油溜め（18）は
大気開放状態としている。

［発明の効果］ この発明は、以上説明したように、作動油に浸漬した電
動機の軸端に結合した検出器を、油密形として作動油に
浸漬し、検出器ケース底面に設けた漏油口を漏油溜めに
接続したので、検出器の検出部が侵入した作動油に漬か
ることなく、検出器の誤動作を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の側断面図、第２図は第１
図の要部詳細側断面図、第３図は他の実施例の要部詳細
側断面図、第４図は従来の油圧エレベータのパワーユニ
ットの側断面図である。 （１）……油タンク、（２）……作動油、（３）……電
動機、（3a）……軸端、（４）……油圧ポンプ、（６）
……油圧弁、（９）……かご、（10）……検出器、（10
b）……ケース、（15）……漏油口、（16），（18）…
…漏油溜め。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛田 博 愛知県稲沢市菱町１番地 三菱電機株式会 社稲沢製作所内 (72)発明者 三宅 立郎 愛知県稲沢市菱町１番地 三菱電機株式会 社稲沢製作所内 (56)参考文献 特開 昭64−34881（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電動機とこの電動機により駆動される油圧
   ポンプおよび前記電動機の軸端に取付けられ前記電動機
   の回転数を検出する油密形の検出器とを油タンク内の作
   動油内に浸漬配置してなる油圧エレベータのパワーユニ
   ットにおいて、 前記検出器のケース底面に形成された漏油口と、この漏
   油口より下部に設置されこの漏油口からの漏油を受ける
   漏油溜めとを備えてなることを特徴とする油圧エレベー
   タのパワーユニット。
2. 【請求項２】前記漏油溜めが大気開放されている請求項
   （１）記載の油圧エレベータのパワーユニット。