JPH07109666B2 - 光カ−ドの製造方法 - Google Patents
光カ−ドの製造方法Info
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- JPH07109666B2 JPH07109666B2 JP61131573A JP13157386A JPH07109666B2 JP H07109666 B2 JPH07109666 B2 JP H07109666B2 JP 61131573 A JP61131573 A JP 61131573A JP 13157386 A JP13157386 A JP 13157386A JP H07109666 B2 JPH07109666 B2 JP H07109666B2
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- card
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Description
発明の目的
本発明は、キャッシュカード、クレジットカード、IDカ
ードなどにおいて、必要な情報の書き込みおよび読み出
しを、光学的な記録および再生手段によって行なう光カ
ードの製造方法に関する。
ードなどにおいて、必要な情報の書き込みおよび読み出
しを、光学的な記録および再生手段によって行なう光カ
ードの製造方法に関する。
テルル、ビスマスなどの低融点金属の薄膜を基材上に設
け、レーザービームなどを照射して薄膜の一部に変化を
生じさせて記録を行ない、記録された情報を光学的に再
生する光記録再生の技術がある。光記録再生技術の利点
は、記録される情報密度が、従って取扱える情報量が、
従来の磁気記録再生技術によるものや、ICを利用したも
のにくらべて飛躍的に大きいことである。 そこで、光記録再生技術を各種のカード類に適用するこ
とが試みられている。 しかし、上記の光記録技術においてカードに情報を記録
する場合、カードに1枚づつレーザービームで情報を書
き込まなくてはならず、その作業量が膨大で量産に適し
ない。発行枚数の多いキャッシュカード、クレジットカ
ード、IDカードなどを対象に実用化するために、量産が
容易で、コストの低い光カードの製造方法の開発が要望
されていた。 出願人は、上記の要望にこたえた光カードの製造方法を
発明し、すでに提案した(特願昭60-283268号)。その
製造方法は、カード基材上に金属薄膜層およびフォトレ
ジスト層をこの順で積層し、光情報パターンを書き込ん
だフォトマスクを介して露光し、現像およびエッチング
して光情報パターンを有する金属薄膜層を形成し、その
上に保護層を設け、所定の寸法のカードを打抜いて、カ
ード素材を得ることを特徴とする。このようにして、各
カードに共通な情報パターンの形成は一括してフォトレ
ジスト層のエッチングで行ない、固有の情報パターンは
1枚ごとにレーザービームにより書き込むのである。 ところが、光カードの試用の過程で、情報の書き込みや
読み取りの誤りが生じることが経験された。その原因を
調査したところ、光カードにキズがついたり、ホコリが
付着したりして、これが光学的操作の障害になっている
こと、また、このキズやホコリは、光カード製造の工程
においても問題になるということが判明した。
け、レーザービームなどを照射して薄膜の一部に変化を
生じさせて記録を行ない、記録された情報を光学的に再
生する光記録再生の技術がある。光記録再生技術の利点
は、記録される情報密度が、従って取扱える情報量が、
従来の磁気記録再生技術によるものや、ICを利用したも
のにくらべて飛躍的に大きいことである。 そこで、光記録再生技術を各種のカード類に適用するこ
とが試みられている。 しかし、上記の光記録技術においてカードに情報を記録
する場合、カードに1枚づつレーザービームで情報を書
き込まなくてはならず、その作業量が膨大で量産に適し
ない。発行枚数の多いキャッシュカード、クレジットカ
ード、IDカードなどを対象に実用化するために、量産が
容易で、コストの低い光カードの製造方法の開発が要望
されていた。 出願人は、上記の要望にこたえた光カードの製造方法を
