JPH04121371U - 電動機の軸受構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却風の流れにより負圧側となる軸受部から
電動機内部へ潤滑油およびミストが漏れるのを防止す
る。 【構成】 電動機冷却風の流れにより、負圧側となる軸
受の内部軸受カバに排油口を設け、電動機の外部へ潤滑
油およびミストを直接吸引ポンプで外部に排出出来るよ
うにしたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、潤滑油およびそのミストの漏れを防止するための電動機の軸受構造 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の電動機における油潤滑方式は図２に示される。図２はその一例を示す軸 受構造囲りの断面図である。 図２において、１は軸、２，３は油切りで軸受６を両側から挟むようにして軸１ に嵌着されている。７は締付ナットで、油切り２，３や軸受６がスラスト方向に 動かないようにするために軸１に螺着されている。４は外カバで電動機の外部側 に取付けられ、５は内カバで電動機の内部側に取付けられている。８は軸受６の ハウジングで、ハウジング８に給油管９が取付けられている。11は油溜タンクで 、給油管９より供給された潤滑油は図中の矢印に示すような循路を経てこのタン ク内に戻って来て、最後に油溜タンクの排油口に結合された排油管12から排出さ れる。 次に従来の軸受構造における油潤滑方式について述べる。 給油装置などにより供給された潤滑油は、まずハウジング８に取付けられてい る給油管９に導びかれる。給油管９に導びかれた潤滑油は、給油管９に設けられ たノズル孔から軸受６に向って噴射供給される。軸受６に噴射供給された潤滑油 は、油切り２の外周と外カバ４の内周間に設けられた環状空間2aおよび油切り３ の外周と外カバ５の内周間に設けられた環状空間3aにほぼ全量が導びかれ、その 後各環状空間2a,3a に導通している排油孔4bと8bおよび排油孔5bと8bから, ハウ ジング８に設けられた油溜部8aに導びかれる。 もう一方、外カバ４の内周と油切り２の外周間のわずかな隙間から滲み出た潤 滑油とそのミストは外カバ４に設けられた環状空間4aに導びかれ、その後環状空 間4aに導通している排油孔4cから油溜部4dに導びかれる。 上記と同様に、内カバ５の内周と油切り３の外周間のわずかな隙間から滲み出 た潤滑油とそのミストは、内カバ５に設けられた環状空間5aに導びかれ、その後 環状空間5aに導通している排油孔5aから油溜部5dに導びかれる。 ハウジングの油溜部8aと外カバの油溜部4dおよび内カバの油溜部5dは互いに貫 通しており、これらの油溜部に導かれた潤滑油は合流して外カバ４に設けられた 排油孔4eから油溜タンク11へと導びかれ、最後にこの油溜タンクの排油口11a と これに結合している排油管12を経て電動機外部の給油装置に還流される。

【０００3 】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような構造における油潤滑方式では、次のような欠点がある。第 ２図において、点線の矢印で示すように電動機内部の冷却風による流れにより内 カバー５の外側に負圧が生じた場合、内カバ５の内周と油切り３の外周間のわず かな隙間および軸１と内カバ５によるわずかな隙間から潤滑油の一部とそのミス トが滲み出し、結局は潤滑油が電動機内部に漏れてしまう。ここで、電動機内部 冷却風の流れにより内カバ５の外側が負圧になることに関しては、本考案と直接 関係しないため割愛する。 本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みて創案されたもので、内カバの外側に 発生する負圧に対しても潤滑油およびミストを電動機内部に漏れることなく排出 できるようにしたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

つまり、軸受構造において、従来外カバ側に設けられていた排油口を、冷却風 の流れ具合により負圧が発生する場合排油口を内カバ側に設けて対応させ、この 排油口に吸引ポンプを接続して排油できるようにしたものである。

【作用】

冷却風の流れ具合によって負圧が発生する場合、排油口を内カバ側に設けるこ とにより、吸引ポンプによる吸引圧力（負圧）が潤滑油およびミストの電動機内 部への漏れ出る部位に直接作用するため、排出能力を高めることができる。

【０００５】

【実施例】 図１は本考案の一実施例を示す軸受構造囲りの断面図であり、図中、図２と同 符号のものは同じ機能を有す。 図１において、10は配管継手で、内カバ５に取付けられ、この配管継手10の他 端には排油管12が接続されている。 このようにして構成された軸受構造での油潤滑方式について詳述する。 給油装置などにより供給された潤滑油はまずハウジング８に取付けられている 給油管９に導びかれる。 給油管９に導びかれた潤滑油は、該給油管９に設けられたノズル孔から軸受６ に向って噴射供給される。軸受６に噴射供給された潤滑油は、油切り２の外周と 外カバ４の内周間に設けられた環状空間2aおよび油切り３の外周と外カバ５の内 周間にもうれられた環状空間3aにほぼ全量が導かれ、その後各環状空間2a,3a に 導通している排油孔4bと8bおよび排油孔5bと8bから、ハウジング８に設けられた 油留部8aに導びかれる。 もう一方、外カバ４の内周と油切り２の外周間のわずかな隙間から滲み出た潤滑 油とそのミストは外カバ４に設けられた環状空間4aに導びかれ、その後該環状空 間4aに導通している排油孔4cから油溜部4dに導びかれる。

【０００６】 上記と同様に、内カバ５の内周とユニット油切り３の外周間のわずかな隙間か ら滲み出た潤滑油とそのミストは内カバ５に設けられた環状空間5aに導びかれ、 その後該環状空間5aに導通している排油孔5cから油溜部5dに導びかれる。 ハウジングの油溜部8aと外カバの油溜部4dおよび内カバの油溜部5dは互いに貫 通しており、これらの油溜部に導びかれた潤滑油は合流して内カバ５に設けられ た配管継手10に接続された排油管12を通過して吸引ポンプにより電動機外部の給 油装置へと環流される。

【０００７】

【考案の効果】

以上説明した如く本考案によれば、電動機軸受構造において、電動機内部冷却 風の流れにより負圧となる軸受側に対して、内カバ側に排油口を設け、吸引ポン プにより潤滑油およびミストを排出させることにより、電動機内部に潤滑油が漏 れることを防止することができた。

【０００８】

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例を示す軸受構造囲りの
断面図である。

【図２】図２は従来の一例を示す軸受構造囲りの断面図
である。

【０００９】

【符号の説明】

１ 軸 ２ 油切り ３ 油切り ４ 外カバ ５ 内カバ ６ 軸受 ７ 締付ナット ８ ハウジング ９ 給油管 10 配管継手 11 油溜タンク 12 排油管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 油潤滑方式での電動機軸受構造におい
   て、電動機の内部冷却風により軸受構造の電動機内側が
   負圧となり、軸受潤滑油およびそのミストの電動機内部
   への漏れを防止するため、軸受構造における内カバに排
   油口を設け、吸引ポンプにより外部へ排油できるように
   構成したことを特徴とする電動機の軸受構造。