JPH07111341B2 - 非接触式膜厚測定器 - Google Patents
非接触式膜厚測定器Info
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- JPH07111341B2 JPH07111341B2 JP62294880A JP29488087A JPH07111341B2 JP H07111341 B2 JPH07111341 B2 JP H07111341B2 JP 62294880 A JP62294880 A JP 62294880A JP 29488087 A JP29488087 A JP 29488087A JP H07111341 B2 JPH07111341 B2 JP H07111341B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は非接触式膜厚測定器、特に導電性基体上に被覆
された絶縁性被膜の膜厚を測定する装置の改良に関す
る。
された絶縁性被膜の膜厚を測定する装置の改良に関す
る。
[従来の技術] 従来より、導電性基体、例えば金属体上に被覆された絶
縁性被膜の膜厚を正確に測定するための技術が知られて
いる。このような膜厚測定技術としては、例えば、うず
電流を利用した接触式の膜厚測定技術、ウエットフィル
ムシックネスゲージを用いた接触式の膜厚測定技術、光
学的三角測量方式を利用した非接触式の膜厚測定技術等
がある。
縁性被膜の膜厚を正確に測定するための技術が知られて
いる。このような膜厚測定技術としては、例えば、うず
電流を利用した接触式の膜厚測定技術、ウエットフィル
ムシックネスゲージを用いた接触式の膜厚測定技術、光
学的三角測量方式を利用した非接触式の膜厚測定技術等
がある。
しかし、従来の膜厚測定技術は、基体表面に被覆された
絶縁性被膜が固化しなければ測定できなかったり、測定
作業能率が悪い等の問題があった。このため、絶縁性被
膜の物理的状態が個体または液体のいずれかの状態にあ
る場合でも、その膜厚を簡単かつ正確に測定できる技術
の開発が望まれていた。
絶縁性被膜が固化しなければ測定できなかったり、測定
作業能率が悪い等の問題があった。このため、絶縁性被
膜の物理的状態が個体または液体のいずれかの状態にあ
る場合でも、その膜厚を簡単かつ正確に測定できる技術
の開発が望まれていた。
例えば、従来のうず電流式の膜厚測定技術は、被膜が被
覆された導電性基体に向け高周波磁場を印加し、基体に
発生するうず電流を利用して基体までの距離を膜厚とし
て測定する。
覆された導電性基体に向け高周波磁場を印加し、基体に
発生するうず電流を利用して基体までの距離を膜厚とし
て測定する。
このため、基体に対し被膜を被膜した後に膜厚を測定す
ることができる。従って、被膜前の基体の状態、例えば
基体の位置や厚さなどを予め把握しておく必要がなく、
また被膜の被膜中の環境条件の変動などに影響されるこ
となく、膜厚を正確に測定することができる。
ることができる。従って、被膜前の基体の状態、例えば
基体の位置や厚さなどを予め把握しておく必要がなく、
また被膜の被膜中の環境条件の変動などに影響されるこ
となく、膜厚を正確に測定することができる。
しかし、この従来技術では、膜厚測定器自体を被膜表面
に接触する必要があった。このため、被膜の物理的条
件、すなわち、被膜直後の被膜のように被膜が固化して
いない場合や、被膜が傷つき易いような場合には、その
膜厚を測定することができないという問題があった。
に接触する必要があった。このため、被膜の物理的条
件、すなわち、被膜直後の被膜のように被膜が固化して
いない場合や、被膜が傷つき易いような場合には、その
膜厚を測定することができないという問題があった。
また、このような液状被膜や、固化していない被膜の膜
厚を測定するために、従来よりウエットフイルムシック
ネスゲージが用いられている。
厚を測定するために、従来よりウエットフイルムシック
ネスゲージが用いられている。
このゲージを用いれば、うず電流式の膜厚測定技術では
測定することはできない液状被膜や、固化していない被
膜の膜厚を精度良く測定することができる。
測定することはできない液状被膜や、固化していない被
膜の膜厚を精度良く測定することができる。
しかし、このゲージは、完全な被膜破壊型の膜厚測定器
であるため、その用途が極めて限定されてしまい、汎用
性ある膜厚測定器として用いることができないという問
題点があった。
であるため、その用途が極めて限定されてしまい、汎用
性ある膜厚測定器として用いることができないという問
題点があった。
また、光学的三角測定方式を用いた膜厚測定技術は、被
膜の膜厚を被破壊、非接触で測定することができる半
面、基体上に被膜を被膜する前と後の合計2回にわたり
測定作業を行わなければならず、作業能率が悪いという
問題があった。
膜の膜厚を被破壊、非接触で測定することができる半
面、基体上に被膜を被膜する前と後の合計2回にわたり
測定作業を行わなければならず、作業能率が悪いという
問題があった。
このような光学的膜厚測定技術としては、測定器を一つ
用いるものと、二つ用いるものとが知られている。
用いるものと、二つ用いるものとが知られている。
測定器を一つ用いるものでは、まず被膜前に基体までの
距離を測定し、次に測定器と基体との間隔を一定に保っ
たまま、被膜後に被膜表面までの距離を測定する。
距離を測定し、次に測定器と基体との間隔を一定に保っ
たまま、被膜後に被膜表面までの距離を測定する。
そして、被膜を施す前後2回にたって測定された距離の
変化に基づき膜厚を演算している。
変化に基づき膜厚を演算している。
また、測定器を2つ用いるものでは、ある一定の間隔を
空けて向い合せて配置した2つの測定器の間に、被膜を
施す前の基体を置き、2つの測定器から基体までの距離
を測定する。次に、被膜を施した基体を同様にして2つ
の測定器の間におき、両測定器から基体の被膜表面まで
の距離を測定する。
空けて向い合せて配置した2つの測定器の間に、被膜を
施す前の基体を置き、2つの測定器から基体までの距離
を測定する。次に、被膜を施した基体を同様にして2つ
の測定器の間におき、両測定器から基体の被膜表面まで
の距離を測定する。
そして、被膜を施す前後2回にわったて測定された距離
の変化に基づき膜厚を演算している。
の変化に基づき膜厚を演算している。
しかし、このような三角測量法を用いた測定法では、測
定器を1台または2台用いても、基体上に被膜を施す前
後2回にわたり、距離測定作業を行わなければならず、
迅速な膜厚測定を行うことができないという問題があっ
た。
定器を1台または2台用いても、基体上に被膜を施す前
後2回にわたり、距離測定作業を行わなければならず、
迅速な膜厚測定を行うことができないという問題があっ
