JPH07111631B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JPH07111631B2
JPH07111631B2 JP2168896A JP16889690A JPH07111631B2 JP H07111631 B2 JPH07111631 B2 JP H07111631B2 JP 2168896 A JP2168896 A JP 2168896A JP 16889690 A JP16889690 A JP 16889690A JP H07111631 B2 JPH07111631 B2 JP H07111631B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子楽器に関し、特に鍵盤等の演奏操作子の
演奏感覚を制御した電子楽器に関する。
[従来の技術] 自然楽器のピアノの鍵盤は、鍵操作によってハンマを駆
動し、弦を叩いて表情豊かな楽音を発生させる。鍵盤の
各鍵の裏側にはかなり複雑な機構が備えられている。
これに対して鍵盤を有する電子楽器の鍵盤は、ハンマ等
の機構的要素を駆動する必要はなく、簡単な構成で作ら
れている。
鍵盤の構造が大きく異なるため、電子楽器の鍵盤のタッ
チ感は通常ピアノの鍵盤のタッチ感とはかなり異なった
ものになってしまう。
そこで電子楽器の鍵盤のタッチ感を自然楽器の鍵盤のタ
ッチ感に近付けるため、鍵盤の運動を制御しようとした
提案がある。
たとえば鍵盤の押鍵速度を検出し、鍵制動装置によって
鍵盤を制御する提案や電磁石とばねを対抗させて鍵を制
御する提案がなされている。
ところが、たとえばピアノの鍵盤は演奏操作の態様に応
じた複雑なタッチ感を有しており、簡単な電気的制御で
のタッチ感を再現することは難しい。
[発明が解決しようとする課題] 以上説明したように、従来の技術によれば、鍵盤等の演
奏操作子に所望の演奏感覚を付与することが困難であっ
た。
本発明の目的は、演奏操作子を所望の演奏感覚に制御し
やすい電子楽器を提供することである。
[課題を解決するための手段] 第1の請求項にかかる本発明の電子楽器は、演奏操作を
行うための演奏操作子と、前記演奏操作子に外力を作用
させるためのアクチュエータと、前記演奏操作子の位
置、速度、加速度および操作力のうちの少なくとも、2
つの変数をモニタする手段と、前記少なくとも2つの変
数に基づき前記アクチュエータに制御した電力を供給
し、前記必要な外力を生じさせる制御手段とを備え、前
記制御手段は、前記2つの変数のモニタ結果に基づき、
前記演奏操作子の運動方程式の係数を設定する手段と、
前記演奏操作の時に、設定した係数を持つ運動方程式に
従った運動特性を付与するのに必要な外力を演算する手
段とを含むことを特徴とする。
また、第2の請求項にかかる本発明の電子楽器は、請求
項1記載の電子楽器において、さらに前記制御手段は、
運動方程式の係数を入力する、あるいは入力された係数
を調節する係数設定手段と、該係数設定手段で入力ある
いは調節する変数を選択する係数選択手段とを備えるこ
とを特徴とする。
また、第3の請求項にかかる本発明の電子楽器は、演奏
操作を行うための複数の演奏操作子と、制御用外力を印
加しない状態での前記各演奏操作子の現実の運動方程式
の係数と、前記各演奏操作子の理想運動方程式の係数を
記憶する係数記憶手段と、前記演奏操作子の運動をモニ
タする手段と、前記モニタ手段のモニタ結果に基づき、
前記係数記憶手段の情報を用いて前記理想運動方程式に
従う運動を実現させるための外力を演算する手段と、前
記演算結果に基づき、前記演奏操作子に力を作用させる
外力手段とを有することを特徴とする。
また、第4の請求項にかかる本発明の電子楽器は、請求
項3記載の電子楽器において、前記モニタ手段は演奏操
作子の位置、速度、加速度および操作力のうち少なくと
も、2つの変数をモニタし、前記第1のメモリと、前記
第2のメモリに記憶された運動方程式は前記変数に依存
して変化する係数を有する。
[作用] 複雑な特性を有する鍵盤などの演奏操作子の演奏間隔
は、演奏操作子の位置、速度、加速度等によって記述さ
れる運動方程式に支配されて変化する。すなわち、この
