JPH07109792A - 瓦およびその敷設方法 - Google Patents

瓦およびその敷設方法

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JPH07109792A
JPH07109792A JP5257282A JP25728293A JPH07109792A JP H07109792 A JPH07109792 A JP H07109792A JP 5257282 A JP5257282 A JP 5257282A JP 25728293 A JP25728293 A JP 25728293A JP H07109792 A JPH07109792 A JP H07109792A
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roof
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roof tile
ridge
tile
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Kokichi Shibata
幸吉 柴田
Yasuhiro Noguchi
安廣 野口
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Sekisui House Ltd
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Sekisui House Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】雨水を分流させて緩やかに流す。 【構成】瓦1を構成する平板状本体2における表面側略
中央の棟側から軒側端縁近傍にかけてその表面よりも高
い雨逃し部25を一定幅にわたって形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、瓦およびその敷設方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、瓦は、セメント、骨材、合成繊
維に水を混合した組成物などを所定の厚みにプレスし、
脱水することで製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、瓦は、その
棟側端縁から軒側端縁までほぼ平板状に形成されてお
り、このような瓦を用いて屋根を葺いた場合、雨水は瓦
の中央に集められて軒側に流れ落ちることになる。した
がって、このような状態で強風が加わった場合、瓦の表
面を伝って流れ落ちる大流量の雨水が軒側から棟側に向
かって押し上げられることになり、雨水が瓦の棟側端縁
を越えて野地板に流れ、雨漏りの原因となる問題があっ
た。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、雨水を分流させて緩やかに流すことのでき
る瓦およびその敷設方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の瓦は、平板状本
体と、この平板状本体の左右一方側端縁に連続して形成
された連結重ね部とからなり、前記平板状本体における
表面側略中央の棟側から軒側端縁近傍にかけてその表面
よりも高い雨逃し部を形成したことを特徴とするもので
ある。
【0006】また、本発明の瓦の敷設方法は、前述した
瓦を屋根に固定した後、その連結重ね部に他の瓦の左右
他方側を被せて順次固定することで一の瓦列を形成し、
次いで、軒側に敷設された一対の瓦の端縁接合部に棟側
に配置する一の瓦の雨逃し部を対向させると同時に葺き
足を有して順次固定することで他の瓦列を形成すること
を特徴とするものである。
【0007】
【作用】瓦における平板状本体の表面側略中央には、そ
の棟側から軒側端縁近傍にかけて所定幅の雨逃し部がそ
の表面よりも高く形成されている。そして、この瓦を敷
設する場合、軒側に敷設された一対の瓦の端縁接合部に
棟側に配置する一の瓦の雨逃し部を対向させるととも
に、軒側に敷設された一対の瓦に一定の葺き足をおいて
固定する。
【0008】この結果、雨水は、雨逃し部の左右に分流
された状態を維持しつつ軒側に緩やかに流れ落ちること
になり、強風により雨水が瓦の表面を伝って棟側に押し
上げられても、雨水の流量は集流した場合に比べて少な
く、雨水が瓦の棟側端縁を越えて野地板に流れるのを防
止することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0010】図1乃至図6には、本発明の瓦1が示され
ており、この瓦1は、平板状本体2と、この平板状本体
2の左側端縁に連続して形成された連結重ね部3とから
なり、この平板状本体2における表面の左側、棟側およ
