JPH07112311A - 高硬度鋼用ドリル - Google Patents

高硬度鋼用ドリル

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JPH07112311A
JPH07112311A JP25735693A JP25735693A JPH07112311A JP H07112311 A JPH07112311 A JP H07112311A JP 25735693 A JP25735693 A JP 25735693A JP 25735693 A JP25735693 A JP 25735693A JP H07112311 A JPH07112311 A JP H07112311A
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JP
Japan
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cutting edge
drill
tip
outer peripheral
edge
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JP25735693A
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Yoshihiro Takigawa
義寛 滝川
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O S G KK
OSG Mfg Co
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O S G KK
OSG Mfg Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高硬度鋼に対する穴あけ加工に際して、切れ
味がよく、しかも折損がなくて耐久寿命が得られる高硬
度鋼用ドリルを提供する。 【構成】 先端切れ刃12の中心側部分を構成する円弧
状の中心側切れ刃12aおよび0.1mm以上且つドリル
直径に対する割合が5%以下のチゼルエッジ26によっ
て切れ味が確保されるとともに、切りくず排出用ねじれ
溝14の5〜30°のねじれ角θと、ドリル直径Dに対
する25〜60%のウエブ厚みWの割合と、シンニング
により形成された面による先端切れ刃12の−15°〜
+15°の軸方向のすくい角とによって先端切れ刃12
のチッピングなどの欠損が好適に防止される。したがっ
て、引張強さが1250MPa以上の高硬度鋼に対して
穴あけ切削を施すと、切れ味が確保されつつ折損が防止
されて、好適な耐久寿命が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高硬度鋼に切削加工を
施す高硬度鋼用ドリルに関し、特に、穴あけ加工に際し
て、切れ味を損なうことなく、切れ刃の折損を防止して
耐久寿命を高める技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえばロックウェルC硬さが40HR
Cを越えるような高硬度の被削材に対する穴あけ加工
は、一般に、切削性が悪くてドリルの刃先の負担が大き
く、また、ドリル自体がたとえば超硬合金のような比較
的高硬度の材質で構成されるために、ドリルの先端切れ
刃のチッピングなどの欠損を発生させやすい。
【0003】これに対し、ドリルの先端切れ刃のすくい
角が小さくなるようにシンニングの形状の工夫をするこ
とにより、欠損を抑制することが行われている。たとえ
ば、「D.R.T. MANUAL」(切削油技術研究
会、昭和41年発行)に記載された技術がそれである。
また、ドイツ規格DINでは、熱処理された硬質鋼等に
用いるドリルとして、切りくず排出溝のねじれ角を通常
の20〜30°よりも弱い角度10〜18°として刃先
角度を大きくすることにより欠損を防止したH形が規定
されている。さらに、引張強さが1250MPa(ロッ
クウェルC硬さが40HRCに相当)以上の被削材を加
工するための工具を構成するに適切な材種として超硬合
金を用いることが「穴加工ハンドブック」(切削油技術
研究会、昭和54年発行)において開示されている。そ
して、上記の技術の組合わせにより、ドリルの先端切れ
刃の欠損を防止して耐久性を高める技術が、以下のよう
に種々提案されている。
【0004】特開昭54−14089号公報には、ロッ
クウェルC硬さが27乃至45HRCの被削材の加工に
供する高速度工具鋼製のドリルであって、各先端切れ刃
