JPH07109481B2 - フイルムキヤリア - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフイルム上の画像を感光材料へ焼付ける場合に
用いるフイルムキヤリアに関する。

〔背景技術〕

一般的にネガフイルムの現像後に画像を印画紙へ焼付け
る場合にフイルムキヤリアが用いられている。

このフイルムキヤリアの中でも、多数駒を有する長尺フ
イルムに限らず４画像駒〜７画像駒毎に切断された短尺
フイルムをも迅速に焼付光軸へ配置可能なものが提案さ
れている（実開昭63-339号）。このネガキヤリアによれ
ば、フイルムを長手方向のみならず幅方向へ移動して光
軸へ配置できるので、迅速な操作が可能である。

ところが、このフイルムキヤリアではフイルムを幅方向
に移動してフイルム搬送路上へ送るので、フイルムの表
裏面に各々発光手段と受光手段を配置してフイルム上の
バーコードを読取る場合にも、この発光手段と受光手段
とを離間させてフイルム挿入時に対処しなくてはならな
い。従って、フイルム側端から一定長さに形成されてい
るバーコードに対応するためにこれらの発光手段と受光
手段とを各々フイルム幅方向に移動可能にすると、これ
らが別個にフイルム幅方向に移動し、発光手段と受光手
段とが互いにずれてバーコード読取エラーの原因とな
る。

本発明は上記事実を考慮し、フイルムの搬送路への挿入
が容易なフイルムキヤリアであっても正確にフイルム上
のバーコードを読取ることができるフイルムキヤリアを
得ることが目的である。

〔発明の概要及び作用〕

本発明に係るフイルムキヤリアは、アツパマスクとロア
マスクとが互いに離間開放されてフイルムが幅方向に光
軸へ挿入可能とされるフイルムキヤリアであって、フイ
ルム通過路の片側に配置されフイルム幅方向へ移動可能
とされる発光手段と、フイルム通過路の他の片側に配置
されフイルム幅方向へ移動可能とされる受光手段と、こ
れらの発光手段と受光手段とを互いに離間可能とする開
閉手段と、フイルムの側端へ押圧されて前記発光手段又
は受光手段をフイルム上のバーコードへ対応させる案内
手段と、前記発光手段と受光手段とを連結しこれらを共
にフイルム幅方向へ移動させる連動手段と、を有するこ
とを特徴としている。

このため本発明では、開閉手段が閉じてフイルムが搬送
される状態では連動手段によって発光手段と受光手段と
が連結されてフイルムの幅方向に移動する。従って案内
手段によって、これらの発光、受光手段は正確にフイル
ムの側端から所定位置でしかも互いに同軸的に配置され
てバーコードの読取精度を向上する。

連動手段としては、位置決めピンと、これが挿入される
孔や磁力による吸着力を用いることができる。

〔発明の実施例〕

第１図〜第９図に示される如く本実施例に係るフイルム
キヤリア10は固定的に配置される台座12に対して開閉手
段としての開閉アーム14及びアツパマスクホルダ16が旋
回して開放し、ネガフイルム18をその幅方向（矢印Ｆ方
向）又は長手方向に送り込んでフイルム搬送路Ａ及び光
軸Ｐ上の焼付位置へ対応させることができるようになっ
ている。以下に上記各部品ごとに構成を説明する。

（台座12及びその関連部品） 台座12は写真焼付装置（図示省略）へ固定される固定座
20（第５、６図参照）を覆うようにこの固定座20へ取付
けられており、前面には操作ボタン21が配置されてい
る。

第４、８図に示される如く光軸Ｐの上流側及び下流側に
はそれぞれ搬送ローラ22、24が設けられ、搬送されるネ
ガフイルム18の裏面（下面）に対応して配置されてい
る。これらの搬送ローラ22、24は接触用大径部22A、22B
及び24A、24Bが設けられてフイルム両側端への接触用と
なっている。

