JPH0717944A - トリフルオロブテノン誘導体およびそれを有効成分とする殺菌剤 - Google Patents

トリフルオロブテノン誘導体およびそれを有効成分とする殺菌剤

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JPH0717944A
JPH0717944A JP16698993A JP16698993A JPH0717944A JP H0717944 A JPH0717944 A JP H0717944A JP 16698993 A JP16698993 A JP 16698993A JP 16698993 A JP16698993 A JP 16698993A JP H0717944 A JPH0717944 A JP H0717944A
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group
trifluoro
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JP16698993A
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English (en)
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Yoshihiro Usui
義浩 臼井
Yoshimi Tsutsumi
佳美 堤
Atsushi Go
敦 郷
Seiichiro Yamada
誠一郎 山田
Yoshihiro Takayama
義博 高山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 抗菌活性を有する新規化合物の創製。 【構成】 一般式Iのトリフルオロブテノン誘導体[例
えば、(Z)−1−(4−クロロフェニル)−3−(4−メ
チルフェニル)スルホニル−4,4,4−トリフルオロ−
2−ブテン−1−オン]およびそれを有効成分として含
有する農業用殺菌剤。本化合物はエノールトリフレート
誘導体に、塩基の存在下、チオール化合物を反応させて
合成できる。 〔Aは低級アルキル基、低級ハロアルキル基または置換
されてもよいフェニル基を示し、Bは低級アルキル基ま
たは置換されてもよいフェニル基を示し、nはBが低級
アルキル基または置換されていないフェニル基のときに
は1または2の整数を、Bが置換されているフェニル基
のときには0,1または2の整数を示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文献未記載の新規なトリ
フルオロブテノン誘導体およびその構造異性体、ならび
に前記トリフルオロブテノン誘導体およびその構造異性
体を有効成分とする殺菌剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明のトリフルオロブテノン誘導体に
類似した構造を有する物質としては、J. Chem. Soc., 9
45(1946)に記載のトルエンスルホニルフェニルプロペ
ノン類、あるいは Synthesis, 3, 203(1982)に記載の
アリールチオクロロビニルケトン類およびアルキルチオ
クロロビニルケトン類などが知られている。しかし、こ
れらの文献に記載されている化合物は、いずれもオレフ
ィン部にトリフルオロメチル基を有していない。また、
トリフルオロメチル基を有する化合物としては、日本化
学会誌 No.11, 2146(1985)および Tetrahedron Lette
rs, 32(26), 3071(1991)に記載の化合物が挙げられ
る。これらの化合物はオレフィン部にアリールチオ、ア
リールスルフィニルおよびアリールスルホニル基を持た
ず、一部のものは低級アルキルチオ基またはフェニルチ
オ基を有するものの、それらの有する硫黄原子は酸化さ
れたスルフィニル、スルホニル基ではないという点で、
本発明の化合物と異なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】殺菌剤としてこれまで
に多くの化合物が使用されているが、同じ薬剤を多年連
用することにより、薬剤に対する耐性を獲得した菌の出
現などで殺菌効果の低下が問題となっている。したがっ
て、本発明は、強力な殺菌効果を有する新しい構造から
なる化合物の創製を目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意研究を行った結果、本発明者らはトリフルオロメチル
基を有する、ある特定のトリフルオロブテノン誘導体が
優れた殺菌作用を有することを見い出し、本発明を完成
するに至った。かくして、本発明によれば、(1) 前
記一般式(I)で表されるトリフルオロブテノン誘導体
およびその構造異性体、ならびに、(2) 前記一般式
(I)で表される化合物およびその構造異性体を有効成
分として含有することを特徴とする殺菌剤が提供され
る。本発明の新規なトリフルオロブテノン誘導体は、下
記一般式(I):
【0005】
【化3】
【0006】[式中、Aは低級アルキル基、低級ハロア
ルキル基または置換されていてもよいフェニル基を示
し、Bは低級アルキル基または置換されていてもよいフ
ェニル基を示し、nは、Bが低級アルキル基または置換
されていないフェニル基のときには1または2の整数
を、Bが置換されているフェニル基のときには0、1ま