発明し、すでに提案した(特願昭60-283268号)。その
製造方法は、カード基材上に金属薄膜層およびフォトレ
ジスト層をこの順で積層し、光情報パターンを書き込ん
だフォトマスクを介して露光し、現像およびエッチング
して光情報パターンを有する金属薄膜層を形成し、その
上に保護層を設け、所定の寸法のカードを打抜いて、カ
ード素材を得ることを特徴とする。このようにして、各
カードに共通な情報パターンの形成は一括してフォトレ
ジスト層のエッチングで行ない、固有の情報パターンは
1枚ごとにレーザービームにより書き込むのである。 ところが、光カードの試用の過程で、情報の書き込みや
読み取りの誤りが生じることが経験された。その原因を
調査したところ、光カードにキズがついたり、ホコリが
付着したりして、これが光学的操作の障害になっている
こと、また、このキズやホコリは、光カード製造の工程
においても問題になるということが判明した。
本発明の目的は、キャッシュカード、クレジットカー
ド、IDカードなどの記録および再生を光学的に行なう光
カードの製造に当って、情報の書き込みや読み取りの誤
りが生じることのない光カードの製造方法を提供するこ
とにある。 発明の構成
ド、IDカードなどの記録および再生を光学的に行なう光
カードの製造に当って、情報の書き込みや読み取りの誤
りが生じることのない光カードの製造方法を提供するこ
とにある。 発明の構成
本発明の光カード製造の第一の方法は、カード基材上に
光情報パターンを記録する金属薄膜層、保護層、硬化樹
脂層をこの順で積層し、得られたカード素材を所定の寸
法のカードに打抜くことからなる光カードの製造方法に
おいて、非加工面を微粘着フィルムで被覆したまま各工
程を実施することを特徴とする。 第1図を参照して、各工程を詳細に説明すれば、カード
基材1としてその両面を微粘着フィルム7で被覆したも
の(A)を使用し、一方の面の微粘着フィルムを剥離し
(B)、その面に、光情報パターン3を記録する金属薄
膜層4を設けた(C)後、その上を、微粘着フィルム7
で被覆する(D)。 次に、保護層5として、その両面を微粘着フィルム7で
被覆したもの(G)を使用し、一方の面の微粘着フィル
ム7を剥離して(H)、保護層5Aの面を、微粘着フィル
ム7を剥離した(E)金属薄膜4上に積層する(I)。
別法としては、微粘着フィルム7を剥離した金属薄膜層
上に、プラスチックを塗布することにより保護層5Bを設
けた(F)後、微粘着フィルム7で被覆してもよい
(I)。 続いて、保護層5上の微粘着フィルム7を剥離して
(J)、その上に硬化樹脂層6を積層した(K)後、そ
の上を微粘着フィルム7で被覆して(L)、打抜き工程
に回す。 本発明の光カード製造の第二の方法は、保護層となるプ
ラスチックフィルムの一方の面に硬化樹脂層を設け、他
方の面に光情報パターンを記録する金属薄膜層を形成
し、この金属薄膜層を接着剤層を介してカード基材上に
接着し、得られたカード素材を所定の寸法のカードに打
抜くことからなる光カードの製造方法において、非加工
面を微粘着フィルムで被覆したまま各工程を実施するこ
とを特徴とする。 第2図を参照して、各工程を詳細に説明すれば、保護層
5として、その両面を微粘着フィルム7で被覆したプラ
スチックフィルムを使用(N)し、一方の面の微粘着フ
ィルムを剥離して(O)、その上に硬化樹脂層6を積層
した(P)後、その上を、微粘着フィルム7で被覆する
(Q)。 次に、保護層5の微粘着フィルム7を剥離し(R)、そ
の上に金属薄膜層4を設けた(S)後、その上を微粘着
フィルム7で被覆する(T)。 続いて、カード基材1として、その両面を微粘着フィル
ム7で被覆したもの(V)を使用し、一方の面の微粘着
フィルム7を剥離し(W)、その面に、微粘着フィルム
7を剥離した金属薄膜層4を(U)、接着剤層2を介し
て貼り合わせる(X)。このようにして得た、表裏を微
粘着フィルム7で被覆したカード素材を、打抜き工程に
回す。 変更態様としては、金属薄膜層4と保護層5との層間に
アンダーコート層を設けてもよいし、保護層5と硬化樹
脂層6との層間にプライマー層を設けてもよい。 「微粘着フィルム」とは、容易に剥離できる程度の粘着