の中心部から外周部にわたってその切れ刃に直角なすく
い角がほぼ一定となるようにシンニングを施し、各切れ
刃部および湾曲面から成るチップブレーカを滑らかに連
続するように形成し、さらにウエブ厚みの割合がドリル
直径に対して0.35以上としたドリルが提案されてい
る。
【0005】実公昭62−10025号公報には、超硬
合金製のドリルであって、切りくず排出溝のねじれ角を
通常の20〜30°よりも強い角度30〜40°とし、
これによって弱くなる刃先を補強するために、軸方向の
すくい角が−25〜15°であり且つ軸線方向の幅Lが
0.05〜1.0mmとなる面取りを形成し、さらにウエ
ブ厚みWがドリルの直径Dに対して0.3〜0.4Dに
設定したドリルが提案されている。
【0006】特公昭62−6929号公報には、シンニ
ングの軸方向すくい角を5°以下に形成するとともに、
先端切れ刃の逃げ面に1〜5°の傾斜角を有するランド
を設けた超硬合金製のドリルが提案されている。これに
よれば、従来のシンニング部分での潰れによるチッピン
グが解消されるとともに、シンニングの範囲がドリル外
周部から中心部までとして、切りくず排出溝の内壁面の
すくい角よりも先端切れ刃のすくい角を小さくして剛性
不足となるのが解消されている。
【0007】特公昭61−41681号公報には、ドリ
ルの先端に超硬合金製チップをろう付けし、先端切れ刃
に正のすくい角を持った第2すくい面を形成し、その第
2すくい面とドリルの先端逃げ面との交差部に0.2〜
1.0mm幅の負のすくい角で傾斜する第1すくい面を形
成し、その第2すくい面とドリルの外周面との交差部に
第1すくい面と連続し且つ負の外周すくい角で傾斜した
第3すくい面を形成したドリルが提案されている。これ
によれば、負のすくい角で傾斜する第1すくい面を形成
することにより、安定した構成刃先が発生させられ、且
つ、負の外周すくい角で傾斜した第3すくい面を形成す
ることにより、第1すくい面上にて生じた構成刃先が第
1すくい面上においてドリル外周側へ横滑りさせられ、
負の外周すくい角で傾斜した第3すくい面に到ると、こ
の成長した構成刃先が加工穴の内壁面に衝突することな
く主切りくずのカールに追従しながらすくい面上を滑っ
て外部へ排出される。すなわち、構成刃先の発生が前提
とされ且つそれが積極的に利用されることにより切削が
行われるものである。なお、上記第1すくい面は、ドリ
ルの回転中心を始点として点対称に形成され、底面視に
おいて、回転中心からほぼ半径方向中間部までの範囲を
回転方向に凸なる曲線状部となし、その中間部から外周
端部までの範囲を回転後方に傾斜する直線状部となし、
その曲線状部と直線状部とを一連にして第1すくい面が
形成されている。また、その曲線状部は、前記中間部か
ら回転中心に近づくほど曲率がおおきくなるような渦巻
状の曲線に形成するのが望ましいが、所謂、Xシンニン
グ形状でもよいとされている。
【0008】
【発明が解決すべき課題】ところで、引張強さが125
0MPa(ロックウェルC硬さが40HRCに相当)以
上の被削材に対する穴あけ加工に際してドリルに求めら
れる点は、いかにして切れ味を確保しつつ、折損を防止
して耐久寿命を伸ばすことである。しかしながら、前記
従来の技術では、それなりの効果が得られるけれども、
未だ課題が残されている。
【0009】すなわち、前記特開昭54−14089号
公報に提案されたものは、高速度工具鋼製のドリルであ
って、ロックウェルC硬さが27〜45HRCの被削材
の加工に適用されるものであり、それ以上の硬さの被削
材の穴あけ切削には不適当である。このことは、前記
「穴加工ハンドブック」の第124頁の表II.1.2に示さ
れている。
【0010】また、実公昭62−10025号公報に提
案されたものは、超硬合金製のドリルによる深穴加工に
際して能率を向上させるために30〜40°のねじれ角
に変更し、その結果弱くなった刃先を補強する目的か
ら、先端切れ刃に面取りを施すものであるから、熱処理
された硬質鋼等に用いるドリルとして前述のドイツ規格
で提案されているH形のねじれ角の考えと矛盾してい
る。
【0011】また、特公昭62−6929号公報に提案
されたものは、チゼルエッジ長さを短くすることが不可
能であるので、ドリル中心部での切削性能が改善され
ず、スラスト抵抗が大きくなるので、超硬合金製ドリル
の折損の原因となるおそれがある。
【0012】また、特公昭61−41681号公報に提
案されたものでは、ドリルのねじれ溝の先端部に超硬合
金製のチップがろう付けされ、その先端刃先に負のすく
い角で傾斜する第1すくい面が設けられている。これは