ように複雑に変化する演奏感覚を1つの変数に基づいて
制御するのでなく、少なくとも、2つの変数に基づいて
運動方程式の係数を設定し、設定された係数に基づいた
運動方程式に従って運動特性に必要な外力を演算し、ア
クチュエータを制御することにより、より望ましい演奏
感覚を再現することができる。
演奏操作子の運動を記述する運動方程式として望ましい
係数を持つ理想運動方程式を設定し、これと対比して演
奏操作子の現実の運動方程式を確立し、その差を求める
ことによって演奏操作子を制御すれば、所望の特性を得
ることができる。
[実施例] まず、鍵盤の鍵の動特性を検討する。今実際の電子楽器
の鍵盤の各鍵の動特性が、以下の式で与えられたとす
る。
f=kpx+kv(dx/dt)+mr(d2x/dt2) …(1) ここでfは力、xは位置、dx/dtは位置xの時間tに対
する一次微分(すなわち速さ)、d2x/dt2は位置xの時
間tに対する二次微分(すなわち加速度)、kpは位置x
の項の係数、kvはxの一次微分の項の係数、mrはxの二
次微分の項の係数である。
すなわち、(1)式は、ばねと係合し、粘性流体中を外
力を受けて動く物体のニュートンの力学に従う運動方程
式と同様の運動方程式である。鍵盤の運動が(1)式で
近似できた場合、maは鍵盤の鍵の質量、kvは粘性に相当
する係数、kpはばね定数に相当する係数、fは外力に相
当するものとなる。
ところで、たとえば、自然楽器のピアノの鍵盤の鍵の運
動方程式が、以下の式で表わされたとする。
F=kpdx+kvd(dx/dt)+md(d2x/dt2) …(2) ここで、Fは外力、xは(1)式同様位置、kpdはx項
の係数、kvdはxの一次微分の項の係数、mdはxの二次
微分の項の係数である。
一般に、電子楽器の鍵の運動を記述する(1)式におけ
る各項の係数kp、kv、mrは、自然楽器のピアノ鍵の運動
を記述する(2)式のkpd、kvd、mdとは異なる。したが
って、両者は異なる係数からなる運動方程式で記述され
ているため、電子楽器の鍵盤のタッチはピアノの鍵盤の
タッチとは異なるものとなっている。
ここで、タッチ感を調整するために電子楽器の鍵盤の鍵
にアクチュエータを設け、鍵に外力を働かせることを考
える。すなわち、各鍵には演奏者の演奏操作による外力
と、アクチュエータによる外力の2つが印加されること
になる。第1図上段にこのようにアクチュエータを備え
た鍵の動作特性を示す。演奏者の演奏操作による外力を
(2)式と同様Fで表わし、アクチュエータの与える外
力をfuで表わすこととする。鍵1は質量mrを有し、固定
されたベース4に対して、ばね係数kpを有するばね2
と、粘性係数kvを有するダンパ3によって結合され、外
力としてFとfuとを受ける。これらの外力の結果、鍵1
の位置xが変化する。
アクチュエータの与える外力fuを(1)式に加えること
によって、鍵1のタッチ感が(2)式で表わされるピア
ノの鍵と同様のタッチ感となるように鍵1の運動を調整
することを考える。
すなわち、第1図下段に示すように質量mdを有する鍵6
がばね係数kpdのばね7でベース4に結合され、粘性係
数kvdのダンパ8と結合され、力Fを受けて鍵6の位置
xを変化させる時と、鍵1が同じ運動をするように外力
fuで補正する。
第1図上段に示す鍵1に外力Fとfuとが印加される場合
の運動方程式を以下に表わす。
fu+F=kpx+kv(dx/dt)+mr(d2x/dt2) …(3) (3)式のFに、(2)式のFを代入し、変数x、(dx
/dt)、(d2x/dt2)で整理すれば、以下のようになる。
fu=(kp−kpd)x+(kv−kvd)(dx/dt)+(mr−m
d)(d2x/dt2) …(4) 同様に、(3)式の(d2x/dt2)の項を(2)式を用い
て消去すれば、以下のようになる。
fu={kp−(mr/md)kpd}x+{kv−(mr/md)kvd}
(dx/dt)−{1−(mr/md)}F …(5) すなわち、(4)式または(5)式を満足する力fuをア
クチュエータによって与えれば、第1図上段に示す鍵1
の動特性は、第1図下段に示すような定数を備えた鍵の
動特性と同等となる。このようにして、電子楽器の鍵盤