またこれらの搬送ローラ22、24はそれぞれ回転軸26、28
へ固着されており、平面的に見てフイルム搬送路Ａと直
角方向に配置されている。これらの回転軸26、28は搬送
ローラ22、24の軸長Ｗ（第８図）に比べてかなり長くな
っており、回転軸26の奥側端部は軸受30で、手前側端部
は軸受32で台座12へそれぞれ軸支されている。また回転
軸28の奥側端部は軸受34で、手前側端部は軸受36で台座
12へそれぞれ軸支されている。

軸受30と搬送ローラ22との間には回転軸26へプーリ38
が、軸受34と搬送ローラ24との間にはプーリ40がそれぞ
れ固着されており、これらのプーリ38、40間へタイミン
グベルト42が掛け渡されている。これによって回転軸2
6、28は軸方向に見て同一回転方向でかつ同一回転数で
回転されるようになっている。

プーリ40と搬送ローラ24との間にはプーリ44が固着され
ており、タイミングベルト46の一部が巻掛けられてい
る。このタイミングベルト46の他の一部はプーリ48へ巻
掛けられており、このプーリ48はモータ50の出力軸52へ
連結されている。このモータ50はブラケット54を介して
台座12へ搭載されている。

このためモータ50はその回転力をタイミングベルト46、
42を介して回転軸26、28へ伝え、搬送ローラ22、24を第
５図時計方向に回転させ、フイルム搬送路Ａ上のネガフ
イルム18へ搬送力を与えるようになっている。

モータ50は台座12へ取りつけられるモータカバー55（第
１図〜第３図）で覆われている。

なお搬送ローラ22の下流側にはガイドプレート58が取付
けられており、ネガフイルム18の幅寸法に対応した溝60
を有し、焼付位置から送り出されるネガフイルム18を案
内するようになっている。

（ロアマスク64及びその関連部品） 第５図に示される如くフイルム搬送路Ａの下方には台座
12へロアマスク64が搭載されている。このロアマスク64
は第８図に示される如く薄肉の板材であり、中央部に立
設される案内壁66の反対側へ第１マスク開口68と第２マ
スク開口70とがそれぞれ貫通されている。一例として第
１マスク開口68はレギユラーサイズ（24×36mm）のフイ
ルムの画像に対応し、第２マスク開口70はハーフサイズ
（18×24mm）の画像の大きさに対応するようになってい
る。

なおこの第１マスク開口68、第２マスク開口70はその開
口部の上流側及び下流側にテーパ面72を有してフイルム
の引掛かりを防止している。またこのテーパ面72の裏面
はテーパ面72と逆方向のテーパ面74（第５図）とされて
おり、このテーパ面74の最大直径部に対応する開口76が
台座12に形成されている。

ロアマスク64は長手方向両端部に案内壁78、80が立設さ
れている。この案内壁78、80はそれぞれ案内壁66との間
がフイルムの案内溝を構成するようになっている。また
案内壁78、80には矩形溝82がそれぞれ形成され、この矩
形溝82の中には位置決めピン86、88を吸着するためのマ
グネットが接着されている。この矩形溝82の底面からは
円孔84がロアマスク64の表裏を貫通している。これらの
円孔84は台座12から立設される位置決めピン86、88の挿
入用となっている。すなわちロアマスク64は第４図に示
される状態から持ち上げて位置決めピン86、88から抜き
出し、案内壁66を中心に反転させた後に再び円孔84を位
置決めピン86、88へ挿入すれば第２マスク開口70が光軸
Ｐに対応するようになっている。

この場合第６図に示される如く第２マスク開口70付近に
はロアマスク64の裏面に凹部90が設けられており、台座
12へ取付けられるリミツトスイツチ92の検出アーム94が
対応するようになっている。このリミツトスイツチ92は
第１マスク開口68が光軸Ｐに対応した場合に検出アーム
94が凹部90内へ入り込んでおり、ロアマスク64を反転さ
せて第２マスク開口70を光軸Ｐに対応した場合にはロア
マスク64の裏面が検出アーム94をリミツトスイツチ92へ
押し込んでこの反転状態を検出できるようになってい
る。