性をもったフィルムを意味し、ポリエチレンなどに代表
されるプラスチックフィルムに常用の微粘着剤加工を施
して、適当な粘着力を与えたものをいう。剥離したとき
にフィルム側に微粘着剤が残り、被覆されているものに
移行しないものを使用すべきである。 カード基材上には、必要に応じて他の記録手段、たとえ
ば磁気記録層などが施されていてもよい。カード基材の
材質は、常用の磁気カードと同様でよく、硬質のポリ塩
化ビニル樹脂、とくに色彩を施したり印刷を行なうた
め、白色のものが適当である。もちろん、その他の合成
樹脂も使用できるし、シート状であれば他の材料を使用
してもよい。折り曲げに対する抵抗が必要ならば、金属
の板や網、織布や不織布を用いて補強してもよい。カー
ド基材は、積層材であってもよい。 金属薄膜層は、下記のような金属または合金を使用し、
蒸着、スパッタリング、CVD、イオンプレーティング、
あるいは分子線エピタキシー、めっき等の手段により形
成する。 (1)光反射性のすぐれた金属、たとえばAl、Ni、Cr、
Ag、Au、およびこれらを主体とする合金。 (2)低融点金属であるTe、Zn、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、
In、Ga、Rb、およびこれらを主成分とする合金、好まし
い合金の例としては、Te-Se、Te-Se-Pb、Te-Pb、Te-Sn-
S、Sn-Cu、Te-Cu-Pbなどが挙げられる。 レーザービーム等の照射により相転移を生じて光の反射
率が変化する、Te酸化物、Sb酸化物、Mo酸化物、Ge酸化
物、V酸化物、Sm酸化物、あるいはTe酸化物−Ge、Te-S
nなどの化合物も、金属薄膜を形成するものとして使用
できる。 上記金属と有機化合物または無機酸化物との複合物たと
えばTe-CH4、Te-CS2、Te−スチレン、Sn-SO2、Ge3‐S
n、SnS-Sなどの薄膜、あるいはSiO2/Ti/SiO2/Alなどの
多層膜も、反射性金属薄膜として用い得る。 さらに、光磁気記録材料であるGdCo、TbCo、GdFe、DyF
e、GdTbFe、GdFeBi、TbDyFe、MnCuBiなども、反射性金
属薄膜として使用可能である。 厚さは、200Å〜10,000Å、好ましくは1,000Å〜5,000
Åである。 光情報パターンを記録する金属薄膜層の形成に当って
は、カード基材の表面または保護層の裏面に金属薄膜層
およびフォトレジスト層を積層し、フォトマスクを介し
て露光した後、現像およびエッチングして、各カードに
共通の情報を書き込むとよい。フォトレジスト層は、常
用のフォトレジストの材料を用い、ロールコート法など
任意の方法で塗布して形成すればよい。エッチングも、
常法に従って実施すればよい。 保護層は、カードの金属薄膜層を保護するものである。
保護層に要求される特性は、透明性が高いこと、平滑で
あること、および厚みムラのないことである。最も好ま
しい保護層材料の一例として、ポリカーボネート樹脂フ
ィルムが挙げられる。適切な厚さは、数μ〜800μ程度
である。そのほかに好ましい保護フィルムの例として
は、セルロース系樹脂(たとえばセルローストリアセテ
ート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタ
クリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエ
ーテルサルホン等のポリサルフォン樹脂、ポリメチルペ
ンテン等の樹脂のフィルムがある。また、これらの樹脂
を適宜の溶剤にとかして金属薄膜層上に塗布して形成し
てもよい。 保護フィルムの面には、積層する他の材料との接着力を
向上させるため、コロナ放電、プラズマ処理等の物理的
な処理、酸を用いた酸化処理やプライマーの塗布などの
処理を、必要に応じて行なうとよい。 さらに、保護層上に、下層の光情報パターンの再生に支
障がない限り、印刷層を設けてもよい。 硬化樹脂層は、カードの携帯時や使用時に傷がつくこと
と、それに伴ない傷の中に汚染物質がつまることを防止
し、光カードの耐久性、記録精度および再生の精度を向
