JPH0710840A - スルフィド誘導体、それを有効成分とする殺菌剤およびその中間体 - Google Patents

スルフィド誘導体、それを有効成分とする殺菌剤およびその中間体

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JPH0710840A
JPH0710840A JP15199493A JP15199493A JPH0710840A JP H0710840 A JPH0710840 A JP H0710840A JP 15199493 A JP15199493 A JP 15199493A JP 15199493 A JP15199493 A JP 15199493A JP H0710840 A JPH0710840 A JP H0710840A
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JP15199493A
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Yoshihiro Usui
義浩 臼井
Yoshimi Tsutsumi
佳美 堤
Atsushi Go
敦 郷
Seiichiro Yamada
誠一郎 山田
Yoshihiro Takayama
義博 高山
Ayumi Ooba
あゆみ 大場
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌活性を有する新規化合物の創製。 【構成】 低級ハロアルキル基を有するスルフィド誘導
体[例えば、(Z)−1−ベンゾイル−2−(1−メチル
イミダソール−2−イル)チオ−3,3,3−トリフルオ
ロプロペン]およびそれを有効成分として含有する農業
用殺菌剤、ならびに該化合物の中間体。前記化合物は、
本発明化合物である低級ハロアルキル基を有する特定の
エノールトリフレート誘導体に、塩基の存在下、チオー
ル化合物を反応させることにより、合成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文献未記載の新規なスル
フィド誘導体およびその構造異性体、それらを有効成分
とする殺菌剤、ならびに前記スルフィド誘導体およびそ
の構造異性体の合成中間体である新規なエノールトリフ
レート誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明のスルフィド誘導体に類似した構
造を有する物質としては、J. Chem.Soc., 945(1946)
に記載のトルエンスルホニルフェニルプロペノン類、あ
るいは Synthesis, 3, 203(1982)に記載のアリールチ
オクロロビニルケトン類およびアルキルチオクロロビニ
ルケトン類などが知られている。しかし、これらの文献
に記載されている化合物は、いずれもオレフィン部に低
級ハロアルキル基を有していない。また、低級ハロアル
キル基としてトリフルオロメチル基を有する化合物とし
ては、日本化学会誌 No.11, 2146(1985)および Tetra
hedronLetters, 32(26), 3071(1991)に記載の化合物
が挙げられるが、これらの化合物は、CF3基を有する
オレフィン炭素のもう1つの置換基として低級アルキル
チオ基またはハロゲン原子のみが示されているが、複素
環スルフィド部分を有していない点で本発明の化合物と
異なる。さらに、ジケトンから得られるある種のトリフ
レートについては、例えば、Tetrahedron, 43(1), 275
(1987) あるいは J. Org. Chem. 54, 5846 (1989) 等に
記載があるが、いずれも低級ハロアルキル基を有してい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】殺菌剤としてこれまで
に多くの化合物が使用されているが、同じ薬剤を多年連
用することにより、薬剤に対する耐性を獲得した菌の出
現などで殺菌効果の低下が問題となっている。したがっ
て、本発明は強力な殺菌効果を有する新しい構造からな
る化合物の創製を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意研究を行った結果、本発明者らは低級ハロアルキル基
を有するある特定のスルフィド誘導体が優れた殺菌作用
を有すること、ならびにその合成中間体である低級ハロ
アルキル基を有する特定のエノールトリフレート誘導体
はが新規であり、かつ各種医薬、農薬および化学品等の
原材料または中間体として有用であることを見い出し、
本発明を完成するに至った。本発明の新規なスルフィド
誘導体は、下記一般式(I):
【0005】
【化4】
【0006】[式中、R1は低級アルキル基または置換
されていてもよいフェニル基を示し、R2は水素原子、
低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基また
は置換されてもよいアラルキル基を示し、R3は低級ハ
ロアルキル基を示し、R4は置換されていてもよいイミ
ダゾール基、置換されていてもよいピリジン基、置換さ
れていてもよいピリミジン基、置換されていてもよいベ
ンゾチアゾール基または置換されていてもよいベンゾオ
キサゾール基を示す]で表される。
【0007】上記一般式(I)においてR1、R2、R3
およびR4でそれぞれ表される基を、以下に具体的に例
示する。低級アルキル基; 炭素数1〜4の低級アルキル基、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル基等が例示できる。低級ハロアルキル基; 炭素数1〜2の低級ハロアルキル
基、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリ
フルオロメチル、クロロメチル、トリクロロメチル、ク
ロロジフルオロメチル、1,1,2,2,2−ペンタフルオ
