JPH0710883B2 - カチオン性重合体ラテツクスの製造方法 - Google Patents

カチオン性重合体ラテツクスの製造方法

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JPH0710883B2
JPH0710883B2 JP60102143A JP10214385A JPH0710883B2 JP H0710883 B2 JPH0710883 B2 JP H0710883B2 JP 60102143 A JP60102143 A JP 60102143A JP 10214385 A JP10214385 A JP 10214385A JP H0710883 B2 JPH0710883 B2 JP H0710883B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は各種繊維の内添用に好適なカチオン性重合体ラ
テックスの製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来からセルロース等の繊維を通常のアニオン性重合体
ラテックスをバインダーとする抄造紙の製造が行われて
いる。セルロース繊維と重合体ラテックスとは同電荷の
ため、繊維上にバインダーラテックスを定着させるため
には硫酸バンドの様な定着剤の使用が必要である。
定着剤を加えることにより、ラテックスは急激に繊維を
巻き込みながら凝集を起こし、その結果、繊維フロック
が大きなものとなり、できた抄造紙の強靭性は、繊維同
士の十分な絡まり合いがないまま、繊維フロックの形状
をとどめたままの為、十分ではない。また、通常用いら
れるアニオン性界面活性剤が、抄造紙中に残る為、十分
な耐水性が得られない。
また、セルロース繊維、パルプ等の内添にカチオン性重
合体ラテックスを用いることも公知であるが、通常のカ
チオン性界面活性剤を用いて重合されたラテックスを内
添に用いると、カチンオン性界面活性剤が、殺菌性を有
することにより、実用上、廃水中のカチオン性界面活性
剤により生分解用活性汚泥が失活したり、環境汚染を引
き起こしたりする問題が生ずる。また単に水性媒体無乳
化剤重合を行なうには、ポリマー濃度が、約20重量%以
下でしか行なえず工業的に行なうには、コスト的に割り
高かになってしまう。
乳化剤を使用せずに、あるいはカチオン性乳化剤を用い
てシード重合によりカチオン性単量体を他の単量体と共
重合するカチオン性重合体ラテックスの製造方法はそれ
ぞれ特開昭57−121048号公報及び特開昭59−142217号公
報により公知である。これらの方法は、全量のカチオン
性単量体と他の単量体の一部を用いてシードラテックス
を作り、これに残りの単量体を添加して目的の重合体ラ
テックスを得る方法である。この方法は、使用する全単
量体を一括反応容器に仕込んで重合する方法に比して種
ラテックスにより粒子数が決定され、新粒子の発生も見
られないことにより安定な重合をすることができるがこ
れらの方法では種ラテックスの表面層に残りの単量体が
重合されるいわゆるCore−Shell構造ラテックスが形成
される為、ラテックス粒子安定性に大きく寄与するカチ
オン性基を粒子内部により多く存在させてしまい、粒子
表面にカチオン性基を多数存在させることができず、安
定な重合ができない。従って、用いられたカチオン性基
の量に比べて得られたラテックスのカチオン粒子表面電
荷密度が不充分な為、この方法で得られたカチオン性重
合体ラテックスを繊維の内添用バインダーとして使用し
た抄造紙はバインダーとしての十分な電荷が得られない
ため繊維同士のからまりが弱く、強靭性が劣り、改善が
必要である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者等はカチオン性基がラテックス粒子表面に高密
度に分布したカチオン性重合体ラテックスの製造方法を
開発すべく鋭意検討した結果、前記のシード重合におい
て、シードラテックスを形成する際、連鎖移動剤の存在
下に重合を行わせればよいことを見い出し、この知見に
基づいて本発明を完成した。
(問題点を解決するための手段) かくして本発明によれば、第2級もしくは第3級アミン
又は第4級アンモニウム塩を有するエチレン性不飽和単
量体(イ)の少なくとも1種1〜70重量%と、単量体
(イ)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(ロ)の
少なくとも1種99〜30重量%とを、水性媒体中でラジカ
ル重合してカチオン性重合体ラテックスを製造するに際
し、 (1) 上記単量体(イ)及び(ロ)の一部を、これら
の単量体混合物100重量部当り少なくとも0.05重量部の
連鎖移動剤の存在下にラジカル重合開始剤を用いて重合
して種ラテックスを製造し、 (2) 次いで、残りの単量体を添加して重合を継続す
ることを特徴とするカチオン性重合体ラテックスの製造
方法が提供される。
本発明で使用される第2級もしくは第3級アミン又は第
4級アンモニウム塩含有エチレン性不飽和単量体(イ)
は重合体ラテックスにカチオン性を付与するものである
(以下カチオン性付与単量体と称することがある)。第
2級あるいは第3級アミン含有エチレン性不飽和単量体
としては一般式 (式中R1は水素又はメチル基を、R2はC2〜10のアルキ
レン基を、R3及びR4は水素又はC1〜12のアルキル基
を、Aは 又は−O−基をそれぞれ表わす)で示される単量体、複