た。
以上説明したように、うず電流あるいはゲージを用いた
従来の膜厚測定技術では、被膜を被覆後に膜厚を測定す
ることができる半面、被膜の物理的な状態、例えば固
体、液体等の状態に応じて測定器を使い分けなければな
らず、しかも破壊式あるいは接触式の測定であったた
め、その用途が著しく限定されてしまうという問題があ
った。
従来の膜厚測定技術では、被膜を被覆後に膜厚を測定す
ることができる半面、被膜の物理的な状態、例えば固
体、液体等の状態に応じて測定器を使い分けなければな
らず、しかも破壊式あるいは接触式の測定であったた
め、その用途が著しく限定されてしまうという問題があ
った。
また、従来の光学的測定技術では、被膜に対し非破壊、
非接触でその膜厚を測定することができる半面、基体に
被覆を施す前と後で合計2回にわたり測定作業をしなけ
ればならず、測定作業能率が極めて悪いという問題があ
った。
非接触でその膜厚を測定することができる半面、基体に
被覆を施す前と後で合計2回にわたり測定作業をしなけ
ればならず、測定作業能率が極めて悪いという問題があ
った。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、このような従来の課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は、基体上に絶縁性被膜を被覆した後、
前記被膜の物理的状態に影響されることなくその膜厚を
非破壊、非接触で効率よく、かつ正確に測定することが
できる非接触式膜厚測定器を実現することにある。
あり、その目的は、基体上に絶縁性被膜を被覆した後、
前記被膜の物理的状態に影響されることなくその膜厚を
非破壊、非接触で効率よく、かつ正確に測定することが
できる非接触式膜厚測定器を実現することにある。
[問題点を解決するための手段] 前記目的を達成するための本発明は、導電性基体上に被
覆された絶縁性被膜の膜厚を測定する非接触式膜厚測定
器であって、 導電性基体に高周波の磁場を印加し、基体に発生するう
ず電流を利用して基体までの距離を非接触で測定するう
ず電流式距離測定手段と、 このうず電流式距離測定手段との相対位置が固定され、
前記絶縁被膜表面までの距離を光学的に非接触で測定す
る光学式距離測定手段と、 前記両測定手段により測定される距離に基づき、絶縁性
被膜の膜厚を演算する膜厚演算手段と、を含み、 前記光学式距離測定手段は、 絶縁性被膜に向け測定光を投光する投光系と、 絶縁性被膜表面からの反射光を用いて絶縁性被膜表面ま
での距離を非接触で測定すると共に、絶縁性被膜表面か
らの反射光を用いて絶縁性被膜表面の傾きを非接触で測
定する受光系と、を含んで構成されることを特徴とす
る。
覆された絶縁性被膜の膜厚を測定する非接触式膜厚測定
器であって、 導電性基体に高周波の磁場を印加し、基体に発生するう
ず電流を利用して基体までの距離を非接触で測定するう
ず電流式距離測定手段と、 このうず電流式距離測定手段との相対位置が固定され、
前記絶縁被膜表面までの距離を光学的に非接触で測定す
る光学式距離測定手段と、 前記両測定手段により測定される距離に基づき、絶縁性
被膜の膜厚を演算する膜厚演算手段と、を含み、 前記光学式距離測定手段は、 絶縁性被膜に向け測定光を投光する投光系と、 絶縁性被膜表面からの反射光を用いて絶縁性被膜表面ま
での距離を非接触で測定すると共に、絶縁性被膜表面か
らの反射光を用いて絶縁性被膜表面の傾きを非接触で測
定する受光系と、を含んで構成されることを特徴とす
る。
また、本発明は、導電性基体上に被覆された絶縁性被膜
の膜厚を測定する非接触式膜厚測定器であって、 導電性基体に高周波の磁場を印加し、基体に発生するう
ず電流を利用して基体までの距離を非接触で測定するう
ず電流式距離測定手段と、 このうず電流式距離測定手段との相対位置が固定され、
前記絶縁性被膜表面までの距離を光学的に非接触で測定
する光学式距離測定手段と、 前記両測定手段により測定される距離に基づき、絶縁性
被膜の膜厚を演算する膜厚演算手段と、を含み、 前記光学式距離測定手段は、 絶縁性被膜に向け測定光を投光する投光系と、 絶縁性被膜表面からの反射光を2系列のビーム光に分割
し、一方の分割ビームを用いて絶縁性被膜表面までの距
離を非接触で測定し、他方の分割ビームを用いて絶縁性
被膜表面の傾きを非接触で測定する受光系と、を有する
ことを特徴とする非接触式膜厚測定器。
の膜厚を測定する非接触式膜厚測定器であって、 導電性基体に高周波の磁場を印加し、基体に発生するう
ず電流を利用して基体までの距離を非接触で測定するう
ず電流式距離測定手段と、 このうず電流式距離測定手段との相対位置が固定され、
前記絶縁性被膜表面までの距離を光学的に非接触で測定
する光学式距離測定手段と、 前記両測定手段により測定される距離に基づき、絶縁性
被膜の膜厚を演算する膜厚演算手段と、を含み、 前記光学式距離測定手段は、 絶縁性被膜に向け測定光を投光する投光系と、 絶縁性被膜表面からの反射光を2系列のビーム光に分割
し、一方の分割ビームを用いて絶縁性被膜表面までの距
離を非接触で測定し、他方の分割ビームを用いて絶縁性
被膜表面の傾きを非接触で測定する受光系と、を有する
ことを特徴とする非接触式膜厚測定器。
着眼点 次に本発明の着眼点について簡単に説明する。
従来のうず電流式の膜厚測定技術では、膜厚を測定する
際に、被膜表面に膜厚測定器を接触していた。
際に、被膜表面に膜厚測定器を接触していた。
本発明者らは、このような従来技術について検討したと
ころ、従来のうず電流式膜厚測定技術では測定器を被膜
表面に接触しているものの、原理的には測定器と基体表
面との距離を測定していることに他ならないことに思い
至った。
ころ、従来のうず電流式膜厚測定技術では測定器を被膜
表面に接触しているものの、原理的には測定器と基体表
面との距離を測定していることに他ならないことに思い
至った。
つまり、うず電流式膜厚測定器は、その測定可能範囲内
であれば被膜に接触しないよう被膜から適当に距離をお
いて設置されても、測定器と基体までの距離を測定する
ことができる。
であれば被膜に接触しないよう被膜から適当に距離をお
いて設置されても、測定器と基体までの距離を測定する
ことができる。
したがって、このようにして求めた距離から測定器と被
膜表面までの距離を差し引いてやれば膜厚の測定を行う
ことができる。
膜表面までの距離を差し引いてやれば膜厚の測定を行う
ことができる。
そこで、本発明者らは、うず電流式膜厚測定器を測定対
象となる被膜からどれだけ離したかを非接触で測定する
手段を設けた。
象となる被膜からどれだけ離したかを非接触で測定する
手段を設けた。
すなわち、うず電流式膜厚測定技術では、被膜に測定器
を接触しなければ膜厚を測定できないという従来の常識