たは2の整数を示す]で表される。
【0007】上記一般式(I)においてAおよびBでそ
れぞれ表される基を、以下に具体的に例示する。低級アルキル基; 炭素数1〜4の低級アルキル基、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル基等が例示できる。低級ハロアルキル基; 炭素数1〜2の低級ハロアルキル
基、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリ
フルオロメチル、クロロメチル、トリクロロメチル、ク
ロロジフルオロメチル、1,1,2,2,2−ペンタフルオ
ロエチル基等が例示できる。
【0008】Aで定義されるフェニル基は、1個または
それ以上、好ましくは1〜3個の基により置換されてい
てもよい。その置換基としては、例えば、ハロゲン原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアル
キル基、低級ハロアルコキシ基、低級アルキルカルボニ
ル基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基およびシ
アノ基等が例示できる。その具体例としては、例えば、
フッ素、塩素、臭素原子、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオ
ロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキ
シ、メチルカルボニル、メトキシカルボニル、ニトロ、
およびシアノ基等が挙げられる。
【0009】Bにて定義されるフェニル基は、1個また
はそれ以上、好ましくは1〜3個の基により置換されて
いてもよい。その置換基としては、例えば、ハロゲン原
子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコ
キシ基、低級ハロアルコキシ基およびニトロ基等が例示
できる。その具体例としては、例えば、フッ素、塩素、
臭素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフ
ルオロメトキシおよびニトロ基等が挙げられる。上記に
具体的に例示されていない基は、上記原子および基から
任意に組み合わせて、あるいは一般的に知られた常識に
従って選択される。
【0010】当然ながら、前記一般式(I)で表される
化合物の構造異性体も、本発明の範囲のものである。本
明細書においては、本発明化合物について順位規則を適
用し、下記一般式(I);
【0011】
【化4】
【0012】[式中、AおよびBは前記一般式(I)の
定義と同義である]で表される化合物をZ、上記一般式
(I)の構造異性体である下記一般式(I−b);
【0013】
【化5】
【0014】[式中、AおよびBは前記一般式(I)の
定義と同義である]で表される化合物をEと称する。前
記一般式(I)で表される本発明の化合物の具体例とし
て、Aが低級アルキル基または低級ハロアルキル基を表
し、かつBが置換されていてもよいフェニル基を表す化
合物のうちで特に好ましい化合物を下記第1表に;Aお
よびBが共に置換されていてもよいフェニル基を表す化
合物のうちで特に好ましい化合物を下記第2表に;Aが
置換されていてもよいフェニル基を表し、かつBが低級
アルキル基を表す化合物のうちで特に好ましい化合物を
下記第3表に;さらに、Aが低級アルキル基または低級
ハロアルキル基を表し、かつBが低級アルキル基を表す
化合物のうちで特に好ましい化合物を下記第4表に、そ
れぞれ例示する。なお、本明細書に記載の表中に用いる
略号は下記の意味を有する。 Me=メチル基、Et=エチル基、Pr=n−プロピル基、iP
r=イソプロピル基 Bu=n−ブチル基、tBu=tert−ブチル基
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
【表7】
【0022】
【表8】
【0023】
【表9】
【0024】
【表10】
【0025】
【表11】
【0026】
【表12】
【0027】
【表13】
【0028】
【表14】
【0029】次に本発明の前記一般式(I)で表される
ZおよびE化合物の製造方法について説明する。ただ
し、本発明のトリフルオロブテノン誘導体は、これらの
方法により製造されたものに限定されるものではない。
本発明化合物であって、一般式(I)のnが0であるト
リフルオロブテノン誘導体は、例えば、下記一般式(I
I):
【0030】
【化6】
【0031】[式中、Aは前記一般式(I)の定義と同
義である]で表されるエノールトリフレート誘導体に、
塩基の存在下、下式(III):
【0032】
【化7】
【0033】[式中、Bは前記一般式(I)の定義と同
義である]で表されるチオール類化合物を、好ましくは
溶媒中で反応させることにより、容易に製造することが
できる。この反応は、下記の反応式:
【0034】
【化8】
【0035】[式中、AおよびBは前記一般式(I)の
定義と同義である]により表される。上記反応式中、一
般式(II)で表されるエノールトリフレート誘導体は公
知の方法に準じる製造方法により得ることができる[例
えば、Tetrahedron, 43(1),275 (1987) 参照]。また、
一般式(III)で表されるチオール類化合物は公知の方
法により製造することができる〔例えば、Bull. Chem.
