JPH0710504B2 - 研磨テープの製造方法 - Google Patents

研磨テープの製造方法

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JPH0710504B2
JPH0710504B2 JP61186185A JP18618586A JPH0710504B2 JP H0710504 B2 JPH0710504 B2 JP H0710504B2 JP 61186185 A JP61186185 A JP 61186185A JP 18618586 A JP18618586 A JP 18618586A JP H0710504 B2 JPH0710504 B2 JP H0710504B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は磁気ヘッド等の研磨に用いる研磨テープの製造
方法に関するものである。
(従来技術) ビデオ用あるいは高級オーディオ用等の磁気ヘッドはテ
ープ摺動面の平滑性がとくに要求されるため、一般に、
該磁気ヘッドを製造する際粗削りの後、この磁気ヘッド
を所定の位置に配し、この磁気ヘッドを挾む2つのリー
ル間に研磨テープを走行させて磁気ヘッドのテープ摺動
面を平滑に研磨することが行なわれる。
このような研磨テープは、可撓性を有する支持体上に研
磨層が形成されていて、この支持体の有する可撓性によ
り、被研磨物である磁気ヘッドの曲面形状になじんで、
この面を精密に研磨することができる。
この研磨テープの製造工程は、一般に、研磨材,結合
材、さらに必要に応じて添加剤等を混ぜ合わせて研磨塗
液を調液し分散させる研磨塗液調液工程と、該研磨塗液
を幅広の可撓性支持体上に塗布し乾燥させて研磨層を形
成した上でそれを巻き取る塗布工程と、これを所定のテ
ープ幅、例えば約1.3cmに裁断(スリット)するスリッ
ト工程と、スリット済のテープをきれいに整然と所定
長、例えば100mづつ巻回(化粧巻き)し、製品化する巻
回工程とから成る。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、前述したような製造工程においては、製造雰
囲気中に存在する塵や研磨層の屑、例えば裁断の際スリ
ット断面(いわゆる耳)より発生した研磨層屑等の細い
付着物が研磨層表面に付着しやすい。このような付着物
が付いたまま最終的な巻回である化粧巻きが行なわれる
と、巻回されたテープ表面に小さな凸状の突起が生じた
り、巻回テープの層状端面に付着物が見える等の外観不
良がおこり大変好ましくない。
また、研磨層上にこのような付着物が付着する場合に
は、研磨テープ内の幅方向や長さ方向において付着物の
多いところと少いところが生じ、それによって研磨特性
の差が生じると共に付着物の多いところではそれがすり
傷の原因となり、また製造時の環境等により製造ロット
毎に付着物の多小が生じ、それにより製造ロット毎の研
磨特性の差が生ずるおそれがある。
このように、研磨特性にバラツキが生じるということは
仕上げ用の精密研磨等が要求される研磨テープにおいて
は大きな問題である。
このような研磨特性のバラツキを防止するために、例え
ば研磨塗液にカーボンブラックを添加することで帯電防
止効果を付与する方法も考えられるが、このように帯電
効果付与のためのカーボンブラック添加により研磨塗液
組成の設計自由度が減少するのは好ましくない。
したがって本発明は、研磨塗液組成の設計自由度を減少
させることなく、前記付着物による外観不良や研磨特性
のバラツキ等の問題を解決することのできる研磨テープ
を製造方法を提供することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 前記のような問題点を解決するために本発明による研磨
テープの製造方法は、研磨塗液の塗布乾燥後に、走行し
ている研磨テープの研磨層表面にブレードを当接させて
該研磨層表面の付着物を除去する前段クリーニング工程
と、該前段クリーニング工程の後において走行している
研磨テープの研磨層表面および支持体表面の各々に可撓
性を有するクリーニング材料を当接させて該クリーニン
グ材料によって研磨層表面および支持体表面の付着物を
吸着して除去する後段クリーニング工程とを設けたこと
を特徴とするものである。
前記クリーニング工程は、前記研磨塗液の乾燥後であれ
ばどこに設けても良く、例えば研磨テープの製造工程が