ロエチル基等が例示できる。アリール基; 単環式または多環式のいずれであってもよ
く、例えば、フェニル、ピリジル、ナフチル基等が例示
できる。アラルキル基; アリール基部分および低級アルキル基部
分がそれぞれ前記のとおりである、アリール置換された
低級アルキル基であり、例えば、ベンジル、フェネチ
ル、3−ピリジルメチル基等が例示できる。
【0008】R1で定義されるフェニル基、R2で定義さ
れるアリール基およびアラルキル基のアリール基部分、
ならびにR4で定義されるイミダゾール基、ピリジン
基、ピリミジン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサ
ゾール基は、それぞれ1個またはそれ以上、好ましくは
1〜3個の基により置換されていてもよい。その置換基
の具体的な例示としては、例えば、ハロゲン原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルキル基、
低級ハロアルコキシ基、低級アルキルカルボニル基、低
級アルコキシカルボニル基、ニトロ基およびシアノ基等
が例示できる。その具体例としては、例えば、フッ素、
塩素、臭素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
t−ブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチ
ル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチ
ルカルボニル、メトキシカルボニル、ニトロ、およびシ
アノ基等が挙げられる。上記に具体的に例示されていな
い基は、上記原子および基から任意に組み合わせて、あ
るいは一般的に知られた常識に従って選択される。
【0009】当然ながら、前記一般式(I)で表される
化合物の構造異性体も、本発明の範囲のものである。本
明細書においては、本発明化合物について順位規則を適
用し、下記一般式(I);
【0010】
【化5】
【0011】[式中、R1、R2、R3およびR4は前記一
般式(I)の定義と同義である]で表される化合物を
Z、上記一般式(I)の構造異性体である下記一般式(I
−b);
【0012】
【化6】
【0013】[式中、R1、R2、R3およびR4は前記一
般式(I)の定義と同義である]で表される化合物をE
と称する。前記一般式(I)で表される本発明の化合物
の具体例として、下記第1表にZ化合物のうち特に好ま
しい化合物を、下記第2表にその構造異性体であるE化
合物のうち特に好ましい化合物をそれぞれ例示する。な
お、本明細書に記載の表中に用いる略号は下記の意味を
有する。 Me=メチル基; Et=エチル基; Pr=n−プロピル基 iPr=イソプロピル基; Bu=n−ブチル基; iBu=イ
ソブチル基 sBu=sec−ブチル基; tBu=tert−ブチル基;
Ph=フェニル基
【0014】
【化7】
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
【表7】
【0022】次に本発明の前記一般式(I)で表される
ZおよびE化合物の製造方法について説明する。ただ
し、本発明のスルフィド誘導体は、これらの方法により
製造されたものに限定されるものではない。本発明のス
ルフィド誘導体は、例えば、下記一般式(II):
【0023】
【化8】
【0024】[式中、R1、R2およびR3は前記一般式
(I)の定義と同義である]で表されるエノールトリフ
レート誘導体に塩基の存在下、下式(III):
【0025】
【化9】
【0026】[式中、R4は前記一般式(I)の定義と同
義である]で表されるチオール類化合物を好ましくは溶
媒中で反応させることにより、容易に製造することがで
きる。この反応は下記の反応式:
【0027】
【化10】
【0028】[式中、R1、R2、R3およびR4は前記一
般式(I)の定義と同義である]により表される。反応
温度には特に制約はなく、適宜に選択できるが、例え
ば、0℃から160℃または溶媒の沸点の温度範囲で反
応を行うことができる。反応時間は、反応温度、使用さ
れる試薬の種類等の設定条件によっても異なるが、例え
ば、1〜240分の反応時間を例示できる。使用する溶
媒としては、上記反応に対して実質的に不活性なもので
あれば制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール等のアル
コール類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、水等、またはそれらの混合物等が好適に使
用される。上記反応に使用する塩基としては、特に制約
はないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム
またはナトリウムメトキシド等を例示できる。一般式
(I)で表される化合物は構造異性体であるZ体および
E体の混合物として生成されるが、これらは既知の方法
によって反応混合物から単離することができ、必要に応
じて、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等
によりそれぞれの構造異性体を容易に精製することがで
きる。上記反応式中、一般式(III)で表されるチオー
ル類化合物は既知であり、公知の方法により製造するこ
とができる〔例えば Bull. Chem. Soc. Jpn., 62,2575
(1989) 参照〕。一方、上記反応の出発化合物である一
般式(II):
【0029】
【化11】
【0030】[式中、R1、R2およびR3は前記一般式
(I)の定義と同義である]で表されるエノールトリフ
レート誘導体は新規化合物である。前記一般式(II)で
表される本発明の化合物の具体例を下記第3表および第
4表に例示する。なお、一般式(II)で表される化合物
の内で、R1が低級アルキル基である化合物の特に好ま
しい例を第3表に、R1が置換されてもよいフェニル基
である化合物の特に好ましい例を第4表に、それぞれ示