に、所望のタッチ感を付与することが可能となる。
なお、以上の検討において用いた係数mr、kv、kp、md、
kvd、kpd等はそれぞれ定数とは限らない。すなわち、鍵
盤の鍵は質点ではなく、いろいろの機構を備えた剛体で
あるので、種々に変化する。したがって、鍵盤の鍵の動
特性を(1)式、(2)式のように近似したとしても、
それぞれの係数はたとえば位置、速度、加速度等に依存
して変化する変数と考えるほうがより正確である。な
お、(2)式における係数md、kvd、kpdをターゲットイ
ンピーダンスと呼び、それぞれを仮想質量、仮想ばね係
数、仮想粘性係数ともいう。
たとえば、鍵は押鍵すると、鍵背後に備えられた機構が
動き、鍵の押込んだ深さに応じて、鍵に対する抵抗が変
化する。このような場合のタッチ感を実現する制御機構
を第2図に示す。
第2図において、鍵1は圧力センサ11を備え、押鍵する
力を検出する。また、鍵1の位置は、位置センサ12で検
出される。位置センサ12の検出した位置信号は微分回路
13にも送られ、微分されて速度信号を発生する。速度信
号は微分回路14にも送られて加速度信号を発生する。こ
れらの力、加速度、速度、位置を表わす信号は、それぞ
れ制御回路17に供給される。また、位置センサ12から得
られる位置信号、速度信号、加速度信号は、パラメータ
テーブルメモリ15に供給され、各信号に依存して変化す
る係数mr、kv、kpおよびmd、kvd、kpdを読み出して、制
御回路17に供給する。
なお、各パラメータは予め実測等により得られたデータ
に基づいて、パラメータテーブル15に記憶されている。
制御回路17では、減算回路21で、たとえば(4)式の係
数の減算を行ない、得た係数を演算回路22に送る。演算
回路22では、減算回路21から供給された係数および、圧
力センサ11、位置センサ12、微分回路13、微分回路14か
ら供給される力信号、位置信号、速度信号、加速度信号
を用いて、(4)または(5)式に示す演算を行ない、
アクチュエータの発生すべき力fuを得る。得られた力fu
に基づく制御信号がドライバ回路18に供給される。ドラ
イバ回路18はアクチュエータが発揮すべき力fuに基づ
き、アクチュエータ19に電流を供給し、所望の力fuを発
生させ、鍵1に作用させる。
このようにして、(1)式に示す動特性を有する鍵が
(2)式に示す動特性を有するかのようにタッチ感が制
御される。
なお、以上の説明においては、係数mr、kv、kp、md、kv
d、kpdが運動方程式の係数であり、それぞれが鍵1の位
置によって変化すると考えたが、これらの係数は鍵1の
位置の他、速度や加速度によっても変化してよい。この
ような制御を行なう場合には、図中一点鎖線で示すよう
に、位置信号と共に速度信号、加速度信号をパラメータ
テーブルメモリ15に供給する。
簡単な場合には、式の係数は定数とおくこともできる。
この場合には、第2図に示す破線および一点鎖線結線は
省略することができる。
なお、以上に説明した実施例のモデルは、鍵1の動特性
がリニアな運動方程式で近似できるもの、もしくはその
各項の係数が位置、時間、加速度によって変化するもの
であった。鍵の運動方程式としては、このようなものに
限らず、たとえば位置と速度の積に比例する項や、速度
の二乗に比例する項等、その他の項を取入れることもで
きる。
また、たとえば(2)式の係数md、kpd、kvdをx、(dx
/dt)、(d2x/dt2)の任意の関数として設定して、電子
楽器の鍵盤に、自然楽器にはないタッチ感を与えること
もできる。
このような各種の制御、調整が可能な鍵盤の実施例を第
3図に示す。
第3図において、鍵1に圧力センサ11が設けられ、ま
た、鍵1の位置を検出する位置センサ12、微分回路13、
14が設けられて力、位置、速度、加速度の信号が提供さ
れることは第2図の実施例と同様である。これらのモニ
タ信号はパラメータテーブルメモリ15に供給されると共
に制御回路17にも供給される。パラメータテーブルメモ
リ15には、パラメータ調節手段21、およびパラメータ入
力手段22が接続されている。パラメータ調節手段21は、
登録された運動方程式の係数等の絶対値を変化させた