素環式含窒素エチレン性不飽和単量体などが挙げられ
る。
前記の一般式で示される単量体としては、メチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチル−アミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの
エチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステ
ル;メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン系
不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド;アミノエチ
ルビニルエーテル、メチルアミノエチルビニルエーテ
ル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルなどのアミノ
アルキルビニルエーテルなどが、複素環式含窒素エチレ
ン性不飽和単量体としては2−ビニルピリジン、4−ビ
ニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2,4
−ジメチル−ビニルピリジン、1−メチル−2−ビニル
キノリン、N−ビニル−N′−メチルイミダゾールなど
が挙げられる。
第4級アンモニウム塩含有エチレン性不飽和単量体とし
ては、2−ヒドロキシ−3−メタアクリルオキシプロピ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ
−3−アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム
クロライド、2−ヒドロキシ−3−メタアクリルプロピ
ルトリエチルアンモニウムブロマイド、2−ヒドロキシ
−3−メタアクリルオキシプロピルトリブチルアンモニ
ウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタアクリルオ
キシプロピルメチルエチルブチルアンモニウムクロライ
ド、2−ヒドロキシ−3−メタアクリルオキシプロピル
ジメチルフェニルアンモニウムクロライド、2−ヒドロ
キシ−3−メタアクリルオキシプロピルジメチルシクロ
ヘキシルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。上
記のカチオン性付与単量体の一種以上が使用される。
これらの単量体一種以上の使用量は、全単量体中1〜70
重量%であり、1重量%未満では、カチオン性付与単量
体の共重合率が低く安定な粒子を得ることができず、70
重量%を越えると水性媒体重合において、安定な凝固物
のない重合を行なうことができない。好ましくは1〜40
重量%である。
本発明に用いられる上記のカチオン性付与単量体と共重
合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、1,
3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−ク
ロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の共役ジ
エン系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、モノク
ロルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合
物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロ
ロ−アクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレート等の不飽和モノカルボン酸のエステル;ジ
メチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルイタ
コネート等の不飽和ジカルボン酸ジエステル;(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の不
飽和アミド及びそのN置換誘導体等が挙げられ、これら
の一種以上が使用される。
これらのカチオン性付与単量体と共重合可能な単量体の
使用量は全単量体中30〜99重量%である。使用量が30重
量%未満では重合を安定に進行させることが困難となり
凝固物が発生し、99重量%を越えるとカチオン性付与単
量体の共重合率が低くなり、安定な重合体ラテックスが
得られない。好ましくは60〜99重量%である。
本発明のカチオン性重合体ラテックスの製造方法は上記
の単量体の一部を使用して水性媒体中でラジカル重合に
より種ラテックスを製造する工程、この種ラテックスに
残りの単量体を添加して重合を継続する工程から成る
が、種ラテックスを製造する工程で連鎖移動剤の存在下
に重合を行わせることが本発明方法の特徴である。
種ラテックスの製造には上記全単量体の総使用量の50重
量%以下の単量体を使用するのが望ましい。50重量%を
越えると種ラテックスの粒径が大きくなり過ぎ、ラテッ
クスの安定性が低下する。より好ましくは30重量%以
下、更に好ましくは20重量%以下である。使用量の下限
は目的とする最終の重合体ラテックスの粒径に依存し、
本発明においては特に限定されない。種ラテックス製造
に使用される単量体中、カチオン性付与単量体の使用量
はその全使用量の20重量%以上の使用が好ましい。20重