Soc. Jpn., 62, 2575(1989) 参照〕。
【0036】上記反応を行う際の反応温度には特に制約
はなく、適宜に選択可能であるが、例えば、0℃から1
60℃または溶媒の沸点の温度範囲で反応を行うことが
できる。反応時間は、反応温度、使用される試薬の種類
等の設定条件によっても異なるが、例えば、1〜240
分の反応時間を例示できる。使用する溶媒としては、上
記反応に対して実質的に不活性なものであれば制限はな
いが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水
素類;メタノール、エタノール等のアルコール類;N,
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水
等、またはそれらの混合物等が好適に使用される。上記
反応に使用する塩基としては、特に制約はないが、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、水素化ナトリウムまたはナトリウム
メトキシド等を例示できる。上記一般式(I')の本発
明化合物は、その構造異性体である一般式(I'−b)と
の混合物として生成されるが、これらは既知の方法によ
って反応混合物から単離することができ、必要に応じ
て、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等に
よりそれぞれの構造異性体を容易に精製することができ
る。
【0037】上記反応により得られる一般式(I')で表
されるトリフルオロブテノン誘導体およびその構造異性
体は前記一般式(I)のnが0である化合物であるが、
前記一般式(I)のnが1または2である化合物は、前
記一般式(I')の化合物またはその構造異性体を適当な
溶媒中で酸化することにより得られる。この反応は、下
記反応式:
【0038】
【化9】
【0039】[式中、AおよびBは前記一般式(I)の
定義と同義であり、nは1または2の整数を表す]で表
される。反応に用いる酸化剤としては、例えば、過酸化
水素水、メタクロロ安息香酸、過マンガン酸カリウムま
たはメタ過沃素酸ナトリウム等を使用することができ
る。反応に供せられる酸化剤の量は、特に制限されない
が、一般式(I')またはその構造異性体の化合物に対
し、その1〜3モル倍であることが適当である。反応時
間は設定条件により種々に変化し得るが、通常は、10
分間〜12時間の範囲内で反応を終了させることができ
る。使用する溶媒としては、同時に使用する酸化剤によ
り異なるが、上記反応に対して実質的に不活性なもので
あれば制限はなく、例えば、酢酸、ジクロロメタン、ク
ロロホルムおよびメタノール等が好適に用いられる。生
成する一般式(I)で表される化合物は、それぞれ既知
の方法で反応混合物から単離可能であり、必要に応じ
て、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等に
より各々容易に精製することができる。
【0040】前記一般式(I)で表される本発明化合物
は、殺菌剤としての活性を有している。本発明の前記化
合物を殺菌剤として用いる場合には、担体もしくは希釈
剤、添加剤および補助剤等と公知の手法で混合して、通
常農薬として用いられる製剤形態、例えば、粉剤、粒
剤、水和剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤等に調製して
使用される。また他の農薬、例えば、殺菌剤、殺虫剤、
殺ダニ剤、除草剤、植物生長調節剤等、肥料および土壌
改良剤等と混合または併用して使用することができる。
特に他の殺菌剤と混合使用することにより、使用農薬を
減少させ、また省力化をもたらすのみならず、両薬剤の
共力作用による殺菌スペクトラムの拡大および相乗作用
による一層高い効果も期待できる。
【0041】製剤に際して用いられる担体もしくは希釈
剤としては、一般に使用される固体ないしは液体の担体
が挙げられる。固体担体としては、例えば、カオリナイ
ト群、モンモリロナイト群、イライト群あるいはポリグ
ロスカイト群等で代表されるクレー類、詳しくはパイロ
フライト、アタパルジャイト、セピオライト、カオリナ
イト、ベントナイト、バーミキュライト、雲母やタルク
等;石膏、炭酸カルシウム、ドロマイト、けいそう土、
マグネシウム石灰、りん石灰、ゼオライト、無水ケイ
酸、合成ケイ酸カルシウム等のその他無機物質;大豆
粉、タバコ粉、クルミ粉、小麦粉、木粉、デンプン、結
晶セルロース等の植物性有機物質;クマロン樹脂、石油
樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアルキレ
ングリコール、ケトン樹脂、エスチルガム、コーバルガ
ム、ダンマルガム等の合成または天然の高分子化合物;
カルナウバロウ、蜜ロウ等のワックス類あるいは尿素等
が例示できる。
【0042】適当な液体担体としては、例えば、ケロシ
ン、鉱油、スピンドル油、ホワイトオイル等のパラフィ
ン系又はナフテン系炭化水素;キシレン、エチルベンゼ
ン、クメン、メチルナフタリン等の芳香族炭化水素;ト
リクロロエチレン、モノクロロベンゼン、オルトクロロ
トルエン等の塩素化炭化水素;ジオキサン、テトラヒド
ロフランのようなエーテル類;アセトン、メチルエチル
ケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセ
トフェノン、イソホロン等のケトン類;酢酸エチル、酢
酸アミル、エチレングリコールアセテート、ジエチレン
グリコールアセテート、マレイン酸ジブチル、コハク酸