す。表中の略号の意味は前記の通りである。
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【表10】
【0034】
【表11】
【0035】
【表12】
【0036】
【表13】
【0037】
【表14】
【0038】
【表15】
【0039】以下に前記一般式(II)で表されるエノー
ルトリフレート誘導体の製造方法を例示するが、本発明
によるエノールトリフレート誘導体は、これらの方法に
より製造されたものに限定されない。本発明のエノール
トリフレート誘導体は、例えば、下記一般式(IV):
【0040】
【化12】
【0041】[式中、R1、R2およびR3は前記一般式
(I)の定義と同義である]で表される化合物とトリフ
ルオロメチルスルホニル化剤を、塩基の存在下、好まし
くは溶媒中で反応させることにより、容易に製造するこ
とができる。この反応は、下記反応式:
【0042】
【化13】
【0043】[式中、R1、R2およびR3は前記一般式
(I)の定義と同義である]により表される。反応に供
される試剤の量比は特に厳密には制限されないが、通常
は、一般式(IV)で表される化合物1当量に対して、ト
リフルオロメチルスルホニル化剤は1.5当量、塩基は
1〜5当量の割合で使用する。
【0044】反応温度には特に制約はなく、適宜に選択
できるが、例えば、0℃から160℃または溶媒の沸点
の温度範囲で反応を行うことができる。反応時間は、反
応温度、使用される試薬の種類等の設定条件によっても
異なるが、例えば、1〜240分の反応時間を例示でき
る。使用する溶媒としては、上記反応に対して実質的に
不活性なものであれば制限はないが、例えば、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタ
ノール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、水等、またはそれらの混合
物等が好適に使用される。上記反応に使用する塩基とし
ては、特に制約はないが、例えば、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素
化ナトリウムまたはナトリウムメトキシド等を例示でき
る。
【0045】一般式(II)で表される化合物が生成する
際に、一般式(V)で示される化合物が副生することが
ある。一般式(II)の化合物と一般式(V)の化合物は
互いの混合物として、既知の方法により反応混合物から
単離することができる。また必要に応じて、一般式(I
I)の化合物および一般式(V)の化合物は互いの混合物
から、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、
中圧液体クロマトグラフィー等の手法により、それぞれ
単離、精製することができる。なお、一般式(II)で表
される化合物の製造時に出発化合物として使用される前
記一般式(IV)で表される化合物は、その保持する置換
基により異なるが、次式;
【0046】
【化14】
【0047】[式中、R1、R2およびR3は前記一般式
(I)の定義と同義である]に示す如く、それぞれ一般
式(IV−a)および(IV−b)で表される化合物との平
衡状態にあることが多く、それらの混合物として存在す
ることがある。従って、前記一般式(IV)で表される化
合物は、一般式(IV)の化合物のみならず、上記一般式
(IV−a)および(IV−b)の化合物、およびこれら化
合物の混合物をも包含するが、簡略化の為に本明細書に
おいては一般式(IV)で表される化合物の構造および名
称をもって、これらを代表させることとする。一般式
(IV)で表される化合物は公知であり、既知の方法、例
えば、J. Amer.Chem. Soc. 73, 4625 (1951) に記載の
方法により容易に製造することができる。
【0048】本発明の殺菌剤は、前記一般式(I)で表
されるスルフィド誘導体および/またはその構造異性体
を有効成分として含有するものである。本発明の前記一
般式(I)の化合物を殺菌剤として用いる場合には、担
体もしくは希釈剤、添加剤、及び補助剤等と公知の手法
で混合して、通常農薬として用いられる製剤形態、例え
ば粉剤、粒剤、水和剤、乳剤、水溶剤、フロアブル剤等
に調製して使用される。また他の農薬、例えば殺菌剤、
殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料及び
土壌改良剤等と混合又は併用して使用することができ
る。特に他の殺菌剤と混合使用することにより、使用薬
量を減少させ、また省力化をもたらすのみならず、両薬
剤の共力作用による殺菌スペクトラムの拡大及び相乗作
用による一層高い効果も期待できる。
【0049】製剤に際して用いられる担体もしくは希釈
剤としては、一般に使用される固体ないしは液体の担体
が挙げられる。固体担体としては、例えば、カオリナイ
ト群、モンモリロナイト群、イライト群あるいはポリグ
スカイト群等で代表されるクレー類;詳しくはパイロフ
イライト、アタパルジャイト、セピオライト、カオリナ
イト、ベントナイト、バーミキュライト、雲母、タルク
等;石膏、炭酸カルシウム、ドロマイト、けいそう土、
マグネシウム石灰、りん灰石、ゼオライト、無水ケイ
酸、合成ケイ酸カルシウム等のその他無機物質;大豆
粉、タバコ粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、でんぷん、結
晶セルロース等の植物性有機物質;クマロン樹脂、石油
樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアルキレ
ングリコール、ケトン樹脂、エステルガム、コーバルガ
ム、ダンマルガム等の合成叉は天然の高分子化合物;カ
ルナウバロウ、蜜ロウ等のワックス類あるいは尿素等が
例示できる。
【0050】適当な液体担体としては、例えば、ケロシ