第４図及び第８図に示される如く第１マスク開口68が搬
送ローラ22と24との間に対応して光軸Ｐと同軸的に配置
された状態では、第２マスク開口70は大径部22B、軸受3
2間の回転軸26と大径部24B、軸受36間の回転軸28との間
に配置されるようになっている。このため搬送ローラ22
と搬送ローラ24とを第１マスク開口68にできるだけ接近
した配置にしてネガフイルム18の送りを確実にすること
ができる。

すなわち回転軸26、28の軸長を短かくし、軸受32、36を
搬送ローラ22、24に接近した状態で回転軸26、28を台座
12へ軸支させると、この軸受32、36をロアマスク64と充
分に離して焼付位置の上流側及び下流側へ移動させた配
置にする必要があり、搬送ローラ22、24間の間隔が長く
なる不具合を有することになるが、本実施例はこれを解
消している。

（ノッチ検出機構及びその関連部品） 第４図及び第８図に示される如くロアマスク64には台座
12への取付け状態で光軸Ｐの若干量だけ手前側（上流
側）に配置されるようにフイルム搬送路Ａを挟んで一対
の長孔202、203が貫通形成されている。これらの長孔20
2、203はその長手方向がフイルム幅方向とされており、
一部が案内壁78と案内壁66へ、他の一部が第１マスク開
口68へ接近する状態となっている。

これらの長孔202、203へは第８図に示されるフイルム位
置検出手段である検出ピン204、206がそれぞれ挿入され
ている。これらの検出ピン204、206は検出レバー208、2
10の先端へそれぞれ固着されている。これらの検出レバ
ー208、210は長手方向がフイルム搬送路Ａと平行になっ
ているが、光軸Ｐ方向に見て（すなわち平面図で）第１
マスク開口68内へ突出することなく迂回しており、焼付
の妨げにならないような配置である。これらの検出レバ
ー208、210の中間部にそれぞれ軸支ピン212が固着され
ており、軸受214を介して台座12へ軸支されている。

検出レバー208、210は第９図に示される如く検出ピン20
4、206の反対側の中間部において略Ｌ字状に屈曲して回
転軸28と干渉しないようになっており、先端部はさらに
屈曲したストライカ208A、210Aとなっている。これらの
ストライカ208A、210Aは台座12へ取付けられるセンサ21
6、218と対応しており、検出レバー208、210の動きを検
出できるようになっている。

すなわちストライカ208A、210Aは台座12との間に引張コ
イルばね220、222がそれぞれ取付けられ、検出ピン20
4、206がフイルム搬送路Ａ内へ入り込む方向に付勢され
ている。このためフイルム搬送路Ａ上をネガフイルム18
が搬送されると、このネガフイルム18の画像18Aに対応
して形成されるノツチ18B内へ入り込んでこれを検出で
きるようになっている。

詳しく説明するとこのノツチ18Bは図示しない前工程に
おいて画像18Aが焼付に適したものである場合にはノツ
チ18Bが画像18Aの長手方向中央部に対応して形成されて
いるので、検出ピン204又は検出ピン206がこのノツチ18
B内へ入り込んでこれを検出し、露光が行われるように
なっている。このノツチ検出はフイルム停止位置である
光軸Ｐよりも若干手前（上流）で行われるので、画像18
Aが光軸Ｐへ一致される前にこの画像18Aの焼付可否が決
定される。

従って検出ピン204又は検出ピン206でノツチ18Bが検出
された後にさらに若干だけネガフイルム18が搬送された
後で停止されるので、ノツチ検出位置で搬送を急激に停
止させる必要はなく、高速搬送が可能である。またこの
検出ピン204、206と光軸位置とのフイルム搬送方向のず
れは、ネガフイルム18へ形成されるノツチ18Bのフイル
ム長手方向の最大誤差よりも大きくされている。このた
めノツチ18Bが検出されるのは必ず光軸Ｐの手前とな
り、ノツチ検出後にネガフイルム18を戻す必要はない。