上させる。 硬化樹脂層の材質としては、保護層の特性を低下させな
い限り、任意のものを使用できる。たとえば、シリコー
ン系、アクリル系、メラミン系、ポリウレタン系、エポ
キシ系等の硬化樹脂、Al2O3やSiO2等の金属酸化物、プ
ラズマ重合による重合膜が、具体的材質として挙げられ
る。 接着剤層は、カード基材とその上にある層との間を接着
するために、第二の製造方法において使用し、また第一
の製造方法においても、必要があれば使用する。光情報
パターンを記録する金属薄膜層が保護層よりも小さけれ
ば、保護層とカード基材とが接着することもある。従っ
て、接着剤層の接着剤は、カード基材の材質と金属薄膜
層の材質に加えて、保護層の材質も考慮して選択する。
接着剤の具体的な例は、エポキシ系、ウレタン系、アク
リル系もしくはシアノアクリレート系のものである。
光情報パターンを記録する金属薄膜層、保護層、硬化樹
脂層をこの順で積層し、得られたカード素材を所定の寸
法のカードに打抜くことからなる光カードの製造方法に
おいて、非加工面を微粘着フィルムで被覆したまま各工
程を実施することを特徴とする。 第1図を参照して、各工程を詳細に説明すれば、カード
基材1としてその両面を微粘着フィルム7で被覆したも
の(A)を使用し、一方の面の微粘着フィルムを剥離し
(B)、その面に、光情報パターン3を記録する金属薄
膜層4を設けた(C)後、その上を、微粘着フィルム7
で被覆する(D)。 次に、保護層5として、その両面を微粘着フィルム7で
被覆したもの(G)を使用し、一方の面の微粘着フィル
ム7を剥離して(H)、保護層5Aの面を、微粘着フィル
ム7を剥離した(E)金属薄膜4上に積層する(I)。
別法としては、微粘着フィルム7を剥離した金属薄膜層
上に、プラスチックを塗布することにより保護層5Bを設
けた(F)後、微粘着フィルム7で被覆してもよい
(I)。 続いて、保護層5上の微粘着フィルム7を剥離して
(J)、その上に硬化樹脂層6を積層した(K)後、そ
の上を微粘着フィルム7で被覆して(L)、打抜き工程
に回す。 本発明の光カード製造の第二の方法は、保護層となるプ
ラスチックフィルムの一方の面に硬化樹脂層を設け、他
方の面に光情報パターンを記録する金属薄膜層を形成
し、この金属薄膜層を接着剤層を介してカード基材上に
接着し、得られたカード素材を所定の寸法のカードに打
抜くことからなる光カードの製造方法において、非加工
面を微粘着フィルムで被覆したまま各工程を実施するこ
とを特徴とする。 第2図を参照して、各工程を詳細に説明すれば、保護層
5として、その両面を微粘着フィルム7で被覆したプラ
スチックフィルムを使用(N)し、一方の面の微粘着フ
ィルムを剥離して(O)、その上に硬化樹脂層6を積層
した(P)後、その上を、微粘着フィルム7で被覆する
(Q)。 次に、保護層5の微粘着フィルム7を剥離し(R)、そ
の上に金属薄膜層4を設けた(S)後、その上を微粘着
フィルム7で被覆する(T)。 続いて、カード基材1として、その両面を微粘着フィル
ム7で被覆したもの(V)を使用し、一方の面の微粘着
フィルム7を剥離し(W)、その面に、微粘着フィルム
7を剥離した金属薄膜層4を(U)、接着剤層2を介し
て貼り合わせる(X)。このようにして得た、表裏を微
粘着フィルム7で被覆したカード素材を、打抜き工程に
回す。 変更態様としては、金属薄膜層4と保護層5との層間に
アンダーコート層を設けてもよいし、保護層5と硬化樹
脂層6との層間にプライマー層を設けてもよい。 「微粘着フィルム」とは、容易に剥離できる程度の粘着
性をもったフィルムを意味し、ポリエチレンなどに代表
されるプラスチックフィルムに常用の微粘着剤加工を施
して、適当な粘着力を与えたものをいう。剥離したとき
にフィルム側に微粘着剤が残り、被覆されているものに
移行しないものを使用すべきである。 カード基材上には、必要に応じて他の記録手段、たとえ
ば磁気記録層などが施されていてもよい。カード基材の
材質は、常用の磁気カードと同様でよく、硬質のポリ塩
化ビニル樹脂、とくに色彩を施したり印刷を行なうた
め、白色のものが適当である。もちろん、その他の合成
樹脂も使用できるし、シート状であれば他の材料を使用