ン、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイル等のパラフィ
ン系又はナフテン系炭化水素;キシレン、エチルベンゼ
ン、クメン、メチルナフタリン等の芳香族炭化水素;ト
リクロルエチレン、モノクロルベンゼン、オルトクロル
トルエン等の塩素化炭化水素;ジオキサン、テトラヒド
ロフランのようなエーテル類;アセトン、メチルエチル
ケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセ
トフェノン、イソホロン等のケトン類;酢酸エチル、酢
酸アミル、エチレングリコールアセテート、ジエチレン
グリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸
ジエチル等のエステル類;メタノール、n−ヘキサノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類;エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレング
リコールブチルエーテル等のエーテルアルコール類;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶
媒あるいは水等が挙げられる。
【0051】その他に一般式(I)で表される本発明の
化合物の乳化、分散、湿潤、展着、拡展、結合、崩壊性
調節、有効成分安定化、流動性改良、防錆、凍結防止等
の目的で界面活性剤その他の補助剤を使用することもで
きる。使用される界面活性剤の例としては、非イオン
性、陰イオン性、陽イオン性及び両性イオン性のいずれ
の化合物も使用しうるが、通常は非イオン性および(ま
たは)陰イオン性の化合物が使用される。適当な非イオ
ン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、等の
高級アルコールにエチレンオキシドを重合付加させた化
合物;ブチルナフトール、オクチルナフトール等のアル
キルナフトールにエチレンオキシドを重合付加させた化
合物;パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高
級脂肪酸にエチレンオキシドを重合付加させた化合物;
ソルビタン等の多価アルコールの高級脂肪酸エステル及
びそれにエチレンオキシドを重合付加させた化合物、エ
チレンオキシドとプロピレンオキシドをブロック重合付
加させた化合物等が挙げられる。適当な陰イオン性界面
活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、オ
レイルアルコール硫酸エステルアミン塩等のアルキル硫
酸エステル塩、スルホこはく酸ジオクチルエステルナト
リウム、2−エチルヘキセンスルホン酸ナトリウム等の
アルキルスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム、メチレンビスナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム等のアリールスルホン酸塩
等が挙げられる。さらに、本発明の殺菌剤には、製剤の
性状を改善し、その効果を高める目的で、カゼイン、ゼ
ラチン、アルブミン、ニカワ、アルギン酸ソーダ、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子
化合物や他の補助剤を併用することもできる。上記の担
体及び種々の補助剤は製剤の剤系、適用場面等を考慮し
て、目的に応じてそれぞれ単独あるいは組み合わせて適
宜使用される。
【0052】このようにして得られた各種製剤形におけ
る本発明化合物有効成分含有率は製剤形により種々変化
するものであるが、通常0.1〜99重量%が適当であ
り、好ましくは1〜80重量%が最も適当である。水和
剤の場合は、例えば有効成分化合物を通常5〜90%含
有し、残部は固体担体及び分散湿潤剤であって、必要に
応じて保護コロイド剤、消泡剤等が加えられる。粒剤の
場合は、例えば有効成分化合物を通常1〜35重量%含
有し、残部は固体担体および界面活性剤である。有効成
分化合物は固体担体と均一に混合されているか、あるい
は固体担体の表面に均一に固着または吸着されており、
粒の径は約0.2〜1.5mmである。乳剤の場合は、例
えば有効成分化合物を通常5〜80重量%含有してお
り、これに約5〜20重量%の乳化剤が含まれ、残部は
液体担体であり、必要に応じて展着剤および防錆剤等が
加えられる。フロアブル剤の場合は、例えば有効成分化
合物を通常5〜50重量%含有しており、これに3〜1
0重量%の分散湿潤剤が含まれ、残部は水であり必要に
応じて保護コロイド剤、防腐剤、消泡剤等が加えられ
る。
【0053】本発明のスルフィド誘導体は、前記一般式
(I)の化合物および/またはその立体異性体をそのま
ま、あるいは上述した様な任意の製剤形態で殺菌剤とし
て使用することができる。本発明化合物の使用濃度は、
対象作物、使用方法、製剤形態、施用量などの違いによ
り異なり、一概に規定できないが、一般式(I)で表さ
れる化合物量(有効性分量)として、茎葉処理の場合
0.1〜10,000 ppm、望ましくは1〜500 ppmであり、土壌
処理の場合には 10〜100,000 g/ha、望ましくは 200〜2
0,000 g/haである。
【0054】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。まず、一般式(II)で表される化合物、即
ち一般式(I)で表される化合物の中間体の製造例を述
べる。製造例1 5,5−ジメチル−1,1,1−トリフルオロ−2−トリ
フルオロメチルスルホニルオキシ−2−ヘキセン−4−
オン (化合物番号205)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)2.4gをジ
エチルエーテル 80mlに懸濁し、この懸濁液に氷冷