に疑問をいだき、その膜厚測定原理を吟味した結果、う
ず電流式膜厚測定技術に光学的測量技術を組合わせれば
良いという結論に達したのである。
を接触しなければ膜厚を測定できないという従来の常識
に疑問をいだき、その膜厚測定原理を吟味した結果、う
ず電流式膜厚測定技術に光学的測量技術を組合わせれば
良いという結論に達したのである。
このようにすることによって、測定器を被膜から適当な
間隔を空けて設置すると、うず電流測定技術を用いて測
定器と基体との距離が測定され、光学的三角測量技術を
用いて測定器と被膜との距離が測定さる。このため、両
測定距離の差をとることにより被膜の膜厚を求めること
ができる。
間隔を空けて設置すると、うず電流測定技術を用いて測
定器と基体との距離が測定され、光学的三角測量技術を
用いて測定器と被膜との距離が測定さる。このため、両
測定距離の差をとることにより被膜の膜厚を求めること
ができる。
従って、このような着眼点にたって膜厚測定器を形成す
れば、基体上に被膜を被覆した後に、1回の測定作業を
おこなうのみで、膜厚を正確に測定することができる非
接触、非破壊式の膜厚測定器を実現することができる。
れば、基体上に被膜を被覆した後に、1回の測定作業を
おこなうのみで、膜厚を正確に測定することができる非
接触、非破壊式の膜厚測定器を実現することができる。
但し、上述の測定原理を用いて正確な測定を行うために
は、うず電流センサのプローブが、被測定対象(絶縁被
膜)に傾かないで垂直に対抗していることが重要であ
る。しかしながら、プローブ(電磁式プローブ)と絶縁
被膜との相対的位置関係の把握は困難であり、したがっ
て、上述した測定原理を実現(具体化)するためには、
さらなる工夫が必要である。
は、うず電流センサのプローブが、被測定対象(絶縁被
膜)に傾かないで垂直に対抗していることが重要であ
る。しかしながら、プローブ(電磁式プローブ)と絶縁
被膜との相対的位置関係の把握は困難であり、したがっ
て、上述した測定原理を実現(具体化)するためには、
さらなる工夫が必要である。
そこで、本願出願人は、「うず電流測定技術」に組合わ
される「光学的測量技術」に着目し、この「光学的測量
技術」を、測定器(うず電流センサの電磁式プローブ)
と被膜との間の距離を求めるためだけでなく、プローブ
に対する被膜表面の傾きを検知することにも利用するこ
とを考え出した。
される「光学的測量技術」に着目し、この「光学的測量
技術」を、測定器(うず電流センサの電磁式プローブ)
と被膜との間の距離を求めるためだけでなく、プローブ
に対する被膜表面の傾きを検知することにも利用するこ
とを考え出した。
このような工夫によって傾きを検出し、その傾きを補正
するようにして測定を行うことにより、上述の測定原理
による新規なセンサを用いた高精度の測定が可能とな
り、そのセンサの実際の使用が可能となる。
するようにして測定を行うことにより、上述の測定原理
による新規なセンサを用いた高精度の測定が可能とな
り、そのセンサの実際の使用が可能となる。
[作用] 次に本発明の作用を説明する。
本発明の膜厚測定器を用いて、導電性基体の表面に被覆
された絶縁性被膜の膜厚測定を行う場合には、まず、導
電性基体の被膜表面から適当な間隔を空けて本発明の膜
厚測定器を設置する。
された絶縁性被膜の膜厚測定を行う場合には、まず、導
電性基体の被膜表面から適当な間隔を空けて本発明の膜
厚測定器を設置する。
このとき、測定器に設けられたうず電流距離測定手段
は、導電性基体に高周波の磁場を印加し、基体に発生す
るうず電流を利用して測定器と基体表面との距離を非接
触で測定する。
は、導電性基体に高周波の磁場を印加し、基体に発生す
るうず電流を利用して測定器と基体表面との距離を非接
触で測定する。
通常、このようなうず電流式距離測定手段は、高周波の
磁場発生用の高周波コイルを含む。
磁場発生用の高周波コイルを含む。
そして、前記高周波コイルにより発生した磁界内に導電
性基体が近づいたときに、その基体内に発生するうず電
流を、コイルのインダクタンスおよびQの変化に基づき
検出する。
性基体が近づいたときに、その基体内に発生するうず電
流を、コイルのインダクタンスおよびQの変化に基づき
検出する。
このようなインダクタンスおよびQの変化は、測定器と
導電性基体との間隔に対応するものであり、両者の間に
絶縁性被膜が存在してもその変化は影響を受けない。
導電性基体との間隔に対応するものであり、両者の間に
絶縁性被膜が存在してもその変化は影響を受けない。
また、本発明において、光学式距離測定手段は、測定器
と絶縁性被膜表面までの距離を光学的に非接触で測定す
る。
と絶縁性被膜表面までの距離を光学的に非接触で測定す
る。
このような光学的距離測定手段は、必要に応じて各種構
成のものを採用することができる。例えば被膜が不透明
のものである場合には被膜表面に向け測定ビームを投光
すると、該被膜表面上にできた微小スポットの位置が被
膜と測定器との距離に応じて変化する。
成のものを採用することができる。例えば被膜が不透明
のものである場合には被膜表面に向け測定ビームを投光
すると、該被膜表面上にできた微小スポットの位置が被
膜と測定器との距離に応じて変化する。
このことを利用して、被膜表面の微小スポット位置の変
化を、測定器側の撮像素子上での結像位置の変化として
捉え、三角測量技術を用いて測定器と被膜表面までの距
離を測定することができる。
化を、測定器側の撮像素子上での結像位置の変化として
捉え、三角測量技術を用いて測定器と被膜表面までの距
離を測定することができる。
また、これ以外に、例えば被膜表面に投光した測定ビー
ムの正反射光線の反射位置と角度を検出することによ
り、被膜までの距離を測定することもできる。
ムの正反射光線の反射位置と角度を検出することによ
り、被膜までの距離を測定することもできる。
すなわち、被膜表面からの反射光線をビームスプリッタ
等を用いて分割し、一方の分割反射ビームをレンズを介
して検出素子へ入射させ、結像光学系によって被膜まで
の距離を測定する。
等を用いて分割し、一方の分割反射ビームをレンズを介
して検出素子へ入射させ、結像光学系によって被膜まで
の距離を測定する。
更に、例えば、もう一方の分割反射ビームを、直接別の
素子へ入射させ被膜の傾きを検出することもできる。
素子へ入射させ被膜の傾きを検出することもできる。
このようにすれば、被膜が鏡面に近かったり、透明であ
っても測定器と被膜までの距離を正確に測定することが
でき、かつ被膜の傾きを正確に検出できる。
っても測定器と被膜までの距離を正確に測定することが
でき、かつ被膜の傾きを正確に検出できる。
そして、本発明によれば、うず電流式距離測定手段およ
び光学式距離測定手段により測定された距離に基づき、
膜厚演算手段を用い絶縁性被膜の膜厚を演算する。