ジエチル等のエステル類;メタノール、n−ヘキサノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類;エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリ
コールフェニルエーテル、ジエチレングリコールエチル
エーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル等のエ
ーテルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド等の極性溶媒あるいは水などが例示でき
る。
【0043】その他本発明の化合物の乳化、分散、湿
潤、展着、拡展、結合、崩壊性調節、有効成分安定化、
流動性改良、防錆、凍結防止等の目的で界面活性剤その
他の補助剤を使用することもできる。使用される界面活
性剤としては、例えば、非イオン性、陰イオン性、陽イ
オン性および両性イオン性のいずれの化合物をも使用し
うるが、通常は非イオン性および(または)陰イオン性
の化合物が使用される。
【0044】適当な非イオン性界面活性剤としては、例
えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オ
レイルアルコール等の高級アルコールにエチレンオキシ
ドを重合付加させた化合物;イソオクチルフェノール、
ノニルフェノール等のアルキルフェノールにエチレンオ
キシドを重合付加させた化合物;ブチルナフトール、オ
クチルナフトール等のアルキルナフトールにエチレンオ
キシドを重合付加させた化合物;パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸にエチレンオキシド
を重合付加させた化合物;ソルビタン等の多価アルコー
ルの高級脂肪酸エステル及びそれにエチレンオキシドを
重合付加させた化合物、エチレンオキシドとプロピレン
オキシドをブロック重合付加させた化合物等が例示でき
る。
【0045】適当な陰イオン性界面活性剤としては、例
えば、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイルアルコール硫
酸エステルアミン塩等のアルキル硫酸エステル塩;スル
ホこはく酸ジオクチルエステルナトリウム、2−エチル
ヘキセンスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸
塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、メ
チレンビスナフタレンスルホン酸ナトリウム、リグニン
スルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム等のアリールスルホン酸塩等が例示できる。
【0046】さらに、本発明の殺菌剤には、製剤の性状
を改善し殺菌効果を高める目的で、カゼイン、ゼラチ
ン、アルブミン、ニカワ、アルギン酸ソーダ、カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリビニルアルコール等の高分子化合
物や他の補助剤を併用することもできる。上記担体およ
び種々の補助剤は製剤の剤型、適用場面等を考慮して、
目的に応じてそれぞれ単独あるいは組み合わせて適宜使
用される。
【0047】このようにして得られた各種製剤形におけ
る本発明化合物有効成分含有率は製剤形により種々変化
するものであるが、通常0.1〜99重量%が適当であ
り、好ましくは1〜80重量%が最も適当である。水和
剤の場合は、例えば有効成分化合物を通常5〜90重量
%含有し、残部は固体担体および分散湿潤剤であって、
必要に応じて保護コロイド剤、消泡剤等が加えられる。
【0048】粒剤の場合は、例えば有効成分化合物を通
常1〜35重量%含有し、残部は固体但体および界面活
性剤等である。有効成分化合物は固体但体と均一に混合
されているか、あるいは固体担体の表面に均一に固着ま
たは吸着されており、粒の径は約0.2ないし1.5mmで
ある。乳剤の場合は、例えば、有効成分化合物を通常5
〜80重量%含有しており、これに約5ないし20重量
%の乳化剤が含まれ、残部は液体担体であり、必要に応
じて展着剤および防錆剤等が加えられる。フロアブル剤
の場合は、例えば有効成分化合物を通常5〜50重量%
含有しており、これに3ないし10重量%の分散湿潤剤
が含まれ、残部は水であり必要に応じて保護コロイド
剤、防腐剤、消泡剤等が加えられる。
【0049】本発明のトリフルオロブテノン誘導体およ
びその構造異性体は、前記一般式(I)の化合物のま
ま、あるいは上述した様な任意の製剤形態で剤として使
用することができる。本発明化合物の使用濃度は、対象
作物、使用方法、製剤形態、施用量などの違いによって
異なるので一概には規定できないが、茎葉処理の場合、
有効成分当たり0.1〜10,000 ppm、望ましくは、1〜5
00 ppm である。土壌処理の場合には、10〜100,000 g
/ha、望ましくは、200〜20,000 g/ha である。
【0050】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。製造例1 (Z)−5,5−ジメチル−2−(4−メチルフェニル)
チオ−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン−4−オ
ン(化合物番号9)の製造 水素化ナトリウム(鉱物油中60%懸濁物)0.70g
をジメチルホルムアミド 7mlに懸濁し、氷冷下でp
−トルエンチオール(2.2g)のジメチルホルムアミ