下で1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4
−ヘキサジオン 9.8gを添加した後、室温で約30分
間撹拌した。さらに、氷冷下で撹拌しながらトリフルオ
ロメタンスルホン酸無水物 16.9gを添加し、室温に
て2.5時間反応させた。得られた反応混合物をセライ
ト濾過し、溶媒を留去した後、減圧蒸留(90〜94
℃、25mmHg)して5,5−ジメチル−1,1,1−
トリフルオロ−2−トリフルオロメチルスルホニルオキ
シ−2−ヘキセン−4−オン 14.5gを得た(収率8
8%)。
【0055】製造例2 1−ベンゾイル−3,3,3−トリフルオロ−2−トリフ
ルオロメチルスルホニルオキシプロペン (化合物番号
211)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)1.8gをジ
エチルエーテル 60mlに懸濁し、この懸濁液に氷冷
下でベンゾイル−1,1,1−トリフルオロアセトン
(8.0g)のジエチルエーテル溶液 30mlを緩やか
に添加した後、室温で約30分間撹拌した。さらに、氷
冷下で撹拌しながらトリフルオロメタンスルホン酸無水
物 12.5gを添加し、室温にて2時間反応させた。得
られた反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルにて抽
出した。抽出液の有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸
マグネシウムを用いて乾燥させることで溶媒を留去した
後、減圧蒸留(75〜79℃、0.3mmHg)して1
−ベンゾイル−3,3,3−トリフルオロ−2−トリフル
オロメチルスルホニルオキシプロペン 10.64gを得
た(収率83%)。
【0056】製造例3 1−(2−クロロベンゾイル)−3,3,3−トリフルオロ
−2−トリフルオロメチルスルホニルオキシプロペン
(化合物番号226)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)1.6gをジ
エチルエーテル 60mlに懸濁し、この懸濁液に氷冷
下で1−(2−クロロベンゾイル)−3,3,3−トリフル
オロアセトン(8.2g)のジエチルエーテル溶液 30
mlを緩やかに添加した後、室温で約30分間撹拌し
た。さらに、氷冷下で撹拌しながらトリフルオロメタン
スルホン無水物 11.1gを添加し、室温で2時間反応
させた。次に、得られた反応混合物を水に注ぎ、ジエチ
ルエーテルにて抽出した。抽出液の有機層を飽和食塩水
にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させること
で溶媒を留去した後、減圧蒸留(89〜92℃、0.3
mmHg)して1−(2−クロロベンゾイル)−3,3,3
−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルスルホニルオ
キシプロペンと1−(2−クロロフェニル)−4,4,4−
トリフルオロ−1−トリフルオロメチルスルホニルオキ
シ−1−ブテン−3−オンとの混合物 10.14gを得
た。この混合物をシリカゲルクロマトグラフィーにて分
離および精製して、1−(2−クロロベンゾイル)−3,
3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルスルホ
ニルオキシプロペン 3.27gを得た(収率26%)。
【0057】製造例4 1−(2−メチルベンゾイル)−3,3,3−トリフルオロ
−2−トリフルオロメチルスルホニルオキシプロペン
(化合物番号260)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)0.48gを
ペンタン 15mlに懸濁し、この懸濁液に氷冷下で1
−(2−メチルベンゾイル)−3,3,3−トリフルオロア
セトン(2.3g)のジエチルエーテル溶液 15mlを
緩やかに添加した後、室温で約30分間撹拌した。さら
に、氷冷下で撹拌しながらトリフルオロメタンスルホン
無水物 3.39gを添加し、室温で3時間反応させた。
次に、得られた反応混合物をセライト濾過し、溶媒を留
去した後、減圧蒸留(62〜67℃、0.3mmHg)
して1−(2−メチルベンゾイル)−3,3,3−トリフル
オロ−2−トリフルオロメチルスルホニルオキシプロペ
ンと1−(2−メチルフェニル)−4,4,4−トリフルオ
ロ−1−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−1−ブ
テン−3−オンとの混合物(前者:後者=73:27)
2.91gを得た。この混合物をシリカゲルクロマトグ
ラフィーにて分離および精製して、1−(2−メチルベ
ンゾイル)−3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオ
ロメチルスルホニルオキシプロペン 2.12gを得た
(収率59%)。
【0058】製造例5 1−(3−メトキシベンゾイル)−3,3,3−トリフルオ
ロ−2−トリフルオロメチルスルホニルオキシプロペン
(化合物番号303)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)2.54gを
ジエチルエーテル 90mlに懸濁し、この懸濁液に氷
冷下で1−(3−メトキシベンゾイル)−3,3,3−トリ
フルオロアセトン(13.0g)のジエチルエーテル溶
液(50ml)を緩やかに添加した後、室温で約30分
間撹拌した。さらに、氷冷下で撹拌しながらトリフルオ
ロメタンスルホン無水物 17.9gを添加し、室温で
2.5時間反応させた。次に、得られた反応混合物を水
に注ぎ、ジエチルエーテルにて抽出した。抽出液の有機
層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて
乾燥させることで溶媒を留去した後、シリカゲルクロマ
トグラフィーにて分離および精製して、1−(3−メト