び光学式距離測定手段により測定された距離に基づき、
膜厚演算手段を用い絶縁性被膜の膜厚を演算する。
すなわち、本発明においては、うず電流式距離測定手段
と光学式距離測定手段の相対位置が固定されているた
め、両測定手段により測定された距離の差は絶縁性被膜
の膜厚を表すデータを含むこととなる。
と光学式距離測定手段の相対位置が固定されているた
め、両測定手段により測定された距離の差は絶縁性被膜
の膜厚を表すデータを含むこととなる。
従って、膜厚演算手段は、両測定手段により測定された
距離に基づき絶縁性被膜の膜厚を演算することができ
る。この場合、被膜の傾きの情報を活用して以下のよう
な制御を行うことにより、精度の高い測定が可能とな
る。
距離に基づき絶縁性被膜の膜厚を演算することができ
る。この場合、被膜の傾きの情報を活用して以下のよう
な制御を行うことにより、精度の高い測定が可能とな
る。
すなわち、傾き検出の情報から、常に測定器と被測定面
とを傾きをもたないように、例えば、ロボット等を用い
て制御を行いながら対向させつつ、膜厚測定を行う。測
定位置の制御を行うのは、測定器か、被測定物か、どち
らでもよい。あるいは、傾き検出の情報と膜厚の関係を
あらかじめ調べた検量線(換算表/式)を作成してお
き、それに基づいて、演算時に、膜厚値を補正するよう
にしてもよい。
とを傾きをもたないように、例えば、ロボット等を用い
て制御を行いながら対向させつつ、膜厚測定を行う。測
定位置の制御を行うのは、測定器か、被測定物か、どち
らでもよい。あるいは、傾き検出の情報と膜厚の関係を
あらかじめ調べた検量線(換算表/式)を作成してお
き、それに基づいて、演算時に、膜厚値を補正するよう
にしてもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、うず電流式距離
測定手段と光学式距離測定手段とを組合わせることによ
り、導電性基体上に既に被覆された絶縁性被膜の膜厚
を、一回の測定作業で迅速かつ正確に測定することがで
きる。
測定手段と光学式距離測定手段とを組合わせることによ
り、導電性基体上に既に被覆された絶縁性被膜の膜厚
を、一回の測定作業で迅速かつ正確に測定することがで
きる。
更に、本発明によれば、導電性被膜に対し非接触でかつ
これを破壊することなくその膜厚をきわめて高精度に測
定することができるため、各種分野における膜厚測定用
に幅広く用いることが可能となる。
これを破壊することなくその膜厚をきわめて高精度に測
定することができるため、各種分野における膜厚測定用
に幅広く用いることが可能となる。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づき説明する。
第1図は、本発明の膜厚測定器の基本的な原理を説明す
るための図である。図1に示される膜厚測定器は、導電
材料を用いて形成された基体100上に被覆された絶縁性
被膜110の膜厚を測定するものである。
るための図である。図1に示される膜厚測定器は、導電
材料を用いて形成された基体100上に被覆された絶縁性
被膜110の膜厚を測定するものである。
この膜厚測定器は、プローブケース10内にうず電流式測
定プローブ12と光学式測定プローブ14とが一体的に収納
固定されている。
定プローブ12と光学式測定プローブ14とが一体的に収納
固定されている。
以下、被膜110の表面に対し、各プローブ12、14が垂直
に対向していることを前提として、本発明の基本的原理
を説明する。
に対向していることを前提として、本発明の基本的原理
を説明する。
つまり、プローブケース10を、基体100に向け離隔的に
対向配置すると、うず電流式プローブ12を用いて基体10
0の表面までの距離daが測定され、光学式プローブ14を
用いて被膜110の表面までの距離dbが測定される。
対向配置すると、うず電流式プローブ12を用いて基体10
0の表面までの距離daが測定され、光学式プローブ14を
用いて被膜110の表面までの距離dbが測定される。
そして、これら両測定プローブ12および14の測定信号Sa
およびSbはそれぞれ演算処理部16へ向け出力される。
およびSbはそれぞれ演算処理部16へ向け出力される。
演算処理部16は、演算処理回路18と表示部20とから構成
されている。
されている。
そして、演算処理回路18は、各プローブ12および14から
入力される信号SaおよびSbに基づき被膜110の膜厚Dを
演算し、その演算信号S2を外部および表示部20へ向け出
力する。
入力される信号SaおよびSbに基づき被膜110の膜厚Dを
演算し、その演算信号S2を外部および表示部20へ向け出
力する。
このようにして外部へ信号S2を出力すれば、この測定信
号S2を制御信号およびその他各種用途に広く用いること
ができる。
号S2を制御信号およびその他各種用途に広く用いること
ができる。
そして、表示部20は、このようにして入力される測定信
号S2に基づき、膜厚の測定値Dを表示することができ、
しかも測定値Dが要求される膜厚の許容範囲に入ってい
るか否かを知らせることもできる。
号S2に基づき、膜厚の測定値Dを表示することができ、
しかも測定値Dが要求される膜厚の許容範囲に入ってい
るか否かを知らせることもできる。
更に、演算処理回路18は、光学式測定プローブ12、14か
ら入力される信号Sa、Sbに基づき、測定距離da、dbが
測定可能範囲を上回っているか否かを判別し、その判別
結果を表示部20を用い表示している。
ら入力される信号Sa、Sbに基づき、測定距離da、dbが
測定可能範囲を上回っているか否かを判別し、その判別
結果を表示部20を用い表示している。
また、本実施例において、前記両測定プローブ12および
14は、基体100に対する基準測定位置が同じになるよう
プローブケース10内に取付け固定されている。このた
め、実施例の演算処理回路18は、これら両プローブ12お
よび14により測定されたdaおよびdbの差を演算するの
みで、被膜110の膜厚Dを求めることができる。
14は、基体100に対する基準測定位置が同じになるよう
プローブケース10内に取付け固定されている。このた
め、実施例の演算処理回路18は、これら両プローブ12お
よび14により測定されたdaおよびdbの差を演算するの
みで、被膜110の膜厚Dを求めることができる。
このように、本発明によれば、プローブケース10を基体
100に向け所定間隔をおいて対向配置すれば、一回の測
定作業を行うだけで基体100上に被覆された被膜110の膜
厚を正確に測定することができる。
100に向け所定間隔をおいて対向配置すれば、一回の測
定作業を行うだけで基体100上に被覆された被膜110の膜
厚を正確に測定することができる。
特に、本発明によれば、被膜110の表面に接することな