前述した最も一般的な工程、即ち研磨塗液調液工程と、
塗布工程と、スリット工程と、巻回工程とから成る場合
には、その塗布工程における研磨塗液の塗布乾燥後巻回
工程における化粧巻き前であればどこに設けても良く、
具体的には、化粧巻きの直前やスリットの前後に設ける
ことができる。
(発明の効果) 本発明による研磨テープの製造方法においては、研磨塗
液の塗布乾燥の後に、研磨テープをクリーニングするク
リーニング工程が設けられているため、研磨テープに付
着している塵や研磨層屑等の付着物が取除かれ、最終的
な巻回である化粧巻をされた研磨テープ端面の付着物や
付着物による研磨層表面の凸状の変形を防止でき、外観
の整った研磨テープの製品化を図ることができる。
また付着物の除去により、テープの各部分の研磨特性の
バラツキを回避でき、また、湿度やクリーン度等の製造
環境等に左右されることなく製造ロット毎の研磨特性の
バラツキも回避することができる。また、付着物を取り
去ることにより被研磨物のすり傷も減少する。さらに研
磨層自体の帯電効果を高めることなく付着物の問題を解
決できるため研磨塗液組成の設計自由度が制限されるこ
とがなく、好都合である。
また、前記クリーニング工程が、前述の如きブレードを
用いた前段クリーニング工程と可撓性を有するクリーニ
ング材料を用いた後段クリーニング工程とで構成されて
いるので、まず前段クリーニング工程においてブレード
により研磨層に埋め込まれた硬い付着物が削り取られ、
次に後段クリーニング工程において可撓性クリーニング
材料により研磨テープの両面(研磨層表面および支持体
表面の双方)の付着物が吸着保持されて取り除かれ、従
って研磨テープの両面に付着した付着物を確実に取り除
くことができる(支持体表面の付着物も除去しないとそ
の後研磨テープを巻回したときにこの付着物がテープ間
に位置しかつ研磨層表面に付着する)と共に、硬い付着
物の場合研磨層に埋め込まれた態様で付着することがあ
るがこの様な研磨層に埋め込まれた硬い付着物をも確実
に取り除くことができ、もって研磨テープに付着する付
着物をほぼ完全に除去することができる。
また、前記2つのクリーニング工程を設けるにあたっ
て、前段にブレードを用いたクリーニング工程を、後段
に可撓性クリーニング材料を用いたクリーニング工程を
配置したので、逆の配置にした場合に比して、万一ブレ
ードにより研磨層表面に多少の傷が付いても後の可撓性
クリーニング材料の研磨層表面への当接によりその傷が
ある程度修復され、クリーニングによる研磨層表面の傷
付きを極力抑制することができる。
(実施例) 以下、図面の参照しながら本発明による研磨テープの製
造方法の一実施例を説明する。
以下に示す実施例は、可撓性支持体と、該支持体上に形
成された研磨層とから成る研磨テープの製造方法であっ
て、研磨材、結合剤および必要に応じて用いられる添加
剤例えば潤滑剤等を混練して研磨塗液を調液する研磨塗
液調液工程と、該研磨塗液を幅広の可撓性支持体上に塗
布し乾燥させて研磨層を形成した上でそれを巻き取って
バルクロールとする塗布工程と、バルクロール状の研磨
テープを全長にわたって所定のテープ幅(最終製品とし
ての研磨テープの幅であって、例えば1.3cm)に裁断し
てそれを巻き取るスリット工程と、この裁断された研磨
テープを所定長(最終製品としての研磨テープの長さで
あって、例えば100m)づつきれいに整然と化粧巻して製
品化する巻回工程とを備えて成る製造方法に、本発明に
係るクリーニング工程を具備させてなるものである。
本実施例においては、上記クリーニング工程は上記巻回
工程における化粧巻きの直前に設けられており、かつそ
のクリーニング工程は、ブレードを用いた前段クリーニ
ング工程と可撓性クリーニング材料を用いた後段クリー
ニング工程とを備えて成る。
第1図は、前記クリーニング工程を実施する装置を示す
図であり、この第1図に示すように、送出ロール1に巻
かれているスリット済の研磨テープ2が多種のローラを
介して矢印A方向に送られて化粧巻ロール3に整然と化
粧巻される巻回工程において、この送出ロール1と化粧
巻ロール3との間に、走行している研磨テープ2の研磨
層2a表面に当接するステンレス製ブレード(かみそり)
6と、駆動可能な2つの金属ローラ7,7に架け渡され、
走行している研磨テープの研磨層2a表面と支持体表面に
各々当接する可撓性のクリーニング材料5とが配設され
ている。可撓性クリーニング材料5は、ポリアクリロニ