ド溶液 2mlを前記懸濁液に緩やかに添加した後、室
温で約30分間撹拌した。この混合液を、氷冷下で
(Z)−5,5−ジメチル−1,1,1−トリフルオロ−2
−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−2−ヘキセン
−4−オン (4.8g)のジメチルホルムアミド溶液
6mlに滴下し、さらに室温にて数時間撹拌して反応さ
せた。得られた反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテ
ルにて抽出した。抽出液の有機層を飽和食塩水にて洗浄
し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させて溶媒を留去し
た後、シリカゲルクロマトグラフィーにて分離および精
製して(Z)−5,5−ジメチル−2−(4−メチルフェ
ニル)チオ−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン−
4−オン 3.02gを得た(収率68%)。
【0051】製造例2 (Z)−5,5−ジメチル−2−(4−メチルフェニル)
スルフィニル−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン
−4−オン(化合物番号11)の製造 製造例1と同様の方法にて得た(Z)−5,5−ジメチル
−2−(4−メチルフェニル)チオ−1,1,1−トリフ
ルオロ−2−ヘキセン−4−オン 0.70gをクロロホ
ルム 10mlに溶解し、氷冷下でメタクロロ過安息香
酸(70重量%)0.51gを少量づつ添加し、さらに
室温で4時間撹拌して反応させた。この反応液に亜流酸
ナトリウム水溶液を適宜添加して、未反応のメタクロロ
過安息香酸を分解した。次に、この液の有機層を炭酸水
素ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用
いて乾燥させて溶媒を留去した。これをシリカゲルクロ
マトグラフィーにて分離および精製して(Z)−5,5−
ジメチル−2−(4−メチルフェニル)スルフィニル−
1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン−4−オン0.
55gを得た(収率75%)。
【0052】製造例3 (Z)−5,5−ジメチル−2−(4−メチルフェニル)
スルホニル−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン−
4−オン(化合物番号13)の製造 製造例1と同様の方法にて得た(Z)−5,5−ジメチル
−2−(4−メチルフェニル)チオ−1,1,1−トリフ
ルオロ−2−ヘキセン−4−オン 0.70gをクロロホ
ルム 10mlに溶解し、氷冷下でメタクロロ過安息香
酸(70重量%)1.43gを少量づつ添加し、さらに
室温で4時間撹拌して反応させた。この反応液に亜流酸
ナトリウム水溶液を適宜添加して、未反応のメタクロロ
安息香酸を分解した。次に、この液の有機層を炭酸水素
ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用い
て乾燥させて溶媒を留去した。これをシリカゲルクロマ
トグラフィーにて分離および精製して(Z)−5,5−ジ
メチル−2−(4−メチルフェニル)スルホニル−1,
1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン−4−オン0.75
gを得た(収率97%)。
【0053】製造例4 (Z)−1−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メチル
フェニル)チオ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン
−1−オン(化合物番号65)の製造 水素化ナトリウム(鉱物油中60%懸濁物)0.45g
をジメチルホルムアミド 5mlに懸濁し、氷冷下でp
−トルエンチオール(1.39g)のジメチルホルムア
ミド溶液 2mlを前記懸濁液に緩やかに添加した後、
室温で約30分間撹拌した。この混合液を、氷冷下で
(Z)−1−(4−フルオロフェニル)−3−トリフルオ
ロメチルスルホニルオキシ−4,4,4−トリフルオロ−
2−ブテン−1−オン(3.7g)のジメチルホルムア
ミド溶液 20mlに滴下し、さらに室温で数時間撹拌
して反応させた。次に、得られた反応混合物を水に注
ぎ、ジエチルエーテルにて抽出した。抽出液の有機層を
飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥
させて溶媒を留去した後、ヘキサンより再結晶して
(Z)−1−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メチル
フェニル)チオ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン
−1−オン 2.52gを得た(収率73%)。
【0054】製造例5 (Z)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(4−メチル
フェニル)スルホニル−4,4,4−トリフルオロ−2−
ブテン−1−オン(化合物番号105)の製造 (Z)−1−(2−メトキシフェニル)−3−(4−メチル
フェニル)チオ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン
−1−オン 1.2gをクロロホルム 14mlに溶解
し、氷冷下でメタクロロ過安息香酸(70重量%)2.