く膜厚を測定できるため、被膜100が固化しているか、
液状であるかというような物理的状態に拘りなく、被膜
110の膜厚測定を非接触でしかも非破壊で行うことがで
きる。
く膜厚を測定できるため、被膜100が固化しているか、
液状であるかというような物理的状態に拘りなく、被膜
110の膜厚測定を非接触でしかも非破壊で行うことがで
きる。
また、本発明においては、プローブケース10と演算処理
部16とを一体的に形成することもできる。
部16とを一体的に形成することもできる。
しかし、第1図のようにプローブケース10と演算処理部
16とを分離し、別体として形成すれば、プローブケース
10を小型かつコンパクトのものとし、膜厚測定時におけ
る取扱いが容易なものとなる。
16とを分離し、別体として形成すれば、プローブケース
10を小型かつコンパクトのものとし、膜厚測定時におけ
る取扱いが容易なものとなる。
また、第1図においては、プローブケース10内における
測定プローブ12、14の取付け位置を、必要に応じて調整
できるよう形成することが好ましく、このようにすれ
ば、予め基準試料を用いてプローブ12および14の位置補
正を行なう膜厚測定をより高い精度で行うことが可能と
なる。
測定プローブ12、14の取付け位置を、必要に応じて調整
できるよう形成することが好ましく、このようにすれ
ば、予め基準試料を用いてプローブ12および14の位置補
正を行なう膜厚測定をより高い精度で行うことが可能と
なる。
第2図には本発明に用いられるうず電流式測定プローブ
12の一例が示されている。
12の一例が示されている。
実施例のプローブ12は、プローブコイル22を内蔵してお
り、演算処理部16側に設けられた高周波発生器24を用い
てプローブコイル22に高周波電流を流すと、交番磁場が
発生し、基体100上に交番磁場を形成する。
り、演算処理部16側に設けられた高周波発生器24を用い
てプローブコイル22に高周波電流を流すと、交番磁場が
発生し、基体100上に交番磁場を形成する。
したがって、この磁束が一定であれば、プローブコイル
22と基体100表面との距離(変位)dに対応して、発生
するうず電流の強さは変化する。
22と基体100表面との距離(変位)dに対応して、発生
するうず電流の強さは変化する。
そして、このうず電流により、逆にプローブコイル22の
インダクタンスが変化する。このため、実施例の装置で
は、この変化を演算処理部16側に設けられたインダクタ
ンス検出回路26を用いて検出し、距離daを測定してい
る。
インダクタンスが変化する。このため、実施例の装置で
は、この変化を演算処理部16側に設けられたインダクタ
ンス検出回路26を用いて検出し、距離daを測定してい
る。
すなわち、プローブケース10を基体100に向け対向配置
し、プローブコイル22に高周波電流を流すと、導電材料
で形成された基体100上にはdaに対応したうず電流が発
生し、プローブ12と基体100との距離daを測定すること
ができる。
し、プローブコイル22に高周波電流を流すと、導電材料
で形成された基体100上にはdaに対応したうず電流が発
生し、プローブ12と基体100との距離daを測定すること
ができる。
第3図には第1図に示される光学式測定プローブ14の一
例が示されている。
例が示されている。
実施例の光学式測定プローブは、被膜100に対してその
法線方向から微細系の光線を射出する光源と、光線を被
膜表面に照射した際発生するスポットを適当な角度方向
から観察するよう設置された撮像部分とから構成されて
いる。
法線方向から微細系の光線を射出する光源と、光線を被
膜表面に照射した際発生するスポットを適当な角度方向
から観察するよう設置された撮像部分とから構成されて
いる。
具体的には、レーザ駆動回路30、レーザダイオード32、
レンズ34,36、位置検出素子38およびプリアンプ40を用
いて形成されている。
レンズ34,36、位置検出素子38およびプリアンプ40を用
いて形成されている。
このように形成することにより、レーザ駆動回路30を用
いてレーザダイオード32を駆動すると、該ダイオード32
からビームが射出される。そして、このビームがレンズ
34により細く集光された後、被膜110の表面に入射され
この被膜110の表面にスポットを形成する。
いてレーザダイオード32を駆動すると、該ダイオード32
からビームが射出される。そして、このビームがレンズ
34により細く集光された後、被膜110の表面に入射され
この被膜110の表面にスポットを形成する。
このスポットの位置は、別の角度からレンズ36と位置検
出素子38とで構成された撮像系で観察される。このと
き、位置検出素子38にあおりをつけておくことにより、
被膜110の膜厚の変化に伴いスポットの結像位置が上下
に変化しても、常にスポットの焦点が合うように位置検
出素子38を設置することができる。
出素子38とで構成された撮像系で観察される。このと
き、位置検出素子38にあおりをつけておくことにより、
被膜110の膜厚の変化に伴いスポットの結像位置が上下
に変化しても、常にスポットの焦点が合うように位置検
出素子38を設置することができる。
また、被膜110への投光ビームと、被膜110面上のスポッ
トと、撮像系は3角形を形成している。従って、位置検
出素子38上に結像されたスポット位置を検出することに
より、三角測量の方法を用い被膜110上のスポットの観
察位置θを幾何学的に求め、光学式測定プローブ14と被
膜表面との距離dbを光学的に求めることができる。
トと、撮像系は3角形を形成している。従って、位置検
出素子38上に結像されたスポット位置を検出することに
より、三角測量の方法を用い被膜110上のスポットの観
察位置θを幾何学的に求め、光学式測定プローブ14と被
膜表面との距離dbを光学的に求めることができる。
ところで、第3図に示すような光学式測定プローブ14
は、被膜表面からの拡散光を利用して被膜までの距離d
bの測定を行っている。したがって、被膜110が透明であ
ったり、またその表面が鏡に近かったりすると、被膜11
0までの距離dbの測定を行うことはできない。
は、被膜表面からの拡散光を利用して被膜までの距離d
bの測定を行っている。したがって、被膜110が透明であ
ったり、またその表面が鏡に近かったりすると、被膜11
0までの距離dbの測定を行うことはできない。
すなわち、この光学式測定プローブ14では、不透明でか
つ拡散性を有する被膜110の膜厚しか測定することがで
きないという問題がある。
つ拡散性を有する被膜110の膜厚しか測定することがで
きないという問題がある。
第4図には、このような問題を解決した光学式測定プロ
ーブ14の一例が示されている。
ーブ14の一例が示されている。
実施例の光学式測定プローブ14は、レーザ駆動回路30、