量%未満の使用では最終の重合体ラテックス粒子表面の
カチオン性付与基の存在が不充分となると共に最終のラ
テックスの製造中に多量の凝固物が発生する。より好ま
しくは30重量%以上、更に好ましくは40重量%以上であ
る。
これらの単量体を用いて水性媒体中でラジカル開始剤を
用いて重合を行い種ラテックスを製造するが、この際連
鎖移動剤の存在は最終ラテックスのカチオン粒子表面電
荷密度を高める為に不可欠である。
本発明で使用する連鎖移動剤としてはn−ブチルメルカ
プタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルカ
プタンのようなメルカプタン;四臭化炭素、四塩化炭素
のようなハロゲン化炭化水素が挙げられ、これらの1種
以上が使用される。連鎖移動剤の使用量は単量体100重
量部当り0.05重量部以上である。0.05重量部未満では最
終ラテックス粒子表面のカチオン電荷密度増加効果が得
られないばかりか、最終のラテックスを重合する過程で
多量の凝固物が発生する。好ましくは0.1重量部以上で
ある。使用量が30重量部以上となるとラテックスポリマ
ーの分子量が低下し、最終のラテックスを重合する過程
で、粒子同士の凝集がおき、多量の凝固物が発生するの
で好ましくない。好ましくは20重量部以下である。重合
はノニオン系及び/又はカチオン系乳化剤の存在下ある
いは非存在下のいずれであっても良いのが、カチオン性
重合体ラテックス使用後の廃水処理等を考慮すれば乳化
剤を使用しないのが好ましい。
乳化剤としては通常の乳化重合に使用されるノニオン系
乳化剤あるいは臭化N−エチルドデシルアンモニウム、
塩化セチルアンモニウム、塩化N,N−ジメチルドデシル
アンモニウム等のカチオン系乳化剤及び両系の乳化剤の
混合物を使用することができる。
本発明で使用されるラジカル重合開始剤としては通常の
乳化重合に用いられる非イオン性重合開始剤及びカチオ
ン性重合開始剤でよく、特に限定されない。
非イオン性重合開始剤としては過酸化水素、ベンゾイル
パーオキサイド、t−ブチル−ハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ
イド類、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の脂肪族アゾ化
合物類、前記のハイドロパ−オキサイド類とアスコルビ
ン酸、多価金属塩、ソジウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート等の還元剤を組合わせたレドックス系等が挙げ
られる。カチオン性重合開始剤としては2,2′−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(N,N′
−ジメチレンイソブチルアミジン)塩酸塩等が挙げられ
る。これらの重合開始剤の使用量は常法に従えばよく、
本発明においては特に限定されない。重合の態様も本発
明においては特に限定されず、回分式、連続式等いずれ
であっても良い。又重合温度も低温(通常5℃)から高
温(通常50℃〜80℃)までのいずれでもよい。重合系の
pHは、いかなるpHでもよいが、カチオン性基のラテック
ス粒子表面密度を高めるにはpHは2〜7の範囲が好まし
い。
かくして得られた種ラテックスに残りの単量体を添加し
て重合を継続する。このとき、必要に応じラジカル重合
開始剤及び/又は連鎖移動剤を添加することができる。
重合の態様は種ラテックスの製造時と同様である。
本発明方法によれば、重合反応を安定に進行させること
ができ、凝固物の発生を見ることなく高濃度かつ粒子表
面の高カチオン電荷密度を有するカチオン性重合体ラテ
ックスが製造される。
本発明方法で製造された該ラテックスは特に各種繊維類
の内添用バインダーとして好適であり、共役ジエン系単
量体と、カチオン性付与単量体以外のモノエチレン性不
飽和単量体の使用割合はカチオン性重合体のガラス転移
温度が−80℃〜20℃となる様に要求特性に応じて決定す
ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例中の部及び%はとくに断りのないかぎ
り重量基準である。
実施例1 撹拌機付きのオートクレーブに第1表の重合処方に従
い、水、ジメチルアミノエチルメタクリレートを仕込ん
だ後、塩酸にて系中のpHを3に調整した後、スチレン、
t−ドデシルメルカプタンを仕込み、60℃に加温し、2,
2′−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩を添
加し反応を開始した。重合転化率98%以上(重量法にて
測定)まで重合を行ない種ラテックスの反応を完結させ
た。
この反応終了直後の種ラテックスに、スチレン260部、
ブタジエン306部を4時間にわたって連続的に添加し
た。又このモノマー分散液の添加と同時に第2表のレド
クス重合開始剤も添加した。この間オートクレーブの温
度は60℃に保った。反応転化率が98%以上になるまで、
反応を続け反応転化率98%以上にて、室温までオートク
レーブを冷却して反応を停止させた。得られたカチオン
性共重合体ラテックスは、固形分濃度39.6%、pH4.3、
等電点9.1の性状であった。
第1表の重合処方よりt−ドデシルメルカプタンを除く
以外は全く同様にして比較例のカチオン性共重合体ラテ
ックスを得た。得られたラテックスを150メッシュ金網
で過し、金網に残在した凝固物を測定したところ、本