び右側には、左台状部21、段丘部22および右台状部
23がそれぞれ台地状に形成されている。また、平板状
本体2における表面の軒側は、なだらかな下り勾配に形
成され、その端縁は垂直に切り落とされてその裏面を越
える高さの脚部24に形成されている。
【0011】さらに、平板状本体2における表面の略中
央には、その棟側から軒側端縁近傍にかけてその表面よ
りもわずかに高く所定の横幅の雨逃し部25が形成され
ている他、この雨逃し部25の棟側には、平板状本体2
の表面よりも若干高い島状部26,26が間隔をおいて
形成されている。この島状部26には、釘穴がその表面
から裏面にかけて貫通されている。
【0012】ところで、平板状本体2の左台状部21お
よび右台状部23の棟側には、その表面よりもわずかに
低く所定の縦長さの葺き足調整部21a,23aがそれ
ぞれ形成されており、瓦1を敷設した際、すなわち、一
の瓦1の左側に隣接して他の瓦1を敷設した場合、一の
瓦1における平板状本体2の左側端縁に他の瓦1の右側
端縁が接合し、一の瓦1の左台状部21と他の瓦1の右
台状部23によって断面略台形状の山を形成すると同時
に、それらの棟側において、一の瓦1の葺き足調整部2
1aと他の瓦1の葺き足調整部23aが左右方向に連続
するようになっている。この葺き足調整部21a,23
aの縦長さは、脚部24の底面の縦長さよりも大きく形
成されており、この範囲内において脚部24を棟側方向
あるいは軒側方向に調整しつつ載置することができる。
【0013】なお、右台状部23の裏面側には、後述す
る連結重ね部3を収容できる空間が形成されている(図
6参照)他、その棟側隅部分は切り欠かれており、瓦
1,1を敷設した際、この切欠部と連結重ね部3の棟側
隅部分とが干渉しないようにしている。さらに、脚部2
4の略中央は、前述したように、瓦1,1を敷設した
際、一の瓦1の左台状部21と他の瓦1の右台状部23
とを接合して形成される断面台形状の山に対応して切り
欠かれている。
【0014】また、段丘部22は、棟側端縁に向かって
平板状本体2の表面よりも若干高く形成された第1段丘
部221と、この第1段丘部221よりも若干高く形成
された第2段丘部222からなり、その第2段丘部22
2には、断面台形状の凹部22a,22aが間隔をおい
て形成されている他、その裏面には、前述した凹部22
aと対応する位置において、この凹部22aに対応する
断面台形状の凸部22b,22bが突出して形成されて
いる(図3参照)。そして、この凸部22bの底面と前
述した脚24の底面は、図3に示すように、略同一平面
上に位置している。
【0015】この結果、強風によって雨水が瓦1の表面
を伝って軒側から棟側に押し上げられることになって
も、2段構造の段丘部22によって瓦1の棟側端縁を越
えて野地板に流れるのを確実に防止することができると
同時に、瓦1を複数枚積み重ねた場合、一の瓦1の凹部
22aに、その上に重ねられる他の瓦1の凸部22bが
噛み合い、両者をほぼ水平状態で確実に保持することが
できる。
【0016】一方、連結重ね部3は、前述した右台状部
23の裏面に形成される空間に対応してその横幅および
縦長さが設定され、その左側端縁および棟側端縁にはそ
の表面よりも若干高く肉盛り部31が形成されている。
この結果、隣接した一対の瓦1,1の接合部分から雨水
が入り込んでも、その表面を伝って棟側から軒側に向か
って流れ、肉盛り部31を越えることはない。
【0017】次に、この瓦1を用いて屋根を葺く場合に
ついて、図7を参照して説明する。
【0018】まず、一の瓦1を右下に配置し、その釘穴
から釘を挿通して図示しない野地板に固定する。この
後、一の瓦1の左側に隣接してその連結重ね部3上に、
他の瓦1における平板状本体2の右台状部23が位置す
るように被せるとともに、一の瓦1における平板状本体
2の左側端縁に他の瓦1における平板状本体2の右側端
縁を接合させ、一の瓦1と他の瓦1にわたって左台状部
21と右台状部23によって断面台形状の山を形成す
る。この際、瓦1における平板状本体2の右台状部23
の棟側隅部分は切り欠かれていることから、一の瓦1の
連結重ね部3の棟側隅部分と干渉することはない。次い
で、他の瓦1を釘打ち固定し、以下同様に一の瓦1の左
側に順次他の瓦1を配置し、固定する。
【0019】このようにして、瓦1が1列敷設されれ
ば、その棟側に2列目の瓦1を敷設する。具体的には、
先に固定されている隣接した一対の瓦1,1上におい
て、その棟側に敷設される一の瓦1を、その脚部24の
中央切欠部が軒側に敷設した一対の瓦1,1の左台状部
21と右台状部23によって形成された断面台形状の山
を跨ぐと同時に、脚部24の底面がそれらの葺き足調整
部21a,23aに位置するように配置し、釘打ち固定
する。この際、軒側に敷設した一対の瓦1,1の左台状
部21と右台状部23を接合することによって連続した