レーザダイオード32、レンズ34、ミラー46からなり、被
膜表面に向けビームを射出する投光系と、ビームスプリ
ッタ42、レンズ36、傾き検出素子14、位置検出素子38か
らなり、被膜表面からの正反射光を受光する受光系とを
含み、その受光系の各検出素子38および44の検出信号を
プリアンプ40を介して出力している。
レーザダイオード32、レンズ34、ミラー46からなり、被
膜表面に向けビームを射出する投光系と、ビームスプリ
ッタ42、レンズ36、傾き検出素子14、位置検出素子38か
らなり、被膜表面からの正反射光を受光する受光系とを
含み、その受光系の各検出素子38および44の検出信号を
プリアンプ40を介して出力している。
そして、投光系から被膜110の表面に向けビームを投光
すると、被膜表面からの反射光は、ビームスプリッタ42
により2本のビームに分割される。
すると、被膜表面からの反射光は、ビームスプリッタ42
により2本のビームに分割される。
その1本のビーム11はレンズ36を介して距離検出素子38
に入射される。この時、レンズ36は、被膜110の表面を
検出素子38上に結像する位置に配置してあるため、検出
素子38の表面に入射するビーム11のスポット位置は、被
膜表面までの距離に依存したものとなる。
に入射される。この時、レンズ36は、被膜110の表面を
検出素子38上に結像する位置に配置してあるため、検出
素子38の表面に入射するビーム11のスポット位置は、被
膜表面までの距離に依存したものとなる。
従って、このスポット位置を検出することにより、被膜
表面までの距離dbを検出することができる。つまり、
正反射光を利用することにより、被膜が透明であった
り、鏡面であっても、距離の検出が可能となる。
表面までの距離dbを検出することができる。つまり、
正反射光を利用することにより、被膜が透明であった
り、鏡面であっても、距離の検出が可能となる。
また、ビームスプリッタ42により分割されたもう一方の
ビーム12は直接傾き検出素子44へ入射される。この時、
その入射位置は被膜110の表面の傾きに依存したものと
なる。
ビーム12は直接傾き検出素子44へ入射される。この時、
その入射位置は被膜110の表面の傾きに依存したものと
なる。
つまり、被膜110の表面にある角度で入射したビーム12
は、その入射角と等しい角度で反射する。したがって被
膜110に対しプローブ14を垂直に対向させ(傾かないよ
うに対向させる)、しかも例えば検出素子44の中心にビ
ーム12が入射するよう予め設定しておけば、被膜110が
傾くとその傾きに応じた方向へビーム12が反射され、検
出素子44上へのビーム12の入射スポット位置は変化す
る。
は、その入射角と等しい角度で反射する。したがって被
膜110に対しプローブ14を垂直に対向させ(傾かないよ
うに対向させる)、しかも例えば検出素子44の中心にビ
ーム12が入射するよう予め設定しておけば、被膜110が
傾くとその傾きに応じた方向へビーム12が反射され、検
出素子44上へのビーム12の入射スポット位置は変化す
る。
このように、第4の構成によれば、この位置変化が被膜
110の傾きに依存している。
110の傾きに依存している。
このため、検出素子44上における入射スポット位置を検
出することにより、被膜110のプローブ14に対する傾き
を検出することができる。したがって、検出した傾きを
用いてプローブケース10の姿勢を制御すれば、常に安定
した測定を行うことができる。
出することにより、被膜110のプローブ14に対する傾き
を検出することができる。したがって、検出した傾きを
用いてプローブケース10の姿勢を制御すれば、常に安定
した測定を行うことができる。
すなわち、うず電流センサは光学式(三角測量を用い
た)センサと異なり、距離が同じでも傾きにより得られ
る信号が変化する。
た)センサと異なり、距離が同じでも傾きにより得られ
る信号が変化する。
このことは、光学式センサとうず電流センサの2つを組
合わせ、その両者の測定距離の差から膜厚を測定する原
理の測定器には致命的な誤差を与えることとなる。すな
わち、現実の距離は変化しないのに(つまり膜厚は変わ
らないのに)、被膜の傾きだけが変化した場合には、う
ず電流センサの測定距離が変わったと判断され、結果的
に距離の差(つまり膜厚)が違って測定されることにな
る。
合わせ、その両者の測定距離の差から膜厚を測定する原
理の測定器には致命的な誤差を与えることとなる。すな
わち、現実の距離は変化しないのに(つまり膜厚は変わ
らないのに)、被膜の傾きだけが変化した場合には、う
ず電流センサの測定距離が変わったと判断され、結果的
に距離の差(つまり膜厚)が違って測定されることにな
る。
以上のように、本件発明、あるいは同様な構成(2つの
センサの組合せ方式)の膜厚測定器では、測定器と被測
定面との傾きを検知して、常に同じ条件で測定しなけれ
ば高精度を期待できない。
センサの組合せ方式)の膜厚測定器では、測定器と被測
定面との傾きを検知して、常に同じ条件で測定しなけれ
ば高精度を期待できない。
したがって、現実には、第4図に示されるような傾き検
知の機能を持った光学式測定器を用いることになる。
知の機能を持った光学式測定器を用いることになる。
第4図において、各検出素子38および44を用いて検出さ
れた距離dbおよび傾きは、プリアンプ40より増幅さ
れ、距離および傾き情報を含んだ信号Sbとして演算処理
回路18へ向け出力される。
れた距離dbおよび傾きは、プリアンプ40より増幅さ
れ、距離および傾き情報を含んだ信号Sbとして演算処理
回路18へ向け出力される。
このように、実施例の光学式測定プローブを用いれば、
被膜110の物理的特性および光学的特性、特に被膜110が
透明でもまた鏡面のように正反射光しか発生しない場合
でも、被膜110の表面までの距離dbを非接触で正確に測
定することができる。
被膜110の物理的特性および光学的特性、特に被膜110が
透明でもまた鏡面のように正反射光しか発生しない場合
でも、被膜110の表面までの距離dbを非接触で正確に測
定することができる。
なお、本実施例の光学式測定プローブ14を用いる場合に
は、ビームが被膜110の表面で正反射しその成分を検出
できるようミラー46の傾きを設定することが好ましい。
は、ビームが被膜110の表面で正反射しその成分を検出
できるようミラー46の傾きを設定することが好ましい。
次に、本実施例の膜厚測定器を用いて、被塗装物の表面
に被覆された塗装膜の膜厚測定を行う場合の一例を説明
する。
に被覆された塗装膜の膜厚測定を行う場合の一例を説明
する。
第5図には、塗装工程において、被塗装物Wの塗装膜の
厚さを塗装直後に測定し、その膜厚値を塗装工程にフィ
ードバックし塗装膜の膜厚制御を行うシステムの一例が