キシベンゾイル)−3,3,3−トリフルオロ−2−トリ
フルオロメチルスルホニルオキシプロペン 14.6gを
得た(収率73%)。
【0059】製造例6 1−(2−クロロベンゾイル)−3,3,3−トリフルオロ
アセトンの製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)2.1gをジ
エチルエーテル 35mlに懸濁し、この懸濁液に氷冷
下でメタノール(1.7g)のエーテル溶液 15mlを
緩やかに添加した後、室温で約30分間撹拌した。さら
に、室温下で撹拌しながらエチルトリフルオロアセテー
ト 7.1gを滴下した。次に、2'−クロロアセトフェ
ノン(7.7g)のジエチルエーテル溶液 8mlを前記
溶液に添加して室温にて2時間反応させ、一晩放置し
た。次に前記溶液を撹拌しながら酢酸3.6gと水 15
mlの混合液を穏やかに添加し、得られた反応混合物を
ジエチルエーテルにて抽出した。抽出液の有機層を飽和
食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ
ることで溶媒を留去した後、減圧蒸留(64〜65℃、
0.3mmHg)して1−(2−クロロベンゾイル)−3,
3,3−トリフルオロアセトン 8.29gを得た(収率
66%)。これらの実施例により製造された物質、およ
び同様の方法により製造された物質の融点と1H−NM
Rのδ値を第5表に、19F−NMRのδ値を第6表に示
す。
【0060】
【表16】
【0061】
【表17】
【0062】次に、一般式(I)で表される化合物の製
造例を以下に述べる。製造例7 (Z)−1−ベンゾイル−2−(1−メチルイミダソール
−2−イル)チオ−3,3,3−トリフルオロプロペン
(化合物番号1)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)0.40g
を、ジメチルホルムアミド 12mlに懸濁し、この懸
濁液に氷冷下で2−メルカプト−1−メチルイミダゾー
ル(1.2g)のジメチルホルムアミド溶液 12mlを
穏やかに添加した後、室温で約30分撹拌した。この混
合液を、氷冷下で製造例2にて得た1−ベンゾイル−
3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルスル
ホニルオキシプロペン(3.5g)のジメチルホルムア
ミド溶液 10mlに滴下して、さらに室温で数時間撹
拌して反応させた。得られた反応混合液を水に注ぎ、酢
酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
硫酸マグネシウムを用いて乾燥して溶媒を留去した後、
シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、(Z)−1
−ベンゾイル−2−(1−メチルイミダソール−2−イ
ル)チオ−3,3,3−トリフルオロプロペン 2.21g
を得た(収率88%)。
【0063】製造例8 (Z)−1−ベンゾイル−2−(4,6−ジメチルピリミ
ジン−2−イル)チオ−3,3,3−トリフルオロプロペ
ン (化合物番号51)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)0.61g
を、ジメチルホルムアミド 15mlに懸濁し、この懸
濁液に氷冷下で2−メルカプト−4,6−ジメチルピリ
ミジン(2.1g)のジメチルホルムアミド溶液 25m
lを穏やかに添加し、室温で約30分撹拌した。この混
合液を、氷冷下で製造例2にて得た1−ベンゾイル−
3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルスル
ホニルオキシプロペン(4.4g)のジメチルホルムア
ミド溶液 12mlに滴下して、さらに室温で数時間撹
拌して反応させた。得られた反応混合液を水に注ぎ、酢
酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
硫酸マグネシウムを用いて乾燥して溶媒を留去した後、
シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、(Z)−1
−ベンゾイル−2−(4,6−ジメチルピリミジン−2−
イル)チオ−3,3,3−トリフルオロプロペン 2.54
gを得た(収率59%)。
【0064】製造例9 (Z)−1−(4−クロロベンゾイル)−2−(4,6−ジ
メチルピリミジン−2−イル)チオ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペン(化合物番号57)および(E)−1−
(4−クロロベンゾイル)−2−(4,6−ジメチルピリミ
ジン−2−イル)チオ−3,3,3−トリフルオロプロペ
ン(化合物番号128)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)0.48g
を、ジメチルホルムアミド 15mlに懸濁し、この懸
濁液に氷冷下で2−メルカプト−4,6−ジメチルピリ
ミジン(1.7g)のジメチルホルムアミド溶液 25m
lを穏やかに添加し、室温で約30分撹拌した。この混
合液を、氷冷下で1−(4−クロロベンゾイル)−3,3,
3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルスルホニル
オキシプロペン(3.8g)のジメチルホルムアミド溶
液 12mlに滴下して、さらに室温で数時間撹拌して
反応させた。得られた反応混合液を水に注ぎ、酢酸エチ
ルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウムを用いて乾燥して溶媒を留去した後、シリカ
ゲルクロマトグラフィーで精製して、1−(4−クロロ
ベンゾイル)−2−(4,6−ジメチルピリミジン−2−
イル)チオ−3,3,3−トリフルオロプロペンのZ体
1.95g(収率53%)およびその構造異性体である