してもよい。折り曲げに対する抵抗が必要ならば、金属
の板や網、織布や不織布を用いて補強してもよい。カー
ド基材は、積層材であってもよい。 金属薄膜層は、下記のような金属または合金を使用し、
蒸着、スパッタリング、CVD、イオンプレーティング、
あるいは分子線エピタキシー、めっき等の手段により形
成する。 (1)光反射性のすぐれた金属、たとえばAl、Ni、Cr、
Ag、Au、およびこれらを主体とする合金。 (2)低融点金属であるTe、Zn、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、
In、Ga、Rb、およびこれらを主成分とする合金、好まし
い合金の例としては、Te-Se、Te-Se-Pb、Te-Pb、Te-Sn-
S、Sn-Cu、Te-Cu-Pbなどが挙げられる。 レーザービーム等の照射により相転移を生じて光の反射
率が変化する、Te酸化物、Sb酸化物、Mo酸化物、Ge酸化
物、V酸化物、Sm酸化物、あるいはTe酸化物−Ge、Te-S
nなどの化合物も、金属薄膜を形成するものとして使用
できる。 上記金属と有機化合物または無機酸化物との複合物たと
えばTe-CH4、Te-CS2、Te−スチレン、Sn-SO2、Ge3‐S
n、SnS-Sなどの薄膜、あるいはSiO2/Ti/SiO2/Alなどの
多層膜も、反射性金属薄膜として用い得る。 さらに、光磁気記録材料であるGdCo、TbCo、GdFe、DyF
e、GdTbFe、GdFeBi、TbDyFe、MnCuBiなども、反射性金
属薄膜として使用可能である。 厚さは、200Å〜10,000Å、好ましくは1,000Å〜5,000
Åである。 光情報パターンを記録する金属薄膜層の形成に当って
は、カード基材の表面または保護層の裏面に金属薄膜層
およびフォトレジスト層を積層し、フォトマスクを介し
て露光した後、現像およびエッチングして、各カードに
共通の情報を書き込むとよい。フォトレジスト層は、常
用のフォトレジストの材料を用い、ロールコート法など
任意の方法で塗布して形成すればよい。エッチングも、
常法に従って実施すればよい。 保護層は、カードの金属薄膜層を保護するものである。
保護層に要求される特性は、透明性が高いこと、平滑で
あること、および厚みムラのないことである。最も好ま
しい保護層材料の一例として、ポリカーボネート樹脂フ
ィルムが挙げられる。適切な厚さは、数μ〜800μ程度
である。そのほかに好ましい保護フィルムの例として
は、セルロース系樹脂(たとえばセルローストリアセテ
ート)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタ
クリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエ
ーテルサルホン等のポリサルフォン樹脂、ポリメチルペ
ンテン等の樹脂のフィルムがある。また、これらの樹脂
を適宜の溶剤にとかして金属薄膜層上に塗布して形成し
てもよい。 保護フィルムの面には、積層する他の材料との接着力を
向上させるため、コロナ放電、プラズマ処理等の物理的
な処理、酸を用いた酸化処理やプライマーの塗布などの
処理を、必要に応じて行なうとよい。 さらに、保護層上に、下層の光情報パターンの再生に支
障がない限り、印刷層を設けてもよい。 硬化樹脂層は、カードの携帯時や使用時に傷がつくこと
と、それに伴ない傷の中に汚染物質がつまることを防止
し、光カードの耐久性、記録精度および再生の精度を向
上させる。 硬化樹脂層の材質としては、保護層の特性を低下させな
い限り、任意のものを使用できる。たとえば、シリコー
ン系、アクリル系、メラミン系、ポリウレタン系、エポ
キシ系等の硬化樹脂、Al2O3やSiO2等の金属酸化物、プ
ラズマ重合による重合膜が、具体的材質として挙げられ
る。 接着剤層は、カード基材とその上にある層との間を接着
するために、第二の製造方法において使用し、また第一
の製造方法においても、必要があれば使用する。光情報
パターンを記録する金属薄膜層が保護層よりも小さけれ
ば、保護層とカード基材とが接着することもある。従っ
て、接着剤層の接着剤は、カード基材の材質と金属薄膜