発明のラテックスでは約0.02%、比較例のラテックスで
は約5%であった。
得られたラテックスの粒子表面のアミン量を川口等の電
導度滴定法〔H.Kawagucni,et.al.,J.Appl.Polymer Sc
i.,vol26,2015(1981)〕により求めた。ラテックスを
セルロースチューブ(UCC社製Seamless Cellulose Tubi
ngサイズ36/32)にて流水中で10日間透析して、固形分
濃度4%としたラテックス50gを100cm3ビーカーに取り
エマルゲン147(花王石けん社製)20%水溶液を1cm3
えた後、N/5 NaOHでpHを12に調整し、N/10 HClにて電導
度滴定を行ない、(電導度計は京都電子工業社製CM−11
7を使用)第2屈曲点から第3屈曲点迄の滴定に要した
量をアミン量とした(以下の実施例も同様)。結果を第
3表に示す。
第3表より本発明例において、カチオン性付与基が比較
例と比べ粒子表面により多く存在することがわかる。
実施例2 実施例1と同様にして第4表の種ラテックス重合処方に
より種ラテックスを製造した。
製造直後の種ラテックスにアクリロニトリル220部、ブ
タジエン346部を添加した。同時に第5表のレドックス
系重合開始剤も添加した。
又、第4表よりt−ドデシルメルカプタンを除く以外は
全く同様にして比較例のカチオン性共重合体ラテックス
を得た。重合後の凝固物は本発明例では約0.13%、比較
例では約10%であった。得られたラテックスの粒子表面
のアミン量を実施例1と同様にして測定した。結果を第
6表に示す。
次にパルプ(NBKP)10gを水1.5dm3とともに、難解機
(テスター産業社製)に添加し5分間撹拌した。その後
タルク(日本タルク社製SS)40gを添加し1分間撹拌し
た後、ラテックス60g(固形分濃度12.5%)を添加し
た。添加後19分間撹拌し、アロンT−40(東亜合成社
製)を10cm3(濃度5%)添加し、ラテックスを完全に
パルプに定着させ、更に5分間撹拌した。得られたパル
プ−タルクスラリー全量を手抄試験機(テスター産業社
製)に抄造し、水を切った後、90℃の熱板に10分間置
き、乾燥させた後、130℃、ロール圧30kg/cm2の熱ロー
ルにて密度を上げた。得られた抄造紙を1×15cmの試験
片として、テンシロン(東洋ボールドウィン社製)にて
チャック間10cm、引張り速度300mm/minにて引張り試験
を行ない裂断長を求めた。また5×2cmの試験片を作製
し、その重量を測定した。耐水性を評価する為蒸留水を
入れた還流冷却管付き大型試験官に試験片をそれぞれが
触れないように針金に固定して浸漬させ、100℃オイル
バス中で5時間加熱した。試験片を取り出し、タオルペ
ーパー(十條キンバリ社製)にて軽く水を吸いとった
後、試験片の重量を測り、浸漬による重量増分を浸漬前
重量にて割り、重量変化率とした。本発明ラテックス及
び比較例ラテックスを用いて抄造されたパルプタルク抄
造紙と、比較の為、アニオン性ラテックスとしてNipol
1571(日本ゼオン社製アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ラテックス)を同様の操作にて抄造した抄造紙
(アロンT−4のかわりに硫酸バン±10cm3(濃度5
%)を用いている)との裂断長と蒸留水浸漬による重量
変化率を第7表に示す。第7表の値は試験片4枚の平均
値である。
この表より本発明のカチオン性ラテックスを用いた抄造
紙は比較例の該ラテックス及び従来のアニオン性ラテッ
クスを使用したものより強靭性及び耐水性が著しく改善
されていることが分る。
実施例3 実施例1と同様にして第8表の種ラテックス重合処方に
より種ラテックスを製造した。
この種ラテックスにエチルアクリレート90部、水10部に
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.8部
を溶解した重合開始在を添加し、重合を継続してカチオ
ン性共重合体ラテックスを得た。又第5表よりt−ドデ
シルメルカプタンを除く以外は上記と同様にしてカチオ
ン性共重合体ラテックスも得た。重合後の凝固物は、本
発明例では約0.01%、比較例では約3%であった。得ら
れたラテックスの粒子表面のアミン量を実施例4と同様
の方法にて調べその結果を第9表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第2級もしくは第3級アミン又は第4級ア
    ンモニウム塩を有するエチレン性不飽和単量体(イ)の
    少なくとも1種1〜70重量%と、単量体(イ)と共重合
    可能なエチレン性不飽和単量体(ロ)の少なくとも1種
    99〜30重量%とを、水性媒体中でラジカル重合してカチ
    オン性重合体ラテックスを製造するに際し、 (1)上記単量体(イ)及び(ロ)の一部を、これらの
    単量体混合物100重量部当り少なくとも0.05重量部の連
    鎖移動剤の存在下にラジカル重合開始剤を用いて重合し
    て種ラテックスを製造し、 (2)次いで、残りの単量体を添加して重合を継続する
    ことを特徴とするカチオン性重合体ラテックスの製造方
    法。
JP60102143A 1985-05-14 1985-05-14 カチオン性重合体ラテツクスの製造方法 Expired - Lifetime JPH0710883B2 (ja)

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