葺き足調整部21a,23aに、棟側に配置する一の瓦
1の脚部24を位置させ、その葺き足調整部21a,2
3aの範囲内において屋根の流れ方向にずらすことで葺
き足を調整することができる。この結果、屋根の大きさ
が変化しても、瓦1の葺き足を調整することで対応する
ことができる。
【0020】以下同様に一の瓦1の左隣に他の瓦1を、
一の瓦1の連結重ね部3の上にその右台状部23が位置
するように被せ、さらに、他の瓦1の脚部24の中央切
欠部が軒側に敷設した一対の瓦1,1の左台状部21と
右台状部23によって形成された断面台形状の山を跨ぐ
と同時に、その脚部24の底面がそれらの葺き足調整部
21a,23aに位置するように配置して釘打ち固定す
る。次いで、その左隣に他の瓦1を順次配置して固定
し、瓦列を形成した後、さらに、その棟側に同様に瓦列
を形成すればよい。
【0021】このようにして瓦屋根を葺いた場合、瓦1
における平板状本体2に形成された雨逃し部25によっ
て左右に別れて流れ落ちる雨水は、その軒側に配置され
た瓦1における平板状本体2に形成された雨逃し部25
の左右一方に導かれる。すなわち、一の瓦1の雨逃し部
25の左側を流れる雨水は、その軒側に位置する他の瓦
1の雨逃し部25の右側を流れ、以下分流された状態を
維持しつつ流れ落ちることになる。この結果、雨水は平
板状本体2の中央で合流することがなく、合流した場合
の半分の流量で緩やかに雨樋まで導くことができる。し
たがって、強風で雨水が棟側に押し上げられても、その
流量が少ないために瓦1の重ね部分に入り込んだ雨水が
瓦1の棟側端縁を越えて野地板に流れるのを防止するこ
とができる。また、瓦1における平板状本体2の略中央
に形成された雨逃し部25によって屋根に陰影が生じる
ことから、重厚な意匠感を有する瓦屋根を形成すること
ができる。
【0022】なお、本実施例においては、連結重ね部3
を平板状本体2の左側端縁に連続して形成した瓦1を例
示したが、平板状本体2の右側端縁に形成してもよい。
この場合には、左台状部21の裏面側に連結重ね部3を
収容できる空間を形成する必要がある。
【0023】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の瓦によれ
ば、平板状本体と、この平板状本体の左右一方側端縁に
連続して形成された連結重ね部とからなり、前記平板状
本体における表面側略中央の棟側から軒側端縁近傍にか
けてその表面よりも高い雨逃し部を形成したことによ
り、雨水を左右に分流させて緩やかに流すことができ
る。
【0024】また、請求項2記載の瓦の敷設方法によれ
ば、請求項1記載の瓦を屋根に固定した後、その連結重
ね部に他の瓦の左右他方側を被せて順次固定することで
一の瓦列を形成し、次いで、軒側に敷設された一対の瓦
の端縁接合部に棟側に配置する一の瓦の雨逃し部を対向
させると同時に葺き足を有して順次固定することで他の
瓦列を形成することにより、軒側の瓦に対しその棟側の
瓦は略半分ずつずれて敷設されることから、雨水は、瓦
の雨逃し部の左右に分流された状態を維持しつつ軒側に
緩やかに流れ落ちることになり、強風により雨水が瓦の
表面を伝って棟側に押し上げられても、雨水の流量は集
流した場合に比べて少なく、雨水が瓦の棟側端縁を越え
て野地板に流れるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の瓦を示す斜視図である。
【図2】本発明の瓦の平面図である。
【図3】本発明の瓦の背面図である。
【図4】本発明の瓦の右側面図である。
【図5】図2のA−A線端面図である。
【図6】図2のB−B線端面図である。
【図7】本発明の瓦を用いて屋根を葺く場合の施工説明
図である。
【符号の説明】
1 瓦 2 平板状本体 24 脚部 25 雨逃し部 3 連結重ね部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状本体と、この平板状本体の左右一
    方側端縁に連続して形成された連結重ね部とからなり、
    前記平板状本体における表面側略中央の棟側から軒側端
    縁近傍にかけてその表面よりも高い雨逃し部を形成した
    ことを特徴とする瓦。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の瓦を屋根に固定した後、
    その連結重ね部に他の瓦の左右他方側を被せて順次固定
    することで一の瓦列を形成し、次いで、軒側に敷設され
    た一対の瓦の端縁接合部に棟側に配置する一の瓦の雨逃
    し部を対向させると同時に葺き足を有して順次固定する
    ことで他の瓦列を形成することを特徴とする瓦の敷設方
    法。
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