層の材質に加えて、保護層の材質も考慮して選択する。
接着剤の具体的な例は、エポキシ系、ウレタン系、アク
リル系もしくはシアノアクリレート系のものである。
本発明の光カードの製造方法は、各層を形成する製造工
程において、非加工面が常に微粘着フィルムで被覆され
保護されているから、製造工程中に、各層の表面にキズ
がついたり、ホコリが付着したりすることが防がれる。
程において、非加工面が常に微粘着フィルムで被覆され
保護されているから、製造工程中に、各層の表面にキズ
がついたり、ホコリが付着したりすることが防がれる。
厚さ400μの透明ポリカーボネートシートの両面を厚さ6
0μの微粘着フィルム(ポリエチレン/エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体)で被覆したものを用意し、一方
の面の微粘着フィルムを剥離して、下引き処理剤「プラ
イマーPC-4」(信越化学)をグラビア法により塗布し
た。その上にシリコーン系硬化樹脂剤「X12-2150A」と
「X-12-2150B」(信越化学)の10:1混合物をグラビア法
により塗布し、100℃で30分間加熱して硬化させ硬化樹
脂層を形成した後、その表面を微粘着フィルムで被覆し
た。 このシートのポリカーボネートシートの面の微粘着フィ
ルムを剥離してフレオン洗浄し、続いて80℃の温度で30
分間熱処理した後、真空蒸着により厚さ0.3μのアルミ
ニウム層を形成してから、蒸着面を微粘着フィルムで被
覆した。 次いでアルミニウム層の微粘着フィルムを剥離して、こ
の表面にフォトレジスト「WAYCOAT HPR204」(富士ハ
ントエレクトロニクステクノロジー)を、ロールコータ
ーで、乾燥時の厚さが1μになるように塗布し、100℃
で20分間プリベーキングしてフォトレジスト層とした。 露光用マスクとして、電子線描画装置により、光情報パ
ターンを書き込んだものを用い、このマスクを上記のフ
ォトレジスト層に密着させ、マスクの上から紫外線照射
を行なうことによりパターン露光した。 露光後、現像液「LST」(富士ハントエレクトロニクス
テクノロジー)に浸漬して露光部のフォトレジストを溶
解除去した。続いて100℃の温度で20分間ポストベーキ
ングし、腐食液(リン酸16部、酢酸2部、硝酸1部およ
び水1部からなる。いずれも部は容量部を示す。)に3
分間浸漬し、露光部のアルミニウム層を除去して、光情
報パターンを記録した金属薄膜層を形成した。その上を
微粘着フィルムで被覆した。 一方、厚さ300μの白色硬質ポリ塩化ビニルシートの両
面を微粘着フィルムで被覆したシートを用意した。 この白色硬質ポリ塩化ビニルシートの一方の面の微粘着
フィルムを剥離し、その面と、微粘着フィルムを剥した
上記の光情報パターンを記録した金属薄膜層とが相対す
るようにして、アクリル系感熱接着剤を介して貼り合わ
せ、表面を温度110℃の熱ロールを用いて圧着し、光カ
ード素材を形成した。 この素材を打抜き金型により打抜き、書き込みや読み取
りに支障がない光カードを得た。 発明の効果 本発明の製造方法によれば、各工程でキズがついたり、
ホコリが付着したりすることが防止される結果、情報の
書き込みや読み取りの誤りが生じることがない光カード
が得られる。 本発明の製造方法は、どのカードにも共通の情報パター
ンはエッチング方式で与えるという、すでに提案した前
記発明を利用できるので、その効果である。量産が容易
でコストが安いというメリットを享受できる。
0μの微粘着フィルム(ポリエチレン/エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体)で被覆したものを用意し、一方
の面の微粘着フィルムを剥離して、下引き処理剤「プラ
イマーPC-4」(信越化学)をグラビア法により塗布し
た。その上にシリコーン系硬化樹脂剤「X12-2150A」と
「X-12-2150B」(信越化学)の10:1混合物をグラビア法
により塗布し、100℃で30分間加熱して硬化させ硬化樹
脂層を形成した後、その表面を微粘着フィルムで被覆し
た。 このシートのポリカーボネートシートの面の微粘着フィ