り、変数に対する依存性を変化させたりする調整を行な
う手段である。また、パラメータ入力手段22は、全く新
たにパラメータを設定するためにデータを入力する手段
である。パラメータテーブルメモリ15から出力されたパ
ラメータ出力は、制御回路17に送られる。制御回路17で
は、モニタ信号とパラメータとを入力とし、制御信号を
ドライバ回路18に供給する。ドライバ回路18は所望の特
性を達成すべく、アクチュエータ19に駆動電力を供給す
る。アクチュエータ19は鍵1に力を作用させ、所望の動
特性を実現する。なお、図中9は支点を表わす。
第3図に示す実施例を構成する各部分を以下に説明す
る。
第4図は、鍵盤の鍵、圧力センサ、位置センサ、アクチ
ュエータの例を示す斜視図である。鍵盤1は上部材1a、
下部材1bを含み、その間に感圧ゴム圧力センサ11aを挾
んでいる。感圧ゴム圧力センサ11aからは、押圧力に応
じた電圧信号が供給される。鍵1の上下運動は、透過型
ホトセンサ12aのグレイスケール24を上下させる。グレ
イスケール24が上下すると、透過型ホトセンサ12aの発
光源25から受光素子26に伝わる光量が変化し、位置信号
が発生する。鍵1のタッチ感を制御する制御信号は、両
方向ソレノイド型アクチュエータ19aに印加され、両方
向ソレノイド型アクチュエータは上または下に所望の力
を作用させ、鍵1を上から押圧する指に反力または引力
を与える。
なお、両方向ソレノイド型アクチュエータとしては、永
久磁石と励磁コイルとを含み、励磁コイルに2方向の電
流を流すことによって、2方向に力を作用させることの
できるアクチュエータや、さらにばねやスプリング等を
備え、中央、両端の三位置で安定状態をとることのでき
るアクチュエータや、共通軸上に2つの鉄心を有し、各
鉄心の周囲に励磁コイルを備え、それぞれ鉄心を駆動す
ることのできる2方向性アクチュエータ等、ないしはそ
れらの組み合わせ等を用いることができる。
アクチュエータの作動部材30と鍵1との結合形態の例を
第5図に示す。
鍵1は支点を中心に枢動運動を行なう場合を考える。鍵
1が円弧状に枢動する時、アクチュエータの作動部材30
が直線運動を行なうとすれば、結合部分に無理が発生す
る。そのため、第5図に示すような構造をとる。第5図
において、作動部材30は、中間部材28に対して軸27の周
りに回動自在に取り付けられている。さらに、この中間
部材28は鍵1に設けた溝29内を摺動自在に結合されてい
る。このため、作動部材30が軸方向に変位すると、鍵1
は円弧上に変位することができる。
なお、鍵1として、円弧上運動を行なうものの他、上下
に平行移動する鍵を用いてもよい。この場合には第5図
に示すような構造をあえてとる必要がなくなる。
第4図においては位置センサがグレイスケールとそれを
挾んだ光源、受光素子で構成される場合を示したが、位
置センサは他の形態でもよい。
第6図に位置センサの他の例を示す。LED等の光源25と
ホトダイオード等の受光素子26が開口付遮光板31を挾ん
で対向配置されており、光源25から発した光の内、開口
付遮光板31の開口32を通った光が受光素子26に入射して
いる。受光素子26からの信号は、アンプ33によって増幅
され、位置信号として供給される。
なお、位置センサは光を用いたものに限らず、どのよう
なものであってもかまわない。
第7図に、パラメータテーブルメモリと制御回路の例を
示す。センサ等から送られる位置信号、速度信号、加速
度信号、力信号は、アナログ/デジタル変換器(ADC)3
5に送られ、デジタル信号となって、バス37に供給され
る。バス37には、演算処理を行なうことのできるCPU3
9、演算プログラムを記憶するプログラムROM41、データ
等の情報を記録するデータROM43、ワークレジスタ等の
一時メモリを有するワークRAM45等が接続され、プログ
ラムROM41に記憶されたプログラムに従って、演算処理
を行なう。また、バス37にはパラメータテーブルメモリ
15が接続され、パラメータをバス37に供給する。また、
バス37にはデジタル/アナログ変換器(DAC)47が接続
され、バス37から出力されるデジタル信号をアナログ信
号に変換して、ドライバ18に制御信号を供給する。この