さらに、検出ピン204、206が焼付位置で停止する直前の
画像コマに対応しているので、制御装置はこれらの検出
ピンによるノツチ検出後にこの画像が焼付位置で停止す
る迄の短い範囲（フイルムの１コマ長さ以内）の記憶を
するのみでよい。これに対してノツチ検出を焼付位置の
数コマ上流で行う場合にはこれに応じた大きな記憶容量
が必要になる。

一方第２マスク開口70に対応して案内壁66と案内壁80に
も長孔224、226が形成されている。これらの長孔224、2
26も長孔202、203と同様な形状であり、一部がフイルム
搬送路Ａ内へ入り込んでいる。またこれらの長孔224、2
26は第４図に示される如く第１マスク開口68が光軸Ｐと
対応した場合には光軸Ｐの若干量だけ下流側に配置され
ている。このためこのロアマスク64を第８図の上方に持
ち上げて第１マスク開口68と第２マスク開口70とを交換
するように180°旋回して第２マスク開口70を光軸Ｐに
一致させると長孔224、226とが検出ピン204、206とへそ
れぞれ対応されるようになっている。

なおこのノツチ検出機構を用いてフイルム端面の検出、
先頭画像及び後端画像の検出も可能となる。すなわち第
２図の如くネガフイルム18の画像18Aには片側にノツチ1
8Bを付与し、先頭画像又は後端画像の両側面にネガフイ
ルム長手方向に若干量だけ互いにずれてノツチ18Bをそ
れぞれ形成する。これによって検出ピン204、206が同時
に拡開された場合にはネガフイルム18の端面18Cである
ことが検出され、検出ピン204、206のいずれか一方のみ
がノツチ18Bを検出した場合には焼付可能な画像18Aであ
ることが、検出ピン204と検出ピン206とが若干量の時間
差を生じてそれぞれノツチ18Bを検出した場合には先頭
又は末尾の画像であることが検出される。

（開閉アーム14及びその関連部品） 開閉アーム14は第１、２図及び第３図に示される如く平
面形状で光軸Ｐの回りに貫通孔98が形成された枠状とさ
れており、一端部は第７図に示される如く軸100で台座1
2へ軸支されている。この軸100にはねじりコイルばね10
2が同軸的に取付けられ、開閉アーム14を第７図時計方
向に回転付勢している。しかしこの開閉アーム14には先
端部付近にラツチ104が取付けられ、台座12から立設さ
れるフツク106と係合することにより第７図に実線で示
される状態を維持できるようになっている。

ラツチ104はピン108により開閉アーム14へ軸支され、先
端屈曲部がフツク106の先端屈曲部と係合するようにな
っており、開閉アーム14とラツチ104との間に掛け渡さ
れる引張コイルばね110の付勢力によりこの係合状態が
維持されるようになっている。ラツチ104の他の一端は
開閉アーム14に形成した開口112から突出している。こ
の開口112は作業員がこれを引張コイルばね110の付勢力
に抗してピン108回りに回動すればラツチ104がフツク10
6から外れるため開閉アーム14がねじりコイルばね102の
付勢力で第７図想像線状態及び第２図に示される如く旋
回上昇されるようになっている。さらにこの開閉アーム
14は手動で第７図時計方向へ大きく旋回させることがで
きる。

フツク106はロアマスク64の第２マスク開口70を通って
上方へ突出しているが、ロアマスク64を反転した状態で
は第１マスク開口68を通って突出されることになる。

第５図に示される如く開閉アーム14には一対のプレスロ
ーラ114、116が取付けられ、それぞれ搬送ローラ22、24
との間にネガフイルム18を挟持し、搬送ローラ22、24の
回転時にネガフイルム18を搬送できるようになってい
る。

これらのプレスローラ114、116は支軸118へ軸支されて
おり、第７図に示される如く支軸118の両端部は開閉ア
ーム14へプレート119を介して固着されるブラケツト120
の長孔122内へ収容されている。この長孔122は支軸118
をフイルム搬送路Ａと接離させる方向に移動可能として
いる。ブラケツト120内には支軸118を押下げてプレスロ
ーラ114、116を搬送ローラ22、24へ押圧するための圧縮
コイルばね124がプレート119から突出されるピンの回り
に設けられている。