E体 0.39g(収率11%)を得た。
【0065】製造例10 (Z)−1−(2−メチルベンゾイル)−2−(4,6−ジ
メチルピリミジン−2−イル)チオ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペン(化合物番号58)および(E)−1−
(2−メチルベンゾイル)−2−(4,6−ジメチルピリミ
ジン−2−イル)チオ−3,3,3−トリフルオロプロペ
ン(化合物番号129)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)0.20gを
ジメチルホルムアミド7mlに懸濁し、この懸濁液に氷
冷下で2−メルカプト−4,6−ジメチルピリミジン
(0.70g)のジメチルホルムアミド溶液 7mlを穏
やかに添加し、室温で約30分撹拌した。この混合液
を、氷冷下で1−(2−メチルベンゾイル)−3,3,3−
トリフルオロ−2−トリフルオロメチルスルホニルオキ
シプロペン(1.5g)のジメチルホルムアミド溶液 5
mlに滴下して、さらに室温で数時間撹拌して反応させ
た。得られた反応混合液を水に注ぎ、エーテルにて抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
を用いて乾燥して溶媒を留去した後、シリカゲルクロマ
トグラフィーで精製して、1−(2−メチルベンゾイル)
−2−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)チオ−
3,3,3−トリフルオロプロペンのZ体 0.71g(収
率49%)およびその構造異性体であるE体 0.10g
(収率6.9%)を得た。
【0066】製造例11 (Z)−1−ベンゾイル−2−(ベンゾチアゾール−2−
イル)チオ−3,3,3−トリフルオロプロペン(化合物
番号93)の製造 水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁物)0.40g
を、ジメチルホルムアミド 12mlに懸濁し、この懸
濁液に氷冷下で2−メルカプトベンゾチアゾール(1.
7g)のジメチルホルムアミド溶液 12mlを穏やか
に添加し、室温で約30分撹拌した。この混合液を、氷
冷下で製造例2にて得た1−ベンゾイル−3,3,3−ト
リフルオロ−2−トリフルオロメチルスルホニルオキシ
プロペン(3.5g)のジメチルホルムアミド溶液 10
mlに滴下し、さらに室温で数時間撹拌して反応させ
た。得られた反応混合液を水に注ぎ、酢酸エチルにて抽
出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムを用いて乾燥して溶媒を留去した後、シリカゲルクロ
マトグラフィーで精製して(Z)−1−ベンゾイル−2
−(ベンゾチアゾール−2−イル)チオ−3,3,3−ト
リフルオロプロペン 3.35gを得た(収率91%)。
上記製造例と同様の手法により製造された本発明の化合
物の融点および1H−NMRのδ値を下記第7表に示
す。
【0067】
【表18】
【0068】
【表19】
【0069】
【表20】
【0070】次に、本発明の化合物を用いた製剤例の数
様態を示す。なお下記製剤中の「部」は重量基準であ
る。 製剤例1(乳剤) 化合物番号:1 10部 キシレン 45部 ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 7部 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 13部 ジメチルホルムアミド 25部 以上を均一に混合溶解して乳剤100部を得た。 製剤例2(水和剤) 化合物番号:54 20部 ケイソウ土 70部 リグニンスルホン酸カルシウム 5部 ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物 5部 以上を混合粉砕して水和剤100部を得た。 製剤例3(粒剤) 化合物番号:56 5部 ベントナイト 50部 タルク 42部 リグニンスルホン酸ソーダ 2部 ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 1部 以上を充分に混合した後、適量の水を加えて混錬し、押
し出し造粒機を用いて粒剤100部を得た。 製剤例4(フロアブル剤) 化合物番号:66 30部 スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩 2部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3部 消泡剤 1部 プロピレングリコール 5部 水 59部 以上を湿式ボールミルで均一に粉砕混合し、フロアブル
剤100部を得た。上述の製剤例に準じて本発明の化合
物を用いた殺菌剤がそれぞれ製剤できる。
【0071】次に試験例により、本発明殺菌剤による、
各種植物病防除効果を具体的に説明する。試験例1 イネいもち病予防効果試験 直径7cmの塩化ビニルポットに水稲種子(品種:コシ
ヒカリ)を8粒づつ播種し、温室内で2〜3週間育成し
た。第3葉が展開した稲幼苗に、製剤例2に従い調製し
た水和剤を有効成分濃度が200ppmとなるように水
で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。散布1日後、
イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の胞子懸濁液を
噴霧接種し、25℃の湿室内に1日保った後、温室内で
発病させた。接種7日後に病斑を数え下記計算式に従い
防除価を算出した。
【0072】
【数1】
【0073】試験結果を下記の基準で評価し、第8表に
示した。
【0074】
【表21】
【0075】試験例2 コムギ赤さび病予防効果試験 直径7cmの塩化ビニルポットにコムギ種子(品種:農
林61号)を5粒づつ播種して温室内で8日間育成し
た。第1葉が展開したコムギ幼苗に、製剤例2に従い調