トリル/アクリルエステルから成る不織布により構成さ
れている。
従って、送出ロール1から矢印A方向へ送り出された研
磨テープ2は、まず前段階において研磨層2a表面がステ
ンレス製ブレード6に当接せしめられることにより該研
磨層2aにうめ込まれた付着物等の硬い付着物が削り取ら
れ(前段クリーニング工程)、次に、前記金属ローラ7,
7をゆっくり回転駆動させることにより研磨テープの支
持体表面と研磨層表面の双方の付着物が前記可撓性クリ
ーニング材料5に吸着保持されて取り除かれる(後段ク
リーニング工程)。
また、このクリーニング工程においては、ブレードクリ
ーニングを前段階としてその後に柔かい可撓性クリーニ
ング材料で付着物をぬぐいさるように構成したので、研
磨層のクリーニングによる傷付きを十分に抑制すること
ができる。
前記クリーニング材料とは、走行している研磨テープの
研磨層表面にある程度の押圧力で接触した場合にその研
磨層表面の付着物を吸着保持可能な材料でいい、可撓性
を有するとは、走行している研磨層の表面にある程度の
押圧力で接触させても研磨層を傷付けることのない程度
に柔かく、且つ変形可能、特に厚さ方向に変形可能であ
ることをいう。
このような可撓性を有するクリーニング材料としては、
前記不織布の他、皮革,紙,ガラス繊維,金属繊維,カ
ーボン繊維等があるが、特に、不織布および皮革例えば
鹿皮等の天然皮革や東レ製エクセーヌ等の合成皮革が研
磨テープにすり傷をつける事が少なく優れている。特に
不織布はクリーニング性に優れすり傷を付けない点で最
も好ましい。
不織布の材料としてはセルロース系,アクリル系,ポリ
アミド(ナイロン)系,ポリエステル系の長繊維および
これらの混紡が特に優れている。混紡の例としてはポリ
エステル/ナイロン,ポリアクリロニトリル/アクリル
エステル等がある。長繊維の固定法の例としては接着剤
によるもの、熱溶着法によるもの等がある。
また、クリーニング工程は上記の如く巻回工程において
行うのが好ましいが、中間製品としてスリット済の状態
で出荷する際には、スリット工程において行えば良い。
また、前記クリーニング工程は、従来の研磨テープの製
造工程における前記巻回工程やスリット工程において走
行している研磨テープに当接するようにブレード6や可
撓性クリーニング材料5を配設するだけで良いので、そ
の様な従来の研磨テープの製造工程を殆んど変更するこ
となく実施でき、非常に便利である。
また、前記クリーニング工程は、研磨テープの支持体が
可撓性であることとも相俟って該研磨テープ2とブレー
ド6や可撓性クリーニング材料5との接触力は小さく抑
えることができ、従って研磨テープの走行速度を低減せ
しめる必要もなく、そればかりか研磨テープの走行速度
が増加すればする程クリーニング効果は大きくなるの
で、今後の研磨テープの製造能力アップ時にも十分に対
応可能であるという利点を有している。
つぎにより具体的な実施例をあげてさらに詳細に説明す
る。
(実施例1) 研磨塗液組成 α−Al2O3(サイズ1μm) …300部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 … 60部 レシチン … 1部 メチルエチルケトン …200部 酢酸nブチル …200部 ボールミルを使用して分散させた以上の組成を有する研
磨塗液を、20μm厚のポリエステルフィルム上に5μm
厚に塗布して乾燥させ、その後幅が約1.3cm(0.5イン
チ)のテープに裁断し、第1図に示す方法で研磨テープ
をクリーニングしながら化粧巻きした。なおスリット済
研磨テープのクリーニングスピード(これは化粧巻きの
スピードに等しい)は5m/秒、テープの長さは100m、巻
取テンションは100g、送出テンションは50g、バイリー
ン速度は1mm/secであった。
(比較例1) 上記実施例において、第1図に示すクリーニング工程の
代りに第2図に示すクリーニング工程を採用し、他は上
記実施例と同様の方法で研磨テープを作成した。
第2図に示すクリーニング工程は、送出ロール1に巻か
れているスリット済の研磨テープ2が多種のローラを介
して矢印A方向に送られて化粧巻ロール3に整然と化粧
巻される巻回工程において、この送出ロール1と化粧巻
ロール3との間に、ゴムローラ4に不織布等の可撓性を
有するクリーニング材料5を巻き付けたクリーニング手
段を配設し、このクリーニング手段を回転させることな
く走行中の研磨テープの研磨層2aに接触させてクリーニ
ングを行なう。