構成刃先を積極的に利用する切削であるけれども、高硬
度被削材においては構成刃先を形成することは極めて困
難であり、特殊の用途を除く一般の高硬度の鋼の切削を
目的としたものではない。なお、上記負のすくい角で傾
斜する第1すくい面により、切削抵抗が増大し且つスラ
スト抵抗が大きくなり、それがドリルの折損の原因とな
るおそれのあることは、前記特公昭62−6929号公
報の提案と同じである。
【0013】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、たとえば引張強
さが1250MPa(ロックウェルC硬さが40HRC
に相当)以上の高硬度鋼被削材に対する穴あけ加工に際
して、切れ味がよく、しかも折損がなくて長い耐久寿命
が得られる高硬度鋼用ドリルを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、先端切れ刃と、その
先端切れ刃により切削された切りくずを排出するための
切りくず排出用ねじれ溝とを備え、高硬度鋼に切削加工
を施す高硬度鋼用ドリルであって、(a) 前記切りくず排
出用ねじれ溝のねじれ角が5〜30°に設定され、(b)
ドリル直径Dに対するウエブ厚みWの割合が25〜60
%に設定され、(c) 前記ウエブの先端部にシンニングが
施されることにより、その先端切れ刃の中心側部分を構
成する円弧状の中心側切れ刃が形成されるとともに、
0.1mm以上且つドリル直径に対する割合が5%以下の
チゼルエッジが形成され、(d) 前記ねじれ溝の内壁面に
すくい面を形成することにより前記先端切れ刃の中心側
切れ刃に続く直線状の外周側切れ刃が形成されたことに
ある。
【0015】
【作用および発明の効果】このようにすれば、切りくず
排出用ねじれ溝のねじれ角が5〜30°に設定され、ド
リル直径Dに対するウエブ厚みWの割合が25〜60%
に設定され、前記ウエブの先端部にシンニングが施され
ることにより、その先端切れ刃の中心側部分を構成する
円弧状の中心側切れ刃が形成されるとともに、0.1mm
以上且つドリル直径に対する割合が5%以下のチゼルエ
ッジが形成され、前記ねじれ溝の内壁面にすくい面を形
成することにより前記先端切れ刃の中心側切れ刃に続く
直線状の外周側切れ刃が形成されていることから、上記
先端切れ刃の中心側部分を構成する円弧状の中心側切れ
刃および上記チゼルエッジによって切れ味が確保される
とともに、切りくず排出用ねじれ溝の5〜30°のねじ
れ角と、ドリル直径Dに対する25〜60%のウエブ厚
みWの割合とによって先端切れ刃のチッピングなどの欠
損が好適に防止され、耐久寿命が高められる。
【0016】ここで、好適には、前記先端切れ刃の軸方
向のすくい角が−15°〜+15°に設定され、前記す
くい面の外周側コーナにおける軸方向長さLが0.1〜
1.0mmに設定される。このようにすれば、先端切れ刃
の耐久性が高められ、一層耐久寿命が得られる。
【0017】また、好適には、前記先端切れ刃の軸方向
すくい角は、チゼルエッジコーナから外周コーナまでの
すべての位置において略一定の値に設定される。これに
より、シンニング加工などが容易となり、安定した切れ
味と切削性能が得られる。
【0018】また、好適には、前記中心側切れ刃の軸方
向すくい角は、前記チゼルエッジコーナから零乃至正の
値に向かって連続的に変化させられ、且つこれに続く外
周側切れ刃の軸方向のすくい角は、中心側切れ刃の外周
側切れ刃と接する部分の値と略等しい一定の値に設定さ
れる。これにより、外周側切れ刃の切れ味が向上して、
中心側切れ刃とのバランスがよくなるので、ドリル全体
として切削性能が向上する。
【0019】また、前記高硬度鋼用ドリルは、好適に
は、引張強さが1250MPa以上の被削材を加工する
ために超硬合金から構成される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0021】図1の(a) 、(b) 、(c) は、超硬合金から
構成された高硬度鋼用ドリル10を示しており、(b) は
先端視正面図、(a) は(b) の正面図に対して左横側面
図、(c) は(b) の正面図に対して下側斜めの角度から見
た斜視図である。この高硬度鋼用ドリル10は、たとえ
ば、引張強さが1250MPa以上の高硬度鋼に対して
穴あけ切削を施すために用いられる。
【0022】上記高硬度鋼用ドリル10は、一対の先端
切れ刃12と、それら一対の先端切れ刃12により切削
された切りくずを排出するための一対の切りくず排出用
ねじれ溝14とを備えている。高硬度鋼用ドリル10の