従って開閉アーム14が第７図に実線で示される状態で
は、プレスローラ114、116は圧縮コイルばね124の付勢
力で搬送ローラ22、24へ押圧されている。なおこれらの
プレスローラ114、116も搬送ローラ22、24と同様に軸方
向両端部を大径として中間部がネガフイルム18の画像面
と接触しないように配慮する。

開閉アーム14の下流側面にはＬ形のガイド板96が取りつ
けられてネガフイルムの案内用となっている。

（アツパマスクホルダ16及びその関連部品） アツパマスクホルダ16は第１図に示される如く平面的に
見て開閉アーム14の内側に配置されている。また第６図
に示される如く開閉アーム14と共に軸100へ軸支されて
旋回可能となっている。しかしアツパマスクホルダ16は
開閉アーム14を介して台座12へ、又は開閉アーム14をア
ツパマスクホルダ16を介して台座12へ軸支するようにし
てもよい。

アツパマスクホルダ16の先端部にはビス134でマスク台1
36が固着されている。このマスク台136へはマスク開口
よりも大きな開口137が形成されていると共にアツパマ
スク138が取付けられている。このアツパマスク138はマ
スク開口140の四隅付近へ一端が固着されたピン142の先
端部がマスク台136を貫通し、その突出先端部に止め輪1
44が嵌合されることによってマスク台136へ取りつけら
れている。このアツパマスク138とマスク台136との間に
はピン142の外周へ圧縮コイルばね146が取付けられてい
る。

これによってアツパマスク138は常にフイルム搬送路Ａ
に向けて付勢力を受けている。マスク開口140の大きさ
は第１マスク開口68、第２マスク開口70の何れよりも大
きく形成され、これによって第１マスク開口68、第２マ
スク開口70が焼付画像の大きさを決定するようになって
いる。

アツパマスク138は開閉アーム14が第７図に実線で示さ
れる状態の場合には第６図に示される如くロアマスク64
とは接触しておらず、ネガフイルム18を自由に搬送する
配置となっているが、この状態からアツパマスクホルダ
16が第６図反時計方向に旋回されるとロアマスク64と接
触してネガフイルム18を挟持するようになっている。

この旋回は第６図に示される如くアツパマスクホルダ16
へ取付けられた駆動手段としてのソレノイド148によっ
て行われる。このソレノイド148から突出したアクチユ
エータ150は開閉アーム14へ固着されている。従ってソ
レノイド148は通電時に励磁力でアクチユエータ150を押
圧するので、アツパマスクホルダ16が開閉アーム14から
離れアツパマスク138をロアマスク64へ押圧できる。

ソレノイド148による回転力が作用していない場合には
アツパマスクホルダ16を第６図の状態に持上げるねじり
コイルばね153が軸100へ同軸的に取りつけられている。
このねじりコイルばね153に代えて圧縮コイルばね等の
他のばねを用いてもよいのは当然である。

（バーコード読取機構） 第１図〜第３図に示される如く光軸Ｐの上流側にバーコ
ード読取機構230が配置されている。このバーコード読
取機構230の下方には第４図に示される如く搬送ローラ2
2と平行な搬送ローラ232がその両端部を軸受234、236で
台座12へ軸支されている。この搬送ローラ232へ固着さ
れたプーリ238とプーリ38との間へタイミングベルト240
が掛け渡されて回転力が伝達され、搬送ローラ232の中
間部に設けられる大径部232A、232Bがネガフイルム18の
下面と接触するようになっている。

一方この搬送ローラ232との間にネガフイルム18を挟持
する搬送ローラ242は第５図に示される如く開閉アーム1
4へ固着されるケース244へ軸支された開閉アーム14と共
に上下動可能となっている。搬送ローラ232と搬送ロー
ラ22との間にはこれらに平行に支軸246が配置されてい
る。

第10図に示される如くこの支軸246はフイルム搬送路Ａ
の下面に配置されるガイドブロツク248へその中央部が
固着され、このガイドブロツク248から両端部が突出す
る配置になっている。