制御信号に従ってドライバ18はアクチュエータ19に所望
の電流等を供給する。
なお、バス37にはパラメータ入力調節装置51も接続さ
れ、パラメータテーブルメモリ15に任意のパラメータを
入力したり、一旦入力したパラメータを調節することが
できる。すなわち、第2図、第3図に示す制御回路17
は、第7図においては、ADC35、バス37、CPU39、プログ
ラムROM41、データROM43、ワークRAM45、DAC47から構成
される。
パラメータテーブルメモリ15に収納されるパラメータの
例を第8図に示す。
第8図(A)は、仮想質量mdの位置xに対する変化の例
を示す。図示の場合、鍵盤の鍵の質量mdが押鍵の途中で
減る状態を生じる。つまり、鍵盤を押下げていくと、途
中でカクッと抜けるような感じが生じる。これはピアノ
等の鍵においては、鍵の後側に設けられたカム的な機構
によって抵抗が変化することを再現するのに適してい
る。
第8図(B)は、仮想ばね係数kpdの位置xに対する変
化の例を示す。図示の場合、鍵を押込むに従って、ばね
が次第に弱くなるタッチ感を発生する。なお、変位xに
対して変化しないばね係数を有するようにすること等も
当然できる。
第8図(C)は、変位の時間微分すなわち速度に対し
て、粘性係数に相当する係数kvdが変化する例を示す。
図示の場合、鍵盤を弾く速さが遅い時は重量感を有する
が、速く弾くに従ってその抵抗感がなくなっていくタッ
チ感が発生する。このように粘性係数に相当するkvdを
変化させることによって、弾きごたえがあってかつ、速
く弾き易い鍵盤が実現できる。
以上、md、kpd、kvdについて、それぞれ1つの変数に対
して変化する例を示したが、実際には2つ以上の変数に
対して変化してもよく、それぞれが相関連して変化して
もよいので、非常にバリエーション豊かな特性が実現可
能である。
第9図(A)〜(D)は、パラメータ調節装置を示す。
第9図(A)は、構成を示す。パラメータ調節装置21
は、前面に操作パネルを有し、各パラメータを調節する
ためのボリューム55およびパラメータの変化の態様(大
きさ、勾配等)を指定するためのスイッチ59を備え、パ
ラメータの変化を表示するための表示器57を有する。
第9図(B)は、パラメータ調節装置の回路を示す。第
9図(A)のボリューム55で形成される可変抵抗55が各
パラメータに対応して設けられ、出力を増幅器61に供給
する。増幅器61の出力はアナログ/デジタル変換器(AD
C)63に供給され、デジタル信号として出力される。ま
た、増幅器61の出力はパラメータ表示器57に送られ、表
示される。
第9図(C)、(D)は、パラメータの調節を示すグラ
フである。第9図(C)は、パラメータの大きさを調節
する場合のモードを示す。横軸が力、位置等の変数を表
わし、縦軸がパラメータの大きさを示す。パラメータ調
節装置のボリューム55を調節することにより、パラメー
タの強度が上下に変化する。
第9図(D)は、パラメータの変化の勾配を調節するモ
ードを示す。横軸、縦軸は第9図(C)と同様である。
ボリューム55を調節すると、パラメータの変数に対する
変化率が調節される。
第10図(A)〜(C)はパラメータ入力装置を示す。
第10図(A)は構成を示す概略図である。パラメータ入
力装置22は前面に操作パネルを有し、操作パネルにはパ
ラメータの種類を選択するスイッチ65、変数の種類を選
択するスイッチ66およびパラメータの大きさを調節する
ための一連のボリューム67、表示器69を有する。すなわ
ち、パラメータ選択スイッチ65でパラメータの種類を選
択し、どの変数に対してパラメータを変化させるかを変
数スイッチ66で選択し、どのように変化させるかを一連
のボリューム67で指定することにより、パラメータの変
化の態様を入力する。パラメータの変化の態様は表示器
69に表示される。第10図(B)、(C)は、このように
入力されるパラメータの変化の態様の例を示す。第10図
(B)は、各点で入力された値に従い、パラメータが折
線グラフの如く変化する対応を示す。ただしこのような
変化とすると、各屈曲点でパラメータの変化(微分)が
不連続となるため、不自然な印象となりやすい。この点