示されている。
厚さを塗装直後に測定し、その膜厚値を塗装工程にフィ
ードバックし塗装膜の膜厚制御を行うシステムの一例が
示されている。
本実施例のシステムは、表面が導電材料を用いて形成さ
れた被塗装物Wが塗装ライン50により塗装ブース52まで
運ばれてくると、この被塗装物Wの表面は、塗装装置54
によって絶縁材料を用いて塗装される。
れた被塗装物Wが塗装ライン50により塗装ブース52まで
運ばれてくると、この被塗装物Wの表面は、塗装装置54
によって絶縁材料を用いて塗装される。
実施例の塗装装置54は、被塗装物Wに塗装を施す塗装機
56と、その塗装機を制御する塗装機コントローラ58とか
ら構成され、前記塗装機コントローラ58は、後述する制
御信号生成回路70から出力される膜厚制御信号S3に基づ
き被塗装物W上に塗装する膜厚を制御する。また、この
搬送ライン50の下流側には、本発明の非接触式膜厚測定
器60が設置されている。そして、塗装が施された被塗装
物Wが搬送ライン50により搬送されてくる毎にその塗装
膜の膜厚を測定する。
56と、その塗装機を制御する塗装機コントローラ58とか
ら構成され、前記塗装機コントローラ58は、後述する制
御信号生成回路70から出力される膜厚制御信号S3に基づ
き被塗装物W上に塗装する膜厚を制御する。また、この
搬送ライン50の下流側には、本発明の非接触式膜厚測定
器60が設置されている。そして、塗装が施された被塗装
物Wが搬送ライン50により搬送されてくる毎にその塗装
膜の膜厚を測定する。
すなわち、被塗装物Wは、その表面が導電性が材料を用
いて形成されており、その上に絶縁材料からなる塗装膜
が被覆形成されている。
いて形成されており、その上に絶縁材料からなる塗装膜
が被覆形成されている。
従って、本発明の膜厚測定装置60を用いれば、うず電流
式測定プローブ12により被塗装物Wの表面までの距離を
測定することができ、また光学式測定プローブ14により
塗装膜表面までの距離を測定することができる。
式測定プローブ12により被塗装物Wの表面までの距離を
測定することができ、また光学式測定プローブ14により
塗装膜表面までの距離を測定することができる。
そして、これら両プローブ12および14から出力される測
定信号SaおよびSbは演算処理回路18に入力される。
定信号SaおよびSbは演算処理回路18に入力される。
実施例において、この演算処理回路18は、両プローブ1
2、14の出力信号SaおよびSbをそれぞれ信号処理する信
号処理回路18a、18bと、これら両信号処理回路18aおよ
び18bから出力される信号に基づき被塗装物Wの膜厚を
演算し電気信号S2として出力する演算回路18Cとから構
成されている。
2、14の出力信号SaおよびSbをそれぞれ信号処理する信
号処理回路18a、18bと、これら両信号処理回路18aおよ
び18bから出力される信号に基づき被塗装物Wの膜厚を
演算し電気信号S2として出力する演算回路18Cとから構
成されている。
そして、このようにして測定された被塗装物Wの塗装面
の膜厚は、表示部20を用いて表示されるとともに、その
検出信号S2は制御信号生成回路70へ向け出力される。
の膜厚は、表示部20を用いて表示されるとともに、その
検出信号S2は制御信号生成回路70へ向け出力される。
実施例において、この制御信号生成回路70は、比較器7
2、塗装膜厚設定回路74およびインターフェース回路76
を含む。
2、塗装膜厚設定回路74およびインターフェース回路76
を含む。
そして、前記塗装膜厚設定回路74には、予め所望の膜厚
が基準値として設定され、比較器72は設定された基準膜
厚と検出膜厚S2とを比較し、この比較結果をインフーフ
ェース回路76を用いて制御信号S3に変換し、塗装機コン
トローラ58に向け膜厚の制御信号としてフィードバック
入力する。
が基準値として設定され、比較器72は設定された基準膜
厚と検出膜厚S2とを比較し、この比較結果をインフーフ
ェース回路76を用いて制御信号S3に変換し、塗装機コン
トローラ58に向け膜厚の制御信号としてフィードバック
入力する。
このフィードバック信号に基づき、塗装機コントローラ
58は塗装機56を制御し、膜厚が設定値通りになるよう
に、被塗装物Wに塗装を施す。
58は塗装機56を制御し、膜厚が設定値通りになるよう
に、被塗装物Wに塗装を施す。
このように、本発明の膜厚測定器60を、塗装ラインにお
ける塗装膜の膜厚測定用として使用することにより、被
塗装物Wの塗装膜の膜厚を所望の設定値に良好にフィー
ドバック制御することができる。この結果、被塗装物W
の外観が良好なものとなり、また安定した被塗装物Wを
供給することができ、しかも使用する材料が最低限です
み塗装コストの低減を図ることができる。
ける塗装膜の膜厚測定用として使用することにより、被
塗装物Wの塗装膜の膜厚を所望の設定値に良好にフィー
ドバック制御することができる。この結果、被塗装物W
の外観が良好なものとなり、また安定した被塗装物Wを
供給することができ、しかも使用する材料が最低限です
み塗装コストの低減を図ることができる。
特に、従来の膜厚測定器を使用した場合には、被塗装物
Wを塗装し乾燥した後でなければ膜厚測定ができなかっ
たため、膜厚不良が一旦発生すると、その間に塗装工程
から焼付け乾燥工程にある全ての被塗装物が膜厚不良に
なるわけであるが、本発明の膜厚測定器を用いれば、被
塗装物Wが塗装された直後でもその膜厚を測定し、測定
値をフィードバック信号として用いることができる。こ
のため、膜厚不良の被塗装物の発生を最小限にくい止め
ることが可能であり、品質不良等に伴うコストアップを
最小限に抑えることが可能となる。
Wを塗装し乾燥した後でなければ膜厚測定ができなかっ
たため、膜厚不良が一旦発生すると、その間に塗装工程
から焼付け乾燥工程にある全ての被塗装物が膜厚不良に
なるわけであるが、本発明の膜厚測定器を用いれば、被
塗装物Wが塗装された直後でもその膜厚を測定し、測定
値をフィードバック信号として用いることができる。こ
のため、膜厚不良の被塗装物の発生を最小限にくい止め
ることが可能であり、品質不良等に伴うコストアップを
最小限に抑えることが可能となる。
なお、前記実施例においては、一台の膜厚測定器60を用
いて被塗装物の膜厚測定を行う場合を例にとり説明した
が、必要に応じて膜厚測定器を複数台用意し、これら複
数の膜厚測定器を用いた多点検査あるいは連続検査を行
うこともできる。
いて被塗装物の膜厚測定を行う場合を例にとり説明した
が、必要に応じて膜厚測定器を複数台用意し、これら複
数の膜厚測定器を用いた多点検査あるいは連続検査を行
うこともできる。
また、本実施例においては、導電性基体100上に被覆さ
れた一層の被膜110の膜厚測定を行う場合を例にとり説