先端面には、先端切れ刃12に順次隣接する所定の逃げ
角の第1逃げ面16と、それよりも逃げ角が大きい第2
逃げ面18が形成されている。上記切りくず排出用ねじ
れ溝14のねじれ角(リード角)θは、通常のドリルの
ねじれ角20〜30°よりも小さな範囲まで、たとえば
5〜30°に設定されている。しかし、その範囲は、好
ましくは8〜25°、さらに好ましくは10〜20°に
設定される。上記第1逃げ面16と切りくず排出用ねじ
れ溝14の内壁とにより挟まれる切れ刃角度を大きくし
て折損強度を高めるためである。
【0023】また、上記高硬度鋼用ドリル10におい
て、そのドリル直径Dに対するウエブ(芯)厚みWの割
合は、たとえば25〜60%に設定されている。しか
し、その範囲は、好ましくは30〜50%に設定され
る。ドリルの強度を高めるためにはその割合を大きくす
ることが効果的であるが、切りくずの排出のためにはそ
の割合を小さくする程効果的であるため、それらを両立
させることを考慮して設定される。図2はドリル径Dを
一定としたときの上記ウエヴ厚さWの割合とねじれ角θ
との関係を示している。図において、一点鎖線で囲まれ
た領域が切損強度を確保する上で一応の効果が得られ、
二点鎖線で囲まれた領域がより好ましく、実線付近が更
に好ましい。
【0024】また、上記高硬度鋼用ドリル10の先端面
にシンニングが施されることにより、第2逃げ面18の
下流側にシンニング面20が形成されると同時に、先端
切れ刃12の中心側部分を構成する円弧状の中心側切れ
刃12aを構成する凸面22が形成されている。また、
先端切れ刃12のすくい側には、上記凸面22と滑らか
に接続されるランド状のすくい面24が形成され、これ
により上記中心側切れ刃12aに続く直線状の外周側切
れ刃12bが形成されている。上記ランド状のランドと
いう語は、切れ刃稜の切れ刃をころすためにハンドラッ
パなどにより施されるホーニングと区別するために用い
られ、所定幅の平面にて構成されたすくい面を意味して
いる。
【0025】上記シンニングにより形成された凸面22
により形成される前記中心側切れ刃12a、およびすく
い面24により形成される外周側切れ刃12bの軸方向
のすくい角は、たとえば−15°〜+15°に設定され
ている。しかし、その範囲は、好ましくは−10°〜+
10°に設定される。要するに、外周側切れ刃12bの
刃先角が160°付近となるようにねじれ角θとの関連
において決定される。図3は、上記すくい面とねじれ角
θとの関係を示しており、一点鎖線により囲まれた領域
であれば一応の効果が得られるが、二点鎖線で囲まれた
領域がより好ましく、実線付近が最も良い。
【0026】そして、上記平面状のすくい面24外周側
コーナにおける軸方向長さLは、たとえば0.1〜1.
0mmに設定されている。しかし、その大きさは、好まし
くは0.2〜0.8mm、さらに好ましくは0.5mm程度
に設定される。図4は上記軸方向長さLとドリル径Dと
の関係を示している。図において一点鎖線で囲まれた領
域が好ましい効果を生じる範囲である。
【0027】また、図2に拡大して示すように、一対の
第1逃げ面16の稜線にはチゼルエッジ26が形成され
ている。このチゼルエッジ26の長さ、すなわちチゼル
エッジコーナZの間隔は0.1mm以上であってドリル直
径Dの5%以下に設定されている。このチゼルエッジ2
6の下限値である0.1mmはドリル10の耐久寿命を得
るための値であり、上限値であるドリル直径Dの5%は
切れ味を確保するための値である。
【0028】他の好適な実施例では、前記ドリル10の
チゼルエッジコーナZから外周面までの外周側切れ刃1
2bのすくい角が略一定の値とされる。このような実施
例では、すくい面24の加工が容易となり、安定した切
れ味と切削性能が得られる。
【0029】また、他の好適な実施例では、中心側切れ
刃12aのすくい角が前記ドリル10のチゼルエッジコ
ーナZ付近においてそれまでの負の値から零または正の
値に向かって連続的に変化させられ、これに続く外周側
切れ刃12bの軸方向すくい角がその零または正の値の
一定値に設定される。これにより、外周側切れ刃12b
の切れ味が向上して中心側切れ刃12aとのバランスが
よくなるので、ドリル10全体として切削性能が向上す
る。
【0030】本実施例によれば、切りくず排出用ねじれ
溝14のねじれ角θが5〜30°に設定され、ドリル直
径Dに対するウエブ厚みWの割合が25〜60%に設定
され、ドリル10の先端部にシンニングが施されること
により、その先端切れ刃12の中心側部分を構成する円
弧状の中心側切れ刃12aが形成されるとともに、0.