1gを少量づつ添加し、さらに室温で数時間撹拌して反
応させた。この反応液に亜流酸ナトリウム水溶液を適宜
添加して、未反応のメタクロロ安息香酸を分解した。次
に、この液の有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗
浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させて溶媒を留去
した。ヘキサン/酢酸エチルより再結晶して(Z)−1
−(2−メトキシフェニル)−3−(4−メチルフェニ
ル)スルホニル−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン
−1−オン 0.89gを得た(収率68%)。
【0055】製造例6 (Z)−1−(3,4−メトキシフェニル)−3−(4−メ
チルフェニル)チオ−4 ,4,4−トリフルオロ−2−ブ
テン−1−オン(化合物番号159)の製造 水素化ナトリウム(鉱物油中60%懸濁物)0.60g
をジメチルホルムアミド 6mlに懸濁し、氷冷下でp
−トルエンチオール(1.88g)のジメチルホルムア
ミド溶液 3mlを前記懸濁液に緩やかに添加した後、
室温で約30分間撹拌した。この混合液を、氷冷下で
(Z)−1−(3,4−ジメチルフェニル)−3−トリフル
オロメチルスルホニルオキシ−4,4,4−トリフルオロ
−2−ブテン−1−オン(4.37g)のジメチルホル
ムアミド溶液 20mlに滴下し、さらに室温で数時間
撹拌して反応させた。次に、得られた反応混合物を水に
注ぎ、ジエチルエーテルにて抽出した。抽出液の有機層
を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾
燥させて溶媒を留去した後、シリカゲルクロマトグラフ
ィーにて精製して(Z)−1−(3,4−メトキシフェニ
ル)−3−(4−メチルフェニル)チオ−4,4,4−トリ
フルオロ−2−ブテン−1−オン 2.20gを得た(収
率54%)。
【0056】製造例7 (1) (Z)−1−フェニル−3−メチルチオ−4,
4,4−トリフルオロ−2−ブテン−1−オンおよび
(E)−1−フェニル−3−メチルチオ−4,4,4−ト
リフルオロ−2−ブテン−1−オンの製造 (Z)−1−フェニル−3−トリフルオロメチルスルホ
ニルオキシ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン−1
−オン 3.5gをジメチルホルムアミド 25mlに溶
解し、氷冷下でメタンチオールナトリウム塩の15%水
溶液 5.6gを穏やかに添加した後、さらに室温で3時
間撹拌して反応させた。得られた反応混合液を水に注
ぎ、酢酸エチルにて抽出した。抽出液の有機層を飽和食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥して溶媒
を留去した後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し
て、(Z)−1−フェニル−3−メチルチオ−4,4,4
−トリフルオロ−2−ブテン−1−オン 1.33g(収
率54%)、および(E)−1−フェニル−3−メチル
チオ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン−1−オン
0.21g(収率8.5%)を得た。
【0057】(2) (Z)−1−フェニル−3−メ
チルスルホニル−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン
−1−オン(化合物番号189)および(Z)−1−フ
ェニル−3−メチルスルフィニル−4,4,4−トリフル
オロ−2−ブテン−1−オン(化合物番号187)の製
製造例7(1)と同様の方法にて得た(Z)−1−フェ
ニル−3−メチルチオ−4,4,4−トリフルオロ−2−
ブテン−1−オン 0.94gをクロロホルム12mlに
溶解し、氷冷下でメタクロロ過安息香酸(70重量%)
2.4gを少量づつ添加し、さらに室温で3時間撹拌し
て反応させた。この反応液に亜流酸ナトリウム水溶液を
適宜添加して、未反応のメタクロロ過安息香酸を分解し
た。次に、この液の有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液
にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥させて溶媒
を留去した。これをシリカゲルクロマトグラフィーにて
精製して(Z)−1−フェニル−3−メチルスルホニル
−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテン−1−オン 0.