を改良したものが第10図(C)に示すものである。第10
図(C)の態様においては、各入力値を滑かな曲線で接
続するように平滑化処理がなされている。
第11図は、タッチ感制御のプログラムを示すフローチャ
ートである。このフローチャートは鍵盤のタッチ感制御
処理部分を示し、通常の鍵盤の鍵操作処理フローチャー
トと並行に実行される。
まず処理がスタートすると、ステップS1において、セン
サ情報を取得する。このセンサ情報取得ステップはタイ
マインタラプトに基づいて行なってもよいし、別個のCP
Uを設け、独立のクロック信号に基づいて行なってもよ
い。センサ情報を取得した後、ステップS2においてパラ
メータテーブルメモリからパラメータを読み出す。さら
にステップS3においてパラメータ調節装置で調節値が入
力されている時は、その調節値を読み出す。パラメータ
の値を調節する場合は、次のステップS4において、パラ
メータテーブルの値をパラメータ調節値に基づいて変換
する。つづいてステップS5においてその他データを読み
出す。
この状態で、センサから得た力、位置、速度、加速度等
の変数情報と、パラメータテーブル等から得たパラメー
タが準備される。これらの変数およびパラメータに基づ
き、予め設定した運動方程式の演算を行なって求める力
fuを求める。ステップS6がこの指令値fuを計算するステ
ップを示す。ステップS7で得られた指令値fuをDACに出
力し、アナログ信号に変換する。このアナログ信号が、
第2図および第3図に示すドライバ回路18に送られ、ア
クチュエータ19を作動させることにより、鍵に所望の力
が作用し、所望のタッチ感が得られる。
なお、上述の実施例においては、制御回路をソフトウェ
アで構成する場合を説明したたが、専用のハードウェア
で構成してもよい。この場合は、変数データからメモリ
番地を指定する手段を設置する。
位置信号を微分して速度、加速度を得る代わりに、位置
センサの他、速度センサ、加速度センサを独立に設ける
こともできる。
ターゲットインピーダンスのパラメータはメモリ格納式
の他、演算式で求めることもできる。たとえば、 nd=M1(0<x<x1) M2(x1<x) kpd=K1/(x+a)(0<a) kvd=K2 等のように、パラメータを式によって定義することがで
きる。
また、上述の実施例においては運動方程式として、質点
の運動方程式に相当するものを用いたが、より一般的な
運動方程式を用いてもよい。たとえば、変数の組み合わ
せとして位置と加速度の積に比例する項、速度の二乗に
比例する項等の項を設けそれぞれに係数を設定してもよ
い。また、現実には存在しない運動方程式を設定するこ
とにより、より独創的な楽音を発生することもできる。
また、上述の実施例においては、ばね係数が変位ゼロか
ら変位量の変化に従って変化する場合を説明したが、一
定のオフセットを有するばねを用いてもよい。すなわ
ち、ばねによる力をkpd(x+a)のように設定しても
よい。
アクチュエータとしては、ソレノイドの他リニアモータ
等を用いることもできる。また、低回転高トルクのダイ
レクトドライブモータが得られれば、鍵盤の支点部にこ
のようなダイレクトドライブモータを用いることもでき
る。
また、重力による力の項を運動方程式に加え、より現実
に近い運動方程式に基づいて制御することもできる。
パラメータ入力調節手段も前述のものに限らない。たと
えばディスプレイ、キーボード、マウスを備えたパソコ
ンで構成してもよい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれ
らに制限されるものではない。たとえば、種々の変更、
改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろ
う。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、電子楽器の演奏
操作子の操作感覚がより適切に制御できるため、所望の
操作感覚を得ることが容易となる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の実施例による鍵動作特性の制御を示