ルムを剥離してフレオン洗浄し、続いて80℃の温度で30
分間熱処理した後、真空蒸着により厚さ0.3μのアルミ
ニウム層を形成してから、蒸着面を微粘着フィルムで被
覆した。 次いでアルミニウム層の微粘着フィルムを剥離して、こ
の表面にフォトレジスト「WAYCOAT HPR204」(富士ハ
ントエレクトロニクステクノロジー)を、ロールコータ
ーで、乾燥時の厚さが1μになるように塗布し、100℃
で20分間プリベーキングしてフォトレジスト層とした。 露光用マスクとして、電子線描画装置により、光情報パ
ターンを書き込んだものを用い、このマスクを上記のフ
ォトレジスト層に密着させ、マスクの上から紫外線照射
を行なうことによりパターン露光した。 露光後、現像液「LST」(富士ハントエレクトロニクス
テクノロジー)に浸漬して露光部のフォトレジストを溶
解除去した。続いて100℃の温度で20分間ポストベーキ
ングし、腐食液(リン酸16部、酢酸2部、硝酸1部およ
び水1部からなる。いずれも部は容量部を示す。)に3
分間浸漬し、露光部のアルミニウム層を除去して、光情
報パターンを記録した金属薄膜層を形成した。その上を
微粘着フィルムで被覆した。 一方、厚さ300μの白色硬質ポリ塩化ビニルシートの両
面を微粘着フィルムで被覆したシートを用意した。 この白色硬質ポリ塩化ビニルシートの一方の面の微粘着
フィルムを剥離し、その面と、微粘着フィルムを剥した
上記の光情報パターンを記録した金属薄膜層とが相対す
るようにして、アクリル系感熱接着剤を介して貼り合わ
せ、表面を温度110℃の熱ロールを用いて圧着し、光カ
ード素材を形成した。 この素材を打抜き金型により打抜き、書き込みや読み取
りに支障がない光カードを得た。 発明の効果 本発明の製造方法によれば、各工程でキズがついたり、
ホコリが付着したりすることが防止される結果、情報の
書き込みや読み取りの誤りが生じることがない光カード
が得られる。 本発明の製造方法は、どのカードにも共通の情報パター
ンはエッチング方式で与えるという、すでに提案した前
記発明を利用できるので、その効果である。量産が容易
でコストが安いというメリットを享受できる。
第1図AないしLおよび第2図NないしXは、ともに本
発明の光カードの製造方法の各工程を説明するための、
模式的な断面図である。 1……カード基材 2……接着剤層 3……光情報パターン 4……金属薄膜層 5……保護層 6……硬化樹脂層 7……微粘着フィルム
発明の光カードの製造方法の各工程を説明するための、
模式的な断面図である。 1……カード基材 2……接着剤層 3……光情報パターン 4……金属薄膜層 5……保護層 6……硬化樹脂層 7……微粘着フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 祐司 東京都新宿区鷹匠町6
Claims (10)
- 【請求項1】カード基材上に光情報パターンを記録する
金属薄膜層、保護層、硬化樹脂層をこの順で積層し、得
られたカード素材を所定の寸法のカードに打抜くことか
らなる光カードの製造方法において、非加工面を微粘着
フィルムで被覆したまま各工程を実施することを特徴と
する製造方法。 - 【請求項2】保護層となるプラスチックフィルムの一方
の面に硬化樹脂層を設け、他方の面に光情報パターンを
記録する金属薄膜層を形成し、この金属薄膜層を接着剤
層を介してカード基材上に接着し、得られたカード素材
を所定の寸法のカードに打抜くことからなる光カードの
製造方法において、非加工面を微粘着フィルムで被覆し
たまま各工程を実施することを特徴とする製造方法。 - 【請求項3】カード基材として、その両面を微粘着フィ
ルムで被覆したものを使用し、一方の面の微粘着フィル
ムを剥離し、その面に光情報パターンを記録する金属薄
膜層を設けた後、再度微粘着フィルムで被覆して次の工
程に進む特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。 - 【請求項4】保護層として、その両面を微粘着フィルム
で被覆したプラスチックフィルムを使用し、一方の面の
微粘着フィルムを剥離し、その面を、光情報パターンを