1mm以上且つドリル直径に対する割合が5%以下のチゼ
ルエッジ26が形成され、前記ねじれ溝14の内壁面に
すくい面24を形成することにより前記先端切れ刃12
の中心側切れ刃12aに続く直線状の外周側切れ刃12
bが形成され、先端切れ刃12の軸方向のすくい角が−
15°〜+15°に設定され、上記すくい面24の外周
側コーナにおける軸方向長さLが0.1〜1.0mmに設
定されていることから、上記先端切れ刃12の中心側部
分を構成する円弧状の中心側切れ刃12aおよびチゼル
エッジ26によって切れ味が確保されるとともに、切り
くず排出用ねじれ溝14の5〜30°のねじれ角θと、
ドリル直径Dに対する25〜60%のウエブ厚みWの割
合と、シンニングにより形成された面による先端切れ刃
12の−15°〜+15°の軸方向のすくい角とによっ
て先端切れ刃12のチッピングなどの欠損が好適に防止
される。したがって、引張強さが1250MPa以上の
高硬度鋼に対して穴あけ切削を施すと、切れ味が確保さ
れつつ折損が防止されて、好適な耐久寿命が得られる。
【0031】次に、上記の高硬度鋼用ドリル10の作用
効果を示すために、表1に示す本発明品A、Bおよびそ
の他の比較品F、G、J、M、Kを用いて表2に示す条
件下で切削試験を行った結果を表3に示す。なお、本発
明AおよびBのすくい面24は、各々の軸方向すくい角
が−6°、各々の軸方向長さLが0.5mmである。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】上記表3に示すように、本発明品Aおよび
B、すなわち本発明が適用された前記高硬度鋼用ドリル
10によれば、他の比較品に比較して、切れ味が確保さ
れ且つ折損がなく、しかも数十倍の耐久寿命が得られて
いる。
【0036】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0037】たとえば、前述の実施例のドリル10は、
超硬合金製であったが、工具鋼などの他の材質であって
もよい。本発明は形状的な構成要件により構成されるか
らである。
【0038】また、前述の実施例のドリル10は、1対
の切りくず排出用ねじれ溝14が設けられていたが、3
本以上あっても差支えない。
【0039】また、前述の内周側切れ刃12aには全体
として凸形状であれば局部的に直線が含まれていても差
し支えないし、外周側切れ刃12bは緩やかな凸曲線で
あってもよい。
【0040】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である高硬度鋼用ドリルを示
す図であって、(b) は先端視正面図、(a) は(b) の左側
面図、(c) は(b) の正面図に対して下側斜めの角度から
それぞれ見た斜視図である。
【図2】図1のドリルにおいて、ウエヴ厚さWの割合と
ねじれ角θとの関係を示す図である。
【図3】図1のドリルにおいて、すくい面24のすくい
角とねじれ角θとの関係を示す図である。
【図4】図1のドリルにおいて、すくい面24の軸方向
長さLとドリル径Dとの関係を示す図である。
【図5】図1の実施例の正面図(b) を拡大して示す図で
ある。
【符号の説明】
10:高硬度鋼用ドリル 12:先端切れ刃 12a:中心側切れ刃 12b:外周側切れ刃 14:切りくず排出用ねじれ溝 24:すくい面 26:チゼルエッジ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端切れ刃と、該先端切れ刃により切削
    された切りくずを排出するための切りくず排出用ねじれ
    溝とを備え、高硬度鋼に切削加工を施す高硬度鋼用ドリ
    ルであって、 前記切りくず排出用ねじれ溝のねじれ角が5〜30°に
    設定され、 ドリル直径に対するウエブ厚みの割合が25〜60%に
    設定され、 前記ウエブの先端部にシンニングが施されることによ
    り、該先端切れ刃の中心側部分を構成する円弧状の中心
    側切れ刃が形成されるとともに、0.1mm以上且つドリ
    ル直径に対する割合が5%以下のチゼルエッジが形成さ
    れ、 前記ねじれ溝の内壁面にすくい面を形成することにより
    前記先端切れ刃の中心側切れ刃に続く直線状の外周側切
    れ刃が形成され、 たことを特徴とする高硬度鋼用ドリル。
  2. 【請求項2】 前記先端切れ刃の軸方向のすくい角が−
    15°〜+15°に設定され、 前記外周側切れ刃を構成するすくい面の外周側コーナに
    おける軸方向長さLが0.1〜1.0mmに設定され、 たことを特徴とする請求項1に記載の高硬度鋼用ドリ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記先端切れ刃の軸方向すくい角は、チ
    ゼルエッジコーナから外周コーナまでのすべての位置に
    おいて略一定の値としたことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の高硬度鋼用ドリル。
  4. 【請求項4】 前記中心側切れ刃の軸方向すくい角は、
    前記チゼルエッジコーナから零乃至正の値に向かって連
    続的に変化させられ、且つこれに続く外周側切れ刃の軸
    方向のすくい角は、中心側切れ刃の外周側切れ刃と接す
    る部分の値と略等しい一定の値に設定されたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の高硬度鋼用ドリル。
  5. 【請求項5】 前記高硬度鋼用ドリルは、引張強さが1
    250MPa以上の被削材を加工するために超硬合金か
    ら構成されたものである請求項1乃至4のいずれかに記
    載の高硬度鋼用ドリル。
JP25735693A 1993-10-14 1993-10-14 高硬度鋼用ドリル Pending JPH07112311A (ja)

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