す概念図、 第2図は、本発明の実施例による電子楽器のタッチ感制
御回路を示すブロック図、 第3図は、本発明の他の実施例による電子楽器の鍵タッ
チ感の制御回路を示すブロック図、 第4図は、鍵とその周辺の構造例を示す斜視図、 第5図は、アクチュエータと鍵の結合状態を示す側面
図、 第6図は、位置センサの例を示す概略斜視図、 第7図は、制御回路とパラメータテーブルを示すブロッ
ク図、 第8図(A)、(B)、(C)は、パラメータの変化の
例を示すグラフ、 第9図(A)、(B)、(C)、(D)は、パラメータ
調節装置を示し、第9図(A)は構成を示す斜視図、第
9図(B)は回路を示すブロック図、第9図(C)、
(D)はパラメータの調節の態様を示すグラフ、 第10図(A)、(B)、(C)は、パラメータ入力装置
を示し、第10図(A)は構成を示す前面図、第10図
(B)、(C)はパラメータの入力態様を示すグラフ、 第11図は、電子楽器におけるタッチ感制御のフローチャ
ートである。 図において、 1、6……鍵、2、7……ばね 3、8……ダンパ、9……支点 x……位置、m……質量 k……係数、11……圧力センサ 12……位置センサ、13、14……微分回路 15……パラメータテーブルメモリ 17……制御回路、18……ドライバ 19……アクチュエータ 21……パラメータ調節手段 22……パラメータ入力手段 24……グレイスケール 25……光源、26……受光素子 30……作動部材、31……開口付遮光板 32……開口、33……増幅器 35……アナログ/デジタル変換器 37……バス、39……CPU 41……プログラムROM 43……データROM 45……ワークRAM 47……デジタル/アナログ変換器 51……パラメータ入力調節装置 55……ボリューム、57……表示器 59……スイッチ、61……増幅器 63……アナログ/デジタル変換器 65……パラメータスイッチ 66……変数スイッチ 67……ボリューム、69……表示器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】演奏操作を行うための演奏操作子と、 前記演奏操作子に外力を作用させるためのアクチュエー
    タと、 前記演奏操作子の位置、速度、加速度および操作力のう
    ちの少なくとも、2つの変数をモニタする手段と、 前記少なくとも2つの変数に基づき前記アクチュエータ
    に制御した電力を供給し、前記必要な外力を生じさせる
    制御手段とを備え、 前記制御手段は、 前記2つの変数のモニタ結果に基づき、前記演奏操作子
    の運動方程式の係数を設定する手段と、 前記演奏操作の時に、設定した係数を持つ運動方程式に
    従った運動特性を付与するのに必要な外力を演算する手
    段と を含むことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】さらに前記制御手段は、 運動方程式の係数を入力する、あるいは入力された係数
    を調節する係数設定手段と、 該係数設定手段で入力あるいは調節する変数を選択する
    係数選択手段と を備えることを特徴とする請求項1記載の電子楽器。
  3. 【請求項3】演奏操作を行うための複数の演奏操作子
    と、 制御用外力を印加しない状態での前記各演奏操作子の現
    実の運動方程式の係数と、前記各演奏操作子の理想運動
    方程式の係数を記憶する係数記憶手段と、 前記演奏操作子の運動をモニタする手段と、 前記モニタ手段のモニタ結果に基づき、前記係数記憶手
    段の情報を用いて前記理想運動方程式に従う運動を実現
    させるための外力を演算する手段と、 前記演算結果に基づき、前記演奏操作子に力を作用させ
    る外力手段と を有する電子楽器。
  4. 【請求項4】前記モニタ手段は演奏操作子の位置、速
    度、加速度および操作力のうち少なくとも、2つの変数
    をモニタし、 前記第1のメモリと、前記第2のメモリに記憶された運
    動方程式は前記変数に依存して変化する係数を有する請
    求項3記載の電子楽器。
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