この突出した両端部には移動ブロツク250がスライドベ
アリング252を介してそれぞれ軸支されている。これら
の移動ブロツク250には軸心が垂直に向けられて発光素
子254が取付けられている。またこれらの移動ブロツク2
50には第10図に示される如く対向面に切欠が形成されて
ネガフイルム18の両側部下面を支持する支持面250Aと、
この支持面250Aの端部から立設されたネガフイルム18の
側端面の当接用とされる案内手段としての案内面250Bが
形成されている。

従ってこれらの移動ブロツク250は支軸246の先端との間
に介在される圧縮コイルばね256の付勢力を受けてフイ
ルム搬送路Ａへ接近するようになっており、案内面250B
がネガフイルム18の側端面を押圧する配置になってい
る。

ケース244の天井面へ固着された保持ブロツク260にはフ
イルム搬送路Ａの上方に突出部260Aが形成され、この保
持ブロツク260の両側部に従動ブロツク262がそれぞれ配
置されている。これらの従動ブロツク262は突出部260A
へ中央部が貫通する支軸264の両端部が貫通している。
この支軸264は支軸246と平行に配置されており、従動ブ
ロツク262が移動ブロツク250と同様にフイルム搬送路Ａ
の接離方向に移動できるようになっている。これらの従
動ブロツク262は内部に受光素子266が配置されて発光素
子254と対応しており、発光素子254からの発光により照
明されるネガフイルム18のバーコードを検出できるよう
になっている。

またこの従動ブロツク262の下端面から突出する押圧面2
62Aは支持面250Aとの間にネガフイルム18の両側部付近
を挟持するようになっている。さらに従動ブロツク262
には位置決めピン268が下端面から垂直下方に向けて突
出しており、移動ブロツク250に形成された位置決め孔2
70内へ挿入されている。これらの位置決めピン268及び
位置決め孔270は発光手段252と受光手段266とを連動さ
せる連動手段としての役目を有している。

このためケース244が開閉アーム14と共に上方へ開放さ
れた状態ではこの位置決めピン268が位置決め孔270から
抜け出し、これに伴って押圧面262Aが支持面250Aから離
れてネガフイルム18の挟持を解消するが、開閉アーム14
が再び装填状態になると位置決めピン268が位置決め孔2
70内へ入り込み、従動ブロツク262は移動ブロツク250に
追従してネガフイルム18の幅方向へ移動可能となる。

なお従動ブロツク262の頂面には小ねじ274が植設されて
おり、この小ねじ274は保持ブロツク260に形成された受
孔276内へ隙間を有して挿入されている。この隙間の量
だけ従動ブロツク262は支軸264の長手方向に移動可能と
なっている。またこの従動ブロツク262は保持ブロツク2
60との間に圧縮コイルばね278が介在されることにより
押圧面262Aがネガフイルム18の両側端部を支持面250Aへ
押圧するようになっている。

次に本実施例の作用を説明する。

このフイルムキヤリア10を図示しない焼付装置に取付
け、光軸Ｐを焼付装置の光軸と一致させる。

ロールフイルムの供給時には、第１図の状態としてモー
タ50を駆動すると共にネガフイルム先端部を矢印Ａ方向
に送り、搬送ローラ22とプレスローラ114との間に挿入
する。これによって搬送ローラ22とプレスローラ114は
フイルム先端部をＡ方向に挟持搬送し、任意の画像駒を
光軸Ｐへ合致させることができる。

次に画像駒が４〜６駒程度の数駒毎にカツトされた短尺
のネガフイルム18を光軸Ｐへ合致させる場合は、ラツチ
104をピン108回りに回転させてフツク106と離脱させ
る。これによって第２図に示される如く開閉アーム14及
びアツパマスクホルダ16はねじりコイルばね102の付勢
力で旋回上昇される。このためプレスローラ114、116、
アツパマスク138が搬送ローラ22、24、ロアマスク64と
離れてフイルム搬送路Ａが開放される。これによって作
業員は第２図矢印Ｆ方向にネガフイルム18を挿入して容
易にフイルム搬送路Ａ上へ載置することができる。