20g(収率19%)、および(Z)−1−フェニル−
3−メチルスルフィニル−4,4,4−トリフルオロ−2
−ブテン−1−オン 0.33g(収率31%)を得た。
【0058】製造例8 (1) (Z)−5,5−ジメチル−2−メチルチオ−
1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン−4−オンおよ
び(E)−5,5−ジメチル−2−メチルチオ−1,1,
1−トリフルオロ−2−ヘキセン−4−オンの製造 (Z)−5,5−ジメチル−1,1,1−トリフルオロ−2
−トリフルオロメチルスルホニルオキシ−2−ヘキセン
−4−オン 3.3gをジメチルホルムアミド25mlに
溶解し、氷冷下でメタンチオールナトリウム塩の15%
水溶液 5.6gを穏やかに添加し、さらに室温で3時間
撹拌して反応させた。得られた反応混合液を水に注ぎ、
酢酸エチルにて抽出した。抽出液の有機層を飽和食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥して溶媒を留
去した後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、
(Z)−5,5−ジメチル−2−メチルチオ−1,1,1−
トリフルオロ−2−ヘキセン−4−オン 1.35g(収
率59%)、および(E)−5,5−ジメチル−2−メ
チルチオ−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン−4
−オン 0.22g(収量9.7%)を得た。
【0059】(2) (Z)−5,5−ジメチル−2−
メチルスルホニル−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキ
セン−4−オン(化合物番号227)および(Z)−5,
5−ジメチル−2−メチルスルフィニル−1,1,1−ト
リフルオロ−2−ヘキセン−4−オン(化合物番号22
5)の製造 製造例8(1)と同様の方法にて得た(Z)−5,5−ジ
メチル−2−メチルチオ−1,1,1−トリフルオロ−2
−ヘキセン−4−オン 0.92gをクロロホルム 12
mlに溶解し、氷冷下でメタクロロ過安息香酸(70重
量%)2.5gを少量づつ添加し、さらに室温で3時間
撹拌して反応させた。この反応液に亜流酸ナトリウム水
溶液を適宜添加し、未反応のメタクロロ過安息香酸を分
解した。次に、この液の有機層を炭酸水素ナトリウム水
溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥して溶
媒を留去した。これをシリカゲルクロマトグラフィーに
て精製して(Z)−5,5−ジメチル−2−メチルスルホ
ニル−1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキセン−4−オ
ン 0.23g(収率22%)、および(Z)−5,5−ジ
メチル−2−メチルスルフィニル−1,1,1−トリフル
オロ−2−ヘキセン−4−オン 0.30g(収率29
%)を得た。上記実施例にて製造された物質、および同
様の手法により製造された本発明の化合物の融点および
1H−NMRのδ値を下記第5表に示す。
【0060】
【表15】
【0061】
【表16】
【0062】
【表17】
【0063】次に、本発明の化合物を用いた製剤例の数
様態を示す。なお下記製剤中の「部」は重量基準であ
る。 製剤例1(乳剤) 化合物番号:37 10部 キシレン 45部 ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 7部 ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 13部 ジメチルホルムアミド 25部 以上を均一に混合溶解して乳剤100部を得た。 製剤例2(水和剤) 化合物番号:41 20部 ケイソウ土 70部 リグニンスルホン酸カルシウム 5部 ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物 5部 以上を混合粉砕して水和剤100部を得た。 製剤例3(粒剤) 化合物番号:69 5部 ベントナイト 50部 タルク 42部 リグニンスルホン酸ソーダ 2部 ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル 1部 以上を充分に混合した後、適量の水を加えて混錬し、押
し出し造粒機を用いて粒剤100部を得た。 製剤例4(フロアブル剤) 化合物番号:119 30部 スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩 2部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3部 消泡剤 1部 プロピレングリコール 5部 水 59部 以上を湿式ボールミルで均一に粉砕混合し、フロアブル
剤100部を得た。上述の製剤例に準じて本発明の化合
物を用いた殺菌剤がそれぞれ製剤できる。
【0064】次に試験例により、本発明殺菌剤による、
各種植物病防除効果を具体的に説明する。試験例1 イネいもち病予防効果試験 直径7cmの塩化ビニルポットに水稲種子(品種:コシ
ヒカリ)を8粒づつ播種し、温室内で2〜3週間育成し
た。第3葉が展開した稲幼苗に、製剤例2に従い調製し
た水和剤を有効成分濃度が200ppmとなるように水
で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。散布1日後、
イネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の胞子懸濁液を
噴霧接種し、25℃の湿室内に1日保った後、温室内で
発病させた。接種7日後に病斑を数え下記計算式に従い
防除価を算出した。
【0065】
【数1】
【0066】試験結果を下記の基準で評価し、第6表に
示した。 評価基準 A:防除価 95%以上 B:防除価 80〜95%未満 C:防除価 50〜80%未満 D:防除価 50%未満
【0067】