第3図はこのクリーニング手段部分を示す斜視図であ
る。ゴムローラ4に研磨テープ2の幅よりも広いクリー
ニング材料5を巻き付けて成るクリーニング手段は研磨
テープ2の研磨層2a側に配設され、該手段のクリーニン
グ材料5を所定の押圧力で研磨層2aの表面に当接さなが
らロール1から3へ研磨テープを走行させることにより
研磨層表面に付着している塵等をクリーニング材料5に
吸着保持させて取り去るように構成されている。なお、
上記クリーニング手段は、上記研磨層2aへの押圧力を調
整するため第2図中矢印B方向に移動可能に設けられて
いる。また、必要に応じて上記クリーニング手段は連続
回転あるいは間欠回転させながら研磨層に接触させても
良い。
(比較例2) 比較例1において、巻回工程における第2図のクリーニ
ング工程の他にさらにスリット工程のスリット後にも第
2図に示すクリーニング工程を設け、他は比較例1と同
様の方法で研磨テープを作成した。
(比較例3) 比較例1において、クリーニング工程を除去し、他は比
較例1と同様の方法で研磨テープの製造を行った。
(比較例4) 比較例1と同様の方法でスリット工程まで行い、その後
研磨層表面をセラミック製の定盤に当接させ上方より硬
度60°のゴムロールで3Kg/cm2の圧力をかけ、研磨テー
プを1cm/secで走行させた後、何らのクリーニング工程
を設けることなく巻回し、他は比較例1と同様の方法で
研磨テープを製造した。上記研磨層表面の定盤への押圧
は特開昭58-223567号公報に記載されている技術であ
る。
上記実施例および比較例1〜4の5つの研磨テープにつ
いて外観評価および100倍の顕微鏡によるテープ研磨面
の傷評価を行なった後、該テープを用いてフェライトヘ
ッドを研磨し、500倍の顕微鏡で該ヘッド表面の傷を観
察したので、その結果を第1表に示す。なお、上記テー
プの外観評価は、化粧巻きテープ10巻当りの凸状変形付
着物の数によって行なった。
第1表から明らかなように、本実施例による研磨テープ
においては、研磨層表面の付着物が大幅に除去され外観
が向上し、これに伴い、ヘッド表面と研磨テープ面のす
り傷の発生をほぼ完全に防止することができる。
なお、比較例4は、強い圧力をかけるのでテープ走行速
度を低減させる必要があり、従来の工程の中に組入れる
のは困難で、新たな工程として別に行う必要があるとい
う不都合を有する。
本発明は、その要旨を越えない範囲において種々変更可
能であり、図示実施例に限定されるものではない。ま
た、本発明は磁気ヘッド以外の研磨に用いる研磨テープ
の製造方法にも適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る研磨テープの製造方法の一実施例
を実施する装置の要部を示す概略図、 第2図は研磨テープの製造方法の比較例を実施する装置
の要部を示す概略図、 第3図は第2図に示す比較例におけるクリーニング手段
の斜視図である。 2……研磨テープ、2a……研磨層表面 4……ゴムローラ、5……クリーニング材料 6……ブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯尾 桂 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 吉川 敏二 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−54989(JP,A) 特開 昭50−152392(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性支持体上に研磨材を含む研磨塗液を
    塗布し乾燥させて研磨層を形成してなる研磨テープの製
    造方法において、 前記研磨塗液の塗布乾燥後に、走行している研磨テープ
    の研磨層表面にブレードを当接させて該研磨層表面の付
    着物を除去する前段クリーニング工程と、該前段クリー
    ニング工程の後において走行している研磨テープの研磨
    層表面および支持体表面の各々に可撓性を有するクリー
    ニング材料を当接させて該クリーニング材料によって研
    磨層表面および支持体表面の付着物を吸着して除去する
    後段クリーニング工程とが設けられていることを特徴と
    する研磨テープの製造方法。
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