記録する金属薄膜層上に積層した後、再度微粘着フィル
ムを被覆して次の工程に進む特許請求の範囲第1項に記
載の製造方法。 - 【請求項5】微粘着フィルムを剥離した光情報パターン
を記録する金属薄膜層上に、プラスチックを塗布するこ
とにより保護層を設けた後、再度微粘着フィルムで被覆
して次の工程に進む特許請求の範囲第1項に記載の製造
方法。 - 【請求項6】保護層上の微粘着フィルムを剥離して、そ
の上に硬化樹脂層を設けた後、再度微粘着フィルムで被
覆して次の工程に進む特許請求の範囲第1項に記載の製
造方法。 - 【請求項7】保護層として、その両面を微粘着フィルム
で被覆したものを使用し、一方の面の微粘着フィルムを
剥離して、その上に硬化樹脂層を積層した後、再度微粘
着フィルムで被覆して次の工程に進む特許請求の範囲第
2項に記載の製造方法。 - 【請求項8】微粘着フィルムで被覆された硬化樹脂層を
有する保護層の微粘着フィルムを剥離し、その上に光情
報パターンを記録する金属薄膜層を設けた後に、再度微
粘着フィルムで被覆して次の工程に進む特許請求の範囲
第2項に記載の製造方法。 - 【請求項9】カード基材として、その両面を微粘着フィ
ルムで被覆したものを使用し、一方の面の微粘着フィル
ムを剥離し、その面に光情報パターンを記録する金属薄
膜層を接着剤層を介して貼り合わせて次の工程に進む特
許請求の範囲第2項に記載の製造方法。 - 【請求項10】表裏を微粘着フィルムで被覆したカード
素材を所定の寸法のカードに打抜いて実施する特許請求
の範囲第1項または第2項に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61131573A JPH07109666B2 (ja) | 1986-06-06 | 1986-06-06 | 光カ−ドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61131573A JPH07109666B2 (ja) | 1986-06-06 | 1986-06-06 | 光カ−ドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62287450A JPS62287450A (ja) | 1987-12-14 |
JPH07109666B2 true JPH07109666B2 (ja) | 1995-11-22 |
Family
ID=15061212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61131573A Expired - Fee Related JPH07109666B2 (ja) | 1986-06-06 | 1986-06-06 | 光カ−ドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07109666B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001086648A1 (fr) * | 2000-04-25 | 2001-11-15 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Procede de fabrication de substrat de disque, procede et dispositif de fabrication de disque optique |
KR102151560B1 (ko) * | 2019-02-11 | 2020-09-03 | 코나아이 (주) | 금속 장식이 삽입된 플라스틱 카드의 제조방법 및 금속 장식이 삽입된 플라스틱 카드 |
-
1986
- 1986-06-06 JP JP61131573A patent/JPH07109666B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62287450A (ja) | 1987-12-14 |
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