【表18】
【0068】試験例2 コムギ赤さび病予防効果試験 直径7cmの塩化ビニルポットにコムギ種子(品種:農
林61号)を5粒づつ播種して温室内で8日間育成し
た。第1葉が展開したコムギ幼苗に、製剤例2に従い調
製した水和剤を有効成分濃度が200ppmとなるよう
に水で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。散布1日
後に、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の胞子
懸濁液を噴霧接種し、さらに20℃の湿室内に1日保っ
た後、接種翌日に18〜25℃の人工気象室へ移して発
病させた。接種7日後に第1葉の一葉当たりの平均病斑
数を調査し、試験例1に記載の手法に従い防除価を算出
した。その結果を第7表に示した。
【0069】
【表19】
【0070】試験例3 キュウリうどんこ病予防効果試
直径7cmの塩化ビニルポットにキュウリ種子(品種:
相模半白)を5粒づつ播種し、温室内で7日間育成し
た。子葉が展開したキュウリ幼苗に、製剤例2に従い調
製した水和剤を有効成分濃度が200ppmとなるよう
に水で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。散布1日
後、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea
の胞子懸濁液を噴霧接種し、25〜30℃の温室内に入
れた。接種10日後に下記基準により鉢全体の発病程度
を調査し、得られた結果を第8表に示した。 評価基準 発病程度 A : 発病を認めず B : 20%未満の発病面積 C : 20〜50%未満の発病面積 D : 50%以上の発病面積
【0071】
【表20】
【0072】試験例4 キュウリべと病予防効果試験 直径9cmの塩化ビニルポットにキュウリ種子(品種:
相模半白)を5粒づつ播種し、温室内で7日間育成し
た。子葉が展開したキュウリ幼苗に、製剤例2に従い調
製した水和剤を有効成分濃度が200ppmとなるよう
に水で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。散布1日
後、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)の
胞子懸濁液を噴霧接種し、20℃の湿室内に1日保った
後温室で発病させた。接種7日後に下記基準により発病
程度を調査し、発病度および防除価を求めた。 区分 発病程度 健 : 発病が認められない 小 : 病斑面積が葉面積の1/3未満 中 : 病斑面積が葉面積の1/3以上2/3未満 大 : 病斑面積が葉面積の2/3以上
【0073】
【数2】
【0074】試験結果を下記基準に従い評価し、第9表
に示した。 評価基準 A :防除価 95%以上 B :防除価 80%以上95%未満 C :防除価 50%以上80%未満 D :防除価 50%未満
【0075】
【表21】
【0076】
【発明の効果】本発明の上記一般式(I)で表されるト
リフルオロブテノン誘導体は文献未記載の化合物であ
る。本発明の上記一般式(I)で表されるトリフルオロ
ブテノン誘導体は、オレフィン部にトリフルオロメチル
基を有することが特徴であり、その構造的特徴によっ
て、このトリフルオロメチル誘導体を含有する殺菌剤の
有する優れた特性が発揮されるものと考えられる。本発
明の化合物および殺菌剤は、イネいもち病、コムギ赤さ
び病、キュウリうどんこ病およびキュウリべと病等の水
稲および園芸作物の病害菌に対して幅広い抗菌スペクト
ラムを有し、優れた防除効果を示すが、イネ等の栽培植
物に対する薬害は認められない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 誠一郎 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 高山 義博 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 [式中、Aは低級アルキル基、低級ハロアルキル基また
    は置換されていてもよいフェニル基を示し、Bは低級ア
    ルキル基または置換されていてもよいフェニル基を示
    し、nは、Bが低級アルキル基または置換されていない
    フェニル基のときには1または2の整数を、Bが置換さ
    れているフェニル基のときには0、1または2の整数を
    示す]で表されるトリフルオロブテノン誘導体およびそ
    の構造異性体。
  2. 【請求項2】 一般式(I): 【化2】 [式中、Aは低級アルキル基、低級ハロアルキル基また
    は置換されていてもよいフェニル基を示し、Bは低級ア
    ルキル基または置換されていてもよいフェニル基を示
    し、nは、Bが低級アルキル基または置換されていない
    フェニル基のときには1または2の整数を、Bが置換さ
    れているフェニル基のときには0、1または2の整数を
    示す]で表されるトリフルオロブテノン誘導体およびそ
    の構造異性体を有効成分として含有することを特徴とす
    る殺菌剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113015433A (zh) * 2018-09-14 2021-06-22 Fmc公司 杀真菌卤代甲基酮及水合物
CN114702417A (zh) * 2022-01-27 2022-07-05 上海毕得医药科技股份有限公司 一种偕二氟丙二烯类化合物β位进行亲核取代制备二氟乙烯类硫化物的合成方法

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CN114702417B (zh) * 2022-01-27 2024-04-02 上海毕得医药科技股份有限公司 一种偕二氟丙二烯类化合物β位进行亲核取代制备二氟乙烯类硫化物的合成方法

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