ここで開閉アーム14を押下げれば、ラツチ104はフツク1
06へ係合するので再びフイルム搬送路Ａが閉止され、プ
レスローラ114、116が搬送ローラ22、24へ当接する。こ
の当接状態では既に搬送ローラ22、24上に載置されてい
るネガフイルム18を挟持することになる。

従ってモータ50の回転によって搬送ローラ22、24はネガ
フイルム18を任意量だけ送り、画像駒を光軸Ｐと合致さ
せる。このネガフイルム18の搬送状態ではアツパマスク
138はネガフイルム18と接触していないが、ソレノイド1
48を励磁することによりアツパマスクホルダ16が降下す
るので、アツパマスク138がネガフイルム18をロアマス
ク64との間に挟持して正確な焼付けを可能とする。アツ
パマスクホルダ16のオーバーストロークはアツパマスク
138がマスク台136と相対移動して吸収する。

ネガフイルム18をモータ50で送る場合に、ネガフイルム
18の画像18Aはその側面に記録されたバーコードがバー
コード読取機構230で読取られることによってその画像
が特定される。すなわち発光素子254がネガフイルム18
の下方からバーコードを照らし、これをネガフイルム18
の上方で受光素子266が検知することによって画像18Aの
焼付情報等が検出される。特に発光素子254は位置決め
ピン268、位置決め孔270の係合によって受光素子266と
連動してネガフイルム18の幅方向に追従するので正確に
バーコードが読取られる。これによってこのバーコード
が読取られた画像18Aが光軸Ｐに一致するとその焼付補
正情報に基づいて焼付条件が変更される。

また光軸Ｐ付近へ移動した画像18Aはノツチ検出機構の
検出ピン204、206がネガフイルム18のノツチ18Bへ入り
込むので、適正な焼付画像であるか否かが判断され、か
つネガフイルム18の送り量が制御されて画像18Aが正確
に光軸Ｐに一致される。

特にノツチ検出ピン204、206は光軸位置よりも若干だけ
上流に形成されているので、ネガフイルム18はさらに若
干量だけ送って光軸位置で停止させればよく、迅速な搬
送が可能となる。またノツチ検出が焼付停止位置の若干
だけ上流でなされるので、数コマのみを有する短尺ネガ
フイルムであってもノツチ検出が確実である。

次に第２マスク開口70を光軸Ｐと対応させたい場合に
は、同様にして開閉アーム14を旋回上昇させてフイルム
搬送路Ａを開放する。この状態でロアマスク64を持ち上
げれば、円孔84が位置決めピン86、88から抜き出される
ので、案内壁66を中心にしてロアマスク64を180度反転
させ、再び円孔84を位置決めピン86、88へと挿入する。
これによって第２マスク開口70が光軸Ｐと対応する。こ
の後再び開閉アーム14を押下げてラツチ104とフツク106
との係合によりフイルム搬送路Ａを閉止すればネガフイ
ルム18の挿入に対処することができる。ネガフイルム18
の挿入は前記作動と同様である。

次にメインテナンスを行う場合にはラツチ104を操作し
てフツク106から外すことにより開閉アーム14及びアツ
パマスクホルダ16は第２図に示される如く旋回可能とな
り台座12から離れる。この状態で更に操作員が開閉アー
ム14を保持して上方へ持ち上げると開閉アーム14は台座
12と大きく離れるのでロアマスク64、アツパマスク138
の交換、清掃等を容易に行える。特にソレノイド148と
アクチユエータ150とは開閉アーム14とアツパマスクホ
ルダ16との間に取付けられているのでこれらの駆動手段
が開閉アーム14及びアツパマスクホルダ16を大きく開放
する場合の妨げとなることはない。

なお上記実施例では搬送ローラ22、24を搬送されるネガ
フイルム18の下側に対応したが、これらの搬送ローラ2
2、24をネガフイルム18の上側に配置して開閉アーム14
へ取付けるようにしてもよい。この場合にはモータ50の
回転力を旋回する開閉アーム14へ伝えるため、そのスト
ロークを吸収する手段を設けたり、モータ50を開閉アー
ム14へ取付ける設計変更が必要となる。またネガフイル
ム18の表裏面に対応するローラを共に駆動するようにし
てもよい。