明したが、本発明はこれに限らず、導電性基体100上に
複数層の絶縁性被膜110が積層された場合でも、各被膜1
10の膜厚を測定することができる。
れた一層の被膜110の膜厚測定を行う場合を例にとり説
明したが、本発明はこれに限らず、導電性基体100上に
複数層の絶縁性被膜110が積層された場合でも、各被膜1
10の膜厚を測定することができる。
この場合には、まず最初の被膜110が被覆された段階で
その膜厚測定を行い、次に被膜された段階でその膜厚測
定を行うという動作を繰返して行えばよく、このように
することにより、新たに測定された膜厚から前回までの
膜厚を減算することにより、各層の膜厚を測定すること
ができる。
その膜厚測定を行い、次に被膜された段階でその膜厚測
定を行うという動作を繰返して行えばよく、このように
することにより、新たに測定された膜厚から前回までの
膜厚を減算することにより、各層の膜厚を測定すること
ができる。
第1図は本発明に係る非接触式膜厚測定器の基本的測定
原理を説明するためのブロック図、 第2図は第1図に示す測定器のうず電流式測定プローブ
の説明図、 第3図および第4図は第1図に示す光学式測定プローブ
の説明図、 第5図は本発明の膜厚測定器を塗装工程に適用した場合
の一例を示す説明図である。 12……うず電流式測定プローブ 14……光学式測定プローブ 18……演算処理回路 100……基体 110……被膜。
原理を説明するためのブロック図、 第2図は第1図に示す測定器のうず電流式測定プローブ
の説明図、 第3図および第4図は第1図に示す光学式測定プローブ
の説明図、 第5図は本発明の膜厚測定器を塗装工程に適用した場合
の一例を示す説明図である。 12……うず電流式測定プローブ 14……光学式測定プローブ 18……演算処理回路 100……基体 110……被膜。
Claims (4)
- 【請求項1】導電性基体上に被覆された絶縁性被膜の膜
厚を測定する非接触式膜厚測定器であって、 導電性基体に高周波の磁場を印加し、基体に発生するう
ず電流を利用して基体までの距離を非接触で測定するう
ず電流式距離測定手段と、 このうず電流式距離測定手段との相対位置が固定され、
前記絶縁性被膜表面までの距離を光学的に非接触で測定
する光学式距離測定手段と、 前記両測定手段により測定される距離に基づき、絶縁性
被膜の膜厚を演算する膜厚演算手段と、を含み、 前記光学式距離測定手段は、 絶縁性被膜に向け測定光を投光する投光系と、 絶縁性被膜表面からの反射光を用いて絶縁性被膜表面ま
での距離を非接触で測定すると共に、絶縁性被膜表面か
らの反射光を用いて絶縁性被膜表面の傾きを非接触で測
定する受光系と、を含んで構成されていることを特徴と
する非接触式膜厚測定器。 - 【請求項2】前記うず電流式距離測定手段はうず電流式
プローブを有し、このうず電流式プローブは、検出され
た絶縁性被膜表面の傾きの情報に基づき、常に、前記絶
縁性被膜に対して垂直に対向するように姿勢を制御され
て使用されることを特徴とする特許請求の範囲第(1)
項記載の非接触式膜厚測定器。 - 【請求項3】導電性基体上に被覆された絶縁性被膜の膜
厚を測定する非接触式膜厚測定器であって、 導電性基体に高周波の磁場を印加し、基体に発生するう
ず電流を利用して基体までの距離を非接触で測定するう
ず電流式距離測定手段と、 このうず電流式距離測定手段との相対位置が固定され、
前記絶縁性被膜表面までの距離を光学的に非接触で測定
する光学式距離測定手段と、 前記両測定手段により測定される距離に基づき、絶縁性
被膜の膜厚を演算する膜厚演算手段と、を含み、 前記光学式距離測定手段は、 絶縁性被膜に向け測定光を投光する投光系と、 絶縁性被膜表面からの反射光を2系列のビーム光に分割
し、一方の分割ビームを用いて絶縁性被膜表面までの距
離を非接触で測定し、他方の分割ビームを用いて絶縁性
被膜表面の傾きを非接触で測定する受光系と、を含むこ
とを特徴とする非接触式膜厚測定器。 - 【請求項4】前記うず電流式距離測定手段は、うず電流
式プローブを有し、このうず電流式プローブは、検出さ
れた絶縁性被膜表面の傾きの情報に基づき、常に、前記
絶縁性被膜に対して垂直に対向するように姿勢を制御さ
れて使用されることを特徴とする特許請求の範囲第
(3)項記載の非接触式膜厚測定器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62294880A JPH07111341B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | 非接触式膜厚測定器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62294880A JPH07111341B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | 非接触式膜厚測定器 |
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JPH01136009A JPH01136009A (ja) | 1989-05-29 |
JPH07111341B2 true JPH07111341B2 (ja) | 1995-11-29 |
Family
ID=17813446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62294880A Expired - Lifetime JPH07111341B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | 非接触式膜厚測定器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07111341B2 (ja) |
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US6811466B1 (en) | 2001-12-28 | 2004-11-02 | Applied Materials, Inc. | System and method for in-line metal profile measurement |
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-
1987
- 1987-11-20 JP JP62294880A patent/JPH07111341B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH01136009A (ja) | 1989-05-29 |
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