製した水和剤を有効成分濃度が200ppmとなるよう
に水で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。散布1日
後に、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の胞子
懸濁液を噴霧接種し、さらに20℃の湿室内に1日保っ
た後、接種翌日に18〜25℃の人工気象室へ移して発
病させた。接種7日後に第1葉の一葉当たりの平均病斑
数を調査し、試験例1に記載の手法に従い防除価を算出
した。その結果を第9表に示す。
【0076】
【表22】
【0077】試験例3 キュウリうどんこ病予防効果試験 直径7cmの塩化ビニルポットにキュウリ種子(品種:
相模半白)を5粒づつ播種し、温室内で7日間育成し
た。子葉が展開したキュウリ幼苗に、製剤例2に従い調
製した水和剤を有効成分濃度が200ppmとなるよう
に水で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。散布1日
後、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea
の胞子懸濁液を噴霧接種し、25〜30℃の温室内に入
れた。接種10日後に下記基準により鉢全体の発病程度
を調査し、得られた結果を第10表に示した。 評価基準 発病程度 A : 発病を認めず B : 20%未満の発病面積 C : 20〜50%未満の発病面積 D : 50%以上の発病面積
【0078】
【表23】
【0079】試験例4 キュウリべと病予防効果試験 直径9cmの塩化ビニルポットにキュウリ種子(品種:
相模半白)を5粒づつ播種し、温室内で7日間育成し
た。子葉が展開したキュウリ幼苗に、製剤例2に従い調
製した水和剤を有効成分濃度が200ppmとなるよう
に水で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。散布1日
後、キュウリべと病菌(Pseudoperonospor a cubensis
の胞子懸濁液を噴霧接種し、20℃の湿室内に1日保っ
た後温室で発病させた。接種7日後に下記基準により発
病程度を調査し、発病度および防除価を求めた。 区分 発病程度 健 : 発病が認められない 小 : 病斑面積が葉面積の1/3未満 中 : 病斑面積が葉面積の1/3以上2/3未満 大 : 病斑面積が葉面積の2/3以上
【0080】
【数2】
【0081】試験結果を下記基準に従い評価し、第11
表に示す。 評価基準 A :防除価 95%以上 B :防除価 80%以上95%未満 C :防除価 50%以上80%未満 D :防除価 50%未満
【0082】
【表24】
【0083】
【発明の効果】本発明の上記一般式(I)で表されるス
ルフィド誘導体は文献未記載の化合物である。本発明の
上記一般式(I)で表されるスルフィド誘導体は、オレ
フィン部に低級ハロアルキル基を有することが特徴であ
り、その構造的特徴によって、このスルフィド誘導体を
含有する殺菌剤の有する優れた特性が発揮されるものと
考えられる。本発明の化合物および殺菌剤は、イネいも
ち病、コムギ赤さび病、キュウリうどんこ病およびキュ
ウリべと病等の水稲および園芸作物の病害菌に対して幅
広い抗菌スペクトラムを有し、優れた防除効果を示す
が、イネ等の栽培植物に対する薬害は認められない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 43/78 101 9155−4H C07C 309/68 7419−4H C07D 233/84 239/38 8615−4C 263/58 277/36 (72)発明者 山田 誠一郎 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 高山 義博 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 大場 あゆみ 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 [式中、R1は低級アルキル基または置換されていても
    よいフェニル基を示し、R2は水素原子、低級アルキル
    基、置換されていてもよいアリール基または置換されて
    もよいアラルキル基を示し、R3は低級ハロアルキル基
    を示し、R4は置換されていてもよいイミダゾール基、
    置換されていてもよいピリジン基、置換されていてもよ
    いピリミジン基、置換されていてもよいベンゾチアゾー
    ル基または置換されていてもよいベンゾオキサゾール基
    を示す]で表されるスルフィド誘導体およびその構造異
    性体。
  2. 【請求項2】 一般式(I): 【化2】 [式中、R1は低級アルキル基または置換されていても
    よいフェニル基を示し、R2は水素原子、低級アルキル
    基、置換されていてもよいアリール基または置換されて
    もよいアラルキル基を示し、R3は低級ハロアルキル基
    を示し、R4は置換されていてもよいイミダゾール基、
    置換されていてもよいピリジン基、置換されていてもよ
    いピリミジン基、置換されていてもよいベンゾチアゾー
    ル基または置換されていてもよいベンゾオキサゾール基
    を示す]で表されるスルフィド誘導体およびその構造異
    性体を有効成分として含有することを特徴とする殺菌
    剤。
  3. 【請求項3】 一般式(II): 【化3】 [式中、R1は低級アルキル基または置換されてもいて
    よいフェニル基を示し、R2は水素原子、低級アルキル
    基、置換されていてもよいアリール基または置換されて
    いてもよいアラルキル基を示し、R3は低級ハロアルキ
    ル基を示す]で表されるエノールトリフレート誘導体。
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