また上記実施例ではアツパマスクホルダ16を開閉アーム
14と同軸的に軸支したが、別に軸支するなど、これ以外
の取付けが可能であることは言うまでもない。

次に第11図には本発明の第２実施例が示されている。こ
の実施例では前記実施例におけるソレノイド148が開閉
アーム14へ、アクチユエータ150がアツパマスクホルダ1
6へ取付けられた構成であり、その他は全て同様となっ
ている。従ってこの実施例ではソレノイド148がその重
量をアツパマスクホルダ16へ加えることがないので、ア
ツパマスクホルダ16の移動が迅速に行えることになる。

次に第12図には本発明の第３実施例が示されており、第
１実施例における第10図の変形例である。この実施例で
は第10図の小ねじ274、圧縮コイルばね278が省略される
と共に、従動ブロツク262の下面に連動手段としてマグ
ネツト292が取りつけられている。

このため、この実施例では従動ブロツク262が移動ブロ
ツク250へ磁力で吸着され、この吸着力でネガフイルム1
8が支持面250Aと押圧面262Aとの間に挟持されて、バー
コード読取精度を維持するようになっている。特にこの
実施例では位置決めピン268の外周と位置決め孔270の内
周との間に隙間（ガタ）があっても受光素子266を確実
に発光素子254へ追従させることができる。

〔発明の効果〕

本発明は上記の構成としたので、フイルムへ表示された
バーコードを正確に読取ることができる優れた効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係るフイルムキヤリアを示す
斜視図、第２図は開放状態のフイルムキヤリアを示す斜
視図、第３図はフイルムキヤリアの平面図、第４図は開
閉アーム、アツパマスクホルダ等を取外した状態の平面
図、第５図は第４図Ｖ−Ｖ線断面図、第６図は第４図VI
-VI線断面図、第７図は第４図VII-VII線断面図、第８図
は搬送ローラとロアマスクの関係を示す分解斜視図、第
９図は第４図のIX-IX線断面図、第10図は第４図のＸ−
Ｘ線断面図、第11図は第２実施例によるソレノイド駆動
手段を示す第６図に対応する断面図、第12図は第３実施
例によるバーコード読取部を示す第10図に対応する断面
図である。 10……フイルムキヤリア、14……開閉アーム、16……ア
ツパマスクホルダ、18……ネガフイルム、64……ロアマ
スク、138……アツパマスク、250B……案内面、252……
スライドベアリング、254……発光素子、266……受光素
子、268……位置決めピン、270……位置決め孔、292…
…マグネツト。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長島 孝 埼玉県大宮市植竹町１丁目324番地 富士 写真光機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−142522（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−195680（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−254943（ＪＰ，Ａ)

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アツパマスクとロアマスクとが互いに離間
   開放されてフイルムが幅方向に光軸へ挿入可能とされる
   フイルムキヤリアであって、フイルム通過路の片側に配
   置されフイルム幅方向へ移動可能とされる発光手段と、
   フイルム通過路の他の片側に配置されフイルム幅方向へ
   移動可能とされる受光手段と、これらの発光手段と受光
   手段とを互いに離間可能とする開閉手段と、フイルムの
   側端へ押圧されて前記発光手段又は受光手段をフイルム
   上のバーコードへ対応させる案内手段と、前記発光手段
   と受光手段とを連結しこれらを共にフイルム幅方向へ移
   動させる連動手段と、を有することを特徴としたフイル
   ムキヤリア。
2. 【請求項２】前記連動手段は位置決めピンとこれが挿入
   される孔とを備え、開閉手段による発光手段と受光手段
   の離間時には位置決めピンが孔から抜出されることを特
   徴とした前記特許請求の範囲第（１）項記載のフイルム
   キヤリア。
3. 【請求項３】前記連動手段は発光手段と受光手段の接近
   時にこれらを磁力で連動させることを特徴とした前記特
   許請求の範囲第（１）項記載のフイルムキヤリア。